JPH11149667A - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
光記録媒体およびその製造方法Info
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- JPH11149667A JPH11149667A JP9313916A JP31391697A JPH11149667A JP H11149667 A JPH11149667 A JP H11149667A JP 9313916 A JP9313916 A JP 9313916A JP 31391697 A JP31391697 A JP 31391697A JP H11149667 A JPH11149667 A JP H11149667A
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Abstract
どを損なうことなく、段差部に起因するノイズを低減す
る。さらに、クロスイレーズを低減する。 【解決手段】 グルーブ2が形成された基板1に、透光
性材料からなるグルーブ形状調整層4を設ける。グルー
ブ形状調整層4は、その段差部のテーパ角θを基板1の
グルーブ段差部のテーパ角θs より大きく設定する。こ
のようなグルーブ形状調整層4上に、記録光照射により
光学的変化を生じる記録層6を形成する。さらに、ラン
ドグルーブ記録において、グルーブに設けられた記録層
とランドに設けられた記録層とを分離する。
Description
て情報の記録再生を行う光記録媒体およびその製造方法
に関する。
う光記録媒体は、大容量性、高速アクセス性、媒体可搬
性を兼備し、画像・音声ファイル、計算機データファイ
ル、保存形文書ファイルなどに幅広く利用されており、
今後もその性能の向上、特に記録密度の向上に期待が集
まっている。
ポットを所定の位置にガイドするための溝(グルーブ)
が設けられたディスク基板と、このようなグルーブを有
するディスク基板上に形成され、記録光の照射により光
学的な変化を生じる記録層とから構成されている。近
年、記録密度を向上する技術として、グルーブの深さを
調整してクロストーク量を低減し、グルーブの面上のみ
ならず、グルーブ間に相当するランドの面上にもデータ
マークを記録する、ランドグルーブ記録方式が提案さ
れ、近々に実用化されようとしている。
さらに狭トラック化を図ろうとした場合に問題になるの
が、クロスイレーズとグルーブ段差部からの乱反射光に
起因するノイズである。クロスイレーズは、ランド面も
しくはグルーブ面上に形成されたデータマーク列の端部
のデータが、隣接するグルーブ面もしくはランド面上に
情報を記録した際に消失する現象であり、隣接トラック
上に記録する際にマーク端部が高温に昇温されることに
起因する。光磁気記録の場合には、マーク端部が記録層
のキュリー温度付近にまで昇温されて、局部的に磁化反
転してしまう現象である。相変化記録の場合には、マー
ク端部が記録層の結晶化温度付近にまで昇温されて、局
部的に結晶化してしまう現象である。
ためには、記録層の膜面内方向、特にトラックと垂直な
方向(横方向)への熱流を低減することが効果的であ
る。その一つ手段として、深いグルーブ(ディープグル
ーブ)を設ける技術が提案されている(例えは第8回相
変化記録研究会講演予稿集pp.77-81参照)。このディー
プグルーブを用いる技術は、光学干渉効果によりクロス
トークが低減するグルーブ深さの第二周期以上の深さを
用いることで、グルーブ面とランド面の膜面に垂直な方
向の距離を離し、上記した横方向への熱流を低減するも
のであり、その結果としてランドグルーブ記録における
狭トラック化を推進することができる。
は、グルーブ段差部のテーパ角が浅い場合には光ビーム
照射方向から見た段差部の面積が広くなってしまい、記
録層などの段差部での乱反射光に起因するノイズが大き
くなってしまうという課題ある。この課題を解決する上
で、一つには単純に基板上に設けるグルーブ段差部のテ
ーパ角を大きくとればよいことになるが、基板製造プロ
セスの立場からはグルーブ段差部を高テーパ角とするほ
ど、特にディープグルーブ基板で高テーパ角にするほ
ど、射出成形時の離型性を損ねるという問題を招くこと
になる。
ープグルーブ基板はクロスイレーズの低減に有効である
ものの、光ビーム照射方向から見た段差部の面積が広く
なることから、段差部での乱反射光に起因するノイズが
大きくなるという問題がある。
は、単純に基板上に設けるグルーブ段差部のテーパ角を
大きくすれば低減できるものの、その反面高テーパ角に
するほど射出成形時の離型性を損ねるというトレードオ
フの関係にある。グルーブ段差部の高テーパ角化による
離型性の低下は、特にディープグルーブとした場合に顕
著になる。
なされたもので、基板の製造性(特に離型性)を損なう
ことなく、段差部に起因するノイズを低減することを可
能にした光記録媒体、特にクロスイレーズの低減に有効
な光記録媒体を提供することを目的としている。
記録媒体は、請求項1に記載したように、グルーブが形
成された基板と、前記基板上に設けられ、記録光照射に
より光学的変化を生じる記録層とを具備する光記録媒体
において、前記基板上には透光性材料からなるグルーブ
形状調整層が設けられており、前記グルーブ形状調整層
の段差部のテーパ角が前記基板のグルーブ段差部のテー
パ角より大きく設定されていることを特徴としている。
記グルーブ形状調整層の段差部は請求項2に記載したよ
うに、前記記録層側から見てテーパ角度が90゜以上の逆
テーパ形状を有することが好ましい。
項3に記載したように、グルーブと前記グルーブ間に設
けられたランドとを有する基板と、前記基板のグルーブ
およびランドのそれぞれに設けられ、記録光照射により
光学的変化を生じる記録層とを具備する光記録媒体にお
いて、前記グルーブに設けられた前記記録層と前記ラン
ドに設けられた前記記録層とが分離されていることを特
徴としている。
製造方法は、請求項4に記載したように、基板に順テー
パ形状のグルーブを形成する工程と、前記グルーブが形
成された基板上に、透光性材料からなるグルーブ形状調
整層を、その段差部のテーパ角が前記基板のグルーブ段
差部のテーパ角より大きくなるように、シャドウイング
効果を有する成膜方法を用いて形成する工程と、前記グ
ルーブ形状調整層上に、記録光照射により光学的変化を
生じる記録層を形成する工程とを有することを特徴とし
ている。
法は、請求項5に記載したように、基板上に透光性薄膜
および透光性マスク膜を順に形成する工程と、前記透光
性マスク膜にグルーブパターンを形成し、このグルーブ
パターンを介して、前記透光性薄膜を実質的に等方的な
エッチング方法を用いて加工し、グルーブを形成する工
程と、前記透光性薄膜に形成されたグルーブおよび前記
グルーブ間に設けられたランドに、記録光照射により光
学的変化を生じる記録層を、前記グルーブの記録層と前
記ランドの記録層とが分離されるように形成する工程と
を有することを特徴としている。
ルーブ形状調整層の段差部のテーパ角を基板のグルーブ
段差部のテーパ角より大きく設定しているため、グルー
ブ段差部のテーパ角を例えば基板の射出成形時の離型性
を確保し得る値に設定した上で、記録層などの光ビーム
照射方向から見た段差部の面積を狭くすることができ
る。従って、基板の離型性などの製造性を損なうことな
く、記録層などの段差部に起因するノイズを低減するこ
とが可能となる。また、そのようなグルーブ形状調整層
は、シャドウイング効果を有する成膜方法を適用するこ
とにより容易に得ることができる。
グルーブ形状調整層のグルーブ段差部をテーパ角度が90
゜以上の逆テーパ形状として、グルーブに設けられた記
録層とランドに設けられた記録層とを分離することによ
って、深いグルーブを適用しなくても横方向への熱流を
低減することができるため、クロスイレーズを低減する
ことが可能となる。さらに、深いグルーブを適用した場
合には、より一層クロスイレーズを有効に低減すること
ができ、また深いグルーブとした場合においても、基板
の離型性などの製造性を損なうことなく、段差部に起因
するノイズを低減することができる。
態について、図面を参照して説明する。
の第1の実施形態の要部構造を概略的に示す断面図であ
る。同図において、1はディスク基板であり、この基板
1としては例えば厚さ 0.6mm程度のポリカーボネイト基
板のような樹脂基板などが用いられる。この基板1の主
表面1a側にはグルーブ2が形成されており、これらグ
ルーブ2間がランド3とされている。
板1の主表面1a上には、透光性材料からなるグルーブ
形状調整層4が形成されている。グルーブ形状調整層4
には、例えばSiO2 、Si3 N4 、Ta2 O5 、Ti
O2 、BN、Al2 O3 、AlN、In2 O3 、C、C
−H系有機重合膜などの透光性材料が用いられる。ここ
で、グルーブ形状調整層4はおおよそグルーブ2を有す
る基板1の主表面1aに沿って形成されているものの、
グルーブ形状調整層4の段差部4aのテーパ角θは基板
1のグルーブ段差部のテーパ角θs より大きく設定され
ている。
におけるテーパ面は、一般的には図1に示されるような
曲面となる。テーパ面が曲面である場合のテーパ角θの
定義は、図1に示したように、曲断面において最もテー
パ角が急峻になっている部分の接線と平坦面の成す角度
とする。
第1干渉層5を介して、記録光照射により光学的変化を
生じる記録層6が設けられている。記録層6上には第2
干渉層7および反射層8が順に設けられている。これら
記録媒体膜部はグルーブ形状調整層4とほぼ同様な形状
を有している。記録層6は例えばグルーブ2の平坦面上
およびランド3の平坦面上の両方で記録再生を行うこと
が可能なように形成されている。なお、図1において、
Gはグルーブ面、Lはランド面、Tはグルーブ2の段差
部におけるテーパ面、dはグルーブ2の深さである。
て情報の記録再生を行う各種の光ディスク、例えば相変
化光ディスクや光磁気ディスク、さらにはWORMディ
スクなどに適用することができるため、記録層6には光
ディスクの種類に応じた材料が使用される。例えば、相
変化光ディスクでは、記録層6にGe−Sb−Te、A
g−In−Sb−Teなどが用いられ、また光磁気ディ
スクでは種々の磁性材料が用いられる。記録再生用の光
ビームは基板1側から記録層6に照射される。上述した
ように、この実施形態の光記録媒体においては、グルー
ブ形状調整層4の段差部4aのテーパ角θを基板1のグ
ルーブ段差部Tのテーパ角θs より大きく設定している
ため、グルーブ段差部Tのテーパ角θs を例えば基板1
の射出成形時の離型性を確保し得る値に設定した上で、
記録層6などの光ビーム照射方向から見た段差部の面積
を狭くすることができる。従って、基板1の離型性など
の製造性を損なうことなく、記録層6などの段差部に起
因するノイズを低減することが可能となる。
スイレーズの低減に有効なディープグルーブ(深いグル
ーブ)とした場合においても、基板1の離型性などの製
造性を損なうことなく、段差部に起因するノイズを低減
することができる。従って、この実施形態の光ディスク
によれば、ランドグルーブ記録で狭トラック化した際の
クロスイレーズおよび段差部からの乱反射光に起因する
ノイズを低減した上で、良好な基板1の製造性を得るこ
とが可能となる。
合は 650nm動作用光ディスクに対して70nm程度、ディー
プグルーブ(DG)の場合には 140nm程度である。70nm
程度のグルーブ深さdに対しては、基板1のグルーブ段
差部のテーパ角θs を75゜未満とすることで優れた離型
性を示し、 140nm程度のグルーブ深さdに対しては、テ
ーパ角θs を60゜未満とすることで優れた離型性を示
す。一方、記録層6などの段差部に起因するノイズを低
減する上で、グルーブ形状調整層4の段差部4aのテー
パ角θは75°以上とすることが好ましい。グルーブ形状
調整層4の段差部4aは後に詳述するように、テーパ角
θが90°以上の逆テーパ形状とすることがさらに好まし
い。
ような製造方法を適用することで容易に作製することが
できる。
する。すなわち、概略的に説明すると、平坦なガラス原
盤上にフォトレジストをスピンコートしてから、原盤記
録機に装着してエアースピンドルモータなどに代表され
る高精度のモータで回転し、適当な波長のレーザ(主に
はガスレーザ)を例えはスパイラル状に照射して、レジ
ストをグルーブ形状に露光した後、主にウェットエッチ
ング現像してレジストパターンを形成して原盤を得る。
コートした後、Ni電解メッキを施して厚さ数10μm 程
度のスタンパを得る。このスタンパを裏面研磨してから
射出成形機の金型部に装着して、代表的にはポリカーポ
ネイト樹脂を射出或形して、基板1を得る。射出成形時
のポリカ一ポネイト樹脂基板とスタンパとの離型性は、
基板1上のグルーブ2のテーパ角θs が小さい程、また
グルーブ深さdが浅い程優れている。具体的なグルーブ
2のテーパ角θs やグルーブ深さdは上述した通りであ
る。
まずグルーブ形状調整層4を形成する。グルーブ形状調
整層4は、例えばシャドウイング効果を有する成膜方法
を採用して形成することによって、上述したグルーブ形
状調整層4の段差部4aのテーパ角θを基板1のグルー
ブ段差部のテーパ角θs より大きく設定した構造を容易
に得ることができる。
方法とは、膜の形成されるべき面上に膜構成粒子が飛来
する際に、粒子の基板面への入射角度分布が完全等方的
と完全異方的の中間の適当な分布を有することを意味す
る。例えば、余弦分布が代表的で、面に垂直に入射する
粒子が最も多く、面内に傾く程入射頻度が低下する分布
である。
形状調整層4の成長過程を模式的に示す図である。図2
では理解し易くする目的で、基板1のグルーブ段差部の
テーパ角θs が90゜の場合を示している。グルーブ形状
調整層4は図2の(a)、(b)、(c)の順に成長す
る。シャドウイング効果を有する成膜方法しては、上述
したように基板面への粒子の入射角度分布が略余弦分布
となる方法、例えばミドルスロースパッタ、準コリメー
ションスパッタ、ガス中蒸着、低圧陰極CVDなど挙げ
ることができる。
ト・基板面間距離(T/S) が数cm〜10数cmのスパッタリン
グと、 T/Sが40〜50cm程度のロングスロースパッタの中
間のT/Sを有するスパッタであり、ほぼ基板面に等方的
にスパッタ粒子が入射する通常のスパッタとほぼ垂直に
入射するロングスロースパッタの中間的な入射分布、す
なわち略余弦分布的な入射分布を有する。
ッタにおいてターゲットと基板面の間に入射角度を調整
するためのコリメータを配したもので、コリメータのア
スペクト比でスパッタ粒子の基板面への入射角度分布を
調整するものである。アスペクト比が十分に高く、横方
向から飛来する粒子かほぼ遮断される場合が垂直入射の
いわゆるコリメーショスパッタであるが、本発明ではあ
る程度の量の横方向入射粒子を残すように、コリメータ
のアスペクト比が設定される準コリメーションスパッタ
を採用することが好ましい。
中に微量のガスを導入して、蒸発粒子を散乱させて基板
面への入射角度分布を調整する方法である。低圧陰極C
VDは、陰極側に基板を配してDCもしくはRFプラズ
マを生成し、陰極とプラズマ間のシースを利用してイオ
ンを垂直に入射すると共にラジカルを等方的に入射し
て、成長する膜にシャドウイング効果を持たせる方法で
ある。
は、上記した方法から適当なものを選択すればよく、ま
たシャドウイングの度合いは装置構成、導入するガス圧
力などによって調整することができる。図2の成長プロ
ファイルはミドルスロースパッタ法で得たものであり、
SiO2 ターゲットとディスク基板1とを25cm程度離
し、 0.5PaのArガス中で静止対向スパッタした際の成
長プロファイルである。
される前の基板1のグルーブ段差部、図2(b)は成長
途中で取出して断面TEM観察した結果のプロファイ
ル、図2(c)は所定の膜厚(この場合は 150nmとし
た)成長させた後のプロファイルである。グルーブ形状
調整層4を構成する、例えばSiO2 系スパッタ粒子
は、基板1の平坦なランド面Lおよびグルーブ面Gに略
余弦分布で入射する。入射角度分布に従って、SiO2
層4は基板1のランド面Lおよびグルーブ面上に優先的
に成長し、テーパ面T上では薄く成長する。
面をなすランド面L上への膜成長に従って、ランド面L
およびグルーブ面Gに近い部分が、これらの面の境界付
近へのデブリによりシャドウイング効果を受け、さらに
薄くなる。結果的に膜成長に伴って、基板1のテーパ面
上Tへの膜成長は、ランド面Lに近い方が厚く、グルー
ブ面Gに近い方が薄くなる。これによって、基板1上の
グルーブ段差部のテーパ角θs よりもグルーブ形状調整
層4の段差部4aのテーパ角θの方が大きくなる。この
ようにして、本発明を特徴付けるグルーブ形状調整層4
の形成が実施されたことになる。
nmのSiO2 からなるグルーブ形状調整層4上に、記録
媒体膜部を通常の等方的なスパッタ方法を用いて形成し
て、第1の実施形態の具体例(実施例1)としての光記
録媒体を作製した。この実施例1は、グルーブ深dはD
G相当の 140nm、ランド3およびグルーブ2の平坦部
(L、G)の幅は本発明の効果を明確にする目的で、0.
35〜 0.6μm の間で変化させた。基板1のグルーブ段差
部のテーパ角度θs は離型性の良好な60゜とした。Si
O2 からなるグルーブ形状調整層4(150nm厚)を上記し
たシャドウイング効果を有する成膜方法で形成した後の
段差部4aのテーパ角θは約80°であった。 このグル
ーブ形状調整層4上に等方的スパッタ法を用いて、相変
化媒体膜部を形成して図1の光記録媒体を得た。すなわ
ち、膜厚 150nmのZnS−SiO2からなる第1干渉層
4、膜厚15nmのGe−Sb−Te記録層5、膜厚25nmの
ZnS−SiO2 からなる第2干渉層7、および膜厚50
nmのSi半透明反射層8を順次成膜した。ここで、反射
層8として半透明Si膜を採用した理由は、記録層6の
吸収率を調整して、結晶状態の吸収率を非晶質状態の吸
収率よりも高く設定してオーバライトジッタを低減する
ためである。ただし、本発明は吸収率調整膜構造の採用
の有無に限定されるものではなく、反射層8として膜厚
100nm程度のAl膜などを用いてもよい。
媒体をスパッタ装置から取出し、貼合せ初期化後、記録
再生試験に供した。試験項目はノイズレベルとクロスイ
レーズ特性であり、両特性共にトラックピッチを変えな
がら実施した。前述したように、ピッチは予め基板1上
のランド・グルーブ幅で調整した。基板1上のグルーブ
段差部のテーパ角θs が60゜、グルーブ深さdが 140nm
なので、基板1のテーパ面Tを光入射側から見込んだ幅
は70nmとなる。基板1上のランド3とグルーブ2の幅は
前述したように0.35〜 0.6μm の範囲で変化させたた
め、実効的なトラックピッチは0.42〜0.67μm である。
この実施例1では記録動作は波長 650nmのLD、NA=
0.6の対物レンズを使用したので、膜面上の光スポット
サイズは全半値幅(FWHM)で約 0.5μm である。
で、グルーブ形状調整層4を設けない光記録媒体も作製
して比較評価した。本発明との比較例として作製した光
記録媒体は、実施例1と同一のグルーブ形状およびトラ
ックピッチを有する基板1を使用し、図1においてグル
ーブ形状調整層4のみを除いた膜構造とした。比較例と
しての光記録媒体の断面構成を図3に示す。図3におい
て、図1と同等の機能を有する構成要素は図1と同一の
符号で示してある。
μm/bit(8/16code) 、記録パワー:10mW、消去パワー:5m
W、再生パワー:1mWとした。評価は初期化後の媒体のラ
ンドとグルーブに、まず8/16codeにおける 14Tの信号を
記録後、ランド/グルーブ共に3Tでオーバライトしてラ
ンド上のノイズレベルとキャリアレベルを測定し、測定
したランドに隣接する両側を 100回、 14Tと3Tの間でオ
ーバライトを繰返して行い、真ん中のランド上のキャリ
アレベルを測定した。図4に測定結果を示す。図4にお
いて、横軸TPはトラックピッチ、縦軸の△Cは、隣接
グルーブに100回のオーバライトを繰返した後のランド
のキャリアレベルを、初期の3Tオ−バ−ライト記録時の
キヤリアレベルからの差として示したものであり、△N
は光記録媒体に最大トラックピッチ(0.67μm)で、初期
にオーバライトした際のノイズレベルを基準にしたとき
の初期のオーバライト記録時の各トラックピッチにおけ
る初期オーバライト記録時のノイズレベルの値を示した
ものである。図中、塗りつぶしたプロットが本発明の光
記録媒体(図1)の測定結果、白抜きは従来技術に基づ
いて作製した比較用の光記録媒体(図3)の測定結果で
ある。
媒体によれば、隣接トラック上へオーバライトを繰返し
ても、クロスイレーズによるキャリアレベルの低下は大
幅に抑制されるため、0.06〜0.08μm 程度の健全な狭ト
ラック化が実現できる。また、信号を発生する記録層6
のグルーブ段差部の光ビーム照射側から見た幅が狭くな
ることに基づいて、ノイズレベルが比較例の光記録媒体
と比べて 3dB以上も低減され、大幅に信号品質が改善で
きることが分かる。
グルーブ段差部のテーパ角θs を離型性の良好な比較的
浅い角度に設定し、かつグルーブ形状調整層4の膜厚が
グルーブ深さ程度とそれほど厚くない場合の本発明の実
施形態とその効果について述べたが、本発明の効果はグ
ルーブ形状調整層4のテーパ角を90°以上の逆テーパ形
状とした場合により顕著となる。逆テーパ形状の段差部
の場合、テーパ面T上に記録媒体膜部が実質的に存在し
ないことになるためである。
のテーパ角θを、記録層6側から見て90゜以上の逆テー
パ形状とした場合の光記録媒体の実施形態の要部構造を
示す断面図である。なお図5において、図1と同等の機
能を有する構成要素は図1と同一の符号を示してある。
図1と図5ではグルーブ形状調整層4の膜厚が異なるだ
けで他は同一である。逆テーパ形状の段差部4aは、一
つには単純にグルーブ形状調整層4の膜厚を厚くするこ
とにより形成することができる。
パ角θs を急峻にする、グルーブ形状調整層4形成時の
シャドウイング効果を調整するなどにによっても、テー
パ角θを90゜以上にすることができる。ここでは、例え
ばSiO2 からなるグルーブ形状調整層4の膜厚をグル
ーブ深さ(140nm) よりも厚く、具体的には 250nmに設定
して逆テーパ状の段差を設けた。
ける記録媒体膜部、特に記録層6の形成方法の変更によ
って、さらに二通りの実施形態が派生する。一つはグル
ーブ形状調整層4のテーパ角θが90゜以上ではあるが、
それほど急峻な逆テーパではなく、例えば 1OO゜以下で
かつ記録媒体膜部を等方的スパッタ法などで形成した場
合である。この場合は逆テーパ段差部上に記録層は連続
的に形成される。この状態は図示していない。
のテーパ角θが 100゜以上であるか、もしくは 100゜以
下であっても、少なくとも記録層6の形成を若干の異方
性成膜によって実施した場合である。図5はこの状態を
示している。図5に示す光記録媒体においては、グルー
ブ形状調整層4の段差部4aが逆テーパ形状であること
に加えて、少なくとも記録層6を若干の異方性成膜によ
り形成しているため、段差部4aのテーパ面上で記録媒
体膜部は不連続となっている。すなわち、グルーブ2に
設けられた記録層6aとランド3に設けられた記録層6
bとは実質的に分離されている。
同様の評価を行った結果、前者では前述した実施例1よ
りもさらに 0.015μm 程度トラックピッチを短縮するこ
とが可能であり、また後者では実施例1よりもさらにO.
03μm 程度トラックピッチを短縮することが可能である
ことが判明した。後者によるトラックピッチの短縮は、
グルーブ2に設けられた記録層6aとランド3に設けら
れた記録層6bとを実質的に分離することによって、横
方向への熱流を大幅に低減することができるためであ
る。
クピッチを狭める上では、グルーブ形状調整層4のテー
パ角θを大きくすると共に、記録層6を異方性成膜する
ことが好ましいが、逆テーパの角度が大きすぎる場合に
は段差部からのノイズが再上昇する傾向が見られる。従
って、グルーブ形状調整層4のテーパ角θは90゜以上12
0゜以下とすることが好ましく、より好ましくは90゜以
上 105゜以下である。また、グルーブ形状調整層4の形
成は、通常の成膜方法よりも時間を要するので、成膜室
を多室に分割して行うか、グルーブ形状調整層4の膜厚
を薄く設定することが好ましい。ただし、基板1上のテ
ーパ角θs を過度に大きくすると離型性に問題がでるの
で、θs はDGに対しては60゜以下、通常の深さのグル
ーブに対しては75゜以下程度とすることが好ましく、グ
ルーブ形状調整層4の膜厚と成膜方法でそのテーパ角θ
を調整することが好ましい。
として相変化媒体を使用した例について主に述べたか、
本発明は相変化媒体に限定されるものではなく、光磁気
媒体、色素系媒体、孔開け形のWORM媒体など、記録
可能な光記録媒体全般に適用することができ、それぞれ
において同様の効果を得ることができる。
について説明する。
状調整層4の段差部4aの形状を制御することによっ
て、グルーブ2に設けられた記録層6aとランド3に設
けられた記録層6bとを分離する構造について説明し
た。本発明におけるグルーブの記録層とランドの記録層
との分離は、それ以外の構造によっても実現可能であ
る。例えば、図6(a)に示すように、例えばガラス基
板のような平坦な透明基板11上に、フォトレジストな
どの透光性薄膜12とSiO2 膜などの透光性マスク膜
13とを順に形成する。例えば、透光性薄膜12として
のフォトレジストはスピンコート法で、また透光性マス
ク膜13としてのSiO2 膜はスパッタ法で形成する。
ここで、透光性薄膜12と透光性マスク膜13との膜厚
の和は、所定のグルーブ深さに相当するように調整す
る。
スク膜13上に第2のフォトレジスト14をコートし、
これに原盤記録機などを利用してグルーブパターンを形
成する。次いで、グルーブパターンが転写された第2の
フォトレジスト14をマスクとして、SiO2 膜などか
らなる透光性マスク膜13をCHF系ガスなどを用いて
RIE加工し、透光性マスク膜13にグルーブパターン
を形成する。
マスク膜13をマスクとして、第2のフォトレジスト1
4と透光性薄膜12としてのフォトレジストを一括して
等方性エッチング、例えばウェットエッチングする。こ
のようにして得られるディスク基板においては、図6
(c)に示したように、透光性薄膜12に形成されたグ
ルーブ14の段差部は順テーパを有しているものの、透
光性マスク膜13が下部のパターンエッジからデブリ状
に突き出しているため、透光性薄膜12に形成されたグ
ルーブ14の平坦面と透光性マスク膜13上のランド1
5とは分断されている。
びランド15上に、例えば第1干渉層5を介して記録層
6を設けることによって、前述した実施形態と同様に、
グルーブ14に設けられた記録層6aとランド15に設
けられた記録層6bとを実質的に分離することができ
る。このような光記録媒体によれば、グルーブ14の記
録層6aとランド15の記録層6bとの分離により横方
向への熱流を大幅に低減することができるため、クロス
イレーズをなくしてトラックピッチを狭めることが可能
となる。
各部の構成材料には種々の材料を使用することができ
る。例えば、基板11としてはガラスの他にポリカーボ
ネイト、ポリオレフィン、ポリメチルメ夕クリレートな
どの樹脂を使用してもよい。透光性薄膜12としてはフ
ォトレジストに代えて、SiO2 、Si3 N4 、ITO
などを、透光性マスク膜13としてはSiO2 に代え
て、フォトレジスト、Si3 N4 、ITOなどを用いる
ことができる。また、透光性薄膜12と基板11との間
のエッチング選択比が乏しい場合には、基板11と透光
性薄膜12との間に適当なエッチングストッパーを設け
てもよい。
記録媒体によれば、基板製造時の離型性などの製造性を
損なうことなく、段差部に起因するノイズを低減するこ
とができ、さらにグルーブ形状調整層の段差部を逆テー
パ形状とすることによって、クロスイレーズの低減が可
能となる。また、本発明の第2の光記録媒体によれば、
例えばディープグルーブを適用することなく、クロスイ
レーズを低減することができる。これらによって、本発
明は光記録媒体の高密度化に大きく寄与するものであ
る。
構造を示す断面図である。
程を模式的に示す図である。
光記録媒体の要部構造を示す断面図である。
来構造の光記録媒体と比較して示す図である。
構造を示す断面図である。
構造および製造工程を示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 グルーブが形成された基板と、前記基板
上に設けられ、記録光照射により光学的変化を生じる記
録層とを具備する光記録媒体において、 前記基板上には透光性材料からなるグルーブ形状調整層
が設けられており、前記グルーブ形状調整層の段差部の
テーパ角が前記基板のグルーブ段差部のテーパ角より大
きく設定されていることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1記載の光記録媒体において、 前記グルーブ形状調整層の段差部は、前記記録層側から
見てテーパ角度が90゜以上の逆テーパ形状を有すること
を特徴とする光記録媒体。 - 【請求項3】 グルーブと前記グルーブ間に設けられた
ランドとを有する基板と、前記基板のグルーブおよびラ
ンドのそれぞれに設けられ、記録光照射により光学的変
化を生じる記録層とを具備する光記録媒体において、 前記グルーブに設けられた前記記録層と前記ランドに設
けられた前記記録層とが分離されていることを特徴とす
る光記録媒体。 - 【請求項4】 基板に順テーパ形状のグルーブを形成す
る工程と、 前記グルーブが形成された基板上に、透光性材料からな
るグルーブ形状調整層を、その段差部のテーパ角が前記
基板のグルーブ段差部のテーパ角より大きくなるよう
に、シャドウイング効果を有する成膜方法を用いて形成
する工程と、 前記グルーブ形状調整層上に、記録光照射により光学的
変化を生じる記録層を形成する工程とを有することを特
徴とする光記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】 基板上に透光性薄膜および透光性マスク
膜を順に形成する工程と、 前記透光性マスク膜にグルーブパターンを形成し、この
グルーブパターンを介して、前記透光性薄膜を実質的に
等方的なエッチング方法を用いて加工し、グルーブを形
成する工程と、 前記透光性薄膜に形成されたグルーブおよび前記グルー
ブ間に設けられたランドに、記録光照射により光学的変
化を生じる記録層を、前記グルーブの記録層と前記ラン
ドの記録層とが分離されるように形成する工程とを有す
ることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31391697A JP3475061B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 光記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP31391697A JP3475061B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 光記録媒体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11149667A true JPH11149667A (ja) | 1999-06-02 |
JP3475061B2 JP3475061B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=18047072
Family Applications (1)
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JP31391697A Expired - Fee Related JP3475061B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 光記録媒体およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3475061B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000072319A1 (fr) * | 1999-05-19 | 2000-11-30 | Fujitsu Limited | Support d'enregistrement de donnees et procede de fabrication dudit support |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP31391697A patent/JP3475061B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000072319A1 (fr) * | 1999-05-19 | 2000-11-30 | Fujitsu Limited | Support d'enregistrement de donnees et procede de fabrication dudit support |
US6707786B2 (en) | 1999-05-19 | 2004-03-16 | Fujitsu Limited | Optical recording medium having groove wall at specific angle |
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JP3475061B2 (ja) | 2003-12-08 |
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