JPH11151990A - 車体上部構造 - Google Patents

車体上部構造

Info

Publication number
JPH11151990A
JPH11151990A JP9318751A JP31875197A JPH11151990A JP H11151990 A JPH11151990 A JP H11151990A JP 9318751 A JP9318751 A JP 9318751A JP 31875197 A JP31875197 A JP 31875197A JP H11151990 A JPH11151990 A JP H11151990A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energy absorbing
urethane
side rail
vehicle
rigid member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9318751A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Kondo
政彰 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP9318751A priority Critical patent/JPH11151990A/ja
Publication of JPH11151990A publication Critical patent/JPH11151990A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車室内居住性を損なうことなく、ルーフサイ
ドにける被衝撃体当接時のエネルギーを効果的に吸収す
る。 【解決手段】 サンルーフハウジング18の車幅方向外
側壁部18Aとサイドレールインナパネル24の縦壁部
24Aとの間には、ウレタン42、44が配設されてお
り、ウレタン42がウレタン44に比べ高硬度になって
いる。ウレタン44の貫通穴50と対向するサイドレー
ルインナパネル24の縦壁部24Aの部位には取付穴5
4が穿設されており、取付穴54にクリップ52を嵌合
させることで、ウレタン44をサイドレールインナパネ
ル24の縦壁部24Aに固定している。ウレタン44の
凸部56と対向するサイドレールインナパネル24の部
位には凹部58が形成されており、凸部56と凹部58
とが嵌合している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車体上
部構造に係り、特に、車室天井部にサンルーフ等の剛部
材を備えた車体上部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の車体上部にはルーフ周縁
に閉断面部が形成されている構成が知られており、その
一例が実開昭63−194079号に開示されている。
【0003】図6に示される如く、この車体上部構造で
は、ルーフ前部にルーフヘッダ100による閉断面部1
02が、ルーフ後部にバックウインドフレーム104に
よる閉断面部106がそれぞれ形成されている。また、
フロントピラー108による閉断面部110、センタピ
ラー112による閉断面部114、及びクオータピラー
116による閉断面部118がそれぞれ形成されてい
る。さらに、ルーフ両側部には、閉断面部118、12
0が形成されている。
【0004】閉断面部102と閉断面部106の各左右
両側部には、閉断面部118、120との連通を遮断す
る隔壁122、124、126、128が配設されてお
り、各ピラー108、112、116による各閉断面部
110、114、118と閉断面部118、120との
結合部近傍には、各閉断面部間の連通を遮断する隔壁1
34、136、138、140、142、144が配設
されている。これらの各隔壁で区画された各閉断面部内
には発泡材が充填されており、閉断面部内の空気の流れ
を防止して異音の発生を低減している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車体上
部構造では、車室内に乗車した乗員が、ルーフサイドに
当接した際に、ルーフサイドにおいて当接時のエネルギ
ー吸収を円滑に行う必要がある。このため、例えば、ル
ーフサイドレール等の車体骨格部材の板厚を薄くして、
乗員が当接した場合に、容易に変形させることでエネル
ギーを吸収する構成が考えられるが、車体骨格部材の板
厚は車体の強度及び剛性に大きく影響するため、この構
成は現実的でない。よって、ルーフサイドにおける乗員
頭部当接時のエネルギー吸収を円滑に行う構成として、
ルーフサイドレールの車室内側部をウレタン等のエネル
ギー吸収材で覆う構成があるが、この構成では、車室内
居住性が損なわれる。特に、サンルーフ等を備えた車体
上部構造においては、ルーフサイド近傍に上下方向に微
小な変形ストロークを有する剛部材としてのサンルーフ
ハウジングの側部等が配設されるため、これらの剛部材
に対しても、その車室内側部をウレタン等のエネルギー
吸収材で覆う必要があり、さらに車室内居住性が損なわ
れる。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、車室内居住性
を損なうことなく、ルーフサイドにおける被衝撃体当接
時のエネルギーを効果的に吸収できる車体上部構造を得
ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、略下方から所定値以上の荷重が作用した場合に、略
上方へ向けて僅かな変形ストロークを有する剛部材が車
室天井部に配設された車体上部構造において、前記剛部
材の車幅方向外側縁部に沿って配設され、前記変形スト
ローク内での前記剛部材の変形に伴って変形することに
よって、前記剛部材とに跨がって当接した被衝撃体の衝
撃エネルギーを吸収するエネルギ吸収材を有することを
特徴としている。
【0008】従って、被衝撃体の当接によって、エネル
ギ吸収材と剛部材の車幅方向外側縁部とに荷重が入力さ
れた場合には、エネルギ吸収材が剛部材の変形ストロー
ク内で変形することにより、入力されたエネルギーを効
果的に吸収する。また、エネルギ吸収材を剛部材の車幅
方向外側縁部に沿って配設したため、従来の剛部材の車
室内側部をエネルギー吸収材で覆う構造に比べ、車室内
居住性を損なうこともない。
【0009】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
車体上部構造において、前記エネルギ吸収材が前記剛部
材の車幅方向外側縁部とセンタピラー上部との間に配設
されたことを特徴としている。
【0010】従って、請求項1記載の内容に加えて、被
衝撃体がセンタピラー側に当接した場合においても、エ
ネルギ吸収材が変形することにより、入力されたエネル
ギーを効果的に吸収する。請求項3記載の本発明は、請
求項2記載の車体上部構造において、前記センタピラー
の上部に車体前後方向に沿って配設されたルーフサイド
レールを備え、前記エネルギ吸収材が前記剛部材の車幅
方向外側縁部と前記ルーフサイドレールとの間に配設さ
れたことを特徴としている。
【0011】従って、請求項2記載の内容に加えて、エ
ネルギ吸収材をルーフサイドレールに固定できるため、
エネルギ吸収材を確実に支持できる。
【0012】請求項4記載の本発明は、請求項2記載の
車体上部構造において、前記エネルギ吸収材の硬度は前
記剛部材側に向かうに従って徐々に高くなることを特徴
としている。
【0013】従って、請求項2記載の内容に加えて、剛
部材側に荷重が入力された場合には、エネルギ吸収材の
剛部材側が変形し、センタピラーに荷重が入力された場
合には、エネルギ吸収材のセンタピラー側が変形して、
エネルギーを吸収するが、センタピラー側に比べ初期荷
重が低く、急激に高荷重の発生する剛部材側に、硬度の
高いエネルギー吸収材が配設されているため、剛部材側
に荷重が入力された場合における変形初期のエネルギー
吸収量を確保することができる。また、センタピラー側
に荷重が入力された場合には、センタピラー側に配設さ
れた比較的硬度の低いエネルギー吸収材と、センタピラ
ーに設けられたエネルギー吸収材との双方でエネルギー
を吸収できるため、これらのエネルギー吸収材の厚さを
薄くすることができる。即ち、車室内居住性を損なうこ
となく、被衝撃体当接時のエネルギーを効果的に吸収で
きる。
【0014】請求項5記載の本発明は、請求項2記載の
車体上部構造において、前記エネルギ吸収材は前記剛部
材側のエネルギ吸収材と前記センタピラー側のエネルギ
吸収材とに二分割され、前記剛部材側のエネルギ吸収材
の硬度がセンタピラー側のエネルギ吸収材の硬度より高
いことを特徴としている。
【0015】従って、請求項2記載の内容に加えて、セ
ンタピラー側に比べ初期荷重が低く、急激に高荷重の発
生する剛部材側に荷重が入力された場合には、硬度が高
いエネルギー吸収材でこのエネルギーを吸収し、センタ
ピラー側に荷重が入力された場合には、硬度が低いエネ
ルギー吸収材と、センタピラーに設けられたエネルギー
吸収材との双方でエネルギーを吸収する。この結果、異
硬度のエネルギー吸収材を合わせることで、効率良いエ
ネルギー吸収構造を簡単に製造することができる。
【0016】請求項6記載の本発明は、請求項3、4、
5記載の車体上部構造において、前記ルーフサイドレー
ル側のエネルギ吸収材と前記ルーフサイドレールとの何
れか一方に凹部を設け、他方の対応する部位に凸部を設
けて、これらの凹部と凸部を嵌合させたことを特徴とし
ている。
【0017】従って、請求項3、4、5記載の記載の内
容に加えて、ルーフサイドレールとエネルギ吸収材との
何れか一方に設けた凹部と、他方に設けた凸部とが嵌合
することで、エネルギー吸収材のルーフサイドレールへ
の取付け剛性を確保することができ、安定したエネルギ
ー吸収が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の車体上部構造の一実施形
態を図1〜図4に従って説明する。
【0019】なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢
印UPは車両上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示
す。
【0020】図2に示される如く、本実施形態の車体上
部構造では、ルーフ10の前部に剛部材としてのサンル
ーフ12が装備されている。このサンルーフ12はマッ
プランプ14の近傍に配設されたサンルーフスイッチ1
6を操作することによって、チルトアップ及び車両前後
方向へスライド可能になっている。
【0021】図1に示される如く、サンルーフ12は、
ルーフ10の車幅方向両側部に沿ってスライドレールを
有するサンルーフハウジング18を備えており、このサ
ンルーフハウジング18は、図示を省略したブラケット
によってルーフサイドレール20等に支持されている。
また、サンルーフハウジング18の車幅方向両側部及び
その近傍は、上方に微小な変形ストロークを有してお
り、略下方(車室内側方向)から所定値以上の荷重が作
用した場合には、上方へ微小ながら所定量変形するよう
になっている。
【0022】ルーフサイドレール20は、ルーフ10の
車幅方向端部に、車体前後方向に沿って配設されてお
り、車幅方向外側部を構成するサイドレールアウタパネ
ル22と、車幅方向内側部を構成するサイドレールイン
ナパネル24とで構成されている。
【0023】サイドレールインナパネル24の縦壁部2
4Aの上端部には、車幅方向内側へ向けてフランジ24
Bが形成されており、縦壁部24Aの下端部には、車幅
方向外側へ向けて下壁部24Cが形成されている。この
下壁部24Cの車幅方向外側端部には、車幅方向外側斜
め下方へ向けてフランジ24Dが形成されている。
【0024】サイドレールアウタパネル22は、サイド
レールインナパネル24の縦壁部24Aと下壁部24C
との間に所定の隙間を開けて配設されており、上壁部2
2Aの車幅方向内側部がサイドレールインナパネル24
のフランジ24Bに溶着されている。また、サイドレー
ルアウタパネル22の縦壁部22Bの下端部には車幅方
向外側斜め下方へ向けてフランジ22Cが形成されてお
り、このフランジ22Cがサイドレールインナパネル2
4のフランジ24Dに溶着されている。この結果、サイ
ドレールインナパネル24は、サイドレールアウタパネ
ル22とサイドレールインナパネル24とで車体前後方
向に延びる閉断面部26を形成している。
【0025】サイドレールアウタパネル22のフランジ
22Cとサイドレールインナパネル24のフランジ24
Dとの接合部及び、サイドレールインナパネル24の下
壁部24Cの一部には、センタピラー28を構成するセ
ンタピラーインナパネル30の上端部30Aが溶着され
ている。センタピラーインナパネル30の車室側には、
センタピラーガーニッシュ32が配設されており、セン
タピラーガーニッシュ32のセンタピラーインナパネル
30側面には、センタピラーガーニッシュ32と一体ま
たは別体とされた衝撃吸収部材34が配設されている。
なお、センタピラー28を構成するセンタピラーアウタ
パネル35の上端部35Aは、サイドレールアウタパネ
ル22の縦壁部22Bと、ルーフドリップチャンネル3
7のフランジ37Aとの間に溶着されており、ルーフド
リップチャンネル37の車幅方向外側端部近傍には、ル
ーフパネル36の車幅方向外側端部に形成されたフラン
ジ36Aが溶着されている。
【0026】ルーフパネル36の車室側にはルーフヘッ
ドライニング(成形天井)40が配設されており、ルー
フヘッドライニング40の車幅方向外側端部40Aは、
センタピラーガーニッシュ32の上端と、サイドレール
インナパネル24の下壁部24Cとの間に挿入されてい
る。
【0027】サンルーフハウジング18の車幅方向外側
壁部18Aとサイドレールインナパネル24の縦壁部2
4Aとの間には、エネルギ吸収材としてのウレタン4
2、44が配設されており、ウレタン42の硬度(15
〜20kgf/mm2 )がウレタン44の硬度(10〜
15kgf/mm2 )に比べ高硬度になっている。
【0028】なお、ウレタン42がサンルーフハウジン
グ18の車幅方向外側壁部18A側に配設されており、
ウレタン42の車幅方向内側壁部42Aが、サンルーフ
ハウジング18の車幅方向外側壁部18Aと対向してい
る。また、ウレタン44がサイドレールインナパネル2
4の縦壁部24A側に配設されており、ウレタン44の
車幅方向外側壁部44Aがサイドレールインナパネル2
4の縦壁部24Aと対向している。さらに、ウレタン4
2、44とサイドレールインナパネル24のフランジ2
4Bとの間には、隙間(3mm程度)が形成されてい
る。
【0029】また、ウレタン42、44の車両前後方向
から見た断面形状は、サイドレールインナパネル24側
の上下方向長さに対してサンルーフハウジング18側の
上下方向長さが短くなった台形状とされており、ウレタ
ン42とウレタン44との接着面46は、車幅方向外側
上部から車幅方向内側下部に向かう傾斜面となってい
る。
【0030】図3に示される如く、ウレタン44の車幅
方向外側壁部44Aの下部には、車両前後方向両端部近
傍に矩形状の凹部49が形成されており、これらの凹部
49の底部に穿設された貫通穴50には図1に示される
クリップ52が挿通されている。
【0031】図1に示される如く、ウレタン44の貫通
穴50と対向するサイドレールインナパネル24の縦壁
部24Aの部位には取付穴54が穿設されており、取付
穴54にクリップ52を嵌合させることで、ウレタン4
4をサイドレールインナパネル24の縦壁部24Aに固
定している。
【0032】図3に示される如く、ウレタン44の車幅
方向外側壁部44Aの上部には、車両前後方向に所定の
間隔を開けて半球状の凸部56が形成されている。
【0033】図1に示される如く、ウレタン44の凸部
56と対向するサイドレールインナパネル24の縦壁部
24Aの部位には半球状の凹部58が形成されており、
ウレタン44の凸部56と、サイドレールインナパネル
24の凹部58とが嵌合している。
【0034】次に、本実施形態の作用を説明する。本実
施形態では、図1に実線で示される如く、被衝撃体60
が、略斜め下方(図1の矢印A方向)からルーフヘッド
ライニング40のサンルーフハウジング18及び高硬度
のウレタン42の配設位置に当接すると、例えば、ウレ
タン42が存在しない場合には、被衝撃体60が受ける
荷重(F)は、図4に破線(A)で示すように、初期の
立ち上がりが遅く、急激に増加する特性を示す。この結
果、被衝撃体60の運動エネルギーを全て吸収するため
には、大きな荷重F1が発生してしまう。なお、この時
の被衝撃体60が当接した部位の変位はS1となる。
【0035】一方、本実施形態では、図4に二点鎖線
(B)で示すような特性を持つ高硬度ウレタン42が存
在するため、発生する荷重の特性は、前記2つの特性の
合力である図4に3点鎖線(C)で示す特性になり、エ
ネルギー吸収時の最大発生荷重F4をウレタン42が存
在しない場合(A)の最大発生荷重F1に比べて小さく
することができる。
【0036】また、図1に破線で示される如く、被衝撃
体60が、斜め下方(図1の矢印B方向)から主として
ルーフヘッドライニング40の低硬度のウレタン44の
配設位置及びセンタピラーガーニッシュ32の上部に当
接した場合には、例えば、ウレタン44が存在しない
と、被衝撃体60が受ける荷重(F)は、図4に実線
(D)で示すように小さくなる。このため、被衝撃体6
0の運動エネルギーを全て吸収するためには、大きな変
位S3が必要である。
【0037】一方、本実施形態では低硬度ウレタン44
を配設したため、低硬度ウレタン44によりこの部位の
剛性をセンタピラーガーニッシュ32の上部と同一に調
整しておけば、発生する荷重の特性は、前記2つの特性
の合力である図4に二点鎖線(B)で示す特性になり、
エネルギー吸収時の最大発生変位S2をウレタン44が
存在しない場合の最大発生変位S3に比べて大幅に短縮
できる。
【0038】この際、最大発生荷重F2は、ウレタン4
4が存在しない場合の最大発生荷重F3より大きくなる
が、この値は、ウレタン44の特性を変更することによ
り調整可能であり、被衝撃体60の耐性以下に設定する
ことが可能である。
【0039】従って、本実施形態では、サンルーフハウ
ジング18とサイドレールインナパネル24との間にウ
レタン42、44を配設することにより、車室内の居住
空間を損なわず、ルーフサイドにける乗員頭部当接時の
エネルギーを効果的に吸できる。
【0040】また、図1に破線で示される如く、被衝撃
体60が、斜め下方(図1の矢印B方向)から主として
ルーフヘッドライニング40の低硬度のウレタン44配
設位置及びセンタピラーガーニッシュ32の上部に衝突
し、ウレタン44とセンタピラーガーニッシュ32との
合力が理想的に図4の二点鎖線(B)に達する場合にお
いても、固定してあるクリップ52によるウレタン4
2、44の支持強度が、この合力に未達の場合、即ち、
クリップ52の外れ等が発生すると期待する荷重は得ら
れず、期待する荷重を下まわる図4に4点鎖線で示す荷
重特性(E)になり、ウレタン42、44本来のエネル
ギー吸収が発揮されない。
【0041】従って、本実施形態では、ウレタン44の
凸部56とサイドレールインナパネル24の凹部58と
を嵌合させることにより、この嵌合力によってクリップ
52によるウレタン42、44の支持強度が扶力される
ようにすることで、図4に二点鎖線(B)で示される期
待される特性が容易に得られるようにしている。
【0042】なお、嵌合する凸部及び凹部を設ける部位
は、被衝撃体60の当接により、圧縮力が発生する面、
例えば、ウレタン44の車幅方向外側壁部44Aとサイ
ドレールインナパネル24の縦壁部24A、または、図
1に示されるサイドレールインナパネル24のフランジ
24Bとウレタン44の上壁部44Bが好ましい。
【0043】従って、本実施形態は、クリップ52の数
の増加または強度アップを行うことなく、図4に二点鎖
線(B)で示される期待される特性が容易に得られるた
め、コスト、生産性の面で有利である。また、ウレタン
42、44の支持強度を上げる目的でクリップ52の数
の増加するために、ウレタン44に貫通穴50を穿設し
過ぎるとウレタン44の衝撃吸収特性が変化する恐れが
あるため、この点においても、本実施形態は有利であ
る。
【0044】さらに、図5に示される如く、ウレタン4
4の硬度に対応して、凸部56(対応する凹部58を含
む)の数、配列、配置面等を調整することで、ウレタン
44とルーフサイドレール20との嵌合力を必要に応じ
て調整することができるため、ウレタン44自体の衝撃
特性を変化させる必要がなく、嵌合力の調整が容易であ
る。
【0045】また、本実施形態では、ウレタン44の凸
部56とサイドレールインナパネル24の凹部58とを
嵌合させることにより、この嵌合力によってウレタン4
2、44とルーフサイドレール20との相対変位が抑制
できるため、走行時の異音発生の防止に効果がある。ま
た、ウレタン44の凸部56とサイドレールインナパネ
ル24の凹部58とを嵌合させることにより、ウレタン
42、44の取付位置の精度が向上する。
【0046】以上に於いては、本発明を特定の実施形態
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
ある。例えば、本実施形態では、ウレタン44の車幅方
向外側壁部44Aに半球状の凸部56を形成し、サイド
レールインナパネル24の縦壁部24Aに半球状の凹部
58を形成したが、これらに代えて、ウレタン44の車
幅方向外側壁部44Aに半球状の凹部58を形成し、サ
イドレールインナパネル24の縦壁部24Aに半球状の
凸部56を形成しても良い。また、凸部56及び凹部5
8の各形状は半球状の限定されず、円錐形状、角錐形
状、円柱形状、角柱形状等の他の形状でも良い。
【0047】また、本実施形態では、エネルギ吸収材と
して接着面46で接着された異硬度の2個のウレタン4
2、44を使用したが、これに代えて、3個以上の異硬
度のウレタンを使用して、ウレタンの硬度をサンルーフ
ハウジング側に向かうに従って徐々に高くなる構成とし
ても良い。また、一個のウレタンを使用し、このウレタ
ンの構造、例えば、発泡の大きさ、数等により、ウレタ
ンの硬度をサンルーフハウジング側に向かうに従って徐
々に高くなる構成としても良い。
【0048】また、本実施形態では、エネルギ吸収材と
してウレタン42、44を使用したが、ウレタンに代え
て、ハニカム構造体、弾性体(ゴム)等から成る他のエ
ネルギ吸収材を使用しても良い。
【0049】また、本実施形態では、ルーフ10の車幅
方向両側部に沿ってスライドレールを有するサンルーフ
ハウジング18を備えた剛部材としてのサンルーフ12
が装備されている車体上部構造に本発明を適用したが、
本発明は、ルーフの車幅方向側部に沿って配設され、略
下方(車室内側方向)から所定値以上の荷重が作用した
場合には、上方へ微小ながら所定量変形可能な室内蛍光
灯等の他の剛部材を備えた車体上部構造にも適用可能で
ある。
【0050】また、本実施形態では、図2に示される如
く、エネルギ吸収材としてウレタン42、44をセンタ
ピラー28に上部に配設したが、エネルギ吸収材として
ウレタン42、44の配設部位は、車両前後方向へ延設
しても良い。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の本発明は、略下方から所
定値以上の荷重が作用した場合に、略上方へ向けて僅か
な変形ストロークを有する剛部材が車室天井部に配設さ
れた車体上部構造において、剛部材の車幅方向外側縁部
に沿って配設され、変形ストローク内での剛部材の変形
に伴って変形することによって、剛部材とに跨がって当
接した被衝撃体の衝撃エネルギーを吸収するエネルギ吸
収材を有するため、車室内居住性を損なうことなく、ル
ーフサイドにおける被衝撃体当接時のエネルギーを効果
的に吸収できるという優れた効果を有する。
【0052】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
車体上部構造において、エネルギ吸収材が剛部材の車幅
方向外側縁部とセンタピラー上部との間に配設されたた
め、請求項1記載の効果に加えて、被衝撃体がセンタピ
ラー側に当接した場合においても、エネルギーを効果的
に吸収できるという優れた効果を有する。
【0053】請求項3記載の本発明は、請求項2記載の
車体上部構造において、センタピラーの上部に車体前後
方向に沿って配設されたルーフサイドレールを備え、エ
ネルギ吸収材が剛部材の車幅方向外側縁部とルーフサイ
ドレールとの間に配設されたため、請求項2記載の効果
に加えて、エネルギ吸収材を確実に支持できるという優
れた効果を有する。
【0054】請求項4記載の本発明は、請求項2記載の
車体上部構造において、エネルギ吸収材の硬度は剛部材
側に向かうに従って徐々に高くなるため、請求項2記載
の効果に加えて、剛部材側センタピラー側の双方におい
て、エネルギーを効果的に吸収できるという優れた効果
を有する。
【0055】請求項5記載の本発明は、請求項2記載の
車体上部構造において、エネルギ吸収材は剛部材側のエ
ネルギ吸収材とセンタピラー側のエネルギ吸収材とに二
分割され、剛部材側のエネルギ吸収材の硬度がセンタピ
ラー側のエネルギ吸収材の硬度より高いため、請求項2
記載の効果に加えて、剛部材側、センタピラー側の双方
において、効率良いエネルギー吸収構造を簡単に形成す
ることができるという優れた効果を有する。
【0056】請求項6記載の本発明は、請求項3、4、
5記載の車体上部構造において、ルーフサイドレール側
のエネルギ吸収材とルーフサイドレールとの何れか一方
に凹部を設け、他方の対応する部位に凸部を設けて、こ
れらの凹部と凸部を嵌合させたため、請求項3、4、5
記載の効果に加えて、エネルギー吸収材のルーフサイド
レールへの取付け剛性を確保することができ、安定した
エネルギー吸収が可能になるという優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の1−1線に沿った断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車体上部構造を有す
る車室天井部を示す車両斜め後方下側から見た斜視図で
ある。
【図3】本発明の一実施形態に係る車体上部構造のウレ
タンを示す車両斜め後方外側から見た斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車体上部構造の変位
と荷重との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施形態の変形例に係る車体上部構
造のウレタンを示す車両斜め後方外側から見た斜視図で
ある。
【図6】従来の実施形態に係る車体上部構造を一部を断
面で示す平面図である。
【符号の説明】
10 ルーフ 12 サンルーフ(剛部材) 18 サンルーフハウジング 18A サンルーフハウジングの車幅方向外側壁部 20 ルーフサイドレール 22 サイドレールアウタパネル 24 サイドレールインナパネル 24A サイドレールインナパネルの縦壁部 24B サイドレールインナパネルのフランジ 28 センタピラー 32 センタピラーガーニッシュ 40 ルーフヘッドライニング 42 高硬度ウレタン(エネルギ吸収材) 44 低硬度ウレタン(エネルギ吸収材) 44A 低硬度ウレタンの車幅方向外側壁部 46 接着面 50 貫通穴 52 クリップ 54 取付穴 56 凸部 58 凹部 60 被衝撃体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略下方から所定値以上の荷重が作用した
    場合に、略上方へ向けて僅かな変形ストロークを有する
    剛部材が車室天井部に配設された車体上部構造におい
    て、 前記剛部材の車幅方向外側縁部に沿って配設され、前記
    変形ストローク内での前記剛部材の変形に伴って変形す
    ることによって、前記剛部材とに跨がって当接した被衝
    撃体の衝撃エネルギーを吸収するエネルギ吸収材を有す
    ることを特徴とする車体上部構造。
  2. 【請求項2】 前記エネルギ吸収材が前記剛部材の車幅
    方向外側縁部とセンタピラー上部との間に配設されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の車体上部構造。
  3. 【請求項3】 前記センタピラーの上部に車体前後方向
    に沿って配設されたルーフサイドレールを備え、前記エ
    ネルギ吸収材が前記剛部材の車幅方向外側縁部と前記ル
    ーフサイドレールとの間に配設されたことを特徴とする
    請求項2記載の車体上部構造。
  4. 【請求項4】 前記エネルギ吸収材の硬度は前記剛部材
    側に向かうに従って徐々に高くなることを特徴とする請
    求項2記載の車体上部構造。
  5. 【請求項5】 前記エネルギ吸収材は前記剛部材側のエ
    ネルギ吸収材と前記センタピラー側のエネルギ吸収材と
    に二分割され、前記剛部材側のエネルギ吸収材の硬度が
    センタピラー側のエネルギ吸収材の硬度より高いことを
    特徴とする請求項2記載の車体上部構造。
  6. 【請求項6】 前記ルーフサイドレール側のエネルギ吸
    収材と前記ルーフサイドレールとの何れか一方に凹部を
    設け、他方の対応する部位に凸部を設けて、これらの凹
    部と凸部を嵌合させたことを特徴とする請求項3、4、
    5記載の車体上部構造。
JP9318751A 1997-11-19 1997-11-19 車体上部構造 Pending JPH11151990A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9318751A JPH11151990A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 車体上部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9318751A JPH11151990A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 車体上部構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11151990A true JPH11151990A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18102538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9318751A Pending JPH11151990A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 車体上部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11151990A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180029318A (ko) * 2016-09-12 2018-03-21 현대자동차주식회사 파노라마 선루프 헤드라이닝 충격흡수 구조

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180029318A (ko) * 2016-09-12 2018-03-21 현대자동차주식회사 파노라마 선루프 헤드라이닝 충격흡수 구조

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3607982B2 (ja) 車体上方構造
JP3521452B2 (ja) 自動車のドア構造
US5544933A (en) Energy absorbing vehicle pillar structure
JPH0867140A (ja) ドアトリムのエネルギ吸収構造
EP0855313B1 (en) Energy absorbing automotive vehicle body structure
JP2879089B2 (ja) 自動車のウエストベルト構造
US20170253197A1 (en) Noise insulation structure of automotive vehicle
JP3972937B2 (ja) 自動車の衝撃吸収パッド取付構造
US9573559B2 (en) Front body structure of vehicle
JP3980707B2 (ja) 自動車の車体構造
JP3430581B2 (ja) 自動車のトリム構造
JP2000229584A (ja) 車両の後部パーティション構造
JPH11151990A (ja) 車体上部構造
JP7121247B2 (ja) 衝撃吸収体
US5722715A (en) Energy absorbing automotive vehicle body structure
JP4410647B2 (ja) 車両用インナーフェンダー及び車両用フェンダー
JP5003973B2 (ja) 衝撃吸収部材及びそれを備えた車両用ドアトリム
JPH06211161A (ja) 自動車の側部車体構造
JPH11180236A (ja) 自動車の車体上部におけるエネルギ吸収材の取付構造
JP4048852B2 (ja) 自動車の内装部品
JP4202049B2 (ja) 車両用内装材の取り付け構造
JPH09277832A (ja) 車両用ドア構造
JP3063605B2 (ja) 自動車の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
JPS60143161A (ja) 自動車のバンパ構造
JPH08301022A (ja) 車体構造部材の衝撃緩衝構造