JPH11157436A - バルブ - Google Patents

バルブ

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JPH11157436A
JPH11157436A JP32659897A JP32659897A JPH11157436A JP H11157436 A JPH11157436 A JP H11157436A JP 32659897 A JP32659897 A JP 32659897A JP 32659897 A JP32659897 A JP 32659897A JP H11157436 A JPH11157436 A JP H11157436A
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JP
Japan
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valve
pressure chamber
valve seat
valve body
communication hole
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Application number
JP32659897A
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English (en)
Inventor
Hideaki Iijima
島 英 明 飯
Masahiko Miyashita
下 雅 彦 宮
Katsuhiro Mita
田 克 宏 三
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成で且つ弾性部材の損傷の虞れを低
減するバルブを提供すること。 【解決手段】 圧力室に臨むとともに流体通路である連
通孔22acを備えた弁座22と、圧力室に配設され、
弁座22に接触することにより連通孔22acと圧力室
との連通を遮断する弁体21とを有するバルブ20にお
いて、弁体21は弁座22に対向する当接面21aaを
平坦状とし、弁座22には弁体21に対向する部分に凹
部22aaを備え、凹部22aa内には弁体21が当接
する環状のシール部材22bを配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシール部材を備えた
バルブに関し、詳細には、自動車用液圧ブレーキシステ
ムに使用されるマスタシリンダ等に用いられるバルブに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のバルブは、特表平7−50029
8号公報に開示されるように、圧力室に臨むと共に流体
通路である連通孔を備えた弁座と、前記圧力室に配設さ
れ、前記弁座に接触することにより前記連通孔を塞ぐ弁
体と、を有するバルブにおいて、前記弁座には、前記圧
力室に向かって突出するとともに前記弁体が当接する環
状突起部を備えた弾性部材が、前記連通孔の周りを囲む
ようして配設されていることを特徴とするものである。
【0003】この従来のバルブは、弁体が弁座に当接す
ることにより、弾性部材の環状突起部が軸方向に弾性変
形されて連通孔を遮蔽し、流体の連通を遮断する。又、
弁体が弁座から離間することによって、連通孔が連通可
能とされるものである。
【0004】しかしながら、近年の自動車用液圧ブレー
キシステムにおいては、ABS(アンチブレーキロック
システム)、TRC(トラクションコントロールシステ
ム)等の複雑な液圧装置が付加される傾向にあり、AB
S等の装置が付加された自動車用液圧ブレーキシステム
に上述した従来のバルブを用いた場合において、弁体が
弁座に接触して連通孔を遮蔽している際にABS等の装
置が作動されて、このABS等の装置の作動に伴い圧力
室の流体圧が連通孔側の流体圧に比べて高圧となる状況
が生じることがある。
【0005】圧力室の流体圧が連通孔側の流体の圧力よ
りも高圧となると、この高圧によって弁座の環状突起部
は径方向内方に向かって付勢されるようになる。この圧
力室の流体圧が高圧の状態において弁体が弁座から離間
すると、環状突起部に作用している径方向内方に向かっ
て付勢する圧力、及び、圧力室の流体が連通孔に向かっ
て流動することにより、環状突起部が径方向内方に向か
って押圧付勢されて、環状突起部が径方向内方に倒れ込
み、環状突起部の付け根部分が損傷するという虞れが生
じる。
【0006】更に、圧力室の流体圧が高圧であり環状突
起部が倒れ込んだ状態で弁体が弁座に当接すると、環状
突起部が弁体により潰されて損傷するという虞れが生じ
る。このような事態を考慮して、上述した公報には、圧
力室に臨むと共に流体通路である連通孔を備えた弁座
と、前記弁座に配設されるとともに弾性材から成る環状
突起部と、前記圧力室内に配設され、前記圧力室内をそ
の前方側に位置する前方側圧力室とその後方側に位置す
るとともに前記弁座が配設されている後方側圧力室とに
区画する環状部材と、前記弁座の前方で前記後方側圧力
室内に配設され、前記環状突起部を介して前記弁座に接
触することにより前記連通孔と前記後方側圧力室との連
通を遮断する弁体と、前記前方側圧力室に配設され、前
記弁体と前記弁座とが前記環状突起部を介して当接する
以前に前記環状部材に当接して前記環状部材の中心孔を
遮蔽することにより、前記前方側圧力室と後方側圧力室
との連通を遮断するとともに、前記弁体と前記弁座とが
離間した後に前記環状部材から離間して前記環状部材の
中心孔を開放することにより、前記前方側圧力室と前記
後方側圧力室とを連通させる球状部材と、を有する環状
突起部の損傷抑制を図ったバルブが開示されている。
【0007】この環状突起部の損傷抑制を図ったバルブ
は、バルブの閉状態から開状態への移行において、先ず
弁体が弁座から離間されることにより、後方圧力室と連
通孔とが連通され、次いで、球状部材が環状部材から離
間されることにより、前方側圧力室と後方側圧力室とが
連通されることになる。
【0008】従って、弁体と弁座との離間当初の弁体及
び弁座を介して連通孔に流入する流体量は制限されるこ
とから、環状突起部の損傷の虞を抑制している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た環状突起部の損傷抑制を図ったバルブは、弁体の前方
に環状部材及び球状弁体を備えていることから、構造が
複雑になると共に前後方向での大型化を招いている。
【0010】本発明は、簡素な構成で且つ弾性部材の損
傷の虞れを低減するバルブを提供することを、その技術
的課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、圧力室に臨むとともに流体通路である連通孔
を備えた弁座と、前記圧力室に配設され、前記弁座に接
触することにより前記連通孔と前記圧力室との連通を遮
断する弁体とを有するバルブにおいて、前記弁体は前記
弁座に対向する面が平坦状を呈し、前記弁座は前記弁体
に対向する部分に凹部を有するとともに前記凹部内に前
記弁体が当接する環状の突起部を備えた弾性部材を有し
ていることを特徴とするバルブを構成した。
【0012】好ましくは、前記弁座は前記凹部の開口周
縁部上に前記弁体が当接する弾性材から成るシール部を
有していることを特徴とするバルブが望ましい。
【0013】請求項1のバルブは、弁体が弁座の弾性部
材の特に環状突起部に接触して連通孔と圧力室とが遮断
されている状態で、圧力室内の圧が連通孔側に比べて高
圧となると、弾性部材の環状突起部が径方向内方に付勢
されるようになる。この圧力室が高圧状態の時にバルブ
が開状態とされることにより、圧力室が連通孔と連通
し、圧力室内の流体が連通孔に流入しようとする。圧力
室の高圧及び圧力室内の流体の連通孔への流動により、
弾性部材の環状突起部が径方向内方へ倒れ込むことにな
る。
【0014】弾性部材の環状突起部が径方向内方に倒れ
込んだ状態で、弁体が弁座に当接して連通孔と圧力室と
が遮断されると、この弁体と弁座との当接に際して、環
状突起部が径方向内方に倒れ込んでいることから、弁体
は弁座の凹部の開口周縁部に当接することになる。
【0015】請求項2のバルブは、請求項1の作用に加
えて、弾性部材の環状突起部が倒れ込んだ状態で、弁体
が弁座に当接して連通孔と圧力室とが遮断されると、こ
の弁体と弁座との当接に際して、環状突起部が径方向内
方に倒れ込んでいることから、弁体は弁座の凹部の開口
周縁部にシール部を介して当接することになる。
【0016】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態により具体的
に説明する。
【0017】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の
形態であるABS装置が付加された自動車用ブレーキシ
ステムに用いられるブレーキマスタシリンダの断面図で
ある。図1に示すように、ブレーキマスタシリンダ1の
シリンダボデー2はシリンダ孔2aを有し、図1中左端
が閉塞されるとともに右端が開口する有底筒状を呈して
いる。
【0018】シリンダボデー2の外周にはオイルリザー
バ3に接続される左右一対のリザーバ結合部4、5が形
成されるとともに、シリンダボデー2の周壁には各リザ
ーバ結合部4、5とシリンダボデー2の内部とを連通す
るサプライポート4a、5aが形成されている。
【0019】シリンダ孔2aの開口部及び中央部には、
ピストン6、7がそれぞれ往復摺動可能に挿入されてい
る。シリンダ孔2a内は、両ピストン6、7によって第
1圧力室9が区画されるとともに、ピストン6とシリン
ダボデー2の底面とによって第2圧力室8が区画されて
いる。
【0020】更に、第1及び第2圧力室9、8を液密保
持するためにシールカップ10、11、12、13が、
各ピストン6、7の外周に夫々配設されている。
【0021】又、シリンダ孔2aと、ピストン6の前方
側フランジ部と後方側フランジ部との間とで第2ブレー
キ液供給室14が区画され、シリンダ孔2aとピストン
7の前方側フランジ部と後方側フランジ部との間とで第
1ブレーキ液供給室15が区画されている。第1、第2
ブレーキ供給室15、14はそれぞれサプライポート4
a、5aによりリザーバ3に連通されている。
【0022】ピストン6、7には、シリンダボデー2a
の軸方向垂直方向(図1中上下方向)に延在されるとと
もにシリンダボデー2に両端を固定されたピン16、1
7が貫通するスリット18、19が形成されている。シ
リンダボデー2の底部とピストン6との間、及び、ピス
トン6とピストン7との間には、リターンスプリング2
5、26が配設されている。ピン16、17はリターン
スプリング25、26により後退方向(図1中右方)に
付勢されるピストン6、7の復帰位置を定める機能を果
たす。
【0023】図2は図1のピストン7に配設されている
バルブ20近辺の拡大図である。図1、図2に示すよう
に、ピストン7はその前方部分に円筒状の突出部7aを
同軸的に有し、この前方部分にバルブ20が配設されて
いる。突出部7aには、突出部7aの前方開口部分及び
外周部分を覆う略有底筒状を呈するリテーナ23が配設
されている。リテーナ23の底部には突出部7aの内部
と第2圧力室9とを連通する連通穴23aが設けられて
いる。
【0024】バルブ20は弁体21と弁座22を有して
いる。弁座22は、突出部7aの底面を構成する部分に
形成された凹部7bに嵌合される略円柱状の金属製本体
部22aと、本体部22aの弁体21に対向する対向部
分に形成された凹部22aaに同軸的に配設される弾性
材から成る環状のシール部材22bと、本体部22aの
外周に形成された環状溝22abに配設されるOリング
22adとを有している。
【0025】本体部22はOリング22adを介して凹
部7bに液密的に嵌合されている。シール部材22bの
軸方向長は凹部22aaの軸方向長よりも長くされてお
り、シール部材22bの前方側部分が凹部22aaの開
口から弁体21側に突出している。
【0026】ピストン7には、軸方向(図2中左右方
向)に延在し、凹部7bとスリット19とを連通する軸
方向孔7cが形成されており、弁体22の本体部22a
には、中心部で且つ軸方向に貫通する連通孔22acが
形成されている。本体部22aが凹部7bに組付けられ
ることにより、連通孔22acは凹部22aaを介して
軸方向孔7cと筒状部7aの内部とを連通する。
【0027】第1圧力室9とリザーバ3とは、リテーナ
23の連通穴23a、突出部7aの内部、連通孔22a
c、軸方向孔7c、スリット19、第1ブレーキ液供給
室15、及びサプライポート5aとを介して連通してい
る。
【0028】弁体21は金属材から形成され、弁座22
のシール部22bに当接する頭部21aと、連通孔22
acに軸方向移動可能に挿入される軸部21bとを有し
ている。頭部21aのシール部22bの前端部に当接す
る後方端面としての当接面21aaは平坦面状を呈して
いる。
【0029】リテーナ23と弁体21の頭部21aとの
間には、弁体21を弁座22に向けて付勢するスプリン
グ24が配設されている。初期状態においては、弁体2
1がスプリング24に付勢されることにより、弁体21
の軸部21bの後方端部がピン17に当接して弁体21
の後方への移動が規制されており、弁体21の当接面2
1aaとシール部材22bの前方側端面とは、所定距離
で離間されている。従って、第1圧力室9とリザーバ3
とは連通している。
【0030】ピストン6にもピストン7と同様にして、
上述したバルブ20が形成されている。
【0031】次いで作動を説明する。マスタシリンダ1
の非作動状態においては、ピストン6、7はピン16、
17に当接した復帰位置に位置しており、各ピストン
6、7のバルブ20は、弁体21と弁座22とが離間し
た開状態を採っている。
【0032】図1、図2に示すように、ピストン7に押
圧力が加えられると、リターンスプリング26の付勢力
に抗してピストン7は図1中左方に向かって移動され
る。ピストン7の前進に伴ってバルブ20の弁座22が
ピストン7と共に前進するのに対して、弁体21はスプ
リング24により弁体21の軸部21bの後端部がピン
17に当接した位置に保持されるため、ピストン7が所
定距離だけ前進すると、弁体21の当接面21aaが弁
座22のシール部材22bの前方側端面に接触して連通
孔22acが弁体21に遮蔽され、バルブ20は閉状態
となる。即ち、第1圧力室9とリザーバ3との連通が断
たれることになる。
【0033】ピストン7のバルブ20が閉状態となった
後、更に、ピストン7が前進されることによって第1圧
力室9内のブレーキ液が昇圧される。このバルブ20の
閉状態以降の前進において、ピストン7は弁体21を図
2中左方に付勢することから、弁体21はピストン7と
一体的に前進され、弁体21の軸部21bの後方端部と
ピン17とが非当接状態となる。
【0034】第1圧力室9内のブレーキ液の昇圧により
ピストン6が図1中左方に移動されると、ピストン6に
配設されているバルブ20がピストン7のバルブ20の
作動と同様にして閉状態となることにより、第2圧力室
8とリザーバ3との連通が遮断され、第2圧力室8内の
ブレーキ液が昇圧される。両圧力室8、9のブレーキ液
の昇圧により第2圧力室8に連通するアウトレットポー
ト27及び第1圧力室9に連通するアウトレットポート
(図示省略)を介して車輪ブレーキにブレーキ液が圧送
される。
【0035】ピストン7への押圧力が解除されると、両
リターンスプリング25、26の付勢力により両ピスト
ン6、7が図1中右方へ復帰移動される。この復帰移動
において、各バルブ20の弁体21がスプリング24に
よって後方へ付勢されることから、移動当初はピストン
6、7と各バルブ20の弁体21とは一体的に移動する
が、弁体21の軸部21bの後方端部がピストン6、7
よりも先にピン16、17に当接することにより、弁体
21の復帰移動はピストン6、7の復帰移動よりも先に
終了することになる。
【0036】従って、ピストン6、7がピン16、17
に当接するまでは、弁体21に対してピストン6、7は
後方に移動することから、弁体21の当接面21aaが
弁座22のシール部材22bから離間され、連通孔22
acの弁体21による遮蔽状態が解除される。即ち、各
バルブ20が開状態となり、第2圧力室8が第2ブレー
キ液供給室14に連通され、第1圧力室9が第1ブレー
キ液供給室15に連通されてブレーキ液圧が降圧され
る。
【0037】マスタシリンダ1の作動時、即ち、各バル
ブ20の弁体21の当接部21aaが弁座22のシール
部材22bの前方端面に接触し、連通孔22acと圧力
室8、9とが遮断されている状態で、各アウトレットポ
ート27に連通されるABS装置を形成するアクチュエ
ータ(図示省略)においてABS作動が行われると、弁
体21側のブレーキ液圧、即ち、圧力室8、9内のブレ
ーキ液圧は、連通孔22ac側のブレーキ液圧、即ち、
リザーバ3の液圧に比べて高圧となる。
【0038】圧力室8、9内のブレーキ液圧が連通孔2
2ac側のブレーキ液圧よりも高圧となることにより、
シール部材22bの特に凹部22aよりも前方側に突出
する前方側部分が径方向内方に付勢されるようになる。
この圧力室8、9が高圧状態の時に強制的にピストン
6、7の押圧が解除されると、ピストン6、7がリター
ンスプリング25、26によって図1で右方向へ摺動さ
れ、ピストン6、7が復帰位置に復帰されるとともに各
バルブ20は開状態とされる。
【0039】各バルブ20が開状態とされることによ
り、圧力室8、9がリザーバ3と連通し、圧力室8、9
内のブレーキ液が連通孔22acを介してリザーバ3に
流入しようとする。圧力室8、9の高圧及び圧力室8、
9内のブレーキ液の連通孔22acへの流動により、シ
ール部材22bの特に前方側部分において径方向内方へ
の倒れ込みが起こる。
【0040】シール部材22bの前方側部分が径方向内
方に倒れ込んだ状態で、更に再度ピストン6、7が左方
向へ押動されることにより、各バルブ22の弁体21が
弁座22に当接して連通孔22acと圧力室8、9とが
遮断されることになる。この弁体21と弁座22との当
接に際して、シール部材22bの前方側部分が径方向内
方に倒れ込んでいることから、弁体21の当接面21a
aは本体部22aの凹部22aaの開口周縁部である前
方側端部22aeに当接することになる。
【0041】図2に示す弁座22の本体部22aの前方
側端部22aeと凹部22aaの底部との距離Aは、シ
ール部22bが径方向内方に倒れ込んだ状態で弁体21
の当接面21aaが弁座22の本体部22aの前方側端
部22aeに当接した状態で、シール部材22bが弁体
21の当接面21aaと本体部22aの凹部22aaの
底部とによって挟み込まれないように設定されているも
のである。従って、シール部材22bが弁体21と弁座
22の本体部22aにより挟み込まれて損傷する虞はな
い。
【0042】以上説明したように、本実施の形態のバル
ブ20によれば、弁座22のシール部材22bが損傷す
る虞が無い。
【0043】更に、弁体21と弁座22以外には、特別
な部材を必要としないことから、簡素な構成でもってシ
ール部材22bの損傷を抑制することができる。
【0044】従って、簡素な構成で且つシール22bの
損傷の虞れを低減するバルブ20を提供することを可能
としている。
【0045】本実施の形態においては、タンデム型のブ
レーキマスタシリンダにおいて本発明のバルブを採用し
たが、特にこの構成に限定されるものではなく、例え
ば、シングル型のポートレスブレーキマスタシリンダ等
の各種バルブ機構において本発明のバルブを採用しても
同様の作用効果が得られるのは言うまでもない。
【0046】又、本実施の形態においては、環状突起部
を有する弾性部材として環状のシール部材22bを用い
ているが、特にこの構成に限定するものでは無いことは
言うまでもない。
【0047】又、本実施の形態においては、バルブ20
の遮蔽状態時にABSが作動されることによって圧力室
8、9において高圧が生じているが、特にこの構成に限
定されるものではなく、バルブの遮蔽状態時に圧力室が
高圧となる状況が生じ得る各種装置においても同様の作
用効果が得られる。
【0048】(実施の形態2)図3は、本発明の一実施
の形態であるバルブ20の断面図である。実施の形態1
と同様の部材には同符号が付してある。シール部材22
bの形状が異なるほかは実施の形態1と同様であるので
詳細な説明は省略する。
【0049】図3に示すように、ピストン7はその前方
部分に円筒状の突出部7aを同軸的に有し、この前方部
分にバルブ20が配設されている。突出部7aには、突
出部7aの前方開口部分及び外周部分を覆う略有底筒状
を呈するリテーナ23が配設されている。リテーナ23
の底部には、突出部7aの内部と第1圧力室9とを連通
する連通穴23aが設けられている。
【0050】バルブ20は弁体21と弁座22を有して
いる。弁座22は、突出部7aの底面を構成する部分に
形成された凹部7bに嵌合される略円柱状の金属製本体
部22aと、本体部22aの弁体21に対向する対向部
分に形成された凹部22aaの環状溝に同軸的に配設さ
れる環状突起部22baを有するシール部材22bとを
有している。
【0051】弾性材から成るシール部材22bは、環状
突起部22baと、本体部22aの外周を覆う環状部2
2bbと、本体部22aの凹部22aaの開口周縁部で
ある前方側端部22ae上に配設されて環状突起部22
baと環状部22bbとを接続する接続部22bc(シ
ール部)とを一体的に有している。本体部22aはシー
ル部材22bの環状部22bbを介して凹部7bに液密
的に嵌合されている。シール部材22bの環状突起部2
2baの軸方向長は凹部22aaの軸方向長よりも長く
されており、環状突起部22baの前方側部分が凹部2
2aaの開口から弁体21側に突出している。
【0052】ピストン7には、軸方向(図3中左右方
向)に延在するとともに凹部7bとスリット19とを連
通する軸方向孔7cが形成されており、弁体22の本体
部22aには、中心部で且つ軸方向に貫通する連通孔2
2acが形成されている。本体部22aが凹部7bに組
付けられることにより、連通孔22acは凹部22aa
を介して軸方向孔7cと突出部7aの内部とを連通す
る。
【0053】第1圧力室9と図示しないリザーバとは、
リテーナ23の連通穴23a、突出部7aの内部、連通
孔22ac、軸方向孔7c、スリット19、第1ブレー
キ液供給室15、及びサプライポート(不図示)とを介
して連通している。
【0054】弁体21は金属材から形成され、弁座22
のシール部22bの環状突起部22baに当接する頭部
21aと、連通孔22acに軸方向移動可能に挿入され
る軸部21bとを有している。頭部21aの突起部22
baの前端部に当接する後方端面としての当接面21a
aは平坦面状を呈している。
【0055】リテーナ23と弁体21の頭部21aとの
間には、弁体21を弁座22に向けて付勢するスプリン
グ24が配設されている。初期状態においては、弁体2
1がスプリング24に付勢されることにより、弁体21
の軸部21bの後方端部がピン17に当接して弁体21
の後方への移動が規制されており、弁体21の当接面2
1aaとシール部材22bの環状突起部22baの前方
側端面とは、所定距離で離間されている。従って、第1
圧力室9とリザーバとは連通している。
【0056】マスタシリンダの作動時、即ち、バルブ2
0の弁体21の当接面21aaが弁座22のシール部材
22bの環状突起部22baの前方端部に接触し、連通
孔22acと圧力室9とが遮断されている状態で、第1
圧力室9に形成された不図示のアウトレットポートに連
通されるABS装置を形成するアクチュエータ(図示省
略)においてABS作動が行われると、弁体21側のブ
レーキ液圧、即ち、圧力室9内のブレーキ液圧は、連通
孔22ac側のブレーキ液圧、即ち、リザーバの液圧に
比べて高圧となる。
【0057】圧力室9内のブレーキ液圧が連通孔22a
c側のブレーキ液圧よりも高圧となることにより、シー
ル部材22bの環状突起部22baの特に凹部22aa
よりも前方側(図3中左側)に突出する前方側部分が径
方向内方に付勢されるようになる。この圧力室9が高圧
状態の時に強制的にピストン7の押圧が解除されると、
ピストン7がリターンスプリング25によって図3で右
方向へ摺動されてピストン7が復帰位置に復帰されると
ともに、バルブ20は開状態とされる。
【0058】バルブ20が開状態とされることにより、
圧力室9がリザーバと連通し、圧力室9内のブレーキ液
が連通孔22acを介してリザーバに流入しようとす
る。圧力室9の高圧及び圧力室9内のブレーキ液の連通
孔22acへの流動により、シール部材22bの環状突
起部22baの特に前方側部分において径方向内方への
倒れ込みが起こる。
【0059】シール部材22bの環状突起部22baの
前方側部分が径方向内方に倒れ込んだ状態で、更に再度
ピストン7が左方向へ押動されることにより、バルブ2
0の弁体21が弁座22に当接して連通孔22acと圧
力室9とが遮断されることになる。この弁体21と弁座
22との当接に際して、シール部材22bの環状突起部
22baの前方側部分が径方向内方に倒れ込んでいるこ
とから、弁体21の当接面21aaは本体部22aの凹
部22aaの開口周縁部である前方側端部22aeに接
続部22bcを介して当接することになる。
【0060】弁座22の本体部22aの接続部22bc
或いは前方側端部22aeと凹部22aaの底部との距
離は、シール部22bの環状突起部22baが径方向内
方に倒れ込んで弁体21の当接面21aaが弁座22の
本体部22aの前方側端部22aeに当接する状態で、
シール部材22bの環状突起部22baが弁体21の当
接面21aaと本体部22aの凹部22aaの底部とに
よって挟み込まれないように設定されているものであ
る。従って、シール部材22bが弁体21と弁座22の
本体部22aにより挟み込まれて損傷する虞はない。
【0061】更に、シール部材22bの環状突起部22
baが径方向内方に倒れ込んだ際に、弁体21の当接面
21aaは弾性材からなる接続部22bcに当接するこ
とになることから、シール性をより向上することができ
る。
【0062】その他の作用効果は実施の形態1と略同様
であるので説明は省略する。
【0063】本実施の形態においては、シール部材22
bにおいて環状突起部22baと接続部22bcとが一
体的に形成されているが、特にこの構成に限定されるも
のではなく、例えば、環状突起部とシール部とが別体で
弁座に配設される本発明のバルブにおいても同様の作用
効果が得られる。
【0064】以上、本発明を上記実施の態様に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、弾性部材が弁体と弁座の特に凹部底面により挟
み込まれて損傷する虞はない。
【0066】従って、簡素な構成で且つ弾性部材の損傷
の虞れの無いバルブを提供することを可能としている。
【0067】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、弁体と弁座との当接時のシール性を向
上することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のマスタシリンダの断面図。
【図2】図1の一部拡大断面図。
【図3】実施の形態2のバルブ20の断面図。
【符号の説明】
8、9 圧力室 20 バルブ 21 弁体 21aa 当接面 22 弁座 22aa 凹部 22b シール部材 22ba 環状突起部 22bc 接続部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力室に臨むとともに流体通路である連
    通孔を備えた弁座と、 前記圧力室に配設され、前記弁座に接触することにより
    前記連通孔と前記圧力室との連通を遮断する弁体と、 を有するバルブにおいて、 前記弁体は前記弁座に対向する面が平坦状を呈し、前記
    弁座は前記弁体に対向する部分に凹部を有するとともに
    前記凹部内に前記弁体が当接する環状の突起部を備えた
    弾性部材を有していることを特徴とするバルブ。
  2. 【請求項2】 前記弁座は前記凹部の開口周縁部上に前
    記弁体が当接する弾性材から成るシール部を有している
    ことを特徴とする請求項1のバルブ。
JP32659897A 1997-11-27 1997-11-27 バルブ Pending JPH11157436A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9828957B2 (en) 2011-09-20 2017-11-28 Denso Corporation Fuel injector and method for manufacturing fuel injector

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9828957B2 (en) 2011-09-20 2017-11-28 Denso Corporation Fuel injector and method for manufacturing fuel injector
US10344721B2 (en) 2011-09-20 2019-07-09 Denso Corporation Fuel injector and method for manufacturing fuel injector

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