JPH11149537A - 複合icカードおよび複合icモジュール - Google Patents
複合icカードおよび複合icモジュールInfo
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- JPH11149537A JPH11149537A JP31394597A JP31394597A JPH11149537A JP H11149537 A JPH11149537 A JP H11149537A JP 31394597 A JP31394597 A JP 31394597A JP 31394597 A JP31394597 A JP 31394597A JP H11149537 A JPH11149537 A JP H11149537A
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Abstract
能を兼備する複合ICカードにおいて、非接触結合素子
と複合ICモジュールとの接続を不要にし、製造が簡単
且つ非接触伝達機構の受信特性を改善する複合ICモ
ジュールとそれに好適な複合ICモジュールを提供す
る。 【解決手段】複合ICカード用で、接触型と非接触型と
の両通信機能を備えたICを実装したICモジュール
と、非接触伝達用のアンテナとを備え、ICモジュール
と非接触伝達用アンテナとにそれぞれ信号伝達用のコイ
ルを互いに密結合するよう配設し、ICモジュールと非
接触伝達用アンテナとがトランス結合によって非接触に
結合するように構成した複合ICカードであって、IC
モジュールのトランス結合素子を巻線コイルとし、非接
触伝達用アンテナ側のICモジュールとの結合コイルの
内径をICモジュールの嵌合孔より大きく且つ巻線コイ
ルと同一面に配置する。
Description
し、詳しくはオフィス・オートメーション(Of-fice Au
tomation、いわゆるOA)、ファクトリー・オートメーシ
ョン(FactoryAutomation、いわゆるFA)、あるいはセ
キュリティー(Security)の分野等で使用されるICカ
ード等に代表される情報記録媒体であって、特に、電力
の受給と信号の授受を電気接点を介して行う接触型と、
電磁的な結合方式によって電源電力の受電、並びに信号
の授受をICカードに電気接点を設けることなく非接触
状態で行う非接触型との双方の機能を有するICカー
ド、すなわち複合ICカードに関する。
の登場により、従来の磁気カード等に比べて記憶容量が
飛躍的に増大するとともに、マイクロコンピュータ等の
半導体集積回路装置を内蔵することによってICカード
自体が演算処理機能を有することで情報媒体に高いセキ
ュリティー性を付与することができるようになった。
nisation for Standardisation)で国際的に規格化され
ており、一般的に、ICカードはプラスチックなどを基
材とするカード本体に半導体メモリー等のICが内蔵さ
れ、カード表面に外部読み書き装置との接続のために金
属製の導電性端子が設けられており、そのICカードと
外部読み書き装置とのデータの交信のためにICカード
を外部読み書き装置のカードスロットに挿入して用いる
ものである。これは、大量データ交換や決済業務等交信
の確実性と安全性が求められる用途、例えばクレジット
や電子財布応用では好都合である。
しては、認証が主たる交信内容であって、交信データ量
も少量の場合が多く、より簡略な処理が望まれる。この
問題を解決するために発案された技術がいわゆる非接触
(型)ICカードである。これは、空間に高周波電磁界
や超音波、光等の振動エネルギーの場を設けて、そのエ
ネルギーを吸収、整流してカードに内蔵された電子回路
を駆動する直流電力源とし、この場の交流成分の周波数
をそのまま用いるか、或いは逓倍や分周して識別信号と
し、この識別信号をアンテナコイルやコンデンサ等の結
合器を介してデータを半導体素子の情報処理回路に伝送
するものである。
とした非接触ICカードの多くは、電池とCPU(Cent
ral Processing Unit 、中央処理装置)を搭載しないハ
ードロジックの無線認証(Radio Frequency IDentifica
tion; 以下ではこれを単にRF−IDと呼ぶ)であ
り、この非接触ICカードの出現によって、従来の磁気
カードに比較して偽造や改竄に対する安全性が高まると
ともに、ゲート通過に際してそのカードの携帯者は、ゲ
ート装置に取り付けられた読み書き装置のアンテナ部に
接近させるか、又は携帯したカードを読み書き装置のア
ンテナ部に触れるだけでよく、そのカードを敢えてケー
スやカバンあるいはポケットから取り出して読み書き装
置のスロットに挿入するというデータ交信のための煩雑
さは軽減された。
ドで対応することを目的として、前者のような外部端子
を持つ接触型の機能と、後者のような無線通信によって
データ交信する非接触型の機能との双方を有する複合型
のICカードが考案されている。接触型のCPU処理と
いう高いセキュリティー性と非接触型の利便性という双
方の利点を結合したものである。尚、本明細書中では、
このようなICカード全般のことを、特に複合ICカー
ドと称している。
うにして製作される。エッチングによって形成された非
接触伝達用の金属箔のアンテナコイルがICモジュール
の嵌合孔を明けられたシートと基材によって挟み込ま
れ、ラミネートされてカード本体が製作される。このと
き、アンテナコイルとICモジュールとの接続のための
2つのアンテナ端子はカード本体の嵌合孔の内部で露出
している。ICモジュールの一方の面は外部機器との接
続のための金属の端子電極が形成されている。もう一方
の面にICが実装され、アンテナとの接続のための端子
が設けられる。この端子には導電性接着剤が塗布され
る。端子に導電性接着剤が塗布されたICモジュールの
その端子とカードのアンテナ端子とが重なり合うように
ICモジュールがカード本体の嵌合孔に据え付けられた
後、熱と圧力を加えてICモジュールの端子とアンテナ
端子とが結合されて実装を終了する。
が、ICモジュールとアンテナとの接続部の状態を確認
することは困難であって、また、もしそのカードに曲げ
応力等が加えられた場合にはそのことによって接続部が
破断する事が多く、従ってその接続信頼性が問題とな
る。加えて、機械的な応力により接続部の劣化が発生し
やすい。さらに、ICモジュールとアンテナとの接続の
ために導電性接着剤の塗布工程や熱圧着工程が必要とな
るので、従来の外部端子付きICカードの製造装置を使
用しにくく、新しく製造ラインを設置しなければならな
い。
Cモジュールとアンテナとの間の接続を不要とする従来
の技術の例としては、特開平7−239922号公報に
示されるものがある。これによれば、ICカード用IC
モジュールを用意する。このICモジュールは、ICチ
ップ、このICチップと電気的に接続されており外部機
器との間で情報及び/またはエネルギーの伝達を行う伝
達機構、そしてこれらのICチップ及び該伝達機構とを
支持する支持体、とからなっている。また、その伝達機
構は、コイルまたはアンテナのいずれかからなる非接触
型伝達機構、及び前記支持体表面に設けられた導体をパ
ターン化した複数の端子電極からなる接触型伝達機構、
の両方を備えた構成としている。そして、接触型と非接
触型との両方の方式に対応可能な機能をモジュール化し
て、そのICモジュールをプラスチックカード基体に嵌
合固定する、というものである。また、さらに前記の実
現手段として、非接触伝達のためのアンテナまたはコイ
ルのいずれかを端子電極の周囲に端子電極を囲むように
設けるか、あるいは逆に、アンテナまたはコイルを中心
に据えてアンテナまたはコイルの周囲に端子電極を設け
る、としている。
ジュール内に収納するということによって、最終工程で
あるところの、ICモジュールのカード基板への実装工
程でのアンテナコイルとICモジュールとの間の接続を
不必要としたものである。
ICモジュール内に収納する方法によったのでは、十分
なアンテナ面積が得られず、交信距離が数ミリメートル
以下のいわゆる密着結合の形態だけしか許されない。こ
れでは、非接触伝達機能を付加することによって享受で
きる恩恵が極めて小さい。接触型伝達機構に非接触伝達
機構を付与する効果は、数十ミリメートルから百ミリメ
ートル程度の距離、あるいはさらにそれを超えるほどの
距離だけ離れた所での交信が実現されることによって得
られるべきものであって、この領域においては、外部読
み書き装置のアンテナ部にカードをただ単に「かざす」
だけの動作によって交信が達成可能となる。そして、そ
うするためには例えばコイルの面積を大きくするとか、
あるいは巻数を多くすることが必要となってくる。
電極の周囲にプリントパターンによってアンテナコイル
を設ける方法の場合には、標準のICモジュールの面積
が12mm×12mm程度であるのでアンテナコイルの
大きさは上記の数値を超えることは許容されない。よっ
て、ICモジュール内で端子電極の外周部にコイルを配
置した場合には、プリントコイルを形成するとしても数
巻きしかとれないことになり、コイルの面積が小さいこ
とも影響して十分な電力を受信することができない。ま
た、導体パターンで実用的な巻数にするとエンボス領域
にかかってしまうことになる。
設ける配置の場合には、エンボス領域への侵犯が明白で
あり、外部端子付きICカードの規格であるISO78
16から大きく逸脱したものであって、これでは市場的
に受け入れられる可能性は極めて低い。
従来の技術がもつ問題点に着目してなされたものであ
り、ICモジュールと非接触伝達用のアンテナコイルと
の間の配線による接続が必要ないにも関わらず、十分な
交信距離を得ることが出来る受信感度を備え、しかも接
触型と非接触型との双方の伝達機構を実用的な動作状態
で維持することができる複合ICカードの非接触伝達用
アンテナ素子とICモジュールとを提供することを課題
とする。
に本発明が提供する手段は、すなわち、まず請求項1に
示すように、接触型と非接触型との双方の機能を備えた
複合ICカードであって、複合ICカードがICモジュ
ールと、該ICモジュールとの間に導体による接続を持
たない非接触伝達用アンテナ素子とを有し、該ICモジ
ュールは、接触型伝達機能と非接触型伝達機能との双方
の機能を備えたICチップ、接触型伝達素子である外部
端子を形成したモジュール基板、そして非接触伝達機構
の第1の結合コイルとから構成され、前記非接触伝達用
アンテナ素子は、外部読み取り装置との間で電力の受給
と信号の授受を行うアンテナと、該アンテナに接続され
た第2の結合コイルとを備え、前記第1の結合コイルと
第2の結合コイルとが、互いに密結合可能に配設され、
前記ICモジュールとアンテナとがトランス結合によっ
て非接触な結合が可能に構成された複合ICカードにお
いて、前記非接触伝達用アンテナ素子の第2の結合コイ
ルと、前記ICモジュールの第1の結合コイルとが、ほ
ぼ同一の面内に入れ子状に配置されてなることを特徴と
する複合ICカードである。
が、該ICモジュールの嵌合孔の外側輪郭よりも大きく
したことは、第1のコイルに発生された微小な電力を第
2のコイルにより効果的に伝達する事を目的としたもの
であって、カード側から外部読み取り機に信号を送信す
る場合、カードが受電した微弱な電力によってICチッ
プを駆動すると共に信号を送信しなければならないので
微弱な信号となるため第2の結合コイルは可能な限り大
きく取ることが好適である。
ルがモジュール基板のICチップと同一面に形成される
ことにより、第1のコイルとカード基材内に埋め込まれ
たアンテナ素子の第2の結合コイルとの間隙を小さくす
ることができるので双方の結合コイルの伝達効率を向上
できるとともに、外部端子の外形寸法より小さな領域に
第1の結合コイルを形成することが可能となることから
エンボス対応上も、非常に好ましい。
に、請求項1に記載の複合ICカードを基本構成として
おり、特に、前記第2の結合コイルの内側輪郭が、該I
Cモジュールの嵌合孔の外側輪郭よりも大きく、且つ前
記ICモジュールに配設された第1の結合コイルがモジ
ュール基板の裏面に形成されてなることを特徴とする複
合ICカードである。
の結合コイルと、複合ICモジュールの第1の結合コイ
ルとが、ほぼ同一の面内に入れ子状に配置したことは、
さらに第1の結合コイルと第2の結合コイルとの間の結
合度を向上させることを目的としたものであって、請求
項1に記載したICモジュールに配置された第1の結合
コイルがモジュール基板のICチップと同一面に形成し
たことにより、第1の結合コイルと第2の結合コイルと
をほぼ同一平面内に配置して両コイルの間隙を少なくす
ることができるので結合係数が高くとれる。
請求項1に記載の複合ICカードを基本構成としてお
り、特に、前記非接触伝達用アンテナ素子の第2の結合
コイルの内側が、前記ICモジュールの嵌合孔を兼ねて
なることを特徴とする複合ICカードである。
2の結合コイルの内側が、前記ICモジュールの嵌合孔
を兼ねていることは、従来の外部端子付きICカードの
ICモジュール嵌合孔加工設備をそのまま使用すること
を目的としたものであって、従来の外部端子付きICカ
ードのICモジュール嵌合孔の形状と同様であって、寸
法は同一であるか大きくとれば、特に好適である。
請求項1に記載の複合ICカードを基本構成としてお
り、特に、前記非接触伝達用アンテナ素子の第2の結合
コイルが、前記アンテナのループ外に設けられた非接触
伝達用のアンテナ素子を有することを特徴とする複合I
Cカードである。
2の結合コイルを、前記アンテナのループ外に設けたこ
とは、エンボス対応を目的としたものであって、第2の
結合コイルの外側輪郭とアンテナの外側輪郭がエンボス
領域を避けるように配置したものである。
子の第2の結合コイルをアンテナのループ外に設けるこ
とで、第2のコイルの外周にアンテナコイルが巻かれる
ことが無くなり、第2のコイルの外形をエンボス領域に
かからないようにするだけでよくエンボス領域へのアン
テナコイルのはみ出しを抑制できる。
に記載のICモジュールを基本構成としており、特に、
ICモジュールの前記第1の結合コイルが、巻線コイル
からなり、前記モジュール基板の裏面のICチップの周
囲に巻かれることで該ICモジュールの補強材も兼ねて
あることを特徴とする複合ICモジュールである。
のコイルをICチップの封止材周囲に巻き、ICモジュ
ールの補強材とすることで、機械的な応力に対してIC
モジュールの強度を向上させている。
イルが、巻線コイルからなり、前記モジュール基板の外
部端子形成面とは反対の面のICチップの周囲に巻かれ
ることは、ICモジュールの特別な補強材を不要とする
ことを目的としたものであって、巻線コイルが接着剤の
含浸等で強固に固められていれば特に好適である。
に記載のICモジュールを基本構成としており、特に、
ICモジュールの前記第1の結合コイルが、前記モジュ
ール基板の裏面に、ICチップの近傍に巻線コイルにて
トロイダル状に巻かれて形成されてあることを特徴とす
る複合ICモジュールである。
傍に巻線コイルにてトロイダル状に巻くことは、エンボ
ス領域への第2のコイルのはみ出しを押さえることを目
的としたものであって、第1のコイルはエンボス領域と
反対の位置に実装されることが好適である。
に記載のICモジュールを基本構成としており、特に、
ICモジュールの前記第1の結合コイルが、前記モジュ
ール基板の裏面に、ICチップの近傍にパターン化され
た導体により形成されてあることを特徴とする複合IC
モジュールである。
イルをICチップの近傍にパターン化された導体により
形成したことは、エンボス領域への第2のコイルのはみ
出しを押さえること及び第1のコイルの実装コスト削減
を目的としたものであって、第2のコイルとほぼ同一面
に形成されるのであれば特に好適である。
至4のいずれかの中に記載のICモジュールを基本構成
としており、特に、ICモジュールのICチップ実装面
をICチップおよび第1の結合コイルと共に樹脂封止し
たことを特徴とする複合ICモジュールである。
をICチップおよび第1の結合コイルと共に樹脂封止し
たことは、樹脂封止後に第1の結合コイルを取り付ける
ことによる樹脂成形の問題を解決するとともに強度の向
上を目的としたものであって、第1のコイル全体を封止
することが好ましい。
プ実装面をICチップおよび第1の結合コイルと共に樹
脂封止したことで、結合コイルの露出を防止することで
信頼性も向上させることができる。
達機構の基本構成と基本原理とについて図面を用いて説
明する。
説明する非接触結合回路の等価回路図である。図4にお
いて、非接触型の外部読み取り装置100の送受信回路
101には複合ICカード1の非接触伝達機構への電力
供給と情報の授受を行う電磁結合器である送受信コイル
102が接続されている。
は、外部読み取り装置100の送受信アンテナ102と
直接電磁的に結合され電力の受信と情報の授受に関与す
るアンテナコイル4と、アンテナコイル4の両端に接続
され並列共振回路を構成するコンデンサ15と、複合I
Cモジュール2に実装された複合ICチップ6とそれに
接続された第1の結合コイル8と、その第1の結合コイ
ル8にアンテナコイルで受信した信号を最大効率で伝送
するために並列共振回路のコンデンサ15の両端に接続
された第2の結合コイル3からなる。このとき、コンデ
ンサ15の接続は並列としたが、アンテナコイル4や第
2の結合コイル3の線間容量を増大させることにより省
略させることも可能である。また、アンテナコイル4と
第2の結合コイル3との間に直列に接続することも本発
明に含まれる。
ICカード1に電力および情報を伝達する場合につい
て、各コイルの結合を以下に説明する。外部読み書き装
置100の送受信回路101で発生された図示しない高
周波信号により、送受信コイル102に高周波磁界が誘
起される。この高周波信号は、磁気エネルギーとして空
間に放射される。
磁界中に位置すると、外部読み書き装置100の送受信
コイル102により発生された高周波磁界により、複合
ICカード1のアンテナコイル4とコンデンサ15で構
成する並列共振回路に電流を流す。このとき、複合IC
チップ6に直接接続された第1の結合コイル8と、前記
アンテナコイル4とコンデンサ15の共振回路に接続さ
れ第1の結合コイル8に電力伝送する第2の結合コイル
3にも高周波磁界による電流が誘起されるが、前記のア
ンテナコイル4に誘起される量に比べて一桁以上小さい
ので、受信感度はアンテナコイル4の特性に大きく依存
する。
回路で受信した信号は第2の結合コイル3に伝達され
る。その後、第2の結合コイル3と第1の結合コイル8
とが最大伝達効率を示す密結合配置で第2の結合コイル
3と第1の結合コイル8とのトランス結合によって、複
合ICチップ6に信号が伝達される。第2の結合コイル
3と第1の結合コイル8とのトランス結合の最大伝達効
率は回路定数の選択によって決定される。以上のように
して、受信特性の改善が達成される。
することによって第2の結合コイル3との結合係数が大
きくなり、複合ICチップ6に伝達されるエネルギーは
さらに増大する。しかしながら、現在の印刷配線板の製
造技術では0.1mmのパターン幅が限界でありプリン
トコイルではICカードのモジュール基面内に数十巻き
することは困難である。一方、絶縁皮膜を施した導線に
よってコイルを形成することは磁気ヘッド技術の進歩に
より、数十ミクロン径まで可能となっている。その技術
に着目して、本発明の複合ICモジュールとアンテナと
の結合コイルを絶縁皮膜を施した導線によって形成する
手段を考案するに至った。
ス型結合においては、コイル間の間隙をより少なくする
ことが伝達効率向上をもたらす。この実現のために、第
2の結合コイル3の内径を図示しないカード基板の複合
ICモジュール2の嵌合孔よりも大きくして、第1の結
合コイル8を第2の結合コイル3が取り巻き、ほぼ同一
平面内に配置するようにした。このとき、第2の結合コ
イル3の内部は前記嵌合孔を兼ねることになる。こうす
ることで、複合ICモジュール2の嵌合孔の下に第2の
結合コイル3が配置される場合に比較して、嵌合孔加工
の深さ精度が必要なくなり外部端子付きICカードの嵌
合孔加工設備がそのまま使用可能となる。
明する。
略構成図である。本発明にかかる複合ICカード1は、
本発明の複合ICモジュール2とシート状の樹脂の表面
にプリントコイルで形成した第2の結合コイル3とアン
テナコイル4とを持つアンテナ基板5を樹脂封止したカ
ード基板10からなる。
るパターン形成した端子電極7と、図示しない接触型イ
ンターフェースと非接触型インターフェースとを内蔵し
た複合ICチップ6と、複合ICチップ6の周囲、また
はモジュール基板9の周囲に絶縁皮膜を施した導線によ
って形成された非接触型伝達部の第1の結合コイル8、
そしてモジュール基板9からなる。複合ICチップ6は
モジュール基板9の端子電極7の形成面とは反対側の面
に実装される。複合ICチップ6とモジュール基板9の
端子電極7とはスルーホールで接続される。複合ICチ
ップ6と、端子電極7及び第1の結合コイル8とを接続
するモジュール基板9に形成された回路パターンとは半
田や導電性接着剤等を用いて熱溶着されて接続される。
この接続は、複合ICチップ6の回路形成面とモジュー
ル基板9とをワイヤボンドすることによっても実現され
うる。
装し、回路接続された後に、複合ICチップ6は図1
(b)に示す如く樹脂封止16され、その後、複合IC
チップ6の周囲、またはモジュール基板9の周囲に絶縁
皮膜導線を巻き第1の結合コイル8を形成し、その後
モジュール基板9の回路パターンと第1の結合コイル8
の端子とを接続して複合ICモジュール2が完成する。
図1(b)は第1の結合コイル8を複合ICチップ6の
樹脂封止16の周囲に巻線コイルを形成した場合につい
て示した。第1の結合コイル8の形成の準備として、樹
脂封止16の工程まで製作した複合ICモジュール2の
樹脂封止16の周囲を切削手段などにより巻線しやすく
なるように加工する。その後、図示しない巻線機によっ
て複合ICモジュール2の樹脂封止16の周囲に直接巻
線を施す。所定巻数終了後、図示しない第1の結合コイ
ル8の接続端子の絶縁皮膜を除去して、モジュール基板
9の図示しない所定の回路パターンに接続する。
容易にするように型を用いるなどして樹脂封止すること
により樹脂封止16の切削加工を省略できる。また、巻
線を複合ICチップ6の周囲に直接巻かずに、コイル巻
線機を用いて別工程で平面コイルを製作し、モジュール
基板9に接着して第1の結合コイル8とし、その後、I
Cチップ6と第1の結合コイル8とを覆い隠すように樹
脂封止16することも本発明に含まれる。本実施例で
は、製作されたコイルの断面形状を角丸の矩形とした
が、円形であってもよい形状に限定はない。
概略以下のようにして製作される。まず、図1(a)
(b)に示すように、樹脂基板にプリントコイルで第2
の結合コイル3とアンテナコイル4とコンデンサ15を
それぞれ別個の領域に形成したアンテナ基板5が準備さ
れる。図1(b)に示すように、アンテナ基板5の第2
の結合コイル3は複合ICモジュール2の嵌合孔11の
外形よりも外に形成され、最終的に、複合ICモジュー
ル2に実装された第1コイル8とほぼ同一平面に位置す
るように設定される。ここで、第2の結合コイル3とア
ンテナコイル4とは絶縁被覆した導線を巻いて形成して
もよい。
が使用されたが、その他にもポリカーボネート、PE
T、ポリイミドなども適用でき、材料は一種に固定され
るものではない。また、アンテナ基板5の基材の厚さは
50μmから300μmの範囲である。より好ましく
は、100μm程度である。
入してカード基板10を成形する。成形の際、第2の結
合コイル3が複合ICモジュール2の実装位置に重なる
ように位置決めされ配置される。射出成形によるカード
基板10の製作の後に複合ICモジュール2の嵌合孔1
1を形成する。最後に、カード基板10の複合ICモジ
ュール2の嵌合孔11に複合ICモジュール2を接着す
ることで複合ICカード1が完成する。カード基板10
の材料としては塩化ビニルを用いたが、その他、ポリカ
ーボネートなど十分なカードの特性が得られるもので有
ればすべて本発明に適用できる。図1(a)において、
カード基板10は表面と裏面に分離して描いてあるが、
本来、一体のものであり、図1(a)では、カード基板
に封入されるアンテナ基板5における結合コイルと嵌合
孔11との関係を明確に説明するために修飾されてい
る。
としたが、カード特性を維持する方法であればいずれも
本発明に適用可能であって、例えば、ラミネート方式、
接着剤充填方式であってもよい。また、ICモジュール
の嵌合孔11は、カード成形時に同時加工することも本
発明に含まれる。この場合には、アンテナ基板5に形成
された第2の結合コイル3の内部は、ICモジュールの
嵌合のために予めくり抜かれている。
結合コイル8を巻いた実施例である。この例では、複合
ICチップ6は、モジュール基板9の中心から一方の端
に偏心されて実装される。樹脂封止16までの工程が終
了した複合ICモジュール2に別途、図示しない巻線機
で製作した第1の結合コイル8をモジュール基板9に接
着し、第1の結合コイル8の図示しない接続端子がモジ
ュール基板9の図示しない所定の回路パターンに端子接
続して複合ICモジュール2が完成する。こうすること
で、樹脂封止部の周囲を第1コイル8の実装の為に加工
する行程が不要となる。第1コイル8の断面形状は角丸
の矩形としたが、円形や楕円形であってもよく形状にこ
だわるものではない。
るように第1の結合コイル8をモジュール基板9の複合
ICチップ6の実装面に導体のプリントパターンで形成
した実施例である。第1の結合コイル8は、モジュール
基板9の表面の外部端子と裏面の複合ICチップ6も接
続パターンと同時に形成されるのでモジュール基板9と
第1コイル8との接続が簡略化される。本実施例に於け
る第1の結合コイル8の断面形状は角丸の矩形とした
が、円形や楕円形であってもよく形状にこだわるもので
はない。
に於ける複合ICモジュールは、外部端子付きの接触型
とアンテナコイル等の非接触結合素子を持つ非接触型の
双方の方式に対応可能な機能を有しており、ICモジュ
ールとアンテナコイルとの間にトランス結合回路素子を
設けることで、ICモジュールとアンテナコイル間を電
気的に接続することなく電力の受給と信号の送受を行う
ように構成した。この複合ICカードにおいて、非接触
伝達用のアンテナ素子の第2の結合コイルの内径がIC
モジュールの嵌合孔の外形より大きくなるようにして、
ICモジュールに配置された第1の結合コイルがモジュ
ール基板の裏面に形成し、第1の結合コイルと第2の結
合コイルとをほぼ同一面に配置することで間隙を少なく
することができるので結合係数が高くとれる。
磁エネルギーを高い結合係数でトランス結合してICチ
ップに伝達できるようになった。このことにより、非接
触伝達機能の利点である外部読み書き装置のアンテナ近
傍にカードを「かざす」ことで通信可能な感度特性を一
層向上できるという効果がある。さらに、カードの受信
感度が大きくなることで通信距離の増大、及び/又は外
部読み書き装置の送信出力の抑制が実現できる。このこ
とは、電波法によって送信出力が規制されているため、
非接触伝達機能にとって好都合である。
2の結合コイルの内部がICモジュールの嵌合孔を兼ね
ている。こうすることで、複合ICモジュールの嵌合孔
の下に第2の結合コイルが配置される場合に比較して、
嵌合孔加工の深さ精度が必要なくなり、従来の外部端子
付きICカードのICモジュール嵌合孔加工設備をその
まま使用することができるとともに、ICモジュールと
カード基板に内蔵されたアンテナ回路との接続が不要で
あり、カードに曲げ応力などの機械的応力が加えられて
もICモジュールとアンテナ回路とが接続点を持たない
ために接続端子の破断などによって故障する危険が極め
て少ない。
の結合コイルをアンテナのループ外に設けることで、エ
ンボス領域へのアンテナコイルのはみ出しを抑制した。
更に、前記の複合ICモジュールの第1のコイルをIC
チップの封止材周囲にトロイダル状に巻き、ICモジュ
ールの補強材とすることで、機械的な応力に対してIC
モジュールの強度を向上させている。
用のアンテナコイルとの間の配線による接続が必要ない
にも関わらず、十分な交信距離を得ることが出来る受信
感度を備え、しかも接触型と非接触型との双方の伝達機
構を実用的な動作状態で維持することができる複合IC
カードとそれに好適に使用可能な複合ICモジュールと
を提供することが出来た。
の概略構成図である。
コイル実装の説明図である。
コイル実装の説明図である。
触結合回路の等価回路図である。
Claims (8)
- 【請求項1】接触型と非接触型との双方の機能を備えた
複合ICカードであって、 複合ICカードがICモジュールと、該ICモジュール
との間に導体による接続を持たない非接触伝達用アンテ
ナ素子とを有し、 該ICモジュールは、接触型伝達機能と非接触型伝達機
能との双方の機能を備えたICチップ、接触型伝達素子
である外部端子を形成したモジュール基板、そして非接
触伝達機構の第1の結合コイルとから構成され、 前記非接触伝達用アンテナ素子は、外部読み取り装置と
の間で電力の受給と信号の授受を行うアンテナと、該ア
ンテナに接続された第2の結合コイルとを備え、 前記第1の結合コイルと第2の結合コイルとが、互いに
密結合可能に配設され、前記ICモジュールとアンテナ
とがトランス結合によって非接触な結合が可能に構成さ
れた複合ICカードにおいて、 前記非接触伝達用アンテナ素子の第2の結合コイルと、
前記ICモジュールの第1の結合コイルとが、ほぼ同一
の面内に入れ子状に配置されてなることを特徴とする複
合ICカード。 - 【請求項2】該第2の結合コイルの内側輪郭が、該IC
モジュールの嵌合孔の外側輪郭よりも大きく、且つ前記
ICモジュールに配設された第1の結合コイルがモジュ
ール基板の裏面に形成されてなることを特徴とする請求
項1に記載の複合ICカード。 - 【請求項3】前記非接触伝達用アンテナ素子の第2の結
合コイルの内側が、前記ICモジュールの嵌合孔を兼ね
てなることを特徴とする請求項1に記載の複合ICカー
ド。 - 【請求項4】前記非接触伝達用アンテナ素子の第2の結
合コイルが、前記アンテナのループ外に設けられた非接
触伝達用のアンテナ素子を有することを特徴とする請求
項1に記載の複合ICカード。 - 【請求項5】請求項1に記載のICモジュールであっ
て、 該ICモジュールの前記第1の結合コイルが、巻線コイ
ルからなり、前記モジュール基板の裏面のICチップの
周囲に巻かれることで該ICモジュールの補強材も兼ね
てあることを特徴とする複合ICモジュール。 - 【請求項6】請求項1に記載のICモジュールであっ
て、 該ICモジュールの前記第1の結合コイルが、前記モジ
ュール基板の裏面に、ICチップの近傍に巻線コイルに
てトロイダル状に巻かれて形成されてあることを特徴と
する複合ICモジュール。 - 【請求項7】請求項1に記載のICモジュールであっ
て、 該ICモジュールの前記第1の結合コイルが、前記モジ
ュール基板の裏面に、ICチップの近傍にパターン化さ
れた導体により形成されてあることを特徴とする複合I
Cモジュール。 - 【請求項8】請求項1乃至4のいずれかに記載のICモ
ジュールであって、 該ICモジュールのICチップ実装面をICチップおよ
び第1の結合コイルと共に樹脂封止したことを特徴とす
る複合ICモジュール。
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