JPH11158483A - エステル系潤滑油組成物 - Google Patents

エステル系潤滑油組成物

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JPH11158483A
JPH11158483A JP9363347A JP36334797A JPH11158483A JP H11158483 A JPH11158483 A JP H11158483A JP 9363347 A JP9363347 A JP 9363347A JP 36334797 A JP36334797 A JP 36334797A JP H11158483 A JPH11158483 A JP H11158483A
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ester
acid
oil
carboxylic acid
animal
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JP9363347A
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Isao Shimizu
勲 清水
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YACHIYO RESEARCH KK
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YACHIYO RESEARCH KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境汚染、生分解性への影響、不溶分の生成な
どの問題が多いりん化合物を代替し得る、これと同等以
上の摩耗防止性を有する非りん系化合物を発見し、これ
を配合して成るエステル系潤滑油組成物を得る。 【解決手段】本発明は、エステル系合成油及び/又は動
植物油からなる潤滑油基油に、脂肪族多価カルボン酸、
芳香族多価カルボン酸、ヒドロキシ多価カルボン酸、エ
ステル化ヒドロキシ多価カルボン酸、アルコキシ多価カ
ルボン酸、ジグリコール酸などの多価カルボン酸のエス
テルを配合することにより、摩耗防止性が優れるエステ
ル系潤滑油組成物を得ることを特徴とする。これにより
生分解性作動油など、りん化合物を含有しない、環境問
題対応型のエステル系潤滑油組成物を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油組成物に関
する。詳しくは、環境問題対応型のエステル系潤滑油組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑油の耐摩耗性の向上には、りん化合
物の添加が有効であることが認められていて、りん酸ト
リクレジルに代表されるりん酸トリアリールや各種ジア
ルキルジチオりん酸亜鉛が摩耗防止剤として各種潤滑油
に広く使用されている。
【0003】近年、環境・公害対策の面から、生分解性
潤滑油や代替フロン用冷凍機油として動植物油、エステ
ル系合成油などのエステル系潤滑油材源が利用され始め
たが、摩耗防止剤としてりん化合物の使用は、環境汚
染、生分解性への影響、不溶分の生成などの問題があ
る。このため代替摩耗防止剤の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
りん化合物に代替できる摩耗防止剤の開発が課題になっ
ている。本発明は、りん化合物と同等以上の摩耗防止性
を有する非りん系化合物を発見し、これを摩耗防止剤と
して配合して成るエステル系潤滑油組成物を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、摩耗試験などを重ねて多くの化合物を評
価した結果、エステル系潤滑油組成物の添加剤として摩
耗防止性がいちじるしく優れる一群の非りん系化合物を
発見し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明が提供するものは、次の通りであ
る。 (1)エステル系合成油及び/又は動植物油から成る潤
滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボン酸基を有
し、かつカルボン酸基間の主鎖に置換基を有しないか、
又は炭素数が4以下のアルキル又はアルケニル基、ある
いはヒドロキシ又はエステル又はエーテル基などの置換
基を有する多価カルボン酸のエステルを0.02〜20
質量%含有することを特徴とする、エステル系潤滑油組
成物。
【0007】(2)エステル系合成油及び/又は動植物
油から成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボ
ン酸基を有し、かつカルボン酸基間の主鎖に置換基を有
しないか、又は炭素数が4以下のアルキル又はアルケニ
ル基などの置換基を有する、炭素数が2〜12の脂肪族
多価カルボン酸のエステルを0.02〜20質量%含有
することを特徴とする、エステル系潤滑油組成物。
【0008】(3)エステル系合成油及び/又は動植物
油から成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボ
ン酸基を有する、炭素数が8〜14の芳香族多価カルボ
ン酸のエステルを0.02〜20質量%含有することを
特徴とする、エステル系潤滑油組成物。
【0009】(4)エステル系合成油及び/又は動植物
油から成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボ
ン酸基を有する、炭素数が3〜10のヒドロキシ多価カ
ルボン酸のエステルを0.02〜20質量%含有するこ
とを特徴とする、エステル系潤滑油組成物。
【0010】(5)エステル系合成油及び/又は動植物
油から成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボ
ン酸基を有し、かつカルボン酸基間の主鎖に、エステル
又はエーテル基を有する、炭素数が4〜15の多価カル
ボン酸のエステルを0.02〜20質量%含有すること
を特徴とする、エステル系潤滑油組成物。
【0011】(6)エステル系合成油及び/又は動植物
油から成る潤滑油基油に、ジグリコール酸のエステルを
0.02〜20質量%含有することを特徴とする、エス
テル系潤滑油組成物。
【0012】本発明のエステル系潤滑油組成物の基油材
源としては、用途に応じて各種のエステル系化合物が使
用されるが、ラード油、菜種油、大豆油、ヒマワリ油な
どの動植物油、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトールなどの多価アルコールの脂肪酸エステルなどの
合成エステルが例示される。
【0013】上記(1)の多価カルボン酸のエステルを
構成する多価カルボン酸について説明する。カルボン酸
基間の主鎖に置換基を有しない多価カルボン酸として
は、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマ
ル酸、アジピン酸、スベリン酸、プロパントリカルボン
酸などの脂肪族多価カルボン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、ベン
ゼンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸、ジ
グリコール酸などが例示される。
【0014】カルボン酸基間の主鎖に炭素数が4以下の
アルキル又はアルケニル基を有する多価カルボン酸とし
ては、エチルマロン酸、メチルこはく酸、メチレンこは
く酸、ブチレンこはく酸などの脂肪族多価カルボン酸、
メチルフタル酸、エチルフタル酸などの芳香族多価カル
ボン酸などが例示される。
【0015】カルボン酸基間の主鎖にヒドロキシ基を有
する多価カルボン酸としては、りんご酸、酒石酸、くえ
ん酸、ヒドロキシフタル酸などのヒドロキシ多価カルボ
ン酸が例示される。
【0016】カルボン酸基間の主鎖に、エステル基を有
する多価カルボン酸としては、O−アセチルりんご酸、
O−アセチルくえん酸などのエステル化ヒドロキシ多価
カルボン酸、エーテル基を有する多価カルボン酸として
は、メトキシこはく酸、エトキシこはく酸などのアルコ
キシ多価カルボン酸が例示される。
【0017】カルボン酸基置換ヒドロキシ化合物として
は、各種のヒドロキシ化合物が使用出来る。エチルアル
コール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ラウ
リルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族飽
和アルコール、ビニルアルコール、オレイルアルコール
などの脂肪族不飽和アルコール、シクロヘキシルアルコ
ール、メチルシクロヘキシルアルコールなどの脂環族ア
ルコール、ベンジルアルコール、けい皮アルコールなど
の芳香族アルコール、フェノール、クレゾールなどのフ
ェノール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、
プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコ
ールモノエーテル、エチレングリコールモノブチルエス
テル、エチレングリコールモノオクチルエステルなどの
グリコールモノエステルやヒドロキシカルボン酸エステ
ルなどが例示される。
【0018】多価カルボン酸のエステルは、多価カルボ
ン酸とカルボン酸基置換ヒドロキシ化合物との組み合わ
せにより得られる。化合物の代表例として、しゅう酸ジ
メチル、しゅう酸ジエチル、しゅう酸ジブチル、しゅう
酸モノブチル、こはく酸ジメチル、マロン酸ジブチル、
こはく酸ジメチル、こはく酸ジブチル、こはく酸ジラウ
リル、こはく酸モノブチル、こはく酸モノオクチル、こ
はく酸モノイソステアリル、こはく酸モノシクロヘキシ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテルのこはく酸
モノエステル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジオク
チル、マレイン酸モノオレイル、マレイン酸モノシクロ
ヘキシル、アジピン酸モノオクチル、スベリン酸モノエ
チル、エチルマロン酸ジブチル、メチルこはく酸モノオ
クチル、メチレンこはく酸モノオクチルなどの脂肪族多
価カルボン酸のエステル、フタル酸ジブチル、フタル酸
モノオクチル、トリメリト酸ジオクチルなどの芳香族多
価カルボン酸のエステル、りんご酸ジブチル、りんご酸
モノオクチル、りんご酸モノイソステアリル、くえん酸
トリブチル、くえん酸トリオクチル、くえん酸ジオクチ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテルのくえん酸
ジエステルなどのヒドロキシ多価カルボン酸のエステ
ル、O−アセチルりんご酸ジブチル、O−アセチルくえ
ん酸トリブチル、O−アセチルくえん酸トリオクチル、
O−アセチルくえん酸ジオクチルなどのエステル化ヒド
ロキシ多価カルボン酸のエステル、メトキシこはく酸モ
ノオクチル、エトキシこはく酸モノオクチルなどのアル
コキシ多価カルボン酸のエステル、ジグリコール酸ジブ
チル、ジグリコール酸モノオクチルなどのジグリコール
酸のエステルなどが挙げられる。
【0019】上記(2)の脂肪族多価カルボン酸のエス
テルの多価カルボン酸は、カルボン酸基間の主鎖の炭素
結合状態により、飽和及び不飽和多価カルボン酸に分け
られる。
【0020】飽和多価カルボン酸としては、しゅう酸、
マロン酸、こはく酸、アジピン酸、スベリン酸、プロパ
ントリカルボン酸、エチルマロン酸、メチルこはく酸、
メチレンこはく酸、ブチレンこはく酸などが例示され
る。
【0021】不飽和多価カルボン酸としては、マレイン
酸、フマル酸、メチルマレイン酸、ムコン酸などが例示
される。
【0022】これらのカルボン酸基置換ヒドロキシ化合
物は、上記(1)の説明においてカルボン酸基置換ヒド
ロキシ化合物として記述したものと同様である。
【0023】脂肪族多価カルボン酸のエステルは、上記
の脂肪族多価カルボン酸とカルボン酸基置換ヒドロキシ
化合物との組み合わせにより得られる。化合物の代表例
として、しゅう酸ジメチル、しゅう酸ジエチル、しゅう
酸ジブチル、しゅう酸モノブチル、マロン酸ジブチル、
こはく酸ジメチル、こはく酸ジブチル、こはく酸ジラウ
リル、こはく酸モノブチル、こはく酸モノオクチル、こ
はく酸モノイソステアリル、こはく酸モノシクロヘキシ
ル、エチレングリコールモノオクチルエーテルのこはく
酸モノエステル、アジピン酸モノオクチル、スベリン酸
モノエチル、エチルマロン酸ジブチル、メチルこはく酸
モノオクチル、メチレンこはく酸モノオクチル、マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオク
チル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノオレイ
ル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチルなどが
挙げられる。
【0024】上記(3)の芳香族多価カルボン酸部分エ
ステルの芳香族多価カルボン酸は、ベンゼン多価カルボ
ン酸又はナフタレン多価カルボン酸で、ジカルボン酸と
してフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルフ
タル酸、エチルフタル酸、ナフタレンジカルボン酸な
ど、トリカルボン酸としてヘミメリト酸、トリメリト
酸、トリメシン酸など、テトラカルボン酸としてはベン
ゼンテトラカルボン酸などが例示される。カルボン酸基
置換ヒドロキシ化合物としては、上記(1)の説明にお
いてカルボン酸基置換ヒドロキシ化合物として記述した
ものと同じである。
【0025】芳香族多価カルボン酸のエステルの代表例
として、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタ
ル酸モノブチル、フタル酸モノオクチル、トリメリト酸
ジオクチル、トリメシン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0026】上記(4)のヒドロキシ多価カルボン酸の
エステルのヒドロキシ多価カルボン酸には、りんご酸、
酒石酸、くえん酸などが例示される。カルボン酸基置換
ヒドロキシ化合物は、上記(1)の説明においてカルボ
ン酸基置換ヒドロキシ化合物として記述したものと同じ
である。
【0027】ヒドロキシ多価カルボン酸のエステルの代
表例として、りんご酸ジブチル、りんご酸ジオクチル、
りんご酸モノブチル、りんご酸モノオクチル、りんご酸
モノイソステアリル、くえん酸トリブチル、くえん酸ト
リオクチル、くえん酸ジオクチル、くえん酸ジシクロヘ
キシル、くえん酸ジベンジル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテルのくえん酸ジエステル、酒石酸モノイソ
ステアリルなどが挙げられる。
【0028】上記(5)の多価カルボン酸のエステルの
多価カルボン酸としては、エステル化ヒドロキシ多価カ
ルボン酸、アルコキシ多価カルボン酸などがあり、エス
テル化ヒドロキシ多価カルボン酸として、O−アセチル
りんご酸、O−アセチルくえん酸など、アルコキシ多価
カルボン酸として、メトキシこはく酸、エトキシこはく
酸などが例示される。カルボン酸基置換ヒドロキシ化合
物は、上記(1)の説明においてカルボン酸基置換ヒド
ロキシ化合物として記述したものと同じである。
【0029】エステル化ヒドロキシ多価カルボン酸のエ
ステルの代表例として、O−アセチルりんご酸ジブチ
ル、O−アセチルりんご酸モノオクチル、O−アセチル
くえん酸トリブチル、O−アセチルくえん酸トリオクチ
ル、アルコキシ多価カルボン酸のエステルとして、アル
コキシこはく酸ジブチル、アルコキシこはく酸モノラウ
リルなどが挙げられる。
【0030】上記(6)のカルボン酸基置換ヒドロキシ
化合物は、上記(1)の説明においてカルボン酸基置換
ヒドロキシ化合物として記述したものと同じで、ジグリ
コール酸のエステルの代表例として、ジグリコール酸ジ
ブチル、ジグリコールモノオクチルなどが挙げられる。
【0031】上記の多価カルボン酸の部分エステルは、
0.02〜20質量%の範囲で好ましい性能が得られ
る。
【0032】本発明のエステル系潤滑油組成物には、必
要に応じて、従来より公知の酸化防止剤、錆止め剤、分
散剤、流動点降下剤、あわ消し剤などを、単独又は併用
して配合することができる。
【0033】潤滑油の耐荷重添加剤には、塩素化パラフ
ィン、硫化オレフィン、りん酸トリクレジルのような極
圧剤とステアリン酸、ラウリルアルコールのような油性
剤とがあり、前者は無機質反応膜、後者は吸着膜を摩擦
面に形成して、摩擦の減少、摩耗、焼付の防止に有効に
働くことが知られている。後者の場合、アルキル基間の
ファン・デル・ワールス力により強固な吸着膜を形成す
るといわれ、一般に炭素数が10以上の直鎖状長鎖アル
キル基の一端に極性基をもつ化合物が利用されている。
これに対し、本発明のエステル系潤滑油組成物に関わる
多価カルボン酸のエステルは、化学構造的には油性剤に
分類されるものであるが、ステアリン酸などの従来の油
性剤とは異なった作用機構を有するものである。
【0034】本発明のエステル系潤滑油組成物に関わる
多価カルボン酸のエステルにおいては、耐荷重性の発現
に多価カルボン酸主鎖への長鎖アルキル基の導入を必要
としない。またカルボン酸基置換基についても耐荷重性
に関しては長鎖アルキル基であることを必要とせず、基
油に対して溶解性をもたせることに主たる意味がある。
このことは、本発明のエステル系潤滑油組成物に関わる
多価カルボン酸のエステルの作用機構が、従来の油性剤
とは全く異なったものであることを示している。
【0035】これらの化合物の作用機構については、強
固な吸着膜の形成を、官能基間の水素結合力により発現
しているものと考えている。
【0036】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもと
づいて表について説明する。摩耗試験条件は実施例の項
に記した通りである。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】表1の実施例1〜18は、代表的動植物油
の菜種油に対する各種多価カルボン酸のエステルの添加
効果を示したもので、比較例1の基油と比較して摩耗防
止性がいちじるしく優れ、比較例2の油性剤として代表
的なオレイン酸添加油より優れ、また摩耗防止剤として
代表的なりん酸トリクレジル配合油と同等以上の性能を
示している。この結果は本発明の多価カルボン酸の部分
エステル配合油に共通したものである。
【0041】表2の実施例19〜37は、代表的エステ
ル系合成油のペンタエリスリトールテトラエステルに対
する各種多価カルボン酸のエステルの添加効果を示した
もので、比較例4の基油や比較例5のオレイン酸添加油
より摩耗防止性がいちじるしく優れ、またりん酸トリク
レジル配合油と同程度の性能を示している。この結果は
本発明の多価カルボン酸のエステル配合油に共通したも
のである。
【0042】表3の実施例38〜41は、酸化防止剤な
どを含有する本発明のエステル系潤滑油組成物で、同様
に優れた耐荷重性を示している。
【0043】
【実施例】表1、表2、表3に示した実施例の摩耗試験
条件は次の通りである。シェル式四球試験機により、玉
軸受用鋼球を用い、回転数 1,440rpm、荷重
98N、時間 30分の条件で実施し、固定球の摩耗痕
径を求めた。
【0044】配合油の基油内容は、下記の通りである。 基油A:菜種油 基油B:ペンタエリスリトールC〜C脂肪酸テトラ
エステル 基油C:トリメチロールプロパンC〜C脂肪酸トリ
エステル
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0046】(1)エステル系合成油及び/又は動植物
油からなる潤滑油基油に、脂肪族多価カルボン酸、芳香
族多価カルボン酸、ヒドロキシ多価カルボン酸、エステ
ル化ヒドロキシ多価カルボン酸、アルコキシ多価カルボ
ン酸、ジグリコール酸などの多価カルボン酸のエステル
を配合することにより、りん化合物を含有しない、摩耗
防止性が優れるエステル系潤滑油組成物を得ることがで
きる。 (2)これにより生分解性さどう油など、各種の環境問
題対応型のエステル系潤滑油組成物を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 30:06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エステル系合成油及び/又は動植物油から
    成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボン酸基
    を有し、かつカルボン酸基間の主鎖に置換基を有しない
    か、又は炭素数が4以下のアルキル又はアルケニル基、
    あるいはヒドロキシ又はエステル又はエーテル基などの
    置換基を有する多価カルボン酸のエステルを0.02〜
    20質量%含有することを特徴とする、エステル系潤滑
    油組成物。
  2. 【請求項2】エステル系合成油及び/又は動植物油から
    成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボン酸基
    を有し、かつカルボン酸基間の主鎖に置換基を有しない
    か、又は炭素数が4以下のアルキル又はアルケニル基な
    どの置換基を有する、炭素数が2〜12の脂肪族多価カ
    ルボン酸のエステルを0.02〜20質量%含有するこ
    とを特徴とする、エステル系潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】エステル系合成油及び/又は動植物油から
    成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボン酸基
    を有する、炭素数が8〜14の芳香族多価カルボン酸の
    エステルを0.02〜20質量%含有することを特徴と
    する、エステル系潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】エステル系合成油及び/又は動植物油から
    成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボン酸基
    を有する、炭素数が3〜10のヒドロキシ多価カルボン
    酸のエステルを0.02〜20質量%含有することを特
    徴とする、エステル系潤滑油組成物。
  5. 【請求項5】エステル系合成油及び/又は動植物油から
    成る潤滑油基油に、1分子中に2個以上のカルボン酸基
    を有し、かつカルボン酸基間の主鎖に、エステル又はエ
    ーテル基を有する、炭素数が4〜15の多価カルボン酸
    のエステルを0.02〜20質量%含有することを特徴
    とする、エステル系潤滑油組成物。
  6. 【請求項6】エステル系合成油及び/又は動植物油から
    成る潤滑油基油に、ジグリコール酸のエステルを0.0
    2〜20質量%含有することを特徴とする、エステル系
    潤滑油組成物。
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