JPH11158392A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH11158392A
JPH11158392A JP26952398A JP26952398A JPH11158392A JP H11158392 A JPH11158392 A JP H11158392A JP 26952398 A JP26952398 A JP 26952398A JP 26952398 A JP26952398 A JP 26952398A JP H11158392 A JPH11158392 A JP H11158392A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性、高耐トラッキング性、及び優れた機
械特性を同時に示す熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)熱可塑性樹脂 100重量部、
(B)ハロゲン系難燃剤5〜80重量部および(C)ホ
ウ酸アルミニウムウィスカー 5〜200重量部からな
る樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂組成物に関し、
さらに詳しくは優れた耐熱性、機械特性、難燃性、およ
び電気特性を示す熱可塑性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂はその優れた成形加工性か
ら様々な用途に使用され、中でもエンジニアリングプラ
スチックは、その耐熱性を生かして自動車部品や機構部
品、電気電子部品への利用が拡大している。電気電子部
品の分野においては、部品の軽薄短小化、高性能化等が
進む一方、使用時の安全性や生産性、再生資源の活用性
等が求められている。このため熱硬化性樹脂より熱可塑
性樹脂が、中でも耐熱性、成形加工性、耐薬品性に優
れ、難燃化も容易なポリエステル樹脂を中心にその用途
を伸ばしている。
【0003】これら熱可塑性樹脂は電気電子部品に使用
される際には、その製品の強度や安全性を高めるため
に、通常、繊維状補強材により強化され、臭素系難燃剤
に代表されるハロゲン系難燃剤が配合されて難燃化され
る。
【0004】しかしながら、電気絶縁性のひとつの尺度
である耐トラッキング性については、熱可塑性樹脂自身
良好な特性をもちながらも、これら強化、難燃化するこ
とにより著しく低下してしまい、難燃化しているにもか
かわらず別の面からの火災の危険性が高まるという問題
があった。
【0005】この熱可塑性樹脂の耐トラッキング性を改
良するために多くの試みがなされてきている。例えば、
金属酸化物、金属ケイ酸塩化合物の配合等が提案されて
いるが、それらは機械特性の低下をもたらすものが多か
った。
【0006】このようななかで、機械特性、難燃性及び
耐トラッキング性を兼ね備えた熱可塑性樹脂が強く望ま
れていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事情を
背景としてなされたものであり、機械特性、難燃性及び
耐トラッキング性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得るこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、機械特
性、難燃性および耐トラッキング性を兼ね備えた熱可塑
性樹脂組成物を得るべく鋭意研究した結果、ハロゲン系
難燃剤を配合した熱可塑性樹脂をホウ酸アルミニウムウ
ィスカーで強化した熱可塑性樹脂組成物が、他のウィス
カーでは見られない効果を発揮することを知見し、該組
成物は上述の目的に合致することを見いだし本発明に到
達した。
【0009】すなわち本発明は、(A)熱可塑性樹脂
100重量部、(B)ハロゲン系難燃剤 5〜80重量
部および(C)ホウ酸アルミニウムウィスカー 5〜2
00重量部からなる樹脂組成物である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる(A)成分の熱可塑性樹脂は、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ABS、ポリスチレン等の汎用プ
ラスチックス;芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボ
ネート(以下、PCと略記することがある)、ポリアミ
ド、ポリオキシメチレン、変性ポリフェニレンエーテル
等のエンジニアリングプラスチックス;芳香族ポリアミ
ドや、PPS、液晶ポリマー等のスーパーエンジニアリ
ングプラスチックス等を対象とする。
【0011】耐熱性、耐熱老化性等の電気電子部品への
適性という観点からの芳香族ポリエステル、芳香族ポリ
カーボネートおよびポリアミドが好ましく、就中、特性
バランス、成形加工性や経済性の観点から芳香族ポリエ
ステルおよび芳香族ポリカーボネートが好ましい。芳香
族ポリエステルとしては特にポリブチレンテレフタレー
ト(以下、PBTと略記することがある)が好ましい。
【0012】これら(A)成分の熱可塑性樹脂は、1種
のみならず2種以上の混合物でもよく、またその一部が
他の共重合性成分により共重合されたものでもよい。共
重合の場合、その共重合割合は40モル%以下が好まし
い。
【0013】(A)成分の熱可塑性樹脂の重合度は、機
械特性及び成形時の流動性を著しく損なわない範囲のも
のが選択される。例えば、熱可塑性ポリエステルの場
合、その極限粘度数がo−クロロフェノールを用い35
℃で測定したとき0.5〜1.5のものを好ましく用い
ることができ、0.6〜1.2の極限粘度のものが特に
好ましい。また、芳香族ポリカーボネートの場合には、
分子量15000以上のものを好ましく用いることがで
き、分子量18000〜30000のものが特に好まし
い。
【0014】(A)成分の熱可塑性樹脂の製造方法はそ
れぞれ公知の方法を用いることができる。芳香族ポリエ
ステルを例にとると、それらは通常の製造方法、例えば
溶融重縮合反応またはこれと固相重縮合反応とを組み合
わせた方法等によって製造できる。
【0015】例えばポリブチレンテレフタレートの製造
例について説明すると、テレフタル酸またはそのエステ
ル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチル
エステル等の低級アルキルエステル)とテトラメチレン
グリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを触媒の
存在下、加熱反応させ、得られるテレフタル酸のグリコ
ールエステルを触媒の存在下、所定の重合度まで重合反
応させる方法によってポリブチレンテレフタレートを製
造することができる。
【0016】また、二価フェノールとしてビスフェノー
ルAを用いる最も代表的な芳香族ポリカーボネートにつ
いては、ビスフェノールAアルカリ水溶液と塩化メチレ
ン混合液に気体または液体のホスゲンを加え触媒存在下
または触媒なしで重合する方法、またはビスフェノール
Aとジフェニルカーボネートとをエステル交換触媒存在
下に副生するフェノールを除去しつつエステル交換反応
させる方法によって製造することができる。
【0017】本発明に用いられる(B)成分のハロゲン
系難燃剤は一般に難燃剤として用いられているものであ
り、ハロゲンとしては臭素及び塩素が好ましい。
【0018】このハロゲン系難燃剤の具体的な例として
は、例えば臭素化ポリスチレン、架橋化された臭素化ポ
リスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂及び/またはその末端グ
リシジル基の一部または全部を封鎖した変性物、臭素化
アクリル樹脂、臭素化ビスフェノール−Aを原料として
製造されるポリカーボネートオリゴマー、臭素化ビフェ
ニルエーテル、臭素化ジフタルイミド化合物、塩素化ヘ
キサペンタジエンの2量体等が代表的なものとして例示
できる。中でも耐トラッキング性の低下作用の少ない臭
素化ポリスチレンが特に好ましい。
【0019】これらのハロゲン系難燃剤の配合量は、
(A)成分の熱可塑性樹脂100重量部当たり5〜80
重量部である。この配合量が5重量部より小さいと、熱
可塑性樹脂組成物の難燃化効果が十分でなく、また80
重量部より大きいと組成物の流動性、機械特性等が劣っ
てくるため好ましくない。
【0020】本発明に用いられる(C)成分のホウ酸ア
ルミニウムウィスカーは、一般式nAl23・mB23
で表わされるホウ酸アルミニウムの針状結晶体である。
その形状は平均繊維径0.1〜5μmのものが好まし
く、熱可塑性樹脂への配合前の平均繊維長1〜50μm
のものが好ましい。
【0021】ホウ酸アルミニウムとしては例えば、9A
23・2B23、2Al23・B23、Al23・B
23等の化学式で表わされるものが挙げられ、就中、化
学式9Al23・2B23で表わされるものが好まし
い。
【0022】本発明に用いられる(C)成分のホウ酸ア
ルミニウムウィスカーは、熱可塑性樹脂との親和性を高
め、補強効果をより向上させるためその表面をシランカ
ップリング剤等で表面処理を施したものを用いてもよ
い。
【0023】(A)成分の熱可塑性樹脂は、それ自身の
特性としては良好な耐トラッキング性を示すものが多
く、例えば代表的な芳香族ポリエステルであるポリブチ
レンテレフタレートは相対トラッキング指数(CTI)
として600V以上という最高クラスの値を示す。とこ
ろが、PBTに機械特性や燃焼性を改良するためにガラ
ス繊維や(B)成分のハロゲン系難燃剤を配合すると、
一般にその耐トラッキング性は著しく低下する。
【0024】しかしながら、(A)熱可塑性樹脂に
(B)ハロゲン系難燃剤を配合した組成物に更に(C)
ホウ酸アルミニウムウィスカーを配合すると、難燃性が
付与された状態でその耐トラッキング性が著しく改良さ
れ、かつ良好な機械特性をも示す組成物を得ることがで
きた。
【0025】更にガラス繊維や同様な形状を持つ他のウ
ィスカーでは、補強効果は現れるものの耐トラッキング
性の向上効果は全く現れず、この効果はホウ酸アルミニ
ウムウィスカーに特有の効果である。
【0026】本発明に用いられる(C)成分のホウ酸ア
ルミニウムウィスカーの配合量は、(A)成分の熱可塑
性樹脂100重量部当たり5〜200重量部、好ましく
は5〜100重量部、さらに好ましくは10〜100重
量部である。この配合量が5重量部より少ないときには
耐トラッキング性改良効果や機械特性の補強効果が不十
分であり、また200重量部より多くなると組成物の流
動性等の成形加工性が劣るようになる。
【0027】本発明において、難燃性を高めるために
(B)成分のハロゲン系難燃剤と相乗作用のある(D)
アンチモン系難燃助剤をさらに配合することが好まし
い。
【0028】本発明において用いられることある(D)
成分のアンチモン系難燃助剤は(B)成分の臭素系難燃
剤と相乗効果を示すものであり、その配合によりPBT
樹脂の難燃性を更に高める働きを得ることができるもの
である。
【0029】(D)アンチモン系難燃助剤としては三酸
化アンチモン、四酸化アンチモン、(NaO)p・(S
25)・qH2O(p=0〜1、q=0〜4)で表さ
れる五酸化アンチモンまたはアンチモン酸ナトリウムを
使用することができる。粒径は0.02〜5μmが好ま
しい。
【0030】これら(D)成分の難燃助剤は1種のみの
配合であっても2種以上の化合物の併用であってもよ
く、また、アンチモン系難燃助剤は必要に応じてエポキ
シ化合物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタ
ネート化合物等で表面処理することができる。
【0031】これらの(D)成分の難燃助剤の配合量は
(B)成分のハロゲン系難燃助剤のハロゲン原子2〜5
に対しアンチモン原子1の割合にあるときが適当であ
り、好ましくは熱可塑性樹脂100重量部当り1〜20
重量部である。この配合量が1重量部より少ないときに
は難燃助剤としての効果が小さく、また20重量部より
多いときにはそれ以上の配合による効果の増大が期待さ
れないばかりでなく、熱可塑性樹脂組成物の機械特性や
流動性等の成形性等が劣ってくるため好ましくない。
【0032】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて顔
料その他の配合剤をその発現量添加してもよい。このよ
うな配合剤としては充填剤、例えばガラス繊維、アラミ
ド繊維、炭素繊維、スチール繊維、アスベスト、セラミ
ック繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の繊維状物、
カオリン、クレー、ウォラストナイト、タルク、マイ
カ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズガラ
スフレークス等の粉末状、粒状あるいは板状の無機充填
材が例示できる。
【0033】また、耐熱性向上を目的としてヒンダード
フェノール化合物、芳香族アミン化合物、有機リン化合
物、硫黄化合物等の酸化防止剤あるいは熱安定剤を添加
することもできる。また溶融粘度安定性、耐加水分解性
の改良等の目的には、各種のエポキシ化合物、オキサゾ
リン化合物等を添加してもよい。
【0034】エポキシ化合物としては、例えばビスフェ
ノール−Aとエピクロルヒドリンを反応させて得られる
ビスフェノール−A型エポキシ化合物、各種グリコール
やグリセロールとエピクロルヒドリンとの反応から得ら
れる脂肪族グリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ
化合物、芳香族または脂肪族カルボン酸型エポキシ化合
物、脂環化合物型エポキシ化合物が好ましく、オキサゾ
リン化合物としては芳香族または脂肪族ビスオキサゾリ
ン、特に2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,
2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ま
しい。
【0035】その他安定剤、着色剤、衝撃改良剤、滑
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ハロゲン系以外の難燃
剤、アンチモン系以外の難燃助剤の添加もできる。ハロ
ゲン系以外の難燃剤としては、赤リンや有機リン化合物
が、またアンチモン系以外の難燃助剤としては、酸化
鉄、酸化亜鉛、硼酸亜鉛、錫酸亜鉛等の金属化合物が例
示できる。
【0036】更にまた、少量の割合でポリアミドエラス
トマー、ポリエステルエラストマー等のエラストマーや
フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を配合してもよ
い。
【0037】本発明の樹脂組成物は、これらの配合成分
が均一に分散されていることが好ましく、その配合方法
は任意の方法を用いることができる。例えば配合成分の
全部または一部を加熱した単軸、二軸等の押出機に一括
または分割して供給し、溶融混練により均質化された後
に針金状に押出された溶融樹脂を冷却固化させ、次いで
所望の長さに切断して粒状化する方法があるが、ホウ酸
アルミニウムウィスカーの補強効果を十分発揮させるた
めには、二軸押出機を用い、更にホウ酸アルミニウムウ
ィスカーを押出機バレルの中間過程に設けられた供給口
より別途投入する方法が好ましい。またブレンダー、ニ
ーダー、ロール等他の混合機を用いた方法でもよく、更
にこれらを組合わせて用いたり、複数回繰り返すことに
より配合成分を順次加える方法等もとることができる。
【0038】このようにして造られた成形用樹脂組成物
から樹脂成形品を得るには、通常十分乾燥された状態に
保ったまま射出成形機等の成形機に供して成形する。更
にまた、樹脂組成物の構成原料をドライブレンドして直
接成形機ホッパー内に投入し成形機中で溶融混練するこ
とも可能である。
【0039】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。なお、
実施例中の各種特性の測定は以下の方法によった。表1
の単位は重量部単位である。
【0040】(1)機械特性:引張試験はASTM D
638に、曲げ試験はASTM D790にそれぞれ準
拠。
【0041】(2)荷重たわみ温度:ASTM D64
8に準拠。
【0042】(3)燃焼性:米国アンダーライターラボ
ラトリー社の定める方法(UL94)により評価した。
試験片厚さは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
では0.8mm、芳香族ポリカーボネート(PC)では
1.6mmである。
【0043】(4)相対トラッキング指数(CTI):
IEC規格 Publ.112 第2版に準拠。
【0044】(5)PBTの極限粘度数:溶媒としてo
−クロロフェノールを用い、オストワルド粘度管により
35℃にて測定。
【0045】[実施例1〜4及び比較例1〜6] (A)130℃で8時間熱風乾燥した、極限粘度数0.
88のPBT(帝人(株)製)、(A)120℃で8時
間熱風乾燥したPC(パンライト L−1225:帝人
化成(株)製)、(B)臭素化ポリスチレン(PDBS
80:米国GLC社製)、(C)アミノシランにて表面
処理されたホウ酸アルミニウムウィスカー(アルボレッ
クス YS−3A:平均繊維径 0.5〜1.0μm、
平均繊維長 10〜30μm:四国化成工業(株)製)
(D)三酸化アンチモン(PATOX−M:日本精鉱
(株)製)、及びガラス繊維(平均繊維径 13μm、
3mmチョップドストランド:日本電気硝子(株)社
製)を表1に示す割合にて、スクリュー径各44mmの
ベント付き二軸押出機を用いて真空に引きながら溶融混
錬した。混錬条件はPBTを用いる場合はシリンダー温
度250℃、スクリュー回転数120rpm、吐出量3
0kg/hrにて、またPCを用いる場合はシリンダー
温度300℃、スクリュー回転120rpm、吐出量3
0kg/hにて行い、ダイスから吐出するスレッドを冷
却切断して成形用ペレットを得た。なお(C)ホウ酸ア
ルミニウムウィスカーとガラス繊維は、中間供給口よ
り、他成分は主供給口より投入した。
【0046】次いでこのペレットを用いて射出容量5オ
ンスの射出成形機にて各特性測定用の成形品を成形し
た。成形条件は、PBTを用いる場合はシリンダー温度
250℃、金型温度60℃、射出圧力60MPa、冷却
時間12秒、および全成形サイクル40秒にて、またP
Cを用いる場合はシリンダー温度300℃、金型温度1
00℃、射出圧力80MPa、冷却時間15秒、及び全
サイクル45秒にて行った。
【0047】また比較として、(C)ホウ酸アルミニウ
ムウィスカーの代わりに、チタン酸カリウムウィスカー
(タイブレックス:平均繊維径 ≦1μm、平均繊維長
20μm:川鉄鉱業(株)製)、炭酸カルシウムウィ
スカー(ウィスカル:平均繊維径 0.5〜1.0μ
m、平均繊維長 20〜30μm:丸尾カルシウム
(株)製)を用いた他は上記と同様の方法にて、表1に
示した組成割合(重量部を単位とする)での押出、成形
を行った。
【0048】
【表1】
【0049】これらの成形品を用いて各特性を測定し
た。それらの結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】PBTはそれ自身高いCTI値を示すが、
難燃性に劣りまた機械特性も不十分である(比較例
1)。このPBTに臭素系難燃剤を配合することによ
り、その難燃性を高めることができるが、その組成のC
TI値は著しく低くなる(比較例2)。また難燃化され
たPBTをガラス繊維で補強すると、そのCTI値は更
に低下する(比較例3)。
【0052】しかしながら、難燃化されたPBTにホウ
酸アルミニウムウィスカーを配合すると、難燃化されな
がら高いCTI値を示し、更に補強効果も同時に達成さ
れる(実施例1)。この効果はホウ酸アルミニウムウィ
スカーをガラス繊維と併用しても同様に発現される(実
施例2〜3)。
【0053】他の同形状のウィスカーをホウ酸ウィスカ
ーに替えて試験したが、それらでは難燃性と補強効果は
得られるものの、CTI値については全く向上せず、ホ
ウ酸アルミニウムウィスカーが特異的な効果を発現して
いることがわかる(比較例4〜5)。
【0054】更に、PCを用いた場合においても同様の
効果が発現している(実施例4、比較例6)。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン系難燃剤で難
燃化された熱可塑性樹脂にホウ酸アルミニウムウィスカ
ーを配合することにより、難燃性と高い耐トラッキング
性を併せ持ち、かつ優れた機械特性を示す樹脂組成物を
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 69/00 C08L 69/00 //(C08L 67/02 25:18)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂 100重量部、
    (B)ハロゲン系難燃剤 5〜80重量部および(C)
    ホウ酸アルミニウムウィスカー 5〜200重量部から
    なる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性樹脂 100重量部、
    (B)ハロゲン系難燃剤 5〜80重量部、(C)ホウ
    酸アルミニウムウィスカー 5〜100重量部および
    (D)アンチモン系難燃助剤 1〜20重量部からなる
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(A)が芳香族ポリエステ
    ルである請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリエステルがポリブチレンテレ
    フタレートである請求項3項記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート
    である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ハロゲン系難燃剤(B)が臭素化ポリス
    チレンである請求項1から5の何れかに記載の樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013057008A (ja) * 2011-09-08 2013-03-28 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリエステル樹脂組成物及び成形体

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