JPH1116210A - 光情報媒体 - Google Patents
光情報媒体Info
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- JPH1116210A JPH1116210A JP9185919A JP18591997A JPH1116210A JP H1116210 A JPH1116210 A JP H1116210A JP 9185919 A JP9185919 A JP 9185919A JP 18591997 A JP18591997 A JP 18591997A JP H1116210 A JPH1116210 A JP H1116210A
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光情報媒体の保護層表面に一定の文字や図柄
を容易且つ良好に形成することができると共に、ＣＤ印
刷用のインクジェットプリンタでにじまずに印刷でき、
記録及び印刷の信頼性に優れた光情報媒体を提供する。 【解決手段】 透光性基板上に記録又は再生に関与する
層が形成され、且つレーザ光入射側の裏面に水性の印刷
用インクが定着可能な親水性表面を有する光情報媒体に
おいて、前記親水性表面がポリビニルブチラール樹脂、
親水性モノマー及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬
化型樹脂であるものとする。
を容易且つ良好に形成することができると共に、ＣＤ印
刷用のインクジェットプリンタでにじまずに印刷でき、
記録及び印刷の信頼性に優れた光情報媒体を提供する。 【解決手段】 透光性基板上に記録又は再生に関与する
層が形成され、且つレーザ光入射側の裏面に水性の印刷
用インクが定着可能な親水性表面を有する光情報媒体に
おいて、前記親水性表面がポリビニルブチラール樹脂、
親水性モノマー及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬
化型樹脂であるものとする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光が入射する
反対側の面に良好な印刷を行なうことができる光情報媒
体に関する。
反対側の面に良好な印刷を行なうことができる光情報媒
体に関する。
【０００２】
【従来の技術】現在、光ディスクは大きな記憶容量、ア
クセススピードの速さ、可搬性などの利点から、広く普
及してきている。このうち、コンパクトディスク（以
下、ＣＤと略記することがある）は、ポリカーボネート
等のあらかじめピット形成された基板の上にＡｌ等の反
射層を設け、その上を紫外線硬化樹脂等の保護層で覆っ
た構造になっている。従って、ＣＤは再生専用であり、
その記録内容がユーザーによって変ることはないため、
一般に記録された内容等が保護層表面に記されている。
一方、一回書き込み型のＣＤも普及してきており、この
タイプは記録される内容はユーザーによって違うため、
保護層には何も記載されていないか又は共通の図柄等が
印刷されているだけである。従来はユーザーが記録され
ている内容等を記載したい場合、油性のフェルトペンで
書き込むか又はラベル等を貼るしかなかった。
クセススピードの速さ、可搬性などの利点から、広く普
及してきている。このうち、コンパクトディスク（以
下、ＣＤと略記することがある）は、ポリカーボネート
等のあらかじめピット形成された基板の上にＡｌ等の反
射層を設け、その上を紫外線硬化樹脂等の保護層で覆っ
た構造になっている。従って、ＣＤは再生専用であり、
その記録内容がユーザーによって変ることはないため、
一般に記録された内容等が保護層表面に記されている。
一方、一回書き込み型のＣＤも普及してきており、この
タイプは記録される内容はユーザーによって違うため、
保護層には何も記載されていないか又は共通の図柄等が
印刷されているだけである。従来はユーザーが記録され
ている内容等を記載したい場合、油性のフェルトペンで
書き込むか又はラベル等を貼るしかなかった。
【０００３】しかし、近年、レーザー光が入射する面と
反対側の面に、親水性モノマーを含む重合性樹脂膜が硬
化されてなる親水性表面を有する光情報媒体が提案され
た（特開平６−６０４３２号公報、特開平７−４４８８
８号公報）。このような光情報媒体によると、水性イン
キや油性インキを用いて親水性表面に文字や図柄を書き
込むことが可能であり、最近これら用のインクジェット
プリンタも開発されてきた。
反対側の面に、親水性モノマーを含む重合性樹脂膜が硬
化されてなる親水性表面を有する光情報媒体が提案され
た（特開平６−６０４３２号公報、特開平７−４４８８
８号公報）。このような光情報媒体によると、水性イン
キや油性インキを用いて親水性表面に文字や図柄を書き
込むことが可能であり、最近これら用のインクジェット
プリンタも開発されてきた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ただ、ＣＤ印刷用のイ
ンクジェットプリンタにおいては、インクジェットのド
ットがより再現性よく印刷されなくてはならない。その
ためには、インクジェットのインキがなるべくにじまず
に、表面に付着したときのドットの大きさを保つように
しなくてはならない。ところが、上記のような光情報媒
体のように、単に親水性の表面にするだけでは、インク
ジェットインキが付着した後、吸収、吸着する過程でに
じんでしまうという問題点があった。
ンクジェットプリンタにおいては、インクジェットのド
ットがより再現性よく印刷されなくてはならない。その
ためには、インクジェットのインキがなるべくにじまず
に、表面に付着したときのドットの大きさを保つように
しなくてはならない。ところが、上記のような光情報媒
体のように、単に親水性の表面にするだけでは、インク
ジェットインキが付着した後、吸収、吸着する過程でに
じんでしまうという問題点があった。
【０００５】従って、本発明は、上記のような従来技術
の問題点に鑑み、光情報媒体の保護層表面に一定の文字
や図柄を容易且つ良好に形成することができると共に、
ＣＤ印刷用のインクジェットプリンタでにじまずに印刷
でき、記録及び印刷の信頼性に優れた光情報媒体を提供
することを目的とする。
の問題点に鑑み、光情報媒体の保護層表面に一定の文字
や図柄を容易且つ良好に形成することができると共に、
ＣＤ印刷用のインクジェットプリンタでにじまずに印刷
でき、記録及び印刷の信頼性に優れた光情報媒体を提供
することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、透光性基板上に記録又は再生に関与する層が形成さ
れ、且つレーザ光入射側の裏面に水性の印刷用インクが
定着可能な親水性表面を有する光情報媒体において、前
記親水性表面がポリビニルブチラール樹脂、親水性モノ
マー及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬化型樹脂で
あることを特徴とする光情報媒体が提供される。第二
に、前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度
が、７０モル％以上であることを特徴とする上記第一に
記載した光情報媒体が提供される。第三に、前記ポリビ
ニルブチラール樹脂の平均重合度が、５００〜１００，
０００の範囲にあることを特徴とする上記第一又は第二
に記載した光情報媒体が提供される。第四に、前記紫外
線硬化型樹脂中のポリビニルブチラール樹脂の割合が、
２〜２０重量％の範囲にあることを特徴とする上記第一
〜第三のいずれかに記載した光情報媒体が提供される。
第五に、前記親水性モノマーが、ジメチルアクリルアミ
ドを含有することを特徴とする上記第一に記載した光情
報媒体が提供される。第六に、前記親水性モノマー中の
ジメチルアクリルアミドの含有量が、５０重量％以上で
あることを特徴とする上記第五に記載した光情報媒体が
提供される。第七に、前記二酸化ケイ素粉末が、表面に
シラノール基を有し親水性表面をもったものであること
を特徴とする上記第一に記載した光情報媒体が提供され
る。第八に、前記二酸化ケイ素粉末の中心粒径が、１０
μｍ以下であることを特徴とする上記第一又は第七に記
載した光情報媒体が提供される。第九に、前記紫外線硬
化型樹脂中の二酸化ケイ素粉末の割合が、５〜２０重量
％の範囲にあることを特徴とする上記第一、第七又は第
八に記載した光情報媒体が提供される。第十に、基板上
に記録層、反射層、保護層を順次積層させ、しかも該保
護層が３層構成であって、その最上層が前記水性の印刷
インクが定着可能な親水性表面であることを特徴とする
上記第一に記載した光情報媒体が提供される。第十一
に、前記保護層の中間層が、非親水性であることを特徴
とする上記第十に記載した光情報媒体が提供される。第
十二に、前記保護層の中間層の厚みが、その最上層中に
含まれる酸化ケイ素粉末の粒径よりも大きいことを特徴
とする上記第十又は十一に記載した光情報媒体が提供さ
れる。
に、透光性基板上に記録又は再生に関与する層が形成さ
れ、且つレーザ光入射側の裏面に水性の印刷用インクが
定着可能な親水性表面を有する光情報媒体において、前
記親水性表面がポリビニルブチラール樹脂、親水性モノ
マー及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬化型樹脂で
あることを特徴とする光情報媒体が提供される。第二
に、前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度
が、７０モル％以上であることを特徴とする上記第一に
記載した光情報媒体が提供される。第三に、前記ポリビ
ニルブチラール樹脂の平均重合度が、５００〜１００，
０００の範囲にあることを特徴とする上記第一又は第二
に記載した光情報媒体が提供される。第四に、前記紫外
線硬化型樹脂中のポリビニルブチラール樹脂の割合が、
２〜２０重量％の範囲にあることを特徴とする上記第一
〜第三のいずれかに記載した光情報媒体が提供される。
第五に、前記親水性モノマーが、ジメチルアクリルアミ
ドを含有することを特徴とする上記第一に記載した光情
報媒体が提供される。第六に、前記親水性モノマー中の
ジメチルアクリルアミドの含有量が、５０重量％以上で
あることを特徴とする上記第五に記載した光情報媒体が
提供される。第七に、前記二酸化ケイ素粉末が、表面に
シラノール基を有し親水性表面をもったものであること
を特徴とする上記第一に記載した光情報媒体が提供され
る。第八に、前記二酸化ケイ素粉末の中心粒径が、１０
μｍ以下であることを特徴とする上記第一又は第七に記
載した光情報媒体が提供される。第九に、前記紫外線硬
化型樹脂中の二酸化ケイ素粉末の割合が、５〜２０重量
％の範囲にあることを特徴とする上記第一、第七又は第
八に記載した光情報媒体が提供される。第十に、基板上
に記録層、反射層、保護層を順次積層させ、しかも該保
護層が３層構成であって、その最上層が前記水性の印刷
インクが定着可能な親水性表面であることを特徴とする
上記第一に記載した光情報媒体が提供される。第十一
に、前記保護層の中間層が、非親水性であることを特徴
とする上記第十に記載した光情報媒体が提供される。第
十二に、前記保護層の中間層の厚みが、その最上層中に
含まれる酸化ケイ素粉末の粒径よりも大きいことを特徴
とする上記第十又は十一に記載した光情報媒体が提供さ
れる。
【０００７】すなわち、本発明の光情報媒体は、その親
水性表面をポリビニルブチラール樹脂、親水性モノマー
及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬化型樹脂である
ものとしたことから、該樹脂中のポリビニルブチラール
樹脂成分により親水性をあまり損なわずにインクジェッ
トインキの付着後のにじみを防止でき、親水性モノマー
成分により親水性を保つことができ、更に二酸化ケイ素
粉末によりインキを受理しやすい表面を形成できるもの
となるので、ＣＤ印刷用のインクジェットプリンタでに
じまずに印刷でき、記録及び印刷の信頼性に優れたもの
となる。
水性表面をポリビニルブチラール樹脂、親水性モノマー
及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬化型樹脂である
ものとしたことから、該樹脂中のポリビニルブチラール
樹脂成分により親水性をあまり損なわずにインクジェッ
トインキの付着後のにじみを防止でき、親水性モノマー
成分により親水性を保つことができ、更に二酸化ケイ素
粉末によりインキを受理しやすい表面を形成できるもの
となるので、ＣＤ印刷用のインクジェットプリンタでに
じまずに印刷でき、記録及び印刷の信頼性に優れたもの
となる。
【０００８】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明について更に詳しく具体的に説明する。図１はライト
ワンス型ＣＤの模式断面を示している。図１において、
ポリカーボネート樹脂等からなる透光性基板１上に、ラ
せん状にトラッキング用の案内溝２が形成され、その上
に色素記録層３がコーティングされている。その上に金
属の反射膜４が形成され、その上に紫外線硬化型樹脂等
の保護層５が設けられ、更にその上に本発明の親水性表
面層６が形成される。
明について更に詳しく具体的に説明する。図１はライト
ワンス型ＣＤの模式断面を示している。図１において、
ポリカーボネート樹脂等からなる透光性基板１上に、ラ
せん状にトラッキング用の案内溝２が形成され、その上
に色素記録層３がコーティングされている。その上に金
属の反射膜４が形成され、その上に紫外線硬化型樹脂等
の保護層５が設けられ、更にその上に本発明の親水性表
面層６が形成される。
【０００９】本発明の親水性表面層６は、親水性モノマ
ー中にポリビニルブチラールを溶解させ、二酸化ケイ素
粉末を分散させたものを、保護層５上にスクリーン印刷
等で塗布し、硬化させることにより得ることができる。
ポリビニルブチラールはポリビニルアルコールにブチル
アルデヒドを反応させて製造されるが、ブチラール反応
において完全にブチラール化することはできない。従っ
て、通常ポリビニルブチラールには、相当程度の水酸基
が残されている。また、ポリビニルアルコールを製造す
る際にも、少量のアセチル基が残る。従って一般にポリ
ビニルブチラールの化学構造は、下記構造式（Ｉ）で示
されるようになる。
ー中にポリビニルブチラールを溶解させ、二酸化ケイ素
粉末を分散させたものを、保護層５上にスクリーン印刷
等で塗布し、硬化させることにより得ることができる。
ポリビニルブチラールはポリビニルアルコールにブチル
アルデヒドを反応させて製造されるが、ブチラール反応
において完全にブチラール化することはできない。従っ
て、通常ポリビニルブチラールには、相当程度の水酸基
が残されている。また、ポリビニルアルコールを製造す
る際にも、少量のアセチル基が残る。従って一般にポリ
ビニルブチラールの化学構造は、下記構造式（Ｉ）で示
されるようになる。
【化１】 （式中、ｌ、ｍ、ｎは各繰り返し単位の組成比を示
す。）
す。）
【００１０】上記組成の割合により物理的・化学的性質
を異にし、重合度により熱的、機械的性質及び粘度が左
右される。本発明においては、ポリビニルブチラール樹
脂のブチラール化度が７０モル％以上のものを使用する
ことが、にじみ防止の点から好ましい。また、ポリビニ
ルブチラール樹脂の平均重合度が５００〜１００，００
０の範囲のものが好ましい。重合度が５００未満だと増
粘効果への寄与が少なく、逆に１００，０００超過では
過度に増粘してしまう。また、ポリビニルブチラール樹
脂の紫外線硬化型樹脂中の割合は、２〜２０重量％の範
囲内とすることが好ましい。２重量％未満ではにじみ防
止効果が弱く、逆に２０重量％超過では過度に増粘して
しまう。
を異にし、重合度により熱的、機械的性質及び粘度が左
右される。本発明においては、ポリビニルブチラール樹
脂のブチラール化度が７０モル％以上のものを使用する
ことが、にじみ防止の点から好ましい。また、ポリビニ
ルブチラール樹脂の平均重合度が５００〜１００，００
０の範囲のものが好ましい。重合度が５００未満だと増
粘効果への寄与が少なく、逆に１００，０００超過では
過度に増粘してしまう。また、ポリビニルブチラール樹
脂の紫外線硬化型樹脂中の割合は、２〜２０重量％の範
囲内とすることが好ましい。２重量％未満ではにじみ防
止効果が弱く、逆に２０重量％超過では過度に増粘して
しまう。
【００１１】親水性モノマーとしては、吸水性と低粘度
の点からジメチルアクリルアミドが好ましく、該モノマ
ーを使用することによってポリビニルブチラールの含有
量を増加できる。特にジメチルアクリルアミドを５０重
量％以上含むものが好ましく、このことにより親水性モ
ノマー全体として吸水性の向上と粘度低下が達成でき
る。他の親水性モノマーとしては、ポリエチレングリコ
ール２００ジアクリレート、ポリエチレングリコール４
００アクリレート、ポリエチレングリコール６００ジア
クリレート（以上いずれも共栄社油脂製）、アクリロイ
ルモルホリン（興人社製）等が挙げられる。
の点からジメチルアクリルアミドが好ましく、該モノマ
ーを使用することによってポリビニルブチラールの含有
量を増加できる。特にジメチルアクリルアミドを５０重
量％以上含むものが好ましく、このことにより親水性モ
ノマー全体として吸水性の向上と粘度低下が達成でき
る。他の親水性モノマーとしては、ポリエチレングリコ
ール２００ジアクリレート、ポリエチレングリコール４
００アクリレート、ポリエチレングリコール６００ジア
クリレート（以上いずれも共栄社油脂製）、アクリロイ
ルモルホリン（興人社製）等が挙げられる。
【００１２】また、紫外線硬化剤としては、ベンジルジ
メチルケタール等が例示でき、これらを１〜１０重量％
添加する。１重量％未満では充分な硬化性が得られず、
１０重量％超過では水性インキに悪影響を与える。
メチルケタール等が例示でき、これらを１〜１０重量％
添加する。１重量％未満では充分な硬化性が得られず、
１０重量％超過では水性インキに悪影響を与える。
【００１３】更に、これら混合樹脂液に二酸化ケイ素粉
末を分散させる。二酸化ケイ素粉末は、表面にシラノー
ル基を持つ親水性のものが好ましい。親水性とすること
によって水性インキをはじかなくなる。また、二酸化ケ
イ素粉末は中心粒径が１０μｍ以下のものが好ましい。
中心粒径が１０μｍ超過では、表面に析出している部分
が多くなり、この部分はポリビニルブチラールの影響を
受けないため、水性インキがにじみやすくなる。平均粒
径１０μｍ以下であると、該粒子が表面に析出しづらく
なり、水性インキがにじみにくくなる。な直、二酸化ケ
イ素粉末の紫外線硬化型樹脂中の割合は、５〜２０重量
％の範囲で分散させることが好ましい。５重量％未満で
は吸水スピードが遅く、逆に２０重量％超過ではにじみ
やすくなる。なお、数μｍオーダーの粒径をもつ二酸化
ケイ素粉末としては、表面に微細孔を持つシリカゲルと
呼ばれるものが好ましい。
末を分散させる。二酸化ケイ素粉末は、表面にシラノー
ル基を持つ親水性のものが好ましい。親水性とすること
によって水性インキをはじかなくなる。また、二酸化ケ
イ素粉末は中心粒径が１０μｍ以下のものが好ましい。
中心粒径が１０μｍ超過では、表面に析出している部分
が多くなり、この部分はポリビニルブチラールの影響を
受けないため、水性インキがにじみやすくなる。平均粒
径１０μｍ以下であると、該粒子が表面に析出しづらく
なり、水性インキがにじみにくくなる。な直、二酸化ケ
イ素粉末の紫外線硬化型樹脂中の割合は、５〜２０重量
％の範囲で分散させることが好ましい。５重量％未満で
は吸水スピードが遅く、逆に２０重量％超過ではにじみ
やすくなる。なお、数μｍオーダーの粒径をもつ二酸化
ケイ素粉末としては、表面に微細孔を持つシリカゲルと
呼ばれるものが好ましい。
【００１４】なお、これまで保護層について、２層構成
すなわち保護層５とその上の親水性表面層６との２層構
成の場合を説明してきたが、もちろん保護層全体が１層
構成（親水性表面層のみ）であってもよいし、３層以上
の複層構成であってもよい。特に、保護層を３層構成と
し、その最上層を親水性表面層とすることは、筆記時の
信頼性向上の点から好ましい。また、保護層を３層構成
とした場合、その中間層を非親水性にすると、筆記時の
信頼性がより向上するので、更に好ましい。また、３層
構成保護層において、中間層の膜厚を最上層に分散され
ている二酸化ケイ素粉末の粒径よりも大きくすると、筆
記時及び最上層をスクリーン印刷等で形成する時の信頼
性が向上するので、非常に好ましい。
すなわち保護層５とその上の親水性表面層６との２層構
成の場合を説明してきたが、もちろん保護層全体が１層
構成（親水性表面層のみ）であってもよいし、３層以上
の複層構成であってもよい。特に、保護層を３層構成と
し、その最上層を親水性表面層とすることは、筆記時の
信頼性向上の点から好ましい。また、保護層を３層構成
とした場合、その中間層を非親水性にすると、筆記時の
信頼性がより向上するので、更に好ましい。また、３層
構成保護層において、中間層の膜厚を最上層に分散され
ている二酸化ケイ素粉末の粒径よりも大きくすると、筆
記時及び最上層をスクリーン印刷等で形成する時の信頼
性が向上するので、非常に好ましい。
【００１５】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【００１６】実施例１〜８ トラックピッチ１．６μｍのガイド溝が形成された直径
１２０ｍｍ、厚み１．２ｍｍのポリカーボネート基板
に、シアニン系色素をスピンコーターで平均膜厚１００
ｎｍでコートし乾燥させ、その上に金を１００ｎｍスパ
ッタリングで形成した。次に、紫外線硬化樹脂〔ＳＤ−
１７：大日本インキ（株）製〕を塗布し、硬化させた。
ここで表１に示す割合で樹脂等を配合し、３本ロールで
分散させた。このようにして用意された材料を、前記保
護層上に２５０メッシュのスクリーンを用い記録エリア
全面にスクリーン印刷し紫外線硬化させ、厚さ１０μｍ
の親水性樹脂膜を形成した。
１２０ｍｍ、厚み１．２ｍｍのポリカーボネート基板
に、シアニン系色素をスピンコーターで平均膜厚１００
ｎｍでコートし乾燥させ、その上に金を１００ｎｍスパ
ッタリングで形成した。次に、紫外線硬化樹脂〔ＳＤ−
１７：大日本インキ（株）製〕を塗布し、硬化させた。
ここで表１に示す割合で樹脂等を配合し、３本ロールで
分散させた。このようにして用意された材料を、前記保
護層上に２５０メッシュのスクリーンを用い記録エリア
全面にスクリーン印刷し紫外線硬化させ、厚さ１０μｍ
の親水性樹脂膜を形成した。
【００１７】
【表１】
【００１８】以上のディスクを光ディスク用インクジェ
ットプリンター：トレースにて、０％〜１００％の階調
の５ｍｍ角の正方形１１個を印刷した。その結果、イン
クジェットプリンタでにじまずに印刷することができ
た。特に、実施例１では階調度６０％まで適当な階調度
が表現できた。
ットプリンター：トレースにて、０％〜１００％の階調
の５ｍｍ角の正方形１１個を印刷した。その結果、イン
クジェットプリンタでにじまずに印刷することができ
た。特に、実施例１では階調度６０％まで適当な階調度
が表現できた。
【００１９】
【発明の効果】請求項１の光情報媒体は、前記したよう
に、親水性表面がポリビニルブチラール樹脂、親水性モ
ノマー及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬化型樹脂
であるものとしたことから、該樹脂中のポリビニルブチ
ラール樹脂成分により親水性をあまり損なわずにインク
ジェットインキの付着後のにじみを防止でき、親水性モ
ノマー成分により親水性を保つことができ、更に二酸化
ケイ素粉末によりインキを受理しやすい表面を形成でき
るものとなるので、ＣＤ印刷用のインクジェットプリン
タでにじまずに印刷でき、記録及び印刷の信頼性に優れ
たものとなる。請求項２の光情報媒体は、前記ポリビニ
ルブチラール樹脂のブチラール化度が７０モル％以上で
あるものとしたことから、にじみ防止性が更に向上する
という効果が加わる。請求項３の光情報媒体は、前記ポ
リビニルブチラール樹脂の平均重合度が５００〜１０
０，０００の範囲にあるものとしたことから、適切な増
粘効果が発揮されるという効果が加わる。請求項４の光
情報媒体は、前記紫外線硬化型樹脂中のポリビニルブチ
ラール樹脂の割合が２〜２０重量％の範囲にあるものと
したことから、にじみ防止性と適切な増粘効果を併わせ
もつという効果が加わる。請求項５の光情報媒体は、前
記親水性モノマーがジメチルアクリルアミドを含有する
ものとしたことから、優れた吸水性と低い粘度の点か
ら、ポリビニルブチラール樹脂の含有量を増やせるとい
う効果が加わる。請求項６の光情報媒体は、前記親水性
モノマー中のジメチルアクリルアミドの含有量が５０重
量％以上であるものとしたことから、親水性モノマー全
体として吸水性を向上し且つ粘度を下げることができる
という効果が加わる。請求項７の光情報媒体は、前記二
酸化ケイ素粉末が表面にシラノール基を有し親水性表面
をもったものであるものとしたことから、水性インキを
はじかないという効果が加わる。請求項８の光情報媒体
は、前記二酸化ケイ素粉末の中心粒径が１０μｍ以下で
あるものとしたことから、該粉末が表面に析出しにくく
やり、水性インキのにじみを十分に防止できるという効
果が加わる。請求項９の光情報媒体は、前記紫外線硬化
型樹脂中の二酸化ケイ素粉末の割合が５〜２０重量％の
範囲にあるものとしたことから、適切な吸水速度とにじ
み防止性を発揮するという効果が加わる。請求項１０の
光情報媒体は、基板上に記録層、反射層、保護層を順次
積層させ、しかも該保護層が３層構成であって、その最
上層が前記水性の印刷インクが定着可能な親水性表面で
あるものとしたことから、筆記時の信頼性が向上すると
いう効果が加わる。請求項１１の光情報媒体は、前記保
護層の中間層が非親水性であるものとしたことから、筆
記時の信頼性が更に向上するという効果が加わる。請求
項１２の光情報媒体は、前記保護層の中間層の厚みがそ
の最上層中に含まれる酸化ケイ素粉末の粒径よりも大き
いものとしたことから、筆記時及び最上層をスクリーン
印刷等で形成する時の信頼性が更に向上するという効果
が加わる。
に、親水性表面がポリビニルブチラール樹脂、親水性モ
ノマー及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬化型樹脂
であるものとしたことから、該樹脂中のポリビニルブチ
ラール樹脂成分により親水性をあまり損なわずにインク
ジェットインキの付着後のにじみを防止でき、親水性モ
ノマー成分により親水性を保つことができ、更に二酸化
ケイ素粉末によりインキを受理しやすい表面を形成でき
るものとなるので、ＣＤ印刷用のインクジェットプリン
タでにじまずに印刷でき、記録及び印刷の信頼性に優れ
たものとなる。請求項２の光情報媒体は、前記ポリビニ
ルブチラール樹脂のブチラール化度が７０モル％以上で
あるものとしたことから、にじみ防止性が更に向上する
という効果が加わる。請求項３の光情報媒体は、前記ポ
リビニルブチラール樹脂の平均重合度が５００〜１０
０，０００の範囲にあるものとしたことから、適切な増
粘効果が発揮されるという効果が加わる。請求項４の光
情報媒体は、前記紫外線硬化型樹脂中のポリビニルブチ
ラール樹脂の割合が２〜２０重量％の範囲にあるものと
したことから、にじみ防止性と適切な増粘効果を併わせ
もつという効果が加わる。請求項５の光情報媒体は、前
記親水性モノマーがジメチルアクリルアミドを含有する
ものとしたことから、優れた吸水性と低い粘度の点か
ら、ポリビニルブチラール樹脂の含有量を増やせるとい
う効果が加わる。請求項６の光情報媒体は、前記親水性
モノマー中のジメチルアクリルアミドの含有量が５０重
量％以上であるものとしたことから、親水性モノマー全
体として吸水性を向上し且つ粘度を下げることができる
という効果が加わる。請求項７の光情報媒体は、前記二
酸化ケイ素粉末が表面にシラノール基を有し親水性表面
をもったものであるものとしたことから、水性インキを
はじかないという効果が加わる。請求項８の光情報媒体
は、前記二酸化ケイ素粉末の中心粒径が１０μｍ以下で
あるものとしたことから、該粉末が表面に析出しにくく
やり、水性インキのにじみを十分に防止できるという効
果が加わる。請求項９の光情報媒体は、前記紫外線硬化
型樹脂中の二酸化ケイ素粉末の割合が５〜２０重量％の
範囲にあるものとしたことから、適切な吸水速度とにじ
み防止性を発揮するという効果が加わる。請求項１０の
光情報媒体は、基板上に記録層、反射層、保護層を順次
積層させ、しかも該保護層が３層構成であって、その最
上層が前記水性の印刷インクが定着可能な親水性表面で
あるものとしたことから、筆記時の信頼性が向上すると
いう効果が加わる。請求項１１の光情報媒体は、前記保
護層の中間層が非親水性であるものとしたことから、筆
記時の信頼性が更に向上するという効果が加わる。請求
項１２の光情報媒体は、前記保護層の中間層の厚みがそ
の最上層中に含まれる酸化ケイ素粉末の粒径よりも大き
いものとしたことから、筆記時及び最上層をスクリーン
印刷等で形成する時の信頼性が更に向上するという効果
が加わる。
【図１】図１は本発明の光情報媒体の模式断面図であ
る。
る。
１ 透光性基板 ２ 案内溝 ３ 色素記録層 ４ 反射膜 ５ 保護層 ６ 親水性表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ０９Ｄ 133/26 Ｃ０９Ｄ 133/26
Claims (12)
- 【請求項１】 透光性基板上に記録又は再生に関与する
層が形成され、且つレーザ光入射側の裏面に水性の印刷
用インクが定着可能な親水性表面を有する光情報媒体に
おいて、前記親水性表面がポリビニルブチラール樹脂、
親水性モノマー及び二酸化ケイ素粉末からなる紫外線硬
化型樹脂であることを特徴とする光情報媒体。 - 【請求項２】 前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラ
ール化度が、７０モル％以上であることを特徴とする請
求項１に記載の光情報媒体。 - 【請求項３】 前記ポリビニルブチラール樹脂の平均重
合度が、５００〜１００，０００の範囲にあることを特
徴とする請求項１又は２に記載の光情報媒体。 - 【請求項４】 前記紫外線硬化型樹脂中のポリビニルブ
チラール樹脂の割合が、２〜２０重量％の範囲にあるこ
とを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の光情報
媒体。 - 【請求項５】 前記親水性モノマーが、ジメチルアクリ
ルアミドを含有することを特徴とする請求項１に記載の
光情報媒体。 - 【請求項６】 前記親水性モノマー中のジメチルアクリ
ルアミドの含有量が、５０重量％以上であることを特徴
とする請求項５に記載の光情報媒体。 - 【請求項７】 前記二酸化ケイ素粉末が、表面にシラノ
ール基を有し親水性表面をもったものであることを特徴
とする請求項１に記載の光情報媒体。 - 【請求項８】 前記二酸化ケイ素粉末の中心粒径が、１
０μｍ以下であることを特徴とする請求項１又は７に記
載の光情報媒体。 - 【請求項９】 前記紫外線硬化型樹脂中の二酸化ケイ素
粉末の割合が、５〜２０重量％の範囲にあることを特徴
とする請求項１、７又は８に記載の光情報媒体。 - 【請求項１０】 基板上に記録層、反射層、保護層を順
次積層させ、しかも該保護層が３層構成であって、その
最上層が前記水性の印刷インクが定着可能な親水性表面
であることを特徴とする請求項１に記載の光情報媒体。 - 【請求項１１】 前記保護層の中間層が、非親水性であ
ることを特徴とする請求項１０に記載の光情報媒体。 - 【請求項１２】 前記保護層の中間層の厚みが、その最
上層中に含まれる酸化ケイ素粉末の粒径よりも大きいこ
とを特徴とする請求項１０又は１１に記載の光情報媒
体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9185919A JPH1116210A (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 光情報媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9185919A JPH1116210A (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 光情報媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1116210A true JPH1116210A (ja) | 1999-01-22 |
Family
ID=16179181
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9185919A Pending JPH1116210A (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 光情報媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1116210A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1195261A3 (en) * | 2000-10-06 | 2002-04-17 | Master Mind, Co., Ltd. | Recording medium printing method |
-
1997
- 1997-06-26 JP JP9185919A patent/JPH1116210A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1195261A3 (en) * | 2000-10-06 | 2002-04-17 | Master Mind, Co., Ltd. | Recording medium printing method |
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