JP2000048401A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2000048401A
JP2000048401A JP10217930A JP21793098A JP2000048401A JP 2000048401 A JP2000048401 A JP 2000048401A JP 10217930 A JP10217930 A JP 10217930A JP 21793098 A JP21793098 A JP 21793098A JP 2000048401 A JP2000048401 A JP 2000048401A
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layer
grooves
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recording medium
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Osamu Kobayashi
理 小林
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し記録に対する耐久性の高い光情報記
録媒体を提供する。 【解決手段】 トラックピッチが1.2μm以下である
相変化型の光情報記録媒体において、グルーブの側壁に
おける記録層の膜厚Trwを、グルーブの底部における前
記記録層の膜厚Trlの95%以下に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照射された光によ
って生じる媒体の相変化を利用して情報の記録、再生又
は消去を行う光情報記録媒体に関し、特に、繰り返し記
録に対する耐久性が高い光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】情報を光学的な方法により記録、再生又
は消去を行う情報記録媒体として、従来、いわゆる相変
化型の記録媒体が知られている。相変化型記録媒体と
は、記録媒体の基板表面に薄い相変化膜を形成した記録
媒体のことである。また、相変化膜とは、原子配列が規
則的な結晶の相と、無秩序なアモルファスの相とが可逆
的に変化し得る膜のことである。
【0003】相変化型記録媒体では、例えば、記録膜を
その全面にわたって一様に結晶化しておき、これを情報
を全く記録していない状態とする。そして、情報の記録
は、記録膜の一部に大きな強度の光パルスを照射し、記
録膜を局所的に融解、液相に変化させた後、これを急冷
することにより行う。急冷された記録膜は、無秩序な原
子配列のアモルファス相となり、結晶相と異なる光反射
率(光吸収率)を有するので、情報の読み出しは、記録
媒体の光反射率の変化を検出して行われる。記録を消去
する場合には、記録時の光パルスよりやや小さな光強度
の光パルスが記録媒体に照射される。この光が照射され
た記録媒体の部分は、結晶化温度以上に所定時間保た
れ、アモルファス相から結晶相へ戻る。これにより、相
変化型記録媒体では、繰り返し情報を記録、消去するこ
とが可能となっている。
【0004】相変化型光記録媒体としては、ディスク状
のもの(以下、光ディスクという)が一般的であり、通
常、レーザー光を照射して情報の記録、読み出し又は消
去が行われる。通常、光ディスクには、上記レーザー光
による記録信号のトラッキングを容易とするために、レ
ーザー光案内用の溝が設けられている。
【0005】図7は、このような従来の相変化型光ディ
スクの一部を模式的に示す図である。従来、このような
光ディスクでは、情報の記録が案内溝(グルーブ)11
8になされていたが、近年、光ディスクの記録密度を向
上させるために、案内溝のみならず、隣接する2つの案
内溝の間の頂部(ランド)116にも情報を記録し、情
報トラックピッチを実質的に2分の1にする、いわゆる
ランド・アンド・グルーブ記録が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ランド・アン
ド・グルーブ記録を採用した相変化型の光情報記録媒体
では、繰り返し記録を行っていると、次第に記録されて
いる信号が劣化し、その再生が困難になるという問題が
あった。しかも、信号が劣化する傾向は、光情報記録媒
体のトラックピッチを小さくすると顕著になるために、
この問題は、光情報記録媒体の高密度記録化を阻害する
重大なものであった。
【0007】図8は、相変化型光ディスクに繰り返し記
録を行った場合の記録回数と再生信号のジッターとの関
係を示す図である。図中、実線122はトラックピッチ
が1.4μmである光ディスクについての結果を、ま
た、実線124は、トラックピッチが1.2μmである
光ディスクについての結果を示している。図から明らか
なように、トラックピッチが1.4μmと比較的大きな
光ディスクでは、繰り返し記録の回数が増大しても、再
生信号のジッターがほぼ一定の値を維持するが、トラッ
クピッチが1.2μmと小さいものでは、繰り返し記録
の回数が1万回を越える当たりからその値が増大し、回
数10万回で10%と実用的な光ディスクでは無視しえ
ないほど大きな値となってしまう。
【0008】上記のように、再生信号におけるジッター
が増大する原因の一つは、互いに隣接するトラック間で
生じる熱伝導にあると考えられている。つまり、記録を
行うトラックに与えられた熱が、それに隣接するトラッ
クに記録層、反射層等を介して伝導し、隣接するトラッ
クに不慮の相変化を引き起こし、記録されている信号を
劣化させるためと考えられている。
【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、繰り返し記録に対する耐久性の高い光情
報記録媒体を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、基板の少なくとも一の面に、1.2μm
以下のトラックピッチでランド及びグルーブが設けられ
ており、さらにランド及びグルーブの上に少なくとも記
録層が設けられており、光を用いてランド及グルーブの
双方に情報の記録及び読み取りを行うことが可能である
相変化型の光情報記録媒体において、グルーブの側壁部
における記録層の膜厚Trwを、グルーブの底部における
前記記録層の膜厚Trlの95%以下とし、これにより、
記録層を介して生じるランドとグルーブとの間の熱伝導
を従来の光情報記録媒体より小さくなるようにした。
【0011】また、本発明は、基板の少なくとも一の面
に、1.2μm以下のトラックピッチでランド及びグル
ーブが設けられており、さらにランド及びグルーブの上
に少なくとも記録層と反射層とが設けられており、光を
用いてランド及グルーブの双方に情報の記録及び読み取
りを行うことが可能である相変化型の光情報記録媒体に
おいて、グルーブの側壁部における反射層の膜厚T
fwを、グルーブの底部における反射層の膜厚Tflの95
%以下とし、これにより、反射層を介して生じるランド
とグルーブとの間の熱伝導を従来の光情報記録媒体より
小さくなるようにした。
【0012】さらに、本発明では、基板におけるグルー
ブ側壁のグルーブ底面に対する傾斜角θが、
【数4】 なる条件を満たすように設定し、光情報記録媒体に照射
される光が、記録再生等を行おうとするトラックのみに
正確に照射されるようにした。なお、上記の式におい
て、NAは、光を集光するレンズの開口数、nは光情報
記録媒体の基板の屈折率である。また、本明細書では、
角度は全て度(degree、[゜])の単位で表されている
ものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
に係る光情報記録媒体の実施形態について、さらに詳し
く説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施形態である光ディ
スクの斜視図である。また、図2は、図1に示した光デ
ィスクのA・A線断面図である。光ディスク10は、中
央にスピンドル孔20を備えた円盤形状をしている。ま
た、光ディスク10は、表面にランド及びグルーブを含
む所定のパターンが設けられた透明基板12の上に、記
録層等14及び保護膜16を積層して得られた厚さ0.
6mmの単板構造の光ディスクを、記録面を内側にし
て、接着剤18により2枚張り合わせた断面構造を有し
ている。透明基板12は、例えばポリカーボネイトから
なり、保護膜16は、紫外線硬化樹脂からなる。
【0015】図3は、図2の一部を拡大した断面図であ
る。図3に示されるように、光ディスク10は、基板1
2の上に膜厚100nmの誘電体層22、膜厚25nm
の記録層24、膜厚18nmの誘電体層26及び膜厚2
00nmの反射層28をこの順で積層させ、反射層28
の上にさらに保護膜16を約5μmの膜厚に設けた構造
を有する。ここで、誘電体層22、26は、記録層24
又は反射層28から他層へ熱の伝導を防止するための断
熱層として機能するものであり、(ZnS)80(SiO
220からなる。記録層24は、局所的に相変化を起こ
すことにより情報を記録する層であり、(Ge)2(S
b)2(Te)5からなる。また、反射層28は、記録層
24に照射されたレーザー光が光ディスクの反対側へ透
過することを防止するための層であり、(Al)97(C
r)3からなる。
【0016】以下、光ディスク10の製造方法について
説明する。はじめに、基板12の製造方法について図4
を用いて説明する。基板12を製造する際には、まず、
ガラス円盤などの原板30にフォトレジスト32を均一
に塗布し(工程1)、ついで、レーザー光34を用いて
グルーブ等の形状に合わせてレジスト32を露光する
(工程2)。露光されたレジスト32は現像され、これ
により原板30上に所望の凹凸が形成されたいわゆる原
盤36が得られる(工程3)。
【0017】次に、原盤36の上面には、電鋳により厚
い金属層38が形成される(工程4)。金属層38を原
盤36から剥離することによりスタンパ40が取得され
る(工程5)。スタンパ40は、射出成形機42に金型
として設置され、さらに、射出成形機40にポリカーボ
ネイトが射出される(工程6)。射出されたポリカーボ
ネイトが冷却、硬化したのを待ってこれを射出成形機4
2より取り出すと、スタンパ40の凹凸が転写された、
すなわち、所定のランド及びグルーブの形状が転写され
た基板12が取得される(工程7)。
【0018】上記の工程により製造された基板12に
は、次に、誘電体層22、記録層24、誘電体層26、
反射膜28がこの順に膜付けされる。これらの膜付け
は、高周波マグネトロンスパッタリング法により行われ
る。スパッタリングを行う際には、図5に示すように、
ターゲット44と基板12との間に、コリメータ46が
基板12と平行となるように配置される。コリメータ4
6は、厚さ約1.2mmの銅製の平板からなり、直径が
10〜30mmの複数の貫通孔48を備えている。この
ようにコリメータ46を配置した場合には、ターゲット
44から飛翔する粒子のうち貫通孔48を通過し得た、
換言すれば、基板の膜付けを行う面の法線にほぼ平行に
飛翔する直進性の高い粒子のみが基板12に到達し、膜
を形成する。
【0019】なお、上記のようにコリメータを用いる方
法の他に、スパッタリング時に装置内の真空度を例えば
1×10-5以上に設定することでもターゲットから基板
へ飛翔する粒子の直進性を高めることができる。
【0020】上記の方法により基板12に4種類の膜を
形成した後、さらに紫外線硬化エポキシ樹脂を反射膜上
にコーティングし硬化させることで、保護膜16を形成
し、単板構造の光ディスクを得る。単板構造の光ディス
クは2枚製造され、それぞれのディスクを記録層を内側
にして、接着層を挟んで向かい合わせ、張り合わせる。
これにより、本実施形態の光ディスク10が完成され
る。
【0021】上記のように製造される光ディスクでは、
基板12におけるグルーブ形状は、射出成形に用いられ
るスタンパー40の形状によって決まる。また、スタン
パー40の形状は、図4の工程2において、レジスト膜
32に形成される露光パターンによって決まる。特に、
グルーブの側面のグルーブ底面に対する傾斜角θは、レ
ジストの感光度の値によって変化する。
【0022】そこで、本実施形態では、異なる感光度を
有する複数のレジストを用いることにより、上記角度θ
が異なる2種類の光ディスクを実施例として製作し、そ
れぞれのディスクの繰り返し記録に対する性能を測定し
た。また、上記2つの実施例で取得された結果を検討す
るために、さらに、グルーブ形状の異なる4種類の光デ
ィスクを比較例として製作し、それらの繰り返し記録に
対する性能をも測定した。
【0023】表1は、各実施例及び各比較例として製作
された光ディスクにおける基板12の形状特性をまとめ
たものである。なお、表1において、Tpとはトラック
ピッチのことであり、図3に示すように、隣り合うグル
ーブの中心線間の距離と定義される。また、WTはグル
ーブ底部における平坦面の幅、θはグルーブ側壁のグル
ーブ底部に対する傾斜角、Dはグルーブの溝深さ、さら
に、WAは基板厚みを意味する。
【表1】
【0024】表1に示されるように、実施例1では、ト
ラックピッチTp=1.2μm、グルーブ底部の幅WT
=0.5μm、グルーブ側壁の傾斜角θ=18度の基板
12を製作し、これに記録層等の膜付けを行うことで光
りディスクを得ている。これに対し、実施例2では、θ
及びWTのみが各々55度及び0.55μmに変更され
た基板12を用意し、これより光りディスクを製作して
いる。さらに、実施例3では、Tp=1.1μm、WT
=0.5μm、θ=18度の基板12を作成子、これよ
り光ディスクを製作している。
【0025】比較例1では、実施例2と同じ形状の基板
12を用いて光ディスクを製作している。ただし、記録
層等の膜付けの際に、前述したコリメータを使用してい
ない。
【0026】比較例2では、グルーブ側壁の傾斜角θが
70度であり、他の形状は実施例2と同一である基板1
2を用意し、光ディスクを製作している。
【0027】比較例3では、グルーブ側壁の傾斜角θが
15度であり、他の形状は実施例1と同一である基板1
2を用意し、光ディスクを製作している。
【0028】最後に、比較例4では、トラックピッチT
pが1.4μmである基板12を用意し、光ディスクを
製作している。
【0029】表2は、上記の各実施例及び比較例で取得
された光ディスクにおける記録層及び反射層の膜厚を断
面TEM写真を用いて測定した結果を示すものである。
表2において、Trw及びTfwは、それぞれ、グルーブの
側面に形成された記録層及び反射層の膜厚である。ここ
で膜厚とは、それぞれの膜の接線に垂直な方向における
膜の厚みを意味する(図3参照)。また、Tfw及びTfl
は、それぞれ、グルーブの底部に形成された記録層及び
反射層の膜厚である。さらに、α及びβは、それぞれ、
グルーブの側面に形成された記録層及び反射層の接線
が、グルーブの底部となす角度である。
【表2】
【0030】この表から分かるように、グルーブ側壁の
傾斜角θが18度以上であると、記録層のグルーブ底部
における膜厚とグルーブ側壁における膜厚の比(以下、
膜厚比という)は、0.95以下となる(実施例1〜3
及び比較例2参照)。また、膜厚比は、記録層の角度α
(グルーブの傾斜角θ)が大きいほど小さい値となる。
ただし、比較例1及び4より分かるように、記録膜を形
成する際に、スパッタ装置内にコリメータを設置しなか
った場合には、膜厚比はほぼ1となる。これは、コリメ
ータを使用しない場合には、スパッタ装置内で、ターゲ
ットから基板12に向かう粒子の直進性が低いために、
グルーブ側壁の角度によらず、比較的一様に膜が形成さ
れるからである。なお、以上説明した事項は、反射層の
測定結果についても同様に説明されることである。
【0031】実施例1〜3及び比較例1〜4で製作され
た光ディスクのランド部及びグルーブ部には、ランダム
信号を記録し、さらにそのランダム信号を再生してジッ
ターを測定した。ランダム信号の記録は、線速度6m/
secで回転する光ディスクに波長630nmのレーザ
ー光を開口数(開口率)NA=0.65の集光レンズを
介して照射することで行った。光ディスクの盤面上にお
けるレーザー光強度は、記録時で12mW、消去時で5
mWであった。また、ランダム信号の最短記録マーク長
は0.3μm、最長記録マーク長は、1.4μmであっ
た。
【0032】記録されたランダム信号の再生は、信号の
記録に用いたのと同一の光学系を用いて行った。再生時
の光ディスク盤面上のレーザー光強度は、1mWであっ
た。表3は、測定されたジッターの結果をまとめたもの
である。なお、表2において、ランドジッター(1)及
びグルーブジッター(1)は、所定のランドと、そのラ
ンドに隣接するグルーブとに1回だけランダム信号の記
録を行い、そのランド及びグルーブから信号を再生した
ときに、再生信号に認められたジッターの値を意味す
る。また、ランドジッター(2)及びグルーブジッター
(2)は、上記所定のランドにさらに10万回繰り返し
てランダム信号の記録を行い、その後ランド及びグルー
ブから信号を再生したときに、再生信号に認められたジ
ッターの値を意味する。
【表3】
【0033】表3に示されるように、トラックピッチT
pが1.4μmである比較例4の光ディスクでは、1回
の記録後では、ランド及びグルーブの双方のジッターが
7%程度であり、また、10万回の繰り返し記録の後で
あっても、ランド及びグルーブの双方のジッターは10
%程度と比較的低い値にとどまる。これは、トラックピ
ッチTpが1.4μmと比較的大きい場合には、隣接す
るランドとグルーブのそれぞれの記録マークの間の距離
が比較的長く、例えばランドに記録用のレーザー光を照
射し加熱しても、隣接するグルーブに伝導する熱量が低
いことに起因するためと考えられる。
【0034】これに対し、グルーブ側壁の傾斜角θが比
較例4のそれとほぼ同じであるが、トラックピッチTp
が1.2μmと小さい比較例1及び3の光ディスクで
は、10万回の繰り返し記録を行った後の再生信号にお
けるジッターが最高で19.8%と非常に大きな値を示
している。これは、比較例1及び比較例3では、トラッ
クピッチを小さくした結果、熱伝導の経路が短くなり、
ランド、グルーブ間で伝導しうる熱量が増大し、伝導し
た先の領域において、記録層の相変化その他の弊害を引
き起こしているためであると考えられる。なお、比較例
3では、1回のみの記録後であっても、再生信号のジッ
ターが12〜13%と高い値を示している。これは、グ
ルーブ側壁の傾斜角θが15度と小さくなると、ランド
及びグルーブにおける実用的な記録領域が狭くなり、ま
た、ランドとグルーブとの間の深度差がなくなり、これ
らのためにレーザー光によるランド又はグルーブのトラ
ッキングが困難になるためであると考えられる。
【0035】一方、実施例1、3では、グルーブ側壁の
傾斜角θは18゜と比較例1と同じ値となっているが、
基板12に記録層、反射層を膜付けする際にコリメータ
を使用したために、グルーブ側壁の膜厚が比較例1の場
合より薄くなっている。このために、ランド、グルーブ
間の熱伝導率が低く、例えばランドに繰り返し記録を行
っても、隣接するグルーブにその影響が現れにくく、結
果として、10万回の繰り返し記録を行った後のジッタ
ーは、ランド、グルーブいずれにおいても10%程度の
低い値にとどまっている。同様の結果は、グルーブ側壁
の傾斜角θが55゜と急であり、そのために、グルーブ
側壁における記録層、反射層の膜厚がさらに薄くなって
いる実施例2の光ディスクでも得られている。
【0036】これに対し、70゜とグルーブ側壁の傾斜
角θをさらに急峻とした比較例2では、記録層、反射層
の膜厚が薄く、膜厚比が全ての実施例、比較例を通して
最も低い値を示しているのにも拘わらず、10万回の繰
り返し記録を行った後のグルーブジッターが約15%と
大きな値を示している。このようにジッターが大きくな
るは、グルーブ側壁の傾斜角θとグルーブに照射される
レーザー光の集光角度の関係がこの比較例では不適切で
あるためと考えられる。
【0037】ここで、レーザー光の集光角度ζは、集光
レンズの開口数NA(本実施形態では0.65)及び基
板12の屈折率n(ポリカーボネイトの場合は約1.5
8)から次式によって定まる。
【0038】
【数5】 上式によれば、本実施形態におけるレーザー光の集光角
度ζがほぼ65度となる。このために、グルーブ側壁の
傾斜角θが65度を越える比較例2では、図6に例示す
るように、グルーブに照射されたレーザー光の一部がラ
ンドの縁部に当たり、これがジッターを増大させている
と考えられるのである。
【0039】以上の実施例及び比較例より、トラックピ
ッチTpを1.4μmより小さくした相変化型光ディス
クでは、繰り返し記録に対する耐久性を向上させるのに
以下の手段を用いることが有効であると考えられる。
【0040】第1は、グルーブ側壁における記録層、反
射層の膜厚を、グルーブ底部におけるそれらの膜厚に対
する比が0.95以下となるように薄くすることであ
る。このようにすることで、光ディスクは、隣接してい
るランド、グルーブ間で熱が伝わりにくい構造となるか
らである。
【0041】第2は、グルーブ側壁の傾斜角θを18度
以上であって、グルーブに照射される光の集光角度以下
に設定することである。グルーブの溝深さDが一定であ
る場合には、グルーブ側壁の傾斜角θが大であるほど記
録が行われるランドとグルーブの平坦部の面積が大きく
なる。換言すれば、あるトラックの記録マークの端部か
ら、それに隣接するトラックの記録マークまでの距離
は、傾斜角θが大きくなるほど長くなる。この結果、あ
るトラックを加熱しても、その熱はそれに隣接するトラ
ックに伝わりにくくなり、その隣接するトラックに記録
されている信号に影響を与えることが少なくなる。
【0042】したがって、グルーブ側壁の傾斜角θを大
きくとることが望ましいが、光ディスクに照射されるレ
ーザー光の集光角度を越えるほど大きくなると、当該レ
ーザー光が信号再生をしようとするトラックのみなら
ず、それに隣接するトラックにも照射され、再生信号に
隣接するトラックの影響が現れてしまうので好ましくな
い。このために、傾斜角θは、光ディスクに照射される
レーザー光の集光角度以下に設定しなければならないの
である。
【0043】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、グルーブ側壁における記録層又は反射層を介して
生じる、隣接するランドとグルーブとの間での熱伝導が
抑制されるので、情報記録のために一のトラックを加熱
した場合に、その熱が隣接するトラックに伝導し、その
隣接するトラックに記録されている情報を劣化させるこ
とがなく、トラックピッチが1.2μm以下と小さい光
情報記録媒体であっても、繰り返し記録に対する耐久性
が向上する。
【0044】また、本発明によれば、記録層及び反射層
の各々におけるグルーブ側壁の接線とグルーブ底面との
なす角度が適正な範囲内に設定されるので、ランド及び
グルーブにおける記録領域の幅を実用的な大きさに維持
でき、しかも、記録・再生用の光が、記録再生を行おう
とするトラックと隣接するトラックにも照射されるとい
うことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である光ディスクの斜視図
である。
【図2】図1の光ディスクのA・A線断面図である。
【図3】図2の一部を拡大した断面図である。
【図4】光ディスクの基板の製造方法を示す説明図であ
る。
【図5】光ディスクの基板にスパッタにより記録膜等を
膜付けする方法を示す説明図である。
【図6】グルーブ側壁の傾斜角θとレーザー光の集光角
度ζの関係を示す説明図である。
【図7】従来の相変化型光ディスクの一部を示す模式図
である。
【図8】相変化型光ディスクに繰り返し記録を行った場
合における記録回数と再生信号のジッターとの関係を示
す図である。
【符号の説明】
10 光ディスク 12 基板 16 保護膜 18 接着層 22、26 誘電体層 24 記録層 28 反射層 44 ターゲット 46 コリメータ 50 レーザー光

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の少なくとも一の面に、1.2μm
    以下のトラックピッチでランド及びグルーブが設けられ
    ており、さらに前記ランド及びグルーブの上に少なくと
    も記録層が設けられており、光を用いて前記ランド及グ
    ルーブの双方に情報の記録及び読み取りを行うことが可
    能である相変化型の光情報記録媒体において、 前記グルーブの側壁部における前記記録層の膜厚を
    rw、前記グルーブの底部における前記記録層の膜厚を
    rlとした場合に、 【数1】 なる条件が満たされることを特徴とする光情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 基板の少なくとも一の面に、1.2μm
    以下のトラックピッチでランド及びグルーブが設けられ
    ており、さらに前記ランド及びグルーブの上に少なくと
    も記録層と反射層とが設けられており、光を用いて前記
    ランド及グルーブの双方に情報の記録及び読み取りを行
    うことが可能である相変化型の光情報記録媒体におい
    て、 前記グルーブの側壁部における前記反射層の膜厚を
    fw、前記グルーブの底部における前記反射層の膜厚を
    flとした場合に、 【数2】 なる条件が満たされることを特徴とする光情報記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載の光情
    報記録媒体において、 開口数NAのレンズにより集光された光を用いて、ラン
    ド及グルーブの双方に情報の記録及び読み取りを行うこ
    とが可能であり、前記基板の屈折率がnで表される場合
    に、前記基板におけるグルーブ側壁のグルーブ底面に対
    する傾斜角θが、 【数3】 なる条件を満たすことを特徴とする光情報記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004051631A1 (ja) * 2002-12-03 2004-06-17 Fujitsu Limited 磁気転写用マスタ媒体およびその製造方法
US7294281B2 (en) 2001-07-02 2007-11-13 Sony Corporation Optical information recording medium, original disc for optical information recording medium, and method of manufacturing the same

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