JPH111495A - アマノリ属海藻からのポリペプチドの製造方法 - Google Patents

アマノリ属海藻からのポリペプチドの製造方法

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JPH111495A
JPH111495A JP9168169A JP16816997A JPH111495A JP H111495 A JPH111495 A JP H111495A JP 9168169 A JP9168169 A JP 9168169A JP 16816997 A JP16816997 A JP 16816997A JP H111495 A JPH111495 A JP H111495A
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JP
Japan
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seaweed
polypeptide
extract
genus
water
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Withdrawn
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JP9168169A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Ochiai
光男 落合
Kazutoshi Nishizawa
一俊 西澤
Saburo Ishikawa
三郎 石川
Kiyoshi Mogi
清 茂木
Shunsuke Kisaka
俊介 木坂
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HORIUCHI SHOKUHIN KOGYO KK
Original Assignee
HORIUCHI SHOKUHIN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海苔などに代表されるアマノリ属海藻から血
糖降下能を有する新規なポリペプチドを製造する。 【解決手段】 アマノリ属海藻の葉状体またはその加工
品の乾燥細粒化物を膨潤させ、これを水を用いて抽出
し、この抽出物を分画精製してポリペプチドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば海苔などに
代表されるアマノリ属海藻から血糖降下能を有する新規
なポリペプチドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アマノリ属海藻は世界的に広範囲に繁殖
しており、我が国においても養殖スサビノリが食用海苔
として大量に消費されている。
【0003】ところが、近年、養殖技術の向上などに伴
って海苔の供給が過剰となり、他の用途への開発が進め
られている。
【0004】一方、従来からアマノリ属海藻は健康食品
であると云われ、その理由の一つとして血糖降下能を有
することが指摘されている。
【0005】しかしながら、アマノリ属海藻が有する血
糖降下能は、一般に糖尿病の治療薬として用いられてい
るインシュリンなどのように強力なものではなく、全体
に対する含有成分の割合も低い。
【0006】そのため、アマノリ属海藻の葉状体をその
まま摂取して血糖降下効果を挙げるには、きわめて多量
の葉状体を食べる必要があり、実際には不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑
みてなされたものであって、アマノリ属海藻の有効利用
を図るとともに、アマノリ属海藻から血糖効果能を有す
るポリペプチドを得ることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、アマノリ属海藻の葉状体またはその加工
品の乾燥細粒化物を膨潤させ、これを水もしくは弱アル
カリ性水溶液を用いて抽出し、得られた抽出物を分画精
製してポリペプチドを得ることを特徴とする。
【0009】また、前記解決手段において、抽出物を分
画精製する前に有機溶剤を用いて抽出物中に含まれる色
素を除去することにより脱色度の高いポリペプチドを得
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明についての好ましい実
施の形態の一つを図1を参照して説明する。
【0011】初めに原料である乾燥した海苔の粉末(1
0〜50メッシュ)20gを水もしくは稀アルカリ液
0.4Lの割合に加えて攪き混ぜ室温にて24時間放置
し海苔の粉末を膨潤させる。
【0012】次いで、遠心分離機を用いて分離操作を行
い(3000r.p.m.,20分)、沈殿と上澄液と
を分離する。
【0013】得られた上澄液に酸を添加してpH1.5
に調整するとともにアルカリ土類金属塩の水溶液を3%
になるように加えて室温で一晩放置して抽出を行い、更
に遠心分離機を用いて分離操作を行い(3000r.
p.m.,20分)沈殿と上澄液とに分離する。
【0014】一方、得られた金属塩の沈殿は稀アルカリ
液200mlを用いて数回に分けて洗浄し、これを遠心
分離機を用いて分離する(3000r.p.m.,20
分)。得られた上澄液(洗浄液)は前記抽出操作に戻
す。
【0015】そして、前記抽出後の金属塩の沈殿を、例
えばアセトンやアルコールなどの有機溶剤で洗浄して脱
色し、1%炭酸塩溶液30mlを加えて沈殿を溶解し、
必要であれば超音波による処理を施した後、遠心分離機
を用いて分別し(3000r.p.m.,20分)、得
られた上澄液に稀酸を加えて中和し、ロータリーエバポ
レータ(60℃)を用いて160mlになるまで濃縮す
る。
【0016】次に、前記濃縮物を透析膜チュープ中で流
水に対して塩が流出しなくなるまで透析して脱塩濃縮物
を得る。
【0017】前記脱塩酸濃縮物をロータリーエバポレー
タ(60℃)を用いて75mlになるまで濃縮し、これ
を適当なサイズのカラムクロマトグラフィーを用いて分
画した。
【0018】図2はカラムクロマトグラフィー(商品
名:セファデックス)を用いて分画した場合の1例を示
すものであり、4つの成分(F1,F2,F3,F4)
が確認された。この内、本発明では後述の通りF3の成
分が有効であり、このF3成分を集めて精製して目的の
ポリペプチド(以下『ポリペプチドF3』という)を得
た。
【0019】精製手段としては、例えば脱色剤により大
部分の着色物を除いた後、遠心分離して僅かに存在する
不溶性物を除き、得られたほぼ20mlの溶液に10倍
以上の容積の有機溶剤を加え、生じさせた沈殿を再び遠
心分離して白色の粉末であるポリペプチド約100mg
を得た。
【0020】次に、前記の実施の形態によって得られた
ポリペプチドの血糖降下能について説明する。
【0021】正常マウスとして5周令のddY系雄性マ
ウスを市販の飼料(オリエンタル固形飼料MF)で飼育
したものを用い、試験マウス(人為糖尿病マウス)とし
ては前記正常マウスに体重1kgに対して75mgの割
合でアロキサンを0.2M酢酸緩衝液(pH4.2)に
溶かして投与し、3日後に高血糖になっていることを確
認し、前記正常マウスと同様に飼育し、更に1ヶ月後に
自由摂取状態のまま早期採血により180mg/dl以
上の血糖値を示すものを選んで使用した。
【0022】尚、採血はマウスの興奮を避けるため予め
ネンブタール注射による麻酔下で行った。また、血糖値
の定量は、採血した血液を常法に従って処理を行い、グ
ルコース酸化酵素であるペルオキシダーゼ法により行っ
た。
【0023】グルコース負荷試験は、グルコース負荷以
前17時間に亘って給餌を中止して水だけを与え、翌日
午前9時以降に採血した後、グルコース溶液(200m
g/ml)をマウスの体重10g当り0.1ml量(グ
ルコース100mg/50kg体重負荷に相当)を経口
投与した。
【0024】その後30分,60分,120分の間隔を
有して眼窩より採血して血糖値測定を行った。また、被
検物質(ポリペプチドF3)を腹腔投与する場合にはグ
ルコース負荷の直前に注射法により投与し、経口投与の
場合には負荷するグルコース溶液中に一緒に入れて投与
した。
【0025】次に、試験マウスと正常マウスについての
グルコース負荷後のポリペプチドF3投与についての経
時変化を図3乃至図6に示す。
【0026】尚、図3は試験マウスに対してポリペプチ
ドF3を経口投与した場合の血糖値の経時的変化を投与
しない比較例とともに示したもの、図4は正常マウスに
対してポリペプチドF3を経口投与した場合の血糖値の
経時的変化を投与しない比較例とともに示したもの、図
5は試験マウスに対してポリペプチドF3を腹腔内注射
によって投与した場合の血糖値の経時的変化を投与しな
い比較例とともに示したもの、図6は正常マウスに対し
てポリペプチドF3を腹腔内注射によって投与した場合
の血糖値の経時的変化を投与しない比較例とともに示し
たものである。
【0027】図2乃至図5から本発明によるポリペプチ
ドF3を正常マウスに経口または腹腔投与した場合には
血糖降下作用は殆ど見受けられないが、人為的に糖尿病
とした試験マウスに投与した場合には著しい血糖降下作
用が確認された。
【0028】また、前記ポリペプチドF3を核磁気共鳴
を用いて解析したところ、プロトンNMRスペクトル・
パターンにおいて、1.168〜1.284,1.90
6,2.120,3.379〜3.681PPMのシグ
ナル郡が確認された。従って、ポリペプチドF3がアミ
ノ酸の縮合体であることが同定された。
【0029】そこで、ポリペプチドF3を強塩酸中で加
水分解した後、常法に従ってアミノ酸分析器により血漿
からの試料を基準として加水分解物中のアミノ酸の同定
ならびに定量を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から、ポリペプチドF3を構成するア
ミノ酸は、クリシン>アスパラギン酸>グルタミン酸>
アラニン>セリン>リジンなどの順に30μモル以上、
ロイシン>アルギニンの順で20μモル代、バリン>プ
ロリン=スレオニン>チロシン=イソロイシン>フェニ
ルアラニンなどの10μモル代およびヒスチジン,メチ
オニン,シスチンなどの10μモル以下のモル比から構
成されていることが判明した。
【0032】尚、本実施の形態では、得られた抽出物を
カラムクロマトグラフィーを用いて分画した場合を示し
たが、抽出物の分画として従来周知の化学的および物理
的分画手段を採ることができることは云うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明によって製造され
るアマノリ属海藻から得られるポリペプチドは、アマノ
リ属海藻をそのまま或いは加工品を食用した場合に比較
して、きわめて少量で血糖値を降下させることができ
る。
【0034】また、本発明は従来医療用として用いられ
ている血糖降下剤の製造方法のように複雑な分画精製過
程を必要としないため製造コストが安くて済み、更に原
料がアマノリ属の海藻であるため、動物の臓器などを原
料とする場合に比べて保管,取扱いならびに後処理など
の点においても優れている。
【0035】このように本発明は従来医療用の血糖降下
剤として用いられているインシュリンのように強力な血
糖降下能を有していないが、例えばドリンク剤,菓子,
飴などに混入させるなどして健康食品として日頃から手
軽に利用することにより血糖値を降下させ、或いは血糖
値の上昇を防ぐことができるものであり、また、過剰生
産ぎみのアマノリ属の利用を有効に図ることができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における製造工程を示す
ブロック図である。
【図2】図1に示した実施の形態によって得られた製品
のカラムクロマトグラフィーによる溶出パターンであ
る。
【図3】図1に示した実施の形態により得られた製品を
試験マウスに経口投与した場合の血糖降下能を示す状態
図である。
【図4】図1に示した実施の形態により得られた製品を
正常マウスに経口投与した場合の血糖降下能を示す状態
図である。
【図5】図1に示した実施の形態により得られた製品を
試験マウスに腹腔注射した場合の血糖降下能を示す状態
図である。
【図6】図1に示した実施の形態により得られた製品を
正常マウスに腹腔注射した場合の血糖降下能を示す状態
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木坂 俊介 埼玉県朝霞市浜崎551番地1−103号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アマノリ属海藻の葉状体またはその加工
    品の乾燥細粒化物を膨潤させ、これを水を用いて抽出
    し、この抽出物を分画精製してポリペプチドを得ること
    を特徴とするアマノリ属海藻からのポリペプチドの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 アマノリ属海藻の葉状体またはその加工
    品の乾燥細粒化物を膨潤させ、これを弱アルカリ性水溶
    液を用いて抽出し、この抽出物を分画精製してポリペプ
    チドを得ることを特徴とするアマノリ属海藻からのポリ
    ペプチドの製造方法。
  3. 【請求項3】 抽出物を分画精製する前に有機溶剤を用
    いて抽出物中に含まれる色素を除去する請求項1または
    2に記載のアマノリ属海藻からのポリペプチドの製造方
    法。
JP9168169A 1997-06-10 1997-06-10 アマノリ属海藻からのポリペプチドの製造方法 Withdrawn JPH111495A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100358903B1 (ko) * 2000-03-31 2002-10-31 학교법인고려중앙학원 돌김으로부터 분리한 대식세포 활성화능을 갖는 다당류 및그 제조방법
JP2010195772A (ja) * 2009-01-29 2010-09-09 Tsuho Nori Kk 海苔を用いた血中インスリン値上昇抑制剤、脂肪分解抑制剤、高インスリン血症治療薬、糖尿病治療薬、および、機能性飲食品

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Effective date: 20040907