JP3551569B2 - 自動演奏鍵盤楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、演奏データに基づいて鍵を駆動する自動演奏ピアノ等の自動演奏鍵盤楽器に係り、特に、打弦音以外の音も再現することによってよりリアリティのある自動演奏を行うことができる自動演奏鍵盤楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動演奏ピアノは、フロッピィディスク等の記憶手段に記憶した複数のイベントデータからなる演奏データを読み出し、読み出されたイベントデータに基づいて鍵をソレノイドで駆動するように構成されている。このような自動演奏ピアノでは、駆動された鍵の動作がアクションを介してハンマに伝達され、ハンマが弦を打撃して打弦音が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、演奏者が実際にピアノを演奏する演奏会場では、打弦音の他に演奏者の爪が鍵に当たる音や、棚板の上面に取り付けたフロントパンチングを介して鍵が棚板を打撃する際の音などが演奏音に混じって聞こえる。したがって、自動演奏ピアノにおいても上記のような演奏音以外の音を再現することができれば、演奏者の演奏をよりリアルに再現することができる。よって、本発明は、上記のような押鍵に際して生じる演奏音以外の音も再現することができる自動演奏鍵盤楽器を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の自動演奏鍵盤楽器は、棚板の上面に設けられた支持部材により回動自在に支持された鍵と、この鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマで弦を打撃する打弦機構と、供給されるイベントデータに基づき、後端が持ち上がるように上記鍵を突き上げる鍵駆動手段と、前記鍵が上記棚板に直接あるいは間接的に当接することにより発生する音を発生する効果音発生手段と、供給されるイベントデータに基づく打弦音の発生タイミングに同期して上記効果音発生手段に効果音を発生させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0005】
請求項2に記載の自動演奏鍵盤楽器は、請求項1において、前記鍵駆動手段が前記鍵を駆動することにより回動する前記ハンマを前記弦の手前で止めるストッパ手段と、供給されるイベントデータに基づき打弦音を電子的に発生する楽音発生手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項3に記載の自動演奏鍵盤楽器は、請求項1または2において、前記効果音発生手段は、さらに、演奏者が押鍵する際に演奏者の爪が鍵に当接する音および前記打弦機構を構成する部材が当接し合って生じる音のうち少なくともいずれか1つを発生することを特徴としている。
【0007】
請求項4に記載の自動演奏鍵盤楽器は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記鍵の回動速度に対応して前記効果音を発生するタイミングを変化させることを特徴としている。
【0008】
請求項5に記載の自動演奏鍵盤楽器は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記鍵の回動速度に対応して前記効果音の音量を変化させることを特徴としている。
また、請求項6に記載の自動演奏鍵盤楽器は、支持部材により回動自在に支持された鍵と、この鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマで弦を打撃する打弦機構と、イベントデータに基づき上記鍵を駆動する鍵駆動手段と、ハンマが弦を打撃して生じる打弦音以外の音であって演奏者の演奏中の動作に起因して生じる音を発生する効果音発生手段と、供給されるイベントデータに基づく打弦音の発生タイミングに同期して上記効果音発生手段に効果音を発生させる手段であって、前記イベントデータが供給されたタイミングから、当該イベントデータに含まれる前記目標ハンマ速度に応じた時間だけ遅延したタイミングで効果音を発生させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
(作用)
請求項1に記載の自動演奏鍵盤楽器にあっては、イベントデータに基づき鍵駆動手段が鍵を駆動すると同時に、打弦音の発生タイミングに同期して効果音発生手段から効果音が発生させられるから、自動演奏において打弦音とともに演奏者の動作によって生じる音を聞くことができる。
【0010】
請求項2に記載の自動演奏鍵盤楽器にあっては、鍵が駆動されてもハンマが弦を打弦しない代わりに、楽音発生手段から打弦音が発せられるから、いわゆる消音演奏状態で自動演奏を行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の自動演奏鍵盤楽器にあっては、演奏者が押鍵する際に演奏者の爪が鍵に当接する音などのように、演奏会場において良く聞こえる音を打弦音とともに聞くことができ、よりリアリティのある演奏を再現することができる。
【0012】
押鍵速度により鍵が駆動されてから例えば鍵が棚板に当接するまでの時間や当接したときの音量が異なる。請求項4または5に記載の自動演奏鍵盤楽器にあっては、鍵の回動速度に対応して効果音を発生するタイミングあるいは音量を変化させるから、より実際の演奏に近付けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
A.第1の実施の形態
(1)実施の形態の構成
以下、この発明の第1の実施の形態を図1ないし図5を参照しながら説明する。図1は実施の形態の自動演奏ピアノの要部構成を示す側面図である。図において符号10は棚板であり、棚板10の上面にはバランスピンPを有する筬中7が配置されている。符号1は鍵であり、3は鍵1の動作をハンマ2に伝達するアクション(打弦機構)、4はハンマ2によって打弦される弦である。5は鍵1を駆動するソレノイド(鍵駆動手段)であり、ソレノイド5のプランジャ5aが突出すると、鍵1がバランスピン(支持部材)Pを中心に回動し、その演奏者側が下がってフロントパンチング9に当接する(以下、この操作を押鍵と称する)。また、これに連動してアクション3が作動し、ダンパ6が弦4から離れるとともに、ハンマ2が回動して打弦する。一方、演奏者が弾く場合には、指で鍵1を押下することにより、上記と同様の作用が生じて打弦が行われる。
【0014】
また、ハンマ2が弦4によって跳ね返されると、ハンマシャンク2aの基部に設けられたキャッチャ2bがアクションのバックチェック3aに受けとめられる。そして、ソレノイド5のプランジャ5aが戻るとアクション3が元の状態へ復帰し、ハンマシャンク2aがストッパ8に当接して静止する。
【0015】
次に、図2は自動ピアノの制御回路を示すブロック図である。図において符号101,102,103は遅延器であり、イベントデータに含まれる目標ハンマ速度Vhが入力される。なお、目標ハンマ速度Vhは、ハンマ2が弦4に達する直前のハンマ2の速度を指示するデータである。遅延器101は目標ハンマ速度Vhが入力されたタイミングに対して、時間d遅延した目標ハンマ速度Vdを変換器111に出力し、遅延器102は時間d遅延した目標ハンマ速度Vdを変換器112に出力し、さらに、遅延器103は時間d遅延した目標ハンマ速度Vdを変換器113に出力する。
【0016】
変換器111は、入力された目標ハンマ速度Vdを目標鍵速度Vkに変換してこれをコントローラ121に出力する。コントローラ121は、入力された目標鍵速度Vkに基づいてソレノイド制御信号Vをソレノイドドライバ131に出力し、ソレノイドドライバ131は、ソレノイド制御信号Vを増幅した励磁電流をソレノイド5に供給する。これにより、ソレノイド5が励磁されてプランジャ5aが突出し、鍵1が回動する。
【0017】
次に、変換器112は、目標ハンマ速度Vdを爪音の大きさを指示する音量値mに変換し、これを爪音発生器(効果音発生手段)122に出力する。爪音発生器122は、演奏者が押鍵した際に爪が鍵1に当たる音の波形を記憶しており、入力された音量値mに対応する音量の音声信号Sを加算器140に出力する。また、変換器113は、目標ハンマ速度Vdを棚音の大きさを指示する音量値mに変換し、これを棚板音発生器(効果音発生手段)123に出力する。棚板音発生器123は、演奏者が押鍵した際に鍵1がフロントパンチング9を介して棚板10に当接する音の波形を記憶しており、入力された音量値mに対応する音量の音声信号Sを加算器140に出力する。加算器140は、音声信号SおよびSを合成してそれらの合成信号Sを増幅器141に出力し、増幅器141から供給される励磁電流によって、スピーカやヘッドホン等の音声変換手段142から爪音と棚板音とを発音させる。
【0018】
B.実施の形態の動作
次に、図3ないし図5を参照して実施の形態の動作について説明する。図3は、あるイベントにおける鍵1およびハンマ2の位置の変化と爪音等の効果音の発音タイミングを示すタイムチャートである。自動演奏ピアノでは、鍵1を駆動してハンマで弦を打撃して発音するから、イベントを開始した後遅れて打弦が行われる。また、イベントを開始してから打弦に至るまでの時間は、イベントデータにより指示された目標ハンマ速度Vhに応じて変化する。本実施の形態の自動演奏ピアノでは、イベントデータを受信してから時間T経過後に打弦が行われるように制御され、この時間Tは、目標ハンマ速度Vhに拘わらず一定とされている。つまり、目標ハンマ速度Vhに応じてイベント開始から打弦に至るまでの時間は変化するが、イベントデータを受信してからイベントを開始するまでの時間dを目標ハンマ速度Vhに応じて変化させることにより、時間Tを一定にしている。
【0019】
図3に示すように、打弦のイベントデータを受信してから時間d経過後に鍵1がソレノイド5によって駆動され、それからやや間をおいてハンマ2が回動し始める。このイベントでは、鍵1の演奏者側の端部が棚板10のフロントパンチング9に当接してから打弦が行われるが、後述するように、棚板音の発生と打弦の各タイミングは、目標ハンマ速度Vhの大きさにより相前後する。図3は、打弦後にキャッチャ2bがバックチェック3aによって受けとめられるまでのハンマ2の位置を示している。また、爪音が発生するタイミングは鍵1の駆動が開始されるタイミングとほぼ一致する。これは、爪音は演奏者が鍵1の押し下げを開始した瞬間に発生するものであるからである。さらに、棚板音が発生するタイミングは打弦のタイミングの前後となる。これは、棚板音は演奏者が鍵1を押し下げきったときに鍵1の下面により棚板の上面が打撃されることにより発生するものであるが、鍵1を押し下げきったタイミングと打弦のタイミングとは略一致し、鍵1の押し下げ速度等に応じてそのタイミングが前後するからである。
【0020】
次に、図4は遅延器101,102,103の特性を示す線図であり、符号d,d,dは図3に示す遅延時間d,d,dを得る特性曲線をそれぞれ示している。図4に示すように、各遅延器101,102,103は、イベントデータの目標ハンマ速度Vhに対応して遅延する時間d,d,dを変化させる。すなわち、目標ハンマ速度Vhが大きければ大きい程、イベント開始から打弦までに要する時間が短くなる一方、イベントデータが入力されてから打弦までの時間Tは一定である。よって、目標ハンマ速度Vhが大きい程、イベントデータ入力からイベント開始までの時間dと、爪音発生までの時間dを長くする。
【0021】
また、目標ハンマ速度Vhが小さい場合には、打弦の後に棚板音が発生するが、目標ハンマ速度Vhが大きい場合には、アクション3の各部における弾性的な撓みにより、ハンマ2の動作が鍵1の動作よりも遅れ、打弦よりも先に棚板音が発生するようになる。よって、図4に示すように、目標ハンマ速度が大きい程、イベントデータ入力から棚板音発生までの時間dを短くして、棚板音発生のタイミングを早くする。
【0022】
ここで、各遅延器101,102,103は、多段の遅延回路とこの遅延回路の出力端を選択するセレクタとからそれぞれ構成されている。そして、各セレクタが目標ハンマ速度Vhの値に対応して遅延回路の出力端を選択することにより、図4に示す遅延時間を生じさせる。なお、図4に示す特性曲線を数値化した変換テーブルを記憶しておくこともできる。この場合、目標ハンマ速度Vhに対応する遅延時間を読み出してタイマで計時し、タイマがタイムアップしたときに目標ハンマ速度Vd,Vd,Vdを出力する。また、図4に示す特性曲線を、目標ハンマ速度Vhをパラメータとする関数にして記憶しておき、CPUによって遅延時間を計算させるようにすることもできる。この場合、遅延時間d,dの特性曲線は略双曲線をなしていることから、遅延時間d,dを目標ハンマ速度Vhの逆数に比例する関数で表すことができる。
【0023】
次に、変換器111,112,113の作用について説明する。図5は、変換器111,…の入力/出力特性を示す線図である。変換器111はtで示す特性曲線を数値化した変換テーブルを記憶しており、入力された目標ハンマ速度Vdに対応する目標鍵速度Vkを変換テーブルから読み出し、これをコントローラ121に出力する。また、変換器112,113は、それぞれt,tで示す特性曲線を数値化した変換テーブルを記憶し、目標ハンマ速度Vd,Vdに対応する音量値m,mを爪音発生器122と棚板音発生器123にそれぞれ出力する。なお、図5に示す特性曲線を、目標ハンマ速度Vd,Vdをパラメータとする関数にして記憶しておき、CPUによって音量値m,mを計算させるようにすることもできる。
【0024】
以上のように、実施の形態の自動演奏ピアノでは、目標ハンマ速度Vd,Vdの大きさに対応した大きさの音量値m,mが出力されるが、変換器112、113の出力端子をスイッチ等によって断続することにより、聴者の好みにより爪音や棚板音の有無を選択できるようにすることもできる。あるいは、変換器112に図5のt’で示すような特性曲線を数値化した変換テーブルをさらに記憶させておき、tの特性曲線とt’の特性曲線を切り替えて爪音の強弱を選択できるようにすることもできる。同様にして、棚板音の強弱を選択できるようにすることもできる。
【0025】
次に、爪音発生器122は、演奏者が実際に押鍵する際に爪が鍵1に当たる音を録音し、これをサンプリングしてデジタル化したデータを記憶している。そして、データを図3に示すようなアナログ波形を持つ信号に変換するとともに音量値mの大きさに対応して増幅し、これを音声信号Sとして加算器140に出力する。ここで、音声信号Sに増幅するに際しては、音量値mの大きさに対応して単純に増幅することもできる。また、音量値mが大きい場合には、音声信号S1に高調波成分を多く含めて音をシャープにし、音量値mが小さい場合には低周波数帯域の成分を多く含むようにして音をソフトにすることもできる。さらに、演奏者によって爪の長短があるとともに、爪を立てて弾いたり寝かせて弾く演奏者がおり、爪音の種類は多種多様である。そこで、複数種類の爪音をサンプリングして記憶しておき、セレクタスイッチ等で聴者の好みの爪音を選択できるようにすることもできる。あるいは、演奏データの中に演奏者のくせ等を数値化して含ませておいても良く、これによって、各曲もしくは各音毎に発生される爪音を自動的に変更制御することができる。
【0026】
次に、棚板音発生器123は、演奏者が実際に押鍵して鍵1がフロントパンチング9を介して棚板10に当接する際に生じる音を録音し、これをサンプリングしてデジタル化したデータを記憶している。そして、データを図3に示すようなアナログ波形を持つ信号に変換するとともに音量値mの大きさに対応して増幅し、これを音声信号Sとして加算器140に出力する。そして、加算器140において音声信号SとSが合成され、図3に示すような波形を有する合成信号Sが増幅器141に出力され、ハンマ2による打弦音に同期して音声変換器142から爪音および棚板音が発せられる。したがって、聴者は、演奏会場で聞いているような感覚でピアノの自動演奏を楽しむことができる。
【0027】
B.第2の実施の形態
(1)実施の形態の構成
次に、図1と図6を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、本発明を消音機能付きの自動演奏ピアノに適用したものである。図1に示すように、ダンパ6とハンマシャンク2aの中間には、ストッパ20が配置されている。ストッパ20は、紙面と直交する軸線回りに回転可能に構成され、打弦を行う通常の自動演奏の際には図1に示す状態とされ、消音演奏を行う際には図1に示す状態から約90゜反時計方向へ回転させられる。消音演奏を行う際には、回動するハンマシャンク2aがストッパ20に当接し、ハンマ2は弦4に当たる手前で跳ね返される。
【0028】
図6は、実施の形態の自動演奏ピアノの制御回路を示すブロック図であり、201は装置各部を制御するCPUである。202はCPU201において用いられるプログラムが記憶されているROMであり、203は各種データが一時記憶されるRAMである。RAM203はCPU201が行う制御に使用される制御データの記憶エリアとして使用される。204は、各種操作子から構成される操作パネル部であり、消音演奏を指示する消音スイッチSW1、自動演奏による再生を指示する再生スイッチSW2、爪音および棚板音の有無やそれらの音量等を選択するセレクタスイッチ(図示略)等を有している。
【0029】
206はMIDIインターフェイスであり、自動演奏において再生されるMIDIイベントの外部装置への送信、および外部装置から供給されるMIDIイベントの受信を行う。アクチュエータインターフェイス207は、CPU201の制御のもとに、図1に示すソレノイド5に励磁電流を供給する。209は外部記憶装置であり、例えば、フロッピーディスクドライバが用いられる。この外部記憶装置209は、記憶媒体(例えば、フロッピーディスク等)から演奏データを読みとると、RAM203の所定エリアに転送(ダイレクトメモリアクセス)する。また、外部記憶装置209は、CPU201の制御のもとに、RAM203の所定エリアに記録された演奏データを記録媒体に書き込む。
【0030】
210は音源回路であり、CPU201から供給されるイベントデータが示すキーコードKC、キーオン信号KON、キーオフ信号KOFおよびキーベロシティKVに応じた楽音信号を作成する回路である。音源回路210は、この自動演奏ピアノと同様の楽音波形を記憶している。この場合、キーオン信号KONが供給された時点から、キーコードKCに応じた波形の読み出しが行われる。この結果、読み出される波形データは、キーコードKCに対応する周波数を有する。また、キーベロシティKVに応じて波形の振幅やエンベロープが制御される。このようにして、押鍵に対応する楽音信号が電子的に形成される。また、キーオフ信号KOFが供給されると、楽音信号を停止させるか、あるいは、所定のエンベロープに従って楽音信号を減衰させる。
【0031】
211は効果音発生回路であり、爪音および棚板音等の効果音の音声波形を記憶し、CPU201から供給されるイベントデータが示す爪音の音量値m、棚板音の音量値mに応じた音声信号を作成する。爪音等の効果音の有無の選択あるいはそれらの音量および音質の選択は、操作パネル204内の各種スイッチによって行われる。この効果音発生回路211で作成された音声回路と、音源回路210で作成された楽音信号は、加算器212により合成されてスピーカSPまたはヘッドホンHHに供給され、これにより、楽音と効果音とが発せられるようになている。
【0032】
(2)実施の形態の動作
次に、この実施の形態の自動演奏ピアノにより消音演奏を行う場合の動作について説明する。まず、ストッパ20を図1に示す状態から反時計方向へ約90゜回転させ、回動するハンマシャンク2aが当接して打弦が行われないようにする。次に、操作パネル204のスイッチにより自動演奏の再生開始の指示を行うと、まず、イベントデータの読出を行う。イベントデータの読出は、RAM203内のイベントデータを先頭データから順次読み出す処理である。より具体的に言えば、イベントの時間間隔を示すデュレーションデータを読み出すと、テンポクロックが出力される毎にそれを減算し、0になった時点で次のイベントデータを読み出す。そして、その後に次のデュレーションデータを読み出し、以後同様の動作を行う。その際CPU201は、読み出されたイベントデータが示すキーコードKC、キーオン信号KON、キーオフ信号KOFおよびキーベロシティKV等に応じてソレノイド5への励磁電流の供給/停止を制御する。
【0033】
この場合において、CPU201は、前記実施の形態と同様に、イベントデータ受信のタイミングから時間d経過後にソレノイド5への励磁電流の供給を開始する(図3参照)。そして、ソレノイド5が駆動されて鍵1が動作し、これに応じてハンマ2が回動すると、ハンマシャンク2aがストッパ20に当接する。この場合、イベントデータを受信してからハンマシャンク2aがストッパ20に当接するまでの時間Tは一定とされる。よって、CPU201は、キーベロシティKVに応じて時間dを調整する。そのために、図4に示すような特性曲線を数値化した変換テーブルをROM202に記憶しておく。そして、CPU201はイベントデータを受信する毎に変換テーブルを参照し、キーベロシティKVに対応する時間dを読み出す。こうして、テンポクロックが出力される毎にdを減算し、0になった時点でソレノイド5に励磁電流を供給する。
【0034】
ハンマ2はストッパ20によって止められるため打弦音は発生しないが、上記のようにして読み出されたイベントデータは、その受信から時間T経過後に音源回路210に供給されて楽音信号を発生する。この結果、イベントデータが読み出されて時間T経過する毎に、キーコードKC、キーオン信号KON、キーベロシティKVあるいはキーオフ信号KOFが音源回路210に供給され、これらに対応した楽音信号が形成される。
【0035】
また、イベントデータには、爪音の音量値mおよび棚板音の音量値mが含まれており、CPU201は、それらデータを効果音発生回路211に供給する。この場合もCPU201は、イベントデータを受信する毎に変換テーブルを参照し、キーベロシティKVに対応する爪音の遅延時間時間dおよび棚板音の遅延時間dを読み出す。そして、CPU201は、テンポクロックが出力される毎にdおよびdを減算し、dが0になった時点で音量値m、dが0になった時点で音量値mを効果音発生回路211に供給する。効果音発生回路211は、音量値m,mに対応した音声信号を作成する。この音声信号と音源回路210で作成された楽音信号は、加算器212で合成されてスピーカSPやヘッドホンHHに供給される。したがって、ハンマ2による打弦音は生じないが、スピーカSPやヘッドホンHHから爪音等の効果音の入った自動演奏を聞くことができる。
【0036】
なお、この実施の形態の自動演奏ピアノでは、ストッパ20を図1に示す状態にすることにより、通常の演奏を行うことも可能であり、演奏者が実際に弾いて打弦させない消音演奏も可能である。また、演奏者による消音演奏を行う場合には、ハンマ2の速度および打弦タイミングを検出するために、図1の光センサSE1,SE2が使用され、キーコードKC、キーオン信号KON、キーベロシティKVおよびキーオフ信号KOFを演奏からピックアップするために、シャッタ26および光センサ25からなるキーセンサが使用される。
【0037】
C.変更例
▲1▼効果音としては爪音や上記のような棚板音の他に、鍵1が筬中7を介して棚板10に当接する音、キャッチャ2bがバックチェック3aに当接する音、ハンマシャンク2aがストッパ8に当接する音を入れることができる。また、本発明はグランドピアノにも適用可能であり、その際には、ジャックボタンがサポートに植設されたスプーンに当接する音などを効果音にすることもできる。さらに、演奏者が演奏中に出す声や靴音なども効果音とすることができる。要するに、演奏者による手動演奏時には発生するが、自動演奏時には発生しない音を効果音として発生すればよい。なお、鍵1の先端が棚板を打撃する音は、自動演奏時においても発生するが、自動演奏時においては、プランジャ5aによって鍵1の後端を持ち上げるようにしており、この動作は、手動演奏時に演奏者が鍵1の先端(つまり、棚板を打撃する部位)を押し下げる動作とは異なるため、発生される棚板音が異なる。このため、上述した実施の形態においては、棚板音を電気的に発生するようにしているのである。
▲2▼第2の実施の形態では、1つのイベントデータに、キーコードKC、キーオン信号KON、キーオフ信号KOF、キーベロシティKV等の楽音データと、効果音データである音量値m,mとを設けているが、楽音データと効果音データとを別のイベントデータとすることもできる。この場合、CPUは、読み出したイベントデータの先頭のデータにより、楽音データか効果音データかを識別する。このようにすることにより、効果音データを楽音データとは独立したタイミングで発生させることが可能となる。よって、効果音を所望のタイミングで発生させることができるため、第1、第2の実施の形態のように効果音の発生タイミングを推定により求める必要がなくなり、正確なタイミングで効果音を発生させることができる。
▲3▼本発明は、ピアノの他にオルガンやチェンバロなどあらゆる鍵盤楽器に適用可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明の自動演奏鍵盤楽器においては、イベントデータに基づき鍵駆動手段が鍵を駆動すると同時に、打弦音の発生タイミングに同期して効果音発生手段から効果音が発生させられるから、自動演奏において打弦音とともに演奏者の動作によって生じる音を聞くことができる(請求項1)。
【0039】
鍵が駆動されてもハンマが弦を打弦しない代わりに、楽音発生手段から打弦音が発せられるから、いわゆる消音演奏状態で自動演奏を行うことができ(請求項2)、演奏者が押鍵する際に演奏者の爪が鍵に当接する音などのように、演奏会場において良く聞こえる音を打弦音とともに聞くことができ、よりリアリティのある演奏を再現することができる(請求項3)。また、鍵の回動速度に対応して効果音を発生するタイミングあるいは音量を変化させてより実際の演奏に近付けることができる(請求項4、5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機械的構成を示す側面図である。
【図2】実施の形態の制御回路を示すブロック図である。
【図3】打弦イベントのタイミングの遅延を説明するためのタイムチャートである。
【図4】遅延器の特性を示す線図である。
【図5】変換器の特性を示す線図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…鍵、2…ハンマ、3…アクション(打弦機構)、
5…ソレノイド(鍵駆動手段)、
122…爪音発生器(効果音発生手段)、
123…棚板音発生器(効果音発生手段)、
P…バランスピン(指示部材)。

Claims (6)

  1. 棚板の上面に設けられた支持部材により回動自在に支持された鍵と、
    この鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマで弦を打撃する打弦機構と、
    供給されるイベントデータに基づき、後端が持ち上がるように上記鍵を突き上げる鍵駆動手段と、
    前記鍵が上記棚板に直接あるいは間接的に当接することにより発生する音を発生する効果音発生手段と、
    供給されるイベントデータに基づく打弦音の発生タイミングに同期して上記効果音発生手段に効果音を発生させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする自動演奏鍵盤楽器。
  2. 前記鍵駆動手段が前記鍵を駆動することにより回動する前記ハンマを前記弦の手前で止めるストッパ手段と、供給されるイベントデータに基づき打弦音を電子的に発生する楽音発生手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動演奏鍵盤楽器。
  3. 前記効果音発生手段は、さらに、演奏者が押鍵する際に演奏者の爪が鍵に当接する音および前記打弦機構を構成する部材が当接し合って生じる音のうち少なくともいずれか1つを発生することを特徴とする請求項1または2に記載の自動演奏鍵盤楽器。
  4. 前記鍵の回動速度に対応して前記効果音を発生するタイミングを変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動演奏鍵盤楽器。
  5. 前記鍵の回動速度に対応して前記効果音の音量を変化させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動演奏鍵盤楽器。
  6. 支持部材により回動自在に支持された鍵と、
    この鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマで弦を打撃する打弦機構と、
    目標ハンマ速度を含むイベントデータに基づき上記鍵を駆動する鍵駆動手段と、
    ハンマが弦を打撃して生じる打弦音以外の音であって演奏者の演奏中の動作に起因して生じる音を発生する効果音発生手段と、
    供給されるイベントデータに基づく打弦音の発生タイミングに同期して上記効果音発生手段に効果音を発生させる手段であって、前記イベントデータが供給されたタイミングから、当該イベントデータに含まれる前記目標ハンマ速度に応じた時間だけ遅延したタイミングで効果音を発生させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする自動演奏鍵盤楽器。
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