JPH11149171A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH11149171A
JPH11149171A JP31739797A JP31739797A JPH11149171A JP H11149171 A JPH11149171 A JP H11149171A JP 31739797 A JP31739797 A JP 31739797A JP 31739797 A JP31739797 A JP 31739797A JP H11149171 A JPH11149171 A JP H11149171A
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JP
Japan
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substituent
group
carbon atoms
alkyl group
general formula
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Application number
JP31739797A
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English (en)
Inventor
Yoshiori Takashita
佳織 嵩下
Satoshi Katayama
聡 片山
Yoshimasa Fujita
悦昌 藤田
Hideji Sakamoto
秀治 坂元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Sharp Corp
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Sharp Corp
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Publication date
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高感度でそのうえ均一な塗膜で、トナー、現
像剤、紙、クリーニングブレードなどと接触しても感光
体表面が摩耗したり、傷や塗膜欠陥が発生することな
く、長期にわたって繰り返し使用可能で、感光層の機械
的耐久性が高く、表面平滑性が良く、画質低下、感度劣
化の少ない電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に形成される感光層中
に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
(II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(III)で
表される化合物を含有せしめること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関し、更に詳しくは、有機光導電性電子写真感光体、及
び電子写真感光体構成層の膜物性に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真プロセスにおいては種
々の方式があり、その代表的な例として直接方式や潜像
転写方式等が知られている。これら電子写真プロセスに
使用される電子写真感光体において、その光導電層を構
成する光導電層材料として必要とされる基本的な性質に
は、 1)暗所においてコロナ放電による電荷の帯電性が高い
こと。 2)得られたコロナ放電による電荷が暗所において減衰
の少ないこと。 3)光照射によって電荷が速やかに散逸すること。 4)光の照射後の残留電荷が少ないこと。 5)繰り返し使用時による残留電位の増加、初期電位の
減少が少ないこと。 6)気温、湿度により電子写真特性の変化が少ないこ
と。 等が挙げられる。
【0003】このような材料として、従来は酸化亜鉛
(特公昭57−19780号公報)、硫化カドミウム
(特公昭58−46018号公報)、非晶質セレン合金
等の無機系の光導電性材料が用いられてきたが、近年さ
まざまな問題点が指摘されるようになった。すなわち、
酸化亜鉛系の材料においては、増感剤がコロナ放電によ
る帯電劣化や露光による光退色を生じるため、長期にわ
たって安定した画像を与えることができないものであ
る。また、硫化カドミウム系の材料においては、多湿の
条件下で安定した感度が得られない。セレン系の材料に
おいては、熱安定性、結晶化による特性の劣化、製造上
の困難性等である。
【0004】そこで将来的な展望から、資源の枯渇によ
る生産面の問題や、毒性による公害の心配、さらには環
境面への問題がある無機系の材料よりも、有機系の材料
よりなる電子写真感光体の研究が盛んに行われるように
なり、その結果、さまざまな有機化合物を用いた電子写
真感光体が研究されるようになった。とりわけ、ここ数
年の研究開発は、機能分離型の感光体の概念を積極的に
導入する方向にあり、その中でも特に導電層の上に電荷
発生層と、正孔移動性の電荷移動層とを順に積層し、電
荷移動表面を負に帯電させる方法が主流になっている。
【0005】そしてこのように、機能を分離させる事に
より、電荷発生と電荷移動とのそれぞれの機能を個別に
有する材料を独立して開発できるようになり、その結
果、さまざまな分子構造を有する電荷発生物質、並びに
電荷移動物質が多数開発されてきている。ここで、電荷
移動物質に注目して、それらの中から代表的なものを構
造的特徴から分類すると、ヒソラゾン系(特開平5−1
42798号公報)、スチルベン・スチリル系(特開平
6−332207号公報)、トリアリールアミン系(特
開平6−83081号公報)、フェノチアジン系、トリ
アゾール系、キノキサリン系、オキサジアゾール系、オ
キサゾール系、ピラゾリン系、トリフェニルメタン系、
ジヒドロニコチンアミド化合物、インドリン化合物、セ
ミカルバゾン化合物等が開発されている。
【0006】しかしながら、このように電荷移動材料と
して数多くの有機化合物が開発されているにもかかわら
ず、 1)バインダー樹脂に対する相溶性が低い。 2)結晶が析出しやすい。 3)繰り返し使用した場合に感度変化が生じる。 4)帯電性、繰り返し特性が悪い。 5)残留電位特性が悪い。 等の問題点を全て満足する有機化合物はなく、先に挙げ
た感光体として要求される基本的な性質、更には機械的
強度、高耐久性等を満足するものは未だ十分に得られて
いないのが現状であり、更に優れた有機光導電性物質及
び感光体の開発が切望されている。
【0007】更に、これらの機能分離型の有機感光体
は、これまで主に負帯電用として、導電性支持体上に薄
いキャリア発生層を設けこの上に適度な厚さのキャリア
輸送層から成る構成が取られている。また、このような
有機感光体に用いられるバインダー樹脂としては、従来
ビスフェノールA型のポリカーボネートが種々の電子写
真特性面(感度、帯電性、残留電位及び繰り返し特性な
ど)において適度な特性を示す事が一般に知られてい
た。
【0008】しかしながら、近年ビスフェノールA型ポ
リカーボネート樹脂を用いることにより、以下のような
幾つかの問題点が指摘されるようになった。 1)高分子の結晶性が高く溶液にした場合ゲル化現象を
起こし直ぐに使用不可能となる。 2)塗布による成膜化の際、膜表面に結晶性の高いポリ
カーボネートが析出し、その凹凸部分にトナーが付着し
やすくなることによって、クリーニング不良を引き起こ
し画像欠陥の原因となる。 3)感光層表面に傷がつきやすい。 4)コピー枚数の増加に伴い感光層が徐々に摩耗する。
【0009】そこで、このような問題点を改善するため
に、様々な方法、例えばビスフェノールAのモノマーユ
ニットに種々の置換基を導入する方法(特開昭60−1
72045号公報、特開昭63−65444号公報、特
開昭60−148263号公報)などが提案されてきた
が、複写機の高速化が進むとプロセススピードが早くな
りトナーの飛散が増えたり、クリーニング不良が発生し
やすくなる。その対策として一部の機種ではクリーニン
グブレードを2段にしたり、その押圧を高くしたりして
いる。そのため、このような改善だけでは摩耗が大きく
十分な対策とならないのが現状である。
【0010】更に、オーバーコート層を設ける方法もい
くつか提案されているが、塗布による生産では、すでに
塗布した感光層が溶けないような溶剤の選択が難しく、
完成しても電気的特性に悪影響を及ぼすなどその設計が
難しい。更にまた、分子量の異なる2種類以上のポリカ
ーボネート樹脂を用いる方法が幾つか提案されている
が、いずれも十分な性能を得ることができないのが現状
である。このように有機感光体においては、未だ十分な
表面強度や表面平滑性がなく、傷が付き易く、繰り返し
使用により画質の低下が起こったり、摩耗による膜厚減
少に伴って感度が低下するなどの問題点が未解決のまま
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
種々の課題に鑑み、まさにこれらの課題を一挙に解消し
ようとするものであり、高感度でそのうえ均一な塗膜
で、トナー、現像剤、紙、クリーニングブレードなどと
接触しても感光体表面が摩耗したり、傷や塗膜欠陥が発
生することなく長期にわたって繰り返し使用可能で、感
光層の機械的耐久性が高く、表面平滑性が良く、画質低
下、感度劣化の少ない電子写真感光体を提供することを
目的とする。更に、本発明の別の目的は、感光層を浸漬
塗工法により製造する際、膜厚が均一で塗膜欠陥のない
電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記課題を解決するために、高感度でそのうえ電子写真
感光層の機械的耐久性が高く、平面平滑性が良く、画質
低下、感度劣化の少ない感光体の研究を鋭意検討した結
果、導電性支持体上に形成される感光層中に、バインダ
ー樹脂として特定の構造単位を主成分とするポリカーボ
ネート共重合体樹脂と、電荷輸送材料として特定の化合
物を含有せしめることにより、上記目的の電子写真感光
体を得ることに成功し、本発明を完成するに至ったので
ある。
【0013】すなわち、本発明の電子写真感光体は、次
の(1)〜(9)に存する。 (1) 導電性支持体上に形成される感光層中に、下記一般
式(I)で示される構造単位と下記一般式(II)で示さ
れる構造単位を主成分とするポリカーボネート共重合体
樹脂を含有し、かつ下記一般式(III)で表される化合
物を含有せしめたことを特徴とする電子写真感光体。
【化17】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
成しても良い。)
【化18】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
それぞれ1〜4の整数を表す。)
【化19】 〔式中、Arは置換基を有してもよいアリーレン基であ
り、R7、R8は、それぞれ置換基を有してもよいアリー
ル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有して
もよいアラルキル基、炭素数1〜5のアルキル基、ある
いは水素原子であり(但し、R7、R8が同時に水素原子
の場合は除く)、aは、炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアリキル
アミノ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子であり、r
は1〜4の整数であり(但し、rが2以上のとき、aは
同一でも異なってもよい)、sは、2〜4の整数であ
る。〕
【0014】(2) 導電性支持体上に形成される感光層中
に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
(II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(IV)で表
される化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真
感光体。
【化20】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
成しても良い。)
【化21】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
それぞれ1〜4の整数を表す。)
【化22】 〔式中、Arは置換基を有してもよいアリーレン基であ
り、R9は、置換基を有してもよいアリール基、置換基
を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラル
キル基、炭素数1〜5のアルキル基、あるいは水素原子
であり、R10、R11は、それぞれ置換基を有してもよい
アリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を
有してもよいアラルキル基、炭素数1〜5のアルキル
基、あるいは窒素原子と共に置換基を有してもよい複素
環または置換基を有してもよい縮合複素環を形成するの
に必要な2価の残基であり、bは、炭素数1〜5のアル
キル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3の
ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子
であり、tは、1〜4の整数であり(但し、tが2以上
のとき、bは同一でも異なってもよい)、uは2〜4の
整数である。〕
【0015】(3) 導電性支持体上に形成される感光層中
に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
(II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(V)で表
される化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真
感光体。
【化23】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
成しても良い。)
【化24】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
それぞれ1〜4の整数を表す。)
【化25】 〔式中、Aは置換基を有してもよいアリーレン基、置換
基を有してもよい2価の複素環基、置換基を有してもよ
いアルキレン基であり、R12、R13は、それぞれ置換基
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素
環基、置換基を有してもよいアラルキル基、低級アルキ
ル基であり、cは、水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、低級ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子で
あり、vは1〜5の整数である(但し、vが2以上のと
き、cは同一でも異なってもよい)。〕
【0016】(4) 導電性支持体上に形成される感光層中
に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
(II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(VI)で表
される化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真
感光体。
【化26】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
成しても良い。)
【化27】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
それぞれ1〜4の整数を表す。)
【化28】 〔式中、Aは置換基を有してもよいアリーレン基、置換
基を有してもよい2価の複素環基、置換基を有してもよ
いアルキレン基であり、R14は、置換基を有してもよい
アリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換
基を有してもよい複素環基、低級アルキル基であり、c
は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低
級ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子であり、wは2〜
4の整数であり、vは1〜4の整数である(但し、vが
2以上のとき、cは同一でも異なってもよく、さらにお
互いに環を形成してもよい)。〕
【0017】(5) 前記一般式(I)が下記構造単位
(a)であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一
つに記載の電子写真感光体。
【化29】 (6) 前記一般式(II)が下記構造単位(b)であること
を特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電子写
真感光体。
【化30】 (7) 前記一般式(I)が下記構造単位(a)であり、か
つ前記一般式(II)が下記構造単位(b)であることを
特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の電子写真
感光体。
【化31】
【化32】 (8) 前記ポリカーボネート共重合体樹脂の粘度平均分子
量が2万〜10万であることを特徴とする上記(1)〜(4)
の何れか一つに記載の電子写真感光体。 (9) 円筒状導電性支持体上に、感光層を浸漬塗布する電
子写真感光体の製造方法において、浸漬塗布溶液中の、
前記ポリカーボネート共重合体樹脂の濃度が9重量%〜
13重量%であることを特徴とする上記(1)〜(8)の何れ
か一つに記載の電子写真感光体の製造方法。
【0018】上記構成となる本発明において、主要繰り
返し単位として前記一般式(I)及び一般式(II)を構
造組成に含む共重合体を電子写真感光体のバインダー樹
脂として用いると共に、前記一般式(IV)、一般式
(V)及び一般式(VI)で表される化合物を電荷輸送材
料として含有せしめることにより、電子写真特性(感
度、帯電性、残留電位及び繰り返し特性など)に優れ、
かつ繰り返し使用した時にも疲労劣化が少なく、機械的
耐久性に優れた安定した特性を示す電子写真感光体を提
供することができることとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の電子写真感光体は、導電支持体
上に形成される感光層中に、バインダー樹脂として上記
一般式(I)で示される構造単位と上記一般式(II)で
示される構造単位を主成分とするポリカーボネート共重
合体樹脂(以下、単に「共重合体樹脂」という)を含有
し、かつ電荷輸送材料として上記一般式(IV)、一般式
(V)、及び一般式(VI)の何れか一つに記載の化合物
を含有せしめることを特徴とするものである。
【0020】本発明における共重合体樹脂は、下記一般
式(I’)及び(II’)で示されるビスフェノール系の
化合物を用いて一般的な合成経路により容易に合成する
ことができる。
【化33】 (式(I’)及び(II’)中、R1、R2、R3、R4、R
5、R6、l、m、p、qは前記一般式(I)及び(II)
に記載のものと同義である。) 具体的な合成経路としては、例えば、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタンなどの不活性ハロゲン化炭化水
素を反応溶媒として前記一般式(I’)及び(II’)で
示されるビスフェノール系化合物に、ホスゲンガスを通
じながら反応を行い、反応の進行に伴い副成する塩化水
素ガスの酸トラップ剤としてアルカリ水溶液やピリジン
などの有機系のアミン化合物を用いる方法がある。ここ
で、酸トラップ剤としてアルカリ水溶液を用いる場合、
助触媒としてトリアルキルアミン(トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)など
の3級アミン、もしくはテトラアルキルアンモニウムハ
ライド(テトラエチルアンモニウムクロライド、トリブ
チルベンジルアンモニウムブロマイド)などの4級アン
モニウム塩を併用すると、反応性が増加する。また、本
発明における共重合体の分子量を制御する目的で必要な
らば一価のフェノール誘導体(例えば、フェノール、p
−t−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール)
を用いてもよい。このとき、1価のフェノール誘導体は
反応の最初から加えても、あるいは、反応をある程度進
行させ一旦オリゴマーを造っておいてから入れることで
高分子量化するなどの目的に合わせた任意の加え方があ
る。更に、本発明における共重合体を2種類以上のビス
フェノール系の化合物により共重合させる場合には、最
初から同時にホスゲンと反応させ共重合を行う、1種類
をまずホスゲンと反応させその後ある程度反応が進行し
た段階で残りの1種類を加え共重合を行う、あらかじめ
それぞれを独立してホスゲンと反応させておいて後で重
合を行う、などの様々な方法がある。
【0021】一般式(I)において、R1、R2は、具体
的にはメチル、エチル、n−プロピル、などの低級アル
キル基、フェニル、p−トリル、m−トリルなどのアリ
ール基、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデンなど
の環状炭化水素基、水素原子などが挙げられる。また、
3、R4は、具体的にはメチル、エチル、n−プロピ
ル、シクロヘキシルなどの低級アルキル基、フェニル、
p−トリル、m−トリルなどのアリール基、フッ素、塩
素、臭素などのハロゲン原子、水素原子などが挙げられ
る。 一般式(II)において、R5、R6は具体的にはメ
チル、エチル、n−プロピル、シクロヘキシルなどの低
級アルキル基、フェニル、p−トリル、m−トリルなど
のアリール基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原
子、水素原子などが挙げられる。
【0022】次に、一般式(I)、(II)で示される構
造式の具体例としては、下記表1及び表2に記載のもの
が挙げられる。なお、本発明の共重合体樹脂は、下記表
1及び表2によって、何ら限定されるものではない。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】前記一般式(I)、(II)で示される各々
の構造単位の共重合体として、例えば、次の下記表3に
記載の構造を有するものが挙げられるが、これによって
本発明の共重合体樹脂は何ら限定されるものではない。
【0026】
【表3】
【0027】なお、x:yの重合モル比は99:1〜
5:95の範囲であることが好ましく、より好ましく
は、99:1〜50:50の範囲である。何故ならば、
x:yの重合モル比が5:95を越えると、塗布液の白
化、ゲル化、電荷輸送層や感光層の結晶化等の防止及び
耐久性向上の達成が不可能となり、また、機械的強度が
落ちるなどの弊害が生じるからである。また、x:yの
重合モル比が99:1未満であると、塗布液調製時の溶
剤に対する溶解性や塗布液の安定性が低下したり、結晶
化による白化が生じたりするために、前記重合モル比の
範囲である共重合体樹脂とするのが好ましい。
【0028】前記共重合体樹脂の粘度平均分子量は、2
万〜10万、好ましくは、2万〜8万であることが望ま
しい。粘度平均分子量が2万未満であると、硬度不足の
ため摩耗しやすくなり、耐刷寿命が短くなる。また、粘
度平均分子量が10万を越えて大きくなると、ポリカー
ボネート共重合体の溶液粘度が上昇し、ポリカーボネー
トの製造自体が困難になったり、又は、塗布液の塗布に
よる感光体の製造が困難となり、好ましくない。
【0029】本発明では、更に必要に応じて目的とする
電子写真感光体の諸特性に弊害を起こさない割合でその
ほかのバインダー樹脂を併用することができる。そのほ
かのバインダー樹脂としては、次のような樹脂を挙げる
ことができる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリスチレン、ポリエステ
ル、ポリヒドロキシスチレン、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、フェノール樹脂(例えばクレゾールホルムアル
デヒド樹脂など)、スチレン共重合樹脂(例えばスチレ
ン−ブタジエン共重合体など)、アクリロニトリル系共
重合体樹脂(例えば塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体など)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリ
コーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂などが挙げられ
る。これらのバインダー樹脂は、単独でもあるいは2種
類以上の混合物としてでも本発明のポリカーボネート共
重合体樹脂と併用することができるが、本発明のバイン
ダー樹脂の特性を十分に発揮するために、そのほかのバ
インダー樹脂の混合割合は、使用するバインダー樹脂の
50wt%以下にすることが好ましい。何故なら、50
wt%を越えると、併用したバインダー樹脂の性質が強
調され本来の発明の意味を失うからである。
【0030】次に、一般式(III)〜(VI)で表される
電荷輸送材料について説明する。一般式(III)で示され
るエナミン基含有化合物の各置換基について説明する
と、Arとしては、p−フェニレン、3−メチル−p−
フェニレン、3−メトキシ−p−フェニレン、1,4−
ナフチレン、3−メチル−1,4−ナチチレン、3−メ
トキシ−1,4−ナフチレンなどのアリーレン基が挙げ
られ、R7、R8としては、それぞれ、フェニル、p−ト
リル、3−5−キシリル、p−メトキシフェニル、p−
クロロフェニル、1−ナフチル、9−アントラセニル、
2−メチル−1−ナフチルなどのアリール基、2−フリ
ル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピ
リジル、1−ベンゾチアゾール、1−ベンゾオキサゾー
ル、などの複素環基、ベンジル、p−メトキシベンジ
ル、p−メチルベンジル、p−クロロベンジルなどのア
ラルキル基、メチル、エチル、n−プロピル、iso−
プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル
などのアルキル基、あるいは水素原子が挙げられ、aと
しては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチルなど
のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキ
シ、iso−プロピルオキシなどのアルコキシ基、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ、ジn−プロピルアミノ、
ジiso−プロピルアミノなどのジアルキルアミノ基、
フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、あるいは水素
原子が挙げられる。
【0031】下記表4に、一般式(III)で示される電
荷輸送材料の具体例を挙げるが、これによって本発明は
何ら限定されるものではない。
【0032】
【表4】
【0033】次に、一般式(IV)で示されるエナミン基
含有ヒドラゾン化合物の各置換基について説明すると、
Arとしては、p−フェニレン、1,4−ナフチレン、
9,10−アントラレンなどのアリーレン基が挙げら
れ、R9としてはフェニル、p−トリル、p−メトキシ
フェニル、3,5−キシリル、1−ナフチル、2−ナフ
チル、2−メチル−1−ナフチルなどのアリール基、2
−ピリジル、2−フリル、3−フリル、5−メチル−2
−フリル、2−チエニルなどの複素環基、ベンジル、p
−メチルベンジル、p−メトキシベンジル、3,5−ジ
メチルベンジルなどのアラルキル基、メチル、エチル、
n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチルなど
のアルキル基、および水素原子が挙げられ、R10、R11
としては、それぞれ、フェニル、p−トリル、p−メト
キシフェニル、3,5−キシリル、1−ナフチル、2−
ナフチル、2−メチル−1−ナフチルなどのアリール
基、2−ピリジル、2−フリル、3−フリル、5−メチ
ル−2−フリル、2−チエニルなどの複素環基、ベンジ
ル、p−メチルベンジル、p−メトキシベンジル、3,
5−ジメチルベンジルなどのアラルキル基、メチル、エ
チル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチ
ルなどのアルキル基が挙げられ、bとしては水素原子、
メチル、エチルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシ
などのアルコキシ基、N,N−ジメチルアミノ、N,N
−ジエチルアミノなどのジアルキルアミノ基、塩素、フ
ッ素などのハロゲン原子が挙げられる。
【0034】下記表5に、一般式(IV)で示される電荷
輸送材料の具体例を挙げるが、これによって本発明は何
ら限定されるものではない。
【0035】
【表5】
【0036】更に、一般式(V)及び(VI)で示される
エナミン基含有化合物の置換基について説明すると、A
としては、p−フェニレン、m−フェニレン、o−メチ
ル−p−フェニレン、p,p’−ジフェニレン、1,5
−ナフチレンなどのアリーレン基、N−エチル−2,7
−カルバゾリレンなどの複素環基、エチレン、1,2−
ジクロロエチレンなどのアリレン基が挙げられ、R12
14としてはフェニル、p−トリル、m−トリル、p−
メトキシフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどの
アリール基、ベンジル、メチルベンジル、メトキシベン
ジルなどのアラルキル基、およびメチル、エチルなどの
アルキル基、2−ピリジル、N−エチル−3−カルバゾ
ール、2−フリル、5−メチル−2−フリル、2−チエ
ニエルなどの複素環基が挙げられ、cとしては、メチ
ル、エチル、n−プロピル、iso−プロピルなどのア
ルキル基、メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノなどのジアルキルアミノ
基、フッ素、塩素などのハロゲン原子、および水素原子
などが挙げられる。また、一般式(V)におけるR13
してはフェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、
2−ナフチルなどのアリール基、2−フリル、5−メチ
ル−2−フリル、2−チエニルなどの複素環基、ベンジ
ル、メチルベンジル、メトキシベンジルなどのアラルキ
ル基、およびメチル、エチルなどのアルキル基が挙げら
れる。
【0037】下記表6及び表7に、一般式(V)及び
(VI)で示される電荷輸送材料の具体例を挙げるが、こ
れによって本発明は何ら限定されるものではない。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】これらの一般式(III)〜(VI)で示され
る例示化合物の中で、特に、電子写真特性、コスト面、
合成面で優れるものは、R7、R8のうちいずれか一方が
フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−トリル基で
あり、片方が水素原子であり、R9、R10のうちいずれ
か一方がフェニル基、p−トリル基であり、片方がメチ
ル基、エチル基、フェニル基である化合物などが挙げら
れる。
【0041】本発明にかかる電子写真感光体は、以上に
示したポリカーボネート共重合体樹脂及び電荷輸送材料
の1種類あるいは2種類以上を含有させることによって
得られ、その結果、後述するように極めて高性能な特性
を有するものとなる。これらポリカーボネート共重合体
樹脂及び電荷輸送材料を電子写真感光体として用いる態
様には、種々の方法で行うことができる。例えば、本発
明の電荷輸送材料と増感染料を必要によっては化学増感
剤や電子吸引性化合物を添加して、本発明のポリカーボ
ネート共重合体中に溶解もしくは分散させたものを導電
性支持体上に設けて成る感光体あるいは、電荷発生効率
の高い電荷発生層と電荷移動層とからなる積層構造の形
態において、導電性支持体上に増感染料又はアゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料などを代表とする顔料を主体
として設けられた電荷発生層上に本発明の電荷輸送材料
を必要によって、酸化防止化合物や電子吸引性化合物な
どを添加して本発明のポリカーボネート共重合体中に溶
解もしくは分散させ、これを電荷移動層として設けて成
る積層感光体などがあるが、いずれの場合にも適用する
ことが可能である。その際、本発明のポリカーボネート
共重合体の本発明の電荷輸送材料に対して加える量は、
重量比で0.2〜20倍の割合で、好ましくは0.5〜
5倍の範囲である。何故ならば、0.2未満になると電
荷輸送材料が感光体表面より析出してくるという欠点が
生じ、5倍を越えると、著しく感度低下を招くために好
ましくない。
【0042】本発明の上記ポリカーボネート共重合体樹
脂及び電荷輸送材料等を用いて感光体を作製する際、金
属ドラム、金属板、導電性加工を施した紙、プラスチッ
クフィルムの様な導電性支持体上へ塗布することによ
り、感光層を形成することができる。
【0043】次に、感光層中に添加される増感染料とし
ては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、
ナイトブルー、ビクトリアブルー等で代表されるトリフ
ェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ロ
ーダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に
代表されるアクリジン染料、メチレンブルー、メチレン
グリーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー、
メルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、その他
シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料、チオ
ピリリウム塩染料などが挙げられる。また、感光層にお
いて、光吸収によって極めて高い効率で電荷キャリアー
を発生させる光導電性の顔料としては、各種金属フタロ
シアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フ
タロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレンイ
ミド、ペリレン酸無水物等のペリレン酸顔料、ビスアゾ
系顔料、トリスアゾ系顔料等のアゾ系顔料、その他キナ
クリドン系顔料、アントラキノン系顔料などがある。特
に、電荷キャリアーを発生する顔料に無金属フタロシア
ニン顔料、チタニルフタロシアニン顔料、フロレン、フ
ロレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンから
成るビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料を用いたものは、高
い感度を示す優れた電子写真感光体を与えることができ
る。
【0044】また、前述の染料も電荷発生物質として用
いてもよい。これら染料は、単独で使用してもよいが、
顔料を共存させることにより更に高い効率で電荷キャリ
アーを発生させることができる。
【0045】以上に挙げた分光増感剤とは別に、繰り返
し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感
度の低下等を防止する目的で種々の化学物質を添加する
場合が必要となってくる。これら添加する物質として
は、例えば、1−クロルアントラキノン、ベンゾキノ
ン、2,3−ジクロロナフトキノン、ナフトキノン、
4,4’−ジニトロベンゾフェノン、4,4’−ジクロ
ロベンゾフェノン、4−ニトロベンゾフェノン、4−ニ
トロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p
−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−アントラセ
ニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−1−(p−
ニトルフェニル)−2−(p−クロルフェニル)エチレ
ン、2,7−ジニトロフルオレノン等の電子吸引性化合
物があげられる。その他、感光体中への添加物として、
酸化防止剤、カール防止剤、レベリング剤などを必要に
応じて添加することができる。
【0046】本発明の電子写真感光体は、ポリカーボネ
ート共重合体樹脂及び電荷輸送材料を感光体の形態に応
じて上記のような種々の添加物質と共に適当な溶剤中に
溶解又は分散し、その塗布液を先に述べた導電性支持体
上に塗布し、乾燥することにより製造することができ
る。その際、生産性やコスト面を考慮して導電性支持体
に金属ドラムを使用し、感光層を構成する材料を溶解も
しくは分散させた塗布液中に浸漬塗布することが主流と
なっているが、感光体の膜厚を均一に、塗布欠陥なしに
形成することは容易ではない。
【0047】そのため、塗布液中の本発明のポリカーボ
ネート共重合体樹脂の濃度は、9重量%〜13重量%で
あることが好ましい。なぜなら、共重合体樹脂の濃度が
9重量%未満より小さければ、塗布液の粘度が低下する
ために浸漬塗布の際に導電性支持体の引き上げ速度が早
くなり、溶剤の蒸発ムラに起因する塗膜欠陥が発生しや
すくなるので好ましくない。さらに、この共重合体樹脂
の濃度が13重量%範囲より大きければ塗布液の粘度が
非常に高くなることにより、感光層の膜厚が厚くなる。
このため、ドラムの引き上げ速度を非常に遅くしなけれ
ばならず、生産性の低下を招くことになり実用的でな
い。さらに、塗布液中に気泡が混入すれば粘度が高いた
めに長期間にわたって気泡が残存することにより感光層
の欠陥となるために好ましくない。
【0048】塗布溶剤としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、モノクロルベンゼンなどの芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲ
ン化炭化水素、ジオキサン、ジメトキシメチルエーテ
ル、ジメチルホルムアミドなどの溶剤の単独又は2種以
上の混合溶剤、または必要に応じてアルコール類、アセ
トニトリル、メチルエチルケトンなどの溶剤を更に加え
て使用することができる。
【0049】本発明の電子写真感光体は、前記一般式
(III)〜(VI)で示される電荷輸送材料をキャリアー
移動物質として用いるものであり、その態様には種々の
方法があるが、感光体の構成の具体例を図1から図4の
模式図を参照して以下に説明する。図1は、導電性支持
体1の上に感光層4として、電荷発生物質2を主成分と
してバインダー中に分散させた電荷発生層5と電荷移動
物質3を主成分としてバインダー中に分散させた電荷移
動層6との積層より成る機能分離型感光体であり、この
電荷移動層6中に電荷移動物質3として、本発明の電荷
輸送材料を用いた感光体の構成を示すものである。
【0050】図2は、導電性支持体1の上に感光層4と
して、電荷発生物質2と、電荷移動物質3をバインダー
中に分散させた単層よりなる感光体の構成を示すもので
ある。図3は、導電性支持体1と図1と同一の感光層4
の間に中間層7を設けたものであり、積層よりなる機能
分離型感光体の構成を示すものである。図4は、導電性
支持体1と図3と同一の感光層4aの間に中間層7を設
けたものであり、単層よりなる感光体の構成を示すもの
である。なお、図3及び図4中の導電性支持体1と感光
層4又は4aとの間に設けられる中間層7は、保護機能
や接着機能を付与し、塗工性を高め、さらには基盤から
感光層への電荷注入の改善を目的としたものであり、こ
のような材料としては、例えば、カゼイン、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアルコール、ニトロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイ
ロン、アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタ
ン、ゼラチン酸化アルミニウムなどを使用することがで
きる。
【0051】
【実施例】次に、本発明を更に実施例及び比較例により
更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り、何ら限定されるものではない。
【0052】〔実施例1〜10及び比較例1〜3〕 (実施例1)アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚
80μm)を支持体とし、その上に電荷発生材料として
下記構造式
【化34】 で示されるx型無金属フタロシアニン(大日本インキ社
製:ファストゲンブルー8120)0.4gと塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂(積水化学社製:エスレッ
クM)0.3gを酢酸エチル30mlに加え、この溶液
をペイントコンディショナー(レッドレベル社製)中で
直径1.5mmのガラスビーズと一緒の状態で約2時間
分散を行い電荷発生層用塗布液を調整した。次に、アル
ミ蒸着したポリエステルフィルムを導電性支持体とし
て、上記分散液をドクターブレイド法により塗布し、乾
燥して、電荷発生層を形成した。乾燥後の膜厚は、0.
4μmであった。
【0053】この電荷発生層の上に本発明の表4に記載
の電荷輸送材料No.3を1重量部とバインダー樹脂とし
て本発明の表3に記載の共重合体樹脂No.P−1(x:
y=85:15,粘度平均分子量約4万)1.2重量部
とを塩化メチレン12.5重量部に溶解せしめ、固形分
15%に調整した電荷輸送層用塗布液(共重合体樹脂濃
度8.16重量%)をスキージングドクターにより塗布
し、乾燥膜厚25μの電荷輸送層を形成した。以上のよ
うにして電荷発生層、電荷輸送層から構成される、機能
分離積層型感光体試料1を得た。
【0054】(実施例2〜10)電荷輸送材料を本発明
の表4〜表7に記載の電荷輸送材料No.5、No.9、No.
17、No.20、No.22、No.29、No.32、No.4
1、No.45に変える以外は実施例1と同様にして機能
分離積層型感光体2〜10を得た。
【0055】(比較例1)電荷輸送層用のバインダー樹
脂を、一般式(I)で示される構造単位I−1のみから
なる化合物に変える以外は実施例1と同様にして機能分
離積層型感光体比較試料1を得た。
【0056】(比較例2)電荷輸送層用のバインダー樹
脂を、一般式(I)で示される構造単位I−4のみから
なる化合物に変える以外は実施例1と同様にして機能分
離積層型感光体比較試料2を得た。
【0057】(比較例3)電荷輸送材料を下記構造式で
示される化合物に変える以外は実施例1と同様にして機
能分離積層型感光体比較試料3を得た。
【化35】
【0058】このようにして作製した機能分離積層型電
子写真感光体は静電記録紙試験装置(川口電機製;SP
−428)により電子写真特性を評価した。測定条件
は、加電圧:−6kV、スタティック:No.3であり白
色光照射(照射光:5 lux)による−700Vから−1
00Vに減衰させるに要する露光量E100(ルックス・
秒)及び初期電位VO(−ボルト)を測定した。そして
同装置を用いて、加電−除電(除電光:白色光で40ル
ックスで1秒照射)を1サイクルとして1万回同様の操
作を行った後の初期電位V0(−ボルト)及びE100(ル
ックス・秒)を測定し、V0及びE100の変化を調べた。
また、シャープ社製レーザープリンター(WD−580
P)を改造し、ドラム部に本感光体を張り付け、連続空
コピー(Non Copy Aging)を1万回行っ
た後、初期電位の低下、感度の低下の度合いを調べた。
更に、感光体膜厚の減少具合をスガ試験機社製摩耗試験
機を用いて評価した。測定条件は、研磨材=酸化アルミ
ニウム#2000、荷重=200g・f、摩擦回数=1
0000回で行った。以上の測定結果は下記表8に示
す。
【0059】
【表8】
【0060】(表8の考察)上記表8の結果から明らか
なように、本発明範囲となる実施例1〜10は、本発明
範囲外となる比較例1〜3に較べて、エージング後の感
光体の電位の変化、摩耗量において良好な値を示してい
ることが判明した。すなわち、本発明範囲となる実施例
1〜10において、電荷輸送層用のバインダー樹脂を本
発明の前記一般式(I)及び(II)で表される共重合体
樹脂を使用すると共に、電荷輸送材料を本発明の前記一
般式(III)〜(VI)で表される化合物を使用すること
により、初めて、エージング後の感光体の電位の変化少
なく、感光体表面が摩耗したり、傷や塗膜欠陥が発生す
ることなく、長期にわたって繰り返し使用可能で、感光
層の機械的耐久性が高いことが判明した。
【0061】〔実施例11〜16及び比較例4〜5〕 (実施例11)
【化36】 上記構造式で示される電荷発生材料であるビスアゾ顔料
2重量部とエポキシ樹脂(新日本理化社製:BPO−2
0E)1重量部とジメトキシエタン97重量部をペイン
トシェイカーで6時間分散して電荷発生層用塗布液を調
製した。この分散液をタンクに満たして、直径80m
m、長さ348mmのアルミ製円筒支持体を浸漬、引き
上げ塗工して室温で1時間乾燥を行い、厚さ0.2μm
の電荷発生層を形成した。
【0062】一方、電荷輸送材料として本発明の表4に
記載の電荷輸送材料No.3を100重量部とバインダー
樹脂として本発明の表3に記載の共重合体樹脂No.P−
1(x:y=85:15、粘度平均分子量約4万)10
0重量部とをジクロロメタン800重量部に溶解して電
荷輸送層用塗布液(共重合体樹脂濃度10重量%)を作
製し、上記で形成した電荷発生層上に浸漬塗工して、8
0℃で1時間乾燥を行い、厚さ25μmの電荷輸送層を
形成し感光体ドラムを作製した。この感光体ドラムサン
プルを市販の複写機(シャープ社製:SF−8870)
に搭載し、A4サイズの紙を用いて複写テストを行っ
た。初期及び40000回使用後に画像特性及び帯電電
位(VO)、白色原稿の電位(VL)と残留電位(VR
を測定した。
【0063】(実施例12)バインダー樹脂として本発
明の共重合体樹脂P−2(x:y=80:20、粘度平
均分子量約4万)を用いた以外は実施例11と同様にし
て感光体ドラムサンプルを作製し、評価を行った。
【0064】(実施例13〜16)電荷輸送材料として
本発明の電荷輸送材料No.9、No.22、No.29、No.4
1を用いた以外は実施例11と同様にして感光体ドラム
サンプルを作製し、評価した。
【0065】(比較例4)電荷輸送層用塗布液に用いる
ジクロロメタンを500重量部とした以外は実施例11
と同様にして感光体ドラムサンプルを作製し、評価し
た。塗布液(共重合体樹脂濃度14.29重量%)は、
非常に高粘度であるために、感光体の膜厚を均一にする
ことができず、画像は全体にわたって濃度ムラが発生し
ていた。
【0066】(比較例5)電荷輸送層用塗布液に用いる
ジクロロメタンを1100重量部とした以外は実施例1
1と同様にして感光体ドラムサンプルを作製し、評価し
た。塗布液(共重合体樹脂濃度7.69重量%)は、は
非常に低粘度であるために、感光体の膜厚を均一にする
ことができず、膜厚は10μmの電荷輸送層しか得られ
なかった。以上の測定結果は下記表9に示す。
【0067】
【表9】
【0068】(表9の考察)上述の表9の結果から明ら
かなように、本発明範囲となる実施例11〜16は、本
発明範囲外となる比較例4〜5に較べて、長期にわたっ
て繰り返し使用可能で、画質低下の少ない電子写真感光
体感光層となることが判明した。従って、上述の表8の
結果及び上記表9の結果を総合的に考察すると、本発明
範囲となる実施例1〜16は、本発明範囲外となる比較
例1〜5に較べて、長期にわたって繰り返し使用可能
で、表面平滑性が良く、画質低下、感度劣化の少ない電
子写真感光体感光層となることが判明した。
【0069】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の発明によれば、極
めて良好な電子写真特性を有し、感光層が均一な塗膜で
あると同時に、クリーニングブレード、現像剤、紙など
に対する耐久性に優れ、連続使用を行っても電子写真特
性の変化が少なく、従来のものと較べてより優れた耐刷
性能を有する電子写真感光体が提供される。請求項5〜
8に記載の発明によれば、更に極めて良好な電子写真特
性を有し、感光層が更に均一な塗膜であると同時に、ク
リーニングブレード、現像剤、紙などに対する耐久性に
更に優れ、連続使用を行っても電子写真特性の変化が極
めて少なく、従来のものと較べて更に優れた耐刷性能を
有する電子写真感光体が提供される。請求項9に記載の
発明によれば、塗布溶液の粘度が浸漬塗工法に適した粘
度となるため、膜厚が均一で塗膜欠陥のない電子写真感
光体を作製することができる電子写真感光体の製造方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成の一例を模式
的に示した断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成の他例を模式
的に示した断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の層構成の他例を模式
的に示した断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の層構成の他例を模式
的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生物質 3 電荷移動物質 4,4a 感光層 5 電荷発生層 6 電荷移動層 7 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08G 64/04 C08G 64/04 (72)発明者 藤田 悦昌 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 坂元 秀治 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に形成される感光層中
    に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
    (II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
    ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(III)で
    表される化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写
    真感光体。 【化1】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
    基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
    有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
    原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
    た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
    成しても良い。) 【化2】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
    それぞれ1〜4の整数を表す。) 【化3】 (式中、Arは置換基を有してもよいアリーレン基であ
    り、R7、R8は、それぞれ置換基を有してもよいアリー
    ル基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有して
    もよいアラルキル基、炭素数1〜5のアルキル基、ある
    いは水素原子であり(但し、R7、R8が同時に水素原子
    の場合は除く)、aは、炭素数1〜5のアルキル基、炭
    素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のジアリキル
    アミノ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子であり、r
    は1〜4の整数であり(但し、rが2以上のとき、aは
    同一でも異なってもよい)、sは、2〜4の整数であ
    る。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に形成される感光層中
    に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
    (II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
    ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(IV)で表
    される化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真
    感光体。 【化4】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
    基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
    有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
    原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
    た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
    成しても良い。) 【化5】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
    それぞれ1〜4の整数を表す。) 【化6】 〔式中、Arは置換基を有してもよいアリーレン基であ
    り、R9は、置換基を有してもよいアリール基、置換基
    を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラル
    キル基、炭素数1〜5のアルキル基、あるいは水素原子
    であり、R10、R11は、それぞれ置換基を有してもよい
    アリール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を
    有してもよいアラルキル基、炭素数1〜5のアルキル
    基、あるいは窒素原子と共に置換基を有してもよい複素
    環または置換基を有してもよい縮合複素環を形成するの
    に必要な2価の残基であり、bは、炭素数1〜5のアル
    キル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3の
    ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、あるいは水素原子
    であり、tは、1〜4の整数であり(但し、tが2以上
    のとき、bは同一でも異なってもよい)、uは2〜4の
    整数である。〕
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に形成される感光層中
    に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
    (II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
    ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(V)で表
    される化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真
    感光体。 【化7】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
    基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
    有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
    原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
    た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
    成しても良い。) 【化8】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
    それぞれ1〜4の整数を表す。) 【化9】 〔式中、Aは置換基を有してもよいアリーレン基、置換
    基を有してもよい2価の複素環基、置換基を有してもよ
    いアルキレン基であり、R12、R13は、それぞれ置換基
    を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素
    環基、置換基を有してもよいアラルキル基、低級アルキ
    ル基であり、cは、水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、低級ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子で
    あり、vは1〜5の整数である(但し、vが2以上のと
    き、cは同一でも異なってもよい)。〕
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に形成される感光層中
    に、下記一般式(I)で示される構造単位と下記一般式
    (II)で示される構造単位を主成分とするポリカーボネ
    ート共重合体樹脂を含有し、かつ下記一般式(VI)で表
    される化合物を含有せしめたことを特徴とする電子写真
    感光体。 【化10】 (式中、R1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、あるいは水素原子を表し、R3、R4はそれぞれ置換
    基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
    有してもよいアリール基、ハロゲン原子、あるいは水素
    原子を表し、l、mはそれぞれ1〜4の整数を表す。ま
    た、R1とR2はそれぞれ互いに結合して炭化水素環を形
    成しても良い。) 【化11】 (式中、R5、R6はそれぞれ置換基を有してもよい炭素
    数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール
    基、ハロゲン原子、あるいは水素原子を表し、p、qは
    それぞれ1〜4の整数を表す。) 【化12】 〔式中、Aは置換基を有してもよいアリーレン基、置換
    基を有してもよい2価の複素環基、置換基を有してもよ
    いアルキレン基であり、R14は、置換基を有してもよい
    アリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換
    基を有してもよい複素環基、低級アルキル基であり、c
    は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低
    級ジアルキルアミノ基、ハロゲン原子であり、wは2〜
    4の整数であり、vは1〜4の整数である(但し、vが
    2以上のとき、cは同一でも異なってもよく、さらにお
    互いに環を形成してもよい)。〕
  5. 【請求項5】 前記一般式(I)が下記構造単位(a)
    であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記
    載の電子写真感光体。 【化13】
  6. 【請求項6】 前記一般式(II)が下記構造単位(b)
    であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記
    載の電子写真感光体。 【化14】
  7. 【請求項7】 前記一般式(I)が下記構造単位(a)
    であり、かつ前記一般式(II)が下記構造単位(b)で
    あることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載
    の電子写真感光体。 【化15】 【化16】
  8. 【請求項8】 前記ポリカーボネート共重合体樹脂の粘
    度平均分子量が2万〜10万であることを特徴とする請
    求項1〜4の何れか一つに記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 円筒状導電性支持体上に、感光層を浸漬
    塗布する電子写真感光体の製造方法において、浸漬塗布
    溶液中の、前記ポリカーボネート共重合体樹脂の濃度が
    9重量%〜13重量%であることを特徴とする請求項1
    〜8の何れか一つに記載の電子写真感光体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012051983A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Teijin Chem Ltd 電子写真感光体バインダー用ポリカーボネート共重合体

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