JPH11161269A - 楽音制御装置及び楽音制御方法 - Google Patents

楽音制御装置及び楽音制御方法

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Publication number
JPH11161269A
JPH11161269A JP9326561A JP32656197A JPH11161269A JP H11161269 A JPH11161269 A JP H11161269A JP 9326561 A JP9326561 A JP 9326561A JP 32656197 A JP32656197 A JP 32656197A JP H11161269 A JPH11161269 A JP H11161269A
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JP
Japan
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envelope
data
switch
tone
turned
Prior art date
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Application number
JP9326561A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Tamura
英一 田村
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd filed Critical Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Priority to JP9326561A priority Critical patent/JPH11161269A/ja
Publication of JPH11161269A publication Critical patent/JPH11161269A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】段差スイッチの先のスイッチのオフでエンベロ
ープの減衰を開始させ、楽音の消音を迅速にさせる。 【解決手段】第3スイッチS3のオフで(ステップ1
1)、エンベロープの減衰が開始され(ステップ1
2)、第2スイッチS2のオフで(ステップ14)、エ
ンベロープの減衰の傾斜が切り換えられ(ステップ1
5)、第3スイッチS3のオフで(ステップ17)、エ
ンベロープの減衰の傾斜がさらに切り換えられる(ステ
ップ18)。これにより、ピアノのダンパーの触れ始め
から触れ終わりまでの楽音変化が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音制御装置及び
楽音制御方法に関し、特にオフ操作におけるエンベロー
プの減衰の制御の改良に関する。
【0002】
【従来技術】従来、発音操作の速さまたは強さを示すオ
ンタッチを検出する装置が実用化されている。この装置
では複数の段差スイッチが設けられ、この段差スイッチ
は発音操作(オン操作)に応じてタイミングがずれて順
次オンされる。このオンの時間差からオンタッチが検出
される。この段差スイッチは消音操作(オフ操作)で
は、タイミングがずれて順次オフされる。この場合従来
は最後のスイッチのオフでエンベロープの減衰を開始し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最後のスイ
ッチのオフでエンベロープの減衰を開始していたので
は、消音操作に対して楽音がより迅速に反応することが
できない。本発明の目的は、消音操作でより迅速に楽音
が反応できるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、指示手段の消音操作のときに、タイミ
ングがずれてオフとなる指示手段の複数のスイッチ手段
の各オフを検出し、この複数のスイッチ手段の中で最初
にオフとなるスイッチ手段のオフの検出に応じて、上記
エンベロープの減衰を開始するようにした。これによ
り、消音操作によって楽音の消音が迅速に開始される。
【0005】
【発明の実施の形態】1.全体回路 図1は楽音制御装置または電子楽器の全体回路を示す。
キーボード11の各キーは、楽音の発音及び消音を指示
するもので、キースキャン回路12によってスキャンさ
れ、キーオン、キーオフを示すデータが検出され、コン
トローラ2によってプログラム/データ記憶部4に書き
込まれる。そして、それまでプログラム/データ記憶部
4に記憶されていた各キーのオン、オフの状態を示すデ
ータと比較され、各キーのオンイベント、オフイベント
の判別が、コントローラ2によって行われる。
【0006】このキーボード11の各キーには後述する
3つのタッチスイッチ17(S1、S2、S3)が設け
られ、各スイッチS1、S2、S3ごとに上記スキャン
が行われ、各スイッチS1、S2、S3ごとにオンイベ
ント及びオフイベントの検出が行われる。
【0007】このキーボード11は、ローアキーボー
ド、アッパーキーボード、ペダルキーボード等から成っ
ており、それぞれにつき異なる音色の楽音、つまりエン
ベロープ波形の異なる楽音が発音される。そして、アッ
パーキーボードについては、1つのキーオンで2音色の
楽音を同時に鳴らすことも可能である。なお、キーボー
ド11は、電子弦楽器、電子吹奏(管)楽器、電子打楽
器(パッド等)、コンピュータのキーボード等で代用さ
れる。
【0008】パネルスイッチ群13の各スイッチは、パ
ネルスキャン回路14によって、スキャンされる。この
スキャンにより、各スイッチのオン、オフを示すデータ
が検出され、コントローラ2によってプログラム/デー
タ記憶部4に書き込まれる。そして、それまでプログラ
ム/データ記憶部4に記憶されていた各スイッチのオ
ン、オフの状態を示すデータと比較され、各スイッチの
オンイベント、オフイベントの判別が、コントローラ2
によって行われる。
【0009】ミディインターフェース15は、外部接続
された電子楽器との間で楽音データの送受を行うための
インタフェースである。この楽音データはMIDI(ミ
ュージカルインスツルメントデジタルインタフェース)
規格のもので、この楽音データに基づいた発音も行われ
る。
【0010】上記キーボード11またはミディインター
フェース15には、自動演奏装置も含まれる。これらキ
ーボード11、パネルスイッチ群13及びミディインタ
ーフェース15から発生された演奏情報(楽音発生情
報)は、楽音を発生させるための情報である。
【0011】上記演奏情報(楽音発生情報)は、音楽的
ファクタ(因子)情報であり、音高(音域)情報(音高
決定因子)、発音時間情報、演奏分野情報、発音数情
報、共鳴度情報などである。発音時間情報は楽音の発音
開始からの経過時間を示す。演奏分野情報は、演奏パー
ト情報、楽音パート情報、楽器パート情報等を示し、例
えばメロディ、伴奏、コード、ベース、リズム、MID
I等に対応したり、または上鍵盤、下鍵盤、足鍵盤、ソ
ロ鍵盤、MIDI等に対応している。
【0012】上記音高情報はキーナンバデータKNとし
て取り込まれる。このキーナンバデータKNはオクター
ブデータ(音域データ)と音名データとからなる。演奏
分野情報は、パートナンバデータPNとして取り込ま
れ、このパートナンバデータPNは各演奏エリアを識別
するデータであって、発音操作された楽音がどの演奏エ
リアからのものかによって設定される。
【0013】発音時間情報は、トーンタイムデータTM
として取り込まれ、後述のフローチャートによって求め
られたり、キーオンイベントからのタイムカウントデー
タに基づいたり、またはエンベロープフェーズで代用さ
れる。この発音時間情報は特願平6−219324号明
細書及び図面に発音開始からの経過時間情報として詳し
く示される。
【0014】発音数情報は同時に発音している楽音の数
を示し、例えばアサインメントメモリ40のオン/オフ
データが「1」の楽音の数に基づき、この数は特願平6
−242878号の図9及び図15、特願平6−247
6855号の図8及び図18、特願平6−276857
号の図9及び図20、特願平6−276858号の図9
及び図21のフローチャートに基づいて求められる。
【0015】共鳴度情報は、同時に発音している1つの
楽音と他の楽音との共鳴度を示す。この1つの楽音の音
高周波数と他の楽音の音高周波数とが1:2、2:3、
3:4、4:5、5:6など小さい整数数倍比であれば
共鳴度情報の値は大きく、9:8、15:8、15:1
6、45:32、64:45など大きい整数数倍比であ
れば共鳴度情報の値は小さくなる。この共鳴度情報は特
願平1−314818号の第7図の共鳴相関テーブル5
3または共鳴比率テーブル54から読み出される。
【0016】さらに、上記パネルスイッチ群13には各
種スイッチが設けられ、この各種スイッチは音色タブレ
ット、エフェクトスイッチ、リズムスイッチ、ペダル、
ホイール、レバー、ダイヤル、ハンドル、タッチスイッ
チ等であって楽器用のものである。このペダルはダンパ
ーペダル、サスティンペダル、ミュートペダル、ソフト
ペダル等である。この各種スイッチより、楽音制御情報
が発生され、この楽音制御情報は発生された楽音を制御
する情報であって音楽的ファクタ(因子)情報であり、
音色情報(音色決定因子)、タッチ情報(発音指示操作
の速さ/強さ)、発音数情報、共鳴度情報、エフェクト
情報、リズム情報、音像(ステレオ)情報、クオンタイ
ズ情報、変調情報、テンポ情報、音量情報、エンベロー
プ情報等である。
【0017】これら音楽的ファクタ情報も上記演奏情報
(楽音情報)に合体され、上記各種スイッチより入力さ
れるほか、上記自動演奏情報に合体されたり、上記イン
ターフェイスで送受される演奏情報に合体される。な
お、タッチスイッチ17は上記キーボード11の1つ1
つに対応して設けられており、タッチの速さと強さを示
す上記タッチ情報つまりイニシャルタッチデータとアフ
タタッチデータとが発生される。このタッチスイッチ1
7は後述される。
【0018】上記音色情報は、鍵盤楽器(ピアノ等)、
管楽器(フルート等)、弦楽器(バイオリン等)、打楽
器(ドラム等)の楽器(発音媒体/発音手段)の種類等
に対応しており、トーンナンバデータTNとして取り込
まれる。上記エンベロープ情報は、エンベロープレベ
ル、エンベロープスピード、エンベロープフェーズなど
である。
【0019】このような音楽的ファクタ情報は、コント
ローラ2へ送られ、後述の各種信号、データ、パラメー
タの切り換えが行われ、楽音の内容が決定される。上記
演奏情報(楽音発生情報)及び楽音制御情報はコントロ
ーラ2で処理され、各種データが楽音信号発生部5へ送
られ、楽音波形信号MWが発生される。コントローラ2
はCPU、ROM及びRAMなどからなっている。
【0020】プログラム/データ記憶部4(内部記憶媒
体/手段)はROMまたは書き込み可能なRAM、フラ
ッシュメモリまたはEEPROM等の記憶装置からな
り、光ディスクまたは磁気ディスク等の情報記憶部7
(外部記憶媒体/手段)に記憶されるコンピュータのプ
ログラムが書き写され記憶される(インストール/転送
される)。またプログラム/データ記憶部4には外部の
電子楽器またはコンピュータから上記MIDI装置また
は送受信装置を介して送信されるプログラムも記憶され
る(インストール/転送される)。このプログラムの記
憶媒体は通信媒体も含む。
【0021】このインストール(転送/複写)は、情報
記憶部7が本楽音生成装置にセットされたとき、または
本楽音生成装置の電源が投入されたとき自動的に実行さ
れ、または操作者による操作によってインストールされ
る。上記プログラムは、コントローラ2が各種処理を行
うための後述するフローチャートに応じたプログラムで
ある。
【0022】なお、本装置に予め別のオペレーティング
システム、システムプログラム(OS)、その他のプロ
グラムが記憶され、上記プログラムはこれらのOS、そ
の他のプログラムとともに実行されてもよい。このプロ
グラムは本装置(コンピュータ本体)にインストールさ
れ実行されたときに、別のプログラムとともにまたは単
独で請求項(クレーム)に記載された処理・機能を実行
させることができればよい。
【0023】また、このプログラムの一部又は全部が本
装置以外の1つ以上の別装置に記憶されて実行され、本
装置と別装置との間には通信手段を介して、これから処
理するデータ/既に処理されたデータ/プログラムが送
受され、本装置及び別装置全体として、本発明が実行さ
れてもよい。
【0024】このプログラム/データ記憶部4には、上
述した音楽的ファクタ情報、上述した各種データ及びそ
の他の各種データも記憶される。この各種データには時
分割処理に必要なデータや時分割チャンネルへの割当の
ためデータ等も含まれる。
【0025】楽音信号発生部5では、所定長の楽音波形
信号MWが繰り返し発生されサウンドシステム6から発
音出力される。上記音高情報に応じて、この繰り返し発
生される楽音波形信号MWの発生速度は変化される。ま
た上記音高色情報などの音楽的ファクタ情報に応じて、
この繰り返し発生される楽音波形信号MWの波形形状は
切り換えられる。この楽音信号発生部5は時分割処理に
よって複数の楽音信号が同時に生成されポリフォニック
に発音される。
【0026】タイミング発生部3からは、楽音生成装置
の全回路の同期を取るためのタイミングコントロール信
号が各回路に出力される。このタイミングコントロール
信号は、各周期のクロック信号のほか、これらのクロッ
ク信号を論理積または論理和した信号、時分割処理のチ
ャンネル分割時間の周期を持つ信号、チャンネルナンバ
データCHNo、タイムカウントデータなどを含む。こ
のタイムカウントデータは、絶対時間つまり時間の経過
を示す。
【0027】2.タッチスイッチ17 図2は上記タッチスイッチ17の構造を示す。上記キー
ボード11の各キー本体18の下面にはプリント基板1
9が設けられている。このプリント基板19の上には、
各キー本体18の長手方向に沿って、3つのスイッチイ
ングパターン20、21、22がそれぞれ形成されてい
る。この各スイッチイングパターン20、21、22の
上には半球状の導電ゴム23、24、25が固定され、
この半球状の導電ゴム23、24、25の内側上面に
は、スイッチイング突起26、27、28がそれぞれ形
成されている。
【0028】これら導電ゴム23、24、25の高さ
は、キー本体18の支点から離れるにしたがって順次高
くなり、これにより各スイッチイング突起26、27、
28と各スイッチイングパターン20、21、22との
隙間も上記支点から離れるにしたがって徐々に大きくな
る。一方、上記キーボード11の各キー本体18の下面
には3つの桁部30、31、32が設けられている。こ
の各桁部30、31、32も上記支点から離れるにした
がって徐々に短くなる。
【0029】上記スイッチイング突起26とスイッチイ
ングパターン20とで第1スイッチS1が構成され、ス
イッチイング突起27とスイッチイングパターン21と
で第2スイッチS2が構成され、スイッチイング突起2
8とスイッチイングパターン22とで第3スイッチS3
が構成される。
【0030】そして、キーオン(発音)時には、第1ス
イッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3の順
番で順次オンし、キーオフ(消音)時には、第3スイッ
チS3、第2スイッチS2、第1スイッチS1の順番で
順次オフする。
【0031】つまりタッチスイッチ17は、オンまたは
オフでタイミングが順次ずれてオンまたはオフする段差
スイッチである。なお、上記キー本体18は上方へ付勢
されているので、キー本体18の押圧を解除すれば、キ
ー本体18は自ら上方へ復帰し、上記各スイッチS3、
S2、S1が順番にオフされる。
【0032】この各スイッチS1、S2、S3は、キー
ボード11以外の弦楽器の弦の端または駒、管楽器の歌
口またはリード、打楽器の打棒の先端または膜の端にも
設けられる。これらのスイッチS1、S2、S3は、他
の速度センサ、加速度センサ、圧力センサで代用可能で
ある。
【0033】3.アサインメントメモリ40 図3は、楽音信号発生部5のアサインメントメモリ40
を示す。アサインメントメモリ40には、複数(16、
32または64等)のチャンネルメモリエリアが形成さ
れており、上記楽音信号発生部5に形成された複数の楽
音生成チャンネルに割り当てられた楽音に関するデータ
が記憶される。
【0034】これら各チャンネルメモリエリアには、チ
ャンネルが割当られた楽音の周波数ナンバデータFN
(キーナンバデータKN)、トーンナンバデータTN、
タッチデータTC、トーンタイムデータTM、パートナ
ンバデータPN、オン/オフデータ、エンベロープフェ
ーズデータEF、エンベロープスピードデータES、エ
ンベロープレベルデータEL等が記憶される。
【0035】オン/オフデータは割り当られ発音する楽
音がキーオン中または発音中(“1”)かキーオフ中ま
たは消音中(“0”)かを示す。キーナンバデータKN
は割り当られ発音する楽音の音高を示し、上記音高情報
に応じて決定される。キーナンバデータKNの上位デー
タは音域またはオクターブを示し、下位データは音名を
示す。周波数ナンバデータFNは割り当られ発音する楽
音の周波数値を示し、上記キーナンバデータKNから変
換される。上記プログラム/データ記憶部4には、この
変換のためのテーブル(デコーダ)が設けられている。
【0036】トーンナンバデータTNは、割り当てられ
発音する楽音の音色を示し、上記音色情報に応じて決定
される。タッチデータTCは、発音操作の速さまたは強
さを示し、上記タッチスイッチ17(S1、S2、S
3)の操作に基づいて求められ、または上記タッチ情報
に応じて決定される。
【0037】パートナンバデータPNは、上述したよう
に各演奏エリアを示し、発音操作された楽音がどの演奏
エリアからのものかによって設定される。トーンタイム
データTMは、キーオンイベントからの経過時間を示
す。
【0038】エンベロープフェーズデータEFはエンベ
ロープのアタック、ディケィ、サスティンまたはリリー
スを示し、エンベロープスピードデータESはエンベロ
ープのデジタル演算1周期当たりの演算のステップ値を
示し、エンベロープレベルデータELは、各フェーズの
末尾でエンベロープ演算値が到達する目標値を示す。エ
ンベロープスピードデータESは、アタックなどのエン
ベロープ増大の時には正(プラス)となり、ディケイ、
リリースなどのエンベロープ減衰の時には負(マイナ
ス)となる。
【0039】このエンベロープスピードデータES及び
エンベロープレベルデータELは図5のエンベロープの
各フェーズごとに記憶されている。なお、フェーズ
「1」「2」「3」のエンベロープレベルデータELは
同じでもよいし、フェーズ「5」「6」「7」のエンベ
ロープレベルデータELは全て「0」で同じであるかま
たは省略されてもよい。
【0040】この各フェーズのエンベロープスピードデ
ータES及び/またはエンベロープレベルデータEL
は、上記トーンナンバデータTN、タッチデータTC、
キーナンバデータKN、パート年データPN、トーンタ
イムデータTM、発音数情報、共鳴度情報等から変換さ
れる。上記プログラム/データ記憶部4には、この変換
のためのテーブル(デコーダ)が設けられている。
【0041】これら各チャンネルメモリエリアの各デー
タは、発音開始タイミングに書き込まれ、各チャンネル
タイミングごとに書き換えられたり、読み出されたりし
て、上記楽音信号発生部5で処理される。このアサイン
メントメモリ40は、楽音信号発生部5の中ではなく、
プログラム/データ記憶部4またはコントローラ2の中
に設けてもよい。
【0042】上記時分割処理によって形成されるチャン
ネル、すなわち複数の楽音を並行して発生するための複
数の楽音発生システムへの各楽音の割り当て方法または
トランケート方法は、例えば特願平1−42298号、
特願平1−305818号、特願平1−312175
号、特願平2−2089178号、特願平2−4095
77号、特願平2−409578号に示された方法が使
われる。
【0043】4.楽音信号発生部5 図4は上記楽音信号発生部5を示す。上記アサインメン
トメモリ40の各チャンネルの周波数ナンバデータF
N、トーンナンバデータTN、パートナンバデータP
N、タッチデータTC等は、波形読み出し部41へ送ら
れ、波形メモリ42からトーンナンバデータTN、パー
トナンバデータPN、タッチデータTCに応じた楽音波
形データMWが選択され、この選択された楽音波形デー
タMWが周波数ナンバデータFNに応じた速度(音高)
で読み出される。読み出された楽音波形データMWは乗
算器43でエンベロープデータENが乗算合成され、累
算器44で全チャンネルの楽音波形データが累算合成さ
れ、上記サウンドシステム6で発音される。
【0044】上記アサインメントメモリ40の各チャン
ネルのエンベロープスピードデータESは、加算器4
6、セレクタ47、エンベロープ演算メモリ48で時分
割に順次累算され、エンベロープ演算データENが演算
され、上記乗算器43へ上記エンベロープデータENと
して送られる。エンベロープ演算メモリ48は時分割チ
ャンネル数に応じたエリアを有し、各チャンネルのエン
ベロープ演算データENが記憶され、各チャンネルごと
にエンベロープが演算される。
【0045】このエンベロープ演算メモリ48は、上記
チャンネルナンバデータCHNoによってアドレス指定
され、この指定されたアドレスのみが書き込み/読み出
しされたりリセットされたりする。このエンベロープ演
算メモリ48の各チャンネルエリアはオンイベント信号
によって個別にリセット(クリア)される。
【0046】コンパレータ49には、この演算(累算)
されるエンベロープ演算データENと、アサインメント
メモリ40からの各チャンネルのエンベロープレベルデ
ータELとが供給され、エンベロープ演算データENが
エンベロープレベルデータELに一致または越えると、
フェーズ終了信号が検出され出力される。このフェーズ
終了信号はエンベロープの各フェーズの終了を示す。こ
のフェーズ終了信号は上記セレクタ47に送られて、上
記エンベロープ演算データENがエンベロープレベルデ
ータELに切り換えられる。エンベロープレベルデータ
ELは各フェーズのエンベロープ演算の目標値だからで
ある。
【0047】上記フェーズ終了信号はフェーズカウンタ
50へ入力され、インクリメントすなわち+1される。
このフェーズカウンタ50では、各チャンネルのエンベ
ロープのフェーズがカウントされる。このフェーズカウ
ンタ50は、上記時分割チャンネル数に応じたカウンタ
が設けられ、上記チャンネルナンバデータCHNoによ
って指定されるカウンタのみがイネーブルとされ、この
指定されたカウンタのみがインクリメントされたりリセ
ットされたりする。このフェーズカウンタ50はプリセ
ッタブルであり、コントローラ2によって下記エンベロ
ープフェーズデータがセットされる。
【0048】このフェーズカウンタ50の各チャンネル
のカウンタは上記第1スイッチS1のオンイベント信号
によって個別に「001(1)」にセットされ、同じく
上記第2スイッチS2のオンイベント信号によって個別
に「010(2)」にセットされ、同じく上記第3スイ
ッチS3のオンイベント信号によって個別に「011
(3)」にセットされる。
【0049】また、この各チャンネルのカウンタは上記
第3スイッチS3のオフイベント信号によって個別に
「101(5)」にセットされ、同じく上記第2スイッ
チS2のオフイベント信号によって個別に「110
(6)」にセットされ、同じく上記第1スイッチS1の
オフイベント信号によって個別に「111(7)」にセ
ットされる。
【0050】このフェーズカウンタ50のエンベロープ
フェーズデータEFは上記アサインメントメモリ40に
アドレスデータとして送られ、各チャンネルの中の各フ
ェーズごとのエンベロープスピードデータES及びエン
ベロープレベルデータELが読み出されたり書き込まれ
たりする。このエンベロープフェーズデータEFは上記
コントローラ2へも送られ、このコントローラ2によっ
てアサインメントメモリ40にエンベロープフェーズデ
ータEFが書き込まれる。アサインメントメモリ40
は、上記チャンネルナンバデータCHNoによってアド
レス指定され、この指定されたアドレスのみが書き込み
/読み出しされたクリアされたりする。このアサインメ
ントメモリ40の各チャンネルエリアはオンイベント信
号によって個別にリセット(クリア)される。
【0051】5.エンベロープフェーズデータEF 図5はエンベロープフェーズデータEF及びタッチスイ
ッチ17の中の第1スイッチS1、第2スイッチS2、
第3スイッチS3のオン/オフのタイミングを示す。楽
音にチャンネルが割り当てられずエンベロープ演算が開
始されていなければ、エンベロープフェーズデータEF
は「000(0)」である。
【0052】第1スイッチS1がオンされると、エンベ
ロープフェーズEデータEFは「001(1)」とな
り、アタックのエンベロープが開始され、第2スイッチ
S2がオンされると、エンベロープフェーズEデータE
Fは「010(2)」となり、第3スイッチS3がオン
されると、エンベロープフェーズEデータEFは「01
1(3)」となる。次に、エンベロープ演算データEN
がアタックのエンベロープレベルデータELに到達する
と、エンベロープはディケイ及びサスティーンに入り、
エンベロープフェーズEデータEFは「100(4)」
となる。
【0053】そして、第3スイッチS3がオフされる
と、エンベロープフェーズEデータEFは「101
(5)」となり、リリースのエンベロープが開始され、
第2スイッチS2がオフされると、エンベロープフェー
ズEデータEFは「110(6)」となり、第1スイッ
チS1がオフされると、エンベロープフェーズEデータ
EFは「111(7)」となる。最後にエンベロープ演
算データENが「0」に到達すると、エンベロープフェ
ーズデータEFは「000(0)」にインクリメントさ
れ結果的にリセットされる。
【0054】なお、アタックのエンベロープは上記第2
スイッチS2または第3スイッチS3のオンで開始され
てもよい。この場合、エンベロープフェーズデータEF
「001(1)」または「010(2)」は存在せず、
この値は飛び越される。後述する図8では第3スイッチ
は省略され、第2スイッチのオンでアタックのエンベロ
ープは開始される。
【0055】6.処理全体 図6はコントローラ(CPU)2によって実行される処
理全体のフローチャートを示す。この処理全体は本楽音
生成装置の電源オンによって開始され、電源オフまで繰
り返し実行される。
【0056】まず、プログラム/データ記憶部4の初期
化など種々のイニシャライズ処理が行われ(ステップ0
1)、上記キーボード11またはミディインターフェー
ス15での手動演奏または自動演奏に基づき、発音処理
が行われる(ステップ03)。
【0057】この発音処理では、空きチャンネルがサー
チされ、サーチされた空きチャンネルにオンイベントに
係る楽音が割り当てられる。この楽音の内容は、上記キ
ーボード11またはミディインターフェース15からの
上記演奏情報(楽音発生情報)、楽音制御情報の音楽的
ファクタ情報及びこのときプログラム/データ記憶部4
に既に記憶されている音楽的ファクタ情報によって決定
される。
【0058】この場合、サーチされた空きチャンネルの
アサインメントメモリ40のエリアに「1」のオン/オ
フデータ、周波数ナンバデータFN、トーンナンバデー
タTN、タッチデータTC、パートナンバデータPN、
「0」のトーンタイムデータTM、エンベロープスピー
ドデータES、エンベロープレベルデータEL、「0」
のエンベロープフェーズデータEFなどが書き込まれ
る。
【0059】次いで、上記キーボード11またはミディ
インターフェース15での手動演奏または自動演奏に基
づき、消音(減衰)処理が行われる(ステップ05)。
この消音(減衰)処理では、オフイベント(キーオフイ
ベント、消音イベント)に係る楽音が割り当てられてい
るチャンネルがサーチされ当該楽音が減衰され消音され
る。この場合、キーオフイベントに係る楽音のエンベロ
ープフェーズがリリースとなり、エンベロープレベルが
次第に「0」になる。
【0060】さらに、上記ミディインターフェース15
またはパネルスイッチ群13の各種スイッチの操作があ
れば、このスイッチに対応する音楽的ファクタ情報が取
り込まれ、プログラム/データ記憶部4に記憶され、音
楽的ファクタ情報が変更される(ステップ06)。この
後、その他の処理が実行され(ステップ07)、上記ス
テップ02からこのステップ07までの処理が繰り返さ
れる。
【0061】7.消音処理 図7は上記ステップ05の消音処理のフローチャートを
示す。まず第3スイッチS3がオフされると(ステップ
11)、フェーズカウンタ50の値が「5」にセットさ
れ、フェーズ「5」のエンベロープスピードデータES
及びエンベロープレベルデータELが、プログラム/デ
ータ記憶部4から読み出され、上記アサインメントメモ
リ40の対応チャンネルエリアに書き込まれる(ステッ
プ12)。これにより、段差スイッチの最初のオフでエ
ンベロープの減衰が開始される。
【0062】このフェーズ「5」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は固定され、予めプログラム/データ記憶部4に記
憶され、上述のタッチなどの音楽的ファクタに応じて変
更されない。このフェーズ「5」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は緩やかな傾斜の値に設定される。これにより、ピ
アノのダンパーが弦に触れ始める状態を実現することが
できる。
【0063】なお、このフェーズ「5」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は、上述したようにトーンナンバデータTN、
オン操作の時のタッチデータTC、キーナンバデータK
N、パートナンバデータPN、トーンタイムデータT
M、発音数情報、共鳴度情報等から変換されてもよい。
オン操作時のタッチデータTCは、後述するオン操作時
の各スイッチS1、S2、S3の操作に応じて検出され
プログラム/データ記憶部4に記憶されている。
【0064】次に、第2スイッチS2がオフされると
(ステップ14)、フェーズカウンタ50の値が「6」
にセットされ、フェーズ「6」のエンベロープスピード
データES及びエンベロープレベルデータELが、プロ
グラム/データ記憶部4から読み出され、上記アサイン
メントメモリ40の対応チャンネルエリアに書き込まれ
る(ステップ15)。
【0065】このフェーズ「6」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)も固定され、予めプログラム/データ記憶部4に記
憶され、上述のタッチなどの音楽的ファクタに応じて変
更されない。このフェーズ「6」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は上記フェーズ「5」の傾斜より急な傾斜の値に設
定される。これにより、ピアノのダンパーが弦に触れた
状態を実現することができる。
【0066】なお、このフェーズ「6」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は、上記第3スイッチS3のオフから第2スイ
ッチS2のオフまでの第1オフ時間から変換されてもよ
い。上記プログラム/データ記憶部4には、この変換の
ためのテーブル(デコーダ)が設けられている。この第
1オフ時間はオフ操作の速度のタッチを表す。
【0067】この第1オフ時間のカウントでは、上記第
3スイッチS3のオフ時のタイミング発生部3からのタ
イムカウントデータが取り込まれ、上記第2スイッチS
2のオフ時のタイミング発生部3からのタイムカウント
データがさらに取り込まれ、両タイムカウントデータの
差が上記第1オフ時間となる。
【0068】また、このフェーズ「6」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は、上記第1オフ時間に加えて、上述したよう
にトーンナンバデータTN、オン操作の時のタッチデー
タTC、キーナンバデータKN、パートナンバデータP
N、トーンタイムデータTM、発音数情報、共鳴度情報
等から総合的に変換されてもよい。
【0069】さらに、第1スイッチS1がオフされると
(ステップ17)、フェーズカウンタ50の値が「7」
にセットされ、フェーズ「7」のエンベロープスピード
データES及びエンベロープレベルデータELが、プロ
グラム/データ記憶部4から読み出され、上記アサイン
メントメモリ40の対応チャンネルエリアに書き込まれ
る(ステップ18)。
【0070】このフェーズ「7」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)も固定され、予めプログラム/データ記憶部4に記
憶され、上述のタッチなどの音楽的ファクタに応じて変
更されない。このフェーズ「7」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は上記フェーズ「6」の傾斜より急な傾斜の値に設
定される。これにより、ピアノのダンパーが弦に完全に
触れて停止した状態を実現することができる。
【0071】なお、このフェーズ「7」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は、上記第1オフ時間と上記第2スイッチS2
のオフから第1スイッチS1のオフまでの第2オフ時間
との関係(比)から変換されてもよい。上記プログラム
/データ記憶部4には、この変換のためのテーブル(デ
コーダ)が設けられている。この第1オフ時間と第2オ
フ時間との比はオフ操作の加速度のタッチを表す。
【0072】この第2オフ時間のカウントでは、上記第
1オフ時間と同様にカウントされる。これら両オフ時間
の比が求められ、この比が上記フェーズ「6」のエンベ
ロープスピードデータES(さらにはエンベロープレベ
ルデータEL)に乗算されてもよい。
【0073】また、このフェーズ「7」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は、上記第1オフ時間と第2オフ時間との比に
加えて、上述したようにトーンナンバデータTN、オン
操作の時のタッチデータTC、キーナンバデータKN、
パートナンバデータPN、トーンタイムデータTM、発
音数情報、共鳴度情報等から総合的に変換されてもよ
い。
【0074】なお、フェーズ「5」「6」「7」のエン
ベロープの傾斜の大きさの順番は、「7」「6」「5」
のほか、「7」「5」「6」、「6」「5」「7」、
「6」「7」「5」、「5」「7」「6」、「5」
「6」「7」でもよい。これに応じて各フェーズのエン
ベロープスピードデータESまたはエンベロープレベル
データELが決定される。各フェーズの傾斜の相違は、
エンベロープスピードデータESの値の相違に基づく
が、エンベロープレベルデータELの相違にもとづいて
もよい。この場合フェーズ「5」「6」のエンベロープ
レベルデータELは負(マイナス)になることもある。
【0075】8.発音処理 図8は上記ステップ03の発音処理のフローチャートを
示す。まず第1スイッチS1がオンされると(ステップ
21)、フェーズカウンタ50の値が「1」にセットさ
れ、フェーズ「1」のエンベロープスピードデータES
及びエンベロープレベルデータELが、プログラム/デ
ータ記憶部4から読み出され、上記アサインメントメモ
リ40の対応チャンネルエリアに書き込まれる(ステッ
プ22)。これにより、段差スイッチの最初のオンでエ
ンベロープの立ち上がりが開始される。
【0076】このフェーズ「1」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は固定され、予めプログラム/データ記憶部4に記
憶され、上述のタッチなどの音楽的ファクタに応じて変
更されない。このフェーズ「1」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は急なまたは緩やかな傾斜の値に設定される。これ
により、エンベロープのアタックのスタートが早くな
る。
【0077】なお、このフェーズ「1」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は、上述したようにトーンナンバデータTN、
キーナンバデータKN、パートナンバデータPN、トー
ンタイムデータTM、発音数情報、共鳴度情報等から総
合的に変換されてもよい。
【0078】次に、第2スイッチS2がオンされると
(ステップ24)、このときのフェーズ値「6」でなけ
れば(ステップ25)、フェーズカウンタ50の値が
「2」にセットされ、フェーズ「2」のエンベロープス
ピードデータES及びエンベロープレベルデータEL
が、上記アサインメントメモリ40の対応チャンネルエ
リアに書き込まれる(ステップ26)。
【0079】このフェーズ「2」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は、上記第1スイッチS1のオンから第2スイッチ
S2のオンまでの第1オン時間から変換される。上記プ
ログラム/データ記憶部4には、この変換のためのテー
ブル(デコーダ)が設けられている。この第1オン時間
はオン操作の速度のタッチを表す。
【0080】この第1オン時間のカウントでは、上記第
1スイッチS1のオン時のタイミング発生部3からのタ
イムカウントデータが取り込まれ、上記第2スイッチS
2のオン時のタイミング発生部3からのタイムカウント
データがさらに取り込まれ、両タイムカウントデータの
差が上記第1オン時間となる。
【0081】また、上記ステップ25でこのときのフェ
ーズ値が「6」であれば、完全に第1スイッチS1まで
オフにならずに、再び第2スイッチS2がオンされてい
る。この場合エンベロープは、一旦リリースに入ってリ
リースの末尾まで達せず、再びリリースのスタートに戻
っており、言い換えると鍵操作は一旦オフにされかけた
が完全にオフされず、ダンパーの触れ始めの状態に戻っ
ている。このためフェーズは「5」のリリースに戻され
る(ステップ27)。これにより、新たな楽音は再スタ
ートせず、1つ前のリリースが維持される。なお、ここ
でフェーズは「4」のディケイ(サスティーン)にもど
されてもよい。
【0082】また、このフェーズ「2」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は固定されてもよく、予めプログラム/データ
記憶部4に記憶され、上記フェーズ「1」の傾斜より緩
やかなまたは急な傾斜の値に設定される。
【0083】さらに、このフェーズ「2」のエンベロー
プスピードデータES(さらにはエンベロープレベルデ
ータEL)は、上記第1オン時間に加えて、上述したよ
うにトーンナンバデータTN、キーナンバデータKN、
パートナンバデータPN、トーンタイムデータTM、発
音数情報、共鳴度情報等から総合的に変換されてもよ
い。
【0084】さらに、第3スイッチS3がオンされると
(ステップ28)、このときのフェーズ値「5」でなけ
れば(ステップ29)、フェーズカウンタ50の値が
「3」にセットされ、フェーズ「3」のエンベロープス
ピードデータES及びエンベロープレベルデータEL
が、上記アサインメントメモリ40の対応チャンネルエ
リアに書き込まれる(ステップ30)。
【0085】このフェーズ「3」のエンベロープスピー
ドデータES(さらにはエンベロープレベルデータE
L)は、上記第1オン時間と上記第2スイッチS2のオ
ンから第3スイッチS3のオンまでの第2オン時間との
関係(比)から変換される。上記プログラム/データ記
憶部4には、この変換のためのテーブル(デコーダ)が
設けられている。この第1オン時間と第2オン時間との
比はオン操作の加速度のタッチを表す。
【0086】この第2オン時間のカウントでは、上記第
1オン時間と同様にカウントされる。これら両オン時間
の比が求められ、この比が上記フェーズ「2」のエンベ
ロープスピードデータES(さらにはエンベロープレベ
ルデータEL)に乗算されてもよい。
【0087】また、上記ステップ29でこのときのフェ
ーズ値が「5」であれば、完全に第2スイッチS2まで
オフにならずに、再び第3スイッチS3がオンされてい
る。この場合エンベロープは、一旦リリースに入ってか
ら、再びディケイ(サステーン)に戻っており、言い換
えると鍵操作は一旦オフにされかけたが、オン状態に戻
っている。このためフェーズは「4」のディケイ(サス
テーン)に戻される(ステップ27)。これにより、新
たな楽音は再スタートせず、1つ前のディケイ(サステ
ーン)が維持される。
【0088】また、このフェーズ「3」のエンベロープ
スピードデータES(さらにはエンベロープレベルデー
タEL)は固定されてもよく、予めプログラム/データ
記憶部4に記憶され、上記フェーズ「2」の傾斜より緩
やかなまたは急な傾斜の値に設定される。
【0089】さらに、このフェーズ「3」のエンベロー
プスピードデータES(さらにはエンベロープレベルデ
ータEL)は、上記第1オン時間と第2オン時間との比
に加えて、上述したようにトーンナンバデータTN、キ
ーナンバデータKN、パートナンバデータPN、トーン
タイムデータTM、発音数情報、共鳴度情報等から総合
的に変換されてもよい。
【0090】なお、フェーズ「1」「2」「3」のエン
ベロープの傾斜の大きさの順番は、「1」「2」「3」
のほか、「1」「3」「2」、「2」「1」「3」、
「2」「3」「1」、「3」「1」「2」、「3」
「2」「1」でもよい。これに応じて各フェーズのエン
ベロープスピードデータESまたはエンベロープレベル
データELが決定される。各フェーズの傾斜の相違は、
エンベロープスピードデータESの値の相違に基づく
が、エンベロープレベルデータELの相違にもとづいて
もよい。この場合フェーズ「1」「2」のエンベロープ
レベルデータELはフェーズ「3」のエンベロープレベ
ルデータELより大きくなることもある。
【0091】なお、上記3つのスイッチS1、S2、S
3のうち、いずれか1つのスイッチが省略されてもよ
い。第3スイッチS3が省略されると、上記ステップ1
7、18、28〜31の処理は省略され、フェーズ
「3」及び「5」も省略される。この場合、ステップ1
1では第2スイッチS2のオフが検出され、ステップ1
4では第1スイッチS1のオフが検出され、ステップ1
8では上記ステップ15の処理が行われ、ステップ27
ではフェーズは「4」のディケイ(サステーン)に戻さ
れる。
【0092】9.トーンタイムデータTM及び同時発音
数の処理 図9はコントローラ2によって一定周期ごとに実行され
るインタラプト処理のフローチャートを示す。この処理
で上記トーンタイムデータTMのインクリメント及び同
時発音数のカウントが行われる。
【0093】この処理では、上記アサインメントメモリ
40の各チャンネルエリアにつき(ステップ41、4
6、47)、オン/オフデータが「1」で楽音が発音中
のものについて(ステップ43)、そのトーンタイムデ
ータTMが「+1」される(ステップ44)。
【0094】また、同じくアサインメントメモリ40の
各チャンネルエリアにつき(ステップ41、46、4
7)、いったん動じ発音数データがクリアされた後(ス
テップ42)、オン/オフデータが「1」で楽音が発音
中のものがカウント(ステップ43)、同時発音数が順
次「+1」される(ステップ45)。
【0095】そして、その他の周期的な処理が行われる
(ステップ48)。こうして、各チャンネルの楽音の発
音経過時間がカウントされ記憶され上記発音時間情報と
して利用され、またそのときどきの全チャンネルの発音
中の楽音の数がカウントされ記憶され上記同時発音数情
報として利用される。
【0096】10.オフ操作の実例 図10はオフ操作の実例を示す。この実例では、上述し
たように第3スイッチS3が省略され、第1スイッチS
1のオンではなく、第2スイッチS2のオンでエンベロ
ープのアタック(立ち上がり)が開始される。この図1
0の(A1)(B1)(C1)は2つの第1スイッチS
1及び第2スイッチS2のオン/オフ状態を示し、(A
2)(B2)(C2)はこのオン/オフによる本願発明
のエンベロープを示し、(A1)(B1)(C1)はこ
のオン/オフによる従来のエンベロープを示す。
【0097】キーオフでまず第2スイッチS2がオフさ
れると、緩やかな傾斜のリリースエンベロープがスター
トし(ステップ12)、次いで第1スイッチS1がオフ
されると、急な傾斜のリリースエンベロープに切り換え
られる(ステップ15)(A2及びB2)。これら両リ
リースエンベロープの傾斜は固定されている。
【0098】この第2スイッチS2オフから第1スイッ
チS1オフまでのリリースエンベロープは、従来のエン
ベロープでは実現されていなかった。この第2スイッチ
S2オフから第1スイッチS1オフまでのリリースエン
ベロープは、ピアノのダンパーの弦への触れ始めから完
全に弦を押さえるまでの楽音の変化を実現している。
【0099】また、いったん第2スイッチS2がオフさ
れ、第1スイッチS1がオフされないうちに、再び第2
スイッチS2がオンされると(ステップ24、25)、
エンベロープフェーズは「4」のディケイ(サステー
ン)に戻される(ステップ27修正例)(C2)。これ
により、ピアノのダンパーが弦に触れ始めて、再びダン
パーが弦から離れるときの楽音の変化を実現している。
【0100】本発明は上記実施例に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例え
ば、タッチスイッチ17の第1スイッチS1、第2スイ
ッチS2、第3スイッチS3の数は、2つでもよい。こ
の場合、上記第1スイッチS1、第2スイッチS2また
は第3スイッチS3が省略される。タッチスイッチ17
の第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチ
S3の数は、3つを超えてもよい。この場合、上記オン
/オフの順番に応じた第1スイッチS1、第2スイッチ
S2、第3スイッチS3の間または外に別のスイッチが
設けられる。いずれにせよ、上述した少なくとも2つの
段差スイッチの機能が、2つを越える段差スイッチの中
で実現されていればよい。
【0101】エンベロープのフェーズは上述した「0」
〜「7」の8個に限られず、8個未満でもよいし、8個
を越えていてもよい。エンベロープのディケイ(サステ
ーン)では、エンベロープレベルが変化せず維持されて
もよいし、減衰していてもよい。この場合、第3スイッ
チS3または第2スイッチのオフでさらに減衰が進む。
エンベロープの形状は、オンの最中は減衰しない持続型
でもよいし、オンの最中でも減衰する減衰型でもよい
し、エンベロープ形状に凹凸があってもよい。
【0102】また、本発明は電子楽器またはコンピュー
タなどにおいて実施され得る。上記各図の回路の機能は
ソフトウエア(フローチャート)によって実施されても
良いし、上記各図のフローチャートの機能はハードウエ
ア(回路)によって実施されてもよい。
【0103】(1) 指示手段の発音操作に応じてエン
ベロープを発生し、 この指示手段に対応して設けら
れ、この指示手段の消音操作のときに、タイミングがず
れてオフとなる複数のスイッチ手段の各オフを検出し、
この複数のスイッチ手段の中で最初にオフとなるスイ
ッチ手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減
衰を開始することを少なくともコンピュータに実行させ
る楽音生成のためのコンピュータプログラムを記憶した
媒体/コンピュータプログラムの通信方法/楽音制御装
置(方法)。
【0104】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、指示
手段の消音操作のときに、タイミングがずれてオフとな
る指示手段の複数のスイッチ手段の各オフを検出し、こ
の複数のスイッチ手段の中で最初にオフとなるスイッチ
手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減衰を
開始するようにした。したがって、消音操作によって楽
音の消音が迅速に開始される等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】楽音制御装置の全体回路を示す。
【図2】タッチスイッチ17の構造を示す。
【図3】アサインメントメモリ40を示す。
【図4】楽音信号発生部5を示す。
【図5】エンベロープ波形とエンベロープフェーズと第
1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3
のオン/オフを示す。
【図6】処理全体のフローチャートを示す。
【図7】消音処理のフローチャートを示す。
【図8】発音処理のフローチャートを示す。
【図9】インタラプト処理のフローチャートを示す。
【図10】オフ操作の実例を示す。
【符号の説明】
2…コントローラ(CPU)、3…タイミング発生部、
4…プログラム/データ記憶部、5…楽音信号発生部、
6…サウンドシステム、7…情報記憶部、11…キーボ
ード、13…パネルスイッチ群、15…メディインター
フェース、17…タッチスイッチ、18…キー本体、1
9…プリント基板、20、21、22…スイッチイング
パターン、23、24、25…導電ゴム、26、27、
28…スイッチイング突起、30、31、32…桁部、
40…アサインメントメモリ、41…波形読み出し部、
42…波形メモリ、48…エンベロープ演算メモリ、4
9…コンパレータ、50…フェーズカウンタ、S1…第
1スイッチ、S2…第2スイッチ、S3…第3スイッ
チ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指示手段の発音操作に応じてエンベロー
    プを発生し、 この指示手段に対応して設けられ、この指示手段の消音
    操作のときに、タイミングがずれてオフとなる複数のス
    イッチ手段の各オフを検出し、 この複数のスイッチ手段の中で最初にオフとなるスイッ
    チ手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減衰
    を開始することを特徴とする楽音制御装置。
  2. 【請求項2】 指示手段の発音操作に応じてエンベロー
    プを発生し、 この指示手段に対応して設けられ、この指示手段の消音
    操作のときに、タイミングがずれてオフとなる複数のス
    イッチ手段の各オフを検出し、 この複数のスイッチ手段の中で先にオフとなるスイッチ
    手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減衰を
    開始し、 このオフとなるスイッチ手段より遅れてオフとなるスイ
    ッチ手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減
    衰内容を切り換えることを特徴とする楽音制御装置。
  3. 【請求項3】 上記最初にまたは先にオフとなるスイッ
    チ手段のオフに応じて開始されるエンベロープの傾斜
    は、2番目に、3番目にまたは遅れてオフとなるスイッ
    チ手段のオフに応じて開始されるエンベロープの傾斜よ
    りゆるやかであり、 上記最初にまたは先にオフとなるスイッチ手段のオフに
    応じて減衰が開始されるエンベロープは、予め固定され
    ている、上記複数のスイッチ手段によって発音操作のと
    きに検出されたオンタッチに応じている、音色に応じて
    いる、音高に応じている、同時発音している各楽音の発
    音数に応じている、同時発音している各楽音の共鳴度に
    応じているまたは発音時間に応じていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の楽音制御装置。
  4. 【請求項4】 上記複数のスイッチ手段の中で最初また
    は先に及び2番目に、3番目にまたは遅れてオフとなる
    スイッチ手段の各オフに応じて、オフタッチを検出し、 この複数のスイッチ手段の中で2番目に、3番目にまた
    は遅れてオフとなるスイッチ手段のオフに応じて、上記
    減衰が開始されたエンベロープにつき、上記検出された
    オフタッチに基づくエンベロープ、オフタッチが加味さ
    れたエンベロープまたは傾斜の固定されたエンベロープ
    に切り換えることを特徴とする請求項1、2または3記
    載の楽音制御装置。
  5. 【請求項5】 指示手段の発音操作に応じてエンベロー
    プを発生させ、 この指示手段に対応して設けられ、この指示手段の消音
    操作のときに、タイミングがずれてオフとなる複数のス
    イッチ手段の各オフを検出させ、 この複数のスイッチ手段の中で最初にオフとなるスイッ
    チ手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減衰
    を開始させることを特徴とする楽音制御方法。
  6. 【請求項6】 指示手段の発音操作に応じてエンベロー
    プを発生させ、 この指示手段に対応して設けられ、この指示手段の消音
    操作のときに、タイミングがずれてオフとなる複数のス
    イッチ手段の各オフを検出させ、 この複数のスイッチ手段の中で先にオフとなるスイッチ
    手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減衰を
    開始させ、 このオフとなるスイッチ手段より遅れてオフとなるスイ
    ッチ手段のオフの検出に応じて、上記エンベロープの減
    衰内容を切り換えさせることを特徴とする楽音制御方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096529A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 電子鍵盤楽器
JP2009058558A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Roland Corp 電子楽器
JP2013080218A (ja) * 2011-09-20 2013-05-02 Yamaha Corp 電子鍵盤楽器

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