JPH11151871A - 金属メッシュ用線 - Google Patents

金属メッシュ用線

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JPH11151871A
JPH11151871A JP32085497A JP32085497A JPH11151871A JP H11151871 A JPH11151871 A JP H11151871A JP 32085497 A JP32085497 A JP 32085497A JP 32085497 A JP32085497 A JP 32085497A JP H11151871 A JPH11151871 A JP H11151871A
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JP
Japan
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wire
mesh
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strength
core material
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JP32085497A
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Kenji Hyodo
健次 兵頭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、伸び及び耐食性の基本的性質を具備
し、近年の電子回路の微細化にも対応するようにする。 【解決手段】 高炭素鋼の芯材2の外周に、オーステナ
イト系ステンレス鋼の外皮材3を一体加工した複合鋼線
であり、外皮材比率が20〜60%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極細線を網状に編
んで、工業用フィルタや印刷用として用いる金属メッシ
ュ用線に関し、特に電子回路の印刷に使用するスクリー
ンマスク用の金属メッシュ用線(以下、単に「メッシュ
用線」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のメッシュ用線としては、
オーステナイト系ステンレス鋼線材からなる極細線と、
高強力な炭素鋼線の表面にニッケルめっきを施したもの
とが一般的に用いられている。
【0003】近年、電子回路の微細化と印刷精度の向上
のため、より高密度で空隙率が高くて、かつ大きな張力
に耐え得るメッシュが要求されている。これに伴い、メ
ッシュ用線としては、線径50μm以下のもので、高強
度の線が要求されている。
【0004】また、メッシュ用線には、基本的性質とし
て、メッシュに加わる外力に耐えるために相当の強度
と、メッシュ加工時の適度な伸びと、酸を含有する印刷
インクに対する耐食性が要求されている。
【0005】しかるに、前記従来技術のうち、前者のス
テンレス鋼線を用いたメッシュ用線では、伸びと耐食性
とは十分に有するが、高強度化が困難であるばかりか、
本来長所であるはずの伸びの大きさが高精度印刷では逆
に短所となる。
【0006】また、後者の鋼線に耐食性金属(ニッケ
ル)をめっきしたものは、強度を十分に有するが、柔軟
性に乏しいため、メッシュ製織時にムラが生じて、加工
性が悪いばかりか、メッシュ自体の柔軟性が悪くなった
りする。また、耐食性金属のめっき厚みが薄いと、耐食
性が十分ではなくなり、めっき厚みを厚くすると、めっ
きコストが飛躍的に増大してしまい、実用的ではなくな
る。
【0007】よって、従来技術では、メッシュ用線とし
ての上記3つの基本的性質を十分に満足しておらず、近
年の要求にも応えることができないのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題を解決して、上記3つの基本的性質を十分に満
足し、また近年の要求にも応えるようにすることを課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のメッシュ用線
は、高炭素鋼を芯材として用い、その外周にオーステナ
イト系ステンレス鋼からなる外皮材を一体加工した複合
鋼線であり、外皮材比率を20〜60%にして成る。
【0010】この手段によれば、芯材に高強力の高炭素
鋼を用い、その外周に適切な厚みのオーステナイト系ス
テンレス鋼の外皮材を一体加工により形成しているか
ら、全体として十分な強度を有して、線径50μm以下
の細径化が可能となる。しかも外皮材によって十分な耐
食性と製織性のための適度な柔軟性が発揮され、芯材に
よって過剰な伸びが抑制される。よって、本発明は、両
材料の長所を利用し、短所をカバーし合うことによっ
て、相乗的な作用効果を生じ、特に高精度・高密度な電
子回路印刷用のメッシュに有効に利用できる。
【0011】ところで、前記外皮材比率とは、外皮材の
断面積をaとし、複合鋼線の全断面積をAとしたとき、
R=a/A×100(%)で定義されるもので、この外
皮材比率Rは、20〜60%の範囲が好適であり、より
好ましくは40〜60%の範囲である。20%に満たな
いと、柔軟性や伸びが不足気味となり、60%を越える
と、高精度印刷用のメッシュ用線として強度が不足する
からである。
【0012】この発明において、メッシュ用線の線径
は、15〜50μmの範囲が適当である。高精密印刷用
として50μm以下が望ましく、15μm未満になる
と、材料の介在物の影響により断線が多発して、必要な
強度が維持できないからである。
【0013】また、メッシュ用線の細径化に対応して、
引張強さは、150〜250kgf/mm2 の範囲が好
適であり、より好ましくは170〜220kgf/mm
2 の範囲である。150kgf/mm2 未満では、メッ
シュに製織して高精密印刷に使用したときに強度不足と
なって破断の原因となり、また引張強さが大きい程強度
が増してより細径化が可能であるが、250kgf/m
2 を越えると、伸びと柔軟性が小さくなって、メッシ
ュの製織が不可能となるからである。
【0014】さらに、破断伸びは、4.5〜10.0%
の範囲が良く、より好ましくは5.0〜8.0%の範囲
である。破断伸びが4%未満であると、製織時に織りム
ラが生じたり、メッシュにうねりが生じる等の欠陥が避
けられなくなり、逆に10.0%を越えると、精密印刷
時にメッシュが伸びすぎて、誤差が大きくなり、所望の
精密印刷ができなくなるからである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明に係る
メッシュ用線1は、高炭素鋼からなる芯材2の外周にオ
ーステナイト系ステンレス鋼からなる外皮材3を一体加
工して形成したものである。すなわち、上記メッシュ用
線1は、線径5〜10mm程度の炭素鋼線の芯材2を厚
み1〜3mm程度のステンレス鋼管の外皮材3に挿入し
たものを、スエージング加工を施して適当な径まで減径
すると同時に芯材2と外皮材3を密着させた後、熱処理
および伸線加工を繰り返し施して、所望線径の複合鋼線
に形成したものである。また、外皮材比率は、後工程の
スエージング加工や伸線加工のダイススケジュールや熱
処理条件を適宜変更することによって制御することがで
きる。
【0016】ところで、芯材2の高炭素鋼としては、硬
鋼線材(SWRH)やピアノ線材(SWRS)を用い、
炭素含有量0.6〜0.9重量%の範囲のものが好まし
い。炭素含有量が0.6重量%に満たないと、強度不足
となり、0.9重量%を越えると、細径加工が困難にな
るばかりか、所望の伸びが得られないからである。ま
た、外皮材3のオーステナイト系ステンレス鋼には、S
US304、SUS316等を用いることができる。
【0017】ここで注意すべきことは、ステンレス鋼を
塑性加工したり伸線加工すると、引張強さは増加する半
面、伸びが極端に低下することである。例えばSUS3
04の場合、引張強さが80kgf/mm2 のときに、
破断伸びが25%であっても、伸線加工により引張強さ
を150kgf/mm2 に仕上げると、破断伸びは1%
程度に激減する。また、同様に芯材の破断伸びも低下し
ているため、到底メッシュ用線として使いものにならな
い。
【0018】従って、外皮材および芯材の伸びを回復す
るための最終伸線後の熱処理が重要である。本発明のメ
ッシュ用線の物性を得るための熱処理方法としては、焼
入れ焼戻し処理技術や焼入れ処理技術を応用した。すな
わち、最終伸線後の複合鋼線を、800〜900℃に加
熱後、空冷し、続けて450〜600℃で焼戻すことに
より、引張強さ150〜200kgf/mm2 、破断伸
びが4%以上のメッシュ用線を得ることができ、このと
きの芯材の組織は焼戻しマルテンサイトである。また、
最終線径が30μm以下の場合、上記工程中の焼戻しを
省略しても、所望の強度及び伸びを得ることが可能であ
り、このときの芯材の組織はマルテンサイトである。
【0019】ところで、外皮材の厚みは、1〜10μm
の範囲が適当であり、より好ましい範囲は2〜8μmで
ある。厚みが1μmに満たないと、耐食性が十分でな
く、また10μmを越えると、耐食性の向上がないばか
りか、引張強さが低下して、高精度印刷用に適さなくな
るからである。
【0020】
【実施例】線径5.0mmのピアノ線(SWRS82
A)を、厚み1mm内径7.5mmのSUS304鋼管
に挿入し、線径7.0mmまでスエージング加工を施し
て、芯材2と外皮材3とを密着せしめた。その後、伸線
加工と中間熱処理を交互に数回行なって、最終線径25
μm、外皮材3の厚み4μmである複合鋼線を製造し
た。この後、この複合鋼線を連続熱処理炉に通し、N2
ガス雰囲気中において850℃で1秒加熱後、空冷して
本発明に係るメッシュ用線1を製造した。
【0021】次に、外皮材の厚み、外皮材比率等を適宜
変化させ、引張強さや伸びを異ならせた実施例と比較例
のメッシュ用線及び従来例として炭素鋼線の表面にニッ
ケルめっきを施したメッシュ用線とステンレス鋼のみか
らなるメッシュ用線を製造し、これらを用いて高精度用
のメッシュを製作し、精密印刷性、製織加工性及び耐食
性を比較評価した。これらをまとめて表1に示す。な
お、評価は優れている順に◎、○、△、×の4段階で行
なった。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、実施例である実
験No.1〜5は、強度及び伸びが適当であり、精密印
刷性及び製織加工性において優れ、特に高精度、高密度
の印刷用に最適であり、また耐食性も十分確保できるこ
とが判明した。これに対し、実験No.6の比較例で
は、外皮材比率が大き過ぎて強度不足となり、精密印刷
性が劣っていた。また、実験No.7の比較例は、外皮
材比率が小さく、伸びが小さくて、耐食性及び製織加工
性が劣っていた。また、実験No.8の従来例は、伸び
が小さいため、製織加工性が劣り、また、耐食性が悪か
った。また、実験No.9の従来例は、引張強さが極端
に低く、伸びが大き過ぎるため精密印刷性が悪く、製織
加工性も劣っていた。
【0024】
【発明の効果】本発明のメッシュ用線は、芯材が高炭素
鋼、外皮材がオーステナイト系ステンレス鋼からなり、
外皮材比率が適正であるため、メッシュ用線として要求
される強度、伸び及び耐食性の3つの基本的性質を十分
に満足することができる。また、近年の電子回路の微細
化に対応して、高密度で空隙率の高いメッシュを製織す
ることができる。従って、特に高精度、高密度が要求さ
れる電子回路の印刷に使用するスクリーンマスク用のメ
ッシュに最適であり、また工業用フィルタにも適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属メッシュ用線を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・金属メッシュ用線 2・・・芯材 3・・・外皮材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炭素鋼からなる芯材の外周に、オース
    テナイト系ステンレス鋼からなる外皮材を一体加工した
    複合鋼線であり、外皮材比率が20〜60%である金属
    メッシュ用線。
  2. 【請求項2】 複合鋼線の線径が15〜50μm、引張
    強さが150〜250kgf/mm2 、破断伸びが4.
    5〜10.0%である請求項1に記載の金属メッシュ用
    線。
JP32085497A 1997-11-21 1997-11-21 金属メッシュ用線 Pending JPH11151871A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011206983A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Tdk Corp 電子部品のパターン印刷方法および電子部品の製造方法
CN104028570A (zh) * 2014-05-09 2014-09-10 江苏法尔胜泓昇集团有限公司 短流程碳钢/不锈钢复合钢丝生产方法
DE112021006176T5 (de) 2020-11-27 2023-09-07 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Metalldraht

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