JPH11149116A - カメラのフィルム巻戻し機構 - Google Patents

カメラのフィルム巻戻し機構

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JPH11149116A
JPH11149116A JP31682197A JP31682197A JPH11149116A JP H11149116 A JPH11149116 A JP H11149116A JP 31682197 A JP31682197 A JP 31682197A JP 31682197 A JP31682197 A JP 31682197A JP H11149116 A JPH11149116 A JP H11149116A
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JP
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film
rewinding
plate cam
shaft
lever
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JP31682197A
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Motoharu Sakurai
基晴 桜井
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Seiko Precision Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手動でフィルムの巻上げ、巻戻しを行うカメ
ラにおけるフィルム巻戻しを誤操作なしに容易に行える
ようにする。 【解決手段】 フィルムの巻戻し操作が完全に終了する
と、フィルム軸をこれ以上回らなくすることによってフ
ィルム巻戻しの誤操作を防止するようにしてある。フィ
ルム軸駆動歯車20aによりフィルム軸C1を回転させ
ると、この歯車と一体に設けてある板カム20に設けら
れた円弧状の溝部20bに、フィルム検出レバー21の
突起部21bが誘導される。これが行止まり部20cに
達することによりこれ以上回らなくしてこの状態をフィ
ルム巻戻しの終了位置と設定してある。フィルム巻戻し
中には、このレバーは接片21cがフィルムの内側に当
接して板カム20の外周部から離反している。巻戻し終
了時にはフィルムの緊張状態が解除され、突起部21b
が溝部20bに誘導される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、低価格カメラ、特にはフ
ィルムの巻上げ及び巻戻しを手動で行うカメラのフィル
ム巻戻し機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、低価格カメラとして、レンズ
とフィルム巻上げ装置とを備えたいわゆるレンズ付きフ
ィルムが普及している。このような簡易型カメラと全自
動または半自動式のいわゆるコンパクトカメラとの中間
に位置する簡易型カメラの要求も高くなってきている。
このような要求に応えるものとして、使い捨て式のいわ
ゆるレンズ付きフィルムではなく継続使用が可能で手動
式でフィルムの巻上げ、巻戻しを行うようにした簡易型
カメラが存在している。このようなカメラにおいては、
フィルムの巻上げ用のノブ、巻戻し用のノブをカメラ本
体の背面側又は上面に露出させ、この露出した部分を手
動で回転させることにより巻上げ、巻戻しを行ってい
る。
【0003】本願発明で使用するカメラの撮影用フィル
ムはいわゆるAPSフィルムであり、通常の撮影フィル
ムとは異なる構成となっている。このAPSフィルム
は、パーフォレーションが各コマの下部に2個ずつ設け
たもので、フィルムカートリッジの底部にはフィルムの
使用状態を表示する各種形状の透孔を設けてある。この
ため、フィルムカートリッジを見れば撮影済みのもの
か、未使用のものか等がわかるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィルムの
巻戻し時にフィルムがフィルムカートリッジ内に完全に
収まったか否かの判断は、フィルムカウンタによる確
認、あるいはセンサ等を追加してフィルムがフィルムカ
ートリッジに完全に収まったかを検出して表示等を出し
ていた。カウンタによる確認はカメラを扱い慣れない人
がフィルムの巻戻し操作を行うと、フィルムカートリッ
ジ内にフィルムが完全に収まらないうちに巻戻し動作を
中止し、巻戻し不十分な状態でフィルムを取り出してし
まうことがあるため、撮影不良コマを生じさせてしまう
ことがある。また、センサ等を追加するとその分コスト
がかかり価格が高くなってしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明のカメラのフィルム巻戻し機構は、フィル
ムの巻戻し終了位置に巻戻されるとフィルム軸駆動歯車
を回転不能とする機構を採用することによりだれにでも
完全な巻戻しができるようにしてある。この巻戻し機構
は、フィルムカートリッジのフィルム軸を回転可能に設
けてあるフィルム軸駆動歯車に、これと一体回転する板
カムを設け、この板カムに円弧状の溝部を設けてある。
この板カムの近傍に設けられたフィルム検出レバーの先
端部の突起部がこの溝部に誘導され、さらに板カムの回
転により突起部が行止まり部に到達すると、フィルム軸
駆動歯車が回転不能となり、これによりフィルムの巻戻
し終了位置を判断可能としてある。そこでカメラ本体か
らフィルムカートリッジを取り出すようにすれば不良コ
マの発生を防止可能となる。
【0006】上記した溝部への突起部の誘導は、フィル
ム巻戻しの終了の間近になって、フィルムの一端部がロ
ーラから外れて、さらにフィルム検出レバーの基部に垂
設された接片がフィルムの緊張状態から解除される。こ
の結果、フィルム検出レバーが付勢力によって板カムの
外周に弾接し、板カムの回転により突起部が溝部の入口
から溝部内部へ誘導可能となるものである。フィルムが
巻戻し中のため緊張状態になっているときには、接片が
板カムの外周に向かう付勢力に抗してフィルム検出レバ
ーの突起部を板カムの外周部から離反させる方向に維持
している。
【0007】溝部の行止まり部を、フィルムの巻戻し表
示位置と一致するように設定してあるため、フィルムカ
ートリッジの底部の表示が撮影済みである旨を正しく表
示する。また、溝部の長さは少なくともフィルム検出レ
バーの接片からフィルムの緊張状態が解除されて、フィ
ルムがフィルムカートリッジ内に収まるまでの長さにな
っている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、手動でフィルムを巻上
げ及び巻戻しする構成のカメラに具備するカメラのフィ
ルム巻戻し機構において、だれにでも完全なフィルムの
巻戻しができるようにしたところに特徴がある。フィル
ムキャビネット内に装填されたフィルムカートリッジの
フィルム軸を回転可能に設けてあるフィルム軸駆動歯車
には、当該歯車と一体回転する板カムを設け、この板カ
ムにフィルム軸の中心と同心の円弧状の所定幅の溝部を
所定範囲にわたって形成してある。
【0009】この板カムの近傍に、フィルム検出レバー
を支持軸を介して揺動自在かつ一端部が板カムの外周部
に向けて付勢された状態に設け、フィルム検出レバーの
先端部に設けられた突起部が溝部の行止まり部で係止し
たときに合わせて、フィルムの巻戻しが完全に終了する
ようにしておくとよい。この突起部はフィルム検出レバ
ーの一端部に設け、板カムに形成された溝部に係合可能
に設けるとともに、フィルム検出レバーの他端部にフィ
ルムカートリッジから引き出されたフィルムの内側面に
当接可能な接片を垂設し、この突起部をフィルムが緊張
した状態では、接片が当該フィルムによって押圧される
ことによってフィルム検出レバーの一端部が付勢力に抗
して板カムの外周部から離反し、フィルムの緊張状態が
解除されると板カムに弾接するようにしておくことが好
ましい。
【0010】板カムがフィルム巻戻し方向に回転する時
には突起部は、板カムの回転にともない溝部に誘導さ
れ、当該溝部の行止まり部に達することによりフィルム
軸駆動歯車を巻戻し方向への回転を不能とすることによ
りフィルムの巻戻し終了の位置を決定可能とすることが
望ましい。また、溝部の長さはフィルム検出レバーの接
片からフィルムの緊張状態が解除されてからフィルムが
フィルムカートリッジ内に収まるまで突起部が行止まり
部に当接しない長さを有することが望ましい。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の一実施例におけるカメラの
外観を示すものである。同図(a)に示すように、カメ
ラ本体1の正面には、ファインダー2、レンズ3、フラ
ッシュ4及びフラッシュチャージ用ボタン5が設けてあ
る。
【0012】カメラ本体1の前面側右下部には凹部1a
が形成してあり、この凹部にはフィルム巻上げ用のノブ
6が部分的に露出しており、外から指で回転可能として
ある。ノブ6は、同図(b),(c)に示してあるよう
に、カメラ本体1の背面側に形成された凹部1bにも露
出しており、背面側からも指で回転可能としてある。し
たがって、フィルムを巻上げる時には背面側の凹部1b
に指をあててノブ6を外側へ回転させ、巻戻す時には前
面側の凹部1aに指を当ててノブを外側に回転させるこ
とによりフィルムの巻上げ・巻戻し操作が可能となる。
【0013】これはノブの回転は外向きに回るようにし
た方が操作し易い性質を有することから巻上げ、巻戻し
ともに外向きに回転可能としたこと、及び撮影時に行う
巻上げ操作は背面側だけで行い、撮影終了後に行う巻戻
し操作は前面側だけで行うように分担させるなどとする
ことにより操作を容易とするものである。また、ノブ6
の外周部はカメラ本体1の前面側及びは背面側の各面よ
りも後退した位置に設定し、持ち歩きの際などにノブが
他の物体への衝突により空転や損傷を受けることを回避
するようにしてある。また、各凹部1a,1bはノブを
回し易い形状及び大きさに形成してある。
【0014】同図(b)に示すように、カメラ本体1の
底部にはフィルム蓋1cが設けてあり、蓋止めレバー7
によって固定可能としてある。図2はカメラ本体1のカ
バーを取り外した背面側の状態を示すもので、フィルム
キャビネット1dにはAPSフィルムのフィルムカート
リッジCが装填してある。回転可能にフレーム8に支持
された軸6aには、第1の輪列R1を構成する駆動歯車
9が一体回転可能に取り付けてある。第1の輪列R1は
この駆動歯車9から順次歯車10〜15を経由して、フ
レーム8の上部に設けてある第2の輪列R2(後述)を
回転させる伝動軸16aを回転させる歯車16に伝達さ
れるようにしてある。
【0015】第1の輪列R1の中間車12は一体回転す
る小歯車12aを備えており、その支持軸12bには、
L字形レバーを備えたL字形クラッチ13が揺動可能に
支持されている。L字形クラッチ13は各レバーの先端
部にクラッチ歯車13a,13bがそれぞれ小歯車12
aと選択的に噛合可能に設けてある。L字形クラッチ1
3は、フィルム巻上げ時には中間車12が図3で時計方
向に回るため、これに連れ回りして、右側のクラッチ歯
車13aが次の中間車14と噛合可能としてある。これ
に対しフィルムの巻戻し時には中間車12が反時計方向
に回るため、L字形クラッチのクラッチ歯車13bが次
の中間車14と噛合可能としてある。
【0016】図4は、図2の左側半分についての内部構
成と右側半分の上部の構成とを示し、図5は、図2の上
部の全体の構成を示している。図4,5に示してあるよ
うに、フレーム8の底部に設けられた第1の輪列R1よ
って伝達される回転を、上部に設けられた第2の輪列R
2に伝達する伝動軸16aに第2の駆動歯車17がこれ
と一体回転可能に取り付けられている。この輪列の回転
は、中間車18,19を経て板カム20及びフィルム軸
を回転させるフィルム軸駆動歯車20aを回転可能とし
てある。
【0017】板カム20の外周部近傍には湾曲状の板体
からなり、先端部上面に突起部21bが設けてあるフィ
ムル検出レバー21が支持軸21aを介して揺動自在に
設けてある。フィルム検出レバー21の先端部には引っ
張りバネ22の一端部が連結しており、これによりレバ
ーを反時計方向へ付勢している。フィルム検出レバー2
1の支持軸21aの外側には、フレームの天板の下方ま
で垂直に設けられた突部からなる接片21cが設けてあ
り、フレーム天板に設けた窓部内で揺動可能としてあ
る。
【0018】図4に示すように、フレーム8の前面側中
央部には既出のレンズ3が設けてあり、このレンズはフ
レームの開口部に嵌合したレンズ取付け板4にねじ25
を介して固定されたレンズホルダで固定されている。レ
ンズ3の前面側周囲はレンズ押え板26によってレンズ
ホルダ24に押え付けられている。図2に示すように、
フレーム8の上下枠におけるフィルム巻上げノブと一体
のノブ軸の周囲には、巻上げローラ27が嵌合してお
り、装填されたAPSフィルムFを巻上げ可能としてあ
る。ノブ軸の上端部側にはラチエットギア28が固着し
てあり、後述するようにこれと一体に回転するローラ2
7の回転を規制可能としてある。
【0019】図5に示してあるように、フレーム8の上
部のラチエットギア28寄りの位置には2本の係止爪を
V字状に設けてなる逆転止めレバー29が取付けてあ
る。逆転止めレバー29は、逆転止め爪29a,29b
のいずれかの先端部がラチエットギア28の歯部に係合
することにより、これを逆転不能とするものである。逆
転止めレバー29の円環部には、後述する切換え板43
に係合する突部29cが設けてある。逆転止めレバー2
9に隣接する位置には、シャッタレバー30が支持軸3
0aを介して揺動可能に取付けてある。シャッタレバー
30は、同じ支持軸30aに嵌合されたねじりコイルバ
ネ31によって時計方向に付勢されている。
【0020】フレーム8の上部中央の前面寄りの位置に
は、平面形状が動物の横姿に似た形状に形成されたレリ
ーズレバー32が設けてある。レリーズレバー32は、
動物の前脚部に相当する部分が支持軸32aによって揺
動可能にフレーム8に支持されており、尾部に相当する
部分の先端部は、ラチエットギア28の歯部に係合可能
な係止部32bとしてある。また、後足に相当する部分
32cは、逆転止めレバー29と同軸上に回転可能に設
けてある後出のカム35と係合するカム接触子となって
おり係止部32bの位置を規制可能としてある。なお、
このレリーズレバー32は、支持軸32aに嵌合された
ねじりコイルバネ33によって反時計方向に付勢されて
いる。
【0021】次にフィルムの巻上げ機構について説明す
る。図6は、フィルム巻上げ開始時点のフレームの各位
置の状態を示している。この状態で巻上げ用ノブ6をフ
ィルムを巻上げる方向に回すと、同図(c)に示すよう
に、L字形クラッチ13が中間車12の回転に従って時
計方向に連れ回りし、前方側のクラッチ歯車13aが中
間車14と噛合状態となる。この時の巻上げ操作によ
り、第1の輪列R1及び第2の輪列R2を介してフィル
ム軸と一体回転するフィルム軸駆動歯車20aが回転し
てフィルムカートリッジCからフィルムFを押し出し、
フィルム巻上げ用ローラ27にフィルムの一端部が巻上
げられる。フィルムFがロール27によって巻上げられ
ると、フィルムを介してフィルム軸を回転させようとす
る力が働くが、フィルム軸の回転早さは輪列の歯数比に
よってローラ27の回転早さよりも遅くなるようにして
あるため、中間車14は、クラッチ歯車13aよりも早
く回る。このため、クラッチ歯車13aはこの中間車に
はじかれて噛合が外れ、輪列の連結が解除されるためフ
ィルムFはローラ27に巻上げ可能となる。
【0022】図7は、フィルム巻上げ動作における各要
素の動作を順次括弧内の番号で示したものである。以下
の動作番号は単にこの括弧付き符号で表示してある。
【0023】図中に表示されているスプロケット34
は、図5に示されている逆転止めレバー29の下方にこ
れと同軸に配置されており、後述のカム35はこのスプ
ロケット34と同軸に固着されている。(1)は、ロー
ラ27にフィルムFを1コマ分だけ巻上げた状態を示し
ており、レリーズレバー32の係止部32bがラチエッ
トギア28の歯部に係合してローラ27を回転不能とし
ている。
【0024】また、シャッタレバー30は時計方向に付
勢されているため、突起30bがシャッタレバー30の
腹に相当する部分に形成された突起32dと係合して傾
いた状態となっている。また、スプロケットの突起34
aはAPSフィルムFの上部に形成されたパーフォレー
ションF1に係合している。(2)は、シャッタレリー
ズをオンにした状態を示しており、シャッタレバー32
が矢印Aの方向に押されるため、支持軸32aを中心と
して時計方向に回動し、これにより係止部32bがラチ
エットギア28から外れる。また、シャッタレバーの突
起30bもレリーズレバーの突起部32dから外れてフ
リーとなり、矢印Bで示してあるようにバネの付勢力に
より時計方向に揺動してセクタ(図示略)を駆動する。
【0025】(3)〜(5)は、セクタを駆動し、撮影
を終了した後にフィルム巻上げ開始に入った状態を示し
ている。この過程においては、スプロケット34はフィ
ルムのパーフォレーションF1を介して一定の角度だけ
時計方向に回転し、さらにフィルムが巻上げられると突
起34aがパーフォレーションF1から脱出し、フィル
ムFのパーフォレーションのない部分と接触して滑って
いる状態となっている。
【0026】さらにフィルムFが巻上げられると、
(6)に示してあるように、スプロケット34の突起3
4aが次のパーフォレーションF2に入り、フィルムの
移動に応じてスプロケット34が回転し始める。スプロ
ケット34とともにカム35が回転すると、シャッタレ
バー30の接触子30cがカム36によって変位し、バ
ネ31の付勢力に抗して反時計方向に回転変位によるエ
ネルギーをチャージする。
【0027】(7)〜(9)はフィルムの巻上げによる
エネルギーのチャージ中の状態を示しており、係止部3
2bはラチエットギア28の歯部と係合が外れた状態と
なっている。フィルムの巻上げが進んで(10)〜(1
2)の状態になると、レリーズレバーの係止部32bが
ラチエットギア28の歯部に係合してノブをロックし、
チャージ動作が終了する。(12)の状態ではフィルム
巻上げが終了し、(1)と同じ状態となっている。ここ
で再び(1)〜(12)の過程が繰返される。
【0028】図8はフィルムの巻戻し動作について
(1)〜(7)に順次示してある。フィルムの巻戻し時
における逆転規制手段としては、既述した逆転止めレバ
ー29が採用されている(図5参照)。この逆転止めレ
バー29はV字形に設けられた逆転止め爪29a,29
bのいずれかがラチエットギア28の歯部に係合するこ
とにより、これと一体のノブ6及びローラ27の回転を
規制可能とするものである。フィルムを巻上げ不能とす
るか巻戻し不能とするかの選択は、図8の各図に示され
ている切替え板43の左右方向への移動操作により行わ
れる。
【0029】同図(1)は、通常撮影可能状態となって
いることを示すもので、図5の状態と同じ状態である。
この状態では、逆転止めレバー29の一方の逆転止め爪
29bがラチエットギア28と係合しているために巻戻
し不能状態となっている。この状態は、切替え板43が
バネ44によってラチエットギアの方向に付勢されてい
ることにより維持される。これは逆転止めレバー29の
円環部に形成してある突起29dが切換え板43に設け
てある穴部に遊嵌しており、切換え板の移動により逆転
止めレバー29を揺動させて切換えを行うものである。
【0030】(2)は、切換え板43が(1)の状態よ
りも僅かに(例えば1.9mm)左方へ移動したときの
状態を示している。この移動は、切換え板43の一辺に
形成された切換え用突部43aをばね力に抗して左方へ
動かすことにより行われる。これにより逆転止めレバー
29も反時計方向に僅かに回転し、逆転止め爪29bが
ラチエットギア28から外れた状態となる。同じくシャ
ッタレバー30とレリーズレバー32も切換え板43に
よって付勢力に抗して反時計方向と時計方向にそれぞれ
回転して幾分傾き状態となっている。
【0031】(3)は切換え板43を(2)の状態より
もさらに僅かだけ(例えば原位置から2.5mm)左方
へ移動させたときの状態を示している。そして(4)で
は切換え板43を(3)の状態よりもさらに僅かだけ
(例えば原位置から3mm)左方へ移動させ、逆転止め
レバー28の他方の係止レバー29bがラチエットギア
28の歯部に係合している状態を示している。この状態
ではシャッタレバー30とレリーズレバー32は最もチ
ャージされた状態に傾いており切換え板43の一端部か
ら左方へ延伸するように形成された係止部材43bの爪
部がフィルム蓋1cの蓋止めレバー7(図1参照)の支
軸7aに固着された掛止部7bに掛止されて、切換え板
43がバネの付勢力によって右方へ復帰することができ
ないようにしてある。
【0032】(5)は、(4)の状態でフィルム巻戻し
を行い、この巻戻し動作が終了した時の状態を示してい
る。ここでフィルムを取り出すためにフィルム蓋の蓋止
めレバー7を矢印方向に回して開けると、係止部材43
bが係止部7bから外れて(6)に示すように、切換え
板43が付勢力により右に移動するため、逆転止めレバ
ー29の逆転止め爪29aがラチエットギア28から外
れてこれをフリーとする。このときシャッタレバー30
の方がレリーズレバー32よりも早く復帰するために、
シャッタレバーの付勢バネにはチャージは残らない。
【0033】(7)は、切換え板43が原位置に復帰
し、それにともない逆転止めレバー29の一方の逆転止
め爪29bがラチエットギア28に係止した状態とな
り、フィルムを取り出し可能状態となる。図9は、フィ
ルム巻戻し時におけるフィルム軸駆動歯車20aとフィ
ルム検出レバー21の動作を示しており、フィルム検出
レバー21の突起部21bが板カム20の溝部20bに
誘導される過程を順次示している。
【0034】同図(a)は、輪列R2によってフィルム
軸C1が反時計方向に回転させられ、フィルムがフィル
ムカートリッジC内に巻戻されると、フィルム検出レバ
ー2の接片21cがフィルムの緊張状態から外れ、検出
レバーはバネ22の付勢力により反時計方向に復帰し、
突起部21bが板カム20の外周部に当接した状態とな
る。この状態で板カム20が反時計方向に回ると、やが
て同図(b)に示すように、この突起部21bが板カム
20の下面側に形成された円弧状の溝部20b内に誘導
される。さらに板カム20が同じ方向に回転を続ける
と、同図(c)に示してあるように、突起部21bは溝
部20bの行止まり部20cに達して板カム20すなわ
ちフィルム軸C1のこれ以上の回転を不能とする。
【0035】この状態までフィルムが巻き戻されると、
同図(d)に示すように、フィルムカートリッジCの下
面に設けられたフィルム使用状態の表示部の十字状の透
孔部C2が白色に変り、このフィルムが撮影済みである
ことを表示する。これは溝部20bの行止まり部20c
をフィルムカートリッジCの表示部C2が白色と表示す
る位置と合わせるようにしたことにより表示可能とする
ものである(同図(e)参照)。溝部20bの長さは、
フィルムFの緊張状態が解除されてフィルム検出レバー
29が揺動してからフィルムFの先端がフィルムカート
リッジ内に収納されるまでの長さを有している。このた
め、接片21からフィルムFの緊張状態がとれてばね2
2の付勢力により突起部21b板カム20に当接すると
き、板カム20のどの位置に突起部21bが当接しても
確実にフィルムFはフィルムカートリッジC内に収納す
ることができる。
【0036】図10は、図9と同様にフィルム巻戻し中
の状態を示すもので、ノブ6を時計方向に回してローラ
27からフィルムFを巻戻し、フィルムカートリッジC
内に巻戻し終了前の状態を示している。同図(a)に示
すように、フィルム検出レバー21の接片21cがフィ
ルムFから外れているため、突起部21bが、板カム2
0の外周に押圧状態となっている。このとき第1の輪列
R1は同図(c)に示すように、中間車12が反時計方
向に回るのに対してL字形クラッチ13が連れ回りする
ため、他方のクラッチ歯車13bが次の中間車14と噛
合している。この結果、フィルム軸C1は輪列R1,R
2を介して回転し、フィルムFをフィルムカートリッジ
C内に巻戻し可能となる。このときにも、巻上げ軸28
aは回転しているが、ローラ27は後述の第2のクラッ
チ機構によってフリー回転となるため、フィルムに弛み
を生じることなしに巻戻しが行われる。
【0037】図11はフィルム巻上げローラ27に内蔵
されているクラッチバネ50を示し、図12はフィルム
巻上げ・巻戻し機構のクラッチ機構の構成を示してい
る。ローラ27の上端部27aは所定幅の大径部となっ
ており、ローラ27の外周壁部は、ヒケ等の防止のた
め、中空部27bが設けられている。中空部27b内に
は、補強リブ27dが4ヶ所に設けられている。ローラ
27の中心部にはラチエットギアの回転軸28aが挿通
可能な軸孔27cが貫通している。軸孔27cの縁部に
は、クラッチバネ50の端部の係合片50aを係合する
溝部27eが設けてある。
【0038】クラッチバネ50は、ラチエットギアの回
転軸28aに嵌合可能な所定長のコイルバネからなり、
線条の両端を外側に折り曲げて係合片50aとしてあ
る。クラッチバネ50はラチエットギアの回転軸28a
に挿通し、ラチエットギアを適当な角度だけ任意の方向
へ回すと、係合片50aが溝部27eと係合して回転を
一方向にのみ伝達可能となる。これによりクラッチバネ
50は一方向クラッチとしての機能を有するものとな
る。すなわち、ラチエットギア28の回転方向が、クラ
ッチバネ50のコイルバネの巻き方向と反対(図で28
aが反時計方向)であるであるときには、バネが緩めら
れてバネの径が大きくなるため、クラッチバネ50とラ
チエットギアの回転軸28aとの間に隙間ができ、ロー
ラ27の回転はフリーとなる。これに対し、クラッチバ
ネ50のコイルバネの巻き方向と同じ(図で28aが時
計方向)である場合には、クラッチバネ50は巻締めら
れて径が小さくなるため、クラッチバネ50とラチエッ
トギアの回転軸28aとの間の摩擦力が大きくなり、こ
の摩擦力によって両者は一体回転可能となる。これによ
りフィルムを巻上げる際には、ノブとローラとを一体回
転可能とし、フィルムを巻戻す際には、ローラの回転を
フリーとすることにより輪列R1,R2を介してフィル
ム軸を回転させることによりフィルムの巻戻しを可能と
するものである。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、フィルムの巻戻し操作
の際に、フィルム軸駆動歯車と一体の板カムに形成され
た溝部に、フィルム検出レバーの先端部に設けられた突
起部が誘導され、行止まり部で停止する位置をフィルム
の巻戻し終了位置となるようにしてあるので、フィルム
の巻戻しが完全に行われたことを判断可能となる。した
がってフィルムの取出しが容易に行うことが可能であ
り、撮影不良のコマも生じなくなる。また、板カムに設
けた溝部の長さを少なくともフィルム検出レバーの接片
からフィルムの緊張状態が解除されて、フィルムがフィ
ルムカートリッジ内に収まるまでの長さに設けているた
め、板カムとどの位置でフィルム検出レバーが当接して
も行き止まり部で停止したときにはフィルムが完全にフ
ィルムカートリッジ内に収納される。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラ本体の外観を示す外観図であり、(a)
は正面図、(b)は底面図、(c)はカメラ本体の横断
面図である。
【図2】内部構成を示す背面図である。
【図3】同、底面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】内部構成を示す平面図である。
【図6】フィルム巻上げ時における各要素の動作を示す
構成図であり、(a)は一部切欠断面の平面図、(b)
は背面図、(c)は底面図である。
【図7】フィルム巻上げ時におけるシャッタレバーとレ
リーズレバーの動作を示す説明図である。
【図8】フィルム巻戻し時における逆転止めレバーの動
作を示す説明図である。
【図9】フィルム巻戻し時におけるフィルム軸の回転機
構の動作を示すもので、(a)〜(c)はカムとフィル
ム検出レバーとの位置関係を示す平面図、(d)はフィ
ルムカートリッジの表示状態を示す底面図、(e)はフ
ィルム検出レバーの突起部が板カムの溝部の行き止まり
部に達した状態を示す断面図である。
【図10】フィルム巻戻し中の状態を示すもので(a)
は一部切欠断面の平面面図((b)のC−C線断面
図)、(b)は背面図、(c)は底面図である。
【図11】バネクラッチがローラの上端部に取り付けら
れている状態を示す拡大断面図である。
【図12】フィルム巻上げ・巻戻し用機構を示す断面図
及び平面図である。
【符号の説明】
C フィルムカートリッジ C1 フィルム軸 F フィルム 20 板カム 20a フィルム軸駆動歯車 20b 溝部 20c 行止まり部 21 フィルム検出レバー 21b 突起部 21c 接片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手動でフィルムを巻上げ及び巻戻しする
    構成のカメラに具備するカメラのフィルム巻戻し機構に
    おいて、 装填されたフィルムカートリッジのフィルム軸を回転可
    能に設けてあるフィルム軸駆動歯車には、当該歯車と一
    体回転する板カムが設けてあり、 上記板カムには、上記フィルム軸の中心と同心の円弧状
    の所定幅の溝部が所定範囲にわたって形成してあり、 上記板カムの近傍には、フィルム検出レバーが支持軸を
    介して揺動自在かつ先端部が上記板カムの外周部に向け
    て付勢された状態に設けてあり、 上記フィルム検出レバーの一端部には上記溝部に係合可
    能な突起部が設けてあるとともに、上記フィルム検出レ
    バーの他端部には上記フィルムカートリッジから引き出
    されたフィルムの内側面に当接可能な接片が垂設してあ
    り、 上記突起部は、上記フィルムが緊張した状態では、上記
    接片が当該フィルムによって押圧されることによって上
    記板カムの外周部から離反し、上記緊張状態が解除され
    ると付勢力により上記板カムに当接し、上記板カムの回
    転にともない上記溝部に誘導され、当該溝部の行止まり
    部に達することにより上記フィルム軸駆動歯車の巻戻し
    方向への回転を不能とし、上記フィルムの巻戻し終了の
    位置を決定可能としてあることを特徴とするカメラのフ
    ィルム巻戻し機構。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記溝部の範囲は、
    少なくとも上記フィルムが上記緊張状態を解除されてか
    ら上記フィルムカートリッジ内に収まるまでの長さにな
    っていることを特徴とするカメラのフィルム巻戻し機
    構。
JP31682197A 1997-11-18 1997-11-18 カメラのフィルム巻戻し機構 Pending JPH11149116A (ja)

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