JPH10292063A - 合成樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

合成樹脂発泡体の製造方法

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JPH10292063A
JPH10292063A JP9993497A JP9993497A JPH10292063A JP H10292063 A JPH10292063 A JP H10292063A JP 9993497 A JP9993497 A JP 9993497A JP 9993497 A JP9993497 A JP 9993497A JP H10292063 A JPH10292063 A JP H10292063A
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JP
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synthetic resin
resin foam
foam
chlorine atom
producing
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JP9993497A
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Inventor
Yuji Fujiwara
裕士 藤原
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮強度、断熱性に優れ、環境適合性の高い
合成樹脂発泡体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 アルケニル芳香族樹脂を加熱して溶融状
態とし、発泡剤を圧入して発泡可能なゲルを形成する。
発泡剤は少なくともHFC134aと、炭化水素及び/
または塩化エチルを含み、発泡剤の全重量に対して30
重量%以上、70重量%未満のHFC134aを含む。
前記発泡可能なゲルを、ダイより低圧領域に押し出し、
発泡体を形成する。製造された発泡体は、発泡体100
g中に0.01モル〜0.18モルのHFC134aを
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂発泡体の
製造方法、及びその方法により製造される合成樹脂発泡
体に関するものである。更に詳しくは、圧縮強度と断熱
性に優れ、かつ、高い断熱性を保持することができ、断
熱体として有用で、しかも環境適合性の高い合成樹脂発
泡体の製造方法、及びこの方法により製造される合成樹
脂発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン樹脂のようなアルケ
ニル芳香族樹脂を押出発泡させて発泡体を製造する際に
は、発泡剤として、毒性が少なく不燃性で化学的に安定
な塩素原子含有ハロゲン化炭素(以下、CFCと略
す。)が使用されてきた。例えば、ジクロロジフルオロ
メタン(以下、CFC12と略す。)を発泡剤として使
用することが特公昭41−672号公報に開示されてい
る。しかしながら、近年、前記CFCは、オゾン破壊の
恐れが指摘され、CFCより安全な発泡剤として、CF
Cの塩素原子を部分的に水素化した塩素原子含有ハロゲ
ン化炭化水素(以下、HCFCと略す。)が前記CFC
に代わって使用されている。例えば1,1−ジフルオロ
−1−クロロエタン(以下、HCFC142bと略
す。)を発泡剤として使用することが特公昭57−71
75号公報に開示されている。また、特公昭57−71
75号公報には、前記HCFC142bと、任意成分と
して塩化メチル、塩化エチルのような塩化アルキルとを
組み合わせた発泡剤が開示されている。ところが、前記
塩化メチルに代表される塩化アルキルは、アルケニル芳
香族樹脂、例えばポリスチレンに対する可塑化性能が高
く、多量に使用した場合には、製造されたアルケニル芳
香族樹脂発泡体が過剰に軟化してしまったり、製造され
た発泡体からの塩化アルキルの抜けが速いことに由来し
て製造後の発泡体の収縮量が大きくなり寸法安定性を欠
いたりして、製造された発泡体の用途を著しく制限する
ことになる。一方で、塩化アルキルの使用量が少な過ぎ
ると、アルケニル芳香族樹脂の可塑化効果が不十分なた
め生産安定性に悪影響を及ぼすことがある。また、HC
FC類は、CFCに較べて安全ではあるものの、地球環
境の観点から更なる改善のため、その使用量を低減する
努力がなされている。このため、その適切な使用量を明
確にすることが望まれている。
【0003】この様な状況下、HCFC142bと、塩
素原子を有する特定のフッ素化炭化水素、炭化水素、塩
化エチル、更に二酸化炭素を組み合わせて使用すること
が提案されている。例えば、特開平2−113038号
公報においては、HCFC142b及び/又はCFC1
2を0〜30重量%と、塩化エチル及び/又は二酸化炭
素を10〜60重量%と、炭素数3〜5の飽和炭化水素
20〜90重量%を使用して発泡体を製造することが、
また、特開平2−105833号公報においては、HC
FC142b及び/又は1,1,1−トリフルオロ−
2,2−ジクロロエタンを75〜90重量%と、塩化エ
チル及び/又は炭素数3〜5の飽和炭化水素10〜25
重量%と、二酸化炭素0〜15重量%を使用して発泡体
を製造することが、それぞれ開示されている。
【0004】しかし、前者の特開平2−113038号
の方法においては、地球環境への配慮からCFCの使用
は避けるべきであり、また、0〜30重量%というHC
FC142bの使用量も、製造された発泡体に十分な断
熱性を付与するのに十分ではない。更にこの方法では、
飽和炭化水素を多量に使用した場合に可燃性の危険性が
存在することなどから、より一層の工夫が望まれてい
る。また、後者の特開平2−105833号の方法にお
いては、HCFC類の使用量が多く、HCFCの使用量
を減らすことが環境への負荷を低減する上で好ましいこ
とから、この方法についても、より一層の工夫が望まれ
ている。
【0005】そこで、前記HCFCに代わり、分子中に
塩素原子を含まないフッ素化炭化水素(以下、HFCと
略す。)を使用することが提案されている。このHFC
は、通常、オゾン破壊係数が0であり、HCFCに比し
て環境保護の観点からより好ましい。例えば、1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(以下、HFC134a
と略す。)を使用して発泡体を製造しようという試みが
開示されている。例えば、発泡剤としてHFC134a
を使用することが特開平1−98683号公報に、ま
た、発泡体気泡中に70重量%以上のHFC134aを
残す発泡体が特開平3−188137号公報に、それぞ
れ開示されている。しかし、特開平4−363340号
公報、あるいは特許第2537426号公報において開
示されているように、スチレン樹脂に対するHFC13
4aの溶解・分散能力は高いものではなく、また、ゲル
状態樹脂から生成された発泡体気泡を大気に開放(破
泡)せずに閉鎖気泡として固定する効果も高いものでは
ない。従って、HFC134aを使用する場合には、適
した配合量、特殊な製造条件、あるいは他の物質との適
切な組み合わせ条件を設定しなければ、気泡は大気に対
して開放してしまい、製造された発泡体の気泡個々の独
立性が低くなり、結果として気泡中のガスは大気に散逸
し、発泡体中の発泡剤ガス量が相当量減少する。HFC
134aを使用する目的の1つは断熱性が期待されるか
らであるが、この様な状況のため逆に断熱性は低下しや
すくなる。また、樹脂に対する溶解・分散不良により部
分的な過大気泡(ボイド)が生じやすくなり、これによ
り機械物性の低下を引き起こしやすい。
【0006】このように、前者(特開平1−98683
号公報に開示された方法)では、安定的な生産方法と、
好ましい物性の両立のために適切なHFC134aの量
が明らかにされていないうえ、その具体的実施は、現在
においては既に使用が好ましくないとされているCFC
類との組み合わせに関するものであり、実施に当たって
の課題解決が十分ではない。また、後者(特開平3−1
88137号公報に開示された方法)にあっては、アル
ケニル芳香族樹脂に対しては難溶解性のHFC134a
を70重量%以上と大量に使用することを前提としてい
るにもかかわらず、安定製造と良好な機械物性、断熱物
性確保のための条件が明らかにされておらず、発泡体は
製造可能であったとしても、良好な発泡体を得るという
観点からは、尚、検討を要する。更にHFC134aは
オゾン破壊係数は0であるが、地球温暖化の傾向がある
ことが知られており、その使用量は極力少なくすること
が肝要である。従って、発泡体製造、及び製造された発
泡体物性の観点から好ましく、なおかつHFC134a
の使用量を削減できる、他の発泡剤との組み合わせを見
いだすことが望まれている。
【0007】これに対して、HFC134aと、塩化メ
チル及び/または塩化エチルとを組み合わせた発泡剤を
用いることが特開平1−289839号公報に開示され
ている。しかし、ここでも、やはりHFC134aの使
用量の範囲が明らかではなく、HFC134aや、塩化
メチル及び/または塩化エチルの使用量によっては、前
述のような気泡の独立性、製造安定性、更に環境に対す
る負荷、労働衛生など課題解決が十分であるとはいえな
い。また、HFC134aと、アルコール及び/又はケ
トン、二酸化炭素、及び特定の炭化水素とを組み合わせ
た発泡剤を用いることが特開平4−226547号公
報、特開平6−200068号公報に開示されている。
前者(特開平4−226547号公報に開示された方
法)では、HFC134aの使用量は0〜90重量%と
されており、また、後者(特開平6−200068号公
報に開示された方法)では、HFC134aは2〜90
重量%とされている。しかし、いずれの場合にも、HF
C134aが少量の場合には、断熱性の面で、必ずしも
産業上の要望に応えられず、また、HFC134aが9
0重量%と極めて大量の場合には、アルケニル芳香族樹
脂への溶解・分散性の低さに起因する課題が残る。従っ
て、これらの方法においては、発泡体の断熱性を確保す
るために、発泡剤中の各成分の配合比率を特定すること
が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような問題に鑑
み、本発明が解決しようとする課題は、圧縮強度が高
く、更に断熱性に優れ、しかもオゾン層破壊のおそれも
なく環境適合性の高い発泡体を安定して製造しうる方
法、及び該方法により製造された、圧縮強度、断熱性に
優れた発泡体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
の解決のため鋭意研究の結果、アルケニル芳香族樹脂を
特定の条件下で押出発泡するに際し、発泡剤として使用
する、分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素の
割合を70重量%未満に減量し、その範囲においても
尚、他の適切な発泡剤と組み合わせることで良好な発泡
体が得られることを見いだした。すなわち、発泡剤とし
て、分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素を発
泡剤全体中で30重量%以上、70重量%未満を用い、
これと炭化水素や塩化アルキルを適量組み合わせること
で、圧縮強度が高く、断熱性に優れ、外観に優れ、しか
もオゾン層破壊がない環境適合性に優れた発泡体を安定
的に生産しうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】即ち、本発明の請求項1に係る発明は、ア
ルケニル芳香族樹脂を加熱して溶融させ、これに発泡剤
を配合して発泡可能なゲル状物質となし、該ゲル状物質
を発泡に適する温度に冷却し、該ゲル状物質をダイを通
して、より低圧の領域に押し出して発泡体を形成する、
各工程を含む合成樹脂発泡体の製造方法において、前記
発泡剤が、(A)分子中に塩素原子を含まないフッ素化
炭化水素が発泡剤全体中で30重量%以上、70重量%
未満、(B)炭化水素及び(C)塩化アルキルとの少な
くとも一方が発泡剤全体中で70重量%未満、30重量
%以上、からなる混合物を主成分とする合成樹脂発泡体
の製造方法である。本発明の請求項2に係る発明は、上
記請求項1に記載の製造方法において、発泡剤の主成分
が、(A)分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水
素、及び(B)炭化水素からなる混合物である合成樹脂
発泡体の製造方法である。本発明の請求項3に係る発明
は、上記請求項1に記載の製造方法において、発泡剤の
主成分が、(A)分子中に塩素原子を含まないフッ素化
炭化水素、及び(C)塩化アルキルからなる混合物であ
る合成樹脂発泡体の製造方法である。本発明の請求項4
に係る発明は、上記請求項1に記載の製造方法におい
て、発泡剤の主成分が、(A)分子中に塩素原子を含ま
ないフッ素化炭化水素、(B)炭化水素、及び(C)塩
化アルキルからなる混合物である合成樹脂発泡体の製造
方法である。本発明の請求項5に係る発明は、上記請求
項1〜4のいずれかに記載の製造方法において、アルケ
ニル芳香族樹脂がポリスチレンである合成樹脂発泡体の
製造方法である。本発明の請求項6に係る発明は、上記
請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法において、発
泡剤の配合量が、アルケニル芳香族樹脂100重量部に
対し5重量部以上30重量部未満である合成樹脂発泡体
の製造方法である。本発明の請求項7に係る発明は、上
記請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法において、
(A)分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素
が、ジフルオロメタン、1,1ージフルオロエタン、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−
トリフロオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフル
オロエタン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパ
ン、及び1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン
からなる群のうちから選ばれた少なくとも1種である合
成樹脂発泡体の製造方法である。本発明の請求項8に係
る発明は、上記請求項7記載の製造方法において、
(A)分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素
が、ジフルオロメタン、1,1−ジフルオロエタン、及
び1,1,1,2−テトラフルオロエタンよりなる群の
うちから選ばれた少なくとも1種である合成樹脂発泡体
の製造方法である。本発明の請求項9に係る発明は、上
記請求項8記載の製造方法において、(A)分子中に塩
素原子を含まないフッ素化炭化水素が、1,1,1,2
−テトラフルオロエタンである合成樹脂発泡体の製造方
法である。本発明の請求項10に係る発明は、上記請求
項1、2、又は請求項4〜9のいずれかに記載の製造方
法において、(B)炭化水素が、炭素数2〜6の脂肪族
飽和炭化水素より選ばれた少なくとも1種である合成樹
脂発泡体の製造方法である。本発明の請求項11に係る
発明は、上記請求項10記載の製造方法において、
(B)炭化水素が、プロパン、n−ブタン、i−ブタ
ン、n−ペンタン、i−ペンタン、及び2,2−ジメチ
ルプロパンよりなる群のうちから選ばれた少なくとも1
種である合成樹脂発泡体の製造方法である。本発明の請
求項12に係る発明は、上記請求項1、又は請求項3〜
11のいずれかに記載の製造方法において、(C)塩化
アルキルが、塩化メチル、及び塩化エチルよりなる群の
うちから選ばれた少なくとも1種である合成樹脂発泡体
の製造方法である。また、本発明の請求項13に係る発
明は、上記請求項12記載の製造方法において、(C)
塩化アルキルが塩化エチルである合成樹脂発泡体の製造
方法である。更に、本発明の請求項14に係る発明は、
上記請求項1〜13のいずれかに記載の方法により製造
された合成樹脂発泡体である。そして、本発明の請求項
15に係る発明は、請求項14記載の発泡体において、
発泡体中に、分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化
水素を、発泡体重量100g当たり0.01〜0.18
モル含む合成樹脂発泡体である。
【0011】
【発明の実施形態】本発明に用いられるアルケニル芳香
族樹脂としては、スチレン系樹脂が好ましい。スチレン
系樹脂としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、
エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチ
レン、ブロモスチレン、クロロスチレンなどのスチレン
系単量体の単独重合体または2種以上の組み合わせから
なる共重合体、該アルケニル芳香族単量体と、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸などの共重合可能なモノマーとの共重合体、前記ス
チレン系単量体の1種または2種以上と、ブタジエン、
アクリロニトリルなどのスチレン系単量体以外の単量体
の1種または2種以上とを共重合させた共重合体などが
挙げられる。該共重合体におけるスチレン系単量体の共
重合割合は50重量%以上が好ましい。これらスチレン
系樹脂は、単独で、または混合して使用できる。また、
前記スチレン系単量体と他の単量体を共重合させるので
はなく、スチレン系単量体の重合体と他の単量体の重合
体をブレンドしても良く、ジエン系ゴム強化ポリスチレ
ンやアクリル系ゴム強化ポリスチレンをブレンドするこ
ともできる。これらのアルケニル芳香族樹脂の中でも、
ポリスチレンに代表されるスチレン系樹脂は、本発明に
おいては好適に使用し得るものであり、スチレン系樹脂
の中でも、特にポリスチレンが好ましい。
【0012】本発明で用いる発泡剤は、分子中に塩素原
子を含まないフッ素化炭化水素を発泡剤全体の重量に対
して30重量%以上、70重量%未満含む。更に好まし
くは、前記フッ素化炭化水素を発泡体全体の重量に対し
て35重量%以下、65重量%未満含む。前記、分子中
に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素を65重量%以
上、特に70重量%以上にすると、価格、樹脂への溶解
・分散性能などで選択し得る他の発泡剤と組み合わせて
も尚、アルケニル芳香族樹脂への溶解・分散性の問題を
解決することが困難である。また、気泡が破れやすくな
ることや、ボイドができやすくなることで、得られる発
泡体の断熱性、強度、外観に劣る。更に、前記フッ素化
炭化水素を多量に使用することは、地球温暖化といった
環境の観点からもあまり好ましくない。この環境負荷の
低減という観点からは、前記フッ素化炭化水素は可能な
限り少量である方が好ましいが、少なすぎる場合は発泡
体の断熱性が発揮できず、本発明の目的は達成できな
い。得られる発泡体の断熱性を産業上求められる水準と
するためには、他の発泡剤との組み合わせにもよるが、
前記フッ素化炭化水素は、発泡剤全体の重量に対して少
なくとも30重量%、更に好ましくは35重量%以上は
使用することが好ましい。フッ素化炭化水素が30重量
%未満であっても断熱性に寄与するが、その度合いは小
さい。
【0013】本発明で用いる、前記、分子中に塩素原子
を含まないフッ素化炭化水素としては、上記のような本
発明の目的とする発泡体の断熱性の観点点から、熱伝導
率が空気に比べて小さなものが好適に用いられ、HFC
や、分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素エー
テル(以下、HFEと略す。)が好ましい。これらの物
質は、断熱性能、断熱性能の持続期間、樹脂への溶解・
分散性を考慮して、目的に応じて選択する。これら、分
子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素の具体例と
しては、ジフルオロメタン、1,1−ジフルオロエタ
ン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,
1−トルフロオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタ
フルオロエタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ
プロパン、1,1,1,2,3,3−へキサフルオロプ
ロパン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン
から選ばれた少なくとも1種のフッ素化炭化水素が、熱
伝導率が比較的小さく、得られた発泡体の断熱性能の向
上が期待されることから好ましい。これらのフッ素化炭
化水素の中でも、ジフルオロメタン、1,1−ジフルオ
ロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンから
選ばれた少なくとも1種であることが、低価格、入手容
易性、更には気泡からのガス抜け速度が空気の数倍以下
程度と比較的遅く、得られる発泡体の断熱性能の持続期
間が長くなることにくわえて、地球温暖化係数が比較的
小さく、得られた発泡体の環境適合性が高いことなどか
ら好ましい。更に、この分子中に塩素原子を含まないフ
ッ素化炭化水素としては、1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(HFC134a)が、気泡からのガス抜け
速度が空気の流入速度に対して遅く、また熱伝導率が低
く、相当長期にわたって発泡体の断熱性が保持できるう
え、価格、あるいは入手容易性の観点からも特に好まし
い。
【0014】本発明では、上記のような分子中に塩素原
子を含まないフッ素化炭化水素を、目的に応じて特定の
発泡剤と組み合わせて使用する。前述のように、分子中
に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素、例えば、HF
C134aは、発泡剤として使用すると、アルケニル芳
香族樹脂からの抜けが遅く、かつ熱伝導率が低いことと
併せて、例えばJIS A 9511に規定されるB類
保温板2種あるいは3種の断熱性が比較的長期にわたり
達成されることと、環境適合性が高いことから、従来使
用されているCFC12などのCFC類やHCFC14
2bなどのHCFC類を含む発泡剤に比較しても良好な
特性を有する発泡体が期待される。しかし、CFC12
やHCFC142bはアルケニル芳香族樹脂に対する溶
解・分散性が高いため比較的容易に発泡体製造に用いる
ことができる。これらと比較すると、前記HFC134
aなどのフッ素化炭化水素は、同圧力であればアルケニ
ル芳香族樹脂への溶解含浸がCFC12やHCFC14
2bの場合の数分の1程度にしかならないことから、発
泡に十分な量を発泡体物性を損なわないように製造する
には困難がある。ところが、本発明のように、HFC1
34aなどのフッ素化炭化水素と、アルケニル芳香族樹
脂への溶解性の高い炭化水素や塩化アルキルを組み合わ
せることで、これら、分子中に塩素原子を含まないフッ
素化炭化水素を使用しても、適切な発泡圧力領域、温度
領域を使用しながら発泡体を得ることが可能となるので
ある。
【0015】上記のような本発明における発泡剤の組み
合わせとしては、製造する発泡体の圧縮強度と断熱性を
主たる目的とする場合には、分子中に塩素原子を含まな
いフッ素化炭化水素と、炭化水素を組み合わせるのが好
ましい。発泡剤に炭化水素を含むことで、気泡の生成能
力が向上し、気泡の独立性が更に向上し、断熱性と圧縮
強度が向上する。また、押し出し圧力が低減できるため
製造安定性にも寄与する。一方、発泡体の寸法安定性
と、さらなる生産安定性を目的とする場合には、分子中
に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素と、塩化アルキ
ルを組み合わせるのが好ましい。塩化アルキルを含むこ
とでアルケニル芳香族樹脂が確実に可塑化され、押し出
し圧力が低減するため生産が安定する。また、塩化アル
キルはアルケニル芳香族樹脂からの抜けが速いため、フ
ッ素化炭化水素のような抜けの遅い発泡剤と組み合わせ
ることで、発泡体全体として発泡剤の抜けのバランスが
とれ、寸法安定性が向上する。更に、分子中に塩素原子
を含まないフッ素化炭化水素と塩化アルキルを組み合わ
せた場合に比較して、製造安定性は維持ないし更に向上
させつつ、断熱性を向上させる、ないしは価格を低下さ
せる場合には、分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭
化水素に較べて一般に価格が安く、一方、発泡体からの
ガス抜けは前記フッ素化炭化水素と同様で、しかも、可
塑性と断熱性を有する炭化水素を、前記のような、分子
中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素及び塩化アル
キルと共に用いることができる。
【0016】本発明で発泡剤として用いる炭化水素とし
ては、炭素数2〜6の脂肪族飽和炭化水素が、アルケニ
ル芳香族樹脂への溶解・分散特性が比較的良好であるう
え、沸点、臨界温度、可塑性能の点から、気泡が閉鎖し
た室を有する、すなわち独立した気泡が生成し易く、得
られる発泡体の機械物性、断熱性が良好となり易く好ま
しい。更に、前記の炭素数2〜6の脂肪族炭化水素のな
かでも、気泡の独立性生成能力、取り扱いの容易性、安
定性、価格などの点から、プロパン、n−ブタン、i−
ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、2,2−ジメチ
ルプロパンよりなる群より選ばれた少なくとも1種であ
る脂肪族炭化水素を用いることがより好ましい。
【0017】本発明で発泡剤として用いる塩化アルキル
としては、塩化メチル及び塩化エチルより選ばれる少な
くとも1種の塩化アルキルが、可塑性、ポリチスレンな
どのアルケニル芳香族樹脂に対する透過性、発泡性の点
で好ましく、更に、労働環境衛生上、塩化エチルがより
好ましい。
【0018】本発明で発泡剤として用いる上記炭化水素
及び塩化アルキルの量については、発明の実施形態によ
って選定することができる。まず、炭化水素の量につい
ては、価格、及び環境負荷低減の観点から、分子中に塩
素原子を有しないフッ素化炭化水素を低減していくうえ
で、断熱性能を損なわない範囲で多量に使用することが
できる。しかし、炭化水素は可燃性を有するため、あま
りに過剰に使用すると発泡体の可燃性能が課題になるこ
ともある。これらの観点から、発泡剤の組み合わせにも
よるが、おおむね発泡剤全体の重量に対して2重量%か
ら60重量%の範囲が好ましく、5重量%から50重量
%が更に好ましい。また、塩化アルキルの量について
は、多くするほど製造された発泡体の圧縮柔軟性が増
し、一方、前記炭化水素の量を多くするほど発泡体は硬
くなる。また、塩化アルキルはアルケニル芳香族樹脂か
らの抜けが速いため、配合量を多くするほど発泡体寸法
の初期収縮量は大となり、少なくするほど発泡体は収縮
よりむしろ膨張傾向を示すことになる。また、塩化アル
キルはアルケニル芳香族樹脂の可塑化に貢献するため、
添加量が多くなると粘度が下がり製造温度は低くなる。
従って、この塩化アルキルの量は、製品に要求される強
度や寸法精度規定により適宜選択すれば良い。例えば、
塩化エチルなどの塩化アルキルは、発泡剤全体の重量に
対して10重量%以上配合する方が可塑性発揮の観点か
ら好ましく、20重量%配合する方が更に可塑性が向上
し生産が安定し、また、適度に硬い発泡体となることか
ら更に好ましく、また、40重量%以上入れると、柔軟
性が発現した発泡体が得られる。
【0019】本発明の合成樹脂押出発泡体は、アルケニ
ル芳香族樹脂を加熱して溶融させ、高圧条件下で発泡剤
を配合して発泡可能なゲル状物質を形成し、該ゲル状物
質を発泡に適した温度に冷却し、該ゲル状物質を押出機
のダイを通して、より低圧の領域に押出して、発泡体生
成物を形成することにより製造される。この場合、前記
アルケニル芳香族樹脂は、発泡剤を配合する前に、その
ガラス転移温度または融点、あるいは、それ以上の温度
に加熱される。発泡剤の配合は、前記加熱溶融樹脂に分
散できるような方法で行えば良い。即ち、発泡体の製造
及び/又は開発に関わる分野で公知の手段、例えば、押
出機、混合機により、溶融された前記樹脂に混合、圧
入、又は配合することができる。また、発泡剤成分のそ
れぞれは、個別または同時に前記押出機などに投入する
ことができる。更に発泡体成分のそれぞれは、液体及び
気体のいずれの状態で配合しても良い。
【0020】前記発泡体の製造に当たっては、上記の発
泡剤の他に、更に可塑剤、発泡助剤、造核剤、難燃剤な
どとしての効果を有するものを、本発明の効果を阻害し
ない範囲で配合することができる。これらは、例えば、
二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機
ガス、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、イソプロ
ピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエー
テル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピランに代表されるエー
テル類、カルボン酸ジメチルエステル、カルボン酸ジエ
チルエステル、カルボン酸ジプロピルエステル、蟻酸メ
チルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエス
テル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロ
ピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル
に代表されるエステル類、メタノール、エタノール、プ
ロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコー
ルに代表されるアルコール類、ジメチルケトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピル
ケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチ
ルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−へ
キシルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチル−
n−ブチルケトンに代表されるケトン類などを用いるこ
とができる。また、シリカ、タルク、珪酸カルシウム、
ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜
鉛、酸化チタン、ステアリン酸カルシウムやステアリン
酸バリウムなどの脂肪族金族塩、ヘキサブロモシクロド
デカン、高分子型ヒンダードフェノール系化合物などの
抗酸化剤などが例示できる。これらは単独で使用するこ
とも2種以上併用することも可能である。
【0021】本発明方法により製造された発泡体は、発
泡体中における、分子中に塩素原子を有しないフッ素化
炭化水素の量が、発泡体100g当たり0.01モル〜
0.18モル内であれば、寸法を安定させた状態で長時
間にわたって高い断熱性を保持することができる。この
発泡体中のフッ素化炭化水素の量は、製造に使用するフ
ッ素化炭化水素の量と、その透過特性によって変わる
が、製造後概ね5〜21日経過し、発泡体の状態が安定
した以降に、前記の範囲内であることが好ましい。
【0022】本発明によると、発泡剤全体中で30重量
%以上、70重量%未満の、分子中に塩素原子を含まな
いフッ素化炭化水素と、炭化水素及び/又は塩化アルキ
ルを適量混合して発泡剤として使用することで、良好な
発泡性を示し、気泡の独立性が高く、機械強度に優れた
発泡体を得ることができるうえ、発泡体の断熱性におい
ても優れ、更にオゾン破壊を生じて地球環境を悪化させ
るようなこともなく地球環境への適合性も高い発泡体を
得ることができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明に係る合成樹脂発泡体の製造方
法について、実施例と比較例を挙げて詳細に説明する
が、これらは単なる例示であり、本発明はこれらに何ら
限定されるものではない。なお、以下では、特に断らな
い限り、「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
【0024】具体的な実施例の記載に先立ち、以下の実
施例及び比較例における発泡体物性の測定方法を以下に
示しおく。
【0025】〔発泡体物性の評価方法〕 (1)圧縮強度、断熱性(熱伝導率)、燃焼性 発泡体の圧縮強度、断熱性(熱伝導率)、燃焼性につい
てはJIS A 9511に準じて測定した。ただし、
燃焼性については消炎時間をもって評価した。評価基準
は以下のとおりである。なお、断熱性は、製造後14日
経過した製品の熱伝導率を測定し、判断基準をJIS
A 9511に規定されるB類保温板の規格に準じ、最
も断熱性の高いものを「○」として、下記のように設定
した。 (1-1) 圧縮強度 ○(良):圧縮強度が2.0Kgf/cm2 以上。 ×(不良):圧縮強度が2.0Kgf/cm2 未満。 (1-2) 断熱性(熱伝導率) ○(高い):熱伝導率が0.024Kcal/mhr℃
以下。 △(普通):熱伝導率が0.024Kcal/mhr℃
を越えて0.033Kcal/mhr℃以下。 ×(低い):熱伝導率が0.033Kcal/mhr℃
を越える。 (1-3) 燃焼性 ○(良):消炎時間が3.0秒以下。 ×(不良):消炎時間が3.0秒を越える。 (2)発泡倍率 発泡体の発泡倍率については、発泡体より2cm角の試
料を切り出し、電子比重計(ミラージュ貿易、型番:E
D−120T型)により試料の比重を測定し、未発泡ポ
リスチレンの比重との比をもって発泡体の発泡倍率とし
た。 (3)独立気泡率 発泡体の独立気泡率(以下、独気率と略す。)について
は、マルチピクノメーター(湯浅アイオニクス製)を使
用し、ASTM D−2856に準じて測定した。 (4)外観 発泡体の外観については、目視による検査を行い以下の
基準で評価した。 ○(良):断面に未発泡樹脂塊及びボイドがなく、かつ
表面にシワ及び突起がほとんどない。 ×(不良):断面に未発泡樹脂塊またはボイドが多量に
存在するか、または表面にシワまたは突起が顕著に存在
する。 (5)寸法安定性 発泡体の寸法安定性については、製造直後に押し出し方
向にlm長さで押し出し品を切り出し、該長さ方向及び
それに直交する2方向の計3方向の寸法を測定する。そ
の後、製造後3週間経過した時点で同位直にて寸法を再
度測定する。最初の寸法に対する、同位置の3週間後の
寸法の変動量を算出し、3方向で平均する。その変動量
の平均値について以下の基準で評価した。 ○(優):変動量が±0.5%未満である。 △(良):変動量が±0.5%以上〜±1%未満であ
る。 ×(不良):変動量が±1%以上である。 (6)発泡剤の残存モル数 発泡体中の発泡剤の残存モル数は、製造後30日経過し
た発泡体を島津製作所製ガスクロマトグラフ9Aを使用
し、分子中に塩素原子を含まないフッ素化炭化水素の発
泡体100gに対する残存モル量を分析した。
【0026】なお、以下の記載において、略記号はそれ
ぞれ下記の物質を表す。 HCFC142b :1,1−ジフルオロ−1−クロロ
エタン。 HFC32 :ジフルオロメタン。 HFC152a :1,1−ジフルオロエタン。 HFC134a :1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン。 HFC236ea :1,1,1,2,3,3−へキサ
フルオロプロパン。 HFC245fa :1,1,3,3,3−ペンタフル
オロプロパン。
【0027】〔実施例及び比較例〕 (実施例1)ポリスチレン樹脂(新日鐵化学(株)製、
商品名:エスチレンGI7、メルトインデックス(M
I):3.1)100部と、該ポリスチレン樹脂100
部に対して、臭素系の難燃剤としてへキサブロモシクロ
ドデカン2.0部、造核剤としてタルク0.1重量部と
からなる樹脂混合物をドライブレンドし、得られた樹脂
混合物を口径65mmと口径90mmのものを縦に連結
した押出機へ約60kg/hrの割合で供給した。前記
口径65mmの押出機に供給した樹脂混合物を、200
℃に加熱して溶融ないし可塑化、混練し、これに連結さ
れた口径90mmの押出機で樹脂温度を120℃に冷却
し、口径90mmの押出機の先端に設けた厚さ方向2m
m、幅方向50mmの長方形断面の口金より大気中へ押
し出し、直方体状の押出発泡体を得た。このとき、発泡
剤として、HFC134aを50%とプロパン15%と
塩化エチル35%からなる発泡剤を、ポリチスレン樹脂
100部に対して12部となるように、それぞれ別のラ
インから、前記口径65mmの押出機の先端付近(口径
90mmの押出機の口金と反対側の端部側に接続される
側の端部)から前記樹脂中に圧入した。得られた発泡体
について評価を行った。その結果、得られた発泡体は、
発泡倍率が33倍、独気率が97%であった。更に、発
泡体における発泡剤の残存モル数は0.061モル/1
00gであった。また、圧縮強度は3.4Kgf/cm
2 、熱伝導率は0.022Kcal/mhr℃、消炎時
間は1.5秒、外観は平滑であった。また、寸法変化は
−2%であった。これらの結果は、いずれも前記評価基
準に照らして○(優あるいは良)であった。なお、押出
しの際の口金部における圧力は64Kgf/cm2 であ
った。
【0028】(実施例2〜16)発泡剤を、下記表1、
2に記載した構成及び量とした以外は、実施例1と同様
な条件で押出発泡体を得た。得られた該発泡体の評価を
行い、結果を表1、2に示した。表1には、前記実施例
1の発泡体の評価も併記した。なお、表1、2中、発泡
剤の配合比率は発泡剤全体中における比率(%)、発泡
剤の配合量は樹脂100部に対する配合量(部)、押出
条件の圧力は、押し出しの際の口金部における圧力であ
る。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表1、2の結果から明らかなように、実施
例で得られた発泡体は、その物性において、いずれも前
記評価基準に照らして○あるいは△(優あるいは良)で
あった。
【0032】(比較例1〜3)比較例には、発泡剤とし
て、HFC134aのみを使用した例(比較例1)、炭
化水素のみを使用した例(比較例2)、HFC134a
を発泡剤全体中に90%含む発泡剤を使用した例(比較
例3)、更にHFC134aを発泡剤全体中に8%含む
例(比較例4)を示す。これらの比較例では、前記発泡
剤以外は、実施例1と同様な条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の評価を行い、結果を表3に示した。な
お、表3中、発泡剤の配合比率、発泡剤の配合量、押出
条件の圧力については表1、2の場合と同様である。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】上記のとおり、本発明によれば、アルケ
ニル芳香族樹脂を押し出し発泡するに際し、発泡剤とし
て、分子中に塩素原子を有しないフッ素化炭化水素の特
定量に対し、炭化水素や塩化アルキルを特定量併用する
ことで、外観、機械強度、断熱性に優れ、かつ環境適合
性の高い合成樹脂発泡体を製造することができる。ま
た、得られた発泡体は、発泡体100g当たり、0.0
1モル〜0.18モルの前記フッ素化炭化水素を含み、
高い断熱性を保持しうるものである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルケニル芳香族樹脂を加熱して溶融さ
    せ、これに発泡剤を配合して発泡可能なゲル状物質とな
    し、該ゲル状物質を発泡に適する温度に冷却し、該ゲル
    状物質をダイを通して、より低圧の領域に押し出して発
    泡体を形成する、各工程を含む合成樹脂発泡体の製造方
    法において、前記発泡剤が、(A)分子中に塩素原子を
    含まないフッ素化炭化水素が発泡剤全体中で30重量%
    以上、70重量%未満、(B)炭化水素及び(C)塩化
    アルキルとの少なくとも一方が発泡剤全体中で70重量
    %未満、30重量%以上、からなる混合物を主成分とす
    る合成樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡剤の主成分が、(A)分子中に塩素
    原子を含まないフッ素化炭化水素、及び(B)炭化水素
    からなる混合物である請求項1記載の合成樹脂発泡体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡剤の主成分が、(A)分子中に塩素
    原子を含まないフッ素化炭化水素、及び(C)塩化アル
    キルからなる混合物である請求項1記載の合成樹脂発泡
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡剤の主成分が、(A)分子中に塩素
    原子を含まないフッ素化炭化水素、(B)炭化水素、及
    び(C)塩化アルキルからなる混合物である請求項1記
    載の合成樹脂発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルケニル芳香族樹脂がポリスチレンで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂発泡体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 発泡剤の配合量が、アルケニル芳香族樹
    脂100重量部に対し5重量部以上30重量部未満であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の合成樹脂発泡体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 (A)分子中に塩素原子を含まないフッ
    素化炭化水素が、ジフルオロメタン、1,1ージフルオ
    ロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、
    1,1,1−トリフロオロエタン、1,1,1,2,2
    −ペンタフルオロエタン、1,1,1,2,3,3−ヘ
    キサフルオロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフ
    ルオロプロパン、及び1,1,3,3,3−ペンタフル
    オロプロパンからなる群のうちから選ばれた少なくとも
    1種である請求項1〜6のいずれかに記載の合成樹脂発
    泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 (A)分子中に塩素原子を含まないフッ
    素化炭化水素が、ジフルオロメタン、1,1−ジフルオ
    ロエタン、及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン
    よりなる群のうちから選ばれた少なくとも1種である請
    求項7記載の合成樹脂発泡体の製造方法。
  9. 【請求項9】 (A)分子中に塩素原子を含まないフッ
    素化炭化水素が、1,1,1,2−テトラフルオロエタ
    ンである請求項8記載の合成樹脂発泡体の製造方法。
  10. 【請求項10】 (B)炭化水素が、炭素数2〜6の脂
    肪族飽和炭化水素より選ばれた少なくとも1種である請
    求項1、2、又は請求項4〜9のいずれかに記載の合成
    樹脂発泡体の製造方法。
  11. 【請求項11】 (B)炭化水素が、プロパン、n−ブ
    タン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、及び
    2,2−ジメチルプロパンよりなる群のうちから選ばれ
    た少なくとも1種である請求項10記載の合成樹脂発泡
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】 (C)塩化アルキルが、塩化メチル、
    及び塩化エチルよりなる群のうちから選ばれた少なくと
    も1種である請求項1、又は請求項3〜11のいずれか
    に記載の合成樹脂発泡体の製造方法。
  13. 【請求項13】 (C)塩化アルキルが塩化エチルであ
    る請求項12記載の合成樹脂発泡体の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の方
    法により製造された合成樹脂発泡体。
  15. 【請求項15】 発泡体中に、分子中に塩素原子を含ま
    ないフッ素化炭化水素を、発泡体重量100g当たり
    0.01〜0.18モル含む請求項14記載の合成樹脂
    発泡体。
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