JP2000271989A - スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法

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JP2000271989A
JP2000271989A JP11086272A JP8627299A JP2000271989A JP 2000271989 A JP2000271989 A JP 2000271989A JP 11086272 A JP11086272 A JP 11086272A JP 8627299 A JP8627299 A JP 8627299A JP 2000271989 A JP2000271989 A JP 2000271989A
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JP
Japan
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foam
softening point
pressure
vicat softening
temperature
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JP11086272A
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English (en)
Inventor
Yuji Fujiwara
裕士 藤原
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境課題の多い発泡剤を使用した発泡体であっ
ても、優れた均一性、軽量性、断熱性を有する発泡体を
工業的に生産性よく得る。 【解決手段】スチレン系樹脂押出発泡体、特に環境課題
の低い発泡剤を用いた発泡体を得た後、発泡体をビカッ
ト軟化点より高い温度になるまで加熱し、ビカット軟化
点付近に保持された減圧雰囲気下において再発泡させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築材料等の断熱
材に用いることのできるスチレン系樹脂押出発泡体の製
造方法に関する。さらに詳しくは環境適合性に優れ、均
質な構造を有し、特に軽量であるスチレン系樹脂押出発
泡体の製造方法と、製造されたスチレン系樹脂押出発泡
体に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂発泡体の製造方法とし
て、スチレン系樹脂を押出機等にて可塑化し、これに塩
化メチルや塩化エチル、脂肪族飽和炭化水素類やフロン
類のような揮発性発泡剤を注入混合し、更にこの混合物
を良好な発泡体を得るに適する温度まで冷却し、これを
低圧域に押出すことによりスチレン系樹脂発泡体を製造
する方法が、提案されあるいは工業的に使用されてき
た。
【0003】フロンに関しては、塩素化フッ素化炭素
(以下CFCと略す)は、近年オゾン層への影響が懸念
され、CFCの塩素原子の一部を水素原子で置換した塩
素化フッ素化炭化水素(以下HCFCと略す)、さらに
は塩素原子を含有しないフロンであるフッ素化炭化水素
(以下HFCと略す)に代替していくことが望まれてい
る。
【0004】また、塩化メチル、塩化エチル等の取り扱
いには注意と対策が望まれる様になってきており、環境
適合性の面からは工業的に要求される発泡体の性能は維
持しつつ、可能であるならば代替していくことが好まし
い物質とされている。また、これら発泡剤の代替として
エーテル類、または二酸化炭素の様な無機ガスを使用す
ることも提案されあるいは検討されている。
【0005】この様に環境適合性を意識して多くの発泡
剤が提案されているが、現在代替が望まれている前記慣
用発泡剤に比べ、近年提案されている発泡剤は、スチレ
ン系樹脂に対する溶解量が少ないものや、溶解させにく
い(例えば高圧力下で混合する必要がある)等といった
課題も一方で有していることが多い。
【0006】このため得られた押出発泡体に厚み方向の
物性、特に密度ムラを生じたりして、例えば厚い押出発
泡体を製造した後、複数枚にスライスして用いたい場合
など、場所により異なる物性を有してしまう傾向がある
上、比較的密度が重くなる傾向もある。このため、同一
品質の製品を提供するという工業生産の観点からみて品
質上の問題を生じやすい上、同一体積の発泡体を得るに
当たり樹脂を多量に使用する必要があることや単位時間
に押出しできる体積が減少することから製造効率が低下
しコスト上の課題を有している。また、重量が重くなる
ことに伴い製造された発泡体を建築断熱材等で使用する
際に強度上の制約から取り付け方法が制約されたりし易
い傾向を有している。
【0007】均一かつ軽量な発泡体を得るための技術と
して、例えば特公平3−48016号公報に記載の技術
が提案されている。該公報には押出し発泡体の内部が高
温であり表面が熱変形温度以下になった時点で表面を熱
変形温度以上に再度加熱し、さらに500mHg以下の
減圧雰囲気におき発泡体をさらに発泡させる技術が開示
されている。
【0008】しかし該方法に記載された、押出しされた
発泡体内部が高温であり、外表面が冷却された状態から
軽量化加工を開始するという技術開示を実行するために
は、押出し−表面のみ冷却(内部は高温のまま)−表面
加熱−減圧加工と至る工程を実質的に連続で行う必要が
ある。一方、押出発泡においては発泡体は押出しされ連
続的に上流(ダイ)側から下流側へ流れてくる。このた
め、次々と繰り出される発泡体を処理しつつ個々の発泡
体にとって十分な減圧時間を確保するには、長大なある
いは多数の減圧槽を用意し、発泡体の槽内の滞留時間を
長く取ることが必須となる。従って、設備上大きな規模
が必要となり、こうした公知の技術思想を現実に工業的
生産に応用するには大きなコスト的技術負担を必要とす
る傾向にある。さらに、連続的に製品送りをしながら如
何に減圧槽の減圧状態を維持するかについては、技術上
の大きな課題も有する。
【0009】さらにまた、未だ高温状態にある内部温度
をどの程度の温度にするかにより減圧状態でさらに発泡
させる際の発泡体の状態が大きく変動してしまうという
課題もある。加えて内部が未だ高温である状態において
熱変形温度以下になった表面から再加熱を行い、更にそ
れに引き続いて減圧処理等を連続的に行うと、発泡体の
温度ムラが発生し易くなり、その温度ムラを原因とし
て、表面の気泡と内部の気泡とで減圧状態でさらに発泡
させる際に膨らみ具合の差が生じ易いという課題があ
る。このため均質な発泡体を得ることは必ずしも容易で
はない。
【0010】さらに、押出発泡直後から、発泡体は気泡
壁を通じて発泡剤の発泡体外への流出と空気の発泡体内
への流入が生じており、長時間たたないと発泡体を構成
する気泡内部が全体的に均等な圧力になりにくい。この
ように適切な時間の経過あるいは減圧時の適切な雰囲気
圧力の設定による外圧調整を行わなければ発泡体表面近
くと発泡体中心部で、圧力ムラに起因して発泡ムラを生
じることがあり、この点からも均質な発泡体を得ること
は必ずしも容易ではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、スチレン系樹脂押出発泡体について、特に
環境適合性の高い発泡剤を用いて製造したスチレン系樹
脂押出発泡体について、均質な構造を有し、比較的軽量
な発泡体を、工業的に有利に得る方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題の
解決のため鋭意研究の結果、主として環境適合性に優れ
た発泡剤を用い、通常の押出発泡方法により発泡体得た
後全体を冷却し、再度加熱し、その後減圧処理すること
により均質で軽量な発泡体が効率的に得られることを見
いだし、本発明に至った。
【0013】すなわち本発明は、1)押出発泡により得
られたスチレン系樹脂発泡体の平均温度が、発泡体を構
成するスチレン系樹脂のビカット軟化点より低くなった
後、発泡体平均温度Tを該ビカット軟化点(B)に対し
て ビカット軟化点(B)+5℃≦T≦ビカット軟化点
(B)+25℃ になる様に再加熱し、さらに絶対圧600mmHg以下
の減圧雰囲気下で再度発泡させてなることを特徴とす
る、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
【0014】さらに本発明は、2)減圧雰囲気の圧力
が、絶対圧260mmHg以下であることを特徴とする
前記1)項記載の発泡体の製造方法に関する。
【0015】さらに本発明は、3)再加熱温度Tがビカ
ット軟化点(B)+10℃≦T≦ビカット軟化点(B)
+20℃であることを特徴とする前記1)〜2)項のい
ずれかに記載の発泡体の製造方法に関する。
【0016】さらに本発明は、4)発泡体を構成する気
泡中に、空気又は、空気及び塩素原子を含有しない発泡
剤を含むことを特徴とする前記1)〜3)項のいずれか
に記載の発泡体の製造方法に関する。
【0017】さらに本発明は、5)前記1)〜4)項の
いずれかの方法により製造されたことを特徴とするスチ
レン系樹脂押出発泡体に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるスチレン系樹
脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモ
スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキ
シレン等の単独重合体または2種以上の組合わせからな
る共重合体や、これらとジビニルベンゼン、ブタジエ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、アクリロニトリル、無水マレイン
酸、無水イタコン酸などの単量体の1種または2種以上
とを共重合させた共重合体などが挙げられる。アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などは、製造さ
れた発泡体の圧縮強度等の物性を低下させない程度で用
いることができる。また、これらは共重合させるのでは
なく、前記スチレン系単量体の単独重合体または共重合
体と前記他の単量体の単独重合体または共重合体とのブ
レンド物であってもよい。また、ジエン系ゴム強化ポリ
スチレンやアクリル系ゴム強化ポリスチレンをブレンド
することもできる。
【0019】本発明においては、これらのスチレン系樹
脂のなかでポリスチレン樹脂が特に好適に使用すること
ができる。
【0020】本発明の発泡体は、炭酸カルシウム、クレ
ー、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、
珪酸土、シリカ、二酸化チタン、クエン酸と重炭酸ナト
リウム等の造核剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑
剤、ヘキサブロモシクロドデカン等の難燃剤、高分子型
ヒンダードフェノール系化合物等の抗酸化剤などの公知
の添加剤を発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じ
て適宜配合量を調整して配合することができる。
【0021】本発明の発泡体は、通常の押出発泡成形法
により発泡体を取得した後、例えば該発泡体を冷却前あ
るいは冷却後に切断し不連続な品とした後、得られた冷
却された不連続発泡体を再加熱及び減圧処理すること、
すなわち冷却及び切断と再加熱及び減圧処理とを不連続
に実施し達成しうる。
【0022】即ち、本発明の発泡体は、まず通常の押出
発泡技術により製造しうる。即ち、スチレン系樹脂に必
要に応じて添加剤を添加して押出し機内で加熱溶融さ
せ、発泡剤を該スチレン系樹脂に注入し、発泡性ゲルと
なし、押出発泡に適する温度に冷却し、該発泡性ゲルを
ダイを通して低圧の領域に押出発泡して、通常の温度ま
で冷却することにより製造される。
【0023】スチレン系樹脂の押出発泡成形時におけ
る、加熱溶融温度、溶融時間及び溶融手段については特
に制限するものではない。加熱溶融温度は、スチレン系
樹脂が溶融する温度以上、通常150〜250℃程度で
あればよい。溶融時間は、単位時間当たりの押出量、溶
融手段などによって異なるので一概には決定することが
できないが、スチレン系樹脂と発泡剤が均一に分散混合
するのに要する時間が選ばれる。また、溶融手段として
は、例えばスクリュー型の押出機などの通常の押出発泡
の際に用いられるものであれば特に制限がするものでは
ない。
【0024】本発明の場合、押出機の圧力変動が増大す
ることがあるが、押出機に例えば特公昭31−5393
号公報に開示される様な冷却兼混合機ないしは同様の機
能を有する押出機態様の装置等で容量の大きな物を増設
もしくは連結する方法を採ることで軽減ないしは回避す
ることができる。
【0025】発泡剤を注入する際の圧力は、特に制限す
るものではなく、押出機内に注入するために押出機の内
圧力よりも高い圧力であればよい。
【0026】本発明において得られた発泡体は、一度、
発泡体平均温度T、即ち発泡体全体の温度が平均的に、
該発泡体を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点
(本発明では、ビカット軟化点(B)、該ビカット軟化
点又は単にビカット軟化点と呼ぶことがある)以下にな
るまで冷却される。より具体的にば、厚み方向における
平均温度をさすのが好ましい。この発泡体を構成するス
チレン系樹脂の該ビカット軟化点は選択した具体的なス
チレン系樹脂により特定されるが、樹脂により異なるた
め一概には定義できない。一般にはおおむね80〜12
0℃程度であり、ASTM D1525に定義される方
法により容易に測定できる。
【0027】冷却された発泡体の到達温度は工程管理上
室温付近が管理しやすく好ましい。冷却の手段は特に制
限されるものではない。空調、送風などにより強制冷却
しても良いし、放置して自然冷却しても良い。冷却時間
は冷却方法等により異なるため一概に決められない。し
かし、本発明の再加熱を行うまでの具体的冷却時間を算
出したい場合等は、例えば発泡体の熱伝導率を元に1次
元非定常熱伝導方程式を解き、所望のビカット軟化点以
下の温度に発泡体全体がなるまでの時間を事前に算出し
ておき、該時間を目安に判断することが容易な方法であ
る。また本発明においては、ダイからの押出直後から切
断前後に行う冷却に引き続いて、本発明の残る工程を連
続的に行う必要はないので、該冷却された発泡体を蓄積
しておき、必要に応じて本発明の処理を別途行えばよ
い。このうち該切断は該発泡体が押出しされた後、該発
泡体が切断しても収縮等をしない程度に表面付近が冷却
固化した時点で行えばよい。発泡体の厚みにもよるが、
室温雰囲気に押出される場合、例えば、厚み50mm程
度であれば数秒〜数十秒で切断可能である。
【0028】前記冷却された発泡体は、次いで全体が平
均的に発泡体を構成するスチレン系樹脂の熱変形温度以
上になるまで再加熱される。再加熱温度はビカット軟化
点に対して5℃〜25℃高い温度が好ましく、10℃〜
20℃高い温度がさらに好ましい。温度が低いと加熱に
続く減圧処理を行っても密度が低下しにくく、温度が高
すぎると発泡体表面ないしは全体が溶解し、外観良好な
発泡体とならない傾向がある。
【0029】加熱方法は赤外線や水蒸気など公知の加熱
方法を適宜選択すれば良い。
【0030】加熱時間は発泡体全体が前記温度になる様
に適宜定めれば良く、特に限定するものではない。例え
ば前記と同様に発泡体の熱伝導率を元に1次元非定常熱
伝導率方程式を解き、本発明の開示する所望の温度に発
泡体全体がなるまでの時間を事前に算出して目安として
設定し、さらに加熱後の発泡体の表面状態を観察して良
好な時間を調整、選択するのは合理的で好ましい実施態
様である。
【0031】前記再加熱された発泡体は、すみやかに減
圧処理を行うことが好ましい。時間が経過すると表面温
度が下がり、均質な発泡体を得にくくなり易いため、表
面がおおむねビカット軟化点以上にある間に処理を開始
することが好ましい。
【0032】減圧は例えば減圧機構を有した減圧室で行
えばよい。本発明の再加熱及び減圧処理は押出発泡成形
とは別に行うのが好ましいので、該減圧室は前記再加熱
を行う空間又は室と同じでも良いし、別個でも良い。減
圧の度合いは得たい発泡体密度、発泡体の再加熱温度等
も影響するため一概に決定できないが、おおむね絶対圧
600mmHg以下にすることが好ましく、絶対圧26
0mmHgにすることがさらに好ましい。減圧が低いと
密度低下も小さい上、均質になりにくい傾向がある。
【0033】減圧に要する時間は急減圧すると発泡体表
面が破れる傾向があるため、再加熱した温度が下がらな
い間で、かつ、時間をかけ徐々に減圧するのが好まし
い。
【0034】さらに減圧の保持時間は発泡体の外観を観
察し、減圧による発泡体の発泡成長が停止するまでの時
間に、若干の時間を加算して保持を行い、その後大気圧
まで昇圧処理を行えば良い。好ましくは減圧を保持した
まま発泡体温度が室温ないしはビカット軟化点以下にな
るまで保持し、その後大気圧になるまで加圧することが
発泡した発泡体が加圧時に収縮しにくく好ましい。
【0035】減圧雰囲気は発泡体を均質に発泡させやす
いことから、再加熱された発泡体の温度にもよるが、発
泡体を構成するスチレン系樹脂のビカット軟化点に対し
て−30℃〜+10℃程度の雰囲気温度に保つことが好
ましい。該雰囲気温度は減圧状態にした減圧室内に残留
する空気に加熱空気を使用すること及び/又は減圧室の
壁面温度を該温度に保つことで輻射雰囲気として容易に
達成し得る。温度が低いと均質発泡への寄与が少なく、
高いと減圧処理した後、発泡体が収縮しやすくなる傾向
がある。
【0036】本発明の発泡体の製造において使用される
発泡剤は、オゾン破壊係数が0又は0に近いことや、毒
性が小さいこと、あるいは地球温暖化係数が小さい事な
ど環境適合性に優れた発泡剤が好ましい。そうした発泡
剤として塩素原子を含有しない発泡剤が好ましい。例え
ば、炭素数3〜5の塩素原子を含まない脂肪族飽和炭化
水素、アルコール類、エーテル類、HFC類や、二酸化
炭素等の有機ガス、無機ガスあるいは不活性ガス等が好
ましく、例えばプロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族
飽和炭化水素、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジ
フルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、
1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,2,2−テ
トラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフル
オロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタンな
どのフッ素化炭化水素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウ
ム、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチ
ルエーテルなどのエーテル、メタノール、エタノール、
プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチル
アルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコ
ールに例示されるアルコール類など、あるいは本発明の
目的を阻害しない公知の発泡剤を用いることができる。
これらは単独又は2種以上混合して使用する事も可能で
ある。このうち地球温暖化を考慮すればフロン類は少量
に止める方が好ましい。
【0037】本発明による発泡体を得るには、前記発泡
剤を用いて製造した押出し発泡体が、再加熱される前に
おおむね大気圧以上1.8気圧以下の発泡体内圧を有し
ていることが好ましい。
【0038】該圧力を確保する方法は、時間の経過とと
もに発泡剤が発泡体から逸散するとともに空気が事前に
流入してくるので、例えば発泡体内の空気の分圧あるい
は残留した発泡剤の分圧と空気の分圧の合計(全圧)が
1気圧なるまで放置することや、比較的スチレン系樹脂
に対する透過速度が遅く抜けにくい発泡剤、例えばイソ
ブタンを多く使用することなどで容易に調整することが
できる。すなわち、上記発泡剤が逸散または揮散して気
泡中が実質的に空気に置換された状態、又は、上記発泡
剤の一部が減少しそこへ空気が加わった状態を含む。
【0039】発泡体内圧が低いと密度低下量が小さくな
る傾向があり、また、内圧が高いと発泡体表層と内部で
不均質になったり、表層が破れたりし易い傾向がある。
【0040】発泡体内圧は、例えば該発泡体を真空にし
た容器内で加熱溶解させ、発生したガスをガスクロマト
グラフ等で定量分析し、発泡体の元体積、密度及び容器
体積とガス検出量から求めることができる。
【0041】
【実施例】次に本発明の発泡体について実施例に基づい
てさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に制限されるものではない。なお、特に断らない限り
「部」は重量部を、「%」は重量%を表す。
【0042】実施例においては発泡体の特性として、発
泡倍率、独立気泡率、平均気泡径、気泡径比率、圧縮強
度、熱伝導率、環境適合性を下記の方法に従って調べ
た。また、切削性についても次の方法で調べた。 1)密度:発泡体の密度を、その重量と水没法により求
めた体積とから次式で算出した。
【0043】発泡体密度=体積/重量 また、使用したスチレン系樹脂のおおよその密度を1.
05(g/cm3)として、次の式: 発泡倍率(倍)= 1.05/発泡体の密度(g/cm
3) から、おおよその発泡倍率を求めた。 2)発泡体独立気泡率:マルチピクノメーター(製品名
(湯浅アイオニクス(株)製))を用い、ASTM D
−2856に準じて算出した。 3)平均気泡径 押出発泡体の縦断面を走査型電子顕微鏡((株)日立製
作所製、品番:S−450)にて30倍に拡大して発泡
体の縦断面を写真撮影し、撮影した写真を乾式複写機で
複写し、えられた複写物において、気泡部分を黒インキ
で塗りつぶし、1次処理をおこない、1次処理した画像
を画像処理装置に((株)ピアス製、品番:PIAS−
II)より処理し、平均気泡径を求めた。
【0044】気泡径の算出にあたっては、発泡体を厚み
方向に3等分し、それぞれの断面で平均気泡径を算出
し、ばらつきを次の基準で評価した。
【0045】○ 3層のセル径の最大値から最小値を減
じた値が、3層のセル径の平均セル径の5%以内であ
る。
【0046】× 3層のセル径の最大値から最小値を減
じた値が、3層のセル径の平均セル径の5%を越える。 4)熱伝導率 熱伝導率に関しては、JIS A9511に準じて測定
した。測定に当たっては、押し出し発泡体中央部から製
品を切り出した後、1週間目を経過した時点で真空バネ
ル加工したものを測定し、 ○ 0.034Kcal/mhr℃以下 × 0.034Kcal/mhr℃を越える として評価した。 5)切削性 厚み4mm刃先角7度の片刃カッターを使用し、発泡体
の端部から30mm内側の所で該端部を取り落とすよう
に、発泡体の押出方向に平行に、端部側に刃のテーパ部
が来るようにして刃を入れ、刃を進行させるにしたがい
端部側の切削片にクラックが入らないか、あるいは進行
長さ50mm当たり1本以下のクラックがはいるもの、
あるいは発泡体端部まで届かないクラックだけが入るも
のを良品として評価した。 (実施例1)ポリスチレン樹脂(旭化成工業(株)製、
商品名:G9305、ビカット軟化点109℃)100
部に対して、滑剤としてステアリン酸マグネシウム0.
2部と、難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン3.
0部、造核剤としてタルク0.2部を加え、押出機中で
200℃に加熱して混練しながら、これにi−ブタン4
部とジメチルエーテル3部からなる発泡剤を注入した
後、冷却兼混合機を通じて115℃にしたのち、目開き
の間隔が2mmのスリットと流路面がフッ素樹脂でコー
ティングされた厚み方向間隔60mmの成形金型を介し
て押出発泡し、板状のスチレン系樹脂発泡体を得た。こ
の発泡体の密度(倍率)を測定した。さらに室温、大気
圧で1週間及び1ヶ月放置した後の発泡体内の内圧(全
圧)を測定するため、密閉容器内に該発泡体の一部を入
れ、内部を真空に減圧した後240℃に加熱溶融し発生
したガスをガスクロマトグラフ(島津製作所 GC−1
4A型)を用いて定量し、該ガスを理想気体と仮定して
発泡体密度とガス量から、発泡体内の内圧(全圧)を計
算した。
【0047】その後、放置した発泡体の残余を120℃
に維持された恒温恒湿槽にいれ、20分加熱し、続いて
隣接した輻射面温度及び減圧前初期雰囲気温度が90℃
に保持された減圧室に該加熱サンプルを入れ、約1分か
けて60mmHgまで減圧した後、5分間保持し、約1
分かけて室温大気を該槽内に流入させ、槽内を大気圧に
戻した後、サンプルを取り出し、発泡倍率、熱伝導率、
切削性を測定した。
【0048】その評価結果を表1,2に示す。得られた
発泡体は軽量性、均一性、熱伝導率に優れた発泡体であ
った。また切削性にも優れていた。 (実施例2〜5)減圧度ないしは輻射雰囲気温度ないし
は発泡体の再加熱温度ないしは発泡剤組成を表1記載の
値に変えた他は実施例1と同様の方法にて発泡体を得
た。その評価結果を表1,2に示す。得られた発泡体は
軽量性、均一性、熱伝導率に優れた発泡体であった。ま
た切削性にも優れていた。 (比較例1)発泡体の再加熱温度を100℃にした他は
実施例1と同様の方法で発泡体を得た。得られた発泡体
は軽量化が不十分であった。 (比較例2)再加熱された発泡体の減圧度を絶対圧75
0mmHgとした他は実施例1と同様の方法で発泡体を
得た。得られた発泡体はほとんど軽量化せず軽量化不十
分であった。 (比較例3)発泡体の再加熱温度を140℃にした他は
実施例1と同様の方法で発泡体を得た。得られた発泡体
は軽量化するが独立気泡率が低下し、熱伝導率が悪化す
るなど工業的に満足ではなかった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】 表1、表2に示された結果から、実施例の発泡体はいず
れも軽量性、断熱性、切削性に優れていることが分か
る。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、環境適合性に優れ、軽
量性、均一性、断熱性等に優れたスチレン系樹脂発泡体
を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25:04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】押出発泡により得られたスチレン系樹脂発
    泡体の平均温度が、発泡体を構成するスチレン系樹脂の
    ビカット軟化点より低くなった後、発泡体平均温度Tを
    該ビカット軟化点に対して ビカット軟化点+5℃≦T≦ビカット軟化点+25℃ になる様に再加熱し、さらに絶対圧600mmHg以下
    の減圧雰囲気下で再度発泡させてなることを特徴とす
    る、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】減圧雰囲気の圧力が、絶対圧260mmH
    g以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】再加熱温度Tが ビカット軟化点+10℃≦T≦ビカット軟化点+20℃ であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載
    の発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】発泡体を構成する気泡中に、空気又は、空
    気及び塩素原子を含有しない発泡剤を含むことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の発泡体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの方法により製造
    されたことを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
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