JPH11157294A - 陶磁器成形装置のローラ鏝 - Google Patents

陶磁器成形装置のローラ鏝

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JPH11157294A
JPH11157294A JP34064497A JP34064497A JPH11157294A JP H11157294 A JPH11157294 A JP H11157294A JP 34064497 A JP34064497 A JP 34064497A JP 34064497 A JP34064497 A JP 34064497A JP H11157294 A JPH11157294 A JP H11157294A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既成の陶磁器成形装置のローラ鏝として用い
ることにより陶磁器の製造工程において陶磁器の各部に
各種の凹凸模様を成形しない場合と略同等の製造コスト
で陶磁器の各部に各種の凹凸模様を成形することがで
き、しかも、凹凸模様が変化に富み味わい深く趣のある
陶磁器成形装置のローラ鏝を提供する。 【解決手段】 轆轤によって回転する石膏型等からなる
成形型2と、成形面4が成形型2の成形面2aに対向し
成形型2の回転軸7に対し所定の角度を有する回転軸8
を中心に回転するローラ鏝3とを備え、成形型2及びロ
ーラ鏝3の両成形面2a,4によって陶磁器11の被成
形体を成形する陶磁器成形装置1のローラ鏝3であっ
て、前記ローラ鏝3の成形面4には、凹凸模様成形部4
aが形成されており、この凹凸模様成形部4aによって
被成形体に各種の凹凸模様が形成されるように成形型2
及びローラ鏝3が連携して回転するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陶磁器成形装置の
ローラ鏝に関するものであり、特に、陶磁器の半成品で
ある被成形体を成形加工する陶磁器成形装置のローラ鏝
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、陶磁器成形装置には、石膏型
等からなる成形面を有し轆轤と一体で回転する成形型
と、成形面を有するローラ鏝とを組み合わせて、前記成
形型及びローラ鏝の両成形面によって粘土等のセラミッ
ク材料を圧延して陶磁器の半成品である被成形体を成形
するものがある。
【0003】この陶磁器成形装置により成形された被成
形体の各部に各種の凹凸模様を形成するには、成形面に
凹凸模様を備えた模様成形部材を前記被成形体の各部に
硬化する前に当接させて、前記模様成形部材の成形面の
凹凸模様を被成形体の各部に転写して成形するのが一般
的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
に、模様成形部材の成形面を当接させて硬化前の被成形
体の各部に凹凸模様を成形する場合は、硬化前の被成形
体は変形し易いために、被成形体に模様成形部材の成形
面を当接させる時の押圧力が大きすぎると、被成形体全
体の形状が変形等して破損するおそれがあった。
【0005】また、静止した状態で被成形体に成形され
る各種の凹凸模様は、模様成形部材の成形面に形成され
た凹凸模様を反転させたものであるため、極めて機械的
で単調であり、味わいや趣を出すには限界があった。
【0006】さらに、一旦、陶磁器成形装置で成形した
被成形体に模様成形部材により各種の凹凸模様を成形す
る場合には、陶磁器が完成するまでに、更に多くの手
間、時間及び作業スペースを要するため、陶磁器の製造
コストが増大していた。
【0007】そこで、本発明は、既成の陶磁器成形装置
のローラ鏝として用いることにより陶磁器の製造工程に
おいて陶磁器の各部に各種の凹凸模様を成形しない場合
と略同等の製造コストで陶磁器の各部に各種の凹凸模様
を成形することができ、しかも、凹凸模様が変化に富み
味わい深く趣のある陶磁器成形装置のローラ鏝の提供を
課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
陶磁器成形装置のローラ鏝は、轆轤によって回転する成
形型と、成形面が前記成形型の成形面に対向し前記成形
型の回転軸に対し所定の角度を有して回転するローラ鏝
とを備え、前記成形型及びローラ鏝の両成形面によって
陶磁器の被成形体を成形する陶磁器成形装置のローラ鏝
であって、前記ローラ鏝の成形面には、凹凸模様成形部
が形成されており、前記凹凸模様成形部によって前記被
成形体に各種の凹凸模様が形成されるように前記成形型
と連携して回転するものである。
【0009】ここで、成形型の材質には、石膏がある。
また、凹凸模様には、文字、絵柄等がある。さらに、ロ
ーラ鏝には、成形対象となる被成形体の内面を成形する
内鏝と、被成形体の外面を成形する外鏝とがある。そし
て、ローラ鏝が内鏝の場合には成形型の成形面は凹状で
あり、ローラ鏝が外鏝の場合には成形型の成形面は凸状
である。
【0010】したがって、請求項1の発明の陶磁器成形
装置のローラ鏝によれば、陶磁器成形装置を使用して、
ローラ鏝の成形面と成形型の成形面との間に陶磁器の材
料となる粘土等のセラミック材料を介在させて轆轤によ
り前記成形型を回転させるとともに、前記ローラ鏝を回
転させれば、前記セラミック材料が圧延されて所定の形
状を有する被成形体が成形される。その際、前記ローラ
鏝及び成形型の各回転数を所定の比率にすれば、ローラ
鏝と成形型との回転比率に応じて、前記ローラ鏝の成形
面により成形される部分に、前記ローラ鏝の成形面の凹
凸模様成形部の模様を反転させた凹凸模様が前記ローラ
鏝の成形面の回転方向に所望の比率で変形されて、所望
の位置に、所望の個数だけ成形される。
【0011】請求項2の発明にかかる陶磁器成形装置の
ローラ鏝は、請求項1の陶磁器成形装置のローラ鏝にお
いて、ローラ鏝の成形面が被成形体の内面を成形し、成
形型の成形面が被成形体の外面を成形するものである。
【0012】したがって、請求項2の発明の陶磁器成形
装置のローラ鏝によれば、請求項1の陶磁器成形装置の
ローラ鏝の作用に加えて、被成形体の内面に凹凸模様が
形成される。
【0013】請求項3の発明にかかる陶磁器成形装置の
ローラ鏝は、請求項1の陶磁器成形装置のローラ鏝にお
いて、ローラ鏝の成形面が被成形体の外面を成形し、成
形型の成形面が被成形体の内面を成形するものである。
【0014】したがって、請求項3の発明の陶磁器成形
装置のローラ鏝によれば、請求項1の陶磁器成形装置の
ローラ鏝の作用に加えて、被成形体の外面に凹凸模様が
形成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて説明をする。図1は本発明の第一実施形態であるロ
ーラ鏝を備えた陶磁器成形装置を示す斜視図である。
【0016】図1に示すように、本実施形態のローラ鏝
3は、陶磁器成形装置1に用いられ、成形型2と対にな
って陶磁器11を成形する。
【0017】成形型2は、石膏からなり略壷状をしてお
り凹状の成形面2aを有している。この成形面2aは、
後述する陶磁器11の外面を成形するためのものであ
り、図示しない轆轤と一体で、矢印5に示すように回転
する。なお、轆轤の動力源は、サーボモータ等の回転数
を所定範囲で自在に制御できるものが使用される。ま
た、モータによることなく、人力で回転するものもあ
る。
【0018】ローラ鏝3は、鉄、アルミニウム等の各種
金属、或いはナイロン樹脂等の各種樹脂からなり、凸状
で前記成形型2の成形面2aと対向する形状の成形面4
を有している。この成形面4は、後述する陶磁器11の
内面を成形するためのものであり、図示しない回転手段
と一体で、矢印6に示すように回転する。つまり、ロー
ラ鏝3の成形面4は前記成形型2の成形面2aに対向
し、成形型2の回転軸に対し所定の角度を有して回転す
る。なお、回転手段の動力源は、サーボモータ等の回転
数を所定範囲で自在に制御できるものが使用される。
【0019】また、轆轤及び回転手段の各回転数は図示
しない回転数可変手段により可変できるようになってお
り、成形型2及びローラ鏝3の各回転比率は所定の範囲
内で可変可能となっている。このため、成形型2とロー
ラ鏝3は一定の関係を有し連携して回転することができ
る。
【0020】ローラ鏝3の成形面4には、各種装飾模様
が凹凸状に成形された凹凸模様成形部4aが彫刻によっ
て設けられている。
【0021】上記のように組付けられた成形型2の成形
面2aと、ローラ鏝3の成形面4によって粘土等のセラ
ミック材料を圧延して、後述する陶磁器11を成形す
る。
【0022】続いて、本実施形態のローラ鏝3を備えた
陶磁器成形装置1により陶磁器を成形する過程について
説明する。図2は本発明の第一実施形態であるローラ鏝
を備えた陶磁器成形装置により被成形体を成形する状態
を示す断面図である。なお、説明の都合上、成形型2は
縦断面を示し、ローラ鏝3は側面を示してある。
【0023】先ず、成形型2の成形面2aとローラ鏝3
の成形面4との距離を成形する陶磁器11の肉厚に応じ
て所定間隔になるようにローラ鏝3の位置を決める。こ
のとき、成形型2の回転軸7とローラ鏝3の回転軸8と
は一致するのではなく、ローラ鏝3の回転軸8は成形型
2の回転軸7に対して所定角度で傾斜している。そのた
め、成形型2の成形面2aとローラ鏝3の成形面4との
間には回転軸8の傾斜方向の反対側に所定の空間が形成
される。
【0024】成形型2の成形面2aとローラ鏝3の成形
面4との間に所定量の粘土等のセラミック材料が投入さ
れ、成形型2を図示しない轆轤と一体で回転軸7を中心
に回転させるとともに、ローラ鏝3を図示しない回転手
段により回転軸8を中心に前記成形型2の回転方向と同
じ回転方向に回転させる。なお、成形型2及びローラ鏝
3の回転数は、最初は成形型2が、例えば500r.p.m.
に対して、ローラ鏝3が300r.p.m.という具合に、成
形型2の回転数をローラ鏝3の回転数より大きめに回転
させる。
【0025】このまま所定時間が経過すると、成形型2
内部に予め投入した粘土等のセラミック材料は、成形型
2の成形面2aとローラ鏝3の成形面4との間で圧延さ
れ、図3に示すような湯呑み状の陶磁器11に近い形状
に成形される。図3は本発明の第一実施形態であるロー
ラ鏝を備えた陶磁器成形装置により成形された陶磁器を
示す斜視図である。
【0026】このように、成形型2の内部に予め投入し
た粘土等のセラミック材料が、略湯呑み状に成形された
ら、成形型2及びローラ鏝3の回転数を調節して、ロー
ラ鏝3の成形面4に設けられた凹凸模様成形部4aによ
り被成形体の内面に沿って凹凸模様を成形する。つま
り、成形型2及びローラ鏝3の回転状態がある条件のと
きに、凹凸模様成形部4aを反転させた凹凸模様12を
陶磁器11の内面に成形させることができる。
【0027】ここで、陶磁器11の内面に凹凸模様12
を成形させる条件について説明をする。
【0028】まず、成形型2、ローラ鏝3を共に適当な
回転数で複数回回転させると、陶磁器11の内面の同じ
位置を凹凸模様成形部4aが再び通ることは殆どなく、
成形型2及びローラ鏝3が回転を重ねる毎に陶磁器11
内面の様々な位置にランダムに凹凸模様成形部4aを反
転した凹凸模様12が成形される。そのため、複数の凹
凸模様12がランダムな位置に重なって、各凹凸模様1
2が互いの形状を打ち消し合い、結果的に陶磁器11内
面には殆ど凹凸模様12が残ることがない。
【0029】ところが、ローラ鏝3の回転数が成形型2
の回転数の整数倍の場合には、一度目に陶磁器11の内
面の所定位置を通過したローラ鏝3の成形面4は、何度
目に成形型2の成形面2aの同じ位置を辿るときにも同
じ条件で通過する。つまり、陶磁器11の内面の凹凸模
様成形部4aによって成形される部分は常に一定位置と
なり、成形型2及びローラ鏝3が何回回転しようと、陶
磁器11の内面の異なる位置で凹凸模様成形部4aによ
る成形が行われることがない。そのため、凹凸模様成形
部4aにより成形される複数の凹凸模様が位置を変えて
互いの形状を打ち消し合うことはなく、陶磁器11の内
面には、凹凸模様成形部4aの模様を反転させた凹凸模
様12が鮮明に成形される。
【0030】また、ローラ鏝3の回転数と成形型2の回
転数との比率を変えることによって、陶磁器11の内面
に成形される凹凸模様12を複数にすることができる。
なお、陶磁器11の内面に成形される凹凸模様12の個
数は、ローラ鏝3の回転数と成形型2の回転数との比率
に応じて異なる。詳しくは、陶磁器11の内面に成形さ
れる凹凸模様12の個数は、成形型2の回転数に対する
ローラ鏝3の回転数の倍率に等しい数となる。
【0031】例えば、ローラ鏝3の回転数が成形型2の
回転数に等しい場合、図4に示すように、陶磁器11の
内面には凹凸模様成形部4aを反転させた凹凸模様12
が1つだけ成形される。図4は本発明の第一実施形態で
あるローラ鏝を備えた陶磁器成形装置により成形された
陶磁器を示す平面図である。また、ローラ鏝3の回転数
が成形型2の回転数の2倍になれば、図5に示すよう
に、陶磁器11の内面には凹凸模様成形部4aを反転さ
せた凹凸模様12が2つ成形される。図5は本発明の第
一実施形態であるローラ鏝を備えた陶磁器成形装置によ
り他の条件で成形された陶磁器を示す平面図である。た
だし、陶磁器11の内面に成形される凹凸模様12の数
が増加するに従い、各凹凸模様12の横幅は小さくな
る。つまり、陶磁器11の内面に成形される凹凸模様1
2の数が増加するに従い、各凹凸模様12の成形型2の
回転方向へ向かう幅は縮小され小さくなる。
【0032】陶磁器11の内面に成形される凹凸模様1
2の個数が、成形型2の回転数に対するローラ鏝3の回
転数の倍率に等しい数になる理由は、成形型2が1回転
する間に、ローラ鏝3がn回転したとすると、ローラ鏝
3に形成された凹凸模様成形部4aが成形型2の成形面
2aのn箇所の位置を辿るためである。
【0033】さらに、ローラ鏝3の回転数と成形型2の
回転数の比率を所定の値にすることで、陶磁器11の内
面に成形される凹凸模様12を位置の異なる複数箇所に
重ね合わせた状態にすることもできる。例えば、ローラ
鏝3の回転数と成形型2の回転数の比率を2:3にすれ
ば、図6に示すように、2つの凹凸模様12が回転方向
に180°位置を変えて重なった状態になる。図6は本
発明の第一実施形態であるローラ鏝を備えた陶磁器成形
装置により更に他の条件で成形された陶磁器を示す平面
図である。図6に示す陶磁器11に凹凸模様成形部4a
を反転させた凹凸模様12と、この凹凸模様12と18
0°ずれた凹凸模様12とが形成されている理由は、ロ
ーラ鏝3が1回転する間に成形型2が半回転余分に回転
するため、ローラ鏝3が次回に回転を開始する位置が成
形型2の半回転ずれた位置から始まることによる。つま
り、この場合、成形型2の回転位置のうち角度を変えた
2箇所で陶磁器11の内面に凹凸模様12が成形されて
いる。この他に、ローラ鏝3の回転数と成形型2の回転
数の比率を適宜変えることによって、更に、複雑に凹凸
模様12が角度を変えて重なって形成された陶磁器11
を製造することができる。
【0034】このように、本実施形態のローラ鏝3は、
轆轤によって回転する石膏型等からなる成形型2と、成
形面4が成形型2の成形面2aに対向し成形型2の回転
軸7に対し所定の角度を有する回転軸8を中心に回転す
るローラ鏝3とを備え、成形型2及びローラ鏝3の両成
形面2a,4によって陶磁器11の被成形体を成形する
陶磁器成形装置1のローラ鏝3であって、前記ローラ鏝
3の成形面4には、凹凸模様成形部4aが形成されてお
り、この凹凸模様成形部4aによって被成形体に各種の
凹凸模様12が形成されるように成形型2と連携して回
転するものである。
【0035】そして、本実施形態のローラ鏝3は、ロー
ラ鏝3の成形面4が被成形体の内面を成形し、装着先の
陶磁器成形装置1の成形型2の成形面2aが被成形体の
外面を成形するものである。
【0036】したがって、本実施形態のローラ鏝3は、
陶磁器成形装置1を使用して、ローラ鏝3の成形面4と
成形型2の成形面2aとの間に陶磁器11の材料となる
粘土等のセラミック材料を介在させて轆轤により成形型
2を回転させるとともに、ローラ鏝3を回転させれば、
セラミック材料が圧延されて陶磁器11が成形される。
その際、ローラ鏝3及び成形型2の各回転数を所定の比
率にすれば、ローラ鏝3と成形型2との回転比率に応じ
て、陶磁器11のうちローラ鏝3の成形面4により成形
される部分には、ローラ鏝3の成形面4の凹凸模様成形
部4aの模様を反転させた凹凸模様12がローラ鏝3の
成形面4の回転方向に所望の比率で変形されて、所望の
位置に、所望の個数だけ成形される。このため、静止し
た状態で各種の装飾模様を成形された陶磁器に比べ、変
化に富み味わい深く趣のある凹凸模様12を有する陶磁
器11を成形できる。しかも、陶磁器11は各種凹凸模
様12を有しているにも拘らず、各種の凹凸模様を有し
ない陶磁器と略同じ製造コストで成形することができ
る。
【0037】また、本実施形態のローラ鏝3は、陶磁器
成形装置1を用いることにより、陶磁器11の外面が成
形型2の成形面2aによって成形され、陶磁器11の内
面がローラ鏝3の成形面4によって成形されるので、凹
凸模様成形部4aによる文字絵柄等の凹凸模様12は陶
磁器11の内面に成形される。そのため、変化に富み味
わい深く趣のある凹凸模様12を内面に有する陶磁器1
1を成形できる。
【0038】ところで、上記説明では、成形型2の成形
面2aは凹状をしており、この成形面2aは陶磁器11
の外面を成形し、ローラ鏝3は陶磁器11の内面を成形
する内鏝であるが、必ずしも、成形型2の成形面2aの
形状は凹状で、ローラ鏝3は陶磁器11の内面を成形す
る内鏝に限定されるものではなく、成形型2の成形面2
aの形状を凸状にして陶磁器11の内面を成形し、ロー
ラ鏝3を陶磁器11の外面を成形する外鏝としても構わ
ない。
【0039】図7は本発明の第二実施形態であるローラ
鏝を備えた陶磁器成形装置により被成形体を成形する状
態を示す断面図、図8は本発明の第二実施形態であるロ
ーラ鏝の成形面を示す平面図である。
【0040】本実施形態のローラ鏝23を備えた陶磁器
成形装置21は、深さの浅い皿状の陶磁器31を成形す
るものであり、上記第一実施形態のローラ鏝3を備えた
陶磁器成形装置1において、凹状の成形面2aを有する
成形型2を凸状の成形面22aを有する成形型22に代
え、これに合わせて、成形型2に対向する内鏝からなる
ローラ鏝3を成形型22に対向する外鏝からなるローラ
鏝23に代えたものである。
【0041】そして、成形型22の成形面22aでは、
陶磁器31の内面を成形し、ローラ鏝23の成形面24
では、陶磁器31の外面を成形する。当然のことなが
ら、本実施形態のローラ鏝23を備えた陶磁器成形装置
21においても、ローラ鏝23の成形面24と成形型2
2の成形面22aとの間で粘土等のセラミック材料を圧
延して陶磁器31を成形する点では上記第一実施形態の
ローラ鏝3を備えた陶磁器成形装置1の場合と同様であ
る。しかし、各成形面22a,24により成形される陶
磁器31の内面及び外面が逆になることにより、陶磁器
31の凹凸模様成形部24aにより凹凸模様が成形され
る面が内面から外面に代わっている点で上記第一実施形
態のローラ鏝3を備えた陶磁器成形装置1の場合と異な
る。
【0042】このように、本実施形態のローラ鏝23
は、上記第一実施形態のローラ鏝3を備えた陶磁器成形
装置1において、被成形体の内面を成形する成形面4を
有するローラ鏝3を被成形体の外面を成形する成形面2
4を有するローラ鏝23に代え、被成形体の外面を成形
する成形面2aを有する成形型2を被成形体の内面を成
形する成形面22aを有する成形型22に代えた陶磁器
成形装置21に使用されるものである。
【0043】したがって、本実施形態のローラ鏝23
は、上記第一実施形態のローラ鏝3と同様に、陶磁器成
形装置21を使用して、ローラ鏝23の成形面24と成
形型22の成形面22aとの間に陶磁器31の材料とな
る粘土等のセラミック材料を介在させて、成形型22を
回転軸27を中心に回転させ、ローラ鏝23を回転軸2
8を中心に回転させれば、セラミック材料が圧延されて
陶磁器31が成形され、その際、ローラ鏝23と成形型
22との回転比率に応じて、陶磁器31のうちローラ鏝
23の成形面24により成形される部分には、ローラ鏝
23の成形面24の凹凸模様成形部24aの模様を反転
させた凹凸模様がローラ鏝23の回転方向に所望の比率
で変形されて、所望の位置に、所望の個数だけ成形され
る。このため、静止した状態で各種の装飾模様を成形さ
れた陶磁器に比べ、変化に富み味わい深く趣のある凹凸
模様を有する陶磁器31を成形できるとともに、陶磁器
31は各種凹凸模様を有しているにも拘らず、各種の凹
凸模様を有しない陶磁器と略同じ製造コストで成形する
ことができる。
【0044】また、本実施形態のローラ鏝23は、陶磁
器成形装置21を使用して、陶磁器31の内面が成形型
22の成形面22aによって成形され、陶磁器31の外
面がローラ鏝23の成形面24によって成形されるの
で、凹凸模様成形部24aによる文字絵柄等の各種の凹
凸模様を陶磁器31の外面に成形できる。そのため、変
化に富み味わい深く趣のある凹凸模様を外面に有する陶
磁器31を成形できる。
【0045】ところで、上記各実施形態では、成形型
2,22は石膏からなるものとしたが、成形型2,22
の材質は、必ずしも、石膏に限定されるものではなく、
その他の材質であっても構わない。
【0046】また、上記各実施形態では、ローラ鏝3,
23は、鉄、アルミニウム等の各種金属、或いはナイロ
ン樹脂等の各種樹脂からなるものとしたが、ローラ鏝
3,23の材質には、必ずしも、このような材質に限定
されるものではなく、上記説明のような陶磁器の成形に
対する所定の耐久性を備えていれば、その他の材質であ
っても構わない。特に、ローラ鏝3,23の材質が鉄、
アルミニウム等の金属からなる場合には、表面にセラミ
ックをコーティングすることにより、耐磨耗性が増す。
ローラ鏝3,23の表面にセラミックをコーティングす
ることにより百万個以上の陶磁器11,31を連続して
成形することができる。
【0047】さらに、上記各実施形態では、轆轤及び回
転手段の動力原としてサーボモータとしたが、必ずし
も、サーボモータに限定されるものではなく、回転数を
可変できるものならば、その他の動力源でもよく、人力
によるものとしても構わない。
【0048】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の陶磁器
成形装置のローラ鏝は、陶磁器成形装置を使用して、ロ
ーラ鏝の成形面と成形型の成形面との間に粘土等のセラ
ミック材料を介在させ、前記ローラ鏝及び成形型を回転
させることにより、前記セラミック材料が圧延されて所
定の形状を有する被成形体が成形され、前記ローラ鏝及
び成形型の各回転数を所定の比率にすれば、前記ローラ
鏝と前記成形型との回転比率に応じて、前記ローラ鏝の
成形面により成形される部分に、前記ローラ鏝の成形面
の凹凸模様成形部の模様を反転させた凹凸模様が前記ロ
ーラ鏝の回転方向に所望の比率で変形されて、所望の位
置に、所望の個数だけ成形されるので、静止した状態で
各種の凹凸模様が成形された陶磁器に比べて変化に富み
味わい深く趣のある凹凸模様を有する陶磁器を成形でき
る。しかも、この陶磁器は各種装飾模様を有しているに
も拘らず各種装飾模様を有しない陶磁器と略同じ程度の
製造コストで成形することができる。
【0049】請求項2の発明の陶磁器成形装置のローラ
鏝は、請求項1の陶磁器成形装置のローラ鏝の効果に加
えて、被成形体の内面に凹凸模様が形成されるので、変
化に富み味わい深く趣のある凹凸模様を内面に有する陶
磁器を成形できる。
【0050】請求項3の発明の陶磁器成形装置のローラ
鏝は、請求項1の陶磁器成形装置のローラ鏝の効果に加
えて、被成形体の外面に凹凸模様が形成されるので、変
化に富み味わい深く趣のある凹凸模様を外面に有する陶
磁器を成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態であるローラ鏝を備えた
陶磁器成形装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態であるローラ鏝を備えた
陶磁器成形装置により被成形体を成形する状態を示す断
面図である。
【図3】本発明の第一実施形態であるローラ鏝を備えた
陶磁器成形装置により成形された陶磁器を示す斜視図で
ある。
【図4】本発明の第一実施形態であるローラ鏝を備えた
陶磁器成形装置により成形された陶磁器を示す平面図で
ある。
【図5】本発明の第一実施形態であるローラ鏝を備えた
陶磁器成形装置により他の条件で成形された陶磁器を示
す平面図である。
【図6】本発明の第一実施形態であるローラ鏝を備えた
陶磁器成形装置により更に他の条件で成形された陶磁器
を示す平面図である。
【図7】本発明の第二実施形態であるローラ鏝を備えた
陶磁器成形装置により被成形体を成形する状態を示す断
面図である。
【図8】本発明の第二実施形態であるローラ鏝の成形面
を示す平面図である。
【符号の説明】
1,21 陶磁器成形装置 2,22 成形型 2a,22a 成形面 3,23 ローラ鏝 4,24 成形面 4a,24a 凹凸模様成形部 11,31 陶磁器 12 凹凸模様

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 轆轤によって回転する成形型と、成形面
    が前記成形型の成形面に対向し前記成形型の回転軸に対
    し所定の角度を有して回転するローラ鏝とを備え、前記
    成形型及びローラ鏝の両成形面によって陶磁器の被成形
    体を成形する陶磁器成形装置のローラ鏝であって、 前記ローラ鏝の成形面には、凹凸模様成形部が形成され
    ており、前記凹凸模様成形部によって前記被成形体に各
    種の凹凸模様が形成されるように前記成形型と連携して
    回転することを特徴とする陶磁器成形装置のローラ鏝。
  2. 【請求項2】 前記ローラ鏝の成形面は被成形体の内面
    を成形し、前記成形型の成形面は被成形体の外面を成形
    することを特徴とする請求項1に記載の陶磁器成形装置
    のローラ鏝。
  3. 【請求項3】 前記ローラ鏝の成形面は被成形体の外面
    を成形し、前記成形型の成形面は被成形体の内面を成形
    することを特徴とする請求項1に記載の陶磁器成形装置
    のローラ鏝。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100462725B1 (ko) * 2002-08-26 2004-12-20 정화영 소지용기 성형용 형틀과 이 형틀을 채택한 소지용기성형장치 및 성형방법
KR100914751B1 (ko) * 2008-05-10 2009-08-31 최광호 도자기 밀폐 용기 제조방법
CN102430533A (zh) * 2011-09-06 2012-05-02 三一重工股份有限公司 一种工程机械及其水洗系统
JP2018030756A (ja) * 2016-08-25 2018-03-01 文山製陶有限会社 陶磁器の製造方法及び陶磁器

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