JPH04372993A - 音板打楽器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、演奏中の音色の変更を
有効に実現する音板打楽器に関する。

【０００２】

【従来技術】従来より、打撃に応じて発音する音板打楽
器として、例えば、チェレスタやグロッケンシュピール
が知られている。チェレスタは、金属製の音板を、鍵盤
操作に応じてハンマーを回動させる打撃機構を介して発
音するものであり、特徴のある音色で発音する。また、
グロッケンシュピールは、鋼鉄製の音板を、演奏者がマ
レット等で打撃して発音する楽器であり、金属的な澄ん
だ音を発生し、余韻は比較的短かい。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、チェレスタで
は、常時予め定められたハンマーで音板を打撃して発音
するため、演奏中に音色を変更することができないとい
う問題があった。一方、グロッケンシュピールは、発音
後の余韻が短かいので、マレットを変更して音色を変え
ようとしても、その効果が充分に発揮されないという問
題があった。このように、上記従来技術は、演奏中の音
色変更が困難であり、音楽的表現の広がりへの制約を招
致し、未だ改善の余地があった。

【０００４】本発明は、上記従来技術の課題を一挙に解
決し、簡単な構成で、演奏中に音色変更が可能な音板打
楽器の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、打撃面側からその厚さ方向へ打撃
可能に支持された薄板形状の音板と、該音板の上記打撃
面側と反対側に配設されて上記音板に近接対向する開口
を有する共鳴箱と、異なる音高の上記音板および該音板
に対向する共鳴箱を複数配列固定する固定部材と、を備
えたことを特徴とする音板打楽器を要旨とするものであ
る。

【０００６】

【作用】上記構成の本発明は、打撃面側からその厚さ方
向へ打撃可能に支持された薄板形状の音板と、その打撃
面側と反対側に配設されて音板に近接対向する開口を有
する共鳴箱との音高の異なる複数の組合せを固定部材が
配列固定するよう働く。すなわち、音板を打撃する打ち
物を楽曲の演奏条件に応じて所望の時期に変更し、異な
った音色を発音させると共に、共鳴箱による共鳴により
その音の減衰時間を延長するのである。従って、本発明
の音板打楽器は、演奏中に音楽表現を豊かにする音色変
更を好適に実現するよう働く。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。本発明の一実施例である音板打楽器
を図１、図２に基づいて説明する。図１、図２に示すよ
うに、音板支持打楽器１は、音板２Ａ，２Ｂ、その下方
からそれらを支持する支持枠３Ａ，３Ｂ、該支持枠３Ａ
，３Ｂの両端部を固定する側枠４Ｌ，４Ｒ、上記音板２
Ａ，２Ｂの打撃面（上面）と反対側にそれぞれ配設され
た共鳴箱５Ａ，５Ｂ、上記側枠４Ｌ，４Ｒに連設された
側板６Ｌ，６Ｒ、該側板６Ｌ，６Ｒの下端部を連結する
連結板７および上記音板２Ａ，２Ｂの音色操作のための
ペダル８から構成されている。なお、音板２Ａ，２Ｂ、
支持枠３Ａ，３Ｂ、側枠４Ｌ，４Ｒ、共鳴箱５Ａ，５Ｂ
、側板６Ｌ，６Ｒおよびペダル６を含むペダル系は、そ
れぞれ分解可能な構造となっている。

【０００８】発音体である上記音板２Ａ，２Ｂは厚み約
２［ｍｍ］程の薄い金属製であり、４オクターブに亘っ
て配列されている。該音板２Ａ，２Ｂの長手方向略中央
であって、該音板２Ａ，２Ｂの打撃による振動時に節と
なる位置近傍には貫通孔が穿設され、ピン１０Ａ，１０
Ｂが貫通している。ここで、打撃による振動とは、音板
２Ａ，２Ｂが基音を発生する振動状態を意味する。この
ように、音板２Ａ，２Ｂは、ピン１０Ａ，１０Ｂにより
水平面内での位置を規制されている。一方、音板２Ａ，
２Ｂは、支持枠３Ａ，３Ｂの上面に配設された断面楔型
のフェルト１１Ａ，１１Ｂと、上記ピン１０Ａ，１０Ｂ
の頭部近傍に配設された平フェルト１２Ａ，１２Ｂとに
より挟持されることで、垂直方向、すなわち、打撃方向
の位置を規制されている。

【０００９】ここで、音板２Ａ，２Ｂを上側の打撃面側
から、重力方向に打撃すると、音板２Ａ，２Ｂはピン１
０Ａ，１０Ｂの規制を受けながら支持枠３Ａ，３Ｂ側に
向かって変位するが、その打撃時の衝撃は、フェルト１
１Ａ，１１Ｂにより吸収される。その後音板２Ａ，２Ｂ
に重力のみが作用する状態に移行すると、音板２Ａ，２
Ｂはピン１０Ａ，１０Ｂおよび平フェルト１２Ａ，１２
Ｂの規制を受けながら自由振動して発音を継続し、その
後の振動状態は、フェルト１１Ａ，１１Ｂ、平フェルト
１２Ａ，１２Ｂにより維持される。

【００１０】また、上記共鳴箱５Ａ，５Ｂは木製であり
、内部には空洞部１３Ａ，１３Ｂを有すると共に、上記
音板２Ａ，２Ｂに近接対向する側には開口部１４Ａ，１
４Ｂが穿設され、ヘルムホルツ共鳴器を構成している。 したがって、音板２Ａ，２Ｂの振動に伴う発音は、共鳴
箱５Ａ，５Ｂで共鳴し、減衰時間が延長される。

【００１１】さらに、上記音板２Ａ，２Ｂの下面側の端
部には、フェルト製のダンパー１５が上下動自在に支持
されている。このダンパー１５は、上記ペダル８に連設
した天秤棒１６の他端部に当接する垂直ロッド１７に連
結され、ペダル８の踏み込みに応じて音板２Ａ，２Ｂの
下面端部に当接離間するよう構成されている。このペダ
ル８を踏み込むとダンパー１５が音板２Ａ，２Ｂの下面
端部に当接する。このように、音板２Ａ，２Ｂの先端部
の振動を抑制した状態で音板２Ａ，２Ｂを打撃すると、
基音、低次の倍音が減衰し、高次の倍音を強調できるの
で、音色が変わる。

【００１２】次に、演奏時の音色変更について説明する
。例えば、最初にフェルト製のヘッドの所定の大きさの
マレット１８Ａで演奏し、音色を変更する場合には、上
記マレット１８Ａとはヘッドの大きさの異なるマレット
１８Ｂで演奏する。すると、演奏者が同じ演奏法で演奏
しても、打撃に伴なって音板２Ａ，２Ｂに伝達される打
撃エネルギが変化するため、音板２Ａ，２Ｂの振動状態
が変化して異なった音色で発音する。このような音色の
変化は、共鳴箱５Ａ，５Ｂにより強調されて外部に放射
されるので、顕著に聞き分けられる。なお、マレット１
８Ａ，１８Ｂの持ち変えに加えて、ペダル８の操作によ
り音色を更に多様に変更することができる。

【００１３】以上説明したように、本実施例によれば、
マレット１８Ａ，１８Ｂの持ち変えにより、演奏中に音
色を所望の音色に変更でき、しかも、この音色変化が共
鳴箱５Ａ，５Ｂにより強調されて外部に放射されるので
、音板打楽器としての音楽的表現力を向上できる。また
、音板が薄いため軽量小型となり、楽器の移動が容易に
なる。さらに、チェレスタのような音色も発音できるの
で、楽器としての汎用性が広がる。なお、例えば、同時
に４本程のマレットを用いて和音を演奏したり、または
複数台の音板打楽器１によるアンサンブル演奏等、高度
な演奏技法を実現することもできる。

【００１４】以上、本発明の実施例について説明したが
、本発明はこのような実施例に何等限定されるものでは
なく、その技術思想を逸脱しない範囲内において、例え
ば、音板の材質を金属以外の樹脂等に変更する等、種々
の態様により実現し得ることは勿論である。

【００１５】

【発明の効果】以上詳記したように、本発明は、音板を
打撃する打ち物を楽曲の演奏条件に応じて所望の時期に
変更し、異なった音色を発音させると共に、共鳴箱によ
る共鳴によりその音の減衰時間を延長するため、演奏中
の所望の時期に演奏者が音色を変更でき、しかも、その
余韻が長くて伸びのある音を出せるので、音楽表現が豊
かになるというきわめて優れた効果を奏する。また、例
えば、打ち物を複数使用した和音演奏や、音板打楽器複
数台によるアンサンブル演奏の実現といった高度な演奏
が可能になり、楽器としての汎用性を飛躍的に向上でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明一実施例の側断面図である。

【図２】　　本発明一実施例の斜視図である。

【符号の説明】

１・・・　音板打楽器、２Ａ，２Ｂ・・・　音板、３Ａ
，３Ｂ・・・支持枠、５Ａ，５Ｂ・・・　共鳴箱

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　打撃面側からその厚さ方向へ打撃可能
   に支持された薄板形状の音板と、該音板の上記打撃面側
   と反対側に配設されて上記音板に近接対向する開口を有
   する共鳴箱と、異なる音高の上記音板および該音板に対
   向する共鳴箱を複数配列固定する固定部材と、を備えた
   ことを特徴とする音板打楽器。