JPH11148777A - 被乾燥体の乾燥方法およびそのための乾燥装置 - Google Patents

被乾燥体の乾燥方法およびそのための乾燥装置

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JPH11148777A
JPH11148777A JP31378897A JP31378897A JPH11148777A JP H11148777 A JPH11148777 A JP H11148777A JP 31378897 A JP31378897 A JP 31378897A JP 31378897 A JP31378897 A JP 31378897A JP H11148777 A JPH11148777 A JP H11148777A
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dried
drying
air
drying chamber
unit
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Susumu Kiyokawa
川 晋 清
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥操作終了の見極めを被乾燥体固有の平衡
含水率に基づいて行い、効率よく乾燥操作を行う。 【解決手段】 乾燥室51内の空気を強制的に取り込ん
で再度該乾燥室51内に空気を戻す第1のファン73b
と、該第1のファン73bから放出される空気を平均加
熱するための赤外線ヒータ73aとを備えた加熱循環経
路73と、乾燥室51内に外部の空気を導入するための
給気手段56と、乾燥室51内の空気を外部に排出する
ための排出手段57と、空調室52内に配設されるとと
もに該空調室52内の空気を強制的に循環させる第2の
ファン74を備えた室外空気循環経路と、乾燥室51内
で上記被乾燥体を収容するための可搬式ラック15と、
上記被乾燥体の重量を測定し、検出する測定検出部2
と、測定検出部2の検出結果に基づいて、第1のファン
73b、第2のファン74、給気手段56および排気手
段57の各動作を制御する制御部1とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線ヒータによ
り平均加熱して断熱構造の乾燥室内で被乾燥体を、該被
乾燥体の重量を測定しながら乾燥させる被乾燥体の乾燥
方法および乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アジ、サバなどの干物を始め
として、リンゴ、バナナ、パイナップルなどの果物また
は菜っ葉、ネギなど農産物の乾燥体が製造され、市場に
食品として供されている。
【0003】このような乾燥体を得るための従来の乾燥
方法では、例えば図13に示したように、被乾燥体10
0が収納された乾燥室200の側方にボイラー等の加熱
手段300を配置し、この加熱手段300から発生させ
た熱風あるいは温風を、乾燥室200内に送出させる一
方、この乾燥室200内の空気を冷却室400内に導入
し、該冷却室400内で乾燥室200から導いた空気を
冷却および除湿し、この除湿処理された空気を、再度加
熱手段300を通して乾燥室200内に送出している。
また、前記冷却室400内で除湿処理された一部の空気
はそのまま乾燥室200内に送出している。すなわち、
従来のシステムでは、空気を循環させて乾燥体を製造し
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各被乾燥体
は、外部の条件、すなわち温度、湿度が定まるとそれに
対応する一定の含水率で平衡する。この含水率は、各種
の被乾燥体により特有の値であり、平衡含水率と呼ばれ
ている。
【0005】被乾燥体は、この平衡含水率より低い含水
率になるまで乾燥させることができないため、被乾燥体
の含水率が平衡含水率に達したときに乾燥操作を終了さ
せることが、乾燥効率の観点から望ましい。
【0006】しかし、上記のような従来の被乾燥体の乾
燥装置では、乾燥操作が被乾燥体の含水率を測定しない
で行われており、乾燥操作終了の見極めは経験上得られ
る知識に基づいて行われていた。
【0007】また、乾燥操作において、加熱手段300
から供給される温風等で乾燥室200内の温度を上昇さ
せ、この熱で被乾燥体100の表面から水分を乾燥させ
るので、乾燥の始めから乾燥体を得るまでの間に多数の
日数がかかっていた。したがって、たとえ新鮮なものか
ら乾燥体を製造したものであっても、乾燥体を製造する
過程で被乾燥体が酸化してしまい、鮮度が低下してしま
うという問題もあった。
【0008】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、乾燥操作終了の見極めを被乾燥体固有の平
衡含水率に基づいて行うことが可能であり、乾燥過程で
被乾燥体の鮮度が低下しないような被乾燥体の乾燥方法
および乾燥装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る被乾燥体の
乾燥方法は、上述した問題を解決するために、赤外線ヒ
ータにより平均加熱して断熱構造の乾燥室内で被乾燥体
を、該被乾燥体の重量を測定しながら乾燥させる被乾燥
体の乾燥方法であって、上記乾燥室内の空気を赤外線ヒ
ータ近傍を通過させて加熱循環させる加熱工程と、上記
上記加熱工程にて被乾燥体の重量が減少して第一の所定
値に達したか否かを判別する第一の判別工程と、上記第
一の判別工程にて上記被乾燥体の重量が上記第一の所定
値に達したと判別された後、上記乾燥室内に外部の空気
を導入する一方、該乾燥室内の空気を外部に排出し、該
乾燥室内で空気の導入側から排出側に空気流を生じさせ
るとともに、上記乾燥室内の空気を上記赤外線ヒータ近
傍を通過させて加熱循環させる乾燥工程と、上記乾燥工
程にて被乾燥体の重量がさらに減少して第二の所定値に
達したか否かを判別する第二の判別工程と、上記第二の
判別工程にて上記被乾燥体の重量が上記第二の所定値に
達したと判別された後、乾燥動作を停止する停止工程と
を有し、上記第一の所定値および上記第二の所定値は、
上記被乾燥体に応じて決定されることを特徴としてい
る。
【0010】上記乾燥工程は、減圧下で行われることが
好ましい。また、本発明に係る被乾燥体の乾燥装置は、
被乾燥体が収納される断熱構造の乾燥室と、該乾燥室内
の温度を調節するための空調領域とを有する被乾燥体の
乾燥装置において、上記乾燥室内の空気を強制的に取り
込んで再度該乾燥室内に空気を戻す第一の循環手段と、
該第一の循環手段から放出される空気を平均加熱するた
めの赤外線ヒータとを備えた加熱循環経路と、上記乾燥
室に連通するとともに、該乾燥室内に外部の空気を導入
するための給気手段と、上記乾燥室に連通するととも
に、該乾燥室内の空気を外部に排出するための排気手段
と、上記空調領域内に配設されるとともに該空調領域内
の空気を強制的に循環させる第二の循環手段を備えた室
外空気循環経路と、上記乾燥室内で上記被乾燥体を収容
するための収容手段と、上記被乾燥体の重量を測定し、
検出する測定検出手段と、上記測定検出手段の検出結果
に基づいて、上記第一の循環手段、上記第二の循環手
段、上記給気手段および上記排気手段の各動作を制御す
る制御手段とを備えることを特徴としている。
【0011】また、上記制御手段は、上記測定検出手段
からの測定結果から上記被乾燥体の重量を算出する算出
部と、上記算出部からの算出結果が第一の所定値に達し
たか否かを判別する第一の判別部と、上記第一の判別部
から上記算出結果が上記第一の所定値に達した旨の判別
結果が出力されるまでは上記第一の循環手段および上記
第二の循環手段の動作をオン制御し、この判別結果が出
力された後、上記給気手段および上記排気手段の動作を
さらにオン制御する第一の制御部と、上記算出部からの
算出結果が第二の所定値に達したか否かを判別する第二
の判別部と、上記第二の判別部から上記算出結果が上記
第二の所定値に達した旨の判別結果が出力されると上記
第一の循環手段、上記第二の循環手段、上記給気手段お
よび上記排気手段の動作をオフ制御する第二の制御部と
を備え、上記第一の所定値および上記第二の所定値は、
上記被乾燥体に応じて決定されることが好ましい。
【0012】また、上記乾燥室内が、常時減圧状態に維
持されることが好ましい。また、上記収容手段は、上記
被乾燥体を並べるトレイを載置した台車であることが好
ましい。
【0013】また、上記測定検出手段は、上記収容手段
を配置する床に配設されるとともに、上記被乾燥体を収
容した収容手段の重量を測定する測定手段と、上記測定
手段からの測定結果を検出するとともに、この検出結果
に基づいて上記制御手段で処理されるデータを生成する
検出手段とを有することが好ましい。
【0014】あるいは、上記測定検出手段は、上記収容
手段に配設されるとともに、上記被乾燥体の重量を直接
測定する測定手段と、上記測定手段からの測定結果を検
出するとともに、この検出結果に基づいて上記制御手段
で処理されるデータを生成する検出手段とを有すること
も好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
に係る被乾燥体の乾燥方法および乾燥装置の具体的な態
様について説明する。
【0016】図1は、上記被乾燥体の乾燥装置の一具体
的態様における断面図、図2は、図1のII−II方向の概
略矢視図、図3は、図1の乾燥装置の概略斜視図、図4
は、図1の乾燥装置の加熱循環経路周りの構成を示す概
略図である。なお、図2〜図4まででは、説明の便宜
上、後述の制御部1などを省略してある。
【0017】上記被乾燥体の乾燥方法を適用した乾燥装
置は、図1〜図3に示すように、被乾燥体が収納される
断熱構造の乾燥室51と、該乾燥室51内の温度を調節
するための空調室52とを有する被乾燥体の乾燥装置に
おいて、乾燥室51内の空気を強制的に取り込んで再度
該乾燥室51内に空気を戻す第一の循環手段である第1
のファン73bと、該第1のファン73bから放出され
る空気を平均加熱するための赤外線ヒータ73aとを備
えた加熱循環経路73と、乾燥室51に連通するととも
に、該乾燥室51内に外部の空気を導入するための給気
手段56と、乾燥室51に連通するとともに、該乾燥室
51内の空気を外部に排出するための排出手段57と、
空調室52内に配設されるとともに該空調室52内の空
気を強制的に循環させる第二の循環手段である第2のフ
ァン74を備えた室外空気循環経路と、乾燥室51内で
上記被乾燥体を収容するための収容手段である可搬式ラ
ック15と、上記被乾燥体の重量を測定し、検出する測
定検出部2と、測定検出部2の検出結果に基づいて、上
記第1のファン73b、上記第2のファン74、上記給
気手段56および上記排気手段57の各動作を制御する
制御部1とを備えることを特徴としている。
【0018】また、乾燥室51内は常時減圧状態に維持
されることが好ましい。図1〜図3において、乾燥装置
50は、長さAが2940mm、幅Bが1190mm、
高さCが3632mm程の断熱構造の大型な筺体形状を
有しており、さらに周囲を断熱材で囲繞した乾燥室51
が画成されており、乾燥室51内には出入口53を介し
て出入りできるようになっている。そして、乾燥室51
内には、図示していないが2つの可搬式ラック15が対
向するように収容され、これらの可搬式ラック15は、
後述する一対の隔壁85、86に当接するように配置さ
れている。なお、図3では、出入口53を該乾燥装置5
0の手前側のみに設けたが、図示されない反対側にも設
けておくことが可能であることは勿論である。
【0019】乾燥室51の天井部上方には、空調室52
が設けられている。また、空調室52には、該空調室5
2と乾燥室51の全体の空気を循環するための第二のフ
ァン74が収容され、これにより乾燥装置50全体の空
気を循環させる室外空気循環経路が構成されている。
【0020】一方、乾燥室51には、図3に示すよう
に、給気手段56と排気手段57とが別々に接続されて
おり、給気手段56の給気口56aは、乾燥室51の一
方の側部に設けられた第1側部室51aの下方に開口し
ている。また、排気手段57の排気口57aは、乾燥室
51の第2側部室51bの下方に開口している。
【0021】また、給気手段56は、屋外の新鮮な空気
を乾燥室51内に導入するためのものであって、順次連
結されるエアフィルタ56a、配管58a、ブロワー5
9および配管58b、58c、58dを備え、ブロワー
59によって、配管58aおよび58b、58c、58
dを介して屋外の新鮮な空気を乾燥室51内に導入し、
乾燥室51内に気流を発生させるようになっている。す
なわち、屋外の空気は、エアフィルタ58aから、後述
する制御部1からの制御信号に基づいて、ブロワー59
で吸引され、吸引された空気は、配管58dを介して乾
燥室51内に供給され、該乾燥室51内では例えば図1
の矢印Dで示される方向で流れるようになっている。
【0022】一方、排気手段57は、乾燥室51内の被
乾燥体の乾燥によって加湿された加湿空気を屋外に排出
するもので、順次連結されるエアフィルタ60a、配管
63a、ブロワー60および配管63b、63c、63
dを備えており、乾燥室51内の加湿空気は、後述する
制御部1からの制御信号に基づいて、ブロワー60によ
って、乾燥室51内の排気口57aより配管63d、6
3c、63b、63aを介して屋外に排出されるように
なっている。
【0023】また、乾燥室51内の一方の側部には、隔
壁85を設けることにより第1側部室51aが、他方の
側部には隔壁86を設けることにより第2側部室51b
がそれぞれ形成され、これらの第1側部室51aおよび
第2側部室51bは、それらの隔壁85、86に設けた
多数の開口91、92を介して乾燥室51内に連通し、
さらに、上方の空調室52とも連通している。
【0024】これにより、第2のファン74で循環され
る加熱空気は、例えば図1の矢印Cで示すように流さ
れ、再び空調室52内に戻されるようになっている(室
外空気循環経路(ユニット循環経路))。この場合、第
2のファン74は、図示しない制御盤によって制御され
ており、後述する制御部1からオン制御の信号が出力さ
れているときに、乾燥室51内の循環風量が足りなくな
ると、例えば8000〜1200m3/H程度まで、乾燥
室51内の空気流量を増加させることができるようにな
っている。
【0025】また、乾燥室51の天井部に画成された加
熱循環経路73には、赤外線ヒータ73aが配設されて
いる。このように赤外線ヒータ73aを用いると、乾燥
室51内では、床付近にある被乾燥体も効率的に乾燥す
ることができる。
【0026】赤外線ヒータ73aから照射される照射線
は、赤外線より好ましくは遠赤外線であって、望ましく
は0.8μmより長い波長、さらに望ましくは0.8μ
mを超え12μm以下の波長を有する赤外線を照射する
ようになっている。この赤外線ヒータ73aを有する加
熱循環経路73の構造は、図4に示すように、底壁73
dを構成する母材76にセラミック溶射層77が溶射さ
れている。そして、母材76の背面には、加熱手段78
が配置され、外側がケーシング79で覆われている。
【0027】この場合、母材76は、例えば2mm厚さ
のAl板であり、セラミック溶射層77の厚さは10〜
70ミクロン程度である。ただし、母材76を構成する
部材には、特に限定はなくセラミック溶射の母材として
使用することのできる材料であればステンレスなど他の
材料を用いても良い。また、パンチングプレート等の多
孔板を用いて、この孔を空気通路としても良い。
【0028】また、前記セラミックは、1種類の原料で
ある必要はなく、種々の原料を混合した組成物であって
よい。使用しうる原料には特に限定はないが、赤外線を
多く放射するセラミックとしては、例えばジルコニア、
マグネタイト、アルミナ、ジルコン、鉄、クロム、マン
ガンなどの複合酸化物などが挙げられる。
【0029】なお、セラミックの溶射は、通常プラズマ
溶射ガンによって行なう。このプラズマ溶射ガンは、1
万℃以上の超高温プラズマアーク炎を作り、これに粉末
とした原料を送り込み、マッハ1〜2などの高速ジェッ
ト噴流中で融解させながら対象母材表面に原料を叩きつ
けてセラミック層を形成するものである。
【0030】このような赤外線ヒータ73aを用いる
と、床面からの高さが2.5メートルで、この高さでの
温度が例えば37℃であるとき、赤外線ヒータ73aの
稼動から10分程で所定の37℃に到達する。また、床
付近の温度は、これより高く、41℃付近にあり、これ
により乾燥室51内では、床付近にある被乾燥体も効率
的に乾燥することができる。
【0031】また、このような赤外線ヒータ73aを使
用することにより、高い赤外線放射効率により少ない投
入エネルギーで被乾燥体の表面のみならず中心部からも
水分を放出させることができる。従って、コスト的にも
安価で内部まで効果的に乾燥させることができる。
【0032】また、加熱循環経路73には、図1および
図4に示すように、第1のファン73bが設けられてい
る。この第1のファン73bは、乾燥室51内の空気を
加熱循環させるものであり、これによって、室内空気循
環経路(加熱循環経路)が構成されている。
【0033】この加熱循環経路73のような室内空気循
環経路を設けることによって、乾燥室51内の空気を赤
外線ヒータ73aの熱(通常、赤外線ヒータ73aの近
傍で300〜400℃にもなっている)で加熱して循環
できるので、乾燥室51全体の被乾燥体を均一に乾燥で
きるとともに、赤外線ヒータ73aによって加熱空気が
殺菌されることになる。したがって、被乾燥体が食品な
どの場合には、長期保存が可能であるとともに、安全性
が向上することになる。
【0034】なお、乾燥室51内で好ましく乾燥できる
ものとしては、茹でた菜っ葉、ほうれん草、キャベツ、
もやしなどの農産物、ワカメ、ヒジキなどの海産物、バ
ナナ、リンゴ、パイナップル、パパイヤ、柿などの果物
があり、特に水分や糖分が多く粘着し易いものを好まし
く乾燥させることができる。
【0035】勿論、工業製品、例えば洗浄後の集積回路
(IC)チップ、大規模集積回路(LSI)チップなど
の乾燥にも適用することができる。さらに、他の分野と
しては、水を多量に含んだ化石などを乾燥する場合に良
好である。
【0036】本態様による被乾燥体の乾燥装置50が上
記のように構成されているが、以下にその作用について
説明する。乾燥室51内では、給気手段56、排気手段
57および赤外線ヒータ73aは、後述するような方法
により制御されており、これにより全体の空調がなされ
ている。これにより、屋外の新鮮な空気が、給気手段5
6のブロワー59で吸引されて乾燥室51内に供給され
る。
【0037】一方、乾燥室51内の被乾燥体の乾燥によ
って加湿された加湿空気は、排気手段57のブロワー6
0によって、乾燥室51内の排気口57aにより配管6
3d、63c、63b、63aを介して屋外に排出され
る。
【0038】これにより、この乾燥室51内に気流が発
生する。この際、乾燥室51内は、減圧状態、例えば大
気圧より3mb以上、好ましくは10mb以上低い気圧
に維持される。
【0039】また、乾燥室51内で被乾燥体の乾燥によ
って加湿された空気は、ファン74によって空調室52
を通る室外空気循環経路(ユニット循環経路)によって
循環されている。
【0040】一方、乾燥室51内では、赤外線ヒータ7
3aの稼働により、天井から被乾燥体が吸収しやすい赤
外線が放射されている。さらに、乾燥室51内の空気
は、第1のファン73bによって、加熱循環経路73を
介して赤外線ヒータ73aによって加熱殺菌されて乾燥
室51に循環される。
【0041】このように、本態様によれば、乾燥室51
内が赤外線により略均一に加熱され、かつ、室内が排気
手段57により常に減圧され、さらには被乾燥体が収容
されている付近に水平方向の空気流が生じているので、
どの位置にある被乾燥体であっても速やかにかつ略均一
に乾燥することができる。
【0042】また、本態様によれば、加湿空気を冷却す
るのではなく、その加湿空気を外部に放出してしまうの
で、従来のように冷却するためのエネルギーが必要でな
い。しかも赤外線で短時間で乾燥させるので、乾燥体の
製造コストが低くなる。
【0043】なお、本態様では、赤外線ヒータ73aを
乾燥室51の天井に配設しているが、この赤外線ヒータ
73aは天井に限らず、左右の壁面に配設してもよい。
また、ここでは、給気手段56および排気手段57を上
部に設けているが、これに代え、下部に設けてもよい。
また、給気口56aおよび排気口57aの数などは本態
様に何ら限定されない。また、このようなシステムは、
大型なものから小型なものまで、種々変更可能である。
【0044】また、上記の乾燥装置50を一つのユニッ
トと考え、このユニットを上下方向に多段に配置した
り、図5に示すように、横方向に直列に延ばしていくこ
ともできる。なお、上下方向に多段に配設する際には、
例えば、3段に配置する場合には、一番上のユニットを
60℃、二番目のユニットを50℃、三番目のユニット
を40℃とし、乾燥の程度に応じてユニットの設定温度
を調整すればよい。
【0045】ここで、効率よく被乾燥体を乾燥させるた
めに第1のファン73b、第2のファン74、給気手段
56および排気手段57の動作を制御する、本発明の被
乾燥体の乾燥方法について説明する。
【0046】上記乾燥方法の説明に先立って、被乾燥体
の乾燥特性について図6を参照して説明する。なお、図
6は被乾燥体の含水率と、乾燥速度との関係を示すグラ
フである。
【0047】乾燥は、一般に図6に示すように、被乾燥
体予熱期間I、恒率乾燥期間II、減率乾燥期間III の三
期間に区分される。被乾燥体予熱期間Iは、投入された
被乾燥体が湿球温度まで上昇する期間であり、時間的に
も比較的短く、この間の水分変化は小さい。なお、この
湿球温度は被乾燥体固有の値である。
【0048】恒率乾燥期間IIは、周囲からの伝熱速度と
被乾燥体表面からの蒸発速度が釣り合った動的平衡状態
にある期間であり、被乾燥体の温度は近似的に乾燥用の
熱風の湿球温度に保たれ、かつ、この期間中乾燥速度R
は一定である。なお、恒率乾燥期間IIが終了する時点の
含水率w3 を特に限界含水率と呼ぶ。
【0049】減率乾燥期間III は、含水率w3 から含水
率w2 まで被乾燥体を乾燥させる期間であり、ここでは
被乾燥体の含水率が減少するにしたがって被乾燥体内部
の水分移動抵抗が増大し、乾燥速度Rが徐々に小さくな
る。なお、含水率w2 は被乾燥体外部のある特定の条
件、すなわち温度、湿度に対応して平衡するときの含水
率で、特に平衡含水率と呼ばれる。
【0050】ただし、恒率乾燥期間IIおよび減率乾燥工
程III は、実際には連続しており、本明細書においては
これらの期間をまとめて乾燥工程と呼んでいる。なお、
平衡含水率は乾燥方法に関係なく被乾燥体特有の値であ
るのに対し、限界含水率は乾燥方法に依存して変化する
温度である。したがって、平衡含水率に達するまで乾燥
させる際に、この限界含水率が小さくなるような乾燥方
法であるものほど、恒率乾燥期間IIが長くとれ、しかも
減率乾燥期間にて減少させるべき含水率が小さくなって
相対的に減率乾燥期間が短くなり、結果的に乾燥工程に
掛かる時間が短くなるため、乾燥効率のよい乾燥方法と
いえる。
【0051】また、図7は、本発明の乾燥方法における
被乾燥体の重量の経時的変化を示すグラフである。な
お、ここで被乾燥体の重量の変化においては、該被乾燥
体を乾燥させる過程で含水率の減少にしたがって減少す
る変化が支配的であると仮定している。
【0052】図7において、被乾燥体予熱期間Iは被乾
燥体の重量が初期値から値M1 まで変化する期間であ
り、恒率乾燥期間IIは上記重量が値M1 から値M3 まで
変化する期間であり、減率乾燥期間III は上記重量が値
3 から値M2 まで変化する期間である。
【0053】図7によれば、重量が値M1 になるまで乾
燥室内の空気を加温して被乾燥体を加温し、重量が値M
1 から値M2 になるまで乾燥室内の空気を加温するとと
もに、該乾燥室内で熱風の気流を生じさせ、熱風との接
触面積を大きくすることで、値M3 または含水率w3
すなわち限界含水率を小さくできるため、被乾燥体の乾
燥を効率よく行うことができる。
【0054】このような乾燥を可能とする本発明の乾燥
方法は、図8に示すように、赤外線ヒータ73aにより
平均加熱して断熱構造の乾燥室51内で被乾燥体を、該
被乾燥体の重量を測定しながら乾燥させる被乾燥体の乾
燥方法であって、上記乾燥室内の空気を赤外線ヒータ7
3a近傍を通過させて加熱循環させる加熱工程(ステッ
プS2)と、上記上記加熱工程にて被乾燥体の重量が減
少して第一の所定値に達したか否かを判別する第一の判
別工程(ステップS3)と、上記第一の判別工程にて上
記被乾燥体の重量が上記第一の所定値に達したと判別さ
れた後、上記乾燥室51内に外部の空気を導入する一
方、該乾燥室51内の空気を外部に排出し、該乾燥室5
1内で空気の導入側から排出側に空気流を生じさせると
ともに、上記乾燥室51内の空気を上記赤外線ヒータ7
3a近傍を通過させて加熱循環させる乾燥工程(ステッ
プS4)と、上記乾燥工程にて被乾燥体の重量がさらに
減少して第二の所定値に達したか否かを判別する第二の
判別工程(ステップS5)と、上記第二の判別工程にて
上記被乾燥体の重量が上記第二の所定値に達したと判別
された後、乾燥動作を停止する停止工程(ステップS
6)とを有し、上記第一の所定値および上記第二の所定
値は、上記被乾燥体に応じて決定されることを特徴とし
ている。
【0055】なお、図8では、乾燥重量Mt を有する台
車(後述する可搬式ラック15)に被乾燥体を載置して
乾燥させる乾燥方法の具体例を挙げる。なお、各工程の
動作に関連する部材については、図1の乾燥装置の対応
する部材を具体例として挙げる。
【0056】図8において、ステップS1では、被乾燥
体の乾燥を行うに際し初期設定が行われる。具体的に
は、上記台車の乾燥重量値Mt 、乾燥室51内の状態を
切り換える時期の基準である値M1 、M2 の値を設定し
ておく。
【0057】ステップS2は、被乾燥体を加熱する加熱
工程であり、ここでは先ず第1のファン73b、第2の
ファン74および赤外線ヒータ73aをオン状態にし
て、乾燥室51内の空気を加温し(ステップS11)、
所定時間間隔で被乾燥体を載置した台車の重量を測定し
(ステップS12)、得られた測定重量M’から被乾燥
体の重量値M(=M’−Mt )を算出し(ステップS1
3)、ステップS3に進む。
【0058】ステップS3は、第一の判別工程であり、
ここでは値Mが値M1 に達したか否かが判別される。こ
の判別結果がNO、すなわち値Mが値M1 に達していな
い、すなわち被乾燥体の重量値が値M1 よりも大である
と判別された場合、ステップS2の各工程を繰り返す。
また、この判別結果がYES、すなわち値Mが値M1
達したと判別された場合、ステップS4に進む。
【0059】ステップS4は、被乾燥体を乾燥させる乾
燥工程であり、ここでは第1のファン73b、第2のフ
ァン74および赤外線ヒータ73aに加えて、給気手段
56および排気手段57をオン状態にして、乾燥室51
内の空気を加温するとともに気流を発生させ(ステップ
S21)、所定時間間隔で被乾燥体を載置した台車の重
量を測定し(ステップS22)、得られた測定重量M’
から被乾燥体の重量値M(=M’−Mt )を算出し(ス
テップS23)、ステップS5に進む。
【0060】ステップS5は、第二の判別工程であり、
ここでは値Mが値M2 に達したか否かが判別される。こ
の判別結果がNO、すなわち値Mが値M2 に達していな
い、すなわち被乾燥体の重量値が値M2 よりも大である
と判別された場合、ステップS4の各工程を繰り返す。
また、この判別結果がYES、すなわち値Mが値M2
達したと判別された場合、ステップS6に進む。
【0061】ステップS6は、乾燥動作を停止させる停
止工程であり、ここでは第1のファン73b、第2のフ
ァン74、赤外線ヒータ73a、給気手段56および排
気手段57の全てをオフ状態にして乾燥装置の動作を停
止させる。こうして、上記乾燥方法による乾燥動作を終
了する。
【0062】なお、加熱工程および乾燥工程において、
通常各部材はオン/オフ制御を行うだけで十分である
が、特に第2のファン74については図1では図示され
ない制御盤にて例えば回転数を制御すると、乾燥室51
内の空気を効率よく加温させながら循環させることがで
きるため、より効率的である。
【0063】このような乾燥方法は、図1に示すよう
に、制御部1、測定検出部2およびROM8を用いて実
現することができる。また、各部材の動作について、対
応する図8のステップ番号を括弧内に示す。
【0064】すなわち、図1において、制御部1は、後
述する算出部3、第1のコンパレータ4、第1の制御部
5、第2のコンパレータ6、第2の制御部7およびRA
M9を有し、測定検出部2の検出結果に基づいて、上記
第1のファン73b、上記第2のファン74、上記給気
手段56および上記排気手段57の各動作を制御する。
【0065】測定検出部2は、例えば可搬式ラック15
を配置する床に配設されるとともに、上記被乾燥体を収
容した可搬式ラック15の重量M’を測定する測定部8
0と、測定部80からの測定結果を検出するとともに、
この検出結果に基づいて制御部1で処理されるデータを
生成する検出部81とを有している。なお、重量値M’
に関する検出データは算出部3に送られる。
【0066】算出部3は、測定検出部2の検出データに
基づいて被乾燥体の重量Mを算出(ステップS13、2
3)する。すなわち、RAM9には予め可搬式ラック1
5の乾燥重量Mt に関するデータを取り込んでおき、上
記検出データとしての値M’を用いて、(M’−Mt
を行い、得られたデータを値Mとして第1のコンパレー
タ4および第2のコンパレータ6に送る。
【0067】第1のコンパレータ4は、算出部3からの
算出結果である値Mが第一の所定値である値M1 に達し
たか否かを判別(ステップS3)する。なお、値M1
上述したように被乾燥体ごとに決定される値であって、
例えばROM8から入力される。ここでは、値Mと値M
1 との大小関係を比較し、M<M1 となったときに判別
データを第1の制御部5および第2のコンパレータ6に
送る。
【0068】第1の制御部5は、第1のコンパレータ4
から上記判別データが出力されるまでは第1のファン7
3b、第2のファン74および赤外線ヒータ73aの動
作をオン制御(ステップS11)ための制御信号を各部
に送る。また、この判別データが出力された後には、さ
らに給気手段56および排気手段57の動作をオン制御
(ステップS21)するための制御信号が各部に送られ
る。なお、各部の制御は、ROM8からのプログラムデ
ータに基づいて行われる。
【0069】第2のコンパレータ6は、第1のコンパレ
ータ4からの上記判別データの出力に基づいて動作開始
し、算出部3からの算出結果である値Mが第二の所定値
である値M2 に達したか否かを判別(ステップS5)す
る。なお、値M2 は上述したように被乾燥体ごとに決定
される値であって、例えばROM8から入力される。こ
こでは、値Mと値M2 との大小関係を比較し、M<M2
となったときに判別データを第2の制御部7に送る。
【0070】第2の制御部7は、第2のコンパレータ6
からの上記判別データが出力されると第1のファン73
b、第2のファン74、赤外線ヒータ73a、給気手段
56および排気手段57の動作をオフ制御(ステップS
6)するための制御信号が各部に送られる。なお、各部
の制御は、ROM8からのプログラムデータに基づいて
行われる。
【0071】このように、制御部1を構成することで、
乾燥開始後、第1のファン73b、第2のファン74お
よび赤外線ヒータ73aがオンになり、乾燥室51内の
空気が加熱される被乾燥体予熱期間Iに入る。図7にお
いて、時間t1 になったところで、第1のファン73
b、第2のファン74および赤外線ヒータ73aに加え
て、さらに給気手段56および排気手段57の動作が開
始され、乾燥室51内が被乾燥体予熱期間Iから恒率乾
燥期間IIに入る。また、時間t3 になったところで恒率
乾燥期間IIから減率乾燥期間III に自動的に入り、時間
2 になったところで、第1のファン73b、第2のフ
ァン74、赤外線ヒータ73a、給気手段56および排
気手段57の動作を停止して、乾燥操作が終了する。
【0072】ここでは、測定検出部2の構成として測定
部80を床に配設する構成を挙げて説明したが、図9に
示すように、上記測定部80の代わりに、台車側測定部
80aおよび乾燥室側測定部80bを、それぞれ可搬式
ラック15の下方および乾燥室の下方に互いに着脱可能
に配設し、可搬式ラック15を所定の位置に配置した後
に互いに電気的に接続して用いるように構成してもよ
い。このように構成することで、被乾燥体の重量の変化
を直接モニタすることが可能になる。
【0073】なお、図1の具体例では複数の可搬式ラッ
ク15の重量を測定して、全被乾燥体の重量を検出する
ように構成したが、これに限定されることはなく、複数
の可搬式ラック15の一部、例えば一台分の被乾燥体の
重量を検出するように測定検出部2を構成してもよい。
【0074】また、図9の具体例では複数の可搬式ラッ
ク15の内、一台分の被乾燥体の重量を検出するように
構成したが、こちらもこれに限定されることはなく、可
搬式ラック15の内任意の台数あるいは全台数分の被乾
燥体の重量を検出するように重量測定を行う各可搬式ラ
ック15の下方に台車側測定部80aを配設してもよ
い。
【0075】何れの場合においても、第1のコンパレー
タ4に比較基準値として送る値M1および第2のコンパ
レータ6に同様に送る値M2 として、検出する被乾燥体
の個数に相当する値をそれぞれ選択し、ROM8より各
コンパレータに送るようにすることは勿論である。
【0076】本乾燥装置で用いられる可搬式ラック15
は、被乾燥体を載置できるものであれば特に限定される
ものではなく、例えば図10に示すように上記被乾燥体
を並べるトレイを有する被乾燥体ユニット41を載置し
た台車が挙げられる。
【0077】この被乾燥体ユニット41は、例えば図1
1に示すように、リンゴ、バナナなどの被乾燥体が並べ
られる平板状のトレイ部材42と、このトレイ部材42
の下方に配置される案内部材43とからなるもので、ト
レイ部材42には、空気流通用の多数の孔44が形成さ
れている。この孔44の開口率は、例えば20%である
が、これ以上あるいはこれ以下であっても良く、被乾燥
体の種類によって設定することができる。また、このト
レイ部材42の上側に形成された開口端面には、フラン
ジ45が形成され、このフランジ45は、後述の可搬式
ラック15の側壁に平行に配置される棚板部46に引っ
掛けられる。
【0078】一方、案内部材43は、上端面が開口した
略箱形状に形成されており、上記トレイ部材42と同様
に開口端面にフランジ47が形成されている。さらに、
この案内部材43の一側面には、空気を引き込むための
開口である空気導入口48が形成され、この空気導入口
48を形成した壁部48aの下端は遮蔽板部49を構成
しており、垂下して形成されている。
【0079】このようなトレイ部材42は、パンチプレ
ート等の多孔板から形成しても良く、また、多数の孔4
4は底面のみならず側面に形成されていても良い。この
ようにトレイ部材42および案内部材43からなる被乾
燥体ユニット41は、図12に示すように、側方の空気
導入口48から空気が送られてくると、その空気はトレ
イ部材42と案内部材43との間の限定された空間部1
0内に導入され、その後トレイ部材42に形成された孔
44から上方に排出される。これにより、トレイ部材4
2上に載置されたリンゴチップなどの被乾燥体11は、
この空気を直接受けることになる。したがって、リンゴ
あるいは、茹でた菜っ葉などを乾燥している場合には、
この菜っ葉に直接空気が接触してこれらを浮き上がらせ
るように作用するので、乾燥途中で被乾燥体が周囲に付
着してしまうことが防止される。また、乾燥速度が早め
られる。
【0080】図10に戻り、このような被乾燥体ユニッ
ト41を備えた可搬式ラック15は、下部にキャスター
17が配設されることにより走行自在に形成されてい
る。また、この可搬式ラック15の側板16、16に
は、図11に示した棚板部46が両側方に所定間隔置き
に平行に配設されている。
【0081】このような可搬式ラック15に対し、被乾
燥体ユニット41は、棚板部46に先ず案内部材43を
係止させ、その上にトレイ部材42を係止させることに
より、2枚の側板16間に所定間隔置きに多段に設置さ
れている。このように、ラック15には被乾燥体ユニッ
ト41が着脱自在に設置されているので、必要に応じて
上側のトレイ部材42のみを取り出すことができ、被乾
燥体の出し入れに便利である。
【0082】
【発明の効果】本発明に係る被乾燥体の乾燥方法および
乾燥装置によれば、乾燥操作収量の見極めを、経験上得
られる知識に基づいて行うのではなく、重量を測定しな
がら乾燥を行うことで、被乾燥体固有の平衡含水率に基
づいて効率的に行うことが可能になる。
【0083】また、赤外線ヒータを用いて加温した空気
を用いて、乾燥室内に気流を生じさせて、この気流を用
いて被乾燥体の乾燥を行うことで、より少ないエネルギ
ーで被乾燥体の表面のみならず中心部からも水分を放出
させることができるため、コスト的にも安価で、かつ、
被乾燥体を内部まで効率的に乾燥させることができる。
【0084】さらに、乾燥操作の結果、乾燥室内で生じ
た加湿空気を冷却するのではなく、外部に放出するよう
にするため、冷却に係るエネルギーが不要となり、コス
トが低減される。また、短時間にて乾燥できるため、特
に被乾燥体が食品などの場合には、被乾燥体の酸化から
の問題が生じる虞もなく、長期保存が可能になるととも
に安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る被乾燥体の乾燥装置の一
具体的態様を示す模式図である。
【図2】図2は、図1においてII−II方向の概略矢視図
である。
【図3】図3は、上記乾燥装置の概略斜視図である。
【図4】図4は、上記乾燥装置の加熱循環経路内を示す
拡大断面図である。
【図5】図5は、上記乾燥装置の他の具体的態様の上面
図である。
【図6】図6は、被乾燥体の含水率と乾燥速度との関係
を示すグラフである。
【図7】図7は、被乾燥体の乾燥時間と重量との関係を
示すグラフである。
【図8】図8は、本発明に係る被乾燥体の乾燥方法の一
具体的態様を説明するフローチャートである。
【図9】図9は、上記乾燥装置のさらに別の具体的態様
を示す模式図である。
【図10】図10は、上記乾燥装置で用いられる収容手
段の一具体例である台車の破断斜視図である。
【図11】図11は、上記収容手段に用いられるトレイ
の分解斜視図である。
【図12】図12は、上記トレイを組付けたときの断面
図である。
【図13】図13は、従来の被乾燥体の乾燥装置を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 制御部 2 測定検出部 3 算出部 4 第1のコンパレータ 5 第1の制御部 6 第2のコンパレータ 7 第2の制御部 15 可搬式ラック 41 被乾燥体ユニット 50 乾燥装置 51 乾燥室 52 空調室 56 給気手段 57 排出手段 73 加熱循環経路 73a 赤外線ヒータ 73b 第1のファン 74 第2のファン 80 測定部 81 検出部 80a 台車側測定部 80b 乾燥室側測定部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線ヒータにより平均加熱して断熱構
    造の乾燥室内で被乾燥体を、該被乾燥体の重量を測定し
    ながら乾燥させる被乾燥体の乾燥方法であって、 上記乾燥室内の空気を赤外線ヒータ近傍を通過させて加
    熱循環させる加熱工程と、 上記上記加熱工程にて被乾燥体の重量が減少して第一の
    所定値に達したか否かを判別する第一の判別工程と、 上記第一の判別工程にて上記被乾燥体の重量が上記第一
    の所定値に達したと判別された後、上記乾燥室内に外部
    の空気を導入する一方、該乾燥室内の空気を外部に排出
    し、該乾燥室内で空気の導入側から排出側に空気流を生
    じさせるとともに、上記乾燥室内の空気を上記赤外線ヒ
    ータ近傍を通過させて加熱循環させる乾燥工程と、 上記乾燥工程にて被乾燥体の重量がさらに減少して第二
    の所定値に達したか否かを判別する第二の判別工程と、 上記第二の判別工程にて上記被乾燥体の重量が上記第二
    の所定値に達したと判別された後、乾燥動作を停止する
    停止工程とを有し、 上記第一の所定値および上記第二の所定値は、上記被乾
    燥体に応じて決定されることを特徴とする被乾燥体の乾
    燥方法。
  2. 【請求項2】 上記乾燥工程は、減圧下で行われること
    を特徴とする請求項1に記載の被乾燥体の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 被乾燥体が収納される断熱構造の乾燥室
    と、該乾燥室内の温度を調節するための空調領域とを有
    する被乾燥体の乾燥装置において、 上記乾燥室内の空気を強制的に取り込んで再度該乾燥室
    内に空気を戻す第一の循環手段と、該第一の循環手段か
    ら放出される空気を平均加熱するための赤外線ヒータと
    を備えた加熱循環経路と、 上記乾燥室に連通するとともに、該乾燥室内に外部の空
    気を導入するための給気手段と、 上記乾燥室に連通するとともに、該乾燥室内の空気を外
    部に排出するための排気手段と、 上記空調領域内に配設されるとともに該空調領域内の空
    気を強制的に循環させる第二の循環手段を備えた室外空
    気循環経路と、 上記乾燥室内で上記被乾燥体を収容するための収容手段
    と、 上記被乾燥体の重量を測定し、検出する測定検出手段
    と、 上記測定検出手段の検出結果に基づいて、上記第一の循
    環手段、上記第二の循環手段、上記給気手段および上記
    排気手段の各動作を制御する制御手段とを備えることを
    特徴とする被乾燥体の乾燥装置。
  4. 【請求項4】 上記制御手段は、上記測定検出手段から
    の検出結果から上記被乾燥体の重量を算出する算出部
    と、 上記算出部からの算出結果が第一の所定値に達したか否
    かを判別する第一の判別部と、 上記第一の判別部から上記算出結果が上記第一の所定値
    に達した旨の判別結果が出力されるまでは上記第一の循
    環手段および上記第二の循環手段の動作をオン制御し、
    この判別結果が出力された後、上記給気手段および上記
    排気手段の動作をさらにオン制御する第一の制御部と、 上記算出部からの算出結果が第二の所定値に達したか否
    かを判別する第二の判別部と、 上記第二の判別部から上記算出結果が上記第二の所定値
    に達した旨の判別結果が出力されると上記第一の循環手
    段、上記第二の循環手段、上記給気手段および上記排気
    手段の動作をオフ制御する第二の制御部とを備え、 上記第一の所定値および上記第二の所定値は、上記被乾
    燥体に応じて決定されることを特徴とする請求項3に記
    載の被乾燥体の乾燥装置。
  5. 【請求項5】 上記乾燥室内が、常時減圧状態に維持さ
    れることを特徴とする請求項3または4に記載の被乾燥
    体の乾燥装置。
  6. 【請求項6】 上記収容手段は、上記被乾燥体を並べる
    トレイを載置した台車であることを特徴とする請求項3
    または4に記載の被乾燥体の乾燥装置。
  7. 【請求項7】 上記測定検出手段は、 上記収容手段を配置する床に配設されるとともに、上記
    被乾燥体を収容した収容手段の重量を測定する測定手段
    と、 上記測定手段からの測定結果を検出するとともに、この
    検出結果に基づいて上記制御手段で処理されるデータを
    生成する検出手段とを有することを特徴とする請求項3
    または4に記載の被乾燥体の乾燥装置。
  8. 【請求項8】 上記測定検出手段は、 上記収容手段に配設されるとともに、上記被乾燥体の重
    量を直接測定する測定手段と、 上記測定手段からの測定結果を検出するとともに、この
    検出結果に基づいて上記制御手段で処理されるデータを
    生成する検出手段とを有することを特徴とする請求項3
    または4に記載の被乾燥体の乾燥装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008249217A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Kyushu Nissho:Kk 加熱装置
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