JPH1116181A - 光ヘッド用対物レンズ駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の対物レンズに確実に切り替えできる光
ヘッド用対物レンズ駆動装置を提供する。 【解決手段】 光学特性の異なる複数の対物レンズ３
ａ，３ｂを保持する回動可能なレンズホルダ４を、トラ
ッキング用コイル７に対物レンズ切り替え用キックパル
スを印加することにより回動させて、所望の対物レンズ
を所定の回動位置に位置させるようにした光ヘッド用対
物レンズ駆動装置において、前記対物レンズ切り替え用
キックパルスとして、所定の極性のパルスに続く逆極性
のパルスを含むキックパルスを印加する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスク、光
磁気ディスク等の記録媒体に対して情報の記録や再生を
行うのに用いる光ヘッド用対物レンズ駆動装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光ヘッド用対物レンズ駆動装置と
して、例えば、図７に分解斜視図を示すようなものが提
案されている。この対物レンズ駆動装置は、いわゆる軸
摺動型のムービングマグネット方式のもので、支持台１
に固定された支軸２には、例えば開口数の異なるＣＤ用
の対物レンズ３ａおよびＤＶＤ用の対物レンズ３ｂを保
持するレンズホルダ４が、対物レンズ３ａ，３ｂの光軸
が支軸２の軸線と平行となるように、軸受け部４ａを介
して回動自在で、かつ軸線方向に摺動自在に支持されて
いると共に、このレンズホルダ４の支軸２を中心とする
円周上には、その半径方向に着磁された一対のマグネッ
ト５（図では、一方のマグネットのみを示す）が取り付
けられている。また、支持台１側には、各マグネット５
にそれぞれ対向するように、その外側にフォーカシング
用コイル６およびトラッキング用コイル７が設けられて
いる。なお、図７には、一方のマグネット５に対向する
ように、それぞれ一つのフォーカシング用コイル６およ
びトラッキング用コイル７を示している。

【０００３】ここで、フォーカシング用コイル６は、通
電することによりマグネット５に対して支軸２の軸線方
向に電磁力としてのローレンツ力が作用するように、支
軸２と平行な軸線周りに巻回され、トラッキング用コイ
ル７は、通電することによりマグネット５に対して支軸
２の円周の接線方向にローレンツ力が作用するように、
該接線方向周りに巻回されている。したがって、フォー
カシング用コイル６およびトラッキング用コイル７に流
す電流を適切に制御することにより、ディスク等の記録
媒体（図示せず）に記録された情報ピット等の位置に対
物レンズ３ａまたは３ｂの焦点を合わせるフォーカシン
グ制御およびその焦点を情報ピット列のトラックに追従
させるトラッキング制御が可能となる。

【０００４】さらに、トラッキング用コイル７は、対物
レンズ３ａ，３ｂの切り替えのための駆動源としても用
いられる。すなわち、ＣＤ，ＤＶＤのディスクの種類に
対応して対物レンズ３ａ，３ｂを切り替えるのに際し
て、トラッキング用コイル７に、図８に示すような所定
の極性の駆動信号、いわゆるキックパルスを印加し、こ
れによりレンズホルダ４に大きなトルクを与えて、レン
ズホルダ４を支軸２を中心に所定角度、図７の場合には
１８０°回動させて、対応する対物レンズ３ａもしくは
３ｂを所定の回動位置、すなわち光ヘッドの所定光軸位
置に到達させるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の対物レンズ駆動装置にあっては、対物レンズ３
ａ，３ｂの切り替えにあたって、所定の極性のキックパ
ルスのパルス幅を広くすると、レンズホルダ４が回転し
難くなるため、パルス幅を短くして、マグネット５とト
ラッキング用コイル７とが位置的にほぼ対向している短
時間内に加えられた駆動力により回転に勢いをつけて、
慣性により所定角度位置に対物レンズ３ａもしくは３ｂ
を到達させるようにしている。

【０００６】このため、キックパルスの印加が終了して
からの惰性によるレンズホルダ４の回動行路が長くなっ
て、レンズ切り替え動作の確実性が低くなり、光ヘッド
の所定光軸位置に対物レンズ３ａもしくは３ｂを到達さ
せることが困難になる場合が度々生じるという問題があ
る。

【０００７】この発明の目的は、このような従来の問題
点に着目してなされたもので、対物レンズを確実に切り
替えられるよう適切に構成した光ヘッド用対物レンズ駆
動装置を提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、光学特性の異なる複数の対物レンズを
保持する回動可能なレンズホルダを、トラッキング用コ
イルに対物レンズ切り替え用キックパルスを印加するこ
とにより回動させて、所望の対物レンズを所定の回動位
置に位置させるようにした光ヘッド用対物レンズ駆動装
置において、前記対物レンズ切り替え用キックパルスと
して、所定の極性のパルスに続く逆極性のパルスを含む
キックパルスを印加するよう構成したことを特徴とする
ものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、この発明の第１実施形態
を説明するための図である。この対物レンズ駆動装置に
おいては、図７に示した対物レンズ駆動装置と同様に、
トラッキング用コイル７を支軸２の軸線を中心とする円
の接線方向周りに巻回し、このトラッキング用コイル７
に通電することにより、マグネット５と面して支軸２の
軸線方向に延在する線材部分とマグネット５との間で接
線方向にローレンツ力を発生させて、レンズホルダ４を
支軸２の周りに回動させて、トラッキング制御および対
物レンズ３ａ，３ｂの切り替えを行う。なお、図１に
は、支軸２の軸線、マグネット５およびトラッキング用
コイル７のみを示し、その他の構成部品は図示を省略し
てある。

【００１０】この実施形態では、対物レンズ３ａ，３ｂ
を切り替えにあたって、例えば、図２（ａ）に示すパタ
ーンのキックパルスをトラッキング用コイル７に印加す
る。すなわち、従来と同様の通常の極性のパルスに続い
て、それとは逆極性のパルスを印加する。ここで、通常
のパルスは、図３（ａ）に示すように、トラッキング用
コイル７とマグネット５の磁極面とがほぼ対向する範囲
内（ステージ１と称することにする）の任意のタイミン
グで印加し、それに続く逆極性のパルスは、図３（ｂ）
に示すように、トラッキング用コイル７とマグネット５
の磁極面とが相互に外れた位置（ステージ２と称するこ
とにする）に至った時点において印加する。つまり、ト
ラッキング用コイル７のステージ１における磁場ベクト
ルの方向とステージ２における磁場ベクトルの方向とが
逆になるのに合わせて、キックパルスの極性を反転させ
る。

【００１１】このようなキックパルスをトラッキング用
コイル７に印加することにより、ステージ１のパルスに
よりマグネット５がトラッキング用コイル７と対向しな
い位置に回動移動しても、ステージ２のパルスにより同
一方向のローレンツ力を発生させることができる。した
がって、駆動可能な領域を広げることが可能となり、レ
ンズホルダ４の回動行路を短くすることができるので、
レンズ切り替え動作の確実性が高くなり、光ヘッドの所
定光軸位置に対物レンズ３ａもしくは３ｂを到達させる
ことが容易となる。

【００１２】なお、ステージ１および２で印加するパル
スの振幅や幅は適宜設定されるもので、図２（ａ）に示
すパターンに限らず、例えば、図２（ｂ）に示すパター
ンのキックパルスを印加することもできる。図２（ｂ）
に示すキックパルスは、ステージ１とステージ２とのパ
ルスの印加の間に休止期間を設けたものである。このよ
うに、休止期間を設ければ、レンズホルダ４の回動移動
に伴うマグネット５とトラッキング用コイル７との相対
位置関係のばらつきと、パルスの印加タイミングのばら
つきとの誤差を吸収することが可能となり、レンズ切り
替え動作をより確実に行うことが可能となる。

【００１３】図４は、この発明の第２実施形態を説明す
るための図である。この対物レンズ駆動装置は、第１実
施形態の構成において、トラッキング用コイル７を、マ
グネット５の磁極面にほぼ直交する軸周りに巻回して構
成したものである。なお、図４では、二つのトラッキン
グ用コイルを隣接して設けているが、単一のコイルであ
ってもよい。

【００１４】このような構造のトラッキング用コイル７
を用いる場合、第１実施形態の場合とは異なり、マグネ
ット５は、トラッキング用コイル７の線分７ａの他に、
その回動移動に伴ってトラッキング用コイル７の線分７
ｂにも対向して、接線方向へのローレンツ力を生じるこ
とになる。このため、線分７ａとマグネット５との間で
のみレンズ切り替えのための駆動力を発生させるのであ
れば、例えば、図２（ａ）や図２（ｂ）に示したパター
ンのキックパルスを印加してもよいが、より確実な切り
替え動作を確保するため、この実施形態では、トラッキ
ング用コイル７に信号を印加すると、線分７ａと線分７
ｂとでは電流の流れる方向が互いに逆方向となるのを考
慮して、図５に示すようなパターンのキックパルス、す
なわち通常の極性のパルスに続く逆極性のパルス、さら
にそれに続く通常の極性のパルスを含むキックパルスを
トラッキング用コイル７に印加する。

【００１５】すなわち、このようなキックパルスをトラ
ッキング用コイル７に印加することにより、マグネット
５の磁場に対して、図６（ａ）に示すようなステージ１
においては、線分７ａを流れる正方向の信号と正方向の
磁場ベクトルとによる駆動力を生じさせ、図６（ｂ）に
示すようなステージ２においては、線分７ａを流れる逆
方向の信号と逆方向の磁場ベクトルとによる駆動力、お
よび線分７ｂを流れる正方向の信号と正方向の磁場ベク
トルとによる駆動力を生じさせ、さらに図６（ｃ）に示
すようなステージ３においては、線分７ｂを流れる逆方
向の信号と逆方向の磁場ベクトルとによる駆動力を生じ
させる。

【００１６】このように構成すれば、駆動可能な領域を
より広げることが可能となり、レンズホルダ４の回動行
路をさらに短くすることができるので、レンズ切り替え
動作の確実性を一層高めることができ、所定光軸位置に
対物レンズ３ａもしくは３ｂを到達させることがさらに
容易となる。なお、この実施形態においても、図２
（ｂ）に示したキックパルスと同様に、順次のステージ
でのパルスの印加の間に休止期間を設定することもでき
る。

【００１７】なお、この発明は、上述した実施形態にお
けるように、マグネット５を回動側に、トラッキング用
コイル７を固定側に配設したものに限らず、マグネット
５を固定側に、トラッキング用コイル７を回動側に配設
した、いわゆるムービングコイル方式の光ヘッドにも有
効に適用することができる。

【００１８】

【発明の効果】この発明によれば、光学特性の異なる複
数の対物レンズを保持する軸摺動型のレンズホルダを、
トラッキング用コイルに所定の極性のパルスに続く逆極
性のパルスを含むキックパルスを印加することにより回
動させて、所望の対物レンズを所定の回動位置、すなわ
ち光ヘッドの所定光軸位置に位置させるようにしたの
で、レンズホルダの駆動可能領域を広げることができ、
所望の対物レンズを所定光軸位置に到達させるまでのレ
ンズホルダの回動行路を短くすることができる。したが
って、レンズ切り替え動作の確実性を向上でき、所望の
対物レンズを所定光軸位置に容易に到達させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施形態を説明するための図で
ある。

【図２】図１に示すトラッキング用コイルに印加するキ
ックパルスの二つの例を示す波形図である。

【図３】第１実施形態の動作を説明するための図であ
る。

【図４】この発明の第２実施形態を説明するための図で
ある。

【図５】図４に示すトラッキング用コイルに印加するキ
ックパルスの一例を示す波形図である。

【図６】第２実施形態の動作を説明するための図であ
る。

【図７】従来の技術を説明するための図である。

【図８】従来の光ヘッド用対物レンズ駆動装置における
キックパルスの波形図である。

【符号の説明】

１ 支持台 ２ 支軸 ３ａ，３ｂ 対物レンズ ４ レンズホルダ ５ マグネット ６ フォーカシング用コイル ７ トラッキング用コイル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学特性の異なる複数の対物レンズを保
   持する回動可能なレンズホルダを、トラッキング用コイ
   ルに対物レンズ切り替え用キックパルスを印加すること
   により回動させて、所望の対物レンズを所定の回動位置
   に位置させるようにした光ヘッド用対物レンズ駆動装置
   において、 前記対物レンズ切り替え用キックパルスとして、所定の
   極性のパルスに続く逆極性のパルスを含むキックパルス
   を印加するよう構成したことを特徴とする光ヘッド用対
   物レンズ駆動装置。