JPH11156813A - 含金属処理剤による木材の処理方法およびその方法により処理された木材 - Google Patents
含金属処理剤による木材の処理方法およびその方法により処理された木材Info
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Abstract
金属イオンを含有させて抗生物性等を付与する木材処理
方法において、金属成分の溶脱を低水準に抑えて金属成
分含有による効果を長期に亘り維持する処理方法の提
供、およびリグニン、リグニンスルホン酸、またはリグ
ニンスルホン酸塩の有用な産業上の利用方法の提供。 【解決手段】 リグニンおよび/またはリグニン誘導体
と、金属、金属化合物および/または金属イオンとを含
有する含金属処理剤を木材に含浸し、木材中でリグニン
および/またはリグニン誘導体を酸化および/または高
分子量化して前記金属成分を木材中に固定することを特
徴とする木材処理方法、当該処理方法により得られる木
材および木質材料。
Description
物、および/または金属イオンを含有する含金属処理剤
による木材処理方法並びにこの処理方法により得られる
金属、金属化合物、および/または金属イオンを含有す
る木質材料に関する。より詳細に述べれば、本発明は、
金属、金属化合物および/または金属イオンを含有する
処理剤に、リグニンおよび/またはリグニン誘導体を含
有させ、ポリフェノール酸化触媒および/または加熱に
より、リグニンまたはその誘導体を木材中で酸化および
/または高分子量化して金属成分とともに固定すること
を特徴とする木材処理方法、およびその処理方法により
得られる金属、金属化合物および/または金属イオンを
含有する木質物品に関する。
防腐性、防虫性、抗ウィルス性、生物忌避性、耐候性、
耐火性、耐磨耗性などの性能を付与したり木材を着色す
る目的で、様々の金属、金属化合物、および/または金
属イオンを含有する処理剤を木材に含浸する処理方法が
実施されている。このような処理方法では、一般に有効
成分である金属、金属化合物、および/または金属イオ
ンを、木材中により多く含有させることが好ましい。こ
のため、従来、アルカノールアミン類などを添加して、
金属微粉体、金属化合物の微粉体あるいは金属イオンの
木材への浸透性を高めた処理剤が提案されている(例え
ば、オーストラリア特許第519416号、特開平8-12504号
公報)。
れた上記のような処理剤は、多量の金属成分を含有する
処理木材を製造するためには有用であるが、その反面、
含浸された金属成分が、木材処理物と水との接触により
容易に処理木材から溶脱し、金属成分によって木材に付
与されていた有用な性能が低下しやすいという問題を有
している。溶出した金属、金属化合物、および/または
金属イオンは、処理木材の周辺環境に放出され拡散する
ため、環境汚染を引き起こす。このため、木材への浸透
性が高く、かつ、処理後、木材からの金属成分の溶出を
低い水準に抑える、含金属処理剤による木材処理方法の
開発が望まれている。
リグニンスルホン酸またはリグニンスルホン酸塩は、代
表的なバイオマスであるが、構造の複雑さおよび難分解
性のために、従来、分散剤、造粒剤、コンクリート混和
剤、防食剤、接着剤原料などに利用されるにとどまり、
未だその産業上の利用は十分ではなく、他の新たな利用
方法の開発が求められている。
は、木材中に金属、金属化合物、および/または金属イ
オンを含有させる木材処理法において、木材中の金属、
金属化合物、および/または金属イオンの溶脱性を著し
く低減出来る改良法を提供し、さらに、この方法により
得られる、含金属薬剤により処理された木質物品を提供
することにある。また、本発明の他の課題は、リグニン
および/またはリグニン誘導体を木材の処理剤成分とし
て用いることにより、リグニン、リグニンスルホン酸ま
たはリグニンスルホン酸塩の有用な産業上の利用方法を
提供することにある。
属化合物および/または金属イオンの溶脱を低水準に抑
える、金属含有木材の新たな製造方法を開発するため、
鋭意研究を行った。その結果、安価で大量に入手可能な
有機化合物であるリグニン、リグニンスルホン酸、およ
び/またはリグニン誘導体を、金属、金属化合物、およ
び/または金属イオンと共に木材に含浸し、木材中でリ
グニンおよび/またはリグニン誘導体の酸化反応および
/または重合反応を行うことにより、金属、金属化合
物、および/または金属イオンが木材中に固定され、そ
の溶脱が著しく抑えられることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
含金属処理剤で処理された木質材料の製造方法およびそ
の方法で得られる木材および木質材料を提供するもので
ある。 [1] リグニンおよび/またはリグニン誘導体と、金
属、金属化合物および/または金属イオンとを含有する
含金属処理剤を木材に含浸し、木材中でリグニンおよび
/またはリグニン誘導体を酸化および/または高分子量
化して前記金属成分を木材中に固定することを特徴とす
る木材処理方法。 [2] 金属、金属化合物、および/または金属イオン
を、金属として0.5g/リットル以上の濃度で含有する
含金属処理剤を用いる前記1に記載の木材処理方法。 [3] 含金属処理剤が、ジルコニウム、チタニウム、
バナジウム、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバ
ルト、ニッケル、パラジウム、銅、銀、亜鉛、カドミウ
ム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモン、カルシウム、
マグネシウム、ストロンチウム、あるいはバリウムから
選ばれる少なくとも1種の金属またはそのイオンを含有
する前記1または2に記載の木材処理方法。 [4] 酸化および/または高分子量化を加熱によって
加速する前記1乃至3のいずれかに記載の木材処理方
法。 [5] 20〜300℃の範囲の温度に加熱する前記4
に記載の木材処理方法。
熱する前記5に記載の木材処理方法。 [7] 酸化および/または高分子量化をポリフェノー
ル酸化触媒の存在下に行うことを特徴とする前記1乃至
3のいずれかに記載の木材処理方法。 [8] ポリフェノール酸化触媒がカテコールオキシダ
ーゼ、ラッカーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、アス
コルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、ま
たはペルオキシダーゼである前記7に記載の木材処理方
法。 [9] リグニン誘導体がリグニンまたはリグニンスル
ホン酸と、フェノール性化合物および/または芳香族ア
ミン化合物との架橋反応および/または高分子量化反応
によって得られる化合物であることを特徴とする前記1
乃至8のいずれかに記載の木材処理方法。 [10] フェノール性化合物がピロカテコール、ハイ
ドロキノン、ピロガロール、没食子酸、タンニン酸およ
びフェルラ酸から選ばれる少なくとも1種の化合物であ
る前記7に記載の木材処理方法。 [11] 前記1乃至10のいずれかに記載の方法によ
り処理された木材。 [12] 前記1乃至10のいずれかに記載の方法によ
り原料木材を処理する工程を含むことを特徴とする、金
属、金属化合物、および/または金属イオンを含有する
木質材料の製造方法。 [13] 前記12に記載の製造方法により得られる金
属、金属化合物、および/または金属イオンを含有する
木質材料。
する。 (I)概要 本発明は、木材中にリグニンおよび/またはリグニン誘
導体と、金属、金属化合物、および/または金属イオン
との双方が存在する状態で、ポリフェノール酸化触媒お
よび/または加熱により、酸化反応および/または高分
子量化反応(重合反応のほか、反応生成物どうしあるい
は木材中成分との反応により分子量を増大させる反応を
含む。)を行うことで、リグニンおよび/またはリグニ
ン誘導体の反応産物と、金属、金属化合物、および/ま
たは金属イオン、あるいはこれらの反応産物が木材中に
強固に固着化され、その結果、金属、金属化合物、およ
び/または金属イオンの溶脱が抑えられ、処理木材に長
期間安定な金属含有効果を与えるものである。
(空気)を酸化剤として利用する酸化反応、高分子量化
反応を利用するものであるが、こうした反応が木材内部
の酸素供給速度の低い環境において、充分な速度で進行
するということは驚くべきことである。特に、減圧操作
を処理工程の一部として含む木材への含浸処理は、処理
液の注入量を高めるための操作として極めて有効であ
り、本発明でも用いられるが、減圧操作を経た処理液お
よび処理木材は、液中の溶存酸素濃度が低下しており、
酸素を酸化剤として利用する反応のためには不利な状態
にある。しかるに、驚くべきことに、減圧操作を経た木
材においても、その内部での有効な酸化反応、高分子量
化反応が進行することが見出された。
て、本発明はリグニンあるいはリグノセルロース材料に
フェノール性化合物を添加し、酵素存在下にフェノール
の酸化を進行させる従来の技術(例えば、WO96/03546
等)とは全く異なるものである。また、本発明者らは、
酵素存在下に多孔質物品を処理する方法を先に提案して
いるが(特開平9-142386号)、本発明は酵素を用いずと
も反応が進行し得るという点で、当該出願における発明
とも異なるものである。
あるが、本発明において用いている金属イオンが酸化剤
として機能し、リグニンおよび/またはリグニン誘導体
等を還元剤とする酸化還元反応が関与しているのではな
いかと考えられる。特にこの反応を加熱により加速する
ことで、酸素(空気)を酸化剤として利用する酸化反
応、高分子化反応と組み合わせて、金属、金属化合物、
および/または金属イオンの効率の良い固着化が実施可
能である。さらにはフェノール性化合物および/または
芳香族アミン化合物を還元剤とする酸化還元反応も利用
可能である。
化合物、および/または金属イオンと共に、木材に含浸
し、木材中で酸化および/または高分子量化されるリグ
ニンは、セルロースおよびヘミセルロースとともに高等
植物の主要構成成分であり、基本的にはフェニルプロパ
ン単量体が炭素−炭素結合やエーテル結合等を介して結
合した複雑な高分子化合物である。もっとも、本発明で
は、リグニンの構造は特に限定されず、リグニンおよび
/またはリグニン誘導体としては、パルプ工業での廃液
として得られるアルカリリグニン、リグニンスルホン
酸、またはリグニンスルホン酸塩が好適に使用可能であ
る。
ニンスルホン酸、あるいはリグニンスルホン酸塩は、そ
のまま用いてもよいが、水不溶性の固形成分を除去して
木材中への含浸量を増大させることが望ましい。除去処
理の例としては、遠心分離、ろ過、および静置が挙げら
れる。各処理の具体的条件、例えば、遠心分離の回転
数、ろ過材、静置時間等は、リグニン原料の種類、処理
対象とする木材の種類や形状等により調整される。例え
ば、土台用防腐木材の製造を目的として加圧注入処理を
行う場合は、パルプ廃液中の直径あるいは長径1μm以
上、望ましくは0.5μm以上、より望ましくは0.1μm以
上の大きさの水不溶性の固形成分の除去を、ろ過によっ
て行うことが望ましい。また、限外ろ過により脱塩・脱
糖したものや、あるいは、さらに含浸性を高めるため
に、分子量0.5万〜10万以下などのより低分子の画分
を用いることも可能である。
導体は、リグニンスルホン酸の他に、リグニンもしくは
リグニンスルホン酸を、酢酸エステル化、プロピオン酸
エステル化、カルボキシメチルエーテル化、2−ヒドロ
キシエチルエーテル化、2−アセトキシエチルエーテル
化、2−ヒドロキシプロピルエーテル化、あるいはハロ
ゲン化アルキルなどを用いてアルキル化したもの、ホル
マリンによりヒドロキシメチル化したもの、ホルマリ
ン、エポキシ化合物、イソシアナート化合物、アリル化
合物、アセトンなどにより架橋したものや、架橋反応を
他のフェノール性化合物および/または芳香族アミン化
合物などと共に行ったもの、中性サルファイト液などで
スルホン化したもの、加熱などの処理で脱スルホン化し
たもの、またはリグニンもしくはリグニン誘導体を加水
分解したものが使用可能であり、また、これらの処理を
複合して実施したものや、これらの処理を実施したもの
の混合物も使用可能である。
スルホン酸誘導体の内、フェノール性化合物および/ま
たは芳香族アミン化合物と、リグニンもしくはリグニン
スルホン酸との間で架橋反応を行って得られる化合物
は、本発明の目的で特に好適に使用可能である。こうし
た架橋反応は、例えば、リグニンもしくはリグニンスル
ホン酸と、フェノール性化合物および/もしくは芳香族
アミン化合物とを、硫酸などの酸触媒の存在下で、ホル
マリンなどと共に加熱することによって実施される。ま
た、このような誘導体化を行うために使用するフェノー
ル性化合物および/または芳香族アミン化合物の具体的
な例としては、ピロカテコール、ハイドロキノン、ピロ
ガロール、没食子酸、タンニン酸、フェルラ酸、カテキ
ン、ウルシオール、4−ヒドロキシシンナミルアルコー
ル、o−クマリン酸、p−クマリン酸、コニフェリルア
ルコール、コニフェリルアルデヒド、エチル−3,4−
ジヒドロキシケイ皮酸、3−ヒドロキシ−4−メトキシ
ケイ皮酸、3,4−ジヒドロキシケイ皮酸、3−ヒドロ
キシ−4−メトキシシンナムアルデヒド、バニリン、o
−バニリン、バニラ酸、バニリルアルコール、o−バニ
リルアルコール、イソバニリルアルコール、バニリルア
ミン、バニリンアジン、4−ヒドロキシ−3−メトキシ
ベンゾニトリル、シリンギン酸、シナピルアルコール、
シナピン酸、シナピンアルデヒド、ホモバニラ酸、ホモ
バニリルアルコール、ホモバニロニトリル、ヘスペリジ
ン、クロロゲン酸、ヒノキチオール、tert−ブチルハイ
ドロキノン、フェニルハイドロキノン、トリメチルハイ
ドロキノン、ラウリルガレート、オクチルガレート、
3,4−ジヒドロキシ安息香酸、1,2−ジヒドロキシ
ナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、6,7
−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、ニトロフ
ミン酸、アンスラロビン、アリザリン、キニザリン、o
−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,
4−ジアミノベンゾフェノン、o−アニシジン、p−ア
ニシジン、o−アミノフェノール、p−アミノフェノー
ル、1,2−ジアミノアンスラキノン、1,4−ジアミ
ノアンスラキノンなどが挙げられるが、これらの化合物
の内、特に、ピロカテコール、ハイドロキノン、ピロガ
ロール、没食子酸、タンニン酸またはフェルラ酸が特に
好適に使用可能である。これらの化合物は、リグニンも
しくはリグニンスルホン酸を誘導体化するために使用可
能であるだけでなく、金属、金属化合物、および/また
は金属イオンの固着性を調節する目的で、これらの化合
物をそのまま本発明の木材処理剤組成物として使用する
ことも可能である。
もしくは芳香族アミン化合物の他にも多くの化合物が、
リグニンもしくはリグニンスルホン酸を架橋反応により
誘導体化するために使用可能である。具体的には、ケル
セチン、ルチン、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロ
キシ安息香酸、グアイアコール、4−メトキシフェノー
ル、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、ビフェノー
ル、ビスフェノールA、3,5,3’,5’−テトラヒ
ドロキシメチルビスフェノール A、4,4′−エチレ
ンジアニリン、メチルハイドロキノン、エチルハイドロ
キノン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、6−ヒド
ロキシ−2,4,5−トリアミノピリミジン、4,5,
6−トリアミノピリミジン、2,3−ジヒドロキシピリ
ダジン、3,6−ジヒドロキシピリダジン、2,3−ジ
ヒドロキシピリジン、メチル−4−ヒドロキシ−3−メ
トキシ安息香酸、4,5−ジアミノ−6−ヒドロキシ−
2−メルカプトピリミジン、2,3−ジアミノピリジ
ン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、
2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ
−3−シクロブテン−1,2−ジオン、3−(3,4−
ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、2−アミノ−
3−ヒドロキシピリジン、3−アミノ−2−メトキシジ
ベンゾフラン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−
ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、
2,3−ジメトキシフェノール、3,4−ジメトキシフ
ェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、2−
メトキシ−5−メチルアニリン、2−メトキシ−5−ニ
トロアニリン、4−メトキシ−2−ニトロアニリン、3
−メトキシサリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル
酸メチル、サリチル酸エチル、3−メチルカテコール、
4−メチルカテコール、メチルガレート、プロピルガレ
ート、3,4,5−トリメトキシアニリン、3,4,5
−トリメトキシフェノール、トロポロン、プルプロガリ
ン、サリチルアルドキシム、3−アミノ−5,6,7,
8−テトラヒドロ−2−ナフトール、1,5−ジヒドロ
キシナフタレン、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、4−ヒドロキシ−1−ナフタレンスルホン酸、プル
プリン、2,3−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシ−
1,4−アントラセンジオン、各種のアゾ系染料などの
化合物が挙げられる。また、2′,5′−ジメトキシア
セトフェノン、3′,4′−ジメトキシアセトフェノ
ン、1,4−ジメトキシベンゼン、ベラトロール、2,
3−ジメトキシ安息香酸、2,5−ジメトキシ安息香
酸、ベラトル酸、ベラトルアルデヒド、ベラトリルアミ
ン、ホモベラトル酸、ホモベラトリルアミン、ホモベラ
トロニトリル、3,4−ジメトキシケイ皮酸、3,4−
ジメトキシシンナモニトリル、3,4−ジメトキシベン
ジルアルコール、3,4−ジメトキシフェネチルアミ
ン、3,4−ジメトキシスチレン、(3,4−ジメトキ
シフェニル)酢酸、(3,4−ジメトキシフェニル)ア
セトニトリル、(3,4−ジメトキシフェニル)アセト
ン、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピオン
酸、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロパノー
ル、4−(3,4−ジメトキシフェニル)酪酸、3−
(3,4−ジメトキシフェニル)プロパノールなどのメ
トキシ基を有する芳香族化合物や、アンスラキノン−2
−スルホン酸、アンスラキノン−1,5−ジスルホン
酸、アンスラキノン−2,6−ジスルホン酸、アンスラ
キノン−2−カルボン酸、1−アミノアンスラキノン、
2−アミノアンスラキノン、アンスラルフィン、アミノ
ナフトキノン、1,8−ジヒドロキシアンスラキノン、
カムフォキノン、デヒドロアスコルビン酸、2−ヒドロ
キシ−1,4−ナフトキノン、イサチン、5−ニトロイ
サチンなどのキノン化合物、各種のアンスラキノン系染
料などの化合物も、リグニンもしくはリグニンスルホン
酸を架橋反応により誘導体化するために利用可能であ
る。
/もしくは芳香族アミン化合物を誘導体化して得られる
化合物も、本発明で使用するリグニン誘導体もしくはリ
グニンスルホン酸誘導体を製造するための原料として使
用可能である。このようなフェノール性化合物誘導体お
よび/もしくは芳香族アミン化合物誘導体の具体的な例
は、ポリオキシエチレン鎖、炭素数が1から22の飽和
あるいは不飽和のアルキル鎖、ヒドロキシメチル、ポリ
オール、ポリアミン、アリル、エポキシ、またはアリー
ルを構造部分に有する置換基をフェノール性化合物およ
び/もしくは芳香族アミン化合物の芳香環上に有する化
合物である。なお、これらの置換基の導入は、リグニン
もしくはリグニンスルホン酸に対して実施することも可
能である。本発明の目的で使用するリグニンおよび/ま
たはリグニン誘導体の木材処理時の処理剤溶液中の濃度
は、0.001〜95重量%、好ましくは0.01〜60重量%で
ある。
本発明において木材中に固着化される金属、金属化合
物、および/または金属イオンは、処理木材の利用の目
的に応じて任意に選ばれたものでよい。このような金
属、金属化合物、および/または金属イオンの具体的な
例として、ジルコニウム、チタニウム、バナジウム、ク
ロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケ
ル、パラジウム、銅、銀、亜鉛、カドミウム、アルミニ
ウム、錫、鉛、アンチモン、カルシウム、マグネシウ
ム、ストロンチウム、あるいはバリウムから選ばれる少
なくとも1種の金属あるいはそのイオンを含有する、金
属、金属化合物、および/または金属イオンが挙げられ
る。さらに具体的には、これらの金属がカチオン化した
ものと、F-、Cl-、Br-、I-、NO3-、BO3 3-、
PO4 3-、P2O7 4-、SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S
CN-、CO3 2-、O2-、OH-、B4O7 2-、B(OH)4
-、BF4 -、あるいはナフテン酸、オレイン酸、ステア
リン酸、オクタン酸、酢酸、ぎ酸、安息香酸、クエン
酸、乳酸、酒石酸などの有機酸として例示されるアニオ
ンとの化合物、あるいはこれらの複合体、さらには水和
物が挙げられる。
有機化合物あるいはイオン団との錯体もまた本発明にお
いて使用可能である。金属イオンと錯体を形成するため
に添加される有機化合物として、従来知られている多く
の化合物が使用可能であるが、例えば、ピロカテコー
ル、没食子酸、ヒノキチオール、カテキン、ピロガロー
ル、o−フェニレンジアミン、2−アミノフェノールな
どのフェノール性化合物もしくは芳香族アミン化合物、
エタン−1,1−ジホスホン酸およびその誘導体、エタ
ンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−
1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタン
ヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸、2−ホスホノ
ブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−
2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハ
ク酸などのホスホノカルボン酸、アスパラギン酸、グル
タミン酸、グリシン、2−アミノイソ酪酸、β−アラニ
ンなどのアミノ酸あるいはアミノ酸類似体、イミノジ酢
酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸などのアミノポリ酢酸、ポリアク
リル酸、ポリイタコン酸、ポリマレイン酸、無水マレイ
ン酸共重合体、カルボキシメチルセルロースなどの高分
子電解質、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキ
サイド、ポリビニルアルコールなどの非解離高分子、ベ
ンゼンポリカルボン酸、シュウ酸、リンゴ酸、ジグリコ
ール酸、コハク酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチ
ルオキシコハク酸、グルコン酸、クエン酸、乳酸、酒石
酸などの有機酸、ショ糖、ラクトース、ペンタエリスリ
トールなどのカルボキシメチル化物、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−
メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノール
アミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチ
ルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、
N,N−ジブチルエタノールアミン、3−アミノ−1−
プロパノール、2−(エチルアミノ)−エタノール、2
−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−アミ
ノエチルアミノ)エタノール、トリエタノールアミンエ
トキシレート、ビシン、プロパノールアミン、イソプロ
パノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソ
プロパノールアミン、2−アミノ−1−プロパノール、
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−
1,3−プロパンジオール、2,3−ジアミノ−1−プ
ロパノール、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、2
−アミノ−2−プロパノール、1−[N,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−プロパノール、エ
チレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、
N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N−エチルエチ
レンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)エチレンジアミン、ジアミノプロパン、トリエチレ
ンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレ
ンイミン、ポリアリルアミン、トリアザシクロノナン、
トリアザシクロドデカンなどの有機アルカリ剤、デンプ
ン、尿素、キトサン、ポリリジンなどの有機化合物が挙
げられる。
体から酸化還元反応により生成する金属を本発明の木材
処理方法により効果的に木材内部に固着するためには、
特に、銅または銀を含有する金属化合物あるいは金属錯
体を使用することが好ましい。また、前記の金属化合
物、あるいは金属錯体の他に、金属の微粉体、もしくは
難水溶性の金属化合物または金属錯体の微粉体もまた本
発明の目的で使用可能である。こうした微粉体は、目的
によって様々な大きさの微粒子からなる粉末が使用可能
であるが、充分な量の処理剤を木材に対して含浸するた
めには、0.5μm以下、より望ましくは0.1μm以下の直
径を有する微粒子からなる粉末が好適に使用可能であ
る。本発明において使用されるこれらの金属、金属化合
物、および/または金属イオンの濃度は、溶解度、使用
する金属の有する抗生物性の強度、処理の目的等に応じ
て調整することが望ましい。充分な金属含有効果を木材
に付与するためには、木材処理時の溶液において、金
属、金属化合物、および/または金属イオンを金属とし
て0.5g/リットル、より好ましくは1.0g/リットル以
上の濃度で含有する処理剤により処理を行うことが望ま
しい。
製造において、(a)リグニンを用いて木材の処理を行う
場合、(b)カルボン酸、スルホン酸などの親水性置換基
を有さないフェノール性化合物および/もしくは芳香族
アミン化合物を用いてリグニンまたはリグニンスルホン
酸の誘導体の製造を行い、この誘導体を用いて木材の処
理を行う場合、(c)芳香環上のオルト位あるいはパラ位
の配置で複数の水酸基あるいはアミノ基を有する反応性
に優れた化合物を用いてリグニンまたはリグニンスルホ
ン酸の誘導体の製造を行い、この誘導体を用いて木材の
処理を行う場合、および(d)芳香環上のオルト位あるい
はパラ位の配置で、水酸基あるいはアミノ基の他にアリ
ル構造を有する置換基を有する反応性に優れた化合物を
用いてリグニンまたはリグニンスルホン酸の誘導体の製
造を行い、この誘導体を用いて木材の処理を行う場合に
おいては、ポリフェノール酸化触媒の使用は、より低温
でより短時間の養生によって、効果的に金属、金属化合
物、および/または金属イオンの固定を達成することが
できる。特に加熱により十分な効果を得ることができ
る。
用いて木材の処理を行う場合、(f)カルボン酸、スルホ
ン酸などの親水性置換基を有するフェノール性化合物お
よび/もしくは芳香族アミン化合物を用いてリグニンま
たはリグニンスルホン酸の誘導体の製造を行い、この誘
導体を用いて木材の処理を行う場合、(g)メトキシ基な
どの反応性の低い置換基を有する芳香族化合物を用いて
リグニンまたはリグニンスルホン酸の誘導体の製造を行
い、この誘導体を用いて木材の処理を行う場合、およ
び、(h)芳香環上にOH基またはNH2基を1つのみ有し
反応性が低い芳香族化合物を用いてリグニンまたはリグ
ニンスルホン酸の誘導体の製造を行い、この誘導体を用
いて木材の処理を行う場合においては、これらの木材処
理剤組成物の酸化および/または重合を充分に進行さ
せ、金属、金属化合物、および/または金属イオンの固
定を充分に行うためには、ポリフェノール酸化触媒を用
いて酸化反応および/または高分子量化反応を加速する
ことが特に好ましい。このようなポリフェノール酸化触
媒の例としては、金属錯体、天然酵素等が挙げられる。
工酵素は、より低濃度の金属錯体の使用によって効果的
な触媒効果を得ることが可能であり、本発明の目的のた
めに有用である。このような人工酵素の具体的な例は、
トリアザシクロノナン、トリアザシクロドデカンなどの
環状含窒素化合物やそのN−メチル化誘導体、フタロシ
アニンまたはポルフィリンやその親水性置換基を有する
誘導体である。また、天然酵素であるポリフェノール酸
化酵素は、ポリフェノール酸化触媒作用を有するもので
あれば広く利用可能であり、これらは高い安全性を有す
る金属錯体として、本発明の目的のために好適に利用可
能である。このような酵素の例として、微生物、例えば
真菌または細菌によって産生されるか、もしくは植物に
よって産生されるカテコールオキシダーゼ、ラッカー
ゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、アスコルビン酸オキ
シダーゼ、またはビリルビンオキシダーゼ等のポリフェ
ノール酸化酵素が挙げられる。特に、酸化反応および/
または重合反応を高速に実施したい場合には、アルカリ
pH域においてポリフェノール酸化作用を有するものが
より望ましい。
は重合反応は、微生物あるいは植物由来のペルオキシダ
ーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシ
ダーゼ等のペルオキシダーゼ作用を有する酵素と過酸化
水素を用いることでも実施可能である。過酸化水素の添
加、供給は、直接過酸化水素溶液を添加する方法、過酸
化水素の替わりにパーボレート、パーカーボネート等の
過酸化水素前駆体を用いる方法、あるいは過酸化水素を
生成できるオキシダーゼとその基質を用いる方法があ
り、処理目的と処理方法に応じて様々に実施可能であ
る。なお、このような過酸化水素を生成できるオキシダ
ーゼの例は、グルコースオキシダーゼ、アルコールオキ
シダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、アミンオキシダ
ーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、D−アミノ酸オキシダー
ゼ、アリルアルコールオキシダーゼ、アルデヒドオキシ
ダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ソルボースオキシ
ダーゼ、ウレートオキシダーゼ、キサンチンオキシダー
ゼ、コレステロールオキシダーゼなどがあり、特に好ま
しくはグルコースオキシダーゼ、アルコールオキシダー
ゼである。
酸化酵素は、様々な微生物または植物から得ることがで
きる。ポリフェノール酸化酵素を産生する微生物の例と
しては、不完全菌亜門(Deuteromycotina)、担子菌亜
門(Basidiomycotina)、子嚢菌亜門(Ascomycotina)
などに属する糸状菌や、アクチノミセタレス目(Actino
mycetales)バチルス属(Bacillus)に属する細菌など
が挙げられる。また、カケノキ(Acerpseudoplatanu
m)、ヤムノキ(Dioscorea)、オクラ(Abelmoschu
s)、グアバ(Psidium)、ヒマワリ(Helianthus)、ジ
ャガイモ、リンゴ、カボチャ、キュウリ、小麦、大豆、
アルファルファ、西洋ワサビなどの植物が、本発明の目
的に使用されるポリフェノール酸化酵素を取得するため
に利用可能である。これらの内、不完全菌亜門または担
子菌亜門に属する糸状菌、さらに具体的には、ミロセシ
ウム・ヴェルカリア SD3001(Myrothecium verr
ucaria SD3 001)(工業技術院生命工学工業技術研究所に
FERM P-14955として寄託され、国際寄託に移管されて受
託番号FERM BP-5520が付与されている)、ミロセシウム
・ロリダム SD3002(Myrothecium roridum SD30
02)(工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P-152
55として寄託され、国際寄託に移管されて受託番号FERM
BP-5523が付与されている)が、特に好適に利用可能で
ある。
は、前記の微生物、例えば真菌または細菌に属する菌株
およびその変異株を培養して得られるほか、遺伝子操作
菌を利用して調製することも可能である。すなわち、前
記酵素蛋白質をコードするDNA配列と宿主生物での酵
素発現機能を有する適当なプロモーター、およびオペレ
ーター、ターミネーターDNA配列と共に、宿主生物中
でベクターを複製するための複製開始点を有するDNA
ベクターに挿入された発現ベクターを用いて形質転換さ
れた宿主細胞、もしくは前記酵素蛋白質をコードするD
NA配列と宿主生物での酵素発現機能を有する適当なプ
ロモーター、およびオペレーター、ターミネーターDN
A配列と共に、宿主細胞DNAに組み込むことにより形
質転換された宿主細胞を、酵素蛋白質の発現できる条件
のもとに培養し、さらに酵素蛋白質を培地から回収する
方法によっても生産される。
A断片の取得のためには、前記の微生物、例えば真菌ま
たは細菌に属する菌株からのcDNAまたはゲノムライ
ブラリィを分離源とし、本発明に係る酵素蛋白質のアミ
ノ酸配列に基づいて合成されたオリゴヌクレオチドをプ
ローブとして目的のDNA断片を特定するか、または酸
化酵素としての活性を発現するクローンを選択するか、
または前記酵素蛋白質に対する抗体と反応する蛋白質を
生産するクローンを選択するといった常法によって行う
ことができる。本発明に係る酵素蛋白質は、前記の植物
由来の種子、または果実、葉などからの抽出で調製する
ことも可能である。
の真菌または細菌に属する菌株およびその変異株の培養
には、通常用いられる合成培地や有機炭素源および有機
窒素源を含む栄養培地が使用可能である。なお、目的の
酵素蛋白質が活性中心に有する金属イオンを、培養の際
に培地中に金属塩として0.001mMから10mM、好ま
しくは0.01mMから1mMの濃度で添加することが望ま
しい。本発明に係るポリフェノール酸化酵素が真菌また
は細菌の菌体外に分泌される場合は、培地中から周知の
方法でこれを回収することができる。この回収手順に
は、遠心分離もしくはろ過、膜分離により培地から細胞
を分離し、例えばイオン交換クロマトグラフィー等によ
るクロマトグラフィーを行うという一連の手順を含む。
また、限外ろ過膜を用いる膜濃縮も有効である。酵素蛋
白質が真菌または細菌の菌体内に蓄積される場合や植物
組織内に存在する場合は、菌体組織や植物組織から、周
知の方法でこれを回収することができる。この回収手順
には、ホモジナイズによる組織の機械的破壊と、遠心分
離もしくはろ過、膜分離により酵素蛋白質溶液を分離抽
出し、例えばイオン交換クロマトグラフィー等によるク
ロマトグラフィーを行うという一連の手順を含む。ま
た、限外ろ過膜を用いる膜濃縮も有効である。
て、1分間に1μmolのフェノール性化合物および/
または芳香族アミン化合物を酸化する活性量を1ユニッ
ト(以下、Uと略す。)と定義した場合、本発明のポリ
フェノール酸化触媒を木材処理に使用する際のポリフェ
ノール酸化触媒の酸化活性濃度は、1〜100,000U/
l、好ましくは10〜5,000U/lである。
される木材処理物の、抗菌性、殺菌性、防腐性、防虫
性、抗ウィルス性、生物忌避性などの抗生物性や、耐候
性、耐火性、耐磨耗性、着色などの木材処理効果をより
強化する目的で、あるいは同時に様々な木材処理効果を
付与する目的で、芳香剤、消臭剤、防錆剤、抗菌剤、殺
菌剤、防腐剤、防虫剤、抗ウィルス剤、生物忌避剤など
の既知の薬剤を、本発明で使用する木材処理剤にさらに
含有させることができる。
物、抽出成分、あるいは植物抽出成分と同等の構造を有
する合成物である。具体的には、ヒノキ、青森ヒバなど
の樹木、香草、カラシ、ワサビ、竹、イリオモテアザミ
根茎、あるいはヤエヤマヤシ根などの植物体を、粉砕、
圧搾、煮沸、あるいは水蒸気蒸留などにより処理して得
られる植物抽出物や抽出成分が挙げられる。植物由来の
抽出成分、あるいは植物抽出成分と同等の構造を有する
合成物の具体的な例は、ヒノキチオール、β−ドラブリ
ンなどのトロポロン類、α−ピネン、β−ピネン、カン
ファ、メントール、リモネン、ボルネオール、α−テル
ピネン、γ−テルピネン、α−テルピネオール、テルピ
ネン−4−オール、シネオールなどのモノテルペン類、
α−カジノール、t−ムロールなどのセスキテルペン
類、カテキン,タンニンなどのポリフェノール類、2,
3,5−トリメチルナフタレンなどのナフタレン誘導
体、シトロネロールなどの長鎖脂肪族アルコール、シン
ナムアルデヒド、シトラール、ペリラアルデヒドなどの
アルデヒド類が挙げられる。また、樹木を蒸し焼きする
ことで得られる木酢液も使用可能である。これらの天然
化合物を薬剤として添加し、さらにリグニンあるいはリ
グニン誘導体などの植物由来化合物を酸化反応および/
または重合反応の原料として使用することで、環境や人
体に対する高い安全性を有する処理木材が製造可能であ
る。本発明において使用されるこのような植物由来の抽
出物、抽出成分、あるいは植物抽出成分と同等の構造を
有する合成物の木材処理時の溶液中の濃度は、0.001〜1
0重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
H基、アミノ基、ハロゲン、ニトロ基、メチル基、メト
キシ基などを置換基として有する芳香族化合物あるいは
環状化合物である。こうした化合物の具体的な例とし
て、o−フェニルフェノール、1−ナフトール、2−ナ
フトール−o−クロロフェノール、2,4−ジニトロフ
ェノール、4,6−ジニトロ−o−クレゾール、ペンタ
クロロフェノール、2,3,5−トリクロロフェノー
ル、2,4,6−トリクロロフェノール、モノクロロナ
フタレン、トリクロロナフタレン、テトラクロロナフタ
レン、2,4,5−トリクロロフェニルラウレートモノ
クロロナフタレン、クロロニトロフェノール、クロロニ
トロトルエン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−ト
リクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、
2,4,6−トリブロモフェノール、4−ブロモ−2,
5−ジクロロフェノール、ブロモ−o−フェニルフェネ
ート、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホル
マール、クレオソート油、塩素化テルペン、p−ヒドロ
キシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒ
ドロキシトルエンブチル、イソブチル、イソプロピルな
どのエステルなどが挙げられる。本発明において使用さ
れるこのような化合物の木材処理時の溶液中の濃度は、
0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
レイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸、オレイルア
ルコールなどの不飽和アルコール、スクアレンなどの不
飽和アルキル、または桐油、あまに油、ひまし油などの
乾性油、ウルシオールなどの不飽和側鎖を有するカテコ
ール誘導体といった自動酸化される化合物である。これ
らの化合物を本発明の木材処理剤と共に使用すること
で、処理液あるいは処理木材の水溶性、撥水性などの物
性を調整することが可能である。本発明において使用さ
れるこのような化合物の木材処理時の溶液中の濃度は、
0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜50重量%である。
る多くの難燃剤を添加して使用出来る。例えば、Na、
K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Cu、Mn、N
i、Si、Sn、Pbなどの元素をカチオン部分に有す
る、リン酸塩、リン酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、炭
酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩、フッ化物、塩素化
物、臭化物、水酸化物などが挙げらる。具体例として
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化
ジルコニウム、三酸化アンチモン、メタホウ酸バリウ
ム、酸化錫、赤リン、リン酸アンモニウムが挙げられ
る。本発明において使用されるこれらの難燃剤の木材処
理時の溶液中の濃度は、0.01〜90重量%、好ましくは
1〜50重量%である。
合物もまた、本発明の処理剤に添加して使用可能であ
る。こうした化合物の例として、ホウ素、砒素、アンチ
モン、セレン、臭素、ヨウ素、フッ素、イオウイオン、
硝酸イオンを含有する化合物、さらに具体的には、ホウ
酸、ホウ酸塩、ホウ砂、フッ化ホウ素酸塩などのホウ素
系化合物、フッ化ケイ素酸塩、亜砒酸、塩化アンチモ
ン、三酸化アンチモン、セレン酸カリウム、臭化カルシ
ウム、臭化ナトリウム、臭化マグネシウム、臭化カリウ
ム、臭化亜鉛、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、フッ化
ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンチモン、ケイ
フッ化ナトリウム、ケイフッ化マグネシウム、硫化ナト
リウム、硫化カリウム、硝酸ジルコニウムなどが挙げら
れる。本発明において使用されるこのような化合物の木
材処理時の溶液中の濃度は、0.01〜500mM、好まし
くは0.1〜100mMである。
物、および/または金属イオンやその他の薬剤の固定性
・徐放性の調整、および抗生物性の向上を目的として、
4級アンモニウム化合物を処理剤に添加して使用可能で
ある。具体的には、CnH2n+1(n=1〜22)または
CnH2n-1(n=2〜22)、CnH2n-3(n=4〜2
2)、CnH2n-5(n=6〜22)で表される炭化水素
を置換基に有する4級アンモニウム、芳香族化合物を置
換基に含む4級アンモニウム、親水性高分子を置換基に
含む4級アンモニウムなどの、塩酸塩あるいは硫酸塩が
挙げられ、従来用いられているDDAC(ジデシルジメ
チルアンモニウムクロリド)も利用可能だが、特に不飽
和構造部分を置換基に有するものがより望ましい。本発
明において使用されるこのような4級アンモニウム化合
物の、木材処理時の溶液中の濃度は、0.001〜50重量
%、好ましくは0.01〜20重量%である。
る様々な殺菌剤、殺虫剤、あるいは防虫剤が本発明の木
材処理剤に添加して使用可能である。具体的には、トリ
アゾール誘導体、スルフォンアミド類、ベンズイミダゾ
ール類、チオシアネート類、モルホリン誘導体、有機ヨ
ード化合物、有機ブロモ誘導体、イソチアゾリン類、ベ
ンズイソチアゾリン類、ピリジン類、ジアルキルジチオ
カルバメート類、ニトリル類、ベンズチアゾール類、シ
クロジエン類、ニトロソ類、キノリン類、活性ハロゲン
原子を有する微生物剤、ホルムアルデヒド生成物質など
に属する殺菌剤あるいは殺菌成分が挙げられる。また、
有機リン系化合物、リン酸エステル類、カルバメート
類、ピレスロイド類、ニトロイミノ、ニトロメチレン類
などに属する殺虫剤、殺虫成分、防虫剤、あるいは防虫
成分もまた、本発明の木材処理剤に添加して使用可能で
ある。
長制御物質)およびその誘導体も使用可能である。これ
らの殺菌剤、殺虫剤、あるいは防虫剤は単独でも組み合
わせても使用できる。本発明において使用されるこのよ
うな殺菌剤、殺虫剤、あるいは防虫剤の木材処理時の溶
液中の濃度は、これら薬剤の有する生理活性の強度、溶
解度などに応じて調整することが望ましいが、0.0001〜
20重量%、好ましくは0.001〜5重量%である。
加して使用される化合物が、低い水溶性を有する場合に
は、分散剤あるいは界面活性剤の添加により、O/W型
あるいはW/O型のエマルジョンを形成させる方法が有
用である。こうした目的で使用される界面活性剤は、通
常使用される多くのものが使用可能であり、具体的に
は、直鎖または分岐鎖のアルキルまたはアルケニル構造
部分を有する硫酸塩、脂肪族スルホン酸塩、芳香族スル
ホン酸塩、アミド硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミ
ド、エステル、エーテル、アルコール、リン酸エステ
ル、フェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド
などの化合物や、さらにエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイドおよびブチレンオキサイドのうちの単独あ
るいは複数成分が付加した化合物が挙げられる。また、
アミノ酸型界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、
ベタイン型両性界面活性剤、アミンオキサイド、ショ糖
脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリンモノエステル、テト
ラアルキルアンモニウム塩型カチオン界面活性剤なども
使用可能である。また、分散剤は従来知られている多く
のものが使用可能であるが、リグニンおよび/またはリ
グニン誘導体は、酸化反応、重合反応の原料であるばか
りでなく、これらの物質自体に薬剤分散作用があるた
め、低い水溶性を有する薬剤を、本発明の木材処理物の
製造において処理剤に添加して使用可能となるため、本
発明は極めて有用である。また薬剤が微粉体である場合
は、目的によって様々な大きさからなる粉末が使用可能
であるが、木材への加圧注入を行う場合には5μm以
下、望ましくは0.5μm以下、より望ましくは0.1μm以
下の直径を有する微粉末の使用が望ましい。
応産物の、金属、金属化合物、および/または金属イオ
ンへの固着性、物性、色調などを調節する目的で、以上
詳細に記載した化合物を複数組み合わせて用いることも
可能である。また、必要に応じてさらに有機酸などのp
H調整剤、天然物あるいは合成物の色素、顔料、増粘
剤、高分子化合物、固形物などを本発明の処理剤に添加
して使用可能である。
は、使用時に希釈を行うことを前提とした高濃度溶液、
あるいは希釈なしで使用できる濃度の溶液の何れの方法
でも調製可能である。この場合、処理剤組成物が使用前
に酸化されることを防ぐため、処理剤保存時には処理剤
を含む容器を密栓し、外気との接触を避けることが望ま
しい。また、処理剤の製造時に、窒素ガス、不活性ガス
の使用、あるいは脱気などにより酸化を抑制することが
より望ましい。また、本発明で使用する処理剤の調製に
おいて、フェノール性化合物および/または芳香族アミ
ン化合物、さらにはポリフェノール酸化触媒を他の処理
剤成分とは別に調製し、使用の直前に混合して使用する
ことも可能である。また、本発明の木材処理に用いる処
理剤は、前記の組成物を混合し、粉末もしくは造粒され
た粉末として賦形することで一剤として調製することが
できる。造粒は、発塵性を抑えるための、あるいは処理
剤の保存性や使用上の利便性を向上させる目的で行われ
る賦形であり、具体的には、マルメ造粒、押し出し造
粒、流動造粒、遠心流動造粒等目的に応じて任意の造粒
操作によって達成することができる。この場合、処理剤
中のポリフェノール酸化触媒の保存安定性を向上させる
ため、触媒を他の処理剤成分とは別に安定剤と共に造粒
することも有効である。造粒された組成物は、使用に当
たり溶剤に溶かし、前述の液体処理剤と同様に使用され
る。なお、希釈剤または溶剤の例としては、水、ジクロ
ロメタン等が挙げられる。
含浸することにより実施される。含浸操作は、簡単には
処理剤溶液へ物品を浸漬する方法で実施可能であり、さ
らに含浸が容易な木材においては、刷毛やローラーなど
による塗布、スプレー、エアゾールなどによる吹き付け
操作によっても実施可能であるが、含浸の困難な種類の
木材に十分な量の処理液を注入するための含浸操作とし
ては、加圧および/もしくは減圧操作が極めて有用であ
る。加圧操作は、木材と処理剤溶液が接触した状態で、
木材外部から、大気圧である1気圧から20気圧、より
望ましくは3〜15気圧の範囲で加圧することで実施さ
れるが、ポリフェノール酸化触媒を用いない場合、用い
た場合でもポリフェノール酸化酵素の活性が失われない
範囲においては、より大きな圧力を加えることも可能で
ある。また、減圧操作は、真空圧までの範囲でいかなる
圧力でも実施可能であるが、含浸の困難な木材の有効な
処理のためには、100〜760mmHgの範囲での減
圧が望ましい。減圧操作は、木材と処理液が接触する前
に減圧を実施する前排気の方式がより望ましい。
めに、これらの加圧操作および減圧操作を組み合わせて
実施することも有効である。また、処理液を木材に含浸
させた後、減圧処理を行い、処理液の一部を木材の外部
に回収する方法や、処理された木材内部での重合反応が
充分に進行する前に、木材を水等を用いて洗浄し、未重
合物を除去することで、多孔質性の保持される程度を容
易に調整することが可能である。このような多孔質性が
保持または調整された木材は、湿度調整能力、保水力、
吸着能力、イオン交換能、木材としての表面の質感を保
持しており、こうした能力や質感を生かした様々な用途
への利用が可能である。また、多孔質性の保持された木
材に対して、さらに、薬剤、ポリマー、プレポリマーを
含浸させ、様々な複合された性質を有する木材処理物品
が製造可能である。
として、通常用いられる様々な処理方法が実施可能であ
り、具体的には、充細胞法(ベセル法)、半空細胞法
(ローリー法)、空細胞法(リューピング法)、複式真
空法(ダブルバキューム法)、加圧・減圧交替法(Osci
llating Pressure Method)、脈動加圧法(Pulsation P
ressure Method)、定常加圧法(Constant Pressure Me
thod)、低速変動加圧法(Slow Pressure Change Metho
d)、およびこれらの操作を組み合わせた方法が適用可
能である。また、インサイジング加工法もまた、含浸量
を増大させるために適用可能である。また、含浸の困難
な木材の前処理として、ローラー等を用いる圧縮処理、
マイクロ波加熱、凍結処理、蒸煮処理、水蒸気処理、あ
るいは熱処理を行うことも有効である。
に含浸する操作は、0〜150℃、好ましくは10〜1
00℃で実施される。また、こうした処理の後、さら
に、空気中あるいは酸素ガス中に処理物を放置し、徐々
に乾燥させながら、酸化反応および/または重合反応を
行うという養生操作を行うことで、より強固に金属、金
属化合物、および/または金属イオンを固定することが
可能である。また、養生の際、加熱を行うことで、より
効率よく金属、金属化合物、および/または金属イオン
を固定することが可能である。養生時の加熱は20〜3
00℃、より好ましくは40〜150℃の温度条件で実
施される。また、ポリフェノール酸化触媒を含有する処
理剤により木材処理を行った場合は、ポリフェノール酸
化触媒の触媒能が有効に発現する温度になるように加熱
を行うことが望ましい。
効率よく金属、金属化合物、および/または金属イオン
を固着化することが可能である。また、養生の際に処理
物に圧力を加え、木材の組織を密着させて、金属、金属
化合物、および/または金属イオン保持性や木材強度を
さらに向上させる方法も有用である。また、これらの処
理を終えた木材に対してさらに表面を塗装し、金属、金
属化合物、および/または金属イオンなどの処理剤組成
物やその構成成分を封止する方法も有効である。特に、
酸化処理および/または重合処理を処理後の物品表面に
対して行うことで、処理剤中に含まれていたリグニンお
よび/またはリグニン誘導体を利用して、さらに強固に
処理剤成分を固定することが可能である。本発明の木材
処理物の製造において使用する処理剤溶液のpHは、目
的の酸化反応および/または重合反応が進行するのであ
れば、いかなるpH域でも実施可能である。ポリフェノ
ール酸化触媒を使用しない場合、あるいは金属錯体や人
工酵素を使用する場合は、一般的にアルカリ側において
より急速に酸化反応が進行する。しかしながら、ポリフ
ェノール酸化酵素を触媒として使用する場合は、アルカ
リpH域での自動酸化速度の増大と、pHに依存する酵
素反応速度の変化とを総合的に判断して、より効率よく
酸化反応および/または重合反応が進行するpHに処理
剤のpHを調整することが望ましい。通常は、pH7〜
12程度が好ましく、7.5〜12程度がより好ましい場
合が多い。
材には、木を機械的に加工した板材、丸太材が含まれ
る。従って、本発明によれば、含金属処理された各種板
材、丸太材等の処理木材が製造できる。また、本発明に
より処理可能な木材には、種々の木質材料が含まれる。
このような木質材料の例としては、集成材、単板積層
材、合板、パーティクルボード、ファイバーボード、ま
たはこれらの原料材が挙げられる。従って、本発明によ
れば、含金属処理されたこのような各種木質材料が製造
できる。本発明の処理を行うことにより、これらの木材
あるいは木質材料の抗菌性、殺菌性、防腐性、防虫性、
抗ウィルス性、生物忌避性、耐候性、耐火性、耐磨耗
性、着色などの性能が付与あるいは向上される。
(集成板等の木質加工品)に対して、本発明の木材処理
物製造方法を利用する場合、充分な量の処理剤が木材中
に含浸されるように、木質加工品自体の製造工程の一部
に、本発明の製造方法を組み込むことが有用である。例
えば、集成材の製造に際しては、ひき板あるいは小角材
に対して、まず、本発明の木材処理物製造方法を実施
し、しかる後に、縦つぎ、幅はぎ、接着剤の塗布を行
い、圧縮・硬化を行うことで充分な量の処理剤が含浸さ
れた集成材を製造することが可能である。本発明の木材
処理物は、加工性、接着性などの木質加工品製造に必要
な性質を維持しており、これらの木質加工品製造におい
ても極めて有用である。
材処理物においては、木材中に抗酸化性を有するフェノ
ール性化合物および/または芳香族アミン化合物が存在
するため、鉄釘などの腐食しやすい部品が接触しても、
本処理木材はその腐食を抑制する効果を有するため、構
築物の強度の維持のためにも有用である。また、木材処
理前の処理剤における酸化反応および/または重合反応
を抑制しておくことで、重合反応を主に木材内部で進行
させることが可能となる。すなわち、反応液組成物構成
物質の分子量が比較的低い状態、すなわち比較的粘度の
低い状態の処理剤を用いて、多量の処理液を容易に木材
内部に含浸可能であり、しかも含浸後の酸化反応および
/または重合反応によって処理剤成分の有効な固定が可
能とな。また、木材中には、ポリフェノール酸化作用を
有する触媒が作用できるリグニン、フラボノイドなどの
物質が既に存在、固定化されているため、これが木材中
での触媒作用によって、フェノール性化合物および/も
しくは芳香族アミン化合物と重合する結果、フェノール
性化合物および/もしくは芳香族アミン化合物はより強
固に木材中に固定化される。
または重合が進行した時点での反応の停止は、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、炭酸、有機酸などの酸の含
浸、あるいは、木材表面への塗装やフィルムによる包装
などによる酸素供給の遮断によって実施できる。また、
ポリフェノール酸化触媒が、ポリフェノール酸化作用を
有する酵素である場合には、NaOH、NH3、Na2C
O3、CaCO3などのアルカリやアルカリ性塩の含浸、
既知の酵素阻害剤の含浸、100℃、15分間といった
加熱処理によっても効果的な反応の停止が実施可能であ
る。また、従来より行われ、しかも処理剤成分の溶脱が
問題となっている多くの木材処理方法において、こうし
た処理の後処理、前処理、あるいは同時処理として本発
明の木材処理物の製造に用いる処理剤を使用する処理を
行うことで、従来の処理剤中に含まれる溶脱し易い成分
の固着性を高めることが可能である。
らに具体的に説明する。ただし、これらは単なる例示で
あり、本発明はこれらのみに限られるものではない。ま
た、以下の実施例において%とは特に記載しない限り重
量%を表す。なお、本発明においては、ポリフェノール
酸化作用を有する酵素蛋白質のポリフェノール酸化活性
の測定は、25℃において、20ppmのシリンガルダ
ジン(syringaldazine)、および100mMのTris
−HClバッファーもしくはリン酸カリウムバッファー
を含む水溶液中で、至適反応pHでの反応を行い、52
5nmの吸光度を測定することで行った。そして、1分
間に1μmolのシリンガルダジンを酸化する活性量を
1ユニット(以下、Uと略す。)と定義した。
取得するため、0.5%グルコースおよび0.1%NaN
O3、1.34%Na2HPO4・12H2O、0.3%KH2PO
4、0.1%NaCl、0.2%ペプトン、20ppm酵母エキ
ス、0.01%MgSO4・7H2O、0.1mM CuSO4か
らなる3リットルの培地に10%NaOHを加えてpH
を8としたものを含む培養槽に、ミロセシウム・ヴェル
カリア(Myro thecium verrucaria)SD3001(受託
番号FERM BP-5520)を接種し、28℃、3日間の振とう
培養を行った。培養後、4℃での遠心分離により除菌さ
れた培養ブロス2.5リットルを得た。次に、この培養ブ
ロスの一部を、ミニタン・フィルターパケット(CAT.N
O.:PTGC0MP04,ミリポア社製)を用いるミニタン限外ろ
過システム(ミリポア社製)によって、分子量10,000以
上の画分として濃縮した。これをさらに、200ppm
NH4CO3に対して透析後、凍結乾燥に供し、目的の酵
素を粗精製物として得た。本酵素標品のポリフェノール
オキシダーゼ活性は10U/mgであった。
ン1.5g、硫酸銅(II)・5水和物2.5gを添加し、ここに
水酸化ナトリウムを加えて溶解することでpHを10に
調整して、木材処理剤溶液を得た。この処理剤溶液を用
いて、スギ木片(2cm×2cm×1cm,木口が2c
m×2cm,辺材)に対する含浸処理を行った。なお、
含浸操作は、処理液中にスギ木片を浸漬した後に650
〜700mmHgでの減圧を30分間実施し、さらに浸
漬したまま常圧に30分間置くことで行った。この含浸
操作により、充分量の処理液(3.0から3.4g量)が注入
されていることを、含浸操作の前後の木片重量の測定に
より確認した。さらに、含浸処理を終えた木片を200
ml容のガラスビーカー内に設置し、アルミホイルでビ
ーカーに蓋をした上で、加圧滅菌用オートクレーブを用
いて、120℃、2時間の加熱処理を行い、さらに、6
0℃の恒温インキュベーターに2日間置き、乾燥と反応
を行って処理木片(木片A)を得た。次に、処理木片に
水40mlを加え、水面下に木片を沈めた状態で、マグ
ネチックスターラーを用いて回転子を回転させ、25±
3℃で8時間の撹拌を行うことで、溶脱操作を行った。
そして、溶脱操作後の水(溶脱液)について、PAN
(1-(2-Pyridylazo)-2-naphthol,アルドリッチ・ケミ
カル・カンパニから入手)を用いる錯形成と吸光分析を
行うことで溶出銅イオン量の分析を行い、含浸された銅
の量を100%として木片中の銅残存量を算出したとこ
ろ69%であった。対照として、アルカリ蒸解液を含ま
ない他は上記と同様の処理剤を調製し、同様の木片処理
を行ったところ、木片中の金属残存量は58%であり、
本発明の木材処理方法によって金属イオンの固着性が改
善されることが示された。
ニから入手)40gに対して、H2O 60ml、カテコ
ール3g、37%ホルマリン3g、濃硫酸2ml添加
し、これを85℃で1時間還流し、さらに炭酸ナトリウ
ムを添加して、pHを7.5に調整した。得られた黒褐色
・粘調な外観を有する液体は、ガラス瓶の中に密栓した
状態で、4℃で保存した。次に、この液体5gに、エタ
ノールアミン1.4g、硫酸銅(II)・5水和物 2.5gを添
加し、ここに水およびホウ酸を加えて溶解することでp
H9に調整して、木材処理剤溶液を100ml得た。こ
の処理剤溶液を用いて、実施例2と同様の含浸操作・乾
燥・反応を行って処理木片(木片B)を得、さらに、実
施例2と同様の溶脱処理、および溶出銅イオン量の分析
を行い、含浸された銅の量を100%として木片中の銅
残存量を算出したところ88%であり、本発明の木材処
理方法によって金属イオンの固着性が改善されることが
示された。
は、全く実施例3と同様にして、リグニンスルホン酸誘
導体を合成し、次に、実施例3と同様にして木材処理剤
溶液を調製し、さらに、実施例2と同様の含浸操作・乾
燥・反応を行って処理木片(木片C)を得、さらに、実
施例2と同様の脱処理、および溶出銅イオン量の分析を
行い、含浸された銅の量を100%として木片中の銅残
存量を算出したところ92%であり、本発明の木材処理
方法によって金属イオンの固着性が改善されることが示
された。
硫酸銅(II)・5水和物2.5gを添加し、ここに水および
ホウ酸を加えて溶解することでpHを9に調整し、さら
に、実施例1で取得したポリフェノール酸化酵素を2m
g添加して、木材処理剤溶液を100ml得た。この処
理剤溶液を用いて、実施例2と同様にして木材処理物の
製造を行い、処理木片(木片D)を得た。ただし、含浸
後の乾燥・養生(反応)操作は、28℃の恒温室内で4
日間静置して行った。さらに、実施例2と同様にして、
溶脱処理、および溶出銅イオン量の分析を行い、含浸さ
れた銅の量を100%として木片中の銅残存量を算出し
たところ97%であり、本発明の木材処理方法によって
金属イオンの固着性が改善されることが示された。な
お、対照として、ポリフェノール酸化酵素を含まない他
は上記と同様の処理剤を調製し、同様の木片処理を行っ
たところ、木片中の金属残存量は55%であり、本発明
のポリフェノール酸化触媒を用いる木材処理方法によっ
て、より低温での養生・乾燥操作を行っても金属イオン
の固着性が著しく改善されることが示された。
は、全く実施例3と同様にして、リグニンスルホン酸誘
導体を合成し、次に、実施例5と同様にして、ポリフェ
ノール酸化酵素を含有する木材処理剤溶液を調製し、こ
の処理剤溶液を用いて、実施例5と同様の含浸操作・乾
燥・養生(反応)を行って処理木片(木片E)を得、さ
らに、実施例5と同様の溶脱処理、および溶出銅イオン
量の分析を行い、含浸された銅の量を100%として木
片中の銅残存量を算出したところ89%であり、本発明
の木材処理方法によって金属イオンの固着性が改善され
ることが示された。
(II)・5水和物 2.5gおよびモノエタノールアミン 1.4
gの替わりに、硫酸亜鉛・7水和物 2.8gおよびモノエ
タノールアミン 5.0gまたは塩化ニッケル(II)・6水和
物 2.3gおよびモノエタノールアミン 3.3gを使用した
他は、実施例3と全く同様にして木材処理剤溶液を調製
し、この処理剤溶液を用いて、実施例3と同様の含浸操
作・乾燥・反応を行って処理木片(それぞれ木片F、
G)を得、さらに、実施例3と同様の溶脱処理を行い、
溶脱した金属を含有する水溶液について、日本ジャーレ
ル・アッシュ社ICAP-575IIを用いた高周波プラズマ発光
分光分析法(ICP法)による溶出金属量の分析を行な
った。含浸された金属の量を100%として木片中の金
属残存量を算出したところ、亜鉛は86%、ニッケルは
90%であり、本発明の木材処理方法によって様々な金
属イオンが固着化されることが示された。
・カンパニから入手)20gに対して、テトラヒドロフ
ラン50g、濃硫酸50μl、ポリ(プロピレングリコ
ール)ジグリシジルエーテル(M.W.〜380,アルド
リッチ・ケミカル・カンパニから入手)1.5gを添加
し、約80℃での還流を2時間実施し、さらにエタノー
ルアミン0.1mlを添加した後、エバポレーションを行
い、黒褐色・粘調な外観を有する液体を得た。次に、こ
の液体5gに、エタノールアミン 1.4g、硫酸銅(II)・
5水和物 2.5g、ピロガロール 0.5gを添加し、ここに
水およびホウ酸を加えて溶解することでpH9に調整
し、さらに、実施例1で取得したポリフェノール酸化酵
素を2mg添加して、木材処理剤溶液を100ml得
た。この処理剤溶液を用いて、実施例5と同様の含浸操
作・乾燥・養生(反応)を行って処理木片(木片H)を
得、さらに、実施例5と同様の溶脱処理、および溶出銅
イオン量の分析を行い、含浸された銅の量を100%と
して木片中の銅残存量を算出したところ88%であり、
本発明の木材処理方法によって金属イオンの固着性が改
善されることが示された。また同時に、リグニンおよび
ポリプロピレングリコールの誘導体が良好に木材中に固
着化される結果、溶脱液には着色がほとんど認められな
かった。
抗生物剤でありキレート剤であるヒノキチオールを10
0ppmの濃度で添加して木材処理剤溶液を調製し、さ
らに、実施例2と同様の含浸操作・乾燥・反応を行って
処理木片(木片I)を得、さらに、実施例2と同様の脱
処理、および溶出銅イオン量の分析を行い、含浸された
銅の量を100%として木片中の銅残存量を算出したと
ころ89%であり、本発明の木材処理方法によって金属
イオンの固着性が改善されることが示された。
I)と同様にして調製された木片試料(試料A′〜
I′)において、60℃の乾燥器中に48時間置き、さ
らに30分間デシケータ中に置くことで十分に乾燥させ
乾燥重量を測定した。次に、これらの木片の抗菌試験
を、JIS A 9201(木材防腐剤の性能基準および試験方法
1991)に従って、オオウズラタケ(Tyromyces palustr
is )FEPRI 0507(農林水産省森林総合研究所より入
手)を用いて実施した。抗菌操作後に木片を培養瓶から
取り出し、木片表面の菌糸を十分に取り除き、約24時間
風乾した後、前記と同様に、乾燥器とデシケータを用い
て十分に乾燥させてから重量を測定し、木片重量の減少
率を算出した。その結果、本発明の木材処理方法により
効果的に抗菌性の付与が可能であることが示された。こ
れらの詳細な結果を表1に示した。
蟻性試験 実施例5の木片Dを調製するために使用した処理剤溶液
(処理剤a)および実施例9の木片Iを調製するために
使用した処理剤溶液(処理剤b)を用い、(社)日本木材
保存協会規格第12号(1992)に規定する防蟻効力試験(総
合試験)を実施した。その結果、本発明の処理方法によ
り、効果的な防蟻性の付与が可能であることが示され
た。詳細な結果を表2に示した。なお、耐候操作は、上
記規格に準拠し、薬剤処理木片を静水中に30秒浸漬し
た後、底部に水をはった26℃のデシケーター中に4時
間放置し、さらに40度の循環式恒温器中で20時間乾
燥する一連の操作を10回繰り返すことにより行った。
り、有効成分としての金属、金属化合物、および/また
は金属イオンの溶脱性が改善され、長期間有効な抗生物
性、非環境汚染性などの有用な効果を有する木材処理物
が得られる。また、リグニン、リグニンスルホン酸、ま
たはリグニンスルホン酸塩の有用な産業上の利用方法が
提供される。
Claims (13)
- 【請求項1】 リグニンおよび/またはリグニン誘導体
と、金属、金属化合物および/または金属イオンとを含
有する含金属処理剤を木材に含浸し、木材中でリグニン
および/またはリグニン誘導体を酸化および/または高
分子量化して前記金属成分を木材中に固定することを特
徴とする木材処理方法。 - 【請求項2】 金属、金属化合物、および/または金属
イオンを、金属として0.5g/リットル以上の濃度で含
有する含金属処理剤を用いる請求項1に記載の木材処理
方法。 - 【請求項3】 含金属処理剤が、ジルコニウム、チタニ
ウム、バナジウム、クロム、モリブデン、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、銀、亜鉛、
カドミウム、アルミニウム、錫、鉛、アンチモン、カル
シウム、マグネシウム、ストロンチウム、あるいはバリ
ウムから選ばれる少なくとも1種の金属またはそのイオ
ンを含有する請求項1または2に記載の木材処理方法。 - 【請求項4】 酸化および/または高分子量化を加熱に
よって加速する請求項1乃至3のいずれかに記載の木材
処理方法。 - 【請求項5】 20〜300℃の範囲の温度に加熱する
請求項4に記載の木材処理方法。 - 【請求項6】 40〜150℃の範囲の温度に加熱する
請求項5に記載の木材処理方法。 - 【請求項7】 酸化および/または高分子量化をポリフ
ェノール酸化触媒の存在下に行うことを特徴とする請求
項1乃至6のいずれかに記載の木材処理方法。 - 【請求項8】 ポリフェノール酸化触媒がカテコールオ
キシダーゼ、ラッカーゼ、ポリフェノールオキシダー
ゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダ
ーゼ、またはペルオキシダーゼである請求項7に記載の
木材処理方法。 - 【請求項9】 リグニン誘導体がリグニンまたはリグニ
ンスルホン酸と、フェノール性化合物および/または芳
香族アミン化合物との架橋反応および/または高分子量
化反応によって得られる化合物であることを特徴とする
請求項1乃至8のいずれかに記載の木材処理方法。 - 【請求項10】 フェノール性化合物がピロカテコー
ル、ハイドロキノン、ピロガロール、没食子酸、タンニ
ン酸およびフェルラ酸から選ばれる少なくとも1種の化
合物である請求項7に記載の木材処理方法。 - 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
方法により処理された木材。 - 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
方法により原料木材を処理する工程を含むことを特徴と
する、金属、金属化合物、および/または金属イオンを
含有する木質材料の製造方法。 - 【請求項13】 請求項12に記載の製造方法により得
られる金属、金属化合物、および/または金属イオンを
含有する木質材料。
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