JPH11158012A - 安定な殺微生物剤配合物 - Google Patents

安定な殺微生物剤配合物

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JPH11158012A
JPH11158012A JP10215039A JP21503998A JPH11158012A JP H11158012 A JPH11158012 A JP H11158012A JP 10215039 A JP10215039 A JP 10215039A JP 21503998 A JP21503998 A JP 21503998A JP H11158012 A JPH11158012 A JP H11158012A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に少量の銅イオンを含む、安定化された
3−イソチアゾロン殺微生物剤の希薄溶液の提供。 【解決手段】 以下の成分:(a)5−クロロ−2−メ
チル−3−イソチアゾロン、2−メチル−3−イソチア
ゾロン、5−クロロ−2−エチル−3−イソチアゾロ
ン、2−エチル−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロ
ロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、およびこれらの
混合物からなる群から選択される3−イソチアゾロン化
合物、0.5〜5重量;(b)銅塩の形態の第2銅イオ
ン、2〜500ppm;(c)塩素酸塩、過塩素酸塩、
ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩
からなる群から選択される酸化剤、0.01から10重
量%;及び(d)水;を含み、第2銅イオンと酸化剤と
の重量比が1:35またはそれ以上である、安定な殺微
生物化合物の希薄溶液組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、3−イソチアゾロン殺微生物剤
の安定化に関する。より詳しくは、本発明は、非常に少
量の銅イオンを含む3−イソチアゾロン殺微生物剤の希
薄溶液の安定化に関する。
【0002】殺微生物剤は、冷却塔、金属作動流体系、
ペイント及び化粧品のような種々の対象における微生物
の成長を防止するために、商業的に用いられている。殺
微生物剤のより重要な種類の一つは3−イソチアゾロン
類である。多くの3−イソチアゾロン類は、広範囲の条
件下で、種々の対象における微生物成長を防止するのに
極めて有効であるので、商業的な成功を収めている。そ
の中で最も重要な3−イソチアゾロン類は、5−クロロ
−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−3−
イソチアゾロン及びこれらの混合物である。
【0003】3−イソチアゾロン類は極めて有効な殺微
生物剤であるが、ある種の3−イソチアゾロンは、ある
条件下では不安定である。安定剤の存在なしでは、多く
の3−イソチアゾロン類は、化学的に分解して殺微生物
有効性を失う。多くの研究が3−イソチアゾロン類を安
定化することに向けられてきた。
【0004】5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾ
ロンと2−メチル−3−イソチアゾロンとの3:1混合
物である典型的な3−イソチアゾロン生成物は、1〜2
5重量%の3−イソチアゾロン混合物及び同等量の安定
剤を含む。5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロ
ンと2−メチル−3−イソチアゾロンとの3:1混合物
の濃縮組成物は、概して、約5〜35重量%の3−イソ
チアゾロン化合物を含み、約10〜25重量%の安定剤
を必要とする。5−クロロ−2−メチル−3−イソチア
ゾロンと2−メチル−3−イソチアゾロンとの3:1混
合物の希釈溶液は、約0.5〜5重量%の3−イソチア
ゾロン化合物を含む。希薄溶液については、濃縮組成物
とは異なる安定化についての要求が存在する。
【0005】3−イソチアゾロン希薄溶液に対して種々
の安定剤が知られている。これらの公知の安定化された
3−イソチアゾロン希薄溶液は、高い金属塩含量を有
し、ある条件下でラテックスの凝集を引き起こしたり、
または制限された安定性しか有しない。たとえば、本明
細書の一部として参照されるGirondaらの米国特
許第5,461,150号は、5−クロロ−2−メチル
−3−イソチアゾロン、2−メチル−3−イソチアゾロ
ン、およびこれらの混合物の希薄溶液に、硝酸塩または
亜硝酸塩ではない、少量の銅塩の形態の第2銅イオンを
加えることによる安定化を開示する。銅イオンと3−イ
ソチアゾロン化合物との重量比は、0.02:1.5〜
0.0008:1.5の範囲である。これらの安定化さ
れた希薄溶液は、良好な短期間(たとえば55℃で4週
間)での安定性を示すが、長期間(たとえば55℃で8
週間)では、安定性はを有しないか、または限られた安
定性しか有しない。この特許明細書は、また、3−イソ
チアゾロン組成物の保存中の沈殿形成の問題について
は、教示していない。
【0006】安定剤の使用によって、3−イソチアゾロ
ン希薄溶液が一定期間にわたってその殺微生物有効性を
保持することが可能になるが、保存中の沈殿の形成のよ
うな3−イソチアゾロン類の大きな損失を伴わない他の
問題が起こる可能性がある。この沈殿の存在は、3−イ
ソチアゾロン類の有効性には悪影響を与えないが、沈殿
の存在によって、生成物はユーザーに対して望ましくな
い外観を与える。商業的な見地からは、沈殿を形成しな
い生成物が明らかに好ましい。
【0007】而して、長期間安定性を有し、沈殿を有し
ない、3−イソチアゾロン希薄溶液に対する継続した必
要性がある。
【0008】発明の概要 第2銅イオンにより安定化された3−イソチアゾロン希
薄溶液に少量の酸化剤を加えることにより、3−イソチ
アゾロンの長期間安定性を著しく改善し、貯蔵の間に沈
殿も生じないことが見いだされた。
【0009】本発明は、以下の成分: (a)5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、
2−メチル−3−イソチアゾロン、5−クロロ−2−エ
チル−3−イソチアゾロン、2−エチル−3−イソチア
ゾロン、4,5−ジクロロ−2−メチル−3−イソチア
ゾロン、およびこれらの混合物からなる群から選択され
る3−イソチアゾロン化合物、0.5〜5重量; (b)銅塩の形態の第2銅イオン、2〜500ppm; (c)塩素酸塩、過塩素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、
過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩からなる群から選択され
る酸化剤、0.01から10重量%;及び (d)水;を含み、第2銅イオンと酸化剤との重量比が
1:35またはそれ以上である、殺微生物化合物の安定
な希薄溶液組成物に関する。
【0010】本発明は、また、組成物の重量を基準とし
て0.01から10重量%の、塩素酸塩、過塩素酸塩、
ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩
からなる群から選択される酸化剤を、組成物の重量を基
準として0.5〜5重量%の、5−クロロ−2−メチル
−3−イソチアゾロン、2−メチル−3−イソチアゾロ
ン、5−クロロ−2−エチル−3−イソチアゾロン、2
−エチル−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2
−メチル−3−イソチアゾロン、およびこれらの混合物
からなる群から選択される3−イソチアゾロン化合物;
銅塩の形態の第2銅イオン2から500ppm;および
水を含む、安定化された3−イソチアゾロン組成物に加
える工程を含み、ここで、第2銅イオンと酸化剤との重
量比が1:35またはそれ以上である、殺微生物剤組成
物中における沈殿の形成を防止する方法に関する。
【0011】本発明は、また、上記に記載の組成物を対
象に導入することを含む、対象における微生物の成長を
制御又は抑制する方法に関する。
【0012】発明の詳細な説明 本明細書全体にわたって、説明において他に明確に示さ
ない限りにおいて、以下の用語は以下の意味を有する。
「殺微生物剤」という用語は、対象における微生物の成
長を抑制又は制御することのできる化合物を意味する。
「殺微生物性」という用語は、化合物が微生物の成長を
抑制し、制御するどちらの活性をも意味する。「微生
物」という用語は、菌類、バクテリア及び藻類を包含す
るが、これらに限定されない。「対象(locus)」
という用語は微生物に汚染される工業的システムまたは
生産物をいう。本明細書中において、以下の略号を用い
る。 ppm=百万分の一;g=グラム;℃=摂氏温度;UV
=紫外線;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;m
L=ミリリットル;DI=脱イオン水;重量%=重量パ
ーセント。 全ての%は組成物の重量に基づいた重量%である。全て
の重量範囲は、境界値を含むものである。
【0013】本発明において有用な3−イソチアゾロン
化合物は、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロ
ン、2−メチル−3−イソチアゾロン、5−クロロ−2
−エチル−3−イソチアゾロン、2−エチル−3−イソ
チアゾロン、4,5−ジクロロ−2−メチル−3−イソ
チアゾロン、及びこれらの混合物である。好ましい3−
イソチアゾロン類は、5−クロロ−2−メチル−3−イ
ソチアゾロン、2−メチル−3−イソチアゾロン、およ
びこれらの混合物である。もっとも好ましいものは、5
−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロンと2−メチ
ル−3−イソチアゾロンの混合物である。混合物の場
合、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロンと2
−メチル−3−イソチアゾロンとの重量比は、90:1
0〜2:98である。特に好ましい重量比は75:25
〜90:10である。
【0014】溶液中の3−イソチアゾロン化合物の量
は、組成物の重量に基づいて0.5〜5.0重量%であ
る。組成物の重量に基づいて1から2重量%を用いるの
が好ましい。
【0015】種々の銅塩が公知である。本発明の組成物
においては、十分な水溶性を有し、溶液中に所望のレベ
ルの第2銅イオンを与えることのできる任意の銅塩を使
用することができる。好適な例としては、硫酸銅、酢酸
銅、塩化銅、臭化銅、塩素酸銅、過塩素酸銅、亜硝酸
銅、および硝酸銅があげられるが、これらに限定される
ものではない。硫酸銅、および硝酸銅が好ましい。銅塩
は一般に市販されており、たとえばPfalz Bau
er(Waterbury,Connecticut)
から商業的に入手することができ、更なる精製を行なう
ことなく用いられる。
【0016】本発明の組成物において有用な第2銅イオ
ンの量は、典型的には2から500ppmである。好ま
しくは5から400ppmであり、より好ましくは30
から200ppmである。3−イソチアゾロンの濃度が
高い場合よりも、濃度が低い場合の方が、必要とされる
第2銅イオンの量は少ない。イソチアゾロンの濃度が増
大すると、同じ安定性を達成するためには、濃度に比例
してより多量の第2銅イオンが必要とされる。たとえ
ば、1.5重量%の3−イソチアゾロン希薄溶液を安定
化するためには、5から200ppmの第2銅イオンで
十分である。1.5重量%の3−イソチアゾロン希薄溶
液を安定化するために使用される第2銅イオンは、好ま
しくは8から100ppmである。一般に、5重量%の
3−イソチアゾロン希薄溶液を安定化するためには、5
0から500ppmの第2銅イオンで十分であり、15
0から500ppm使用するのが好ましい。
【0017】本発明において有用な酸化剤は、塩素酸
塩、過塩素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸お
よび過ヨウ素酸塩からなる群から選択される。好適な酸
化剤としては、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、過
塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、ヨウ素酸、ヨウ
素酸リチウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウ
ム、ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸リ
チウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、
過ヨウ素酸アンモニウムが挙げられるが、これらに限定
されない。好ましい酸化剤は、塩素酸ナトリウム、塩素
酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、および過塩素酸カリ
ウムである。酸化剤は、概して、例えばAldrich
Chemical Company(Milwauk
ee, Wisconsin)から商業的に入手するこ
とができ、更なる精製を行なうことなく用いられる。
【0018】本発明の組成物において有用な酸化剤の量
は、組成物の重量を基準として、0.01〜10重量
%、好ましくは0.05〜8重量%、より好ましくは
0.1〜5重量%である。本発明の組成物において有用
な第2銅イオンと酸化剤との重量比は、典型的には1:
35またはそれ以上である。第2銅イオンと酸化剤との
重量比は、好ましくは、1:35から1:300であ
り、より好ましくは1:50から1:200である。第
2銅イオンの濃度が低い場合には、濃度が高い場合に比
較してより少量の酸化剤が必要とされる。第2銅イオン
の濃度が増大すると、同じ安定性を達成するためには、
濃度に比例してより多量の酸化剤が必要とされる。たと
えば、1.5重量%の3−イソチアゾロンと8から20
0ppmの第2銅イオンを含む希薄溶液では、一般的に
は0.01から8重量%の酸化剤を含む場合に、安定と
なり、沈殿を生じない。5重量%の3−イソチアゾロン
と50から500ppmの第2銅イオンを含む希薄溶液
では、一般的には0.5から10重量%、好ましくは1
から8重量%の酸化剤を含む場合に、安定となり、沈殿
を生じない。
【0019】本発明の特に有用な組成物は、組成物の重
量に基づいて1から2重量%の2−メチル−3−イソチ
アゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロ
ンまたはそれらの混合物;銅塩の形態の第2銅イオン、
5から100ppm;塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウ
ム、過塩素酸ナトリウム、および過塩素酸カリウムから
なる群から選択される酸化剤、0.05から8重量%;
及び水;を含む。
【0020】本発明の組成物を調製する際には、酸化剤
を3−イソチアゾロン単独物に直接加えることはできな
い。そうでなければ、3−イソチアゾロン、銅塩、酸化
剤及び水を、任意の順番で混合することができる。3−
イソチアゾロンと水を混合し、次いで銅塩を加え、その
後酸化剤を加えることによって、本発明の組成物を調製
することが好ましい。
【0021】殺微生物的に有効な量の組成物を、微生物
の攻撃を受ける対象上、対象中又は対象に導入すること
によって、本発明の安定な3−イソチアゾロン希薄溶液
を、微生物の成長を抑制するために使用することができ
る。好適な対象としては、冷却塔;空気洗浄機;ボイラ
ー;鉱物スラリー;排水処理装置;装飾用泉;逆浸透濾
過装置;限外濾過装置;バラスト水;蒸発凝縮器;熱交
換器;パルプ及び紙処理流体;プラスチック;エマルジ
ョン及び分散液;ペイント;ラテックス;ワニスのよう
な被覆剤;マスチック剤、コーキング剤及びシーラント
のような建築用製品;セラミック用接着剤、カーペット
裏打ち用接着剤及び積層接着剤のような建築用接着剤;
産業用及び家庭用接着剤;写真用薬品;印刷用流体;浴
室用殺菌剤又は消毒剤のような家庭用製品;化粧品及び
洗面用品;シャンプー;石けん;洗浄剤;界面活性剤;
冷滅菌剤(cold sterilants)、硬質表
面殺菌剤(hard surface disinfe
ctants)のような産業用殺菌剤又は消毒剤;床ポ
リッシュ剤;洗濯用すすぎ水;布帛柔軟剤;金属作動流
体;コンベヤー潤滑剤;圧媒液;皮革及び皮革製品;テ
キスタイル;テキスタイル製品;木材及びプライウッ
ド、チップボード、フレークボード、積層ビーム、配向
ストランドボード、ハードボード及びパーティクルボー
ドのような木材製品;石油加工流体;燃料;噴射水(i
njection water)、破裂液体(frac
ture fluids)及び掘穿泥水(drilli
ng muds)のような油田流体(oilfield
fluids);農業用アジュバント保存剤;界面活
性剤保存剤;医療器具;診断試薬保存剤;プラスチック
又は紙製食品ラップのような食品保存剤;プール;及び
温泉;が挙げられるが、これらに限定されない。好まし
い対象は、化粧品及び洗面用品;ラテックス;エマルシ
ョンおよび分散液;ペイント;界面活性剤;床ポリッシ
ュ剤;布帛柔軟剤;洗浄剤;および家庭用製品である。
【0022】微生物の成長を抑制又は制御するのに好適
な3−イソチアゾロン化合物の量は、当該技術において
周知であり、保護すべき対象に依存する。微生物の成長
を抑制するのに好適な3−イソチアゾロン殺微生物剤の
量は、概して、保護すべき対象の容量を基準として、
0.05〜5,000ppmである。0.1〜2,50
0ppmを用いることが好ましい。例えば、冷却塔又は
パルプ及び紙処理流体のような対象では、微生物の成長
を抑制するのに、0.1〜100ppmの3−イソチア
ゾロン殺微生物剤を必要とする。冷却塔又はパルプ及び
紙処理流体においては、0.1〜50ppmを用いるこ
とが好ましい。建築用製品、油田流体又はエマルジョン
のような他の対象では、微生物の成長を抑制するのに
0.5〜5000ppmの3−イソチアゾロン殺微生物
剤を必要とし、一方、殺菌剤又は消毒剤のような対象
は、5,000ppm以下を必要とする。
【0023】イソチアゾロンは殺微生物剤として非常に
活性であり、安定化のためには少量の銅イオンとハロゲ
ン酸化剤のみが必要とされるので、処理されるシステム
中の銅イオンとハロゲン酸化剤の量は非常に低い。その
ため、銅イオンとハロゲン酸化剤はシステム中の保護を
必要とする他の成分、または保護されるシステムが適用
される他のシステムの成分と干渉しあうことがない。
【0024】抗微生物剤の特性を、1以上の他の抗微生
物剤と組み合わせることによって向上させることができ
ることは、当該技術において公知である。したがって、
他の公知の殺微生物剤を、本発明の組成物と、有利に組
み合わせることができる。
【0025】以下の実施例は、本発明の更なる種々の特
徴を示すために与えられるが、本発明の範囲をいかなる
ようにも制限するものではない。以下の実施例において
は、使用された3−イソチアゾロンは5−クロロ−2−
メチル−3−イソチアゾロンと2−メチル−3−イソチ
アゾロンとのほぼ3:1の混合物である(純度96.5
%)。銅の量は、第2銅(II)イオンの量として、p
pmで示された。試料は、55℃で8週間保存した後に
85%よりも多い3−イソチアゾロンが残留し、沈殿ま
たは層分離がみられないときに安定であるとした。すべ
ての試料はUV検出器を備えたHPLCで分析された。
【0026】実施例1 A、B、CおよびDの4つの異なるロットの3−イソチ
アゾロンを、以下のサンプルを調製するために使用し
た。サンプル1−1から1−10とされた10個の10
0mLのガラス瓶のそれぞれに、1つのロットの3−イ
ソチアゾロンを1.53gを加えた。使用した具体的な
ロットは表1に示した。1−1、1−2、1−3および
1−4のサンプルには硫酸銅0.0075g(30pp
m銅イオン)と98.5gの脱イオン水をさらに加え
た。1−5、1−6、および1−7のサンプルには硫酸
銅0.025g(100ppm銅イオン)と98.4g
の脱イオン水をさらに加えた。1−8、1−9、および
1−10のサンプルには硫酸銅0.0503g(200
ppm銅イオン)と98.4gの脱イオン水をさらに加
えた。すべてのサンプルは1.5重量%の3−イソチア
ゾロンを含んでいた。これらのサンプル中の唯一の安定
剤は銅イオンであった。サンプルに蓋をし、混合して塩
を溶解し、オーブン中55℃で貯蔵した。4週および8
週間の貯蔵後、5−クロロ−2−メチル−3−イソチア
ゾロンの残留%を分析した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】*:+は8週間後に沈殿が存在していたこ
とを示す。 上記の結果は、すべてのサンプルは短期間(4週間)で
は良好な安定性を示すが、長期間の安定性は制限された
ものであることを示している。貯蔵後、沈殿の有無につ
いてサンプルを目視で調べたが、白色沈殿がすべてのサ
ンプルにおいて観察された。
【0029】実施例2 2−1から2−4の4個のサンプルを実施例1の手順に
より調製した。サンプル2−1と2−2は30ppmの
第2銅イオンを含有していた。サンプル2−3は100
ppmの第2銅イオンを含有し、サンプル2−4は20
0ppmの第2銅イオンを含有していた。すべてのサン
プルは1.5重量%の3−イソチアゾロンを含有してい
た。サンプル2−1には他の安定剤は加えず、対照とし
た。2−2から2−4のサンプルのそれぞれには、サン
プル重量に基づいて0.4重量%の塩素酸ナトリウムを
加えた。サンプルに蓋をし、混合し、オーブン中55℃
で貯蔵した。4週および8週間の貯蔵後、5−クロロ−
2−メチル−3−イソチアゾロンの残留%を分析した。
8週間の貯蔵後、沈殿の有無について目視でサンプルを
観察した。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】+は沈殿が存在していたことを、−は沈殿
が存在していなかったことを示す。この結果は、第2銅
イオンで安定化された3−イソチアゾロン希薄溶液に、
0.4重量%(400ppm)の塩素酸ナトリウムを加
えると、第2銅イオンのすべての添加レベルにおいて3
−イソチアゾロンの長期間の安定性を著しく増大させ、
望ましくない沈殿の生成を防止することを示している。
【0032】実施例3 本実施例は、第2銅イオンと過ヨウ素酸の、1.5重量
%のイソチアゾロン希薄溶液を安定化する効果を示す。
3−1、3−2、および3−3の3つの3−イソチアゾ
ロンの1.5重量%希薄溶液を、実施例1の手順により
調製した。サンプル3−1および3−2は30ppmの
第2銅イオンを含んでいた。サンプル3−3は、第2銅
イオンを含んでいなかった。サンプル3−2および3−
3にはサンプルの重量に基づいて0.25重量%の過ヨ
ウ素酸を加えた。瓶の蓋をし、混合して、オーブン中5
5℃で貯蔵した。4週および8週間の貯蔵後、5−クロ
ロ−2−メチル−3−イソチアゾロンの残留%を分析し
た。沈殿の有無、または層分離されたオレンジ色の層の
形成について目視でサンプルを観察した。結果を表3に
示す。
【0033】
【表3】
【0034】−は沈殿も層分離もしていなかったことを
示す、+は沈殿が存在していたことを示す、++は層分
離によりオレンジ色の層が形成されたことを示す。この
結果は、第2銅イオンで安定化された3−イソチアゾロ
ン希薄溶液に、0.25重量%(250ppm)の過ヨ
ウ素酸を加えると、3−イソチアゾロンの長期間安定性
を著しく増大させることを示す。第2銅イオンと過ヨウ
素酸の組み合わせは、望ましくない沈殿と層分離を起こ
さない安定な3−イソチアゾロン希薄溶液を与える。
【0035】実施例4 3−イソチアゾロンのロットAおよびBを使用し、4−
1、および4−2の2つの3−イソチアゾロンの1.5
重量%希薄溶液を、実施例1の手順により調製した。サ
ンプル4−1および4−2は100ppmの第2銅イオ
ンを含んでいた。両方のサンプルに、サンプルの重量に
基づいて0.5重量%の塩素酸ナトリウムを加えた。瓶
の蓋をし、混合して、オーブン中55℃で貯蔵した。4
週および8週間の貯蔵後、5−クロロ−2−メチル−3
−イソチアゾロンの残留%を分析した。結果を表4に示
す。
【0036】
【表4】
【0037】この結果は、本発明の組成物が良好な長期
間安定性を有することを示す。
【0038】実施例5 3−イソチアゾロンのロットDを使用し、5−1から5
−12までの12個の3−イソチアゾロンの1.5重量
%希薄溶液を、実施例1の手順により調製した。サンプ
ル5−1、5−2、5−5、5−6、5−9、および5
−10は30ppmの第2銅イオンを含んでいた。サン
プル5−3、5−4、5−7、5−8、5−11、およ
び5−12は100ppmの第2銅イオンを含んでい
た。サンプル5−1から5−4には、サンプルの重量に
基づいて0.1重量%の塩素酸ナトリウムを加えた。サ
ンプル5−5から5−8には、サンプルの重量に基づい
て0.5重量%の塩素酸ナトリウムを加えた。サンプル
5−9から5−12には、サンプルの重量に基づいて
0.9重量%の塩素酸ナトリウムを加えた。瓶の蓋を
し、オーブン中55℃で貯蔵し、8週間の貯蔵後、分析
をした。結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】+は沈殿が存在していたことを、+/−は
若干の沈殿が存在していたことを、−は沈殿が存在して
いなかったことを示す。この結果は、沈殿を生じない安
定な3−イソチアゾロン希薄溶液を得るためには、1:
35の第2銅イオンと酸化剤の比率が必要であることを
示している。
【0041】実施例6(比較例) 本実施例は、第2銅イオンが存在しない場合には塩素酸
塩は3−イソチアゾロン希薄溶液を安定化しないことを
示す。硫酸銅を加えないで、6−1から6−6までの6
つのサンプルを実施例1のの手順により調製した。すべ
てのサンプルは1.5重量%の3−イソチアゾロンを含
んでいた。サンプルに、サンプルの重量に基づいて0.
1重量%、0.5重量%、または0.9重量%の塩素酸
ナトリウムを加えた。サンプルの蓋をし、オーブン中5
5℃で貯蔵した。2週間の貯蔵後、5−クロロ−2−メ
チル−3−イソチアゾロンの残留%を分析した。2週間
の貯蔵後には、すべてのサンプルにおいて5−クロロ−
2−メチル−3−イソチアゾロンは残留していなかっ
た。この結果は、3−イソチアゾロン希薄溶液を安定化
させるためには、塩素酸塩単独では不十分であることを
明瞭に示している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 59/08 A01N 59/08 A 59/20 59/20 Z (72)発明者 ジョン・ロバート・マトックス アメリカ合衆国ペンシルバニア州18944, パーカシー,シーダ・レーン・637

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の成分: (a)5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、
    2−メチル−3−イソチアゾロン、5−クロロ−2−エ
    チル−3−イソチアゾロン、2−エチル−3−イソチア
    ゾロン、4,5−ジクロロ−2−メチル−3−イソチア
    ゾロン、およびこれらの混合物からなる群から選択され
    る3−イソチアゾロン化合物、0.5〜5重量; (b)銅塩の形態の第2銅イオン、2〜500ppm; (c)塩素酸塩、過塩素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ素酸塩、
    過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩からなる群から選択され
    る酸化剤、0.01から10重量%;及び (d)水;を含み、第2銅イオンと酸化剤との重量比が
    1:35またはそれ以上である、殺微生物化合物の安定
    な希薄溶液組成物。
  2. 【請求項2】 3−イソチアゾロン化合物の量が、組成
    物の重量を基準として1〜2重量%の量である請求項1
    に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 銅塩が、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、臭化
    銅、塩素酸銅、過塩素酸銅、亜硝酸銅、および硝酸銅か
    らなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 酸化剤が、塩素酸ナトリウム、塩素酸カ
    リウム、過塩素酸ナトリウム、および塩素酸カリウムか
    らなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 第2銅イオンと酸化剤との重量比が1:
    35から1:300である、請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 組成物の重量を基準として0.01から
    10重量%の、塩素酸塩、過塩素酸塩、ヨウ素酸、ヨウ
    素酸塩、過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩からなる群から
    選択される酸化剤を、組成物の重量を基準として0.5
    〜5重量%の、5−クロロ−2−メチル−3−イソチア
    ゾロン、2−メチル−3−イソチアゾロン、5−クロロ
    −2−エチル−3−イソチアゾロン、2−エチル−3−
    イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−メチル−3−
    イソチアゾロン、およびこれらの混合物からなる群から
    選択される3−イソチアゾロン化合物;銅塩の形態の第
    2銅イオン2から500ppm;および水を含む、安定
    化された3−イソチアゾロン組成物に加える工程を含
    み、ここで、第2銅イオンと酸化剤との重量比が1:3
    5またはそれ以上である、殺微生物剤組成物中における
    沈殿の形成を防止する方法。
  7. 【請求項7】 銅塩が、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、臭化
    銅、塩素酸銅、過塩素酸銅、亜硝酸銅、および硝酸銅か
    らなる群から選択される、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 酸化剤が、塩素酸ナトリウム、塩素酸カ
    リウム、過塩素酸ナトリウム、および塩素酸カリウムか
    らなる群から選択される、請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の組成物を対象に導入す
    ることを含む、対象における微生物の成長を制御又は抑
    制する方法。
  10. 【請求項10】 対象が、冷却塔、空気洗浄機、ボイラ
    ー、鉱物スラリー、排水処理装置、装飾用泉、逆浸透濾
    過装置、限外濾過装置、バラスト水、蒸発凝縮器、熱交
    換器、パルプ及び紙処理流体、プラスチック、エマルジ
    ョン及び分散液、ペイント、ラテックス、被覆剤、及び
    金属作動流体からなる群から選択される請求項9に記載
    の方法。
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