JPH11158317A - スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法及び発泡体 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法及び発泡体

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JPH11158317A
JPH11158317A JP9326340A JP32634097A JPH11158317A JP H11158317 A JPH11158317 A JP H11158317A JP 9326340 A JP9326340 A JP 9326340A JP 32634097 A JP32634097 A JP 32634097A JP H11158317 A JPH11158317 A JP H11158317A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境適合性に優れ、且つ発泡体物性に優れ、
押出し安定性に優れたスチレン系樹脂押出発泡体の製造
方法を提供する。 【解決手段】 スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高圧条
件下で、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲル
となし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルを
ダイを通して低圧の領域に押出発泡してなるスチレン系
樹脂押出発泡体の製造方法において、発泡剤が主とし
て、発泡剤全量に対して60重量%を超える炭素数3〜
5の飽和炭化水素から選ばれた1種または2種以上の炭
化水素と、発泡剤全量に対して40重量%未満のジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエー
テルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエー
テルとを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断熱性スチレン系樹
脂押出発泡体の製造方法、及び製造された発砲体に関す
る。さらに詳しくは、発泡剤が主として、発泡剤全量に
対して60重量%を超える炭素数3〜5の飽和炭化水素
から選ばれた1種または2種以上の炭化水素と、発泡剤
全量に対して40重量%未満のジメチルエーテル、ジエ
チルエーテルおよびメチルエチルエーテルよりなる群か
ら選ばれた1種または2種以上のエーテルとを含むこと
を特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法及び
製造された発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂の発泡体を得る方法とし
て、スチレン系樹脂を押出機等にて可塑化し、これに揮
発性有機発泡剤を注入混合し、更にこの混合物を良好な
発泡体を得るに適する温度まで冷却させ、これを低圧域
に押し出すことによりスチレン系樹脂発泡体を連続的に
製造する方法が、例えば特公昭31−5393号公報
や、特公昭42−19195号公報において開示されて
いる。
【0003】この公知技術において、発泡剤として、毒
性が少なく不燃性で化学的に安定な塩素原子含有ハロゲ
ン化炭素(以下、CFCと略す)が使用されてきたが、
オゾン層を破壊する惧れが指摘され、その改善を目的と
して、塩素原子を部分的に水素化した塩素原子含有ハロ
ゲン化炭化水素(以下、HCFCと略す)を用いる方法
が、例えば特公昭41−672号公報や、特公昭57−
7175号公報において開示されている。しかしなが
ら、HCFCを使用してオゾン層保護、地球環境の保護
が十分とはいえないため、更に好適な発泡剤の検討がな
されている。
【0004】また、塩化メチルを発泡剤として用いるこ
とが、特開昭47−953号公報、特開昭47−959
3号公報、特開昭52−17574号公報や特開昭52
−94366号公報に開示されている。これら公知方法
によれば、塩化メチルは、スチレン系樹脂の可塑化性能
が高く、押出圧力を低下させて製造することが可能であ
りスチレン系樹脂発泡体の製造に寄与する上、スチレン
系樹脂発泡体に対して透過性が極めて大きいため該発泡
体中に残存し難く、発泡体の形状安定性等において好ま
しい発泡剤とされている。また、特開平1−17454
0号公報においては、易透過性の塩化メチルと難透過性
のイソブタン、n−ブタンを組み合わせて発泡剤として
使用することで断熱性に優れた発泡体が得られるとして
いる。
【0005】しかしながら、1992年度の日本産業衛
生学会の勧告では、環境、特に労働環境における塩化メ
チルの許容濃度が定められ、その取扱には注意と対策が
望まれており、可能であるならば代替していくことが好
ましい。
【0006】このような観点から、塩素原子を分子中に
含有しない炭化水素やフッ素化炭化水素(以下、HFC
と略す)、エーテル類、二酸化炭素等の無機ガスを発泡
剤として使用することが提案されてきた。
【0007】例えば特表平7−507087号公報にお
いて、特定量以上の断面積のスチレン系押出し発泡体を
得る技術として、その請求項の中でジメチルエーテル等
の特定のエーテルを発泡剤として使用することが開示さ
れている。その詳細な説明の中で、発泡体全重量に対し
て10重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に特
に厚い発泡体を得ようとする場合には40重量%以上の
特定のエーテルを使用することが開示されている。ま
た、その際に5〜55重量%の二酸化炭素と70重量%
までの炭素数3〜5の飽和炭化水素、HFC、特定の沸
点のアルコール、ケトンを混合させることが開示されて
いる。
【0008】しかし、前記公報においては、発泡剤とし
てエーテルを必須成分とする以外は、二酸化炭素、飽和
炭化水素、HFC、アルコール、ケトンなどが非常に広
い範囲で自由に組み合わせることができるように列挙さ
れている。しかし、一般的に発泡状態を決定する重要な
因子であるポリスチレン樹脂に対する透過性能、飽和含
浸量、可塑化性能等の特性値や臨界温度、臨界圧力、蒸
気圧、沸点等の物理量はこれらの物質について大きく異
なっており、例えばジメチルエーテルと二酸化炭素とイ
ソブタンを比較した場合、特定条件下でのポリスチレン
に対する透過速度は、ジメチルエーテル、二酸化炭素は
イソブタンの数千倍にもなり、可塑化性能に関しては等
量をポリスチレンに添加した場合、二酸化炭素よりイソ
ブタン、イソブタンよりもジメチルエーテルの方が可塑
化性能に優れることからも、これら発泡剤の組み合わせ
に関して取扱方法は異なると考えられる。しかしなが
ら、前記公報における具体的な実施例は、ジメチルエー
テル単独、ジメチルエーテルと二酸化炭素、ジメチルエ
ーテルとエタノール、ジメチルエーテルとエタノールと
二酸化炭素の組み合わせの例のみであり、飽和炭化水
素、HFC、ケトンについてはその使用方法、及び適切
な量的範囲について具体的に開示されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、一般に断熱材などとして好適に使用しうる
スチレン系樹脂押出発泡体を製造するに際して、環境適
合性に優れ、且つ発泡体物性に優れ、押出し安定性に優
れたスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法及び製造され
た発泡体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の解決のため鋭意研究の結果、スチレン系樹脂を加熱溶
融させ、高圧条件下で、発泡剤を該スチレン系樹脂に注
入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度に冷却
し、該流動ゲルをダイを通して低圧の領域に押出発泡し
てなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法において、
発泡剤に主として、発泡剤全量に対して60重量%を超
える炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種また
は2種以上の炭化水素と、発泡剤全量に対して40重量
%未満のジメチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメ
チルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種または
2種以上のエーテルとを含ませることで、環境適合性に
優れ、且つ発泡体物性に優れたスチレン系樹脂押出発泡
体を押出し安定性よくうることができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、(1)スチレン系樹脂
を加熱溶融させ、高圧条件下で、発泡剤を該スチレン系
樹脂に注入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する温度
に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧の領域に押出
発泡してなるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法にお
いて、発泡剤が主として、発泡剤全量に対して60重量
%を超える炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1
種または2種以上の炭化水素と、発泡剤全量に対して4
0重量%未満のジメチルエーテル、ジエチルエーテルお
よびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれた1種
または2種以上のエーテルとを含むことを特徴とするス
チレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
【0012】さらに本発明は、(2)発泡剤全量に対し
て炭化水素が70重量%を超え、エーテルが30重量%
未満であることを特徴とする前記(1)記載のスチレン
系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
【0013】さらに本発明は、(3)エーテルがジメチ
ルエーテルであることを特徴とする前記(1)または
(2)記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関
する。
【0014】さらに本発明は、(4)前記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の方法により製造されたスチレ
ン系樹脂押出発泡体に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるスチレン系樹
脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモ
スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキ
シレン等の単独重合体または2種以上の組合わせからな
る共重合体や、これらとジビニルベンゼン、ブタジエ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン
酸、無水イタコン酸などの単量体の1種または2種以上
とを共重合させた共重合体などが挙げられる。アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などは、製造さ
れたスチレン系樹脂押出発泡体の圧縮強度等の物性を低
下させない範囲内で用いることができる。また、これら
は共重合させるのではなく、前記スチレン系単量体の単
独重合体または共重合体と前記他の単量体の単独重合体
または共重合体とのブレンド物であってもよく、ジエン
系ゴム強化ポリスチレンやアクリル系ゴム強化ポリスチ
レンをブレンドすることもできる。
【0016】本発明においては、これらのスチレン系樹
脂のなかでポリスチレン樹脂が特に好適に使用すること
ができる。
【0017】本発明では、発泡剤は主として、発泡剤全
量に対して、炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた
1種以上の飽和炭化水素が60重量%を超え、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエーテ
ルよりなる群から選ばれた1種以上のエーテルが40重
量%未満とが組み合わせて用いられる。好ましくは、発
泡剤が、発泡剤全量に対して、炭素数3〜5の飽和炭化
水素から選ばれた1種以上の炭化水素を70重量%を超
え95重量%以下と、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テルおよびメチルエチルエーテルよりなる群から選ばれ
た1種以上のエーテルを5重量%以上30重量%未満と
を含む。さらに好ましくは、発泡剤が、発泡剤全量に対
して、炭素数3〜5の飽和炭化水素から選ばれた1種以
上の炭化水素を70重量%を超え85重量%以下と、ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチル
エーテルよりなる群から選ばれた1種以上のエーテルを
15重量%以上30重量%未満とを含む。
【0018】発泡剤にエーテルが含まれない場合には、
可塑化効果が期待できないが、5重量%以上、とくに1
5重量%以上含まれることでより可塑性が向上し、押出
圧力を低減し安定的に発泡体の製造が可能となる。ま
た、エーテルが40重量%以上の場合、可塑性が高す
ぎ、押出機内のスチレン系樹脂と発泡剤との混練状態が
不均一となりガス塊が発生することがありダイから噴出
するなど押出機の圧力制御が難しくなる傾向があり、ま
た得られる発泡体も表面が溶解し外観がケロイド状にな
ることがあり、さらに発泡体物性が低下する傾向を有す
る。この点から、エーテルは30重量%未満であるのが
より好ましい。
【0019】本発明で使用される炭素数3〜5の飽和炭
化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、
n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の炭化水
素を用いることができる。これら炭化水素は単独または
2種以上を混合して使用できる。
【0020】本発明における発泡剤のスチレン系樹脂に
対する配合量は、発泡倍率の設定値などに応じて適宜か
わかるものであるが、通常、発泡剤の合計量をスチレン
系樹脂100重量部に対して4〜20重量部とするのが
好ましい。発泡剤の量が前記範囲未満では発泡倍率が低
く樹脂発泡体としての軽量、断熱等の特性が発揮されに
くく、一方前記範囲を超えると過剰な発泡剤量のため発
泡体中にボイドなどの不良を生じることがある。
【0021】本発明においては、更に本発明の効果を阻
害しない範囲で、必要に応じて、その他の発泡剤を、例
えば、発泡剤全量に対して25重量%以下で添加するこ
とができる。このような発泡剤としては、例えば、1,
1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、
1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフ
ルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,
1,2,2−ペンタフルオロエタン、ジフルオロメタ
ン、トリフルオロメタンなどのフッ素化炭化水素、二酸
化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機ガ
ス、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイ
ソアミルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチル
フラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランに例
示されるジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル
エチルエーテル以外のエーテル、蟻酸メチルエステル、
蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチ
ルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチル
エステル、プロピオン酸エチルエステルなどのカルボン
酸エステル類、メタノール、エタノール、プロピルアル
コール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、
i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールに例示さ
れるアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチ
ルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチル
n−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチル
n−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトンに例示さ
れるケトン類などを用いることができる。これらは単独
又は2種以上混合して使用することが可能である。
【0022】本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、ス
チレン系樹脂を加熱溶融させ、高圧条件下で、発泡剤を
該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲルとなし、押出発泡
に適する温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧
の領域に押出発泡して、スチレン系樹脂押出発泡体を形
成することにより製造される。
【0023】スチレン系樹脂を加熱溶融する際の加熱温
度、溶融時間及び溶融手段については特に制限するもの
ではない。加熱温度は、スチレン系樹脂が溶融する温度
以上、通常150〜250℃程度であればよい。溶融時
間は、単位時間当たりの押出量、溶融手段などによって
異なるので一概には決定することができないが、スチレ
ン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合するのに要する時間
が選ばれる。また、溶融手段としては、例えばスクリュ
ー型の押出機などの通常の押出発泡の際に用いられるも
のであれば制限するものではない。
【0024】発泡剤を注入する際の圧力は、特に制限す
るものではなく、押出機内に注入するために押出機の内
圧力よりも高い圧力であればよい。
【0025】本発明のスチレン系樹脂押出発泡体は、圧
縮特性、曲げ特性及び軽量化の点から、密度は好ましく
は10〜100kg/m3、より好ましくは15〜50
kg/m3であり、また断熱特性及び曲げ特性の点か
ら、独立気泡率は好ましくは60%以上、より好ましく
は90%以上、平均気泡径は好ましくは0.1〜0.7
mm、より好ましくは0.1〜0.5mmである。
【0026】また、本発明において、シリカ、タルク、
ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレ
イ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、ステアリン酸カル
シウムやステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩、ヘキ
サブロモシクロドデカン等の難燃剤、高分子型ヒンダー
ドフェノール系化合物等の抗酸化剤などの添加剤を含有
させることができる。これらは必要に応じて適宜配合量
を調整して配合することができる。
【0027】
【実施例】次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の製
造方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本
発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。な
お、特に断らない限り「部」は重量部を、「%」は重量
%を表す。
【0028】以下の記載において、略記号はそれぞれ下
記の物質を表すものである。 DME :ジメチルエーテル MeCL :塩化メチル PS :ポリスチレン
【0029】以下に示す実施例1〜6、比較例1〜6の
方法で得られた発泡体の特性として、発泡倍率、発泡体
独立気泡率、平均気泡寸法、燃焼性、外観および環境適
合性を下記の方法に従って調べた。また製造安定性を下
記の方法に従って調べた。
【0030】1)発泡倍率:ポリスチレン樹脂のおおよ
その密度を1.05(g/cm3)として、次の式: 発泡倍率(倍)=1.05/発泡体の密度(g/c
3) にもとづいて求めた。なお、発泡体の密度は、その発泡
体の重量と水没法により求めた体積とから算出した。
【0031】2)発泡体独立気泡率:マルチピクノメー
ター(湯浅アイオニクス(株)製)を用い、ASTM
D−2856に準じて測定した。
【0032】3)平均気泡寸法:押出発泡体の縦断面を
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、S−450)
にて30倍に拡大して発泡体の縦断面を写真撮影し、撮
影した写真を乾式複写機で複写し、えられた複写物にお
いて、気泡部分を黒インキで塗りつぶして1次処理をお
こない、1次処理した画像を画像処理装置((株)ピア
ス製、PIAS−II)により処理し、平均気泡寸法を求
めた。
【0033】4)発泡体外観の評価基準: ○:断面に未発泡樹脂塊およびボイドがなく、かつ表面
にシワおよび突起がない外観がきわめて良好な発泡体で
ある。 ×:断面に未発泡樹脂塊およびボイドが存在し、かつ表
面にシワおよび突起が存在する外観が不良な発泡体であ
る。
【0034】5)環境適合性:環境適合性については、
発泡剤中に塩素原子を含むか否かで評価した。 「評価基準」 ○:塩素原子を含まない。 ×:塩素原子を含む。
【0035】6)製造安定性A:押出発泡中に圧力が変
動してももとに戻すための操作を行なわずに押出発泡を
行ない、2時間の押出発泡中での平均押出圧力と、押出
圧力と平均押出圧力の最大差を示した。
【0036】ト)製造安定性B つぎの2つの方法で評価した。
【0037】1)押出圧力調整 押出機圧力が、製品を採取しはじめた時点を起点とし
て、8時間の押出時間の間に、その時点の圧から10k
gf/cm2変動した場合に圧力を元に戻すための操作
(主として回転数調整)を何回行う必要があったかを調
べ、その結果をつぎの基準で評価した。
【0038】 ○:16回未満(平均して30分以上同一条件を保持) △:16回以上(同一条件の保持が平均して30分以
下)
【0039】2)発泡体厚さばらつき 8時間の押出し中、30分に一度サンプリングし、計1
6点の発泡体の厚さを測定し、次式で表わされるばらつ
きを求め、下記基準で評価した。 ばらつき=(最大厚さ−最小厚さ)/(平均厚さ)×1
00 ○:ばらつきが5%未満 △:ばらつきが5%以上10%未満 ×:ばらつきが10%以上
【0040】実施例1〜6 ポリスチレン樹脂(新日鉄化学(株)製、商品名:エス
チレンG−17、メルトインデックス(MI):3.
1)100部に対して、造核剤としてタルク0.1部お
よび難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン3.0部
を加え、押出機中で200℃に加熱して混練しながら、
これに表1に示す組成からなる発泡剤を表1に示す注入
量で注入した後、これを冷却兼混合機に送給して110
℃に冷却し、目開きの間隔が1.8mmのスリットと流
路面がフッ素樹脂でコーティングされた成形金型を介し
て押出発泡し、板状のスチレン系樹脂発泡体を得た。そ
の結果を表2に示す。なお、発泡体の特性値は前記製造
安定性Bの方法で押出圧力を調整しながら押出発泡を行
い、製品を採取しはじめた時点より1時間後にサンプリ
ングした発泡体についての値である。
【0041】比較例1〜5 発泡剤の組成比率をかえた以外は、実施例1と同様にし
てスチレン系樹脂押出発泡体を得た。得られた発泡体の
特性および製造安定性を表2に示す。
【0042】比較例6 発泡剤として塩化メチルとプロパンを使用した以外は、
実施例1と同様にしてスチレン系樹脂押出発泡体を得
た。得られた発泡体の特性および製造安定性を表2に示
す。
【0043】表2に示された結果から、実施例1〜6で
得られた特定量範囲の炭素数3〜5の飽和炭化水素とエ
ーテルを組み合わせた発泡剤を使用した発泡体はいずれ
も適度な発泡倍率、独立気泡率を有し、表面外観が美麗
で、環境適合性に優れ、押出圧力を安定な領域に低減し
た状態で発泡体の製造が可能であることがわかる。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、環境適合性に優れ、し
かも適度な発泡体密度を有し、かつ発泡体物性に優れた
スチレン系樹脂押出発泡体が得られ、安定した発泡体の
製造が可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高圧条
    件下で、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、流動ゲル
    となし、押出発泡に適する温度に冷却し、該流動ゲルを
    ダイを通して低圧の領域に押出発泡してなるスチレン系
    樹脂押出発泡体の製造方法において、発泡剤が主とし
    て、発泡剤全量に対して60重量%を超える炭素数3〜
    5の飽和炭化水素から選ばれた1種または2種以上の炭
    化水素と、発泡剤全量に対して40重量%未満のジメチ
    ルエーテル、ジエチルエーテルおよびメチルエチルエー
    テルよりなる群から選ばれた1種または2種以上のエー
    テルとを含むことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡剤の全量に対して炭化水素が70重
    量%を超え、エーテルが30重量%未満であることを特
    徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 エーテルがジメチルエーテルであること
    を特徴とする請求項1または2記載のスチレン系樹脂押
    出発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の方
    法により製造されたスチレン系樹脂押出発泡体。
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