JPH11153694A - 制御棒制御方法と制御棒自動制御装置 - Google Patents

制御棒制御方法と制御棒自動制御装置

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JPH11153694A
JPH11153694A JP9319453A JP31945397A JPH11153694A JP H11153694 A JPH11153694 A JP H11153694A JP 9319453 A JP9319453 A JP 9319453A JP 31945397 A JP31945397 A JP 31945397A JP H11153694 A JPH11153694 A JP H11153694A
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neutron flux
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reactor
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉停止期間が短く崩壊熱が残留している場合
にも原子力起動時の昇温昇圧モードによる起動をスムー
スに行う。 【解決手段】 原子力プラント起動時に中性子束応答を
監視しながら制御棒引抜操作を繰り返し制御棒操作を停
止しても中性子束が一定の炉周期を継続する状態にする
臨界近接モードの次に炉水温度を目標温度上昇率で上昇
させるべく制御棒操作をしながら中性子束出力レベルを
所定のレベルに維持する昇温昇圧モードを行う制御棒制
御において、臨界近接モードにより臨界に到達したと判
断した後でも中性子束が炉水の昇温可能出力レベルまで
上昇するまでに炉周期が所定値以上になった場合には前
記昇温昇圧モードに入る前に制御棒引き抜きを行って所
定の反応度を投入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御棒を操作して原
子炉を起動する制御棒制御方法および制御棒自動制御装
置に係り、特に、沸騰水型原子炉(BWR)を短時間に
安全に起動するのに好適な制御棒制御方法および制御棒
自動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力プラントの起動は、炉心
内に挿入されている制御棒を順次徐々に引き抜き、原子
炉出力を上昇させることで行う。この起動過程の制御モ
ードは、原子炉出力の小さい順に、 (1)未臨界の炉心を臨界にする臨界近接モ−ド (2)炉水温度を上昇させて原子炉圧力を定格値まで到達
させる昇温昇圧モ−ド (3)炉心で発生した蒸気を発電機に送らずにバイパスさ
せる炉出力制御モ−ド (4)発生蒸気を発電機に送り、定格出力まで出力を上昇
させる発電機出力モ−ド に大別できる。これらの各制御モードにおける制御棒操
作の判断は、従来、運転員によって行われている。
【0003】これらの制御モードのうち、1番目の「臨
界近接モ−ド」とは、中性子束応答を監視しながらの慎
重な制御棒引抜き操作を繰り返すことにより、制御棒操
作を停止しても中性子束が一定の炉周期を継続した状態
(通常、臨界又は臨界判定したと呼ぶ。)にすることで
ある。ここで、炉周期とは、中性子束(出力)レベルが
約2.718倍(正確にはe倍)上昇するのに要する時間で
ある。
【0004】臨界到達(臨界判定)した直後の中性子束
の出力レベルは約10~5%定格出力程度であり、また炉
周期は80〜200秒程度が望ましいと言われている。臨界
到達後しばらくの間(30分程度)は、制御棒操作を停止
していても、ほぼ一定炉周期で中性子束は上昇し続け
る。中性子束レベルが上昇し炉水の昇温可能出力レベル
(約0.02%定格出力程度)以上になると、炉水温度上昇
による負の反応度が加わり(炉水温度が上昇すると、通
常、炉心反応度は減少する)、徐々に炉周期が長くなる
(出力上昇率が鈍化する)。
【0005】2番目の「昇温昇圧モ−ド」は、臨界到達
後の中性子束が平定し(例えば、炉周期600秒以上にな
ること)、且つ炉水温度上昇が確認されてから開始する
のが望ましい。昇温昇圧モ−ドでは、目標の温度上昇率
で炉水の温度を上昇させるように、中性子束の出力レベ
ルを所定のレベルに維持するように、制御棒の引抜き操
作(必要な場合には、挿入操作も行う。)を繰り返す。
【0006】近年、運転の省力化や起動時間の短縮など
を目的として、上記のような制御棒操作を自動化する方
法が考案されている。制御棒操作自動化技術の公知例と
して、日本原子力学会誌Vol.34 p161に掲載の「沸騰水
型原子力発電プラント起動時の制御棒操作自動化方式の
開発」記載のものがある。この従来技術では、昇温昇圧
モ−ドの制御方法として、目標温度上昇率と実際の温度
上昇率との偏差を用いたPI(比例+積分)制御によ
り、制御棒の引抜き操作(必要な場合、挿入操作も行
う。)を行っている。
【0007】PI制御を利用した昇温昇圧モ−ドの制御
方法は、目標温度上昇率と実際の温度上昇率との偏差を
利用して制御を行うため、制御性能は制御開始時の前記
偏差量に依存する傾向にある。即ち、目標温度上昇率と
実際の温度上昇率との偏差が大きい状態から制御を開始
すると、実際の温度上昇率が目標温度上昇率近傍に達す
るまでに、時間がかかる。従って、制御開始時の目標温
度上昇率と実際の温度上昇率との偏差は、小さい方が望
ましい。
【0008】通常の原子炉起動時においては、臨界操作
時の炉水温度は、ほぼ一定値を維持し続ける。従って、
臨界到達後しばらくの間は、制御棒操作を停止していて
も、ほぼ一定炉周期で中性子束は上昇し続け(炉水温度
がほぼ一定なので、炉心の反応度がほぼ一定であるた
め)、中性子束レベルが炉水の昇温可能出力レベル以上
になると、炉水温度上昇による負の反応度が加わり、徐
々に炉周期が長くなる(炉心反応度が減少すると、炉周
期は長くなる)ので、中性子束の平定出力レベル(例え
ば、炉周期600秒以上)は、炉水の昇温可能出力レベル
(約0.02%定格出力程度)以上まで上昇する。これを図
4で説明する。
【0009】図4は、炉停止期間を長くとれる場合の通
常の原子炉起動時における臨界近接モード及び昇温昇圧
モードの出力(中性子束)応答と炉水温度上昇率応答の
評価結果を示すグラフである。臨界近接モード時の炉水
温度は、ほぼ一定値を維持し続けている(同図では、炉
水温度の揺らぎのため、温度上昇率でみると、0℃/hr
を中心に揺らいでいる)。この例では、ほぼ30分で臨界
に到達し、臨界到達後しばらくの間(約20分)は、制御
棒操作を停止していても、ほぼ一定炉周期で中性子束は
上昇し続ける。そして、中性子束レベルが炉水の昇温可
能出力レベル以上に上昇すると、炉水温度上昇による負
の反応度が加わって徐々に炉周期が長くなり、中性子束
の平定出力レベルは、炉水の昇温可能出力レベル(約0.
02%定格出力程度)以上である0.3%定格出力程度まで
上昇する。
【0010】中性子束平定後の炉水温度上昇率のピーク
値は約15℃/hr程度あり、目標温度上昇率30℃/hrを設
定して昇温昇圧モ−ドの制御を開始する。昇温昇圧モ−
ド制御は、図3に示すように目標温度上昇率と実際の温
度上昇率との偏差を用いたPI(比例+積分)制御によ
り、制御棒の引抜き操作(必要な場合、挿入操作も行
う。)を行う。この制御の結果、炉水温度上昇率がスム
ースに目標温度上昇率近傍に到達する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、炉停止期
間が短い場合の原子炉起動時には、残留している崩壊熱
の影響を受けるため、臨界操作中も、炉水温度は上昇
(崩壊熱が昇温可能出力レベル以上ある場合)してい
る。炉水温度の上昇は、反応度的に見ると負であるた
め、制御棒操作を停止したままだと、臨界到達後から炉
周期は徐々に長くなって行く(炉周期が長いとは、中性
子束の上昇率が小さいことを意味する)。そのため、中
性子束の平定出力レベルは、炉水の昇温可能出力レベル
以下になってしまう。従って、この状態のままで、昇温
昇圧モ−ドの制御を開始すると、目標温度上昇率と実際
の温度上昇率との偏差が大きいので、実際の温度上昇率
が目標温度上昇率近傍に達するまでに、時間を要してし
まうという問題が生じる。これを図5で説明する。
【0012】図5は、炉停止期間が短い場合における評
価結果を示すグラフである。炉停止期間が短い場合、原
子炉起動時に残留している崩壊熱の影響を受けるため、
臨界近接モード中も、炉水温度は平均5℃/hrで上昇し
ている。炉水温度の上昇は、反応度的に見ると負であ
り、制御棒操作を停止したままでは、臨界到達後から炉
周期は徐々に長くなって行き、そのため中性子束の平定
出力レベルが、炉水の昇温可能出力レベル以下である約
0.001%定格出力程度となってしまう。この状態のまま
で、昇温昇圧モ−ドのPI制御を開始すると、目標温度
上昇率と実際の温度上昇率との偏差が大きいので、実際
の温度上昇率が目標温度上昇率近傍に達するまでに、時
間を要してしまう。
【0013】本発明の目的は、残留崩壊熱の影響を受け
る場合でも、昇温昇圧モ−ドの制御性能を上げ短時間に
安定して原子炉を起動できる制御棒操作方法および制御
棒自動制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、原子力プラ
ント起動時に中性子束応答を監視しながら制御棒引抜操
作を繰り返し制御棒操作を停止しても中性子束が一定の
炉周期を継続する状態にする臨界近接モードの次に炉水
温度を目標温度上昇率で上昇させるべく制御棒操作をし
ながら中性子束出力レベルを所定のレベルに維持する昇
温昇圧モードを行う制御棒制御において、臨界近接モー
ドにより臨界に到達したと判断した後でも中性子束が炉
水の昇温可能出力レベルまで上昇するまでに炉周期が所
定値以上になった場合には前記昇温昇圧モードに入る前
に制御棒引き抜きを行って所定の反応度を投入すること
で、達成される。好適には、前記所定値を炉周期250秒
とし、前記投入する反応度は約0.00035ΔKとする。
【0015】これにより、炉停止期間が短くて崩壊熱が
残留している場合でも、スムースな起動が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明
する。沸騰水型原子力発電所で原子炉を起動する場合、
起動前の炉停止期間が短く崩壊熱が残留している場合で
も、起動時間を短縮する必要がある。そこで、原子炉起
動時における昇温昇圧モ−ド制御開始後の制御におい
て、実際の温度上昇率が目標温度上昇率近傍に達するま
での時間を短縮できるように制御性能を高めるために、
昇温昇圧モ−ドの制御開始時の目標温度上昇率と実際の
温度上昇率との偏差を小さくする必要がある。
【0017】臨界後に制御棒操作を停止していると、崩
壊熱による炉水温度上昇により炉周期は徐々に長くなっ
て行き、中性子束の平定出力レベル(例えば、炉周期60
0秒)が、炉水の昇温可能出力レベル以下となってしま
う。従って、臨界到達後、中性子束が炉水の昇温可能出
力レベルまで上昇するまでに炉周期が所定の値(例え
ば、250秒)以上になった場合、制御棒を引抜く操作を
行うと、長くなった炉周期が制御棒による正の反応度印
加により短くなる。必要な場合には、この制御棒引抜き
操作を繰り返すことにより、中性子束の平定出力レベル
を、炉水の昇温可能出力レベル以上にする。なおここ
で、所定の炉周期を250秒としているのは、炉心状態が
炉周期250秒の炉心状態(炉心反応度状態)に、仮に価
値のある制御棒を1ステップ引抜いても、印加される反
応度は0.0004ΔK程度以下であり、炉周期は80秒程度以
上となり、安全な中性子束上昇が可能であるからであ
る。即ち、通常の起動時における望ましい炉周期は、人
間の操作性の観点から約80秒以上だといわれている。
【0018】「昇温可能出力レベル」は、本実施形態の
場合、炉水の温度上昇率1℃/時間を与える熱出力に相
当する0.02%定格出力としている。これは、以下の理由
による。上記した制御棒操作により、昇温可能出力レベ
ルにて炉周期を250秒以下にしているので、中性子束が
平定する(例えば、炉周期600秒以上になる)までに更
に中性子束レベルが上昇し、中性子束平定後には、炉水
温度上昇率のピーク値が、10℃/時間程度以上となる。
ここで、炉水温度上昇率のピーク値は、中性子束平定時
の出力レベルにほぼ比例する。また、中性子束平定時の
出力レベルは、昇温可能出力レベルでの炉周期に依存す
る(炉周期が短くなると、平定時の出力レベルは大きく
なる)。なお、中性子束が昇温可能出力レベルでの炉周
期は80秒以上なので、炉水温度上昇率のピーク値は実績
によると、制限値である55℃/時間よりかなり小さくな
る。
【0019】昇温可能出力レベル到達以後は、制御棒操
作を停止し、中性子束平定後の炉水温度上昇率のピーク
値を確認(周期的に炉水温度上昇率を検出しており、今
回検出値が前回検出値より低下したとき前回検出値をピ
ーク値と認識する。)してから昇温昇圧モードを開始
(制御棒操作の再開)するのは、制限値以上の温度上昇
率となるのを避けるためである。0.02%定格出力程度の
領域の中性子束検出器は、ABWRの場合SRNMであり、炉心
内には10個配置されている。この出力領域の中性子束監
視においては、炉周期監視が重要であり、熱出力自身は
問題とならない。一方、炉心内は、出力分布により、各
SRNMの指示値は異なっており、SRNMの平均値を出力判定
に利用した場合には、多少実際の(熱)出力からずれる
ことになる。このずれを考慮し、昇温可能出力レベルと
しては、炉水の温度上昇率制限値55℃/時間より余裕を
大きくみて1℃/時間相当出力としている。
【0020】炉水温度の上昇は、中性子束(熱出力)上
昇より炉水が炉心内を一巡する時間だけ遅れるため、中
性子束平定後の炉水温度上昇率のピーク値を確認するこ
とで、中性子束レベルを大きくしすぎて温度上昇率制限
値を超えてしまうのを防ぐことができる。このように中
性子束平定後の炉水温度上昇率のピーク値を確認してか
ら、昇温昇圧モ−ドの制御を開始すると、目標温度上昇
率と、崩壊熱でなく中性子束の寄与による実際の温度上
昇率との偏差を小さくでき、制御性能を高めることがで
きる。また、炉水温度上昇率も、制限値(55℃/時間)
を超えることなく制御可能である。更に、このような制
御棒引抜き操作(炉周期(ペリオド)を監視しながらの
制御であるため、以後、ペリオド監視制御と呼ぶ)は、
臨界到達後から昇温昇圧モ−ドの制御開始までの時間の
短縮も可能としている。
【0021】図2は、原子炉およびその制御系の要部構
成図である。原子炉圧力容器1内の炉心2には、原子炉
の出力を制御する複数の制御棒3が配置されている。各
制御棒3は、制御棒駆動機構5と、制御棒3を動かすモ
−タ6により原子炉内に挿入され、また、原子炉内から
引き抜かれる。更に、各制御棒3の挿入位置(引抜位
置)を検出する制御棒位置検出器8が設置されている。
炉心2には、原子炉起動時の中性子束を検出する中性子
束検出器(SRNM)4が配置され、中性子束検出器4
は、中性子束情報を、制御棒自動制御装置10に出力す
る。本実施形態に係る制御棒駆動制御装置9は、制御棒
引抜きシーケンス12及び制御棒ギャンググループ11の情
報をもとに、制御棒自動制御装置10の制御棒操作指令に
より、制御棒を操作する。
【0022】図1は、図2に示す制御棒自動制御装置10
によるペリオド監視制御機能の構成図である。臨界達成
直後に行う最初の昇温昇圧モード(このモードは、温度
範囲に対応して複数段階に分けられている。)開始条件
判定機能21が開始条件に達していないと判定しこの判
定結果が反転機能22によりオン信号となり、このオン
信号と、臨界に達していると判定されたオン信号とが入
力したときオン信号を引き抜き許可判定機能24に出力
するAND機能23を備える。昇温昇圧モード開始条件
判定機能21は、図示しない炉水温度検出器の時系列的
検出値から温度変化率計算機能25により計算された結
果と、SRNM中性子束検出値とを取り込み、開始条件に達
したか否かを判定する。引き抜き許可判定機能24は、
制御棒駆動制御装置9(図2)からの制御棒操作情報
と、出力換算処理機能26がSRNM中性子束検出値から求
めた出力値と、炉周期計算機能27がSRNM中性子束検出
値から求めた炉周期と、AND機能23からのオン信号
とを取り込み、制御棒の引き抜き許可判定を行い、判定
結果を制御棒操作指令として制御棒駆動制御装置9に出
力する。
【0023】図6は、図1に示すペリオド監視制御機能
を利用した昇温昇圧モードの出力応答と炉水温度上昇率
応答の評価結果を示す図である。炉心状態は、図5と同
様に炉停止期間が短い場合の起動であり、残留している
崩壊熱の影響を受けるため、臨界近接モード中も、炉水
温度は平均5℃/hrで上昇している。炉水温度の上昇
は、反応度的に見ると負であり、制御棒操作を停止した
ままでは、臨界到達後から炉周期は徐々に長くなる。
【0024】しかし、本実施形態では、図1に示すペリ
オド監視制御機能が働き、中性子束が炉水の昇温可能出
力レベルに上昇するまでの間に、炉周期が200秒〜300秒
の間で定めた所定周期以上になったとき好適には250秒
以上になったとき、所定の炉心反応度例えば0.00035Δ
k程度の反応度を投入すべく制御棒を引き抜く。これに
より、中性子束の平定出力レベルは、炉水の昇温可能出
力レベル(約0.02%定格出力程度)以上である0.2%定
格出力程度まで上昇する。そして、中性子束平定(炉周
期600秒以上)後に、炉水温度上昇率のピーク値を確認
してから、昇温昇圧モ−ドの制御を開始する。このた
め、温度上昇率は制限値を超えることなくスムースに制
御される。
【0025】制御棒価値は軸方向位置で大きく変化する
ので、ペリオド監視制御時における制御棒操作は、当該
操作1回の制御棒操作により炉心に投入される投入反応
度が0.00035Δk以下となる操作モードが適切である。
制御棒の操作モードとして、連続モード(制御棒1本を
全挿入状態から完全に引き抜く状態まで200ステップに
分けたときステップ数に関係なく連続して引く抜くモー
ド),サブステップモード(投入反応度がほぼ等しくな
るように設定した1単位量だけ制御棒を引き抜くモー
ド。制御棒の反応度は制御棒の挿入位置によって大きく
異なるため、1ステップで1単位量となることもあり、
20ステップで1単位量となることもある。),ステッ
プモード(制御棒の最小操作単位である1ステップづつ
引き抜くモード)の3つが用意されている場合、サブス
テップモードを採用するのがよい。
【0026】なおここで、投入反応度を0.00035Δk程
度以下としているのは、炉心状態が炉周期250秒の炉心
状態(炉心反応度状態)に、0.00035ΔK程度の反応度を
印加しても、炉周期は80秒程度以上となり、安全な中性
子束上昇が可能であるからである。
【0027】多数の制御棒は、図8に示す様に、予めグ
ループ分け(制御棒ギャンググループ:図示の例では、
ギャンググループは、1,2,3〜10D,10Eと定義され
ている。)されており、制御棒駆動制御装置9は、二百
本以上ある制御棒の中から操作する制御棒(ギャンググ
ループ)を選択し、引き抜き指令や挿入指令と、制御棒
到達目標位置とを、選択した制御棒のモ−タ駆動制御装
置7に指示する。モ−タ駆動制御装置7は、制御棒位置
検出器8の指示値と制御棒到達目標位置とを比較し、操
作対象の制御棒が目標位置で停止するようにモ−タ6の
回転数を制御する。そして、目標位置に到達したとき、
制御棒駆動制御装置9に、目標位置に到達した旨を示す
信号を送信する。
【0028】各制御モード時における制御棒操作は、本
実施形態の場合、図9に示す制御棒引抜きシーケンスに
従って行われる。図9の例では、図8に示すようなギャ
ンググループ1,2,3〜10D,10Eを設定しておき、同
一グル−プに属する制御棒は同時に操作する。図9中の
ギャンググループはこの制御棒グル−プを表し、制御棒
引抜きシーケンスは、上段に“引抜きリミット位置”及
び“サブステップモード時の操作ステップ数”が下段に
“引抜き順序”にて構成されている。制御棒位置は、0
(ステップ)が全挿入を、200(ステップ)は、制御
棒全引き抜き位置を表す。
【0029】制御棒引抜きは、“引抜き順序”に従っ
て、対応するギャンググループ(表中の左端)を、“引
抜きリミット位置”まで引抜いてから、次の引抜きが行
われる。連続モードにおいては、制御棒は“引抜きリミ
ット位置”まで、連続に引抜かれ停止する。一方、サブ
ステップモ−ドでは、制御棒は、“サブステップモ−ド
時の操作ステップ数”引きぬかれる毎に停止する。“操
作ステップ数”引抜かれた際の制御棒投入反応度は、0.
035%Δk以下なるように設定しておく。なお、ステッ
プモ−ドでは、最小操作量である1ステップ毎に一時停
止する。
【0030】図10は、本発明の別の実施形態に係るペ
リオド監視制御機能の機能構成図である。この実施形態
では、上述した実施形態における制御棒引抜操作に加
え、更に、昇温昇圧モード開始の初期において初期制御
操作を行い、目標温度上昇率に相当する出力レベルにま
で更に中性子束を上昇させ、この後にPI制御移行判定
処理の指示により、スムーズにPI制御に移行させる。
【0031】PI制御移行判定処理では、中性子束レベ
ルが初期目標中性子束レベルφ0以上になった場合に移
行が指示される。初期目標中性子束レベルφ0は、目標
温度上昇率α0,臨界到達後の平定中性子束レベルφP,
中性子束平定後の温度上昇率ピークαPと、2つのゲイ
ンG1,G2により次の数1
【0032】
【数1】φ0=min(α0/αP*G1、G2)*φP で計算される。
【0033】この本実施形態を使って、昇温昇圧モ−ド
を評価した結果を図7に示す。図7の炉心状態は、図5
及び図6と同一の炉停止期間が短い場合の起動であり、
残留している崩壊熱の影響を受けるため、臨界近接モー
ド中も、炉水温度は平均5℃/hrで上昇している。この
実施形態では、図6の実施形態と同様に、ペリオド監視
制御が行われるが、その後の昇温昇圧モードの開始初期
に、ゲインG1=0.8、G2=2.5の初期制御操作を行う。こ
れにより、温度上昇率は、図6の場合より、更にスムー
ズに目標温度上昇率に近づく。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、高速で安全な制御棒操
作により原子炉起動時の昇温昇圧モ−ドによる制御を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るペリオド監視制御機
能の機能構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る原子炉制御系の全体
構成図である。
【図3】昇温昇圧モードのPI制御アルゴリズムの一例
を示す図である。
【図4】炉停止期間が短くない通常の起動時における図
3のPI制御のみを利用した場合の評価結果を示す図で
ある。
【図5】炉停止期間が短い場合の起動時における図3の
PI制御のみのみを利用した場合の評価結果を示す図で
ある。
【図6】炉停止期間が短い場合の起動時における図1に
示す実施形態に係るペリオド監視制御を利用した場合の
評価結果を示す図である。
【図7】炉停止期間が短い場合の起動時における本発明
の別の実施形態に係る昇温昇圧モ−ドの制御棒自動制御
を利用した場合の評価結果を示す図である。
【図8】制御棒駆動装置で利用する制御棒グルーピング
の説明図である。
【図9】制御棒引抜きシーケンスの一例を示す図であ
る。
【図10】本発明の別の実施形態に係る昇温昇圧モ−ド
の制御棒自動制御機能の機能構成図である。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…制御棒、4…中性
子束検出器、5…制御棒駆動機構、6…モ−タ、7…モ
−タ駆動制御装置、8…制御棒位置検出器、9…制御棒
駆動制御装置、10…制御棒自動制御装置、11…制御
棒ギャンググループ、12…制御棒引抜きシーケンス。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力プラント起動時に中性子束応答を
    監視しながら制御棒引抜操作を繰り返し制御棒操作を停
    止しても中性子束が一定の炉周期を継続する状態にする
    臨界近接モードの次に炉水温度を目標温度上昇率で上昇
    させるべく制御棒操作をしながら中性子束出力レベルを
    所定のレベルに維持する昇温昇圧モードを行う制御棒制
    御方法において、臨界近接モードにより臨界に到達した
    と判断した後でも中性子束が炉水の昇温可能出力レベル
    まで上昇するまでに炉周期が所定値以上になった場合に
    は前記昇温昇圧モードに入る前に制御棒引き抜きを行っ
    て所定の反応度を投入することを特徴とする制御棒制御
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記所定値を炉周期
    250秒としたことを特徴とする制御棒制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    投入する反応度は約0.00035ΔKであることを特徴とする
    制御棒制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかにおい
    て、所定の反応度を投入しその後に中性子束が平定した
    後、炉水温度上昇率のピークを確認して昇温昇圧モード
    を開始することを特徴とする制御棒制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、昇温昇圧モードの初
    期段階で制御棒引き抜きを行って中性子束を目標中性子
    束レベルしその後に目標温度上昇率と実際の温度上昇率
    との偏差を用いたPI制御に移行することを特徴とする
    制御棒制御方法。
  6. 【請求項6】 原子力プラント起動時に中性子束応答を
    監視しながら制御棒引抜操作を繰り返し制御棒操作を停
    止しても中性子束が一定の炉周期を継続する状態にする
    臨界近接モードの次に炉水温度を目標温度上昇率で上昇
    させるべく制御棒操作をしながら中性子束出力レベルを
    所定のレベルに維持する昇温昇圧モードを行う制御棒自
    動制御装置において、臨界近接モードにより臨界に到達
    したと判断した後でも中性子束が炉水の昇温可能出力レ
    ベルまで上昇するまでに炉周期が所定値以上になった場
    合には前記昇温昇圧モードに入る前に制御棒引き抜きを
    指示し所定の反応度を投入する制御手段を備えることを
    特徴とする制御棒自動制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、所定の反応度を投入
    しその後に中性子束が平定した後、炉水温度上昇率のピ
    ークを確認して昇温昇圧モードを開始させる手段を備え
    ることを特徴とする制御棒自動制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、昇温昇圧モードの初
    期段階で制御棒引き抜きを行って中性子束を目標中性子
    束レベルしその後に目標温度上昇率と実際の温度上昇率
    との偏差を用いたPI制御に移行する手段を備えること
    を特徴とする制御棒自動制御装置。
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