JPH11150992A - ステッピングモータの駆動方法及び駆動装置 - Google Patents

ステッピングモータの駆動方法及び駆動装置

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JPH11150992A
JPH11150992A JP9313394A JP31339497A JPH11150992A JP H11150992 A JPH11150992 A JP H11150992A JP 9313394 A JP9313394 A JP 9313394A JP 31339497 A JP31339497 A JP 31339497A JP H11150992 A JPH11150992 A JP H11150992A
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JP
Japan
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stepping motor
steps
elevator
disk
rotation angle
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JP9313394A
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English (en)
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Yoshihiro Machiguchi
喜弘 町口
Taro Watanabe
太郎 渡辺
Kenichi Nozaki
健一 野崎
Masatsugu Iribe
正継 入部
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステッピングモータで物体を駆動する場合
に、回転角度のバラツキにかかわらず、正確に位置制御
できるようにする。 【解決手段】 ステッピングモータと、ステッピングモ
ータにより複数の移動点の間を移動される物体と、物体
を動かすためにステッピングモータに対する駆動信号を
供給する駆動制御手段とを設け、複数の移動点の間の距
離をステッピングモータの偶数ステップ分に相当する距
離に設定し、ステッピングモータに偶数ステップ数の駆
動信号を与えて物体を移動点の間で移動させるようにす
る。ステッピングモータの各ステップ毎の回転角度のバ
ラツキは、あるステップで回転角度が設計値より大きく
なると、次のステップでは回転角度が設計値より小さく
なり、1ステップ毎に、回転角度が設計値より大きい、
小さいを繰り返すため、ステッピングモータを偶数ステ
ップで駆動させれば、物体を精度良く位置決めさせるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数枚のディス
クが収納されたディスク収納部から所望のディスクを取
り出してディスクドライブ装置に装着するようなディス
クチェンジャ装置においてエレベータを駆動するのに用
いて好適なステッピングモータの駆動方法及び駆動装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】CD−ROMのような複数枚のディスク
をディスク収納部に収納しておき、このディスク収納部
から所望のディスクを取り出してディスクドライブ装置
に装着するようなディスクチェンジャ装置が開発されて
いる。
【0003】すなわち、この種のディスクチェンジャ装
置においては、複数のディスクが収納されるディスク収
納部と、ディスク収納部からディスクドライブ装置へ又
はディスクドライブ装置からディスク収納部へディスク
を搬送するためのエレベータと、ディスクドライブ装置
とが備えられる。複数枚のディスクの中から所望のディ
スクが指定されると、このディスクが収納されているス
ロットにエレベータが移動され、スロットからディスク
が取り出される。そして、エレベータによりこのディス
クがディスクドライブ装置に運ばれ、ディスクドライブ
装置に装着される。
【0004】また、ディスクを交換する場合には、ディ
スクドライブ装置の位置にエレベータが移動され、ディ
スクドライブ装置からディスクが取り出される。このデ
ィスクは、エレベータによりディスク収納部の所定のス
ロットに運ばれ、このスロットに収納される。そして、
新たなディスクが収納されているスロットにエレベータ
が移動され、そのスロットからディスクが取り出され、
このディスクがディスクドライブ装置に運ばれ、ディス
クドライブ装置に装着される。
【0005】このようなディスクチェンジャ装置におい
て、ディスク収納部に複数枚のディクスを上下方向に並
んで収納すると共に、エレベータ内にモータを配設し、
このエレベータ内のモータの動力でエレベータを上下方
向に駆動するようにしたディスクチェンジャ装置が提案
されている。そして、エレベータを動かすためのモータ
としては、ステッピングモータを用いることが考えられ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来では、
ステッピングモータの1ステップ当たりの回転角度には
バラツキがあるため、ステッピングモータでエレベータ
の位置を高い精度で位置制御するのが困難である。
【0007】すなわち、ステッピングモータの回転角と
ステップ数との関係が理想的であれば、このようなディ
スクチェンジャ装置において、ステップ数に対するエレ
ベータの移動量は、直線的になる。ところが、ステッピ
ングモータの1ステップ当たりの回転角度にはバラツキ
がある。つまり、ステッピングモータでは、内部に刻ん
であるモータのステップ数で位置決め精度が決まるが、
内部磁気回路の寸法のバラツキがあると、ディテントト
ルク(コイルオープン時の保持力)がばらつく。また、
多層構造の磁気回路になっていると、進み角の大きさが
偶数ステップと奇数ステップで傾向的な違いとなって現
れる。
【0008】このようなステッピングモータの1ステッ
プ当たりの回転角度のバラツキにより、ステッピングモ
ータの回転角とステップ数との関係は直線的にはなら
ず、このような1ステップ当たりの回転角度のバラツキ
に起因して誤差が生じ、精度良く位置決めを行うことが
困難になる。
【0009】したがって、この発明の目的は、ステッピ
ングモータで物体を駆動する場合に、回転角度のバラツ
キにかかわらず、正確に位置制御できるステッピングモ
ータの駆動装置及び方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、ステッピン
グモータと、ステッピングモータにより複数の移動点の
間を移動される物体と、物体を動かすためにステッピン
グモータに対する駆動信号を供給する駆動制御手段とか
らなり、複数の移動点の間の距離をステッピングモータ
の偶数ステップ分に相当する距離に設定し、ステッピン
グモータに偶数ステップ数の駆動信号を与えて物体を移
動点の間で移動させるようにしたステッピングモータの
駆動装置である。
【0011】この発明は、ステッピングモータにより物
体を複数の移動点の間で動かす際に、複数の移動点の間
の距離をステッピングモータの偶数ステップ分に相当す
る距離に設定し、ステッピングモータに偶数ステップ数
の駆動信号を与えて物体を移動点の間で移動させるよう
にしたステッピングモータの駆動方法である。
【0012】複数の移動点の間の距離がステッピングモ
ータの偶数ステップ分に相当する距離に設定される。そ
して、ステッピングモータに偶数ステップ数の駆動信号
を与えて、物体を移動点の間で偶数ステップ数だけ移動
させる。ステッピングモータの各ステップ毎の回転角度
のバラツキは、あるステップで回転角度が設計値より大
きくなると、次のステップでは回転角度が設計値より小
さくなり、1ステップ毎に、回転角度が設計値より大き
い、小さいを繰り返す。そして、回転角度が設計値より
大きくなったときの回転角度の設計値からのずれ量と、
回転角度が設計値より小さくなったときの回転角度の設
計値からのずれ量は略一定である。このことから、ステ
ッピングモータを偶数ステップで駆動させれば、物体を
精度良く位置決めさせることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。この発明は、ステッピン
グモータを偶数ステップで駆動することにより、精度良
く位置制御できるようにしたものである。このように、
ステッピングモータを偶数ステップで駆動すると、精度
良く位置制御できることについて以下に説明する。
【0014】先ず、説明を簡単とするために、図1に示
すように、ステッピングモータ101のモータ軸にピニ
オンギア102を取り付け、このピニオンギア102を
ラック103に歯合させ、ステッピングモータ101を
回転させ、ステッピングモータ101全体をラック10
3上で水平方向に移動させるようなモデルについて考察
する。そして、このようなステッピングモータ101上
に駆動物体104があり、この駆動物体104をラック
103上で水平方向に移動させるようなモデルを考え
る。
【0015】ステッピングモータ101は、1ステップ
数当たりの回転角が決まっている。したがって、1ステ
ップ当たりの回転角にバラツキがなければ、このような
モデルにおいて、ステップ数に対する駆動物体104の
位置は、理想的には、直線的に変化する。
【0016】すなわち、図2は、理想的な状態での各ス
テップに対するステッピングモータ101の回転角を示
すものである。図2に示すように、理想的には、ステッ
ピングモータ101は、常に1ステップ当たりθだけ回
転角が変化している。そして、この場合、1ステップ当
たり回転角θで、図1における駆動物体104が距離t
だけ移動するとした場合、図3に示すように、ステップ
数に対する駆動物体104の移動距離は、直線上に変化
していくことになる。
【0017】つまり、図3に示すように、駆動物体10
4は、1ステップでは距離tだけ移動し、2ステップで
は距離2tだけ移動し、3ステップでは距離3tだけ移
動していく。
【0018】このように、理想的には、ステッピングモ
ータ101の1ステップ当たりの回転角にはバラツキが
なく、図1に示したようなモデルでは、ステップ数に対
して駆動物体104の移動距離は直線的に変化してい
く。このような理想的な状態なら、ステッピングモータ
101に移動距離に対応するステップ数のパルスを与え
れば、駆動物体104を精度良く移動させることができ
る。
【0019】ところが、実際には、ステッピングモータ
101にはバラツキがあり、上述のような理想的な状態
にならない。つまり、図4は、5つのモータサンプルの
各製品毎のトルクのバラツキを示すものである。CWは
時計方向を示し、CCWは反時計方向を示す。図4に示
すように、各製品毎に、ディテントトルクのバラツキが
存在している。また、各製品毎のバラツキばかりでな
く、同一のステッピングモータでも、右方向に回転させ
るときと、左方向に回転させるときとでは、ディテント
トルクのバラツキがある。
【0020】また、ステッピングモータ101を回転さ
せるとき、各ステップに対する回転角のバラツキが生じ
る。図5は、2層構造のステッピングモータ101にお
けるこのようなバラツキを示すものである。図5におい
て、横軸はステップ数を示し、縦軸は進み角度を示して
いる。
【0021】図5に示すように、このステッピングモー
タ101は、設計値では1ステップ当たり7.5度回転
するとされている。ところが、ステッピングモータ10
1の1ステップ当たりの回転角度にはバラツキがあり、
実際には、1ステップ当たりの回転角は7.5度にはな
っていない。なお、図1において、実線はステッピング
モータ101を時計方向に回転させたときの特性を示
し、破線はステッピングモータ101を反時計方向に回
転させたときの特性を示している。
【0022】なお、ステッピングモータ101の回転角
のバラツキの大きさは、コイルの保持電圧の影響を受け
る。すなわち、図6は保持電圧を3Vにしたときの特性
を示し、図7は保持電圧を6Vにしたときの特性を示し
ている。図6及び図7を比較すれば分かるように、保持
電圧が6Vのとき(図7)のバラツキは、保持電圧が3
Vのとき(図6)のバラツキに比べて小さい。このこと
から、保持電圧を高くすることにより、ディテントトル
クが向上し、設定値に対するバラツキが少なくなる、と
いうことが言える。
【0023】本願発明者は、上述のようなステッピング
モータ101のバラツキの特性から、ステッピングモー
タ101のバラツキの傾向について考察した。その結
果、以下のような傾向が見い出された。
【0024】すなわち、各ステップ毎の回転角度のバラ
ツキは、ステッピングモータ101を時計方向に回転さ
せたときと反時計方向に回転させたときとではその大き
さは異なるが、その傾向は同様である。そして、あるス
テップで回転角度が設計値より大きくなると、次のステ
ップでは回転角度が設計値より小さくなり、1ステップ
毎に、回転角度が設計値より大きい、小さいを繰り返
す。そして、回転角度が設計値より大きくなったときの
回転角度の設計値からのずれ量と、回転角度が設計値よ
り小さくなったときの回転角度の設計値からのずれ量は
略一定である。
【0025】つまり、図5における実線で示すように、
ステッピングモータを時計方向で回転させたときに、1
ステップ、3ステップ、5ステップ、…では、設計値の
回転角度である7.5度より回転角度が小さくなり、回
転角度は略6度で一定となる。これに対して、ステッピ
ングモータを時計方向で回転させたときに、2ステッ
プ、4ステップ、6ステップ、…では、設計値の回転角
度である7.5度より回転角度が大きくなり、回転角度
は略9度で一定となる。
【0026】このように、ステッピングモータを時計方
向にステップ数に対する回転角は、1ステップ毎に、略
6度(7.5度−1.5度)、9度(7.5度+1.5
度)を繰り返す。
【0027】同様に、ステッピングモータを反時計方向
で回転させたときには、1ステップ、3ステップ、5ス
テップ、…では、設計値の回転角度である7.5度より
回転角度が小さくなり、回転角度は略4.5度から5.
5度の範囲になる。これに対して、ステッピングモータ
を時計方向で回転させたときに、2ステップ、4ステッ
プ、6ステップ、…では、設計値の回転角度である7.
5度より回転角度が大きくなり、回転角度は略10度か
ら11度の範囲になる。
【0028】以上のように、ステッピングモータ101
は、1ステップ毎に、回転角度が設計値より大きい、小
さいを繰り返し、回転角度が設計値より大きくなったと
きの回転角度の設計値からのずれ量と、回転角度が設計
値より小さくなったときの回転角度の設計値からのずれ
量は略一定であるという特性がある。
【0029】ここで、図1のモデルに戻って、実際のス
テッピングモータ101を回転させたときの駆動物体1
04の動きについて考察する。理想的なステッピングモ
ータ101であり、1ステップ当たりの回転角が一定な
ら、図3に示したように、ステップ数に対する駆動物体
104の移動距離は直線的に変化していくが、実際のス
テッピングモータ101では、上述のように、1ステッ
プ毎に、回転角度が設計値より大きい、小さいを繰り返
す。このため、ステップ数に対する駆動物体104の移
動距離は、図8に示すように、ジクザグ状に変化してい
くことになる。
【0030】前述したように、実際のステッピングモー
タ101では、1ステップ毎に、回転角度が設計値より
大きい、小さいを繰り返す。いま、ステッピングモータ
101の1ステップ当たりの移動量をθとし、ステッピ
ングモータ101が1ステップ毎に設計値θより±εだ
けずれが生じるとする。そして、ステッピングモータ1
01が1ステップ毎に回転すると、駆動物体104が設
計値ではtだけ移動し、ステッピングモータ101の回
転角のバラツキにより、1ステップ毎に、移動量が設計
値tより±eだけ位置ずれを起こすとする。
【0031】この場合、最初の1ステップでの駆動物体
104の移動量は、移動量の設計値tと誤差eとの和に
なり、t+eとなる。次の2ステップ目の駆動物体10
4の移動量は、前回のステップでの移動量(t+e)と
次のステップの移動量(t−e)との和になり、 (t+e)+(t−e)=2t となる。更に、次の3ステップ目の駆動物体104の移
動量は、 2t+(t+e)=3t+e となる。更に、次の4ステップ目の駆動物体104の移
動量は、 (3t+e)+(t−e)=4t となる。更に、次の5ステップ目の駆動物体104の移
動量は、 4t+(t+e)=5t+e となる。
【0032】このように、ステッピングモータ101で
駆動物体104を移動させたとき、ステッピングモータ
101を奇数ステップ分移動させるときには誤差eが残
るが、偶数ステップ分移動させるときには、誤差eがキ
ャンセルされ、誤差eが殆ど生じないということが分か
る。このことから、ステピングモータ101を常に偶数
ステップで駆動するように制御すれば、常に、高い位置
精度を保てるということになる。
【0033】ところで、従来では、ステッピングモータ
101で駆動物体104を移動させる際の駆動物体10
4の目標位置については考慮されていない。目標位置が
ステッピングモータ101を奇数ステップで駆動させる
位置にあれば、奇数ステップでステッピングモータ10
1を駆動しなければならず、ステッピングモータ101
を常に偶数ステップで駆動させることは困難である。
【0034】そこで、駆動物体104の目標位置を予め
ステッピングモータ101を偶数ステップで移動させた
ときの位置に置くように設定する。つまり、図1におい
て、ステッピングモータ101を偶数ステップで移動さ
せたときに至る位置X0 、X1 、X2 、X3 、…に、駆
動物体104の目標位置を予め設定しておく。
【0035】このように、駆動物体104の目標位置X
0 、X1 、X2 、X3 、…をステッピングモータ101
を偶数ステップで移動させたときに至る位置におくと、
常にステッピングモータ101は偶数ステップで制御さ
れるようになる。ステッピングモータ101が常に偶数
ステップで駆動されれば、常に、高い位置精度が保てる
ということになる。
【0036】この発明は、例えば、CD−ROMディス
クチェンジャ装置のエレベータを位置制御するのに用い
て好適である。図9はこの発明が適用できるCD−RO
Mディスクチェンジャ装置の構成を示すものである。
【0037】図9において、1はディスク収納部であ
る。ディスク収納部1の前面には、複数スロット2、
2、2、…が互いに所定の間隔を隔てて上下方向に並ん
で配設される。これらの各スロット2、2、2、…に、
夫々、複数枚のディスクが互いに水平方向に相対向した
状態で収納される。
【0038】なお、この例では、ディスクとしてはCD
−ROMが用いられる。CD−ROMは、ポリカーボネ
イト樹脂のような光透過性を有する合成樹脂を成形して
形成された剛性を有するディスク基板上に信号記録層を
形成したもので、音楽用のCDと同様のディスクに情報
を記録したものである。CD−ROMの直径は120m
mで、その厚みは1.2mmである。各スロット2、
2、2、…は、このようなCD−ROMが収納可能な容
量が確保されている。
【0039】ディスク収納部1の前面の両側には、垂直
方向に延びるラック3A及び3Bが設けられる。これら
のラック3A、3Bは、後に説明するように、エレベー
タ7の歯車8A及び8Bと歯合されており、エレベータ
7を移動させるのに用いられる。
【0040】また、このディスク収納部1の下端に、C
D−ROMドライブ装置5A及び5Bが設けられる。C
D−ROMドライブ装置5A及び5Bは、ディスク収納
部1に収納されているディスクの再生を行うもので、デ
ィスクにレーザ光を照射して記録信号を読み取る再生回
路や、サーボ回路、信号処理回路等を有している。
【0041】CD−ROMドライブ装置5A及び5Bに
は、ディスク装着部6A及び6Bが夫々設けられる。こ
のディスク装着部6A及び6Bにより、CD−ROMド
ライブ装置5A及び5Bに対するディスクの装着/取り
出しが行われる。
【0042】7はエレベータである。エレベータ7は、
ディスク収納部1の前面に沿って上下方向に移動し、デ
ィスク収納部1の所望のスロット2、2、2、…からC
D−ROMドライブ装置5A及び5Bのディスク装着部
6A、6Bに、又はCD−ROMドライブ装置5A及び
5Bのディスク装着部6A、6Bからディスク収納部1
の所望のスロット2、2、2、…にディスクを搬送する
ものである。
【0043】エレベータ7には、ディスク収納部1の前
面の両側のラック3A及び3Bと対応して、歯車8A及
び8Bが設けられる。このエレベータ7の歯車8A及び
8Bは、ディスク収納部1のラック3A及び3Bに歯合
される。歯車8A及び8Bは、エレベータ2に枢支され
ている回転軸9に取り付けられる。
【0044】また、エレベータ7には、例えば、4相の
ステッピングモータ11が配設される。ステッピングモ
ータ11と回転軸9との間に、歯車機構10が設けられ
る。なお、歯車機構10は、傘歯車やウォーム・ホイー
ルのようなもので、ステッピングモータ11の回転をそ
れと直交する回転軸9に伝達するものである。
【0045】ステッピングモータ11が回転されると、
歯車機構10を介して、この回転が回転軸9に伝えられ
る。回転軸9が回転されると、歯車8A及び8Bが回転
する。歯車8A及び8Bは、ラック3A及び3Bに歯合
されている。したがって、ステッピングモータ11が回
転されると、歯車8A及び8Bが回転し、ラック・アン
ド・ピニオン機構により、エレベータ7がディスク収納
部1の前面に沿って上下方向に移動する。
【0046】なお、図示していないが、エレベータ7が
ディスク収納部1に沿って上下方向に移動可能とするよ
うにガイド機構が設けられている。
【0047】また、エレベータ7には、ディスク把持機
構12が設けられる。ディスク把持機構12は、ガイド
溝14に沿って移動可能とされる。ディスク把持機構1
2は、2つのアーム13A及び13Bからなり、アーム
13A及び13Bによりディスクを挟持して固定する構
造となっている。
【0048】このように、ディスク収納部1には、複数
枚のディスクが所定の間隔を隔てて上下方向に並んで保
持される。そして、歯車8A及び8Bとラック3A及び
3Bとのラック・アンド・ピニオン機構により、ステッ
ピングモータ11が回転されると、エレベータ7がディ
スク収納部1の前面に沿って上下に移動する。
【0049】ディスク収納部1に収納されているディス
クの中から所望のディスクを選択してCD−ROMドラ
イブ装置5A、5Bに装着する場合には、エレベータ7
が所望のディスクが収納されているスロットの位置に動
かされる。
【0050】すなわち、図10〜図13は、ディスクを
搬送する際のエレベータ7の動きの様子を示すものであ
る。例えば、スロット2nにあるディスク21nをCD
−ROMドライブ装置5Aに装着する場合、図10に示
すように、エレベータ7がスロット2nの位置に移動さ
れる。そして、ディスク把持機構12が矢印A方向に移
動され、ディスク把持機構12により、ディスク21n
が保持される。
【0051】それから、図11に示すように、ディスク
把持機構12が矢印B方向に移動され、ディスク把持機
構12により、ディスク収納部1のスロット2nからデ
ィスク21nが引き出され、このディスク21nがエレ
ベータ7上に載置される。
【0052】それから、図12に示すように、エレベー
タ7が矢印C方向に移動され、CD−ROMドライブ装
置5Aのディスク装着部6Aの位置で停止される。
【0053】そして、図13に示すように、ディスク把
持機構12が矢印A方向に移動され、ディスク把持機構
12により、ディスク21nがCD−ROMドライブ装
置5Aのディスク装着部6Aから装着される。
【0054】図14は、ステッピングモータ11の制御
回路を示すものである。図14に示すように、ステッピ
ングモータ11は、コントローラ31により制御され
る。すなわち、図14において、31はディスクチェン
ジャの全体の動作を制御しているコントローラである。
エレベータ7を駆動する場合には、コントローラ31か
らエレベータ7の駆動指令が出力される。この駆動指令
がドライバ32に供給される。
【0055】ドライバ32で、コントローラ31から駆
動命令に応じて、ステッピングモータ11に対する駆動
信号が形成される。このドライバ32からの駆動信号が
ステッピングモータ11に供給される。
【0056】ステッピングモータ11の回転は、FG発
生回路34により検出される。FG発生回路34は、ス
テッピングモータ11の回転角に対応する信号を発生す
るものである。このFG発生回路34の出力がコントロ
ーラ31に供給される。
【0057】ステッピングモータ11が回転されると、
これに応じて、エレベータ7が動き、このエレベータ7
の移動量は、FG発生回路34から出力により検出され
る。コントローラ31は、このFG発生回路34の出力
に基づいて、エレベータ7が所定量移動されたか否かを
判断している。エレベータ7が所定量移動されたことが
検出されると、コントローラ31からドライバ32に与
えられる駆動信号が停止される。
【0058】なお、エレベータ7が停止されたときに
も、ステッピングモータ11には電源が与えられる。こ
のため、ステッピングモータ11にトルクが生じる。こ
れにより、エレベータ7が停止された状態でも、エレベ
ータ7はその位置で停止されている。
【0059】上述のように、このディスクチェンジ装置
では、ステッピングモータ11が回転されることによ
り、エレベータ7が上下に移動される。図15は、ステ
ッピングモータ11のステップ数に対するエレベータ7
の移動量を示すものである。図15において、破線は偶
数ステップで移動させたときのステップ数に対するエレ
ベータの移動量を示している。図15からも分かるよう
に、エレベータ7を偶数ステップで移動させると、ステ
ップ数に対するエレベータ7の移動量が直線的になり、
位置決め精度が向上される。
【0060】そこで、この発明が適用されたディスクチ
ェンジャ装置では、図16に示すように、ディスク収納
部1の各スロット2、2、…間の距離L1 、CD−RO
Mドライブ装置5A、5Bのディスク装着部6A、6B
間の距離L2 、ディスク収納部1の各スロット2、2、
…と、CD−ROMドライブ装置5A、5Bのディスク
装着部6A、6B間の距離L3 、L4 が、全て、ステッ
ピングモータ11の偶数ステップ分の距離となるように
設定されている。例えば、ディスク収納部1の各スロッ
ト2、2、…間の距離L1 は、ステッピングモータ11
の6ステップ分に相当する距離に設定されている。
【0061】このように、エレベータ7がディスク収納
部1の各スロット2、2、…及びCD−ROMドライブ
装置5A、5Bのディスク装着部6A、6Bの間を移動
するときの距離は、全て、ステッピングモータ11の偶
数ステップ分の距離となっている。このため、エレベー
タ7を目標位置に移動させる際の制御は、図17に示す
ようになる。
【0062】図17において、エレベータ7を目標位置
に移動させる場合には、コントローラ31からの駆動指
令により、ドライバ32からステッピングモータ11に
2n(nは整数)ステップ数のパルスが駆動信号として
与えられる(ステップS1)。この駆動信号により、ス
テッピングモータ11が偶数ステップ数分回転され、こ
れにより、エベータ7が移動される。
【0063】FG発生回路34の出力から、ステッピン
グモータ11の回転角が検出される。このFG発生回路
34の出力から、エレベータ7が所定の位置まで達した
か否かが判断され(ステップS2)、エレベータ7が所
定の位置まで達するまで、ステッピングモータ11の駆
動が続けられる。エレベータ7が所定の位置に達した
ら、駆動信号が止められる(ステップS3)。
【0064】このように、エレベータ7がディスク収納
部1の各スロット2、2、…及びCD−ROMドライブ
装置5A、5Bのディスク装着部6A、6Bの間を移動
するときの距離は、全て、ステッピングモータ11の偶
数ステップ分の距離となっているため、エレベータ7を
目標位置に移動させる際の制御において、ステッピング
モータ11は常に偶数ステップで制御される。このた
め、エレベータ7を高い精度で位置制御させることがで
きる。
【0065】但し、実際には、ディスク把持機構12の
取り付け誤差、スロット2、2、…間の位置ずれ等、設
計上の公差を含めて、エレベータ7の原点からのオフセ
ット量(初期状態での原点からの位置ずれ)が生じる。
したがって、このオフセット量を加味しなければならな
い。
【0066】このオフセット量がステッピングモータ1
1の偶数ステップ分になっていれば、結局、エレベータ
7を目標位置に移動させる際の制御においてステッピン
グモータ11は常に偶数ステップで制御されるため、問
題はない。ところが、このオフセット量がスピンドルモ
ータ11の奇数ステップ分になっていることがある場
合、偶数ステップでエレベータ7を位置制御できなくな
る。例えば、オフセット量が+1(上方向に1ステップ
ずれている)の場合には、例えば、原点から36ステッ
プで移動できるように設定されていた目標位置への移動
ステップが(36−1=35)ステップとなり、偶数ス
テップで移動できなくなる。
【0067】そこで、オフセット量が奇数ステップに相
当する場合、エレベータ7を移動させる際の原点は、実
際の原点よりも奇数ステップ下側又は上側にあるように
制御する。例えば、オフセット量が+1の場合には、原
点から36ステップで移動できるように設定されていた
目標位置への移動ステップは、35ステップになる。こ
の場合には、エレベータ7を移動させる際の原点は、コ
ントローラ31では、実際の原点よりも1ステップ下側
になるように設定する。このようにすると、コントロー
ラ31では、(35+1=36)ステップで移動させる
ことになり、エレベータ7を偶数ステップで移動させる
ことができる。
【0068】このように、この発明が適用されたディス
クチェンジャ装置では、エレベータ7がステッピングモ
ータ11で移動され、移動目標となるエレベータ7がデ
ィスク収納部1の各スロット2、2、…及びCD−RO
Mドライブ装置5A、5Bのディスク装着部6A、6B
の間の距離が全てステッピングモータ11の偶数ステッ
プ分の距離となっている。このため、ステッピングモー
タ11を常に偶数ステップで制御することが可能とな
り、エレベータ7の位置決め精度を向上させることがで
きる。
【0069】なお、この発明は、このようなディスクチ
ェンジャ装置に限らず、例えば、プリンタ装置や、ディ
スクドライブ装置等、ステッピングモータで物体を駆動
させるような装置において広く利用することが可能であ
る。
【0070】
【発明の効果】この発明によれば、複数の移動点の間の
距離がステッピングモータの偶数ステップ分に相当する
距離に設定される。そして、ステッピングモータが偶数
ステップ数で駆動される。ステッピングモータの各ステ
ップ毎の回転角度のバラツキは、あるステップで回転角
度が設計値より大きくなると、次のステップでは回転角
度が設計値より小さくなり、1ステップ毎に、回転角度
が設計値より大きい、小さいを繰り返す。そして、回転
角度が設計値より大きくなったときの回転角度の設計値
からのずれ量と、回転角度が設計値より小さくなったと
きの回転角度の設計値からのずれ量は略一定である。こ
のことから、ステッピングモータを偶数ステップで駆動
させれば、物体を精度良く位置決めさせることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の原理を説明するためのモデルを示す
側面図である。
【図2】この発明の原理を説明するためのグラフであ
る。
【図3】この発明の原理を説明するためのグラフであ
る。
【図4】ステッピングモータのトルクのバラツキを示す
略線図である。
【図5】ステッピングモータのステップ毎の角度のバラ
ツキを示すグラフである。
【図6】ステッピングモータのステップ毎の角度のバラ
ツキを示すグラフである。
【図7】ステッピングモータのステップ毎の角度のバラ
ツキを示すグラフである。
【図8】この発明の原理を説明するためのグラフであ
る。
【図9】この発明が適用できるディスクチェンジャ装置
の一例の斜視図である。
【図10】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置の一例の説明に用いる側面図である。
【図11】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置の一例の説明に用いる側面図である。
【図12】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置の一例の説明に用いる側面図である。
【図13】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置の一例の説明に用いる側面図である。
【図14】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置におけるモータドライブ回路の一例の説明に用いるブ
ロック図である。
【図15】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置におけるモータドライブ回路の一例の説明に用いるグ
ラフである。
【図16】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置の一例におけるディスク収納部の間隔の説明に用いる
側面図である。
【図17】この発明が適用できるディスクチェンジャ装
置におけるモータドライブ回路の説明に用いるフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1・・・ディスク収納部、2・・・スロット、5A、5
B・・・CD−ROMドライブ装置、11・・・ステッ
ピングモータ、101・・・ステッピングモータ、10
2・・・ピニオンギア、103・・・ラック、104・
・・駆動物体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入部 正継 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータと、 上記ステッピングモータにより複数の移動点の間を移動
    される物体と、 上記物体を動かすために上記ステッピングモータに対す
    る駆動信号を供給する駆動制御手段とからなり、 上記複数の移動点の間の距離を上記ステッピングモータ
    の偶数ステップ分に相当する距離に設定し、 上記ステッピングモータに偶数ステップ数の駆動信号を
    与えて上記物体を上記移動点の間で移動させるようにし
    たステッピングモータの駆動装置。
  2. 【請求項2】 ステッピングモータにより物体を複数の
    移動点の間で動かす際に、 上記複数の移動点の間の距離を上記ステッピングモータ
    の偶数ステップ分に相当する距離に設定し、 上記ステッピングモータに偶数ステップ数の駆動信号を
    与えて上記物体を上記移動点の間で移動させるようにし
    たステッピングモータの駆動方法。
JP9313394A 1997-11-14 1997-11-14 ステッピングモータの駆動方法及び駆動装置 Pending JPH11150992A (ja)

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JP9313394A JPH11150992A (ja) 1997-11-14 1997-11-14 ステッピングモータの駆動方法及び駆動装置
US09/190,489 US6111385A (en) 1997-11-14 1998-11-12 Driving method using motor and its driving apparatus, exchanging apparatus of recording medium, and driving method of exchanging apparatus of recording medium

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008105857A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Keuro Besitz Gmbh & Co Edv Dienstleistungs Kg 保管棚装置
JP2012519123A (ja) * 2009-03-02 2012-08-23 アンタル・ゾムボリ 保管用設備、並びに特にこの設備用の倉庫ラック及び荷役機械
DE102014010996A1 (de) * 2014-07-29 2016-02-04 Elmako Gmbh & Co. Kg Regalanlage

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JP2008105857A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Keuro Besitz Gmbh & Co Edv Dienstleistungs Kg 保管棚装置
JP2012519123A (ja) * 2009-03-02 2012-08-23 アンタル・ゾムボリ 保管用設備、並びに特にこの設備用の倉庫ラック及び荷役機械
DE102014010996A1 (de) * 2014-07-29 2016-02-04 Elmako Gmbh & Co. Kg Regalanlage

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