JPH11155595A - リポ蛋白質コレステロールの定量方法および試薬キット - Google Patents

リポ蛋白質コレステロールの定量方法および試薬キット

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JPH11155595A
JPH11155595A JP32502397A JP32502397A JPH11155595A JP H11155595 A JPH11155595 A JP H11155595A JP 32502397 A JP32502397 A JP 32502397A JP 32502397 A JP32502397 A JP 32502397A JP H11155595 A JPH11155595 A JP H11155595A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 他のリポ蛋白質画分中のコレステロール
を少なくともコレステロール酸化酵素に作用させ、吸光
度を測定する。その後、特定のリポ蛋白質画分中のコレ
ステロールを少なくともコレステロール脱水素酵素に作
用させ、吸光度を測定する。吸光度の差から特定のリポ
蛋白質画分中のコレステロール濃度を求める。特に反応
液中に濁りを生じない条件下で行う。 【効果】 特定のリポ蛋白質画分中のコレステロールを
定量することができる。遠心分画などの分離分画が不要
であるから、操作が簡便であり、測定誤差や人為的要因
での問題を低減させることができる。汎用型の自動分析
装置を用いた連続的な測定が可能となり、他の検査項目
とマルチチャンネル化して測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床診断の分野に
おいて、生体試料中のリポ蛋白質画分中のコレステロー
ルを定量する方法、およびこの方法に好適に用いられる
試薬キットに関する。
【0002】
【従来の技術】古くからリポ蛋白質は、超遠心操作によ
り、高比重リポ蛋白質(HDL,比重1.063〜1.
21)、低比重リポ蛋白質(LDL,比重1.019〜
1.063)、超低比重リポ蛋白質(VLDL,比重
1.006〜1.019)、カイロミクロン(CM,比
重<1.006)に分画されている。この分画操作は、
超遠心機を必要とする上に、遠心は数日に亘って行わな
ければならず、多検体を処理することは出来なかった。
これに代わりポリエチレングリコールまたはデキストラ
ン硫酸等のポリアニオンに、マグネシウムやカルシウム
等の二価カチオンを共存させたり、リンタングステン酸
に二価カチオンを共存させた分画剤なる溶液と血清とを
混和させてLDL、VLDL、CMを沈澱させ、遠心後
の上清に残るHDLのみを分画する方法が主流となって
いた。この方法は、臨床検査の分野で広く普及している
自動分析装置を用いることが出来た。即ち、分画したH
DL画分中のコレステロールは、酵素法による総コレス
テロールの測定が自動分析機で確立しているので、それ
を応用してHDL画分中のコレステロール濃度を求める
ことが出来た。
【0003】しかしながら、この方法も低速とは言え遠
心操作が必要であり、分画剤と血清とを混和させるとき
の人為的な定量誤差や検体の取り違えなどが問題となっ
ていた。その上、自動分析装置で他の一般的な生化学項
目と同時には測定出来なかった。臨床検査は迅速対応が
求められており、この事からも検査時間の短縮が課題と
なっていた。
【0004】一方、臨床的には動脈硬化のリスクファク
ターであるLDL画分中のコレステロール値を重視する
報告〔総コレステロールの基準値と設定根拠,動脈硬
化,24(6),260(1996)〕もある。現在L
DL画分中のコレステロール値は総コレステロール(T
−CHO)、中性脂肪(TG)及びHDL画分中のコレ
ステロールの測定結果から経験的なファクターを代入し
て求める。その式〔Friedewald WT,et
al,Clin.Chem.,18,499−502
(1972)〕を以下に示す。
【0005】LDL画分中のコレステロール値=(T−
CHO値)−(HDL画分中のコレステロール値)−
(TG値)/5
【0006】この方法では、測定する3項目が全て正確
に測定されなければ成立しない。また、TG値が400
mg/dlを越えたり、LDL画分中のコレステロール
濃度が100mg/dl以下になると計算値がLDL画
分中のコレステロール濃度を反映しなくなると言われて
いる〔Warnick GR,et al,Clin.
Chem.36(1),15−19(1990)、Mc
Namara JR,et al,Clin.Che
m.36(1),36−42(1990)〕。従って、
肝心な異常値が求められない方法である。他に、電気泳
動でリポ蛋白を分離し蛋白量を測定する方法やHPLC
によるリポ蛋白別コレステロールの測定方法もあるが、
検体処理能力に欠ける方法であり、高価な装置も必要と
なる。
【0007】近年、HDL画分中のコレステロール測定
に関して前述した問題を解決するため、全自動のHDL
画分中のコレステロールを測定するキットが開発され普
及しつつある。特許第2600065号公報、特開平8
−201393号公報及び特開平8−131195号公
報に観られる技術は分画剤を併用するが、分画剤に含ま
れる二価カチオンとして用いられる金属が自動分析装置
で一般的に使用される洗剤により不溶性の沈澱物を形成
し、それが廃液機構で蓄積することにより故障の原因と
なっている。更に反応液中に不溶性の凝集物を形成し、
測定結果に影響を与える濁りが生じて測定誤差の原因と
なっているばかりか、凝集物により反応セルが汚染され
て、同時に測定している他の生化学項目の測定結果に少
なからず影響を与えている。
【0008】普及しているほとんどの自動分析装置は、
10分で反応を完了する場合が多い。このとき反応中に
濁度変化があっては測定値の正確性に問題がある。その
他、反応液が濁ると再現性が低下するという問題も加わ
る。それ故、測定する検体に制限が加わり、幅広い測定
波長と多種多様な患者検体に対応することが出来ない。
例えば、340nm付近(UV域)では凝集物による濁
りの現象により、吸光度が2〜3以上となり分析機の許
容範囲をしばしば越えてしまう欠点がある。
【0009】二価カチオンを用いることのない特開平9
−96637号公報の技術は、リポ蛋白と凝集する抗血
清を含ませる方法であるが、これも難溶性の抗原抗体凝
集物を形成するので、反応セルが汚染される。従って、
同時に測定している他の生化学項目の測定結果に少なか
らず影響を与える。また、反応液中の濁りが強度となる
ので、特にUV領域によるHDL画分中のコレステロー
ル測定に対しても前述と同じ原因で正確な測定が不可能
である。高波長域でも濁りの影響で測定値の正確性に欠
ける。
【0010】また、このような濁りを最終的に消去する
技術である特開平6−242110号公報もあるが、こ
の方法だと最低でも3〜4段階の試薬分注操作が必要と
なり、一般的に普及している生化学項目用の自動分析機
は最大二段階のものが主流であるので応用出来ないこと
が多い。一方、LDL画分中のコレステロールの測定に
至っては、現在も計算による方法を採らざるを得ない状
況である。
【0011】臨床検査に用いる測定用試薬は、その汎用
性を重視するため、緩衝能の維持、安定化、試薬の液状
化、防腐効果、短時間測定のため、酵素の活性化等の工
夫がなされている。
【0012】コレステロール脱水素酵素(CDH)を用
いるコレステロールの測定には反応時間の短縮を目的と
したヒドラジン類の添加が必要となる(特開平5−17
6797号公報)。しかしながらこの方法では、第一反
応でヒドラジン類を存在させるので反応液が高イオン強
度下となり、さらに第二反応ではCDHの至適pHであ
る8.0付近、すなわちアルカリ性側に反応液を変動さ
せたり、コレステロール脱水素酵素やコレステロールエ
ステラーゼの活性化剤である界面活性剤を添加すると、
可溶性複合体とした目的物質以外のものが分解し、その
分解物が本反応に関与し、測定値のばらつきの原因とな
る。
【0013】HDL画分中のコレステロールを測定する
条件において、本反応に関与し易い物質としては、LD
L画分中の表面に存在する遊離型コレステロールが挙げ
られる。これらの分解を抑える方法としては、ポリアニ
オン、二価金属イオン、水溶性高分子化合物または目的
物質以外のものに対する抗体を単独あるいは二種以上を
組み合わせて添加し、凝集物あるいは免疫複合体を形成
させることにより、本反応への関与を抑えることが可能
である。
【0014】しかし、これらの凝集物および免疫複合体
による濁りの生成は、CDHを用いた波長340nmに
おける紫外部測定方法(UV法)では前述の様々な問題
も大きな障害となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明者らは、汎用の自動分析機を用いて遠心操作
による分離をせずに、また反応中に濁りを生じさせるこ
となく、生体試料中のHDLやLDLなどのリポ蛋白質
の画分中のコレステロールを定量する方法、およびこの
方法に好適に用いられる試薬キットについて鋭意研究を
行った。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、予め反応
液中で測定誤差となる目的以外のリポ蛋白質画分中のコ
レステロールをコレステロール酸化酵素で反応させて分
解させた後、次いで目的とするリポ蛋白質画分中のコレ
ステロールをコレステロール脱水素酵素などを用いて測
定する方法を見い出した。さらに、本発明者らは、生体
試料とコレステロール酸化酵素およびコレステロール脱
水素酵素との反応時にカリクスアレン類およびその誘導
体、ポリアニオン、水溶性ポリマー、多糖類等のリポ蛋
白質コレステロールと水可溶性の複合体を形成し得る化
合物を存在させることにより(即ち添加することによ
り)、反応液中に濁りを生じることなく、リポ蛋白質画
分中のコレステロールの各種分別定量が可能であること
を見い出した。
【0017】すなわち、本発明は、生体試料中の特定
のリポ蛋白質画分中のコレステロールを他のリポ蛋白質
画分の共存下で定量する方法であって、他のリポ蛋白質
画分中のコレステロールを少なくともコレステロール酸
化酵素に作用させ、吸光度を測定した後、特定のリポ蛋
白質画分中のコレステロールを少なくともコレステロー
ル脱水素酵素に作用させ、吸光度を測定し、両吸光度の
差から特定のリポ蛋白質画分中のコレステロールを定量
することを特徴とするリポ蛋白質コレステロールの定量
方法、生体試料中の特定のリポ蛋白質画分中のコレス
テロールを他のリポ蛋白質画分の共存下で定量する方法
であって、少なくとも生体試料とコレステロール酸化酵
素およびコレステロール脱水素酵素との反応時にリポ蛋
白質コレステロールと水可溶性の複合体を形成し得る化
合物を存在させ、且つ当該反応時に凝集物を生じさせな
いようにすることを特徴とするリポ蛋白質コレステロー
ルの定量方法、リポ蛋白質コレステロールと水可溶性
の複合体を形成し得る化合物が、カリクスアレン類、カ
リクスアレン誘導体、ポリアニオン、水溶性ポリマーお
よび多糖類から選ばれる少なくとも一種である上記記
載のリポ蛋白質コレステロールの定量方法、生体試料
中の特定のリポ蛋白質画分中のコレステロールを他のリ
ポ蛋白質画分の共存下で定量する方法であって、生体試
料中のリポ蛋白質の凝集を生じさせない条件下で、他の
リポ蛋白質画分中のコレステロールを少なくともコレス
テロール酸化酵素に作用させ、吸光度を測定した後、特
定のリポ蛋白質画分中のコレステロールを少なくともコ
レステロール脱水素酵素に作用させ、吸光度を測定し、
両吸光度の差から特定のリポ蛋白質画分中のコレステロ
ールを定量することを特徴とするリポ蛋白質コレステロ
ールの定量方法、特定のリポ蛋白質が、高比重リポ蛋
白質、低比重リポ蛋白質、超低比重リポ蛋白質またはレ
ムナント様リポ蛋白質である上記〜のいずれかに記
載のリポ蛋白質コレステロールの定量方法、コレステ
ロール脱水素酵素が、β−ニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド酸化型、Thio−ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチド酸化型、β−ニコチンアミドアデニンジ
ヌクレオチドリン酸酸化型、またはThio−ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型をこれらの
還元型に変換する反応を触媒する酵素である上記〜
のいずれかに記載のリポ蛋白質コレステロールの定量方
法、特定のリポ蛋白質画分中のコレステロールを、コ
レステロール脱水素酵素で測定するための試薬キットで
あり、且つ他のリポ蛋白質画分の共存下で定量するため
の試薬キットであって、少なくともコレステロール酸化
酵素およびコレステロール脱水素酵素を構成要素とする
リポ蛋白質コレステロール測定用試薬キット、生体試
料中のリポ蛋白質を凝集させずに、特定のリポ蛋白質画
分中のコレステロールをコレステロール脱水素酵素で測
定するための試薬キットであり、且つ他のリポ蛋白質画
分の共存下で定量するための試薬キットであって、少な
くともコレステロール酸化酵素およびコレステロール脱
水素酵素を構成要素とするリポ蛋白質コレステロール測
定用試薬キットである。
【0018】以下、本発明を実施するための諸条件につ
いて詳細に説明するが、本発明は以下の記載により何ら
制限されるものではない。
【0019】本発明において生体試料とは、血清や血漿
などであり、例えば前述のHDL、LDL、VLDL、
CMおよびVLDLやCMがリポ蛋白質リパーゼの作用
を受けて生じるレムナント様リポ蛋白質等のリポ蛋白質
画分を含むものである。リポ蛋白質は、コレステロール
を含む脂質成分とアポ蛋白質とが結合することにより内
部に脂質、外向きに蛋白質が存在するものであり、生体
中で可溶化している。
【0020】本発明においては、目的とする画分以外の
リポ蛋白質画分由来のコレステロールを分解する為に、
まず当該コレステロールとコレステロール酸化酵素を作
用させることを特徴とする(第一反応)。コレステロー
ル酸化酵素としては、コレステロールを酸化することが
できるものであれば、その由来等には格別の制限はな
い。第一反応は、pH6.0〜8.5、好ましくはpH
6.5〜7.5の範囲で、25〜40℃、好ましくは3
0〜37℃、1〜10分、好ましくは3〜5分間行う。
第一反応終了後、当該反応溶液の吸光度を測定する。吸
光度測定の条件は、目的とする画分中のコレステロール
を測定する際に利用する反応ならびに酵素の種類によっ
ても異なるが、例えば下記第二反応時に使用する補酵素
として、コレステロール脱水素酵素を用いて、β−ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の酸化型
から還元型への変換を利用する場合は、波長340nm
付近での吸光度を測定すればよい。
【0021】生体試料中の特定のリポ蛋白質画分中のコ
レステロールをコレステロール脱水素酵素に作用させる
第二反応は、pH7.0〜10.0、好ましくはpH
7.5〜8.5の範囲で、25〜40℃、好ましくは3
0〜37℃、1〜10分、好ましくは3〜5分間行う。
第二反応終了後、第一反応の条件に準じて吸光度を測定
する。
【0022】当該コレステロール脱水素酵素もその由来
等については特に制限はなく、コレステロール脱水素反
応を触媒するものであればよい。
【0023】第二反応においてコレステロール脱水素酵
素を用いる際の補酵素には、β−ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド酸化型(NAD)、Thio−ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(t−NA
D)、β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン
酸酸化型(NADP)、Thio−ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチドリン酸酸化型(t−NADP)等が
挙げられる。
【0024】第一反応におけるpH6.0〜8.5を第
二反応でpH7.5以上、好ましくはpH8.0以上に
することで、第一反応に使用したコレステロール酸化酵
素は反応に至適なpH条件から外れる。コレステロール
脱水素酵素はpH8.0以上に至適pHを有する為、第
二反応で効果的に作用する。このpH条件の差により、
目的となる特定のリポ蛋白質画分中のコレステロールの
定量が可能となるが、コレステロール酸化酵素に対する
特異的な阻害物質であるHLB17以上の非イオン界面
活性剤もしくはイオン性界面活性剤、またはフッ化ナト
リウム等を第二反応で添加してもよい。
【0025】本発明においては、生体試料と当該酵素の
反応の際、凝集物が生じ、反応液が濁るのを防ぐ為に、
カリクスアレン類およびカリクスアレン誘導体、ポリア
ニオン、水溶性ポリマー、多糖類等の化合物が添加され
る。これらの化合物は、リポ蛋白質表面とイオン結合ま
たは、リポ蛋白質表面の蛋白糖鎖を認識した配位結合に
より、複合体を形成するが凝集は起こさない。即ち、こ
れらの複合体は、反応溶液中に濁りを生じない可溶性の
複合体である。これらの化合物は主にLDL及びVLD
L画分と可溶性複合体を形成し、リポ蛋白質中の成分が
遊離するのを抑制する。
【0026】これらの化合物は、金属イオンをある程度
の濃度添加することにより凝集がおこり測定困難となる
ので、本発明においては金属イオンを添加しないか、当
該金属イオンの濃度を凝集をおこさせないように設定す
る必要がある。金属イオンを添加する場合は約1mMを
超えない程度に抑えるが、通常は金属イオンは添加しな
いことが好ましい。
【0027】カリクスアレン類は、フェノールを基本骨
格とし、フェノールの4〜8分子をメチレン基で環状に
重合させた環状オリゴマーである。これらのカリクスア
レン類に水溶性(親水性)基を導入したカリクスアレン
誘導体も開発されている。カリクスアレン類およびその
誘導体としては、カリクス(4)アレン〔Calix
(4)arene〕、カリクス(6)アレン、カリクス
(8)アレン、硫酸カリクス(4)アレン、硫酸カリク
ス(6)アレン、硫酸カリクス(8)アレン、酢酸カリ
クス(4)アレン、酢酸カリクス(6)アレン、酢酸カ
リクス(8)アレン、カルボキシカリクス(4)アレ
ン、カルボキシカリクス(6)アレン、カルボキシカリ
クス(8)アレン、カリクス(4)アレンアミン、カリ
クス(6)アレンアミン、カリクス(8)アレンアミン
などが挙げられるが、使用に際しては特に制限されな
い。製品化に成功している硫酸カリクスアレンが水溶性
に優れ取扱いが容易である。カリクスアレン類またはそ
の誘導体をコレステロール測定に応用する場合、コレス
テロールを酵素的に測定する条件下に、反応液中に0.
05〜50mmol/L、好ましくは0.1〜10mm
ol/Lとなるように添加すればよい。カリクスアレン
類およびその誘導体は、1種または2種以上を用いるこ
とができ、2種以上用いる場合の各カリクスアレン類お
よびその誘導体の量は上述の範囲内で適宜変更し得る。
【0028】ポリアニオンとしては、デキストラン硫
酸、リンタングステン酸、ヘパリンなどのナトリウム塩
やカリウム塩が挙げられ、反応液中に0.01〜1.0
w/v%、好ましくは0.05〜0.2w/v%となる
ように添加すればよい。
【0029】水溶性ポリマーには、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレン
グリコール等が挙げられ、反応液中に0.01〜5.0
w/v%、好ましくは0.05〜0.2w/v%となる
ように添加すればよい。
【0030】多糖類には、レクチン(コンカナバリン
A、ヒママメレクチン等)、λ−カラギーナン、κ−カ
ラギーナン、アルギン酸ナトリウム、Apo−B抗血
清、シクロデキストリン類が挙げられ、反応液中に0.
01〜2.0w/v%、好ましくは0.05〜0.5w
/v%となるように添加すればよい。
【0031】シクロデキストリン(CD)類は、本発明
の目的が達成できるものであればいずれも好適に使用で
きるが、とりわけ部分ヒドロキシプロピル化α−CD、
部分ヒドロキシプロピル化β−CD、部分メチル化α−
CD、部分メチル化β−CD、部分ポリマー化β−CD
等が好ましい。これらCD類は、単独または組み合わせ
て用いられる。部分ヒドロキシプロピル化とは、αまた
はβ−CDを構成する6または7のグルコース残基のう
ち少なくとも一のグルコース残基において、2位および
/または6位の水酸基の水素原子がヒドロキシプロピル
基〔例えば2−ヒドロキシプロピル基「−O−CH2
H(OH)CH3 」〕に置換されていることをいう。ま
た、部分メチル化とは、αまたはβ−CDを構成する6
または7のグルコース残基のうち少なくとも一のグルコ
ース残基において、2位および/または6位の水酸基の
水素原子がメチル基に置換されていることをいう。さら
に、部分ポリマー化とは、一のβ−CDを構成する7の
グルコース残基のうち少なくとも一のグルコース残基に
おいて、2位、3位および6位の水酸基のうち少なくと
も一の水酸基が、他のβ−CDを構成するグルコース残
基の2位、3位および6位の水酸基のうち少なくとも一
の水酸基に、架橋剤によって相互に架橋され、複数のβ
−CD分子がポリマーを形成することをいう。
【0032】LDL画分等と可溶性複合体を形成するこ
れらの化合物群は、目的に応じて組み合わせて使用する
とさらに効果的である。
【0033】次に各画分中のコレステロールの定量につ
いて説明する。HDL画分中のコレステロールを定量す
る場合、第一反応でHDL画分以外のリポ蛋白質画分、
特にLDL画分中の遊離型コレステロールが塩濃度やp
Hの関係で遊離し易くなる。LDLの分解を抑える方法
として、可溶性複合体を形成するカリクスアレン類、カ
リクスアレン誘導体、ポリアニオン、水溶性ポリマー
(水溶性高分子化合物)、多糖類の添加が挙げられる。
しかしながら、測定対象となる生体試料には多種多様な
リポ蛋白質が存在するため、コレステロールの遊離を完
全に抑制することは難しい。従って好ましくは、当該遊
離型コレステロールをコレステロール酸化酵素による第
一反応にて分解させ、第二反応でHDL画分中のコレス
テロールを、必要に応じてリポプロテインリパーゼやコ
レステロール加水分解酵素の共存下で、コレステロール
脱水素酵素の反応にて定量する方法が併用される。
【0034】可溶性複合体を形成するために用いられる
カリクスアレン類等の化合物の添加量は前述のとおりで
ある。
【0035】LDL画分中のコレステロールを定量する
場合は、先に述べた条件を組み合わせ、即ちpH6.0
〜8.0程度、イオン強度200〜500mmol/L
程度の条件下で、第一反応でLDLと可溶性複合体を形
成させ安定化させる一方で、HDL画分およびVLDL
画分中のコレステロールを、必要に応じてリポプロテイ
ンリパーゼやコレステロール加水分解酵素の共存下で、
コレステロール酸化酵素を作用させる。残ったLDL画
分を第二反応にて塩濃度を高めたり界面活性剤を添加し
たりして分解し、LDL画分中のコレステロールを、必
要に応じてリポプロテインリパーゼやコレステロール加
水分解酵素の共存下で、コレステロール脱水素酵素の反
応にて定量する。第一反応時において、LDLと可溶性
複合体を形成する化合物は、その種類の組み合わせと濃
度を適宜調整して用いることができる。
【0036】VLDL画分中のコレステロールを定量す
る場合は、先に述べた条件を組み合わせ、即ちpH6.
5〜8.5程度、イオン強度300〜600mmol/
L程度の条件下で、第一反応でVLDL画分と可溶性複
合体を形成させ安定化させる一方で、HDL画分および
LDL画分中のコレステロールを分解する。第一反応時
において、VLDLと可溶性複合体を形成する化合物
は、その種類の組み合わせと濃度を適宜調整して用いる
ことができる。第二反応でVLDLの可溶性複合体を分
解させる手段としては、第二反応における酵素反応を妨
害しなければ何等制限されず、界面活性剤、コール酸類
や酵素を用いるか、塩濃度等を適宜調整すればよい。
【0037】特定のリポ蛋白質画分中のコレステロール
濃度は、第一反応および第二反応における吸光度をそれ
ぞれ測定し、その吸光度の差引により求められる。例え
ば、HDL画分中のコレステロールを定量する場合、H
DL画分以外のリポ蛋白質画分のコレステロールを第一
反応で分解させた状態での吸光度を測定した後、第二反
応での吸光度を測定することにより、第一反応で未反応
のHDL画分中のコレステロールを定量することができ
る。
【0038】当該定量方法は、上述のHDL画分、LD
L画分およびVLDL画分のみならず、レムナント様リ
ポ蛋白質画分等の他のリポ蛋白質画分にも応用ができ
る。
【0039】本発明の定量方法は、本発明の試薬キット
によって好適に実施され得る。本発明の試薬キットは、
好ましくは第一反応においてコレステロール酸化酵素が
少なくとも反応液中に存在するように、第二反応におい
てコレステロール脱水素酵素が少なくとも反応液中に存
在するように配合されたものである。試薬の形態は、乾
燥状、液状など特に限定されるものではない。試薬キッ
ト中には、酵素の活性化剤などが配合されていてもよ
く、また試薬キットが、例えば第一反応用試薬と第二反
応用試薬との組合せのように、反応液中に添加する時期
が異なる複数の種類の試薬を組み合わせたものであって
もよい。
【0040】本発明の試薬キットは、特定のリポ蛋白質
画分中のコレステロールを、コレステロール脱水素酵素
で測定するための試薬キットであり、コレステロール酸
化酵素およびコレステロール脱水素酵素を含有し、その
他の成分として、特定のリポ蛋白質画分中のコレステロ
ールを定量するために用いられる酵素等の試薬を含有す
るように適宜調製される。例えば、HDL画分やLDL
画分中のコレステロールは、総コレステロールを測定す
る方法により測定される。この際の試薬キットには、コ
レステロール酸化酵素およびコレステロール脱水素酵素
に加えて、リポプロテインリパーゼ、コレステロールエ
ステラーゼ等の酵素、コレステロールを定量する反応を
完成させるための条件下で添加する活性化剤、安定化
剤、補酵素等が適宜選択され、試薬キット中に配合され
得る。本発明のキットに含められるコレステロール脱水
素酵素としては前述の如く、ニコチンアミドアデニンジ
ヌクレオチド依存性コレステロール脱水素酵素、ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチドフォスフェート依存性
コレステロール脱水素酵素等が例示される。
【0041】
【実施例】以下、本発明をより詳細に説明するために、
HDL画分、LDL画分及びVLDL画分中の各コレス
テロールの定量例について記すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0042】〔実施例1〕 濁度の確認結果 緩衝液に表1に示す化合物を添加し、試薬とした。検体
は、超遠心(100,000G)操作で得たVLDL、
LDL、HDL画分と正常なヒト血清および乳び検体を
用いた。測定は、検体5μlに試薬180μlを加え3
7℃で5分間インキュベートし、この時点で主波長34
0nmの吸光度と濁りの確認を行った。対照法として市
販されているキット、デタミナーL HDL−C(協和
メデックス(株)社製)、コレステストHDL(第一化
学薬品工業(株)社製)、HDL−Cダイレクトワコー
(和光純薬(株)社製)の第一試薬を用いた。また、特
許第2600065号公報、特開平8−201393号
公報、特開平9−96637号公報の各公報に記載の実
施例を参考にした試薬も調製した。操作はキットに添付
されている取り扱い説明書及び各公報記載の実施例に従
った。結果を表1に示す。本発明において用いられる化
合物を添加した試薬では、濁りが生じていないことがわ
かる。
【0043】
【表1】
【0044】注1)各化合物の上段:濁度の強度を示
す。下段:340nmにおける検体自身の吸光度を差し
引いた複合体形成による吸光度の変化を示す。
【0045】注2)表中の記号は、以下の濁度を示す。
−:濁らない、+:低度の濁り、++:中度の濁り、+
++:高度の濁り、++++:強度の濁り(吸光度2.
0以上)
【0046】注3)表中のHP−γ−CDは2−ヒドロ
キシプロピル−γ−シクロデキストリンを、DM−β−
CDはβ−CDを構成するグルコース残基の2位および
6位の水酸基の水素原子がそれぞれメチル基に置換され
ているγ−シクロデキストリンを示し、PEGはポリエ
チレングリコールを示す。
【0047】〔実施例2〕 HDL画分中のコレステロ
ールの定量 以下の試薬1−A、試薬1−Bおよび試薬2を調製し、
HDL−コレステロール濃度を測定した。検体は、一般
人の血清10例を用いた。測定は、日立7170型自動
分析装置で実施した。操作法は、先ず検体5μlに試薬
1−Aまたは試薬1−Bを180μl加え37℃で5分
間恒温し、この時点で主波長340nmおよび副波長5
70nmで吸光度1を測定した。
【0048】さらに、試薬2を60μl加え37℃で5
分間恒温し、この時点で主波長340nmおよび副波長
570nmで吸光度2を測定した。
【0049】吸光度1と吸光度2の差を求めて、既知の
HDL−コレステロール濃度のコントロールを標準液と
して検体の値を換算した。対照法としてポリエチレング
リコール(PG)法を用いた。PG法は国際試薬(株)
製PGポールを使用した。また、遠心後の上清のコレス
テロール濃度は、国際試薬(株)製T−CHO試薬・A
を用いて求めた。測定結果として対照法との比較を表2
に示した。コレステロール酸化酵素が添加されていない
試薬1−Aでは、対照法に比べて高値を示すが、コレス
テロール酸化酵素が添加された試薬1−Bでは、対照法
の結果とよく一致した良好な結果となった。
【0050】 試薬1−Aの調製 緩衝液 pH6.5 二塩化ヒドラジニウム 80 mmol/L 硫酸カリクス(6)アレン 1.0 mmol/L β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型[NAD] 5.0 mmol/L
【0051】 試薬1−Bの調製 緩衝液 pH6.5 二塩化ヒドラジニウム 80 mmol/L 硫酸カリクス(6)アレン 1.0 mmol/L β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型[NAD] 5.0 mmol/L コレステロール酸化酵素 10 U/ml
【0052】 試薬2の調製 緩衝液 pH8.5 コレステロール脱水素酵素 20 U/ml コレステロール加水分解酵素 6 U/ml
【0053】
【表2】
【0054】〔実施例3〕 LDL画分中のコレステロ
ールの定量 以下の試薬1および試薬2を調製し、LDL−コレステ
ロール濃度を測定した。検体は、一般人の血清10例を
用いた。測定は、日立7170型自動分析装置で実施し
た。操作法は、先ず検体3μlに試薬1を210μl加
え37℃で5分間恒温し、この時点で主波長340nm
および副波長570nmで吸光度1を測定した。
【0055】さらに、試薬2を70μl加え37℃で5
分間恒温し、この時点で主波長340nmおよび副波長
570nmで吸光度2を測定した。
【0056】吸光度1と吸光度2の差を求めて、既知の
LDL−コレステロール濃度のコントロールを標準液と
して検体の値を換算した。対照法では、フリーデワルド
式によりLDL−コレステロール濃度を求めた。HDL
コレステロール値は、国際試薬(株)製PGポールを使
用した。総コレステロール値は、国際試薬(株)製T−
CHO試薬・Aを用いて求めた。TG値は、国際試薬
(株)製TG試薬・Aを用いて求めた。測定結果として
対照法との比較を表3に示した。本法は、対照法の結果
とよく一致した良好な結果となった。
【0057】 試薬1の調製 緩衝液 pH7.0 硫酸カリクス(6)アレン 1.0 mmol/L コレステロール脱水素酵素 20 U/ml β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型[NAD] 5.0 mmol/L コレステロール酸化酵素 10 U/ml コレステロール加水分解酵素 1 U/ml
【0058】 試薬2の調製 緩衝液 pH8.5 二塩化ヒドラジニウム 300 mmol/L コレステロール加水分解酵素 3 U/ml
【0059】
【表3】
【0060】〔実施例4〕 VLDL画分中のコレステ
ロールの定量 以下の試薬1および試薬2を調製し、VLDL−コレス
テロール濃度を測定した。検体は、一般人の血清5例を
用いた。測定は、日立7170型自動分析装置で実施し
た。操作法は、先ず検体5μlに試薬1を180μl加
え37℃で5分間恒温し、この時点で主波長340nm
および副波長570nmで吸光度1を測定した。
【0061】さらに、試薬2を60μl加え37℃で5
分間恒温し、この時点で主波長340nmおよび副波長
570nmで吸光度2を測定した。吸光度1と吸光度2
の差を求めて、既知のVLDL−コレステロール濃度の
血清を標準液として検体の値を換算した。対照法として
超遠心法を用いた。測定結果として対照法との比較を表
4に示した。本法は、対照法の結果とよく一致した良好
な結果となった。
【0062】 試薬1の調製 緩衝液 pH8.0 コレステロール脱水素酵素 20 U/ml β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型[NAD] 5.0 mmol/L 塩化ナトリウム 100 mmol/L コール酸ナトリウム 0.1 % コレステロール酸化酵素 10 U/ml コレステロール加水分解酵素 1 U/ml
【0063】 試薬2の調製 緩衝液 pH8.5 二塩化ヒドラジニウム 300 mmol/L トリトンX−100 0.4 % コレステロール加水分解酵素 3 U/ml
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、第一反応でコレステロ
ール酸化酵素と反応させ、第二反応でコレステロール脱
水素酵素と反応させることにより、目的とするリポ蛋白
質画分以外の画分由来のコレステロールの影響を排除す
ることが可能となる。
【0066】さらに本発明によれば、生体試料中のリポ
蛋白質を凝集させることなく、特定のリポ蛋白質画分中
のコレステロールを定量することができる。すなわち、
測定用試薬に、カリクスアレン類やその誘導体、ポリア
ニオン、多糖類(シクロデキストリン類など)、水溶性
ポリマー等を反応液中に含ませることにより、生体試料
中のリポ蛋白質を凝集させることなく、且つ他のリポ蛋
白質の影響を受けることなく、選択的に特定のリポ蛋白
質画分中のコレステロールを定量することが可能とな
る。
【0067】以上のことより、本発明の方法ならびに本
発明の試薬キットを用いる方法では、遠心分画などの分
離分画が不要であるから、操作が簡便であり、測定誤差
や人為的要因での問題を低減させることができる。
【0068】また、二種類の試薬を用いる方法に応用で
きるので、汎用型の自動分析装置を用いた連続的な測定
が可能となり、他の検査項目とマルチチャンネル化して
測定することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡津 吉史 神戸市西区室谷1丁目1−2 国際試薬株 式会社研究開発センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料中の特定のリポ蛋白質画分中の
    コレステロールを他のリポ蛋白質画分の共存下で定量す
    る方法であって、他のリポ蛋白質画分中のコレステロー
    ルを少なくともコレステロール酸化酵素に作用させ、吸
    光度を測定した後、特定のリポ蛋白質画分中のコレステ
    ロールを少なくともコレステロール脱水素酵素に作用さ
    せ、吸光度を測定し、両吸光度の差から特定のリポ蛋白
    質画分中のコレステロールを定量することを特徴とする
    リポ蛋白質コレステロールの定量方法。
  2. 【請求項2】 生体試料中の特定のリポ蛋白質画分中の
    コレステロールを他のリポ蛋白質画分の共存下で定量す
    る方法であって、少なくとも生体試料とコレステロール
    酸化酵素およびコレステロール脱水素酵素との反応時に
    リポ蛋白質コレステロールと水可溶性の複合体を形成し
    得る化合物を存在させ、且つ当該反応時に凝集物を生じ
    させないようにすることを特徴とするリポ蛋白質コレス
    テロールの定量方法。
  3. 【請求項3】 リポ蛋白質コレステロールと水可溶性の
    複合体を形成し得る化合物が、カリクスアレン類、カリ
    クスアレン誘導体、ポリアニオン、水溶性ポリマーおよ
    び多糖類から選ばれる少なくとも一種である請求項2記
    載のリポ蛋白質コレステロールの定量方法。
  4. 【請求項4】 生体試料中の特定のリポ蛋白質画分中の
    コレステロールを他のリポ蛋白質画分の共存下で定量す
    る方法であって、生体試料中のリポ蛋白質の凝集を生じ
    させない条件下で、他のリポ蛋白質画分中のコレステロ
    ールを少なくともコレステロール酸化酵素に作用させ、
    吸光度を測定した後、特定のリポ蛋白質画分中のコレス
    テロールを少なくともコレステロール脱水素酵素に作用
    させ、吸光度を測定し、両吸光度の差から特定のリポ蛋
    白質画分中のコレステロールを定量することを特徴とす
    るリポ蛋白質コレステロールの定量方法。
  5. 【請求項5】 特定のリポ蛋白質が、高比重リポ蛋白
    質、低比重リポ蛋白質、超低比重リポ蛋白質またはレム
    ナント様リポ蛋白質である請求項1〜4のいずれかに記
    載のリポ蛋白質コレステロールの定量方法。
  6. 【請求項6】 コレステロール脱水素酵素が、β−ニコ
    チンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型、Thio−
    ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型、β−ニ
    コチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型、ま
    たはThio−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
    リン酸酸化型をこれらの還元型に変換する反応を触媒す
    る酵素である請求項1〜5のいずれかに記載のリポ蛋白
    質コレステロールの定量方法。
  7. 【請求項7】 特定のリポ蛋白質画分中のコレステロー
    ルを、コレステロール脱水素酵素で測定するための試薬
    キットであり、且つ他のリポ蛋白質画分の共存下で定量
    するための試薬キットであって、少なくともコレステロ
    ール酸化酵素およびコレステロール脱水素酵素を構成要
    素とするリポ蛋白質コレステロール測定用試薬キット。
  8. 【請求項8】 生体試料中のリポ蛋白質を凝集させず
    に、特定のリポ蛋白質画分中のコレステロールをコレス
    テロール脱水素酵素で測定するための試薬キットであ
    り、且つ他のリポ蛋白質画分の共存下で定量するための
    試薬キットであって、少なくともコレステロール酸化酵
    素およびコレステロール脱水素酵素を構成要素とするリ
    ポ蛋白質コレステロール測定用試薬キット。
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