JPH11161277A - 発音装置およびそれを用いた時計装置 - Google Patents

発音装置およびそれを用いた時計装置

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JPH11161277A
JPH11161277A JP9329141A JP32914197A JPH11161277A JP H11161277 A JPH11161277 A JP H11161277A JP 9329141 A JP9329141 A JP 9329141A JP 32914197 A JP32914197 A JP 32914197A JP H11161277 A JPH11161277 A JP H11161277A
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Shinya Yoshida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でコンパクトでありながら、臨場感溢れ
る表現力豊かな音色を得ることができる発音装置および
それを用いた時計装置を提供する。 【解決手段】 発音装置30の筐体300内を区分けす
るように設けられた共鳴板33と、複数オクターブにわ
たる音階の各音にそれぞれ対応する周波数の鈴音を発生
する複数の発音体34と、複数の発音体34の発生する
音階のち、少なくとも一つの音階の鈴音を発生する補助
発音体38と、発音体34および補助発音体38を実打
ちする打鈴手段37と、共鳴板33上に配置され、複数
の発音体34および補助発音体38のうち、少なくとも
一つを保持する複数の基体35とを有する発音装置を備
え、発音装置30は、共鳴板33によって区分けされた
部室31が時計装置20の筐体裏面部202側と連通す
るように設けられている時計装置1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルゴール、チャ
イム等に用いられ、発音体を実際の叩くことにより所定
の音色を発生させる発音装置およびそれを用いた時計装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気的に音色を発生させる電子式
発音装置に代わって、複数の発音体を実際に叩いて発音
させることにより、所定の音楽を奏でる実打式発音装置
が需要を拡大させつつある。この理由としては、実打式
発音装置では、電子式発音装置では味わえない、例え
ば、音の臨場感や高級感あるいは実際の生演奏に極めて
近い再現性を確実に得ることができるからである。
【0003】実打式発音装置としては、数多くの音階が
設定された複数の発音体をハンマー装置を用いて実打さ
せることにより、発音させる方式が一般に良く知られて
いる。このような発音装置においては、ハンマー装置に
所定の電源が印加されたときに該当する発音体が実打ち
され、それにより各々の発音体固有の音色が発音される
構成となっている。この動作を順次繰り返すことによっ
て所定の曲が演奏される。
【0004】また、上述した発音装置においては、発音
体の数を増やして各々異なる音階を設定して音域を拡大
させれば、表現力豊かで、かつ、高級感や臨場感溢れる
演奏を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】演奏曲の中には、通
常、主旋律のパートと和音のパートが存在する。なお、
和音のパートは、演奏曲の要所要所に主旋律の音階と異
なる音階が設定されている。和音は、演奏曲にメリハリ
をもたせかつ音楽性を拡大させる上で、極めて重要な音
である。主旋律のパートを演奏するための発音体と和音
のパートを演奏するための発音体とを別々に設けてやれ
ば、互いに独立してそれぞれのパートを演奏できるか
ら、選曲の自由度が大きく広がり、理想的である。
【0006】しかしながら、上述した発音装置をオルゴ
ール装置や時計装置に適用した場合、それらの装置の大
きさは、使用場所や目的、用途、環境等に応じてあらか
じめ設定さているのが普通であり、発音体の数を極端に
多く設けることができないのが現状である。
【0007】上述したような様々な制約によって発音体
の数を増やせない場合には、主旋律のパートを担当する
発音体にも和音のパートを演奏させる必要があるが、複
数の発音体を1つのハンマー装置で実打ちする構成とな
っている場合、曲目によっては、その複数の発音体の中
に主旋律のパートの音階と和音のパートの音階とが含ま
れていることがある。
【0008】和音は異なる2つ以上の音を発音させるこ
とで成立する音であるから、上述した場合においては、
和音を発音させる演奏箇所であっても、主旋律のパート
が優先して演奏され、和音を奏でることができないとい
う不都合が生じる。その結果、演奏音の表現力が乏しく
なってしまうという問題が生じている。また、そのよう
な問題点を避けようとすると、演奏曲が相当限定されて
しまうという問題が生じる。
【0009】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、小型でコンパクトでありなが
ら、臨場感溢れる表現力豊かな音色を得ることができる
発音装置およびそれを用いた時計装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の発音装置は、筐体と、前記筐体内を区分け
するように設けられた共鳴板と、複数オクターブにわた
る音階の各音にそれぞれ対応する周波数の鈴音を発生す
る複数の発音体と、前記複数の発音体の発生する音階の
うち、少なくとも一つの音階の鈴音を発生する補助発音
体と、外部からの指示音階に基づいて前記発音体および
補助発音体のうち、少なくとも一つを実打ちする打鈴手
段と、前記共鳴板上に配置され、前記複数の発音体およ
び補助発音体のうち、少なくとも一つを保持する複数の
基体とを有する。
【0011】また本発明の発音装置は、好適には、前記
補助発音体の鈴音は、所定の曲目における音階におい
て、使用頻度の高い音階のうち、少なくとも一つの音階
に設定されている。または、好適には、所定の曲目を演
奏する場合において、前記発音体の鈴音は、主旋律のパ
ートの音階に設定され、前記補助発音体の鈴音は、和音
のパートのうち、使用頻度の高い音階に設定されてい
る。
【0012】本発明の時計装置は、筐体と、前記筐体内
を区分けするように設けられた共鳴板と、複数オクター
ブにわたる音階の各音にそれぞれ対応する周波数の鈴音
を発生する複数の発音体と、前記複数の発音体の発生す
る音階のうち、少なくとも一つの音階の鈴音を発生する
補助発音体と、外部からの指示音階に基づいて前記発音
体および補助発音体のうち、少なくとも一つを実打ちす
る打鈴手段と、前記共鳴板上に配置され、前記複数の発
音体および補助発音体のうち、少なくとも一つを保持す
る複数の基体とを有する発音装置を備え、当該発音装置
は、前記共鳴板によって区分けされた部室の一つが時計
本体の筐体裏面部側と連通するように設けられている。
【0013】また本発明の時計装置は、好適には、前記
補助発音体の鈴音は、所定の曲目における音階におい
て、使用頻度の高い音階のうち、少なくとも一つの音階
に設定されている。または、好適には、所定の曲目を演
奏する場合において、前記発音体の鈴音は、主旋律のパ
ートの音階に設定され、前記補助発音体の鈴音は、和音
のパートのうち、使用頻度の高い音階に設定されてい
る。
【0014】本発明の発音装置によれば、外部から指示
された音階に基づいて、打鈴手段によって発音体および
補助発音体のうち少なくとも一つがが実打ちされる。そ
の打鈴動作によって発音体および補助発音体が所定の周
波数の振動を始める。その発音体および補助発音体の振
動は、基体を介して共鳴板に伝達され、例えば、共鳴板
の振動伝達特性の指向性に沿う方向にさらに伝達され
る。共鳴板の振動により発生した音は、共鳴板によって
区分けされた筐体内の、例えば、第1および第2の部室
内で共鳴を繰り返して増幅され、最終的には、例えば、
第2の部室における共鳴板の指向特性の基づく振動伝達
方向の延長上の共鳴音導出窓から外部に向けて発音され
る。
【0015】本発明の時計装置によれば、あらかじめ設
定された時刻になった場合、例えば、正時信号が発音装
置に入力される。発音装置はそれを受けて、外部から指
示された音階に基づいて、打鈴手段に発音体および補助
発音体のうち少なくとも一つを実打ちさせる。その打鈴
動作によって発音体および補助発音体が所定の周波数の
振動を始める。その発音体および補助発音体の振動は、
基体を介して共鳴板に伝達され、例えば、共鳴板の振動
伝達特性の指向性に沿う方向にさらに伝達される。共鳴
板の振動により発生した音は、共鳴板によって区分けさ
れた筐体内の、例えば、第1および第2の部室内で共鳴
を繰り返して増幅され、最終的には、例えば、第2の部
室における共鳴板の指向特性の基づく振動伝達方向の延
長上の共鳴音導出窓から外部に向けて発音される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の発音装置を用いた実打式
時計装置の実施の形態について、図1〜図5に基づいて
説明する。図1は、本発明に係る実打式時計装置の実施
の形態の構成を示す正面図、図2は、図1に示す実打式
時計装置の断面図、図3は、図1に示す実打式時計装置
を背面側から見たときの斜視図、図4(a)は、図1に
示す実打式時計装置の共鳴板の斜視図、図4(b)は、
(a)に示すA−Aに沿う断面図、図5は、図1に示す
実打式時計装置の発音体の配置を説明するための図であ
る。
【0017】実打式時計装置1は、図1に示すように、
時刻を表示する時計装置20と、時計装置20が設定時
刻になったときに、所定の音楽を演奏する発音装置30
とが設けられている。
【0018】時計装置20は、図1および図2に示すよ
うに、時計装置20の筐体200内の上部に配置され、
現在時刻を表示する文字盤21と、文字盤21の裏面側
に固定され、所定の基準パルス信号に基づいて図示しな
いステッピングモータを作動させ、指針22を駆動する
ムーブメント23とを有している。
【0019】発音装置30は、発音装置30の筐体30
0内を第1の部室31と第2の部室32とに区分けする
共鳴板33と、共鳴板33の第1の部室31側の表面部
33aに設けられ、発音体34および補助発音体38を
保持する基体35と、共鳴板33に取り付けられた基体
35の配置位置に対向する第2の部室32側の裏面部3
3bに設けられた補助共鳴板36と、発音体34を装飾
体としての人形体によって実打ちするハンマー装置37
とを有している。
【0020】本実打式時計装置1においては、図2から
わかるように、発音装置30の第1の部室31と時計装
置20の筐体裏面部側202とが連通するように設けら
れている。これにより、第1の部室31は、時計装置2
0の筐体200、発音装置30の筐体300および共鳴
板33とで囲まれた部室となり、第2の部室32は、共
鳴板33と発音装置30の筐体300とで囲まれた部室
となる。
【0021】また時計装置20の筐体200内に配置さ
れた文字盤21の下側には、ハンマー装置37が配置さ
れている。時計装置20の筐体200は、時計装置20
の文字盤21および発音装置30のハンマー装置37の
外周を取り囲むように構成されている。なお、時計装置
20の筐体表面部201には、文字盤21の表示時刻お
よび人形体37aの打鈴動作を外部に披露するための、
透明プラスティック若しくはガラス等からなる透明板2
01aが装着されている。
【0022】共鳴板33は、様々な楽器、例えば、ピア
ノあるいはバイオリン等の共鳴板としても使用され、木
目33cが同一方向に揃った松材系の柔らかいスプルス
材で構成されている。なお、共鳴板33の板厚は、約5
ミリ程度である。共鳴板33は、木目33c方向に、振
動を伝達するいわゆる振動伝達特性としての指向性を有
している。
【0023】共鳴板33は、図3および図4に示すよう
に、木目33cが発音装置30の筐体300の上方から
下方への鉛直方向となるように筐体300の内部に支持
されており、筐体側面部301の内壁に接着、固定され
ている。木目33cの方向は、発音体34および補助発
音体38の自由端側の延在方向と同一であり、これによ
り、共鳴板33に入力された発音体34および補助発音
体38の振動は、筐体300の上下方向へ、より強く伝
達されることになる。
【0024】補助共鳴板36は、共鳴板33と同様に、
木目36cが同一方向に揃った松材系のスプルス材で構
成されており、木目36c方向に、振動伝達特性として
の指向性を有している。補助共鳴板36は、図4(a)
に示すように、共鳴板33の裏面部33bの中央部近傍
に、補助共鳴板36の板目36cと共鳴板33の板目3
3cとが略直交するように配置され、接着されている。
また補助共鳴板36は、図4に示すように、共鳴板33
との接着面部36aから裏面部36b方向に向かって、
補助共鳴板36の外周部全体に亘ってテーパ状に面取り
されている。
【0025】共鳴板33および補助共鳴板36の振動伝
達方向としての木目33c,36cを仮想的に延長した
ときに、第2の部室32を形成する筐体300と干渉す
る領域には、図3に示すように、共鳴板33および補助
共鳴板36と筐体裏面部302との共鳴音を外部に導き
出す音孔39が形成されている。つまり、木目33cの
延長方向には、音孔39a,39cが形成され、木目3
6cの延長方向には音孔39b,39dが形成されてい
る。なお、発音装置30の筐体裏面部302には、本実
打式時計装置1を壁面に取り付けるための孔部302a
が形成されている。
【0026】図1に示すように、発音体34は発音装置
30の筐体300の中央部近傍に、補助発音体38は筐
体300の周縁部にそれぞれ配置され、4組の基体35
に、発音体34および補助発音体38の自由端側が筐体
300の下方に延在するように保持されている。発音装
置30の筐体300の中央部近傍に配置され、基体35
1,352に保持された発音体341,342には、主
として演奏曲の主旋律のパートの音階が設定され、ま
た、筐体300の周縁部に配置された補助発音体38
1,382には、和音のパートの音階のうち、使用頻度
の高い音階が設定されている。
【0027】それぞれの発音体34および補助発音体3
8に割り当てられた音階について、図5に基づいて説明
すると、発音体341aには「ソ」音、発音体341b
には「ラ」音、発音体341cには「シ」音、発音体3
41dには「レ」音、発音体341eには「ミ」音、発
音体341fには「ファ」音、発音体342aには
「ド」音、発音体342bには発音体341dの「レ」
音より1オクターブ低い「レ」音、発音体342cには
発音体341eの「ミ」音より1オクターブ低い「ミ」
音、発音体342dには発音体341fの「ファ」音よ
り1オクターブ低い「ファ」音、発音体342eには発
音体341aの「ソ」音と同じ「ソ」音、発音体342
fには発音体341aの「ソ」音より1オクターブ高い
「ソ」音がそれぞれ割付られている。また、補助発音体
381,382については、どちらにも、発音体342
aの「ド」音より1オクターブ高い「ド」音が割りつけ
られている。
【0028】発音体34および補助発音体38は、いわ
ゆる棒鈴体から構成されている。この棒鈴体は、打鈴時
の音響効果を高めるため、例えば、鉄またはリン青銅か
らなり、基体35によって保持された一端部から自由端
側まで、太さが均一な中実丸軸状の構成を有している。
【0029】発音体34および補助発音体38は、長さ
を様々に変化させることにより各々の発音体34および
補助発音体38の固有振動数を変化させ、各音階に応じ
た周波数の鈴音を発生させることができるようになって
いる。なお、鈴音の高低や音質等については、発音体3
4および補助発音体38の材質、直径または太さを様々
に変化させることによって多様に調整することができ
る。
【0030】基体35は、上述した発音体34および補
助発音体38を保持するものであり、共鳴板33の表面
部33aの中央部近傍およびその周縁部に配置されてい
る。図4(a)に示すそれぞれの基体35の配置につい
て、基体351,352には主旋律のパートの音階が設
定された発音体341,342が保持され、基体35
3,354には和音パートの音階が設定された発音体3
81,382がそれぞれ保持されている。
【0031】基体35は、図4に示すように、共鳴板3
3の裏面部33bに配置された補助共鳴板36との間に
共鳴板33を挟んだ状態で固定されている。基体35
は、発音体34および補助発音体38の打鈴時の振動を
確実に共鳴板33に伝達できるように、鉄等の金属が使
用されている。
【0032】ハンマー装置37は、例えば、制御回路か
らの指示音階に基づいて、図1および図2に示すよう
に、装飾体としての人形体37aの腕部に保持されたハ
ンマー37bを振り下ろすことにより、発音体34およ
び補助発音体38の打鈴を行う構成となっている。ハン
マー装置37は、それぞれの発音体34および補助発音
体38を打鈴できるように基体35の下方に配置されて
いる。
【0033】ハンマー装置371,372は、弧状に配
置された発音体341,342を打鈴するため、正逆回
転可能なステッピングモータによって駆動される図示し
ない回転装置が設けられ、発音体341,342に対し
て正面から打鈴可能となっている。一方、ハンマー装置
373,374は位置が固定されており、回転装置は設
けられていない。
【0034】次に、本実打式時計装置1があらかじめ設
定された時刻になった場合、即ち、正時信号が図示しな
い制御装置に入力された場合の発音装置30の動作につ
いて説明する。
【0035】正時信号が図示しない制御装置に入力され
ると、制御装置は、あらかじめ選択された曲目に応じて
指示された音階に基づいて、該当するハンマー装置37
を順次作動させ、人形体37aに保持されたハンマー3
7bを降り下ろして発音体34および補助発音体38を
打鈴する。この打鈴動作を繰り返すことにより、選択曲
が演奏されることになる。
【0036】図6は、演奏曲『MUSIC』の楽譜のう
ち、和音が発音される部分について説明するための図で
ある。演奏曲『MUSIC』が選択されたとすると、図
6に示す部分を含む楽譜が演奏される。演奏中、曲が
の部分に到達すると、主旋律パートが「ソ」音、和音パ
ートが「ミ」音が同時に発音され、和音が奏でられるよ
うになっている。このとき、図5に示すように、それぞ
れ基体351によって保持された発音体341eの
「ミ」音および発音体341aの「ソ」音が適用可能で
ある。
【0037】ところが、ハンマー装置371ではそれら
を同時に実打ちすることは不可能であるから、基体35
2によって保持された発音体342eの「ソ」音を実打
ちすることにより、和音が発音される。この場合には、
基体351によって保持された発音体341が和音のパ
ートを担当することになる。
【0038】次に、演奏曲がの部分に到達すると、同
様に主旋律のパートが「ミ」音、和音のパートが「ド」
音が同時に発音され、和音が奏でられるようになってい
る。この場合においては、発音体341eの「ミ」音お
よび発音体342aの「ド」音がそれぞれ適用され、基
体352によって保持された発音体342が和音のパー
トを担当することになる。
【0039】さらに続けて演奏曲がの部分に到達する
と、主旋律パートが「ド」音、和音パートが「ラ」音が
同時に発音され、和音が奏でられるようになっている。
この場合においては、補助発音体381または382の
「ド」音および発音体341bの「ラ」音がそれぞれ適
用され、基体351によって保持された発音体ユニット
が和音のパートを担当し、基体353または354によ
って保持された補助発音体381または382が主旋律
のパートを担当することになる。
【0040】打鈴された発音体34および補助発音体3
8は、それぞれの発音体34および補助発音体38に固
有の振動数で振動をはじめ、発音体34および補助発音
体38を保持する基体35を介して共鳴板33に伝達さ
れる。共鳴板33は、発音装置30の筐体300の上下
方向に沿う方向に振動伝達特性としての指向性を有して
いるから、共鳴板33に伝達された振動は、これに沿う
方向により強く振動する。
【0041】また、基体35は、共鳴板33に接着され
た補助共鳴板36に、共鳴板33を介して取り付けられ
ているから、上述した発音体34および補助発音体38
の振動は、共鳴板33のみならず、補助共鳴板36にも
伝達される。補助共鳴板36には、共鳴板33の木目3
3cと直交する木目36cを有しているから、補助共鳴
板36に入力された発音体34および補助発音体38の
振動は、木目36cに沿う方向により強く振動する。
【0042】共鳴板33および補助共鳴板36の振動に
より発生した音は、共鳴板33によって区分けされた第
1の部室31および第2の部室32内で共鳴される。と
ころが、第1の部室31内には、例えば、ハンマー装置
37や時計装置20等が設けられているため、上述した
共鳴音はこれらと干渉して散乱し、共鳴音は途中で消滅
する。
【0043】一方、第2の部室については、共鳴音の反
響を阻害するものが存在しないため、共鳴板33および
補助共鳴板36の振動によって発生した音は、それらの
間で反響を繰り返し、次第に増幅される。増幅された音
は、共鳴板33および補助共鳴板36の指向特性に基づ
く振動伝達方向、つまり、木目33c,36cの方向に
沿って伝達され、第2の部室32の外部へ音孔39を通
して発音される。
【0044】本実施の形態では、発音体34および補助
発音体38には、上述したように割付けられているが、
割付け方はこれに限定されない。つまり、演奏させたい
楽曲の主旋律のパートと和音のパートの音階を十分に考
慮して割り付けることが望ましい。
【0045】本実施の形態では、発音体34および補助
発音体38が14本設けられているが、発音体34およ
び補助発音体38の配置スペースに余裕があれば、音域
を拡張する観点から、発音体34および補助発音体38
の本数を多くするほうが望ましい。このとき、ハンマー
装置37もそれに合わせて増やせば、テンポの早い曲に
も対応できるようになる。
【0046】本実施の形態では、音孔39は、共鳴板3
3および補助共鳴板36の木目33c,36cの方向に
4箇所形成されているが、その形成される位置について
は、これに限定されない。音の指向性を無くすため、音
孔については、多角的に数多く設けることが望ましい。
【0047】以上説明したように、本実施の形態の実打
式時計装置1によれば、主として主旋律のパートの音階
に設定されている発音体34と、和音のパートの音階の
うち、使用頻度の高い音階に設定されている補助発音体
38とが、それぞれ別々の基体35に保持されている。
これにより、様々な楽曲の和音演奏に対応することが可
能となる。その結果、表現力豊かで高級感のある演奏が
実現できる。
【0048】本実施の形態では、和音パートにおける最
も使用頻度の高い音階を有する補助発音体38のみが、
基体35に保持されている。さらに補助発音体38は、
1式のハンマー装置37で実打ちされる。これにより、
実打式時計装置1の大きさに影響を与えることなく、低
コストで様々な楽曲の和音演奏に対応することができ
る。
【0049】本実施の形態の実打式時計装置1によれ
ば、共鳴板33が発音装置30の筐体300内を第1の
部室31と第2の部室32とに区分けするように設けら
れている。また発音装置30は、時計装置20に対し
て、第1の部室31が時計装置20の筐体裏面部202
側と連通するように設けられている。これにより、実打
式時計装置1に専用の共鳴板33が設けられることにな
るから、実打式時計装置1の音質等の音楽的特性が向上
する。また、共鳴板33を小型化しても音楽的特性が損
なわれないことから、実打式時計装置1本体を小型化す
ることが可能となる。さらに、実打式時計装置1を壁面
に密着させて設置しても、共鳴板33の振動が妨げられ
ないことから、壁掛けタイプの実打式時計装置1を実現
できる。
【0050】本実施の形態の実打式時計装置1によれ
ば、共鳴板33における基体35の配置位置に対向する
第2の部室側の領域には、補助共鳴板36が、共鳴板3
3の木目33cと補助共鳴板36の木目36cとを互い
に略直交させた状態で配置されている。これにより、発
音体34および補助発音体38からの振動が共鳴板33
全方位に亘って伝達されるから、指向性のない臨場感溢
れる音が再現される。また、共鳴板33に補助共鳴板3
6を取り付けたことにより、基体35が強固に補強され
る。さらには、共鳴板33のソリの発生が抑制される。
【0051】本実施の形態の実打式時計装置1によれ
ば、補助共鳴板36には、その外周全般に亘って面取り
加工が施されている。これにより、補助共鳴板36が共
鳴板33から剥がれにくくなり、共鳴板33に強固に接
着されるから、発音体34、補助発音体38および共鳴
板33からの振動を正確かつ確実に伝達させることがで
きる。その結果、周波数の高い高音の振動ばかりでな
く、低音の振動も拾うことが可能となり、高音質でリア
ルな音が再現可能となる。
【0052】本実施の形態の実打式時計装置1によれ
ば、筐体300における共鳴板33の木目33cおよび
補助共鳴板36の木目36cの延長上の領域には、音孔
39が形成されている。これにより、木目33c,36
c方向に沿って導かれた共鳴音が、干渉のない状態でそ
のまま音孔39から発音される。その結果、高音質で臨
場感溢れる音が忠実に再現される。
【0053】
【発明の効果】本発明の発音装置によれば、様々な楽曲
の和音演奏に対応することができるから、表現力豊かで
高級感ある演奏が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実打式時計装置の実施の形態の構
成を示す正面図である。
【図2】図1に示す実打式時計装置の断面図である。
【図3】図1に示す実打式時計装置を背面側から見たと
きの斜視図である。
【図4】(a)は、図1に示す実打式時計装置の共鳴板
の斜視図であり、(b)は、(a)にすA−Aに沿う断
面図である。
【図5】図1に示す実打式時計装置の発音体の配置を説
明するための図である。
【図6】演奏曲『MUSIC』の楽譜のうち、和音が発
音される部分について説明するための図である。
【符号の説明】
1…実打式時計装置 20…時計装置 21…文字盤 22…指針 23…ムーブメント 30…発音装置 31…第1の部室 32…第2の部室 33…共鳴板 33c…木目 34…発音体 35…基体 36…補助共鳴板 36c…木目 37…ハンマー装置 37a…人形体 38…補助発音体 39…音孔 200…筐体(時計装置) 300…筐体(発音装置)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筐体と、 前記筐体内を区分けするように設けられた共鳴板と、 複数オクターブにわたる音階の各音にそれぞれ対応する
    周波数の鈴音を発生する複数の発音体と、 前記複数の発音体の発生する音階のうち、少なくとも一
    つの音階の鈴音を発生する補助発音体と、 外部からの指示音階に基づいて前記発音体および補助発
    音体のうち、少なくとも一つを実打ちする打鈴手段と、 前記共鳴板上に配置され、前記複数の発音体および補助
    発音体のうち、少なくとも一つを保持する複数の基体と
    を有する発音装置。
  2. 【請求項2】前記補助発音体の鈴音は、所定の曲目にお
    ける音階において、使用頻度の高い音階のうち、少なく
    とも一つの音階に設定されている請求項1記載の発音装
    置。
  3. 【請求項3】所定の曲目を演奏する場合において、 前記発音体の鈴音は、主旋律のパートの音階に設定さ
    れ、 前記補助発音体の鈴音は、和音のパートのうち、使用頻
    度の高い音階に設定されている請求項1記載の発音装
    置。
  4. 【請求項4】筐体と、前記筐体内を区分けするように設
    けられた共鳴板と、複数オクターブにわたる音階の各音
    にそれぞれ対応する周波数の鈴音を発生する複数の発音
    体と、前記複数の発音体の発生する音階のうち、少なく
    とも一つの音階の鈴音を発生する補助発音体と、外部か
    らの指示音階に基づいて前記発音体および補助発音体の
    うち、少なくとも一つを実打ちする打鈴手段と、前記共
    鳴板上に配置され、前記複数の発音体および補助発音体
    のうち、少なくとも一つを保持する複数の基体とを有す
    る発音装置を備え、当該発音装置は、前記共鳴板によっ
    て区分けされた部室の一つが時計本体の筐体裏面部側と
    連通するように設けられている時計装置。
  5. 【請求項5】前記補助発音体の鈴音は、所定の曲目にお
    ける音階において、使用頻度の高い音階のうち、少なく
    とも一つの音階に設定されている請求項4記載の時計装
    置。
  6. 【請求項6】所定の曲目を演奏する場合において、 前記発音体の鈴音は、主旋律のパートの音階に設定さ
    れ、 前記補助発音体の鈴音は、和音のパートのうち、使用頻
    度の高い音階に設定されている請求項4記載の時計装
    置。
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