JPH11159299A - シールド掘進機のエレクタ装置 - Google Patents

シールド掘進機のエレクタ装置

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JPH11159299A
JPH11159299A JP9328955A JP32895597A JPH11159299A JP H11159299 A JPH11159299 A JP H11159299A JP 9328955 A JP9328955 A JP 9328955A JP 32895597 A JP32895597 A JP 32895597A JP H11159299 A JPH11159299 A JP H11159299A
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JP
Japan
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segment
ring
erector
tilting
electoring
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JP9328955A
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English (en)
Inventor
Hidehiko Wakabayashi
英彦 若林
Akira Kobayashi
曉 小林
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化を招かず、セグメントの組立作
業を容易かつ迅速に行うことができるとともに、セグメ
ントの組立作業中に次ピースを把持位置に搬送すること
ができるようにする。 【解決手段】 セグメント把持部34を、スライドフレ
ーム11にエレクタリング3の軸線に沿って該リング半
径方向に延びる面内で回動可能な傾転フレーム33に設
けて、傾転ジャッキによりエレクタリング半径方向とエ
レクタリング軸線方向の間で傾転させることができるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールド掘進機の
エレクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、シールド掘進機として断面が
単円形のトンネルを掘削する円形シールド掘進機や断面
が複円形のトンネルを掘削する複円形シールド掘進機が
知られている。
【0003】図27乃至図30は従来の円形シールド掘
進機のエレクタ装置を示すもので、図27はその坑口側
からみた正面図、図28は図27の側方よりみた断面
図、図29はそのセグメント搬入時のエレクタ待避動作
状態を示す坑口側からみた正面図、図30は図29の側
方よりみた断面図である。
【0004】この従来の円形シールド掘進機のエレクタ
装置は、シールド本体1の後部内周に設置した複数のガ
イドローラ2によってエレクタリング3を旋回自在に支
持するとともに、エレクタリング3を、シールド本体1
に装備した旋回用モータ4によリピニオン5と内歯のリ
ングギヤ6を介して旋回駆動するようになっている。エ
レクタリング3には、左右一対のガイドロッド支持部7
a,7bが設けられ、各ガイドロッド支持部7a,7b
に、門型吊りビーム8の両端ガイドロッド8a,8bが
取付けられており、ガイドロッド8a,8bによって吊
りビーム8がリング径方向に案内されるようになってい
る。吊りビーム8には、リング軸方向に延びる一対のガ
イドロッド9a,9bが取り付けられ、ガイドロッド9
a,9bにスライドフレーム11がスライド可能に取付
けられ、更にスライドフレーム11にセグメント把持部
12が取付けられている。
【0005】各ガイドロッド支持部7a,7bには、そ
れぞれ昇降ジャッキ13a,13bの一端側が取り付け
られ、各昇降ジャッキ13a,13bの他端が吊りビー
ム8の両端部に接続され、各昇降ジャッキ13a,13
bにより吊りビーム8すなわちセグメント把持部12が
リング半径方向に駆動されるようになっている。
【0006】吊りビーム8には、ガイドロッド9a,9
bの内側に配置した前後摺動ジャッキ14の一端側が取
り付けられ、前後摺動ジャッキ14の他端がスライドフ
レーム11に接続され、前後摺動ジャッキ14によりス
ライドフレーム11がリング軸線方向に駆動されるよう
になっている。
【0007】この従来の円形シールド掘進機のエレクタ
装置において、シールドトンネルのセグメント組立作業
は、図29及び図30に示すように、まずホイスト等の
搬送手段15によりセグメント16aを吊り上げ、エレ
クタ旋回動作範囲内の下部に搬入する。このとき、エレ
クタは搬送手段15の邪魔にならないように、エレクタ
リング3を旋回させ、セグメント把持部12を上方に位
置させた待避状態に置く。
【0008】エレクタ旋回動作範囲内下部へのセグメン
ト16aの搬入が完了すると、エレクタリング3を旋回
させ、図27及び図28に示すように、セグメント把持
部12を下方に位置させ、各昇降ジャッキ13a,13
bを伸長して、搬入されたセグメント16aをセグメン
ト把持部12に把持させて、各昇降ジャッキ13a,1
3bを縮退させることにより吊り上げ、旋回用モータ4
によリエレクタリング3を旋回させて所定の組立位置に
旋回させる。次いで、組立位置にて各昇降ジャッキ13
a,13bを伸長させることによりセグメント把持部1
2すなわちセグメント16aをリング半径方向に駆動し
た後、既設セグメント及び円周方向の隣接セグメントに
順次ボルト締結して、セグメントリングを組み立てる。
【0009】図31は従来の複円形シールド掘進機のエ
レクタ装置を坑口側からみた正面図、図32はそのセグ
メント把持部の動作の説明図、図33は複円形シールド
用セグメントの1リング分の組立状態を示す正面図であ
り、各図中、前述の円形シールド掘進機のエレクタ装置
に相当する部分には同一符号を付してある。
【0010】まず、複円形シールド用セグメントの1リ
ングの構成について図33により説明すると、複円形シ
ールド用セグメントリング16は、左右の擬似円形部を
形成する円弧状の標準セグメント16aと、左右の擬似
円形部を接合するためのV形断面の上下のジョイントセ
グメント16b,16cと、中央部に挿入される支柱セ
グメント16dとから成り、1リングごとに両翼部の短
いジョイントセグメント16bと両翼部の長いジョイン
トセグメント16cとを交互に入れ替えることにより、
セグメントの継目位置が千鳥形にずれるように組み立て
られる。なお、17は複円形シールド掘進機のスキンプ
レートである。
【0011】このような複円形シールド用セグメントリ
ングを構築するための従来の複円形シールド掘進機のエ
レクタ装置は、シールド本体21の後方に左右2基のエ
レクタ20A,20Bが設置されている。これらエレク
タ20A,20Bは、同一構造を有しているため、対応
する部分に同一符号を付し、ここでは主に右側のエレク
タ20Bについてのみ詳述する。
【0012】すなわち、エレクタ20Bは、シールド本
体21の後部内周に沿って設置した複数のガイドローラ
2によってエレクタリング3を旋回自在に支持するとと
もに、エレクタリング3を、シールド本体21に装備し
た図示しない旋回用モータによリピニオンとリングギヤ
を介して旋回駆動するようになっている。エレクタリン
グ3には、その周方向の所定位置にガイドロッド支持部
7がシールド本体21の後方に向け突出して設けられて
いるとともに、そのリングにおける対向側位置に、回転
バランスをとるためのカウンタウェイト22が取り付け
られている。
【0013】ガイドロッド支持部7には、吊りビーム2
3のガイドロッド23aが取付けられ、ガイドロッド2
3aによって吊りビーム23が片持ち状態でエレクタリ
ング3の円周に対しほぼ接線方向に案内されるようにな
っている。吊りビーム23には、先端に揺動ピン24を
介して揺動アーム25がエレクタリング断面に沿ってこ
のリングの軸線に直交する面内で揺動可能に取り付けら
れている。揺動アーム25には、リング軸方向に延びる
一対のガイドロッド26が取り付けられ、これらガイド
ロッド26に二股のスライダ27がスライド可能に装着
されている。スライダ27には、その二股の交点部に振
れ止めジャッキの一端側が連結され、振れ止めジャッキ
の他端側がセグメント把持部28として構成されてい
る。スライダ27の二股の両端は、セグメント把持部2
8によるセグメント把持時にセグメントに当接し、その
自由揺動を規制する機能を有する。
【0014】ガイドロッド支持部7には図示しない押付
ジャッキの一端側が取り付けられ、押付ジャッキの他端
が吊りビーム23に連結されており、押付ジャッキによ
って吊りビーム23すなわちセグメント把持部28がリ
ング内外方向に駆動されるようになっている。
【0015】吊りビーム23には姿勢制御ジャッキ29
のシリンダ側が取り付けられ、姿勢制御ジャッキ29の
ロッド側が揺動アーム25に連結されており、姿勢制御
ジャッキ29によって揺動アーム25すなわちセグメン
ト把持部28がエレクタリング断面に沿ってこのリング
の軸線に直交する面内で揺動駆動され、この面内で吊り
ビーム23に対する揺動アーム25の傾きを広い範囲で
変えられるようになっている。
【0016】また揺動アーム25には図示しない前後摺
動ジャッキの一端側が取り付けられ、前後摺動ジャッキ
の他端がスライダ27に連結されており、前後摺動ジャ
ッキによってスライダ27すなわちセグメント把持部2
8がリング軸線方向に駆動されるようになっている。
【0017】この従来の複円形シールド掘進機のエレク
タ装置において、複円形シールドトンネルのセグメント
組立作業は、まず2基のエレクタ20A,20Bのそれ
ぞれに対応させて設けた図示しないホイスト等の搬送手
段によりセグメントを吊り上げ、各エレクタ20A,2
0Bの旋回動作範囲内の下部に搬入する。このとき、各
エレクタ20A,20Bは搬送手段の邪魔にならないよ
うに、エレクタリング3,3を旋回させ、セグメント把
持部28を上方に位置させた待避状態に置く。
【0018】各エレクタ20A,20Bの旋回動作範囲
内下部へのセグメントの搬入が完了すると、それぞれエ
レクタリング3,3を旋回させ、各エレクタ20A,2
0Bを用いてセグメント16a,16b,16c,16
dを1ピースずつ吊り上げ、それぞれ所定の組立位置に
搬送し、既設セグメントおよび円周方向の隣接セグメン
トに順次ボルト締結して第23図に示すセグメトリング
16を組み立てる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単円か
らなる前者のエレクタ装置にあっては、次に組み立てる
セグメント(以下、次ピースという)をエレクタで把持
する際に、次ピースをホイスト等の搬送手段によってエ
レクタの旋回動作範囲内下部の把持位置(エレクタヘの
受渡し位置)まで搬入する必要があり、そのため搬送時
にはエレクタの門型吊りビーム8がセグメント搬入の妨
げになり、セグメント把持部12が上方に向くように旋
回待避させる必要が生じる(図29)。このため、セグ
メントの組立作業中、つまり吊りビーム8、昇降ガイド
ロッド8a,8b、リング軸方向ガイドロッド9a,9
b、及びセグメント把持部12がセグメント搬入位置に
ある間は、次ピースを把持位置に搬送することができ
ず、そのセグメントの組立完了後に、吊りビーム8を上
方位置に旋回待避させ、その後、次ピースを搬入すると
いう手順を踏まなければならず、時間がかかっている。
【0020】更に、この前者のエレクタ装置は、単円の
シールドトンネルの組立、つまり図33に示す円弧状の
標準セグメント16aのみを用いた組立には向いている
ものの、V形断面の上下のジョイントセグメント16
b,16cやストレート状の支柱セグメント16dを必
要とする複円のシールドトンネルの組立には適していな
い。すなわち、これから組み立てようとするジョイント
セグメント16b,16cや支柱セグメント16dをエ
レクタのセグメント把持部12に把持させるためにエレ
クタ下に置いたとき、これらセグメント16b,16
c,16dの高さが標準セグメント16aより高くなっ
てしまい、その分、セグメント把持部12の位置をエレ
クタリング3の中心寄りに引き上げなければ、セグメン
トの把持ができない。セグメント把持部12の位置を引
き上げると、エレクタリング3、各ガイドロッド支持部
7a,7b、及び門型吊りビーム8により囲まれたエレ
クタの内空部が狭くなり、シールド掘進機の排土装置1
0(図28,図30)やセグメント組立用の作業デッキ
などを通すためのスペースが確保できなくなる。更にま
た、このエレクタで標準セグメント16aも組み立てる
ことを考えると、各昇降ジャッキ13a,13bのスト
ロークを通常の円形シールド用エレクタよリ大きくしな
ければならないが、この場合には各昇降ジャッキ13
a,13bのストロークを大きくした分、各ガイドロッ
ド8a,8bの全長が長くなり、各昇降ジャッキ13
a,13bを縮めてエレクタを旋回させる際に、隣り合
うエレクタ相互が干渉するという新たな問題が生じる。
【0021】更に、上下のジョイントセグメント16
b,16cは、標準セグメント16aと比較して著しく
形状が相違するため、セグメント把持部12に把持させ
る際に門型吊りビーム8などと干渉して把持しにくく、
例え把持させることができたとしても、セグメント姿勢
制御機能を持たないため、吊り上げたジョイントセグメ
ント16b,16cを所定位置に組み付けるための姿勢
修正に多くの人手を必要としていた。
【0022】また、複円からなる後者のエレクタ装置に
あっては、セグメントをエレクタの旋回動作範囲内下部
に搬入する際の吊りビーム旋回待避の問題や、ジョイン
トセグメント16b,16cを組み付ける際の姿勢修正
などの問題を、吊りビーム23を片持ち構造とするこ
と、及びセグメント把持部28にセグメント姿勢制御機
能を持たせることで解決している。しかし、この場合に
は、エレクタ旋回動作範囲内下部に搬送されたジョイン
トセグメント16b,16cの組立位置決め時の姿勢修
正を、同一面内において旋回、昇降(径方向移動)、揺
動の3動作の繰り返しによる微調整により行わなくては
ならず、操作が複雑になる。すなわち、図32に示すよ
うに揺動ピン24を中心とする揺動位置(角度)を調整
すると、エレクタリング中心側からセグメント把持部2
8までの距離がLa→Lb(La<Lb)と変化して、
セグメント把持部28の昇降方向(径方向)位置が変化
し、更にリング旋回方向位置が角度θ分変化してしまう
ので、揺動ピン24を中心とする揺動位置を調整した場
合は、調整後、再度、昇降、旋回位置を調整しなければ
ならないばかりでなく、昇降、旋回位置の再調整を行う
と、揺動ピン24を中心とする揺動位置(角度)が変化
するため、昇降、旋回位置の再再調整が必要になるとい
う新たな問題が生じる。
【0023】このような問題は、セグメントが外周面を
下側にした状態でエレクタ旋回動作範囲内の下部に搬入
されることに起因している。すなわち、外周面を下側に
した状態に置かれたセグメントは、外周面が下方のスキ
ンプレート17又は組立後のセグメント16aにより拘
束されるため角度の調整が難しい。更に、セグメント把
持部でセグメントを把持する場合、置かれているセグメ
ントの姿勢(角度)に合わせて把持せざるを得ない。こ
の場合、標準セグメント16aや支柱セグメント16d
であれば、さほど問題とはならないが、これらと比較し
て著しく形状が相違するジョイントセグメント16b,
16cは、置かれた状態下では周面がトンネル内周面に
沿った状態になく、把持した後、組立位置に旋回させて
から角度の調整が必要となる。
【0024】いずれにしても、従来のシールド掘進機の
エレクタ装置では、セグメント把持部がセグメントをエ
レクタリング半径方向より把持するようになっているた
め、次ピースをエレクタの旋回動作範囲内下部まで搬入
しない限りエレクタで把持することはできない。このた
め、セグメントの組立作業中に次ピースを把持位置に搬
送することができず、セグメントの組立完了後に、次ピ
ースを搬入するという手順を踏まざるを得ない。このよ
うな問題は、吊りビームを少なくともセグメントの幅
分、リング軸方向にスライドできる機構を設けることで
解決可能となる。しかし、この場合には、吊りビームの
リング軸方向スライドに伴って、吊りビームに取り付け
て有る各機構も一体に移動するため、それだけでも吊り
ビームの支持部に大きな曲げ荷重が加わる上、更にこの
状態から重量物であるセグメントを把持して吊り上げな
ければならず、装置全体の大型化が避けられないばかり
でなく、これによってエレクタの内空部が狭くなり、シ
ールド掘進機の排土装置やセグメント組立用の作業デッ
キなどを通すためのスペースの確保が一層難しくなると
いう新たな問題が生じる。
【0025】本発明の技術的課題は、装置の大型化を招
かず、セグメントの組立作業を容易かつ迅速に行うこと
ができるとともに、セグメントの組立作業中に次ピース
を把持位置に搬送することができるようにすることにあ
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に係るシールド掘
進機のエレクタ装置は、シールド掘進機の本体内部に旋
回自在に支持されて旋回用モータにより駆動されるエレ
クタリングと、エレクタリングにその半径方向に沿って
摺動可能に設けた吊りビームと、吊りビームにエレクタ
リング軸方向にスライド可能に取り付けたスライドフレ
ームと、スライドフレームにエレクタリング軸線に沿っ
て該リング半径方向に延びる面内で回動可能に設けた傾
転フレームと、傾転フレームに設けたセグメント把持部
と、一端がエレクタリング側に、他端が吊りビームに、
それぞれ取り付けられ、吊りビームをエレクタリング半
径方向に摺動させる昇降ジャッキと、一端が吊りビーム
に、他端がスライドフレームに、それぞれ取り付けら
れ、スライドフレームをエレクタリング軸線方向に摺動
させる前後摺動ジャッキと、一端がスライドフレーム
に、他端が傾転フレームに、それぞれ取り付けられ、セ
グメント把持部をエレクタリング半径方向とエレクタリ
ング軸線方向の間で傾転させる傾転ジャッキと、を備え
たものである。
【0027】本発明においては、セグメント把持部を、
スライドフレームにエレクタリング軸線に沿って該リン
グ半径方向に延びる面内で回動可能な傾転フレームに設
けて、傾転ジャッキによりエレクタリング半径方向とエ
レクタリング軸線方向の間で傾転させることができるよ
うにしているので、エレクタ旋回動作範囲の手前に位置
する組立後のセグメントリング上に、セグメントピース
をその周面を縦向きになるように搬入すれば、このセグ
メントピースをセグメント把持部にて把持することがで
きる。このため、前ピースの組立作業中に次ピースを把
持位置に搬送することができ、セグメント搬送のための
旋回待避動作が不要となり、組立作業時間の短縮化が図
れる。また、後続ピースをエレクタリングの軸方向に重
ね置きすることができて、仮置きスペースをトンネル軸
方向および高さ方向で圧縮することができる。また、セ
グメント把持部は、傾転動作によってセグメントピース
を実質的にエレクタリング半径方向へ大きく移動させる
ことができるので、ジョイントセグメントのハンドリン
グのための昇降ストロークを小さくすることができる。
また、ジョイントセグメントも周面を縦向きになるよう
に搬入され、周面が拘束されることがないため、角度の
調整が容易である。このため、傾転後、組立位置に旋回
させたとき、周面がトンネル内周面に沿った状態となる
ように、予め仮置き場にて、あるいは搬入する段階で角
度を設定しておくことができる。そして、組立時に角度
調整を不要として、位置決め操作を容易化することがで
きる。
【0028】
【発明の実施の形態】実施形態1.以下、図示実施形態
により本発明を説明する。図1乃至図12は本発明の第
1実施形態に係る円形シールド掘進機のエレクタ装置を
示すもので、図1はその坑口側からみた正面図、図2は
図1の側方よりみた断面図、図3はそのセグメント把持
部を拡大し一部を破砕して示す斜視図、図4は図3の裏
面側から見たセグメント把持部の要部を拡大して示す斜
視図、図5はその次ピースの仮置き状態を示す坑口側か
らみた正面図、図6は図5の側方よりみた断面図、図7
はそのセグメント把持部をエレクタリング軸線方向に向
けた状態を示す断面図、図8はセグメント把持部により
次ピースを把持させた状態を示す断面図、図9は次ピー
スを把持したセグメント把持部をエレクタリング半径方
向に向けた状態を示す断面図、図10は次ピースを把持
したセグメント把持部を拡大して示す要部断面図、図1
1は後続ピースの仮置き状態を示す断面図、図12は後
続ピースの従来の仮置き状態を示す断面図であり、各図
中、前述の第1従来例(図27乃至図30)に相当する
部分には同一符号を付してある。
【0029】この第1実施形態の円形シールド掘進機の
エレクタ装置は、シールド本体31の後部内周に設置し
た複数のガイドローラ2によってエレクタリング3を旋
回自在に支持するとともに、エレクタリング3を、シー
ルド本体31に装備した旋回用モータ4によリピニオン
5と外歯のリングギヤ6aを介して旋回駆動するように
なっている。エレクタリング3には、左右一対のガイド
ロッド支持部7a,7bが設けられ、各ガイドロッド支
持部7a,7bに、門型吊りビーム8の両端ガイドロッ
ド8a,8bが取付けられており、ガイドロッド8a,
8bによって吊りビーム8がリング径方向に案内される
ようになっている。吊りビーム8には、リング軸方向に
延びる一対のガイドロッド9a,9bが取り付けられ、
ガイドロッド9a,9bにスライドフレーム11がスラ
イド可能に取付けられている。スライドフレーム11に
は、その内部に図3及び図4に示すようにピン32a,
32bを介して傾転フレーム33が取り付けられて、傾
転フレーム33がエレクタリング軸線に沿って該リング
半径方向に延びる面内で回動できるようになっている。
傾転フレーム33には、その自由端にセグメント把持部
34が設けられているとともに、その両面の基端部両側
にそれぞれ振れ止めジャッキ35a,35b,35c,
35dの各ロッド側が連結され、各振れ止めジャッキ3
5a,35b,35c,35dのボトム側が傾転フレー
ム33の自由端方向に伸縮できるようになっている。
【0030】各ガイドロッド支持部7a,7bには、そ
れぞれ昇降ジャッキ13a,13bのボトム側が取り付
けられ、各昇降ジャッキ13a,13bのロッド側が吊
りビーム8の両端部に接続され、各昇降ジャッキ13
a,13bにより吊りビーム8すなわちセグメント把持
部34がリング半径方向に駆動されるようになってい
る。
【0031】吊りビーム8には、図3に示すようにガイ
ドロッド9a,9bの外側にそれぞれ配置した前後摺動
ジャッキ14a,14bのロッド側が取り付けられ、前
後摺動ジャッキ14a,14bのボトム側がスライドフ
レーム11にそれぞれ接続されており、各前後摺動ジャ
ッキ14a,14bによってスライドフレーム11がリ
ング軸線方向に駆動されるようになっている。
【0032】また、スライドフレーム11には傾転ジャ
ッキ36のボトム側が取り付けられているとともに、傾
転ジャッキ36のロッド側が傾転フレーム33に接続さ
れ、傾転ジャッキ36によって傾転フレーム33をピン
32a,32bを中心に回動駆動され、これによって傾
転フレーム33すなわちセグメント把持部34を、エレ
クタリング半径方向とエレクタリング軸線方向の間で傾
転させることができるようになっている。それ以外の構
成は前述の第1従来例と同様である。
【0033】この第1実施形態の円形シールド掘進機の
エレクタ装置においては、セグメント把持部34を、ス
ライドフレーム11に対してエレクタリング軸線に沿っ
て該リング半径方向に延びる面内で回動可能な傾転フレ
ーム33に設けて、傾転ジャッキ36によりエレクタリ
ング半径方向とエレクタリング軸線方向の間で傾転させ
ることができるので、エレクタ旋回動作範囲の手前に位
置する組立後のセグメントリング16上に、セグメント
ピースをその周面を縦向きになるように搬入すれば、こ
のセグメントピースをセグメント把持部34にて把持す
ることができる。
【0034】したがって、円形シールドトンネルのセグ
メント組立作業は、図5及び図6に示すように前ピース
16aを組立中に、次ピース16aをエレクタ旋回動作
範囲の手前のセグメントリング16上(前ピースの組立
作業に支障のない位置)に、その周面を縦向きになるよ
うに搬入する。そして前ピース16aの組立が完了した
ら、次ピース16aを把持するために、セグメント把持
部34が下方になるようにエレクタリング3旋回させ、
図7に示すように傾転ジャッキ36を伸ばし、セグメン
ト把持部34がエレクタリング軸方向を向くように傾転
フレーム33を90°傾転させる。次いで、図8に示す
ように吊りビーム8とセグメント把持部34の高さを各
昇降ジャッキ13a,13bを伸長あるいは縮退させる
ことにより調整した後、各前後摺動ジャッキ14a,1
4bを縮めることにより、スライドフレーム11を坑口
方向(次ピースの仮置き方向)にスライドさせ、次ピー
ス16aを把持する。この時、各振れ止めジャッキ35
a,35b,35c,35dを伸ばし、セグメント吊り
上げ時のセグメントの姿勢変化を防止する。
【0035】各振れ止めジャッキ35a,35b,35
c,35dは、図10の(a)に示すように組立位置決
め時にはセグメントの姿勢の微調整を行う機能を有して
いる。なお、垂れ下がり防止として、図10の(b)に
示すように傾転フレーム33にセグメント下部をサポー
トするフック状の支柱37を設けることは好ましい。こ
の支柱37のセグメント下部への差し込みは、セグメン
トが仮置き状態にあるときに、図5に示すようにセグメ
ントとこれが載置されているセグメントリング16との
間に隙間が形成されるため容易である。
【0036】次ピース16aの把持が完了すると、図9
に示すように各昇降ジャッキ13a,13bを縮めるこ
とにより次ピース16aを吊り上げ、次いで傾転ジャッ
キ36を縮めることによりセグメント把持部34を0°
方向、つまりエレクタリング半径方向に傾転させる。そ
して、各前後摺動ジャッキ14a,14bを伸長させる
ことにより、スライドフレーム11を反坑口方向にスラ
イドさせた後、エレクタリング3を旋回させることによ
り、把持したピースを所定の組立位置に旋回させ、エレ
クタリング半径方向の位置を各昇降ジャッキ13a,1
3bを伸縮させることにより、またエレクタリング軸線
方向の位置を各前後摺動ジャッキ14a,14bを縮退
させることにより、調整した後、既設リング及び円周方
向の隣接セグメントに順次ボルト締結して、セグメント
リング16を構築する。
【0037】ところで、通常、効率良くセグメントを組
み立てるために、予めセグメントをエレクタ装置の近く
まで搬送し、仮置きしておくが、円弧状の標準セグメン
ト16aを既設のセグメントリング16上に仮置きする
場合、従来は図12の(b)(c)に示すように標準セ
グメント16aの外周面を下側にして仮置きしている。
この場合、ホイスト等の搬送手段のストロークの関係で
1箇所あたり2〜3段積みとなり、1リング分のセグメ
ントを仮置きすると、図12の(a)に示すようにトン
ネル軸方向にスペースをとってしまう。これは搬送作業
上の問題と、各段相互の干渉を防ぐために各段相互の間
に隙間を設ける必要があることが1因である。
【0038】本実施形態装置の場合、エレクタ旋回動作
範囲の手前のセグメントリング16上に周面を縦向きに
して仮置きしたセグメントをセグメント把持部34にて
把持することができるため、図11の(a)(b)
(c)に示すように円弧状の標準セグメント16aをト
ンネル軸方向に重ね置きすることができる。そして、仮
置きされた標準セグメント16aの取り出し作業もトン
ネル軸方向で行われるため、各標準セグメント16a間
に作業空間を設ける必要がない。このため、1リング分
のセグメントの積層段数をトンネル軸方向の1段とする
ことができて、仮置きスペースをトンネル軸方向および
高さ方向で圧縮することができる。
【0039】更に、複円形トンネルの場合、V形断面の
ジョイントセグメント16b,16cを必要とするが、
上方に配置されるジョイントセグメント16b又は16
cは組立順序の関係で、従来方式(高さ方向積層方式)
では下側に配置するのが搬送の効率が良い。しかし、ジ
ョイントセグメント16b,16cは標準セグメント1
6aに比し寸法が小さく、下側に積むと不安定になるた
め、従来は効率が悪くても上側に積むか、単独(1ピー
ス)で仮置きする方式をとっており、仮置きスペースを
広くとらざるを得ない要因の1つとなっている。
【0040】この点も、本実施形態装置においては、図
11の(b)(c)に示すようにジョイントセグメント
16b,16cを、その周面を縦向きにしてトンネル軸
方向に重ね置きすることで解決できる。
【0041】このように、この第1実施形態の円形シー
ルド掘進機のエレクタ装置においては、セグメント把持
部34を、スライドフレーム11にエレクタリング軸線
に沿って該リング半径方向に延びる面内で回動可能な傾
転フレーム33に設けて、傾転ジャッキ36によりエレ
クタリング半径方向とエレクタリング軸線方向の間で傾
転させることができるようにしているので、エレクタ旋
回動作範囲の手前に位置する組立後のセグメントリング
16上に、セグメントピース16aを、その周面を縦向
きにして搬入すれば、このセグメントピース16aをセ
グメント把持部34にて把持することができる。このた
め、前ピース16aの組立作業中に次ピース16aを把
持位置に搬送することができ、セグメント搬送のための
旋回待避動作が不要となり、組立作業時間の短縮化が図
れる。
【0042】また、後続ピース16aをエレクタリング
の軸線方向に重ね置きすることができて、仮置きスペー
スをトンネル軸方向および高さ方向で圧縮することがで
きる。
【0043】実施形態2.図13乃至図26は本発明の
第2実施形態に係る複円形シールド掘進機のエレクタ装
置を示すもので、図13乃至図16はそれぞれ坑口側か
らみた右側のエレクタによる各種セグメントの把持状態
を示す正面図、図17は坑口側からみた左右2基のエレ
クタの全体構成を示す正面図、図18は図17の状態下
にある右側のエレクタによるジョイントセグメントの把
持状態を側方よりみた断面図、図19は図18のA矢視
方向よりみたジョイントセグメントの平面図、図20は
その動作を説明するための断面図、図21はその動作を
説明するための正面図、図22は図21の状態を側方よ
り示す断面図、図23はその動作を説明するための正面
図、図24はその動作を説明するための正面図、図25
は図24の状態を側方より示す断面図、図26はその動
作を説明するための断面図であり、各図中、前述の第2
従来例(図31乃至図33)および前述の第1実施形態
に相当する部分には同一符号を付してある。
【0044】この第2実施形態の複円形シールド掘進機
のエレクタ装置は、シールド本体41の後方に左右2基
のエレクタ40A,40Bが設置されている。これらエ
レクタ40A,40Bは、門型吊りビーム8の連結辺部
を全長に亘ってリング軸方向にスライド可能なスライド
フレーム11から形成している点を除き、前述の第1実
施形態装置と基本的に同様の構成を有し、いずれも第1
実施形態装置の機能を全て備えている。また各エレクタ
40A,40Bは、いずれも同一構造を有している。従
って、いずれのエレクタ40A,40Bも、前述の第1
実施形態装置に相当する部分に同一符号を付して説明を
省略し、ここでは主に右側のエレクタ40Bの動作につ
いて説明する。なお、説明にあたっては前述の図3、図
4、及び図11を参照するものとする。
【0045】この第2実施形態の複円形シールド掘進機
のエレクタ装置においても、各エレクタ40A,40B
のセグメント把持部34を、それぞれのスライドフレー
ム11に対してエレクタリング軸線に沿って該リング半
径方向に延びる面内で回動可能な傾転フレーム33に設
けて、傾転ジャッキ36によりエレクタリング半径方向
とエレクタリング軸線方向の間で傾転させることができ
る。このため、エレクタ旋回動作範囲の手前に位置する
組立後のセグメントリング16上に、各セグメント16
a,16b,16c,16dを、これらの周面が縦向き
になるように搬入すれば、これらセグメント16a,1
6b,16c,16dをセグメント把持部34にて把持
することができる。
【0046】ところで、左右の擬似円形部を形成する円
弧状の標準セグメント16aと、左右の擬似円形部を接
合するためのV形断面のジョイントセグメントのうち両
翼部の短いジョイントセグメント16bと、中央部に挿
入される支柱セグメント16dは、図13乃至図15に
示すように従来の方式、つまりエレクタ下部にセグメン
トをその外周面を下側にして搬入し、把持、吊り上げる
方式でもハンドリングは可能である。しかし、この従来
方式によるハンドリングでは、両翼部の長いジョイント
セグメント16cを把持させるために大きな昇降ストロ
ークを必要とする。
【0047】エレクタリング3内にはスクリューコンベ
ヤ等の排土装置10や作業台等の設置スペースが必要
で、昇降ストロークの確保には限度がある。従って、従
来方式によるハンドリングでは、図16に示すように両
翼部の長いジョイントセグメント16cは、スキンプレ
ート17や先に組み立てられた標準セグメント16aと
干渉してしまう。
【0048】この実施形態装置においては、図17乃至
図19に示すようにセグメントの把持方向をエレクタリ
ング軸線方向に設定しており、全てのセグメント16
a,16b,16c,16dは、これらの周面を縦向き
にしてエレクタ旋回動作範囲の手前に位置する組立後の
セグメントリング16上に搬入される。この時、V形断
面のジョイントセグメント16b,16cは、いずれも
傾転後、組立位置に旋回させたとき、周面がトンネル内
周面に沿った状態となるように、予め角度を設定してお
く。この角度の設定は、搬入する段階で、あるいは搬入
後、仮置き場にて行う。更にジョイントセグメント16
c(又は16b)が図17に仮想線で示すように左右非
対称で、設置時に傾斜し、把持時に支障があれば、ジョ
イントセグメント16c(又は16b)の姿勢を木片等
により調整する。
【0049】次いで、傾転ジャッキ36を伸ばし、セグ
メント把持部34がエレクタリング軸線方向を向くよう
に、90°傾転させ、セグメント吊り金具とセグメント
把持部34の高さを各昇降ジャッキ13a,13bを伸
長あるいは縮退させることにより調整した後、各前後摺
動ジャッキ14a,14bを縮めることにより、スライ
ドフレーム11を坑口方向(ジョイントセグメント16
cの仮置き方向)にスライドさせ、ジョイントセグメン
ト16cを把持し(図20)、吊り上げる(図21及び
図22)。なお、図20は吊り上げ動作開始直後の状態
を示し、この状態から傾転させれば設置済みの標準セグ
メント16aと干渉するので、0°位置への傾転はでき
ない。従って、図21及び図22に示すように標準セグ
メント16aと干渉しない高さ位置まで吊り上げてか
ら、各前後摺動ジャッキ14a,14bを伸長させるこ
とにより、スライドフレーム11を反坑口方向にスライ
ドさせ、次いで図23に示すようにエレクタリング3を
旋回させることにより、把持したジョイントセグメント
16cを所定の組立位置に旋回させる。そして、図24
及び図25に示すように傾転ジャッキ36を縮めること
によりセグメント把持部34を0°位置、つまりエレク
タリング半径方向に傾転させる。これにより、ジョイン
トセグメント16cとスキンプレート17や先に組み立
てられた標準セグメント16aとの干渉を防ぐことがで
きる。
【0050】そして、図26に示すように各昇降ジャッ
キ13a,13bを伸長させて、スライドフレーム11
すなわちジョイントセグメント16cのエレクタリング
径方向の位置を調整した後、各前後摺動ジャッキ14
a,14bを縮めることにより、ジョイントセグメント
16cを坑口方向にスライドさせてエレクタリング軸線
方向の位置を調整し、既設リング及び円周方向の隣接セ
グメントに順次ボルト締結して、セグメントリング16
を構築する。なお、セグメント把持部34を0°位置
(エレクタリング半径方向)に傾転させた段階で、予め
各前後摺動ジャッキ14a,14bによりジョイントセ
グメント16cのエレクタリング軸線方向位置を調整し
ておくことも可能であることは言うまでもない。
【0051】このように、この第2実施形態の円形シー
ルド掘進機のエレクタ装置においては、セグメント把持
部34を、スライドフレーム11にエレクタリング軸線
に沿って該リング半径方向に延びる面内で回動可能な傾
転フレーム33に設けて、傾転ジャッキ36によりエレ
クタリング半径方向とエレクタリング軸線方向の間で傾
転させることができるようにしているので、エレクタ旋
回動作範囲の手前に位置する組立後のセグメントリング
16上にセグメントピース16aを搬入すれば、このセ
グメントピース16aをセグメント把持部34にて把持
することができる。このため、前ピース16aの組立作
業中に次ピース16aを把持位置に搬送することがで
き、セグメント搬送のための旋回待避動作が不要とな
り、組立作業時間の短縮化が図れる。
【0052】また、後続ピース16aをエレクタリング
の軸線方向に重ね置きすることができて、仮置きスペー
スをトンネル軸方向および高さ方向で圧縮することがで
きる。
【0053】また、セグメント把持部34は、傾転動作
によってセグメントピースを実質的にエレクタリング半
径方向へ大きく移動させることができるので、両翼部の
長いジョイントセグメント16cのハンドリングのため
の昇降ストロークを小さくすることができる。
【0054】また、ジョイントセグメント16b,16
cも周面を縦向きになるように搬入され、周面が拘束さ
れることがないため、把持する前段の処理で角度を調整
することができる。このため、把持、傾転後、組立位置
に旋回させたとき、周面がトンネル内周面に沿った状態
となるように、予め仮置き場にて、あるいは搬入する段
階で角度を設定しておくことができる。
【0055】したがって、把持する前にジョイントセグ
メント16b,16cの角度を調整し、傾転させた段階
でエレクタリング軸線方向位置を調整しておくことで、
ジョイントセグメント16b,16cの組立位置の調整
を、旋回と昇降の2動作で行わせることができ、組立時
に従来のような角度調整作業が必要なくなって、位置決
め操作を容易化することができる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、セ
グメント把持部を、スライドフレームにエレクタリング
軸線に沿って該リング半径方向に延びる面内で回動可能
な傾転フレームに設けて、傾転ジャッキによりエレクタ
リング半径方向とエレクタリング軸線方向の間で傾転さ
せることができるようにしたので、エレクタ旋回動作範
囲の手前に位置する組立後のセグメントリング上に、セ
グメントピースをその周面を縦向きになるように搬入す
れば、このセグメントピースをセグメント把持部にて把
持することができる。このため、前ピースの組立作業中
に次ピースを把持位置に搬送することができ、セグメン
ト搬送のための旋回待避動作が不要となり、組立作業時
間の短縮化が図れる。また、後続ピースをエレクタリン
グの軸方向に重ね置きすることができて、仮置きスペー
スをトンネル軸方向および高さ方向で圧縮することがで
きる。また、セグメント把持部の傾転動作によってセグ
メントピースを実質的にエレクタリング半径方向へ大き
く移動させることができるので、ジョイントセグメント
のハンドリングのための昇降ストロークを小さくするこ
とができる。また、ジョイントセグメントも周面を縦向
きになるように搬入され、周面が拘束されることがない
ため、傾転後、組立位置に旋回させたとき、周面がトン
ネル内周面に沿った状態となるように、予め仮置き場に
て、あるいは搬入する段階で角度を設定しておくことが
できる。このため、組立時に角度調整を不要として、位
置決め操作を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシールド掘進機の
エレクタ装置を坑口側からみた正面図である。
【図2】図1の側方よりみた断面図である。
【図3】第1実施形態に係るシールド掘進機のエレクタ
装置のセグメント把持部を拡大し一部を破砕して示す斜
視図である。
【図4】図3の裏面側から見たセグメント把持部の要部
を拡大して示す斜視図である。
【図5】次ピースの仮置き状態を示す坑口側からみた正
面図である。
【図6】図5の側方よりみた断面図である。
【図7】第1実施形態に係るシールド掘進機のエレクタ
装置のセグメント把持部をエレクタリング軸線方向に向
けた状態を示す断面図である。
【図8】第1実施形態に係るシールド掘進機のエレクタ
装置のセグメント把持部により次ピースを把持させた状
態を示す断面図である。
【図9】第1実施形態に係るシールド掘進機のエレクタ
装置の次ピースを把持したセグメント把持部をエレクタ
リング半径方向に向けた状態を示す断面図である。
【図10】第1実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の次ピースを把持したセグメント把持部を拡大し
て示す要部断面図である。
【図11】後続ピースの仮置き状態を示す断面図であ
る。
【図12】後続ピースの従来の仮置き状態を示す断面図
である。
【図13】本発明の第2実施形態に係るシールド掘進機
のエレクタ装置の右側エレクタによるセグメントの把持
状態を坑口側より示す正面図である。
【図14】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の右側エレクタによるセグメントの把持状態を坑
口側より示す正面図である。
【図15】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の右側エレクタによるセグメントの把持状態を坑
口側より示す正面図である。
【図16】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の右側エレクタによるセグメントの把持状態を坑
口側より示す正面図である。
【図17】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の坑口側からみた左右2基のエレクタの全体構成
を示す正面図である。
【図18】図17の状態下にある右側のエレクタによる
ジョイントセグメントの把持状態を側方よりみた断面図
である。
【図19】図18のA矢視方向よりみたジョイントセグ
メントの平面図である。
【図20】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の動作を説明するための断面図である。
【図21】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の動作を説明するための正面図である。
【図22】図21の状態を側方より示す断面図である。
【図23】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の動作を説明するための正面図である。
【図24】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の動作を説明するための正面図である。
【図25】図24の状態を側方より示す断面図である。
【図26】第2実施形態に係るシールド掘進機のエレク
タ装置の動作を説明するための正面図である。
【図27】第1従来例の円形シールド掘進機のエレクタ
装置を坑口側からみた正面図である。
【図28】図27の側方よりみた断面図である。
【図29】第1従来例のセグメント搬入時のエレクタ待
避動作状態を示す坑口側からみた正面図である。
【図30】図29の側方よりみた断面図である。
【図31】第2従来例の複円形シールド掘進機のエレク
タ装置を坑口側からみた正面図である。
【図32】第2従来例のセグメント把持部の動作の説明
図である。
【図33】複円形シールド用セグメントの1リング分の
組立状態を示す正面図である。
【符号の説明】
3 エレクタリング 4 旋回用モータ 8 吊りビーム 11 スライドフレーム 13a,13b 昇降ジャッキ 14a,14b 前後摺動ジャッキ 31,41 シールド本体 33 傾転フレーム 34 セグメント把持部 36 傾転ジャッキ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機の本体内部に旋回自在に
    支持されて旋回用モータにより駆動されるエレクタリン
    グと、 該エレクタリングにその半径方向に沿って摺動可能に設
    けた吊りビームと、 該吊りビームにエレクタリング軸方向にスライド可能に
    取り付けたスライドフレームと、 該スライドフレームにエレクタリング軸線に沿って該リ
    ング半径方向に延びる面内で回動可能に設けた傾転フレ
    ームと、 該傾転フレームに設けたセグメント把持部と、 一端が前記エレクタリング側に、他端が前記吊りビーム
    に、それぞれ取り付けられ、該吊りビームをエレクタリ
    ング半径方向に摺動させる昇降ジャッキと、 一端が前記吊りビームに、他端が前記スライドフレーム
    に、それぞれ取り付けられ、該スライドフレームをエレ
    クタリング軸線方向に摺動させる前後摺動ジャッキと、 一端が前記スライドフレームに、他端が前記傾転フレー
    ムに、それぞれ取り付けられ、前記セグメント把持部を
    エレクタリング半径方向とエレクタリング軸線方向の間
    で傾転させる傾転ジャッキと、を備えたことを特徴とす
    るシールド掘進機のエレクタ装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007032002A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Nishimatsu Constr Co Ltd エレクタ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007032002A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Nishimatsu Constr Co Ltd エレクタ装置

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