JPH11160437A - 光ファイバ式放射線検出器及び放射線検出装置 - Google Patents

光ファイバ式放射線検出器及び放射線検出装置

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JPH11160437A
JPH11160437A JP9331880A JP33188097A JPH11160437A JP H11160437 A JPH11160437 A JP H11160437A JP 9331880 A JP9331880 A JP 9331880A JP 33188097 A JP33188097 A JP 33188097A JP H11160437 A JPH11160437 A JP H11160437A
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scintillator
wavelength conversion
radiation
optical fiber
light
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JP9331880A
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Inventor
Yasuko Aoki
康子 青木
Hiroshi Kitaguchi
博司 北口
Shigeru Izumi
滋 出海
Akihisa Kaihara
明久 海原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線としてエネルギーの異なるγ線をIC
RP勧告に沿い確実に検出できると共に、放射線の入射
角度に拘わらず検出し、長距離伝送すること。 【解決手段】 波長変換ファイバ3A〜3Gの各々がシ
ンチレータ2の同一半径位置に等間隔で配置されている
ので、低エネルギーγ線によるシンチレーション光が、
放射線が入射した方向の表面近傍の波長変換ファイバ3
のみによって集光され、その感度が抑えられるものの、
発光領域に近い何れかの波長変換ファイバ3A〜3Gに
より集光されるので、1シンチレーション光当たりの光
子数を多く集光でき、この集光した多数の光子により長
距離伝送に耐え得る信号を得ることができる。しかも、
高エネルギーγ線によるシンチレーション光がシンチレ
ータ2全域で発生することとなるので、全ての波長変換
ファイバ3A〜3Gによって集光される。この場合、広
い範囲に渡っての発光を効率良く集光でき、1シンチレ
ーション光当たりの光子数を確実に多く集光でき、長距
離伝送を的確にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線を光に変換
して光ファイバにより伝送する光ファイバ式の放射線検
出器と、それを用いた放射線検出装置とに係り、特にシ
ンチレータと波長変換手段としてのファイバと伝送用光
ファイバとを有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シンチレータと波長変換手段と
光ファイバとを有する放射線検出器としては、大別する
と、平板状のシンチレータの側面に溝を設け、これに波
長変換手段を埋め込む方式と、円柱形のシンチレータの
中心軸位置に波長変換手段を挿入する方式との二方式が
ある。波長変換手段としては、コアに蛍光物質を添加し
てあるプラスチック光ファイバで構成され、シンチレー
ション光の波長の光に応じて所望の波長からなる光を放
出する蛍光物質を添加してある波長変換ファイバを使用
している。
【0003】上記の如き二方式のうち、円柱形のシンチ
レータの中心軸位置に波長変換ファイバを挿入する後者
の方式の従来の放射線検出器を図10に示す。即ち、図
10に示す放射線検出器1は、外部からシンチレータ2
に放射線が入射すると、該シンチレータ2内で発光し、
その光がシンチレーション光となる。シンチレーション
光は、波長変換ファイバ3に入射すると、該ファイバ3
によりシンチレーション光が波長変換されると、コア内
から等方的に放射する。その場合、波長変換ファイバ3
がシンチレーション光を波長変換し、等方的に放射する
ため、伝送効率が改善される。また、シンチレーション
光は一般的に波長が短いため、光ファイバによる伝送損
失が大きいが、波長変換により波長が長くなるので、伝
送損失が低減される。一方、放射した波長変換光の一部
は、伝送用光ファイバ8により伝送され、光電子変換素
子9に入る。光ファイバ8内ではファイバの中心軸を中
心とした狭い角度方向の光のみが伝送されるため、光フ
ァイバ8に入射したシンチレーション光のうち、そのま
ま光ファイバ8で伝送される光は極めて少ない。
【0004】そして、光ファイバ8を経たシンチレーシ
ョン光が光電変換素子9に入ると、該光電変換素子9に
よりその光量に応じて電圧変換され、該変換された電圧
が前置増幅器10を介し増幅器11により増幅され、こ
れが波高弁別器12を通過することにより電気的ノイズ
が低減された後、カウンタ13により一定時間内のパル
ス数がカウントされ、その出力に基づき演算装置14が
演算して放射線の線量当量率が求められ、その結果を表
示装置15により出力される。
【0005】なお、この種に関する装置として、特開平
4−221154号公報,同6−201835号公報,
同6−258446号公報等が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、放射性物質
や核燃料物質を取り扱ったりする放射線施設、また放射
線発生装置を有する放射線施設にあっては、放射線管理
上での線量を、主要な測定単位であるシーベルト単位で
測定しなくてはならない。
【0007】ところが、上記従来技術は、放射線検出位
置での耐環境性に優れるという利点があるものの、エネ
ルギーの異なるγ線に対する応答がICRP(国際放射
線防護委員会)勧告に沿っておらず、放射線管理におけ
る主要な測定単位であるシーベルト単位での測定ができ
ない問題があった。
【0008】また上記従来技術の放射線検出器では、放
射線がシンチレータ2に入射することによってシンチレ
ーション光が発生した場合、そのシンチレーション光に
基づいて放射線を検出するものの、波長変換ファイバ3
がシンチレータ2内に一本配置されただけであるので、
1シンチレーション当たりの光子数が少なく、そのた
め、長距離伝送をすることができない問題があるばかり
でなく、放射線強度分布を得ることができない問題があ
った。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑み、放射線としてエネルギーの異なるγ線を、ICR
P勧告に沿い確実に検出することができると共に、長距
離伝送することができ、さらには放射線の入射角度に左
右されることなく検出することもできる光ファイバ式放
射線検出器を提供することにあり、他の目的は、装置と
しての信頼性を高めることができる放射線検出装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ式放
射線検出器においては、放射線の入射により内部にシン
チレーション光を発生させるシンチレータと、該シンチ
レータの内部に設けられ、シンチレーション光を波長変
換する波長変換ファイバと、該波長変換された光を伝送
する伝送用光ファイバとを有し、波長変換ファイバは、
シンチレータ内において、該シンチレータの中心軸を中
心とする同一半径位置に複数本配置されていることを特
徴とするものである。
【0011】また、本発明の放射線検出装置において
は、放射線の入射により内部にシンチレーション光を発
生させるシンチレータ,該シンチレータ内に設けられて
シンチレーション光を波長変換する波長変換ファイバ,
該波長変換された光を伝送する伝送用光ファイバを有す
る光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光ファイバに
よって伝送された光に基づき放射線の線量当量率を求め
る演算手段とを有している。そして、光ファイバ式放射
線検出器の波長変換ファイバは、シンチレータ内におい
て、該シンチレータの中心軸を中心とする同一半径位置
に複数本配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1乃至
図9により説明する。図1乃至図4は本発明による放射
線検出器の第一の実施例を適用した放射線検出装置を示
し、これらの図において図10と同一部分には同一符号
を付してある。
【0013】この実施例は、シンチレータ2と、その内
部に配置された波長変換手段3と、波長変換手段3に接
続された伝送用光ファイバ8とを有して放射線検出器1
が構成されている。
【0014】シンチレータ2は、円柱形のタリウム活性
化ヨウ化ナトリウム(以下、Nal(Tl)と記す)結
晶からなっており、内部に放射線が入射するとシンチレ
ーション光を発生させる。Nal(Tl)結晶は、一般
に、放射線から吸収したエネルギーの約12%を中心波
長415nmのシンチレーション光として放出する。こ
の放射線がNal(Tl)結晶を透過する際、その軌跡
に沿って電子,正孔対を発生させ、該電子,正孔対は、
結晶内を移動し、ごく近傍の活性化物質(微量添加され
ているタリウム)が作る不純物準位に捕捉される。一つ
の活性化物質に電子,正孔がともに捕捉されると、電子
と正孔とは再結合し、シンチレーション光1光子が発生
する。シンチレーション光は、発光位置である活性化物
質位置を中心として等方的に放射され、その発生光子数
が放射線からの吸収エネルギー1MeVあたり約380
00個であることが知られている。
【0015】このシンチレータ2の外周には吸湿防止上
から、図2に示すように反射材4が塗布されると共に、
その反射材4の上に遮光性の被覆体6aが被覆されてい
る。被覆体6aは本例では、放射線としてのγ線による
損失が少ないことと、Nal(Tl)結晶を保護するの
に十分な強度があることとから、アルミニウムにより形
成されている。
【0016】波長変換手段3は、内部のコアに蛍光物質
が添加された波長変換光ファイバで構成され、シンチレ
ータ2内で発生したシンチレーション光が入射すると、
そのシンチレーション光の波長を所定の波長に変換し、
該変換した波長の光をコアから出力する(以下、波長変
換手段を波長変換ファイバと呼ぶ)。伝送用光ファイバ
8は、波長変換ファイバ3によって変換された波長の光
を末端まで伝送する。
【0017】そして、実施例の放射線検出器1は、シン
チレータ2の内部に設けられる波長変換ファイバが複数
本で構成されている。即ち、複数本の波長変換ファイバ
3A〜3Gは、図1及び図2に示すように、シンチレー
タ2の内部においてその中心軸を中心とする同一半径位
置に、正七角形となるよう互いに等間隔をもって配置さ
れた7本のものからなっている。この場合、波長変換フ
ァイバ3A〜3Gの各々はその先端部が、シンチレータ
2内において、該シンチレータ2の先端から適宜の距離
を隔て、しかも軸方向に沿って配置されている。
【0018】そのため、シンチレータ2の内部には波長
変換ファイバ3A〜3Gの各々を挿入するための挿入穴
(符示せず)が穿設され、かつ該挿入穴の周囲に気密保
持するための石英ガラス5A〜5Gが設けられ、その石
英ガラス5A〜5G中に波長変換ファイバ3A〜3Gの
各々が挿入されている。従って、波長変換ファイバ3A
〜3Gの各々の末端にはロッド型のカプラ7を介し伝送
用光ファイバ8がそれぞれ接続されることとなる。伝送
用光ファイバ8のそれぞれは外部からの光を遮断するた
め、図示しない遮光手段により遮光されている。そして
図1に示す如く、これら被覆体6a,シンチレータ2,
波長変換ファイバ3,カプラ7がハウジング6bに一体
的に装着され、伝送用光ファイバ8がハウジング6bの
外部に引き出されている。
【0019】一方、放射線検出器1としての伝送用光フ
ァイバ8の末端には、光電子変換素子9,前置増幅器1
0,増幅器11,波高弁別器12,カウンタ13を介し
演算装置14が接続され、放射線検出装置を構成してい
る。
【0020】光電子増倍管9は、伝送用光ファイバ8に
よって伝送された光に応じ電子を発生させる。この光電
子増倍管9からの信号は、Nal(Tl)結晶にエネル
ギーを与えた放射線の光子1光子に対し、1パルス出力
され。信号パルスの電圧は、光電子増倍管9まで伝送さ
れてきた放射線検出光の光子数に比例する。また前置増
幅器10,増幅器11により信号の電圧を増幅し、波高
弁別器12で一定の範囲の電圧である信号のみを取出
し、カウンタ13にて一定時間内のパルス数を計数す
る。なお、波高弁別器12で一定の範囲の電圧の信号の
みを取り出すのは、主に電気的ノイズを削減するためで
ある。
【0021】演算装置14は、予め記憶させておいた校
正定数と、前記カウンタ13による計数結果とに基づき
放射線の線量当量率を算出し、その結果を表示装置15
に表示する。なお、演算装置14にはその演算処理結果
を出力するための表示装置15が接続され、また光電子
変換素子9にはその定電圧を供給する電源16が接続さ
れている。
【0022】実施例は、上記の如き構成よりなるので、
次にその作用について述べる。今、放射線がシンチレー
タ2に入射すると、該シンチレータ2内ではその放射線
の大きさに応じシンチレーション光が発生する。このと
き、シンチレーション光は、シンチレータ2内に埋設さ
れている波長変換ファイバ3に入射し、入射したシンチ
レーション光がファイバ3により波長変換され、該変換
された波長の光が伝送用光ファイバ8により伝送され
る。
【0023】ここで、シンチレーション光が波長変換フ
ァイバ3へ入射する割合を評価するため、波長変換ファ
イバ3の中心軸に垂直な二次元内において、幾何光学的
にどれくらいの光が波長変換ファイバ位置に到達するの
かを、波長変換ファイバへの入射確率として定義し、そ
の入射確率と発光位置との関係を図4に示す。図4は、
シンチレーション光が計算を行う二次元内において、発
光位置から等方的に放射されるものとし、また波長変換
ファイバ3の直径は2mmのものを用いたときの計算結
果を表している。同図からシンチレーション光の入射確
率は波長変換ファイバ中心軸までの距離にほぼ反比例す
ることがわかる。
【0024】従って、図4から、波長変換ファイバ3に
近い位置で発生したシンチレーション光ほど、より効率
よく伝送される。またシンチレータ2全域では均一にシ
ンチレーション光が発生した場合には、波長変換ファイ
バ3で伝送された光の計測結果を用いても、実施例の円
柱形シンチレータ2の如き塊状シンチレータと同じ結果
が考えられるので、γ線エネルギーに対し、線量当量率
での出力は、図3に示す破線の如き山形のエネルギー特
性となる。なお、図3は塊状のNal(Tl)結晶に放
射線を照射したときに発生するシンチレーション光のパ
ルス頻度から、線量当量率を算出したときのエネルギー
特性の計算値を示している。エネルギー特性は、基本的
にはフルエンスと1cm線量当量率との関係に起因する
カーブに基づくが、低エネルギーγ線がシンチレータの
被覆で吸収されることによって感度が低下する一方、高
エネルギーγ線がシンチレータを透過するので、山形と
なるものである。
【0025】そして、この山形特性のγ線はそのエネル
ギーの大きさにより、シンチレータ2であるNal(T
l)結晶に進入する深度が異なるものである。例えば、
板状のNal(Tl)結晶に垂直にγ線が入射した場
合、80keVのγ線ではNal(Tl)結晶が1mm
厚の場合に66%であることを考えると、1cm厚でほ
ぼ100%のγ線がNal(Tl)結晶と何等かの相互
作用をし、エネルギーをNal(Tl)結晶に与えてい
ることになる。これに対し、1MeVのγ線では、1m
m厚で2%、1cm厚で19%のγ線しか相互作用して
おらず、5cm厚でも58%のγ線しか相互作用しな
い。
【0026】シンチレーション光は放射線がNal(T
l)結晶に入射した表面近傍で発生するので、発光位置
は低エネルギーγ線では、γ線が結晶に入射した表面近
傍に限られる。
【0027】しかしながら、高エネルギーγ線は、Na
l(Tl)結晶の深い位置まで進入するので、Nal
(Tl)結晶全域でシンチレーション光が発生すること
となり、該発生したシンチレーション光が、図4に示し
た入射確率に従い波長変換ファイバに入射するものであ
る。
【0028】本実施例では、波長変換ファイバ3A〜3
Gの各々がシンチレータ2の同一半径位置に等間隔で配
置されているので、低エネルギーγ線によるシンチレー
ション光が、放射線が入射した方向の表面近傍の波長変
換ファイバ3のみによって集光され、その感度が抑えら
れるものの、発光領域に近い何れかの波長変換ファイバ
3A〜3Gにより集光されるので、1シンチレーション
光当たりの光子数を多く集光することができ、この集光
した多数の光子により長距離伝送に耐え得る信号を得る
ことができる。
【0029】しかも、高エネルギーγ線によるシンチレ
ーション光が、上述の如くシンチレータ2全域で発生す
ることとなるので、全ての波長変換ファイバ3A〜3G
によって集光される。この場合、広い範囲に渡っての発
光を効率良く集光できるので、1シンチレーション光当
たりの光子数を確実に多く集光でき、長距離伝送を的確
なものとすることができる。
【0030】また、波長変換ファイバがシンチレータの
中心軸と平行であってかつ偏心位置に配置された場合、
1シンチレーション当たり集光光子数が少なくなり、長
距離伝送に耐える信号が得られなくなるおそれがあり、
均一な方向特性が得られないが、前述の如き、シンチレ
ータ2の同一半径位置に複数の波長変換ファイバ3A〜
3Gを配置すると、シンチレータ2の中心軸と垂直な面
内で均一な方向特性を持つことができ、そのため、入射
する放射線の指向性に関係なく放射線を確実に検出する
ことができる。
【0031】本実施例におけるエネルギー特性値は、図
5に太い実線にて示すように平坦となり、これはICR
P勧告で示された線量当量率への換算が容易となるもの
である。なお、図5には参考のため、JIS2級のエリ
アモニタに定められているエネルギー特性の許容誤差範
囲を斜線部として表し、これにより線量当量率の換算が
容易であることが理解できよう。
【0032】図6は本発明の第二の実施例を示す。この
場合は、七本の波長変換光ファィバ3(3A〜3G)が
シンチレータ2内において、該シンチレータ2の先端側
の位置に設けず、その位置から離れた位置であってかつ
シンチレータ2の奥部側の位置に正七角形をなすよう、
同軸上に等間隔で配置された例を示している。
【0033】これは、放射線検出器1を狭隘部のような
場所に差し込むときなど、検出器全体としての外形が制
限される場合があるが、上述の如き構成すると、遮光性
の被覆の厚みを変更しなくとも狭隘部に検出器を設置す
ることができ、これにより、シンチレータ2の中心軸を
含む面内での良好な方向特性を得ることができる。
【0034】図7は本発明の第三の実施例を示す。この
場合は、波長変換光ファイバ3が円筒状に形成され、こ
の円筒状の波長変換光ファイバ3がシンチレータ2の中
心軸を中心とする同心上に配置されたものである。
【0035】この実施例によれば、波長変換光ファイバ
3が円筒状に形成されてかつシンチレータ2の中心軸と
同軸上に配置されたので、シンチレータ2に入射する放
射線の方向特性の均一化をいっそう図ることができる。
【0036】図8は本発明の第四の実施例を示す。この
場合は、シンチレータ2の先端外周に面取り2aが施さ
れ、該面取り2aを有するシンチレータ2の内部に、六
本の波長変換光ファイバ3(3A〜3F)が正六角形を
なすよう、同軸上に等間隔で配置されている。この場
合、面取り2aの寸法としては、シンチレータ2の先端
中心部から波長変換光ファイバ3のそれぞれまでの距離
と、シンチレータ2の先端外周部からそれと対応する位
置の波長変換光ファイバ3までの距離とほぼ同じ程度と
する。
【0037】これは、放射線がシンチレータ2に対し、
その先端部の中心軸部を中心とする円周方向から入射し
た場合、これまでの単なる円柱状のシンチレータ2で
は、先端中心部から波長変換光ファイバまでの距離に比
較し、シンチレータ2の先端外周部から波長変換光ファ
イバまでの距離が長く、そのため、放射線がシンチレー
タ2に対し先端外周部から入射した場合、各波長変換光
ファイバ3が均一に検出しにくくなるおそれがある。
【0038】しかし上述の如く、シンチレータ2の先端
外周部に面取り2aを設けると、先端外周部からの距離
が先端中央部からの距離にほぼ同じにすることができる
ので、シンチレータ2の先端外周部側からの放射線の入
射に対しても、波長変換光ファイバ3の均一な方向特性
を得ることができる。
【0039】図9は本発明の他の実施例を示す。この場
合は、六本の波長変換光ファイバ3(3A〜3F)が、
シンチレータ2の内部に正六角形をなすよう同軸上に配
置される他、シンチレータ2の中心軸上にさらに一本の
波長変換光ファイバ3Gが配置されたものである。これ
は、直径の大きいシンチレータ2を用いた場合、それと
同一円周上に複数本の波長変換光ファイバが配置された
だけでは集光効率が低下するおそれがあることから、上
述の如く、シンチレータ2の中心軸上にも波長変換光フ
ァイバ3Gを設けることにより、集光効率の低下を抑え
るようにしたものであり、これにより、径の大きいシン
チレータ2にも確実にかつ容易に対処することができ
る。
【0040】但し、この実施例においては、波長変換光
ファイバ3Gがシンチレータ2の中心軸上にも配置され
た例を示したが、これに限らず、他の波長変換光ファイ
バ3(3A〜3F)と同様に同一円周上に互いに等間隔
となるように配置してもよいのは勿論である。
【0041】なお、実際にシンチレータ2の内部に波長
変換ファイバ3を挿入する位置にあっては、シンチレー
タ2の材質及び直径、波長変換ファイバ3の直径及び本
数並びに波長変換特性、また放射線検出光を伝送する伝
送用光ファイバ8の距離及びそのファイバ8の特性、さ
らには波高弁別器12で計測する電圧範囲等によっても
検出値が若干異なるので、一概には言えないが、実際に
は、放射線を照射したとき、0.1MeVのγ線光子で
シンチレータと相互作用していない光子が5%未満とな
る領域内から、波長変換ファイバの中心軸の位置を選択
するのが望ましい。
【0042】また図示実施例では、何れも、波長変換フ
ァイバ3と伝送用光ファイバ8の接続にはロッド型のカ
プラ7を用いた例を示したが、そのカプラ7の代わりと
して、プラスチックファイバに熱を加えて変形させ、複
数本まとめるように径を絞ったものや、レンズを用いた
カプラを使用してもよい。また、伝送用光ファイバ8の
末端に光電子増倍管9を用いた例を示したが、アバラン
シェフォトダイオード等のような他の光電子変換素子で
代用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1〜
3によれば、シンチレータの内部にそれと同一円周上
に、波長変換手段としての波長変換光ファイバを複数本
配置し、該複数本の波長変換ファイバによりシンチレー
ション光の集光効率を上げるように構成したので、1シ
ンチレーション当たりの光子数が増えることにより、放
射線をICRP勧告に沿ったエネルギー特性として確実
に検出することができると共に、放射線検出光をより長
距離伝送することができ、しかも放射線の入射角度に左
右されることなく正確に検出できるという効果がある。
【0044】また本発明の請求項4〜6によれば、上記
放射線検出器を有するので、長距離伝送向けとしての装
置の信頼性を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射線検出器の第一の実施例を適
用した放射線検出装置を示す全体説明図。
【図2】図1の要部を示す断面説明図。
【図3】γ線エネルギーと放射線検出器の感度との関係
を示す説明図。
【図4】波長変換ファイバに対するシンチレーション光
の入射確率を示す説明図。
【図5】実施例の放射線検出器によって検出したγ線エ
ネルギーと検出感度との関係を示す説明図。
【図6】本発明による放射線検出器の第二の実施例を適
用した放射線検出装置を示す全体説明図。
【図7】本発明による放射線検出器の第三の実施例を適
用した放射線検出装置を示す全体説明図。
【図8】本発明による放射線検出器の第四の実施例を適
用した放射線検出装置を示す全体説明図。
【図9】本発明による放射線検出器の他の実施例を適用
した放射線検出装置を示す全体説明図。
【図10】従来の放射線検出器を用いた検出装置全体を
示す説明図。
【符号の説明】
1…放射線検出器、2…シンチレータ、3…波長変換手
段、3A〜3G…波長変換ファイバ、8…伝送用光ファ
イバ、9…光電子変換素子、10,11…増幅器、12
…波高弁別器、13…カウンタ、14…演算装置、15
…表示装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海原 明久 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線の入射により内部にシンチレーシ
    ョン光を発生させるシンチレータと、該シンチレータの
    内部に設けられ、シンチレーション光を波長変換する波
    長変換ファイバと、該波長変換された光を伝送する伝送
    用光ファイバとを有し、波長変換ファイバは、シンチレ
    ータ内において、該シンチレータの中心軸を中心とする
    同一半径位置に複数本配置されていることを特徴とする
    光ファイバ式放射線検出器。
  2. 【請求項2】 放射線の入射により内部にシンチレーシ
    ョン光を発生させるシンチレータと、該シンチレータ内
    に設けられ、シンチレーション光を波長変換する波長変
    換ファイバと、該波長変換された光を伝送する伝送用光
    ファイバとを有し、波長変換ファイバは、シンチレータ
    内において、該シンチレータの中心軸を中心とする同一
    円周上に配置された円筒形状であることを特徴とする光
    ファイバ式放射線検出器。
  3. 【請求項3】 放射線の入射により内部にシンチレーシ
    ョン光を発生させるシンチレータと、該シンチレータ内
    に設けられ、シンチレーション光を波長変換する波長変
    換ファイバと、該波長変換された光を伝送する伝送用光
    ファイバとを有し、波長変換ファイバは、シンチレータ
    の内部において、シンチレータと同一円周上に配置され
    た複数のものと、シンチレータの中心軸上に配置された
    ものとからなることを特徴とする光ファイバ式放射線検
    出器。
  4. 【請求項4】 放射線の入射により内部にシンチレーシ
    ョン光を発生させるシンチレータ,該シンチレータ内に
    設けられてシンチレーション光を波長変換する波長変換
    ファイバ,該波長変換された光を伝送する伝送用光ファ
    イバを有する光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光
    ファイバによって伝送された光に基づき放射線の線量当
    量率を求める演算手段とを有し、光ファイバ式放射線検
    出器の波長変換ファイバは、シンチレータ内において、
    該シンチレータの中心軸を中心とする同一半径位置に複
    数本配置されていることを特徴とする放射線検出装置。
  5. 【請求項5】 放射線の入射により内部にシンチレーシ
    ョン光を発生させるシンチレータ,該シンチレータ内に
    設けられてシンチレーション光を波長変換する波長変換
    ファイバ,該波長変換された光を伝送する伝送用光ファ
    イバを有する光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光
    ファイバによって伝送された光に基づき放射線の線量当
    量率を求める演算手段とを有し、光ファイバ式放射線検
    出器の波長変換ファイバは、シンチレータ内において、
    該シンチレータの中心軸を中心とする同一円周上に配置
    された円筒形状であることを特徴とする放射線検出器。
  6. 【請求項6】 放射線の入射により内部にシンチレーシ
    ョン光を発生させるシンチレータ,該シンチレータ内に
    設けられてシンチレーション光を波長変換する波長変換
    ファイバ,該波長変換された光を伝送する伝送用光ファ
    イバを有する光ファイバ式放射線検出器と、該伝送用光
    ファイバによって伝送された光に基づき放射線の線量当
    量率を求める演算手段とを有し、光ファイバ式放射線検
    出器の波長変換ファイバは、シンチレータの内部におい
    て、シンチレータと同一円周上に配置された複数のもの
    と、シンチレータの中心軸上に配置されたものとからな
    ることを特徴とする放射線検出装置。
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