JPH11161763A - アンテナ回路を具備した非接触型カード媒体および製造方法 - Google Patents

アンテナ回路を具備した非接触型カード媒体および製造方法

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JPH11161763A
JPH11161763A JP32789697A JP32789697A JPH11161763A JP H11161763 A JPH11161763 A JP H11161763A JP 32789697 A JP32789697 A JP 32789697A JP 32789697 A JP32789697 A JP 32789697A JP H11161763 A JPH11161763 A JP H11161763A
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JP
Japan
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semiconductor integrated
integrated circuit
exposed
antenna circuit
circuit chip
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Yoshikuni Taniguchi
芳邦 谷口
Toshihiko Koike
敏彦 小池
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数が少なく、製造工程が簡素化され
た、アンテナ回路を具備する薄型非接触型カード媒体お
よび製造方法を提供する。 【解決手段】 非接触型カード媒体1に内蔵の半導体集
積回路チップ8は、その平坦面8aに外部電極として接
続端子10a、10bが設けられ、カード基体2内に、
平坦面8a及び接続端子10a、10bが露出された状
態で埋め込まれ、平坦面8aが周囲の、カード基体2の
露出面6と段差なく連なり、さらに平坦面8a上とカー
ド基体2の露出面6上に亘り、両面8a、6に直接に接
して導電性層(導電性インキや導電性箔)13からなる
アンテナ回路12が布設され、且つアンテナ回路12の
一部は接続端子10a、10b上に直接に接して布設さ
れることにより、電気的接続がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナ回路を具
備した非接触型カード媒体および製造方法に関し、とり
わけ内蔵するアンテナ回路がケース基体の面上ならびに
半導体集積回路チップ面上および接続端子上に直接布設
形成された非接触型カード媒体およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】非接触型カード媒体は、電子マネーとし
ての決済媒体、あるいはデータ記録媒体として需要拡大
が見込まれている新規の媒体であり、電子マネーサービ
スを提供する金融分野や、倉庫管理などの物流分野、入
退室管理システムで適用されるIDカード、バスの乗降
カードや鉄道改札カードなどの運輸交通分野、さらに娯
楽産業分野など、広範な産業分野においての適用が期待
されている。
【0003】このような非接触型カード媒体は、アンテ
ナ回路と半導体集積回路チップを具備し、半導体集積回
路チップにはデータ処理部と、メモリ部などが搭載され
る。
【0004】こうした非接触型カード媒体への駆動用電
力の供給は、離れた位置にあるカードリーダ・ライタか
ら電磁方式により非接触で遠隔供給を受ける外部供給方
式が主流となっている。さらに補助電源として、薄型電
池が搭載される構成のものもある。
【0005】カードリーダ・ライタからは、前記のよう
に駆動用電力が供給される他に、データ入出力、クロッ
ク供給が為される。
【0006】電力の外部供給については、受信電波や受
信磁気波のエネルギーを利用するものなど、数種類の原
理に基づくものが提案されており、そのうち例えば高周
波磁界(100kHz〜10MHz)によるインダクタ
ンス結合方式は、アンテナ回路としてプリントコイルな
どを具備して、カードリーダ・ライタから高周波磁界を
送り込み、アンテナ回路に生じる交流電流から駆動用電
力を得るものである。
【0007】内蔵するアンテナ回路の断面積、アンテナ
コイルの巻き数、供給される磁束分布に応じて、カード
リーダ・ライタとの離間距離としては1mm程度から、
数十cm程度までが実用化され、さらに数m以上の離間
距離も実用化の域にある。
【0008】また、使用する磁界の周波数がメガヘルツ
(MHz)オーダーであれば、非接触型カード媒体内の
半導体集積回路のクロックを、上記の電源から得ること
ができる。
【0009】つぎに、非接触型カード媒体へのデータ入
出力については、現在において利用に適するとされる離
間距離をDとして、静電容量結合(Dが数mm以内程
度)によるものや、100kHz〜500kHz程度の
中波(Dが数cmから数十cm程度)、1MHz〜20
MHz程度の短波(Dが数m以内程度)、2450MH
zに代表されるマイクロ波(Dが数m以上)を用いるも
のがある。
【0010】したがって、接触型カード媒体をカードリ
ーダ・ライタのスロットに挿入する構成であれば、静電
容量結合が適し、また非接触型カード媒体をカードリー
ダ・ライタの上に置き、あるいはカードリーダ・ライタ
の数十cm上をかざして通過するような構成であれば、
中波や短波の適用が好適となる。また、さらに長い到達
距離(遠隔距離)が要求される構成であれば、マイクロ
波が適している。
【0011】図12は、従来の非接触型カード媒体に組
み込まれる回路部の構成を説明するための斜視図であ
る。さらに図13は、従来の非接触型カード媒体の組み
立て状態を説明するための斜視図である。
【0012】両図に示されるような、アンテナ回路を具
備した非接触型カード媒体120は従来、アンテナ回路
106がアンテナ回路基板104に形成され、このアン
テナ回路基板104に設けられたアンテナ端子114、
114上に半導体集積回路チップ8を、異方性導電膜
(ACF)102を介してフリップチップ実装すること
によって、半導体集積回路チップ8の電極(図示されな
い)とアンテナ回路106のアンテナ端子114とを電
気的に接続し、このようにして半導体集積回路チップ8
が取付け接続されたアンテナ回路基板104を、カード
筐体を形成する上ケース126と下ケース122間に収
納している。
【0013】そしてこの場合、アンテナ回路106のパ
ターンを基板上に形成させるため、アンテナ回路基板1
04には配線基板、とりわけ両面プリント配線板が適用
されていた。
【0014】アンテナ回路106のパターンは通常、ア
ンテナ回路基板104である配線基板の片面に螺旋状に
形成される。このため、螺旋状回路の一方の端部は螺旋
の最外周にあり、他方の端部は螺旋の最内周に存する。
よって、これら両端部の接続端子をアンテナ回路基板1
04上に近接して設けるためには、これら両端部のいず
れか一方、たとえば螺旋最内周の端部を螺旋の外側に引
き出す必要がある。
【0015】そこで従来技術では、図12に示されるよ
うに、第一スルーホール108により螺旋最内周の端部
をアンテナ回路基板104の裏側に引き出し、さらにア
ンテナ回路基板104の裏面上に設けた接続パターン1
10により、この第一スルーホール108と、螺旋状回
路(アンテナ回路基板104のおもて面上に形成)の外
側に対応する位置に設けた第二スルーホール112と
を、アンテナ回路基板104のの裏面上で接続し、さら
にアンテナ回路基板104のおもて面上に設けたアンテ
ナ端子114と、この第二スルーホール112とを接続
パターン113により接続する構成となっていた。
【0016】さらに、図12に示されるように、前記の
ようにしてアンテナ回路基板104のおもて面上に近接
して設けた二個のアンテナ端子114、114上に、た
とえば異方性導電膜102を介して半導体集積回路チッ
プ8を載せ、半導体集積回路チップ8の二個の接続ラン
ドと二個のアンテナ端子114、114とを電気的に接
続していた。
【0017】ついで、図13に示されるように、前記の
ように形成された、半導体集積回路チップ8が搭載され
たアンテナ回路基板104を、カード筐体を構成する上
ケース126と下ケース122で挟み込んで接着し、非
接触型カード媒体120としていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来の構成によると、アンテナ回路基板として両
面プリント配線板を用いるため、高コストになるという
欠点があった。
【0019】さらに、製造工程として、両面プリント配
線板にアンテナパターンおよび裏面のパターンを形成さ
せる工程と、このアンテナ回路基板に半導体集積回路チ
ップを異方性導電膜を用いて接着搭載させる工程と、こ
れらに加えて、半導体集積回路チップが接着搭載された
アンテナ回路基板を挟んで両ケースを接着させる工程と
が必要になり、このため製造工程が増えることにより製
造コストが高くなるという問題があった。
【0020】しかも、異方性導電膜を用いるため部品点
数が増加し、部品コストの削減に支障をきたすという問
題もあった。
【0021】さらに、図13に示されるように、半導体
集積回路チップ8が搭載されたアンテナ回路基板104
を上ケース126と下ケース122で挟み込んで接着合
体させる際に、半導体集積回路チップ8とアンテナ回路
基板104の高さが一致しない結果として生じる空隙を
埋めるため、厚さ調整材124としてスペーサや充填材
を用いる必要があり、あるいは厚み調整のための工程と
して例えば、半導体集積回路チップやアンテナを搭載し
た基板とケースとの間に樹脂を射出ののち圧縮加工する
工程などが追加されることになり、この結果として工数
や加工コストがさらに嵩むという欠点があった。
【0022】本発明は、前記のような従来技術における
問題点を解決するためなされたもので、部品点数が少な
く、且つ製造工程の簡素化が可能な、アンテナ回路を具
備した薄型の非接触型カード媒体および製造方法を提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記従来技術の有する課
題を解決するため、本発明に係る非接触型カード媒体
は、カード基体を備える筐体内に半導体集積回路チップ
を内蔵して、外部の送受信機と電磁波または静電容量結
合の少なくとも一方により電力供給あるいはデータ授受
の少なくとも一方を行う非接触型カード媒体であって、
前記半導体集積回路チップは、その備える平坦な表面に
接続端子が設けられており、前記半導体集積回路チップ
は前記カード基体内に、前記平坦な表面及び接続端子が
露出された状態で埋め込まれ、かつ前記半導体集積回路
チップの露出された平坦な表面が周囲の、前記カード基
体の露出面と段差なく連なり、さらに前記半導体集積回
路チップの露出された平坦な表面上と前記カード基体の
露出面上に亘り前記両面に直接に接して導電性層からな
るアンテナ回路が布設され、かつ前記アンテナ回路の一
部は前記接続端子上に直接に接して布設されることによ
り電気的接続がなされたことを特徴とする。
【0024】前記の構成によれば、半導体集積回路チッ
プの平坦な表面上ならびにカード基体の露出面上に直
接、アンテナ回路が布設されることにより、従来必要と
された補助基板が削除され、非接触型カード媒体が薄型
になる。
【0025】また、半導体集積回路チップがカード基体
に埋め込まれる構成により、空間の利用効率が向上し、
従来必要とされた厚み調整のための部材が省略されて、
非接触型カード媒体がさらに薄型になる。
【0026】さらに、半導体集積回路チップの接続端子
上に直接、導電性層からなるアンテナ回路が布設される
ことにより、アンテナ回路と接続端子とが低抵抗で導通
されて、電気的特性が向上する。
【0027】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体として、前記のアンテナ回路を構成する導電性層が導
電性インキあるいは導電性塗料による印刷パターンとし
て設けられる場合は、アンテナ回路が所望の厚みのパタ
ーンに印刷されることで、薄型の非接触型カード媒体が
実現され、しかも電気的特性が向上する。
【0028】また、本発明に係る非接触型カード媒体と
して、前記のアンテナ回路を構成する導電性層が箔押し
加工による導電性箔として設けられる場合は、箔膜に調
整が可能な種々の導電材料の使用が可能になる。
【0029】さらに、導電性箔として所望の電磁気特性
または静電容量特性、および所望の材質と厚みの箔が選
択されることで、アンテナ回路が所望の電磁気特性また
は静電容量特性、さらに所望の材質と厚みに構成され
る。
【0030】さらに、形成されるアンテナ回路は箔押し
加工による導電性箔で構成されるから、非接触型カード
媒体の使用時などで例えばカード媒体が曲げられること
により、半導体集積回路チップの平坦面と、周辺のカー
ド基体露出面とに若干の段差が生じても、導電性箔の有
する展性により、パターンが切れることなく、この発生
した段差への追随がなされ、よって途切れの発生がない
連続したパターンのアンテナ回路が可能になる。
【0031】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体は、カード基体とカードカバーから成る筐体内に半導
体集積回路チップを内蔵して、外部の送受信機と電磁波
または静電容量結合の少なくとも一方により電力供給あ
るいはデータ授受の少なくとも一方を行う非接触型カー
ド媒体であって、前記半導体集積回路チップは、半導体
デバイスを内蔵するデバイス部と、平坦な表面に接続端
子が露出された接続部とに領域分けされ、かつ前記デバ
イス部と前記接続部とは重畳しない構成であり、前記半
導体集積回路チップは前記カード基体内に、少なくとも
前記接続部が露出された状態で埋め込まれ、かつ前記接
続部の露出された平坦面が周囲の、前記カード基体の露
出面と段差なく連なり、さらに前記接続部の露出された
平坦面上と前記カード基体の露出面上に亘り前記両面に
直接に接して導電性層からなるアンテナ回路が布設さ
れ、かつ前記アンテナ回路の一部は前記接続部の前記接
続端子上に直接に接して布設されることにより電気的接
続がなされ、前記半導体集積回路チップと、前記カード
基体の露出面と、前記アンテナ回路とを覆って、前記カ
ードカバーが覆設されたことを特徴とする。
【0032】前記の構成によれば、半導体集積回路チッ
プが内蔵されたデバイス部を避けて、露出された接続部
の平坦面ならびにカード基体の露出面上に直接、アンテ
ナ回路が布設されることにより、従来必要とされたアン
テナ回路支持部材が必要なくなり、薄型の非接触型カー
ド媒体が実現される。
【0033】また、半導体集積回路チップをカード基体
に埋め込む構成とすることにより、空間の利用効率が向
上し、従来必要とされた厚み調整のための部材が省略さ
れて、さらに厚みの薄い非接触型カード媒体が実現され
る。
【0034】さらに、半導体集積回路チップの接続部の
接続端子上に直接、導電性層からなるアンテナ回路が布
設されることにより、アンテナ回路と接続端子とが低抵
抗で導通され、電気的特性が改善される。
【0035】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体として、請求項4記載のものにおいて、前記アンテナ
回路を構成する導電性層が導電性インキによる印刷パタ
ーンとして設けられる場合は、所望の厚みのアンテナ回
路が形成され、よって非接触型カード媒体の厚みが薄く
なるとともに、電気的特性が改善される。
【0036】また、本発明に係る非接触型カード媒体と
して、請求項4記載のものにおいて、前記アンテナ回路
を構成する導電性層が箔押し加工による導電性箔として
設けられる場合は、箔膜に調整が可能な種々の導電材料
の使用が可能になる。さらに、導電性箔として所望の電
磁気特性または静電容量特性、および所望の材質と厚み
の箔が選択されることで、アンテナ回路が所望の電磁気
特性または静電容量特性、さらに所望の材質と厚みに構
成される。
【0037】さらに、形成されるアンテナ回路は箔押し
加工による導電性箔で構成されるから、非接触型カード
媒体の使用時などで例えばカード媒体が曲げられること
により、半導体集積回路チップの接続部の平坦面と、周
辺のカード基体露出面とに若干の段差が生じても、導電
性箔の有する展性により、パターンが切れることなく、
この発生した段差への追随がなされ、よって途切れの発
生がない連続したパターンのアンテナ回路が可能にな
る。
【0038】本発明に係る非接触型カード媒体の製造方
法は、カード基体を具備して成るカード筐体内に、半導
体集積回路チップとアンテナを内蔵して、外部の送受信
機と電磁波または静電容量結合の少なくとも一方により
電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一方を行う非
接触型カード媒体であって、前記半導体集積回路チップ
を埋設可能な凹部が設けられた前記カード基体の前記凹
部に、平坦面を有して該平坦面上に接続端子が設けられ
た前記半導体集積回路チップを、前記平坦面及び接続端
子を露出させ、且つ前記平坦面が周囲の、前記カード基
体の露出面と段差なく連なるようにして埋設嵌着させる
工程と、前記半導体集積回路チップの露出された前記平
坦面上と前記カード基体の前記露出面上に亘り前記両面
に直接に接して、且つ前記接続端子上に直接に接して、
導電性層からなるアンテナ回路を布設する工程と、前記
半導体集積回路チップの露出された前記平坦面と、前記
カード基体の前記露出面と、前記アンテナ回路とを、被
覆材により覆う工程とを備えることを特徴とする。
【0039】前記の方法によれば、カード基体の凹部へ
の半導体集積回路チップの埋設によって空間利用率が向
上し、また半導体集積回路チップの平坦面とカード基体
の露出面とを段差なく連ねることで一連の平坦な面の形
成がなされ、この一連の平坦な面上へのアンテナ回路の
布設が容易になる。
【0040】また、段差なく平坦にできることで、段差
のある場合に必要とされた段差調整用の工程が省略さ
れ、工数削減されるとともに、段差調整用の部材が削減
される。
【0041】ついで、前記の一連の平坦な面上への直接
のアンテナ回路布設により、アンテナ回路の支持用の部
材が削減され、且つ工数が削減される。
【0042】しかも、アンテナ回路が接続端子に直接に
接して布設されることにより、アンテナ回路と接続端子
とが直接重なって電気的導通がなされ、導電性の接合材
などの使用が不要になり、アンテナ回路と接続端子との
電気的な接続が少ない工数でなされる。
【0043】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体の製造方法として、請求項7記載のものにおいて、前
記アンテナ回路を構成する導電性層の布設工程が導電性
インキによる印刷工程である場合は、印刷のみによって
アンテナパターンの形成が容易になされ、アンテナ回路
を所望の厚みに製造することが容易になる。
【0044】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体の製造方法として、請求項7記載のものにおいて、前
記アンテナ回路を構成する導電性層の布設工程が、導電
性箔による箔押し加工である場合は、箔膜に調整が可能
な種々の導電材料を用いた製造が可能になる。
【0045】さらに、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔に対しても、同じ箔押し加工工程により対処で
きるから、選択された任意の材質と厚みの導電性箔の加
工が容易になされ、よって所望の電磁気的特性または静
電容量特性、および所望の厚みのアンテナ回路の製造が
可能になる。
【0046】さらに、箔押し加工による導電性箔で形成
されるアンテナ回路は、製造途中での何等かの原因で半
導体集積回路チップの平坦面と、周辺のカード基体露出
面とに若干の段差が生じても、導電性箔の有する展性に
よりパターンが切れにくいゆえ、この発生した段差に追
随でき、よって途切れ発生がない連続したパターンのア
ンテナ回路の形成が可能になる。
【0047】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体の製造方法は、カード基体を具備して成るカード筐体
内に、半導体集積回路チップとアンテナを内蔵して、外
部の送受信機と電磁波または静電容量結合の少なくとも
一方により電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一
方を行い、且つ前記半導体集積回路チップは、半導体集
積回路を内蔵するデバイス部と、平坦面に接続端子が露
出された接続部とに領域分けされ、かつ前記デバイス部
と前記接続部とは重畳しない構成である、非接触型カー
ド媒体の製造方法であって、前記半導体集積回路チップ
を埋設可能な凹部が設けられた前記カード基体の前記凹
部に、前記半導体集積回路チップを、少なくとも前記接
続部が露出し、且つ前記接続部の前記平坦面が周囲の、
前記カード基体の露出面と段差なく連なるようにして埋
設嵌着させる工程と、前記接続部の前記平坦面上と前記
カード基体の前記露出面上に亘り前記両面に直接に接し
て、且つ前記接続端子上に直接に接して、導電性層から
なるアンテナ回路を布設する工程と、前記半導体集積回
路チップと、前記カード基体の前記露出面と、前記アン
テナ回路とを、被覆材により覆う工程とを備える製造方
法であってもよい。
【0048】前記の方法によれば、カード基体の凹部に
半導体集積回路チップが埋設されることで空間利用率が
向上し、また接続部の平坦面とカード基体の露出面とを
段差なく連ねることで一連の平坦な面の形成がなされ、
従ってこの一連の平坦な面上へのアンテナ回路の布設が
容易になる。
【0049】また、段差なく平坦になることにより、段
差のある場合に必要とされた段差調整用の工程が省略さ
れて工数削減がなされるとともに、段差調整用の部材の
削減がなされて製造コスト低減がなされる。
【0050】ついで、前記の一連の平坦な面上への直接
のアンテナ回路布設により、アンテナ回路の支持用の部
材が削減され、且つ工数が削減される。
【0051】しかも、アンテナ回路が接続部の接続端子
に直接に接して布設されることにより、アンテナ回路と
接続端子とが直接重なって電気的導通がなされ、導電性
の接合材などの使用が不要になり、アンテナ回路と接続
端子との電気的な接続が少ない工数でなされる。
【0052】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体の製造方法として、請求項10記載のものにおいて、
前記アンテナ回路を構成する導電性層の布設工程が、導
電性インキあるいは導電性塗料による印刷工程である場
合は、印刷のみによってアンテナパターンの形成が容易
になされ、アンテナ回路を所望の厚みに製造することが
容易になる。
【0053】あるいは、本発明に係る非接触型カード媒
体の製造方法として、請求項10記載のものにおいて、
前記アンテナ回路を構成する導電性層の布設工程が、導
電性箔による箔押し加工である場合は、箔膜に調整が可
能な種々の導電材料を用いた製造が可能になる。
【0054】さらに、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔に対しても、同じ箔押し加工工程により対処で
きるから、選択された任意の材質と厚みの導電性箔の加
工が容易になされ、よって所望の電磁気的特性または静
電容量特性、および所望の厚みのアンテナ回路の製造が
可能になる。
【0055】さらに、箔押し加工による導電性箔で形成
されるアンテナ回路は、製造途中での何等かの原因で半
導体集積回路チップの平坦面と、周辺のカード基体露出
面とに若干の段差が生じても、導電性箔の有する展性に
よりパターンが切れにくいゆえ、この発生した段差に追
随でき、よって途切れ発生がない連続したパターンのア
ンテナ回路の形成が可能になる。
【0056】つぎに、本発明に係る半導体集積回路チッ
プは、接続端子が露出されたチップであって、半導体集
積回路を内蔵するデバイス部と、平坦な表面に前記接続
端子が露出された接続部とに領域分けされ、前記半導体
集積回路と前記接続端子が接続手段により電気的に接続
され、且つ前記デバイス部と前記接続部とは重畳しない
構成であることを特徴とする。
【0057】前記の構成の半導体集積回路チップによれ
ば、接続部には接続端子と接続手段が設けられ、半導体
集積回路が設けられていないため、圧縮など外力に対す
る強度を大にでき、したがってデバイス部に外力をかけ
ることなく、接続部に箔押しやインパクト印刷による加
工がなされる。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べ
る実施形態は、この発明の本質的な構成と作用を示すた
めの好適な例の一部であり、したがって技術構成上好ま
しい種々の限定が付されている場合があるが、この発明
の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限定する
旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものでは
ない。
【0059】図1は、本発明に係る非接触型カード媒体
の一実施形態における構成を示す分解斜視図である。図
2は、図1に示されたカード基体の上面図であり、また
図3は、その断面側面図である。さらに図4は、図2に
示されたカード基体に半導体集積回路チップが搭載され
た状態の断面側面図である。
【0060】図1に示されるように、本発明に係る非接
触型カード媒体1は、カード基体2とカードカバー18
から成る筐体内に、半導体集積回路チップ8とアンテナ
回路12を内蔵し、図示されない外部の送受信機と電磁
波または静電容量結合の少なくとも一方により電力供給
あるいはデータ授受の少なくとも一方を行う。
【0061】カード基体2は、図2及び図3に示される
ように、その表面に凹部4を備える。凹部4は直方体状
に開口され、その間口寸法は、半導体集積回路チップ8
とほぼ同寸であり、半導体集積回路チップ8を圧入する
ことができる。
【0062】さらに、凹部4の表面からの深さは、凹部
4の底面に塗布される接着層11の厚さと、半導体集積
回路チップ8の厚みとの和に等しくなるように構成され
ているものとする。
【0063】一方、半導体集積回路チップ8は直方体形
状で、平坦な表面すなわち平坦面8aに少なくとも二個
の接続端子10a、10bが露出して、位置をずらせて
設けられている。接続端子10a、10bは金メッキが
施された電極である。
【0064】この半導体集積回路チップ8は、図4に示
されるように、底面に接着層11が塗布された凹部4
に、平坦面8および二個の接続端子10a、10bが露
出するように圧入され、嵌め込まれて、下端面が接着層
11により凹部4の底面に接着固定されている。
【0065】ここで、半導体集積回路チップ8の露出さ
れた平坦面8aは、周囲の、カード基体2の周辺露出面
6と等しい高さにあるように構成され、よって平坦面8
aと周辺露出面6とは段差なく連なっている。
【0066】さらに、これら連なった平坦面8aと周辺
露出面6に亘り、両面に直接に接して、導電性層13か
らなる螺旋状のアンテナ回路12が布設されている。ア
ンテナ回路12の螺旋外端は、半導体集積回路チップ8
の露出された一個の接続端子10a上に直接に接して布
設され、これによりアンテナ回路12の外端は接続端子
10aとで接合部14aを形成している。
【0067】すなわち、接続端子10a上に直接に接し
てアンテナ回路12が布設されることにより、電気的接
続がなされている。
【0068】アンテナ回路12はその内端に向かい螺旋
を周辺露出面6に形成しつつ、周辺露出面6と半導体集
積回路チップ8の平坦面8aとの境界を複数回横切り、
しかも連続して螺旋を形成し、螺旋内端に至る。螺旋内
端は、半導体集積回路チップ8の露出された別の一個の
接続端子10b上に直接に接して布設され、これにより
アンテナ回路12の内端は接続端子10bとで接合部1
4bを形成している。
【0069】このように、半導体集積回路チップ8の平
坦面8a上ならびにカード基体2の周辺露出面6上に直
接、アンテナ回路12を布設することにより、従来構成
において適用されていたアンテナ基板を削除することが
でき、このようにして薄型の非接触型カード媒体を、し
かも低材料コストおよび低製造コストで実現できる。
【0070】また、半導体集積回路チップ8をカード基
体2に埋め込むことにより、無駄な空間の形成を排除で
きて空間利用効率が向上し、従来構成において必要であ
った厚み調整のための部材を省略することが可能にな
る。この構成により、さらに厚みの薄い非接触型カード
媒体を低材料コストおよび低製造コストで実現できる。
【0071】さらに、半導体集積回路チップ8の接続端
子10a、10b上に直接、導電性層13からなるアン
テナ回路12を布設することによって、アンテナ回路1
2と接続端子10a、10bとを低抵抗で導通できるか
ら、従来構成のように異方性導電フィルムを用いて導通
が為されていた場合に比して、電気的特性を向上させる
ことができる。
【0072】さらに同時に、異方性導電フィルムを省略
することにより、非接触型カード媒体1の材料コストお
よび製造コストを削減することができる。
【0073】アンテナ回路12を構成する導電性層13
は、導電性インキあるいは導電性塗料による印刷パター
ンとして設けることができる。導電性インキあるいは導
電性塗料の印刷によるパターン形成によって、アンテナ
回路12を容易に所望の厚みに構成でき、よって所望の
特性のアンテナ回路12を内蔵させることが可能とな
る。
【0074】なお導電性インキあるいは導電性塗料とし
ては例えば、銀ペースト等の適用が好ましい。
【0075】あるいは、アンテナ回路12を構成する導
電性層13を、導電性箔の箔押し加工で設けることも可
能である。この箔押し加工による導電性箔として、導電
性インキあるいは導電性塗料としては調整が難しいが箔
膜としては材料調整が可能な導電材料を使用する。
【0076】ここで、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔を選択することで、任意の材質と厚みのアンテ
ナ回路12にでき、よってアンテナ回路12を所望の電
磁気的特性または静電容量特性を備えるものにできる。
【0077】さらに、箔押し加工による導電性箔でアン
テナ回路12を形成すると、導電性箔は展性を有するか
ら、非接触型カード媒体1の使用中に例えばカード媒体
1が曲げられることにより、半導体集積回路チップ8の
平坦面8aと、カード基体2の周辺露出面6とに若干の
段差が一時的に生じることがあっても、アンテナ回路1
2のパターンが切れることなく、この発生した段差に追
随することができる。この結果、耐機械的変形にすぐれ
たアンテナ回路12を内蔵することが可能になる。
【0078】このように、機械的特性と電気的特性を備
える導電性箔を選択して用いることにより、所望の特性
の非接触型カード媒体を実現できる。
【0079】また、図1に示されるように、半導体集積
回路チップ8の露出された平坦面8aと、カード基体2
の周辺露出面6と、アンテナ回路12とを覆う、カード
カバー18が覆設されることが好ましい。図示されてい
る本実施形態では、被覆板によるカードカバー18が用
いられ、これが貼付されるが、この構成に限定されず、
耐候性を有するコーティング材によるコート層の形成に
よって被覆する構成や、カバー殻(上カバー)を嵌合す
る等の構成も可能である。
【0080】上記のように、本実施形態によれば、アン
テナ回路12を備えた薄型の非接触型カード媒体1の提
供が可能になり、且つ、この非接触型カード媒体1は、
内蔵のアンテナ回路12をはじめ、処理回路や周辺回路
を電磁波または静電容量結合の少なくとも一方に適合可
能に構成することによって、外部の送受信機と電力供給
あるいはデータ授受の少なくとも一方を行うことが可能
なものとすることができる。
【0081】つぎに図5は、本発明に係る非接触型カー
ド媒体の製造方法の一実施形態における一工程の説明図
である。図6は、図5に示された製造工程に続く次の工
程の説明図である。図7は、図6に示された製造工程に
続く次の工程の説明図である。図8は、前記各工程を経
て完成された非接触型カード媒体を示す斜視図である。
そして図9は、本発明に係る非接触型カード媒体の製造
方法の一実施形態における全工程の流れ図である。
【0082】図9に示されるように、本実施形態に係る
非接触型カード媒体の製造方法では、最初の工程とし
て、半導体集積回路チップを埋設可能な凹部が設けられ
たカード基体を移載する(図中の工程P1)。ここでカ
ード基体は、例えばモールド成形されたもので、材質は
例えばチタン酸カリウム含有のABS樹脂が適用され
る。カード基体は裏面が高速カラー印刷済みとする。
【0083】移載されたカード基体の、凹部の底面に接
着材が塗布される(工程P2)。接着材はたとえば、シ
アノアクリレート系の接着材が適用される。
【0084】ついで、この凹部内に、ICチップ装着機
により半導体集積回路チップを埋設嵌着させる(工程P
3)。ここで、半導体集積回路チップは平坦面を有し、
この平坦面上に接続端子(チップ電極)が設けられ、接
続端子は金メッキされているものであり、この平坦面及
び接続端子を露出させ、且つ平坦面が周囲の、カード基
体の露出面と段差なく連なるようにして埋設嵌着させる
ものとする。
【0085】このようにして、図5に示されるように、
凹部24に半導体集積回路チップ8が搭載された、外縁
に耳部23を有するカード基体22が準備される。耳部
23の厚みはt1、耳部23よりも内側の平坦面の厚み
はt2で、これらの差が後述する被覆材38の厚みに対
応している。
【0086】ついで、このカード基体22に対し、印刷
機を用いてアンテナ回路を、半導体集積回路チップ8の
露出された平坦面上とカード基体22の露出面上に亘
り、両面に直接に、且つ接続端子10の上に直接に、銀
ペースト(導電性インキ)による導電性層として印刷す
る(工程P4)。
【0087】このようにして、図6に示されるようなア
ンテナ回路32が、耳部23よりも内側の平坦面に布設
される。
【0088】ついで、このカード基体22はキュア炉に
送られ、銀ペーストの定着がなされ(工程P5)、この
後、回路(画像)チェッカーによりアンテナ回路32が
検査される(工程P6)。以上の工程により、カード基
体22側の加工が完了する。
【0089】ついで、半導体集積回路チップ8の露出さ
れた平坦面と、カード基体22の露出面と、アンテナ回
路32とを、被覆材により覆う工程に移る。
【0090】被覆材は、切り離されていない連続した状
態のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム3
4のロールとして準備されており、すでにラベル情報等
が印刷済みとなっている。
【0091】このPETフィルム34が、供給機40に
より供給され、PET貼り付け機により、図7に示され
るように、一枚づつの被覆材38として分離されるとと
もに、この被覆材38がカード基体22の耳部23より
も内側を覆うように、接着材で貼り付けられる(工程P
7)。
【0092】このようにして被覆材38で封じられたカ
ード基体22は、動作検査機により動作テストがなされ
(工程P8)、反り検査機によって機械的強度がテスト
され(工程P9)、最後にシリアル印字が為されて(工
程P10)、図8に示されるような非接触型カード媒体
20として完成する。
【0093】前記から明らかなように、従来の製造方法
では、厚み調整のための工程として、半導体集積回路チ
ップやアンテナを搭載した基板とケースとの間に樹脂を
射出ののち圧縮加工する工程などが追加されることによ
って、工数や加工コストがさらに嵩むという欠点があっ
たが、本発明の製造方法によれば、半導体集積回路チッ
プをカード基体に埋め込むことにより、従来構成におい
て必要とされた厚み調整工程を割愛することができ、こ
のような工数や加工コスト削減によって、低コストで非
接触型カード媒体を製造することが可能になる。
【0094】また前記実施形態では、アンテナ回路を構
成する導電性層の布設工程として導電性インキによる塗
布が採用されたが、これ以外にも、導電性箔による箔押
し加工でアンテナ回路を構成することも可能である。
【0095】つぎに、図10は、本発明に係る半導体集
積回路チップの一実施形態の模式斜視図である。同図に
示されるように、本発明に係る半導体集積回路チップ5
0は、薄型の直方体形状であり、半導体集積回路53を
内蔵するデバイス部51と、平坦面52aに接続端子5
4が露出された接続部52とに領域分けされる。
【0096】デバイス部51に内蔵される半導体集積回
路53は、CPUやメモリ、さらにはインタフェース回
路や電源回路を含むものであり、接続部52の接続端子
54a、54bとそれぞれ接続手段55a、55bによ
り電気的に接続されている。
【0097】接続手段55a、55bは、比較的厚みが
ある回路パターンや、あるいは偏平な電線などにより形
成される。そしてデバイス部51と接続部52とは平面
上に重ならないよう、しかも隣接して設けられている。
【0098】このように、デバイス部51の回路密度は
高いが、一方、接続部52内には接続手段55a、55
bとしての接続線が設けられるのみであるから、接続部
52の回路密度は低い。したがって、接続部52の耐衝
撃性は高くなっており、たとえば接続部52に印刷ロー
ラや箔押し金型による押圧力が加わっても、接続部52
が損傷を受けることがない。
【0099】したがって、接続部52に印刷や箔押し加
工を施すことにより、アンテナ回路などを、半導体集積
回路53に影響を与えることなく、しかも容易に形成さ
せることが可能になる。
【0100】図11は、本発明に係る非接触型カード媒
体の他の実施形態における構成を示す部分切欠き平面図
である。同図に示されるように、本実施形態に係る非接
触型カード媒体60は、カード基体58に、前記図10
で示された構成の半導体集積回路チップ50とアンテナ
回路56を内蔵し、図示されない外部の送受信機と電磁
波または静電容量結合の少なくとも一方により電力供給
あるいはデータ授受の少なくとも一方を行う。
【0101】カード基体58は、その表面に凹部58b
を備える。凹部58bは直方体状に開口され、その間口
寸法は、半導体集積回路チップ50とほぼ同寸であり、
半導体集積回路チップ50全体を圧入することができ
る。
【0102】さらに、凹部58bの表面からの深さは、
凹部58bの底面に塗布される接着層(図示されない)
の厚さと、半導体集積回路チップ50の厚みとの和に等
しくなるように構成されているものとする。
【0103】一方、直方体形状の半導体集積回路チップ
50の接続部52には、平坦面52aに少なくとも二個
の接続端子54a、54bが露出して、位置をずらせて
設けられている。接続端子54a、54bは金メッキが
施された電極である。
【0104】この半導体集積回路チップ50は、底面に
接着層が塗布された凹部58bに、接続部52の平坦面
52aおよび二個の接続端子54a、54bが露出する
ように圧入され、嵌め込まれて、下端面が接着層により
凹部58bの底面に接着固定されている。
【0105】ここで、半導体集積回路チップ50の接続
部52の露出された平坦面52aは、周囲の、カード基
体58の露出面58aと等しい高さにあるように構成さ
れ、よって平坦面52aと周辺の露出面58aとは段差
なく連なっている。
【0106】さらに、これら連なった平坦面52aと周
辺の露出面58aに亘り、両面に直接に接して、導電性
箔57からなる螺旋状のアンテナ回路56が布設されて
いる。アンテナ回路56の螺旋外端は、接続部52の露
出された一個の接続端子54a上に直接に接して布設さ
れ、これによりアンテナ回路56の外端は接続端子54
aとで接合部を形成している。
【0107】すなわち、接続端子54a上に直接に接し
てアンテナ回路56が箔押しで布設されることにより、
電気的接続がなされている。
【0108】アンテナ回路56はその内端に向かい螺旋
を露出面58aに形成しつつ、露出面58aと半導体集
積回路チップ50の接続部52の平坦面52aとの境界
を複数回横切り、しかも連続して螺旋を形成し、螺旋内
端に至る。螺旋内端は、接続部52の露出された別の一
個の接続端子54b上に直接に接して布設され、これに
よりアンテナ回路56の内端は接続端子54bとで接合
部を形成している。
【0109】このように、半導体集積回路チップ50の
接続部52の平坦面52a上ならびにカード基体58の
周辺露出面58a上に直接、アンテナ回路56を布設す
ることにより、従来構成において適用されていたアンテ
ナ基板を削除することができ、このようにして薄型の非
接触型カード媒体を、しかも低材料コストおよび低製造
コストで実現できる。
【0110】また、半導体集積回路チップ50を、その
デバイス部51と接続部52ともにカード基体58に埋
め込むことにより、無駄な空間の形成を排除できて空間
利用効率が向上し、従来構成において必要であった厚み
調整のための部材を省略することが可能になる。この構
成により、さらに厚みの薄い非接触型カード媒体を低材
料コストおよび低製造コストで実現できる。
【0111】さらに、半導体集積回路チップ50の接続
部52の接続端子54a、54b上に直接、導電性箔5
7からなるアンテナ回路56を布設することによって、
アンテナ回路56と接続端子54a、54bとを低抵抗
で導通できるから、従来構成のように異方性導電フィル
ムを用いて導通が為されていた場合に比して、電気的特
性を向上させることができる。
【0112】さらに同時に、異方性導電フィルムを省略
することにより、非接触型カード媒体60の材料コスト
および製造コストを削減することができる。
【0113】本実施形態では、アンテナ回路56を、上
記のように箔押し加工による導電性箔57により形成し
ている。この導電性箔57として、導電性インキあるい
は導電性塗料としては調整が難しいが、箔膜として材料
調整が可能な導電材料を使用する。
【0114】ここで、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔57を選択することで、任意の材質と厚みのア
ンテナ回路56にでき、よってアンテナ回路56を所望
の電磁気的特性または静電容量特性を備えるものにでき
る。
【0115】さらに、箔押し加工による導電性箔57で
アンテナ回路56を形成すると、導電性箔57は展性を
有するから、非接触型カード媒体60の使用中に例えば
カード媒体60が曲げられることにより、半導体集積回
路チップ50の接続部52の平坦面52aと、カード基
体58の露出面58aとに若干の段差が一時的に生じる
ことがあっても、アンテナ回路56のパターンが切れる
ことなく、この発生した段差に追随することができる。
この結果、耐機械的変形にすぐれたアンテナ回路56を
内蔵することが可能になる。
【0116】このように、機械的特性と電気的特性を備
える導電性箔を選択して用いることにより、所望の特性
の非接触型カード媒体を実現できる。
【0117】あるいは、アンテナ回路56を、導電性イ
ンキあるいは導電性塗料による印刷パターンとして設け
ることもできる。導電性インキあるいは導電性塗料の印
刷によるパターン形成によって、アンテナ回路56を容
易に所望の厚みに構成でき、よって所望の特性のアンテ
ナ回路56を内蔵させることが可能となる。
【0118】なお導電性インキあるいは導電性塗料とし
ては例えば、銀ペースト等の適用が好ましい。
【0119】また、図11に示されるように、半導体集
積回路チップ50の露出された部分と、カード基体58
の露出面58aと、アンテナ回路56とを覆う、被覆材
59(一部分切欠)が覆設されることが好ましい。図示
されている本実施形態では、被覆板による被覆材59が
貼付されているが、この構成に限定されず、耐候性を有
するコーティング材によるコート層の形成によって被覆
する構成や、カバー殻(上カバー)を嵌合する等の構成
も可能である。
【0120】上記のように、本実施形態によれば、アン
テナ回路56を備えた薄型の非接触型カード媒体60の
提供が可能になり、且つ、この非接触型カード媒体60
は、内蔵のアンテナ回路56をはじめ、処理回路や周辺
回路を電磁波または静電容量結合の少なくとも一方に適
合可能に構成することによって、外部の送受信機と電力
供給あるいはデータ授受の少なくとも一方を行うことが
可能なものとすることができる。
【0121】図11に示された、上記の非接触型カード
媒体60の製造方法は、半導体集積回路を内蔵するデバ
イス部51と、平坦面52aに接続端子54a、54b
が露出された接続部52とに領域分けされ、これらデバ
イス部51と接続部52とが重畳しない構成の半導体集
積回路チップ50を、カード基体58の凹部58bに、
少なくとも接続部52が露出し、その平坦面52aが周
囲に存在しているカード基体58の露出面58aと段差
なく連なるようにして埋設嵌着させる。
【0122】ついで、上記平坦面52aと上記露出面5
8aに亘り、これら両面と接続端子54a、54bに直
接に接して、導電性層からなるアンテナ回路56を布設
するものである。
【0123】また、このようにして布設されたアンテナ
回路と、半導体集積回路チップと、カード基体の露出面
とを、例えば被覆材などを用いて覆う工程を加えること
が好ましい。被覆材としては、耐候性を有するコーティ
ング材によるコート層の形成や、被覆板の貼り付け、と
いった手段のほか、カバー殻(上カバー)を嵌合する等
の手段が好適である。
【0124】このようにして、外部の送受信機と電磁波
または静電容量結合の少なくとも一方により電力供給あ
るいはデータ授受の少なくとも一方を行う、非接触型カ
ード媒体を製造することができる。
【0125】さらに前記において、アンテナ回路を構成
する導電性層の布設工程を、導電性インキあるいは導電
性塗料による印刷工程とすることができる。たとえば、
銀ペースト印刷で回路を形成することで、従来構成にお
いて適用されていたアンテナ基板を削除することがで
き、このようにして工程数を削減することができる。こ
れにより、アンテナ回路を所望の厚みに製造でき、よっ
て所望の特性のアンテナ回路を内蔵させた非接触型カー
ド媒体を製造することが可能になる。
【0126】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
に係る非接触型カード媒体は、平坦な表面に接続端子が
設けられた半導体集積回路チップを、これら平坦な表面
及び接続端子が露出される状態でカード基体内に埋め込
み、しかもこの露出された平坦な表面が、周辺にあるカ
ード基体の露出面と段差なく連なるよう高さを揃え、さ
らにこの半導体集積回路チップの露出された平坦な表面
上ならびにカード基体の露出面上に亘り、これら両面に
直接に、導電性層からなるアンテナ回路を布設し、且
つ、このアンテナ回路の一部が接続端子上に直接に接し
て布設されるように構成するものである。
【0127】このように、半導体集積回路チップの平坦
な表面上ならびにカード基体の露出面上に直接、アンテ
ナ回路を布設することにより、従来構成において適用さ
れていたアンテナ基板を削除することができ、このよう
にして薄型の非接触型カード媒体を実現できる。
【0128】また、半導体集積回路チップをカード基体
に埋め込む構成とすることにより、空間の利用効率が向
上し、従来構成において必要とされた厚み調整のための
部材を省略できて、さらに厚みの薄い非接触型カード媒
体を実現することができる。
【0129】さらに、半導体集積回路チップの接続端子
上に直接、導電性層からなるアンテナ回路を布設するこ
とにより、アンテナ回路と接続端子との導通が低抵抗で
実現でき、従来構成において導通が異方性導電フィルム
により為されていた場合に比して、電気的特性を向上さ
せることが可能となる。
【0130】前記のように、本発明によれば、電磁波ま
たは静電容量結合の少なくとも一方を適用することによ
って、外部の送受信機と電力供給あるいはデータ授受の
少なくとも一方を行うことが可能な、アンテナ回路を備
えた非接触型カード媒体を、薄型で供給できるという効
果を奏する。
【0131】本発明の請求項2に係る非接触型カード媒
体は、請求項1記載のものにおいて、アンテナ回路を構
成する導電性層を、導電性インキあるいは導電性塗料を
用いた印刷パターンにより設ける構成とするものである
から、アンテナ回路を所望の厚みに構成でき、よって非
接触型カード媒体を薄型のできる上、しかも電気的特性
を向上させることが可能となる。
【0132】本発明の請求項3に係る非接触型カード媒
体は、請求項1記載のものにおいて、アンテナ回路を構
成する導電性層を、箔押し加工による導電性箔により設
ける構成とするものであるから、導電性インキあるいは
導電性塗料としては調整が難しいが箔膜としては材料調
整が可能な導電材料を適用できる。
【0133】さらに、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔を選択することで、アンテナ回路を選択された
任意の材質と厚みに形成でき、よってアンテナ回路を所
望の電磁気的特性または静電容量特性、および所望の厚
みのものに構成できるとともに、非接触型カード媒体を
薄型にできる。
【0134】さらに、形成されるアンテナ回路は箔押し
加工による導電性箔で構成されるから、完成した非接触
型カード媒体の使用時などで例えばカード媒体が曲げら
れることにより、半導体集積回路チップの平坦面と、周
辺のカード基体露出面とに若干の段差が一時的に生じる
ことがあっても、導電性箔の有する展性により、パター
ンが切れることなく、この発生した段差に追随すること
ができる。この結果、途切れの発生がない連続したパタ
ーンのアンテナ回路を内蔵することが可能になる。
【0135】このように、所望の機械的特性と電気的特
性を備える導電性箔を選択して用いることにより、非接
触型カード媒体の機械的特性と電気的特性を向上させる
ことが可能となる。
【0136】本発明の請求項4に係る非接触型カード媒
体は、半導体集積回路を内蔵するデバイス部と、平坦な
表面に接続端子が露出された接続部とに領域分けされ、
これらデバイス部と接続部とが重畳されない構成の半導
体集積回路チップを、少なくとも接続部が露出される状
態でカード基体内に埋め込み、しかもこの露出された接
続部の平坦面が、周辺にあるカード基体の露出面と段差
なく連なるよう高さを揃え、さらにこの露出された平坦
面上ならびにカード基体の露出面上に亘り、これら両面
に直接に、導電性層からなるアンテナ回路を布設し、且
つ、このアンテナ回路の一部が接続端子上に直接に接し
て布設されるように構成するものである。
【0137】このように、半導体集積回路チップが内蔵
されたデバイス部を避けて、露出された接続部の平坦面
ならびにカード基体の露出面上に直接、アンテナ回路を
布設することにより、従来構成において適用されていた
アンテナ基板を削除することができ、このようにして薄
型の非接触型カード媒体を実現できる。
【0138】また、半導体集積回路チップをカード基体
に埋め込む構成とすることにより、空間の利用効率が向
上し、従来構成において必要とされた厚み調整のための
部材を省略できて、さらに厚みの薄い非接触型カード媒
体を実現することができる。
【0139】さらに、半導体集積回路チップの接続部の
接続端子上に直接、導電性層からなるアンテナ回路を布
設することにより、アンテナ回路と接続端子との導通が
低抵抗で実現でき、従来構成において導通が異方性導電
フィルムにより為されていた場合に比して、電気的特性
を向上させることが可能となる。
【0140】前記のように、本発明によれば、電磁波ま
たは静電容量結合の少なくとも一方を適用することによ
って、外部の送受信機と電力供給あるいはデータ授受の
少なくとも一方を行うことが可能な、アンテナ回路を備
えた非接触型カード媒体を、薄型で供給できるという効
果を奏する。
【0141】本発明の請求項5に係る非接触型カード媒
体は、請求項4記載のものにおいて、アンテナ回路を構
成する導電性層を、導電性インキあるいは導電性塗料を
用いた印刷パターンにより設ける構成とするものである
から、アンテナ回路を所望の厚みに構成でき、よって非
接触型カード媒体を薄型のできる上、しかも電気的特性
を向上させることが可能となる。
【0142】本発明の請求項6に係る非接触型カード媒
体は、請求項4記載のものにおいて、アンテナ回路を構
成する導電性層を、箔押し加工による導電性箔により設
ける構成とするものであるから、導電性インキあるいは
導電性塗料としては調整が難しいが箔膜としては材料調
整が可能な導電材料を適用できる。
【0143】さらに、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔を選択することで、アンテナ回路を選択された
任意の材質と厚みに形成でき、よってアンテナ回路を所
望の電磁気的特性または静電容量特性、および所望の厚
みのものに構成できるとともに、非接触型カード媒体を
薄型にできる。
【0144】さらに、形成されるアンテナ回路は箔押し
加工による導電性箔で構成されるから、完成した非接触
型カード媒体の使用時などで例えばカード媒体が曲げら
れることにより、半導体集積回路チップの接続部の平坦
面と、周辺のカード基体露出面とに若干の段差が一時的
に生じることがあっても、導電性箔の有する展性によ
り、パターンが切れることなく、この発生した段差に追
随することができる。この結果、途切れの発生がない連
続したパターンのアンテナ回路を内蔵することが可能に
なる。
【0145】このように、所望の機械的特性と電気的特
性を備える導電性箔を選択して用いることにより、非接
触型カード媒体の機械的特性と電気的特性を向上させる
ことが可能となる。
【0146】本発明の請求項7に係る非接触型カード媒
体の製造方法は、カード基体に設けられた、半導体集積
回路チップが埋設可能な凹部に、平坦面上に接続端子が
設けられた半導体集積回路チップを、平坦面及び接続端
子が露出するよう、且つ、この平坦面が周囲のカード基
体の露出面とで段差なく連なるよう埋設嵌着させる工程
と、このようにして露出された、平坦面上ならびにカー
ド基体の露出面上に亘り、しかもこれら両面と接続端子
に直接に接して、導電性層からなるアンテナ回路を布設
する工程を備えた構成とする。
【0147】この方法によれば、カード基体の凹部に半
導体集積回路チップを埋設することによって、空間利用
率を向上できるとともに、半導体集積回路チップの平坦
面とカード基体の露出面とを段差なく連ねることで一連
の平坦な面を形成でき、この一連の平坦な面上へのアン
テナ回路の布設を容易にすることができる。
【0148】また、段差なく平坦にできることにより、
段差のある場合に必要であった、段差調整用の工程を省
略することができ、工数を削減できるとともに、段差調
整用の部材を削減でき、よって製造コストを低減させる
ことが可能になる。
【0149】ついで、前記の一連の平坦な面上へ直接、
アンテナ回路を布設することにより、アンテナ回路を支
える別の基板等を用いることなく、アンテナ回路を形成
することができ、工数を削減できるとともに、アンテナ
回路支持用の部材を削減でき、よって製造コストを低減
させることが可能になるとともに、厚みの薄い非接触型
カード媒体を製造することが可能になる。
【0150】しかも、アンテナ回路を、接続端子に直接
に接して布設することにより、アンテナ回路と接続端子
とが直接重なって電気的導通がなされるから、導電性の
接合材などを用いる必要がなく、少ない工数と低部品コ
ストで、アンテナ回路と接続端子とを電気的に接続する
ことが可能になる。
【0151】本発明の請求項8に係る非接触型カード媒
体の製造方法は、請求項7記載の方法において、前記ア
ンテナ回路を構成する導電性層の布設工程を、導電性イ
ンキあるいは導電性塗料による印刷工程とするものであ
るから、印刷のみによってアンテナパターンを容易に形
成することができ、生産性が向上するとともに、アンテ
ナ回路を所望の厚みに製造することが容易に可能とな
る。
【0152】本発明の請求項9に係る非接触型カード媒
体の製造方法は、請求項7記載の方法において、前記ア
ンテナ回路を構成する導電性層の布設工程を、導電性箔
による箔押し加工工程とするものであるから、導電性イ
ンキあるいは導電性塗料としては調整が難しいが箔膜と
しては材料調整が可能な導電材料を用いて製造すること
が可能になる。
【0153】さらに、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔に対しても、同じ箔押し加工工程により対処で
きるから、選択された任意の材質と厚みの導電性箔の加
工が容易にでき、よってアンテナ回路を所望の電磁気的
特性または静電容量特性、および所望の厚みに製造する
ことができる。
【0154】さらに、箔押し加工による導電性箔で形成
されるアンテナ回路は、製造途中でのハンドリングなど
における何等かの原因で、あるいは公差で、半導体集積
回路チップの平坦面と、周辺のカード基体露出面とに若
干の段差が生じることがあっても、導電性箔の有する展
性によりパターンが切れることがなく、この発生した段
差に追随することができるから、途切れの発生がない連
続したパターンのアンテナ回路を形成することが可能に
なる。
【0155】このように、選択された導電性箔を用いて
製造することにより、所望の機械的特性と電気的特性を
備える非接触型カード媒体を製造することが可能とな
る。
【0156】本発明の請求項10に係る非接触型カード
媒体の製造方法は、カード基体に設けられた、半導体集
積回路チップが埋設可能な凹部に、デバイス部と接続部
とに領域分けされ、接続部の平坦面上に接続端子が設け
られた半導体集積回路チップを、少なくともこの平坦面
及び接続端子が露出するよう、且つ、この平坦面が周囲
のカード基体の露出面とで段差なく連なるよう埋設嵌着
させる工程と、このようにして露出された、平坦面上な
らびにカード基体の露出面上に亘り、しかもこれら両面
と接続端子に直接に接して、導電性層からなるアンテナ
回路を布設する工程を備えるものである。
【0157】この方法によれば、カード基体の凹部に半
導体集積回路チップを埋設することによって、空間利用
率を向上できるとともに、接続部の平坦面とカード基体
の露出面とを段差なく連ねることで一連の平坦な面を形
成でき、この一連の平坦な面上へのアンテナ回路の布設
を容易にすることができる。
【0158】また、段差なく平坦にできることにより、
段差のある場合に必要であった、段差調整用の工程を省
略することができ、工数を削減できるとともに、段差調
整用の部材を削減でき、よって製造コストを低減させる
ことが可能になる。
【0159】ついで、前記の一連の平坦な面上へ直接、
アンテナ回路を布設することにより、アンテナ回路を支
える別の基板等を用いることなく、アンテナ回路を形成
することができ、工数を削減できるとともに、アンテナ
回路支持用の部材を削減でき、よって製造コストを低減
させることが可能になるとともに、厚みの薄い非接触型
カード媒体を製造することが可能になる。
【0160】しかも、アンテナ回路を、接続部の接続端
子に直接に接して布設することにより、アンテナ回路と
接続端子とが直接重なって電気的導通がなされるから、
導電性の接合材などを用いる必要がなく、少ない工数と
低部品コストで、アンテナ回路と接続端子とを電気的に
接続することが可能になる。
【0161】本発明の請求項11に係る非接触型カード
媒体の製造方法は、請求項10記載のものであって、前
記アンテナ回路を構成する導電性層の布設工程を、導電
性インキあるいは導電性塗料による印刷工程とするもの
であるから、印刷のみによってアンテナパターンを容易
に形成することができ、生産性が向上するとともに、ア
ンテナ回路を所望の厚みに製造することが容易に可能と
なる。
【0162】本発明の請求項12に係る非接触型カード
媒体の製造方法は、請求項10記載のものであって、前
記アンテナ回路を構成する導電性層の布設工程を、導電
性箔による箔押し加工工程とするものであるから、導電
性インキあるいは導電性塗料としては調整が難しいが箔
膜としては材料調整が可能な導電材料を用いて製造する
ことが可能になる。
【0163】しかも、箔押し加工において押し型機械
は、半導体集積回路チップの接続部のみに作用して箔押
しを行い、よって半導体集積回路が内蔵されたデバイス
部には箔押し力が働かないから、半導体集積回路に衝撃
を与えることがなく、よって信頼性の高い加工が可能に
なる。
【0164】さらに、種々の材質あるいは種々の厚みの
導電性箔に対しても、同じ箔押し加工工程により対処で
きるから、選択された任意の材質と厚みの導電性箔の加
工が容易にでき、よってアンテナ回路を所望の電磁気的
特性または静電容量特性、および所望の厚みに製造する
ことができる。
【0165】さらに、箔押し加工による導電性箔で形成
されるアンテナ回路は、製造途中でのハンドリングなど
における何等かの原因で、あるいは公差で、接続部の平
坦面と、周辺のカード基体露出面とに若干の段差が生じ
ることがあっても、導電性箔の有する展性によりパター
ンが切れることがなく、この発生した段差に追随するこ
とができるから、途切れの発生がない連続したパターン
のアンテナ回路を形成することが可能になる。
【0166】このように、選択された導電性箔を用いて
製造することにより、所望の機械的特性と電気的特性を
備える非接触型カード媒体を製造することが可能とな
る。
【0167】本発明の請求項13に係る半導体集積回路
チップは、半導体集積回路を内蔵するデバイス部と、平
坦な表面に前記接続端子が露出された接続部とに領域分
けされ、半導体集積回路と接続端子が接続手段により電
気的に接続され、且つデバイス部と接続部とは重畳しな
い構成であるから、接続部に衝撃力が加えられてもデバ
イス部内の半導体集積回路への影響を小さくできる。
【0168】また一方において、接続部内には接続手段
のみが存在するから回路密度が低く、したがって接続部
の耐衝撃性が大であるから、例えば箔押し加工などのイ
ンパクト加工が可能になり、よってアンテナ等の外部回
路の加工が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非接触型カード媒体の一実施形態
における構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示されたカード基体の上面図である。
【図3】図2に示されたカード基体の断面側面図であ
る。
【図4】図2に示されたカード基体に半導体集積回路チ
ップが搭載された状態の断面側面図である。
【図5】本発明に係る非接触型カード媒体の製造方法の
一実施形態における一工程の説明図である。
【図6】図5に示された製造工程に続く次の工程の説明
図である。
【図7】図6に示された製造工程に続く次の工程の説明
図である。
【図8】前記各工程を経て完成された非接触型カード媒
体を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る非接触型カード媒体の製造方法の
一実施形態における全工程の流れ図である。
【図10】本発明に係る半導体集積回路チップの一実施
形態の模式斜視図である。
【図11】本発明に係る非接触型カード媒体の他の実施
形態における構成を示す部分切欠き平面図である。
【図12】従来の非接触型カード媒体に組み込まれる回
路部の構成を説明するための斜視図である。
【図13】従来の非接触型カード媒体の組み立て状態を
説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1…本発明に係る非接触型カード媒体、2…カード基
体、4…凹部、6…周辺露出面、8…半導体集積回路チ
ップ、8a…平坦面、10a…接続端子、10b…接続
端子、11…接着層、12…アンテナ回路、13…導電
性層(導電性インキ、導電性箔)、14a…接合部、1
4b…接合部、18…カードカバー

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード基体を備える筐体内に半導体集積
    回路チップを内蔵して、外部の送受信機と電磁波または
    静電容量結合の少なくとも一方により、電力供給あるい
    はデータ授受の少なくとも一方を行う非接触型カード媒
    体であって、 前記半導体集積回路チップは、その備える平坦な表面に
    外部電極として接続端子が設けられており、 前記半導体集積回路チップは前記カード基体内に、前記
    平坦な表面及び前記接続端子が露出された状態で埋め込
    まれ、 かつ前記半導体集積回路チップの露出された前記平坦な
    表面が周囲の、前記カード基体の露出面と段差なく連な
    り、 さらに前記半導体集積回路チップの露出された前記平坦
    な表面上と前記カード基体の前記露出面上に亘り前記各
    両面に直接に接して導電性層からなるアンテナ回路が布
    設され、 かつ前記アンテナ回路の一部は前記接続端子上に直接に
    接して布設されることにより電気的接続がなされたこと
    を特徴とする非接触型カード媒体。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ回路を構成する導電性層
    が、導電性インキあるいは導電性塗料による印刷パター
    ンとして設けられたことを特徴とする請求項1記載の非
    接触型カード媒体。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ回路を構成する導電性層
    が、箔押し加工による導電性箔で設けられたことを特徴
    とする請求項1記載の非接触型カード媒体。
  4. 【請求項4】 カード基体を備える筐体内に半導体集積
    回路チップを内蔵して、外部の送受信機と電磁波または
    静電容量結合の少なくとも一方により、電力供給あるい
    はデータ授受の少なくとも一方を行う非接触型カード媒
    体であって、 前記半導体集積回路チップは、半導体デバイスを内蔵す
    るデバイス部と、平坦面を備えて該平坦面に接続端子が
    露出された接続部とに領域分けされ、かつ前記デバイス
    部と前記接続部とは重畳しない構成であり、 前記半導体集積回路チップは前記カード基体内に、少な
    くとも前記接続部の前記平坦面が露出された状態で埋め
    込まれ、 かつ前記接続部の露出された前記平坦面が周囲の、前記
    カード基体の露出面と段差なく連なり、 さらに前記接続部の露出された前記平坦面上と前記カー
    ド基体の前記露出面上に亘り前記両面に直接に接して導
    電性層からなるアンテナ回路が布設され、 かつ前記アンテナ回路の一部は前記接続部の前記接続端
    子上に直接に接して布設されることにより電気的接続が
    なされたことを特徴とする非接触型カード媒体。
  5. 【請求項5】 前記アンテナ回路を構成する導電性層
    が、導電性インキあるいは導電性塗料による印刷パター
    ンとして設けられたことを特徴とする請求項4記載の非
    接触型カード媒体。
  6. 【請求項6】 前記アンテナ回路を構成する導電性層
    が、箔押し加工による導電性箔で設けられたことを特徴
    とする請求項4記載の非接触型カード媒体。
  7. 【請求項7】 カード基体を具備して成るカード筐体内
    に、半導体集積回路チップとアンテナを内蔵して、外部
    の送受信機と電磁波または静電容量結合の少なくとも一
    方により電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一方
    を行う非接触型カード媒体の製造方法であって、 前記半導体集積回路チップを埋設可能な凹部が設けられ
    た前記カード基体の前記凹部に、平坦面を有して該平坦
    面上に接続端子が露出して設けられた前記半導体集積回
    路チップを、前記平坦面及び前記接続端子を露出させ、
    且つ前記平坦面が周囲の、前記カード基体の露出面と段
    差なく連なるようにして埋設嵌着させる工程と、 前記半導体集積回路チップの露出された前記平坦面上と
    前記カード基体の前記露出面上に亘り前記両面に直接に
    接して、且つ前記接続端子上に直接に接して、導電性層
    からなるアンテナ回路を布設する工程と、を備えること
    を特徴とする非接触型カード媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アンテナ回路を構成する導電性層の
    布設工程が、導電性インキあるいは導電性塗料による印
    刷工程であることを特徴とする請求項7記載の非接触型
    カード媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記アンテナ回路を構成する導電性層の
    布設工程が、導電性箔による箔押し加工であることを特
    徴とする請求項7記載の非接触型カード媒体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 カード基体を具備して成るカード筐体
    内に、半導体集積回路チップとアンテナを内蔵して、外
    部の送受信機と電磁波または静電容量結合の少なくとも
    一方により電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一
    方を行い、且つ前記半導体集積回路チップは、半導体集
    積回路を内蔵するデバイス部と、平坦面を備えて該平坦
    面に接続端子が露出された接続部とに領域分けされ、か
    つ前記デバイス部と前記接続部とは重畳しない構成であ
    る、非接触型カード媒体の製造方法であって、 前記半導体集積回路チップを埋設可能な凹部が設けられ
    た前記カード基体の前記凹部に、前記半導体集積回路チ
    ップを、少なくとも前記接続部の前記平坦面が露出し、
    且つ前記接続部の前記平坦面が周囲の、前記カード基体
    の露出面と段差なく連なるようにして埋設嵌着させる工
    程と、 前記接続部の前記平坦面上と前記カード基体の前記露出
    面上に亘り前記両面に直接に接して、且つ前記接続端子
    上に直接に接して、導電性層からなるアンテナ回路を布
    設する工程と、を備えることを特徴とする非接触型カー
    ド媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記アンテナ回路を構成する導電性層
    の布設工程が、導電性インキあるいは導電性塗料による
    印刷工程であることを特徴とする請求項10記載の非接
    触型カード媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アンテナ回路を構成する導電性層
    の布設工程が、導電性箔による箔押し加工であることを
    特徴とする請求項10記載の非接触型カード媒体の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 接続端子が露出された半導体集積回路
    チップであって、 半導体集積回路を内蔵するデバイス部と、平坦な表面に
    前記接続端子が露出された接続部とに領域分けされ、 前記半導体集積回路と前記接続端子が接続手段により電
    気的に接続され、 且つ前記デバイス部と前記接続部とは重畳しない構成で
    あることを特徴とする半導体集積回路チップ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002133382A (ja) * 2000-10-26 2002-05-10 Dainippon Printing Co Ltd 非接触icカード及びその製造方法
US7202773B1 (en) 1999-11-01 2007-04-10 Sony Corporation Authentication information communication system and method, portable information processing device and program furnishing medium
KR101204074B1 (ko) * 2003-08-01 2012-11-27 삼성테크윈 주식회사 스마트 라벨 및, 그것의 제조 방법
JPWO2014006787A1 (ja) * 2012-07-04 2016-06-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 電子部品実装構造体、icカード、cofパッケージ

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