JPH1114858A - ファイバグレーティング及び光通信システム - Google Patents

ファイバグレーティング及び光通信システム

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JPH1114858A
JPH1114858A JP9169918A JP16991897A JPH1114858A JP H1114858 A JPH1114858 A JP H1114858A JP 9169918 A JP9169918 A JP 9169918A JP 16991897 A JP16991897 A JP 16991897A JP H1114858 A JPH1114858 A JP H1114858A
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optical
fiber
wavelength
diffraction grating
signal
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JP9169918A
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Makoto Okai
誠 岡井
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Hitachi Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ファブリペローエタロンのような
等間隔の透過ピーク特性を有するファイバグレーティン
グを実現することを目的とする。 【解決手段】 本目的を達成するために、周期が徐々に
変化する、いわゆるチャプトグレーティングを2個並列
に設ける。これにより、等間隔の周期的な透過ピーク特
性を実現することができる。 【効果】 本発明によれば、ファブリペローエタロンの
ような等間隔の透過ピーク特性を有するファイバグレー
ティングを実現することができる、光ファイバ中のイン
ラインフィルタとして波長多重通信の波長安定化等に用
いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ及びこ
れを用いた光通信システムに係り、特にファブリペロー
エタロンのような等間隔の透過ピーク特性を有するファ
イバグレーティング(光ファイバフィルタ等に応用され
る)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の種々のファイバグレーティングに
関する技術動向が信学技報OPE95-114の第19頁乃至第24
頁に述べられている。等間隔の反射ピーク特性を有する
ファイバグレーティングについては、この中で述べられ
ている。しかし、実用上さらに重要な、等間隔の透過ピ
ーク特性を有するファイバグレーティングの報告はな
い。
【0003】現在、光ファイバを利用した光通信システ
ムの信号伝送容量を向上させる切り札として、一本の光
ファイバに異なる波長の光信号を送信させる所謂波長多
重伝送技術が注目されている(OPTRONICS誌、1996年第
5号第124頁乃至第129頁)。その特徴は、後述の本願発
明の実施例で参照する図11に示すように、センターノ
ードとよばれる局とこれに光ファイバで直列に接続する
複数のリモートノードとよばれる局とからなる光波リン
グネットワークにある。センタノードからは各リモート
ノード別に波長の異なる光信号を送り、各リモートノー
ドにおいては信号の受信波長と同じ波長で信号をセンタ
ーノードへ送信する。換言すれば、センターノードとリ
モートノードの情報のやりとりをする光信号の波長は、
各リモートノード別に割り当てられている。
【0004】さて、波長多重光伝送システムに限らず、
一般の光通信システムでは、信号伝送に割り当てる波長
を所望の狭い帯域に制限することが光信号の正確な受信
を達成する上で望まれるが、光信号送信に利用する半導
体レーザの発振波長帯域は必ずしもこの条件を満たすと
は言い難い。例えば、半導体レーザの動作環境の温度や
動作電流のばらつきは、レーザ光の波長分布に影響する
(問題1)。また、波長分割多重型(Wavelength-Divit
ion-Multiplexing)の伝送システムでは所定の波長間隔
を以て離間した複数の波長の光信号を合波させるが、各
光信号の波長プロファイルに拡がりがある場合、合波さ
れた段階で光信号間のクロストークが問題となる(問題
2)。さらに波長分割多重型光伝送システムでは、上記
リモートノードにおいて所望の波長帯域の光信号を明確
に(当該波長帯域以外の光信号を排除して)検知するこ
とや、上記センターノードで光信号波長別に設けた受光
素子に確実に光信号を分光せねばならない問題があった
(問題3)。
【0005】上記問題の解決策の一つとして、鏡面加工
した光ファイバの端面を対向させ、その端面間隔をピエ
ゾ素子で調整して透過波長を制限するファイバ−ファブ
リペロー干渉計(ファブリペローエタロン)を光学フィ
ルタとして利用することが考えられる。この光学フィル
タは、ELECTRONICS LETTERS誌、Vol.23,No.15(1987)の
第781頁乃至第783頁に開示されている。この光学フィル
タは等間隔の透過ピーク特性、即ち所定の波長間隔を以
て離間した複数の波長の光を出力できる性能を有するた
め、例えば波長分割多重型光通信システムの光信号伝送
装置において光合波器の後段に設ければ上記問題2を解
決することが期待できる。ところで、この種の光学フィ
ルタはピエゾ素子に印加される電圧により一義的に決ま
るファイバ端面間隔により透過する波長帯域が決まる。
そして、現実にはピエゾ素子に印加される電圧の微妙な
変動で光学フィルタの透過波長帯域が所望の値から容易
に外れてしまう問題がある。このような問題は、ファイ
バ端面を固定してファブリペローエタロンを構成すれば
解決されると考えられるが、ファイバ端面間の距離を微
小に設定するという光伝送システムからの要請は、この
ような構成のファブリペローエタロンを再現性よく生産
することを至難とさせた。即ち、同じ仕様のファブリペ
ローエタロンを複数光伝送システムに搭載しても、個々
のファブリペローエタロンにおいて機能的な誤差が無視
できない程度に現れるため、システム全体で見た光信号
の伝送機能の精度を損ねるのである。
【0006】一方、コア部なる芯をこれより屈折率の小
さいクラッド部で包みながら延伸する光ファイバの少な
くともコア層の長手(延伸)方向に屈折率分布を形成し
て当該コア部を伝播する光を波長を選択して反射させる
ファイバグレーティング技術において、屈折率が等間隔
に(規則的に)変わるほど反射波長の帯域が狭まること
が知られている。そして、この長手方向の屈折率変化の
間隔を徐々に増加又は減少させて所謂チャプトグレーテ
ィング(Chirped Grating)を構成することで反射波長
帯域が拡がることは、例えば特開平7−244209号、特開
平8−101322号、及び特開平8−201609号の各公報で論
じられている。このうち、特開平8−101322号公報に
は、漸次変化する屈折率パターンの一部を削除して特定
の波長を透過させる技術が開示されている。
【0007】特開平8−101322号公報に開示されるファ
イバグレーティング型の透過波長フィルタは、上述のフ
ァブリペローエタロンに比べて再現性よくコア層に屈折
率分布(パターン)を形成できるため生産性に優れる
が、光通信システムにおける実用性においては十分では
なかった。例えば、複数の波長帯域の光信号を夫々の中
心波長の間隔を10nmに設定して1本の光ファイバで送
信する波長多重光伝送システムにおいて、所定の(第1
の)波長帯域の光信号をこれに隣接する(第2の)波長
帯域の光信号から識別しようにも、第2の波長帯域の光
信号の波長分布の裾野に当たる光信号を取り込んでしま
う問題があった。このため、第1の波長帯域の光信号が
「0」なる情報を送りながらも、光信号受信側で「1」
なる情報と誤認する確率が高い。従って、ファイバグレ
ーティング型の透過波長フィルタを以て光通信システム
に係る上述の問題を解決することは困難とされていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、回折格子の
構造をうまく設計することにより、等間隔の周期的な透
過ピーク特性を有するファイバグレーティングを実現す
ることを目的とする。
【0009】また、光通信システムに用いる光学フィル
タとして上述の問題を解決するに好適なファイバグレー
ティングの構造を提供することにより、無調整で安定し
た分光性能を有する光信号伝送路を構築し、簡略にして
信号伝送精度の高い光通信システムを実現する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本目的を達成するため
に、周期が徐々に変化する、いわゆるチャプトグレーテ
ィングを2個並列に設ける。これにより、図6に示すよ
うな等間隔の周期的な透過ピーク特性を実現することが
できる。図6の縦軸は透過率(0dBで極大値を示
す)、横軸は共振器長(2Lg+Lf; 2Lgは図3の回折格子
領域1および2のトータル長さ、Lfは平坦領域の長さであ
る)で規格化したブラッグ波長からの波長ズレを波数で
表わしたものである(なお、回折格子に付された番号
1,2は参照番号1,2と異なるので注意されたい)。
【0011】ここで、本発明の望ましき一実施形態の基
本概念を説明する。本発明者は、スラブ型導波路を有す
る半導体光素子における分光特性について検討し、その
一形態における検討結果に基づく発明をPCT出願した
(出願番号:96GB2424号,WO−A−9714
201号にて公開)。図7(a)は、この検討結果の一
つを説明するものであり、上述のLg,Lfは光導波層
に接合され且つこれより屈折率の小さい層において、上
面に回折格子が形成された領域、及びこの領域に挟まれ
た回折格子のない領域の夫々の光の導波方向に対する長
さを示す。WO−A−9714201号公報に纏めた知
見では、図6の横軸(Δβ(2Lf+Lg)の値)は、
光導波層と回折格子との結合係数κ(κLgとして効
く)を設定することで透過波長に換算できる。透過率の
極大値は所定の波長間隔を持って出現するが、その間隔
は長さLgの回折格子領域を構成するチャプト・グレー
ティングのΛaからΛbへ減少する周期変化パターンやL
fの長さに依存する(Lfが大きくなるほど透過率の極
小値が小刻みに現れる)。なお、図7(a)においては
波長フィルタ機能を示す領域の長さを(2Lf+Lg)
としたが、n箇所の回折格子を(n−1)箇所の平坦領
域で離間した場合の波長フィルタ機能領域の長さはnL
g+(n−1)Lfとなる。
【0012】以上に記した知見をファイバグレーティン
グに転用するに際し、本発明者はファイバコア1に離間
して形成される屈折率変化領域4の光軸方向長さと上記
パラメータLg,Lfの関係について検討した。例え
ば、図7(b)に示す光ファイバにおいて2つの回折格
子領域を無限大に離間し、左側から右側へと光を伝播さ
せることを考えると特開平8−316912号に開示された技
術の如く、左側の回折格子領域の左端部から右端部に掛
けてλa=2nΛaからλb=2nΛb迄の光が順次当該回
折格子領域の左側へと反射されて、λaからλbの間以外
の波長帯域の光しか当該回折格子領域を透過できない。
しかしながら、平坦領域(上記スラブ型導波路での平坦
領域に相当する屈折率変化領域4のない領域と認識され
たい)の長さLfを縮めていくと、左右の回折格子領域
が結合してあたかも一つのフィルタとして振る舞うこと
が確認された。そして、上記光通信システムへの応用の
観点から、Lg≧Lfとすることが望ましいことを突き
止めた。即ち、この条件を満たしていれば光ファイバに
おいても確実にスラブ型導波路で得られた所定の波長間
隔を持って透過率の極大値が出現する分光特性が実現で
きるのである。
【0013】ここで、光ファイバにおける上記回折格子
領域、Lg、及びLfを図7(b)を参照して一例的に
定義付けるなら、1単位の回折格子領域は光の導波方向
に順次長さが増加又は減少する複数の屈折率変化部4を
有し且つ当該複数の屈折率変化部4でファイバコア1が
離間(分離)された領域を指し、Lgは屈折率変化部4
の最長部の端面と最短部の端面との距離を、Lfは隣接
し合う回折格子領域に夫々含まれる屈折率変化部4の一
方の最長部端面と他方の最短部端面との距離として定義
されよう。
【0014】一方、上記スラブ型導波路での検討におい
て、透過波長の間隔はLfが長いほど短くなることを論
じたが、上述の定義に基づくファイバグレーティングに
おいても同様な傾向を認めることができた。図8(b)
は、特開平6−53616号や特開平6−61572号の公報に開
示されるチャプト・グレーティング(図8(a))に基
づき図7(b)に示すファイバグレーティングを変形し
たものであるが、Lfの距離が屈折率変化部の最長部4
aの長さ未満になった状態で、透過波長の間隔が著しく
開く結果を得た。また、これに対し透過波長帯域の拡が
りが顕著でないことにも注目した。図9には、図7及び
8の(b)として夫々示したファイバグレーティングに
広い波長分布を持つ発光ダイオード(LED)の光を透
過させたときの透過スペクトルを示すが、図9(a)に
示す図7(b)の光ファイバの透過スペクトルに対し、
図8(b)の光ファイバのそれは図9(b)のようにな
った。図9において横軸に付したλSLが夫々λb=2
nΛba=2nΛaに対応することを考慮すると、夫々
の透過波長帯域に挟まれた波長(黒矢印で表示)の光
は、光ファイバにより反射されるものであると判断でき
る。
【0015】この結果から、本発明のファイバグレーテ
ィングは上記光通信システムにおいて解決すべき問題に
より、問題2に対しては図7(b)に準じたLfの設定
(Λ4a≦Lf≦Lg:Λ4aは屈折率変化部の最長部4a
の長さ)を問題1及び3に対しては図8(b)に準じた
Lfの設定(Lf<Λ4a)を採用することが望ましいと
考えた。特に最短波長λ1から最長波長λx迄のx種類の
伝送波長を用いる波長分割多重型の光伝送システムにお
いては、上記回折格子領域の最短部4bの長さをΛb
λ1/2nに、最長部4aの長さをΛa>λx/2nに設
定するとよい。なお、上記設計上の目安としてファイバ
コアの屈折率nを用いたが、望ましくは有効屈折率n
effを算出し、これをnに置き換えるとよい。
【0016】図7及び8では、上記屈折率変化部4によ
り分離されたファイバコア1の長さを夫々の屈折率変化
部4に併せて変化させたが、図10(a)に示すように
これらの長さを略等間隔にしてもよい。また、逆に図1
0(b)に示す如く、上記屈折率変化部4の長さ
(LUV)を一定とし、ファイバコア1の長さΛを順次変
化させてもよい。要は、図9に示す透過波長スペクトル
が得られる構成が実現できればよく、このために回折格
子領域の周期Λの変化(図10(b)ではファイバコア
1の周期変化としてΛと記してある)を適宜調整すれば
よい。
【0017】以上の結果を基に、本発明のファイバグレ
ーティングの更なる変形例として擬似的なチャプトグレ
ーティングを回折格子領域に採用することも可能であ
る。詳細は後述の実施例2及び4にて述べるが、略等間
隔(略とは、グレーティング作製時の誤差を含めた意
味)の周期の回折格子構造に局所的に周期の異なる部分
を導入することによっても、図9に示す透過スペクトル
を得ることができる。スラブ型の光導波路における擬似
的なチャプトグレーティングについては特開平6-61577
号及び特開平6-69586号の各公報において論じられてい
るが、本発明の実施例2及び4には光ファイバに特化し
た好適な形状を提案する。その一形態としての回折格子
領域における屈折率変化領域の配置を定義するなら、光
ファイバの光軸方向(ファイバコアが延伸する方向)の
長さΛAの屈折率変化領域をA箇所(Aは2以上の整
数)、光軸方向の長さΛBのファイバコア領域で離間し
てなる光軸方向の長さAΛA+(A-1)ΛB(=ΛC)の第1
の周期を、更にC箇所(Cは2以上の整数)、光軸方向
の長さΛD(但し、ΛB≠ΛD)のファイバコア領域で離
間して配置して光軸方向の長さCΛC+(C-1)ΛD(=上記
Lgに相当)の1単位の回折格子領域を構成する。図2
に模式的にしめした例(後述の実施例2の記載内容に対
しては省略されているが)でみれば、A=3、C=2と
なろう。
【0018】なお、上述の説明で便宜的に用いた屈折率
変化領域の定義を含め、本発明のファイバグレーティン
グ又は光ファイバフィルタを構成する光ファイバについ
て概略的に説明する。本発明の実施に用いる光ファイバ
は、母材としてSiO2を用る所謂石英系ファイバや、SiO2
を含まないGa2O3-GeO2-P2O5等のファイバ、ポリメチル
メタクリル酸(PMMA)等の高分子有機化合物からなるプ
ラスティックファイバのいずれを採用してもよい(光フ
ァイバの構成材料は、ここに列挙したもの以外を含め、
用途に応じて適宜選択し得る)。石英系の光ファイバの
例では、光ファイバの母材にNa2O、CaO、GeO2、B2O3、A
l2O3、TiO2、P2O5、及びFから選ばれる添加物を適宜ド
ープしてファイバコア(以下、コアと略す)1とファイ
バクラッド(以下、クラッドと略す)2の屈折率差を調
整するとよい。
【0019】ところで、GeO2を含む光ファイバ材料は、
紫外線を局所的に露光すると露光部の屈折率が非露光部
に比べて高くなる。この現象を利用すれば、ファイバコ
アの光軸に沿って上述の屈折率分布を微細に且つ容易に
形成できる。このようにコアの屈折率を局所的に変化さ
せた領域を屈折率変化領域4として定義する。屈折率変
化領域4はGeO2を含む光ファイバ材料に上述の如く形成
される領域に限らず、光又は荷電粒子線等の照射により
コア1の構成元素又はその化学状態(結合形態等)を変
化させることでコアの屈折率を局所的に変えた領域をも
含む。また、別の実施態様として、コア1とクラッド2
の界面にグレーティングパターンに対応した起伏を形成
し、その凹部又は凸部のいずれか一(コア外周が細くな
るか又は太くなるいずれか一の領域)を屈折率変化領域
4として定義してもよい。
【0020】以上に述べた本発明のファイバーグレーテ
ィング(実施態様に応じては、光ファイバフィルタとも
呼べよう)の基本的な構成上の特徴を纏めると、以下の
とおりである。
【0021】第1の局面によれば、等間隔の周期的な透
過ピーク特性を持つように設計した回折格子を有するフ
ァイバグレーティングにある。第2の局面によれば、光
の導波方向に、周期が徐々に変化した回折格子領域が2
箇所直列に形成されているファイバグレーティングにあ
る。第3の局面によれば、光の導波方向に、周期が疑似
的に徐々に変化した回折格子領域が2箇所直列に形成さ
れているファイバグレーティングにある。第4の局面に
よれば、光の導波方向に、位相シフト領域を複数個設け
ることにより、周期が疑似的に徐々に変化した回折格子
領域が2個直列に形成されていることを特徴とするファ
イバグレーティングにある。
【0022】夫々の局面で規定されるファイバーグレー
ティングには、2個の回折格子領域の間に平坦な領域を
形成してもよい。また、上述のファイバグレーティング
を光通信用のファイバに作り込んでもよい。さらに、こ
れらのファイバーグレーティングは光通信システムの信
号伝送路においてフィルタとして用いるとよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましき実施の形
態を実施例1乃至6と各々の関連図面を参照して説明す
る。各実施例において、共通し又は類似する構成要件に
ついては、同じ参照番号を付す。
【0024】<実施例1>本発明の第一の実施例を図1
を用いて説明する。
【0025】屈折率を高めるためにGeをドープした光フ
ァイバのコア1に、位相フォトマスク法によりマスク上
の回折格子パターンを転写する。光源には波長240nmの
エキシマーレーザを用いた。光を照射した部分の中性酸
素欠陥がGe-E'センタと呼ばれる欠陥に光学的に変化す
るため、屈折率が変化する。これにより、コア1中に半
永久的な回折格子を形成することができる。
【0026】回折格子領域1と回折格子領域2は全く等
価な構造である。回折格子は左から右にかけて周期が0.
523ミクロン(μm)から0.510ミクロンに直線的に変化
した、いわゆるチャプト構造となっている。回折格子領
域全長は5.6mmである。
【0027】これにより、0.1nm間隔の15本以上の透過
ピークを有するファイバグレーティングを得ることがで
きた。
【0028】<実施例2>第二の実施例を図2を用いて
説明する。第二の実施例では回折格子の構造が第一の実
施例と異なる。回折格子の基本周期は0.516ミクロンで
あり、等間隔に24箇所位相シフトを設けた。具体的に
は周期を0.065ミクロンだけ長くすることにより、位相
シフトを実現した。回折格子領域全長は5.6mmである。
【0029】これにより、0.1nm間隔の15本以上の透過
ピークを有するファイバグレーティングを得ることがで
きた。
【0030】<実施例3>第三の実施例を図3を用いて
説明する。第三の実施例では回折格子領域1と2の間
に、平坦領域を設けた点が、第一の実施例と異なる。回
折格子領域1および2の長さは、それぞれ2.0mmであ
り、平坦領域の長さは1.6mmである。
【0031】これにより、0.1nm間隔の20本以上の透過
ピークを有するファイバグレーティングを得ることがで
きた。
【0032】<実施例4>第四の実施例を図4を用いて
説明する。第四の実施例では回折格子領域1と2の間
に、平坦領域を設けた点が、第二の実施例と異なる。回
折格子領域1および2の長さは、それぞれ2.0mmであ
り、平坦領域の長さは1.6mmである。
【0033】これにより、0.1nm間隔の20本以上の透過
ピークを有するファイバグレーティングを得ることがで
きた。
【0034】<実施例5>第五の実施例を図5を用いて
説明する。図5は本発明のファイバグレーティングを波
長間隔安定化のためのフィルタとして用いた、波長多重
通信システムのブロック図である。0.1nm間隔の発振波
長の送信光源61をn個ならべ、それぞれのレーザを個別
に変調する。それぞれのレーザ光を光カップラを用い
て、一本の光ファイバに合波する。次に、本発明のファ
イバグレーティンング62を通った光の一部を受光器63で
モニターする。このモニター信号をそれぞれの送信光源
65にフィードバックすることにより、ファイバグレーテ
ィングの周期的透過ピークにそれぞれのレーザ光をロッ
クして発振波長間隔を安定化することができる。信号光
は光ファイバ64により、100km伝送し、受光装置により
分波後、受信した。それぞれのレーザを2.4Gb/sで変調
した場合、トータルで2.4Xn Gb/sの伝送をすることがで
きる。
【0035】<実施例6>第六の実施例として、本発明
のファイバグレーティングを波長分割多重型の光通信シ
ステムに応用した例を図11乃至14を参照して説明す
る。
【0036】図11は、λ1からλnの波長の異なるn種
類の光信号を用いた波長分割多重型の光通信システムの
ネットワークの概略図で、センターノードと呼ばれる局
からn種類の光信号がn箇所のリモートノードに波長別
に送信されている。また、各リモートノードからはリモ
ートノードに割り振られた波長により光信号が発信さ
れ、センターノードの受信器で波長別に受信されてい
る。このような光通信ネットワークについては、例えば
IEEE Photonics Technology Letters誌、Vol.5,No.7(1
993年)の第825頁乃至第828頁において論じられてい
る。
【0037】図11において、本発明のファイバグレー
ティング62はセンターノードの光合波器(n種類の光信
号を合波する部分)と光ファイバアンプ75(光信号強度
を増幅する部分)の間、及び光信号入力ポート(特に図
示せず)と光分波器(n種類の光信号を分波する部分)
の間に設けられている。n種類の光信号はその中心波長
(波長帯域の中心値となる波長)がΔλSig間隔で設定
されているのに対し、いずれのファイバグレーティング
の透過波長間隔もこれに合わせてある(n=8とするな
ら、図9(b)をイメージされたい)。
【0038】これらのファイバグレーティング62の光通
信ネットワークにおける効果は、次のとおりである。ま
ず、送信器側においては光信号伝送路としての光ファイ
バ64に光信号を出力する前に当該光ファイバにおける信
号強度の減少を抑えるために光ファイバアンプ75で光信
号の強度を増幅する。しかしながら、送信器を構成する
半導体レーザ装置の出力波長はある波長帯域の強度分布
を有するため、例えば中心波長λ2の光信号の一部の成
分がこれに隣接する中心波長λ1又はλ3の波長帯域に現
れる。このような隣接した光信号の波長帯域に染み出す
成分は微弱なため、光ファイバ64による信号伝送過程で
十分減衰すると考えられてきたが、送信器側又はセンタ
ーノードとこれに最初に接続されるリモートノード#1
に光ファイバアンプ75を設けると、この望ましからぬ成
分も増幅される。そこで、このファイバグレーティング
62が望ましからぬ成分のふるい落としに威力を発揮す
る。即ち、各光信号の欲しい波長成分をそのまま透過さ
せ且つ不要な波長成分を削除できるため、後段の光ファ
イバアンプにおいてはn種類の光信号に確実に対応する
波長成分を強調するように増幅することができる。
【0039】一方、受信器側に設けられたファイバグレ
ーティング62は後段の光分波器の分光機能をサポートす
るもので、当該光分波器の分光能力に応じて省略しても
よい。本実施例の更に望ましき実施態様においては、い
ずれのファイバグレーティング62も光信号伝送用の光フ
ァイバ64を製造する段階でその一部に実施例1で説明し
た露光を行うことで当該光ファイバに作り込む。このよ
うに本発明のファイバグレーティング62を作り込んだ光
ファイバ64を用いれば、従来のファブリペローエタロン
等で生じる信号伝送路における光信号の損失を解消する
ことができるため、光信号の伝送精度をより一層向上す
ることができる。
【0040】図12は、図11における送信器及び光合
波器からなるユニット(以下、光信号送信システム)に
本発明のファイバグレーティング62a〜62dを採用した構
成(a)と、分波器及び受信器からなるユニット(以
下、光信号受信システム)に本発明のファイバグレーテ
ィング62a〜62d、62xを採用した構成(b)を夫々示
す。但し、説明を簡素にするため、光信号の種類nは4
種類に限定してある(光信号の中心波長は、λ1<λ2
λ3<λ4の順に設定される)。ここで、ファイバグレー
ティング62aは波長λ1の光信号を、62bは波長λ2の光信
号を、62cは波長λ3の光信号を、62dは波長λ4の光信号
を夫々選択的に透過し、それ以外の波長成分(例えば、
62aにおける波長λ234)は反射するものである。
【0041】ファイバグレーティング62a〜62dの設計指
針は、図8を以て説明した概念に則り、回折格子領域の
間隔(Lf)を抑えてファイバグレーティングの透過波
長間隔を拡げる。例えば、λ2を例に図9(b)を参照
して説明するなら、透過波長の一つをλ2に合わせ且つ
透過波長間隔をΔλSig(光信号の中心波長の間隔)よ
り大きくする。λ1234の4種類の信号波長を
利用する光通信システムなら、λ2に関して透過波長間
隔を2ΔλSigより大きくすれば確実である。即ち、こ
のように構成されたファイバーグレーティングにおいて
は、λ134の光信号を確実に反射できる。一方、
光信号の波長の種類が多くなる場合や、透過すべき中心
波長が利用される信号波長群において最も長い又は短い
(図12の例におけるλ14に相当する)光信号にお
いては、上述のようなファイバグレーティングの透過波
長の拡張は当該ファイバグレーティングの製造の観点か
ら難しくなる。この場合は、透過波長の間隔を当該透過
波長間隔とΔλSigとの最小公倍数を透過すべき光信号
の中心波長に加え又はこれから減じた波長値が他の光信
号の波長帯域を避けるように設定することが推奨され
る。
【0042】そして、ファイバグレーティング62a〜62d
の設計上のもう一つの特徴は、所謂チャプト構造のファ
イバーグレーティングを採用する場合、図11で論じた
ファイバグレーティング62に比べて屈折率変化領域の最
短部の長さ(周期)Λb又は最長部の長さ(周期)Λa
少なくとも一が前者においては短く、後者においては長
くなることである。透過すべき中心波長が利用される信
号波長群において(中心波長の平均値に対して)長い場
合は最長部の長さ(周期)Λaを長めに、短い場合は最
短部の長さ(周期)Λbを短めに設定することが望まし
い。
【0043】図12(a)に示す本発明のファイバグレ
ーティング62a〜62dは、光ファイバカプラ66から光源た
る発光素子に発振すべき信号波長以外の光が戻ることを
防ぐという光通信システムの要請により設けられてい
る。図12(a)の発光素子は、図示せざるも伝送信号
に応じた光パルスを発生するための光変調器を搭載して
いる。ここで、発振波長λ1の発光素子に波長λ3の光が
入射すると、これがトリガーとなって当該発光素子にて
波長λ3の光が誘導放出される(波長分割多重型の光通
信システムにおいては夫々の信号波長が非常に近いた
め、このような問題が起こり易い)。誘導放出された波
長λ3の光は光変調器において波長λ1の光に載せるべき
信号パターンに変調され、光ファイバカプラを通して光
ファイバに伝搬される。このため、光ファイバで伝送さ
れる波長λ3の光信号は、この波長が本来伝送すべき信
号に波長λ1の信号成分が合わさったものとなり、伝送
精度を著しく損ねる。しかし、本発明のファイバグレー
ティング62aを発光素子と光ファイバカプラ66の間に設
けることにより上述の問題を解消できる。上述の問題を
解決する手段として、発光素子と光ファイバカプラ66の
間にアイソレータを設けるシステム構成も考えられる
が、アイソレータと光ファイバの光学的結合部分におけ
る光損失を考えると、本発明のファイバグレーティング
の優位性は明らかであろう。さらに、望ましくは光ファ
イバカプラを構成する光ファイバの一部に本発明のファ
イバーグレーティングを作り込むと光信号の損失をより
抑えることができる。
【0044】図12(b)に示す本発明のファイバグレ
ーティング62a〜62d及び62xは、光信号の受信部におけ
る各信号波長成分を分光するものである。なお、ファイ
バグレーティング62a〜62dの仕様は図12(a)におい
て説明したものに夫々準じる。光ファイバ64から伝送さ
れた光信号は、光サーキュレータ67に入力され、矢印方
向(反時計回り)に伝播する。当該光ファイバが接続さ
れた光サーキュレータ67のポートに対し、光の伝播方向
に次に設けられたポートにはファイバグレーティング62
xが形成された光ファイバが接続される。そして、波長
λ1234の光信号はファイバグレーティング62x
に向けて伝播する。
【0045】ファイバグレーティング62xは2ΔλSig
透過波長間隔を有し、λ2とλ4の波長に透過ピークを示
す。このため、λ2とλ4の光信号は、ファイバグレーテ
ィング62xを透過して光ファイバカプラ66に伝搬し、さ
らにファイバグレーティング62b,62dで分光されて受光
素子により検出される。一方、λ1とλ3の波長の光信号
はファイバグレーティング62xで反射されて光サーキュ
レータ67に戻り、更に反時計回りに伝播して次のポート
に接続された光ファイバ(別の光ファイバカプラ66へ延
伸)に入る。λ1とλ3の光信号は、ファイバグレーティ
ング62a,62cで分光されて受光素子により検出される。
図示された本発明の光信号受信システムでは、反射によ
り分光を行う従来のファイバグレーティングに比べて、
サーキュレータ67に入力される光信号が受光素子で検出
される迄に通過する光学素子の数が少なく、また反射回
数もλ2とλ4では0回、λ1とλ3では1回と少ない。こ
のため、光信号の強度損失が従来に比べて格段に低減で
きる一方、光信号受信システム全体の小型化をも実現で
きる。
【0046】以上、図12で論じた光信号送信システム
(a)及び光信号受信システム(b)は、図11を参照
して論じた波長分割多重型の光通信ネットワークに限ら
ず、波長分割多重型の幹線系光通信システム、即ちセン
ターノード間においてn種類の波長の光信号を交信する
光通信システムにおいても実施できるものである。
【0047】図13及び14では、図11の波長分割多
重型の光通信ネットワークのリモートノードにおけるA
DM(Add/Drop Multiplexer:特定の波長信号を選択的
に送受信するシステム)における本発明の実施態様を示
す。いずれの実施態様においても、図12と同様に信号
波長を中心波長λ1234の4種類(中心波長間
の間隔:ΔλSig)に限定し、λ2の光信号を選択的に受
信し且つ送信するリモートノードのADMを例に説明す
る。なお、夫々において論じられるファイバグレーティ
ング62a〜62d(62b-1,62b-2含む)の仕様は図12にお
いて説明したものに夫々準じる。
【0048】図13に示すADMでは、光ファイバ64か
ら伝送される4種類の信号を光ファイバカプラ66aを通
し、ファイバグレーティング62b-1と光ファイバカプラ6
6bに送る。ファイバグレーティング62b-1では、λ2の光
信号のみが通過して受光素子で検出される一方、λ1
34の光信号は反射されて光ファイバカプラ66aに戻さ
れる。光ファイバカプラ66aの左側のポートの一方(信
号伝送用の光ファイバが接続されない方:ターミネート
部と表示)は、他の光伝送路と接続されることなくター
ミネート(終端)され、反射された光信号を光伝送シス
テム外に逃すようにしている。この構成は、後述の光フ
ァイバカプラ66b,66f,66gにおいても採用される。この
ため、ファイバグレーティング62b-1で反射した分だけ
伝送時間の遅れたλ134の光信号が光ファイバカ
プラ66aから光ファイバカプラ66bへ直接伝播するλ1
34の光信号に合わさり、信号パターンを変形するこ
とはなくなる。
【0049】一方、光ファイバカプラ66bを通過する光
信号は、ファイバグレーティング62dと62yに送られる。
ファイバグレーティング62yは透過波長間隔2ΔλSig
λ1とλ3に透過波長のピークを示すものである。これに
より、光ファイバカプラ66bへと伝播したλ2の光信号が
当該ADMから再びセンターノードに向かう光ファイバ
64に出力されることはなくなる。このADMの機能は、
センターノードから送信されたλ2の光信号情報の受信
と、当該受信信号とは別の情報を載せたλ2の光信号の
センターノードに向けての送信にあるため、センターノ
ードから送られたλ2の信号成分が当該ADMから送信
されるλ2の信号成分に干渉することを回避せねばなら
ない。これに対し、図13が示すようにADMを構成す
れば、このような干渉を実用上問題となるレベルより遥
かに低く抑制できる。
【0050】センターノードへ向けてλ2の光信号を送
信する発光素子の後段には、ファイバグレーティング62
b-2が設けられるが、その目的は図12(a)で論じた
ように他の波長の光信号の侵入防止にある。当該ADM
が設けられたリモートノードを単に通過するλ13
λ4の光信号は、光ファイバカプラ66cで合波し、更に光
ファイバカプラ66dでλ2の光信号と合波する。
【0051】さて、λ134の光信号に着目すれ
ば、λ2の光信号を扱うADMに到達する前後、又は当
該ADMを透過する過程で信号強度が減衰する問題が生
じる。図13で論じたADMでは構成の簡素化の観点で
利点はあるものの、λ134の光信号の減衰が無視
できぬレベルで生じる場合には問題があった。そこで、
図14においては図13より構成は複雑となるが、この
ような問題に十分対処できる高級仕様のADMの構成を
示し、以下にその概要を論じる。
【0052】図14(a)は、光信号の減衰に対応可能
なADMの構成の一例を示す。光ファイバ64から伝送さ
れる4種類の信号は、光ファイバカプラ66eを通してフ
ァイバグレーティング62bに送り、λ2の光信号のみを通
過させて受光素子で検出する一方、λ134の光信
号を反射により光ファイバカプラ66eに戻す点では図1
3と同じである。光ファイバカプラ66eに戻されたλ1,
λ34の光信号は、後段の光ファイバカプラ66fへ伝播
し、さらに光ファイバカプラ66fを通った光信号の一部
は光ファイバカプラ66gに伝播する。そして、光ファイ
バカプラ66fの後段に配置されたファイバグレーティン
グ62d、光ファイバカプラ66gの後段に配置されたファイ
バグレーティング62a,62cにより、λ413の光信号
は他の光信号成分から夫々分離される。
【0053】図14(a)のADMの構成上の第1の特
徴は、光ファイバカプラ66eから光ファイバカプラ66fへ
伝播するλ134の光信号が全てファイバグレーテ
ィング62bによる反射を受けるように構成される点であ
り、ターミネートされているポートの位置が光ファイバ
カプラ66aとは逆に右側(信号伝送用の光ファイバの接
続ポートに対向する位置)に有り、光ファイバカプラ66
eの左側において信号伝送用光ファイバの接続ポートと
光ファイバカプラ66fへ延伸する光ファイバの接続ポー
トが並ぶ。このような構成の利点は、λ2の光信号の光
ファイバカプラ66fへの伝播を完全に阻む上で図13の
構成に優るが、λ134の光信号に若干の損失をも
たらす。この損失は後述の第2の特徴にて十分補える程
度のレベルであるため問題はない。
【0054】図14(a)のADMの構成上の第2の特
徴は、ファイバグレーティング62a,62c,62dの後段に夫
々設けられたモニタユニット69にある。その構成の一例
を、図14(b)に示すがファイバグレーティングを通
過した光信号は光ファイバカプラ66kにより分波され、
受光素子70で信号強度がモニタされる。光ファイバカプ
ラ66kの後段には光ファイバアンプ71が接続され、伝播
された光信号の強度を増幅する。光ファイバアンプ71は
例えばエルビウム元素(Er)を添加した光ファイバから
なり、その増幅度は光ファイバアンプに付設された励起
光源(発光素子)72の出力により制御される。上述の受
光素子70でモニタされた信号強度は励起光源制御装置73
に入力され、当該ADMからの信号発信に要する信号強
度に対して光信号強度が低い場合、その差に応じて励起
光源72の出力を調整する。このため、信号伝送路のみな
らず、上述のファイバグレーティング62bによる反射過
程で生じたλ134の夫々の光信号の損失をも含め
て当該モニタユニットで補償できる。
【0055】ところで、上述の光ファイバアンプ71によ
り増幅される波長帯域は、波長分割多重型の光伝送に用
いる信号波長間に跨ることが多い。このため、例えばλ
3の光信号をモニタし、強度補償を行う伝送路でファイ
バグレーティング62cで完全に除去しきれなかった他の
光信号が光ファイバアンプを通過することにより、この
いわばノイズ信号の強度も増幅されることになる。ノイ
ズ信号がλ1又はλ4の光信号の場合、これらは当該AD
Mを通過すべき信号であるため問題はないが、λ2の光
信号だと図13の例で論じたように当該ADMから送信
されるλ2の信号成分への干渉が問題となる。この観点
から、上述の第1の特徴の構成の採用により光ファイバ
カプラ66fへのλ2の受信信号を伝播を略完全に遮断する
ことが望ましくなる。
【0056】なお、光ファイバアンプによるλ2の光信
号の増幅が問題となるのは、センターノードでλ2の光
信号を発生する発光素子の出力が当該発光素子の駆動電
流の変動で突発的に増大したり、又は当該ADMに到る
光伝送路に設けられた光ファイバアンプの増幅率がその
励起光源の駆動電流の変動で突発的に増大する場合が考
えられる。これらのλ2の光信号受信強度を左右する電
気系統の安定性を高めれば、上述の第1の構成の必然性
も弱まる。即ち、光伝送システムの仕様の改善次第で
は、光ファイバカプラ66eにおける光ファイバの接続態
様を図13の光ファイバカプラ66aに準じ、信号伝送用
の光ファイバの接続ポートに対向するポートにファイバ
グレーティング62bと光ファイバカプラ66fへ延伸する光
ファイバとを接続してもよい。
【0057】再び図14(a)のADMに関する説明に
戻り、強度補償されたλ13の光信号は光ファイバカ
プラ66hで合波され、一方、強度補償されたλ4の光信号
は光ファイバカプラ66iで当該ADMから発信されるλ2
の光信号と合波され、これらは更に光ファイバカプラ66
jで合波されてセンターノードに向かう光ファイバ64に
出力される。λ2の光信号送信光源たる発光素子と光フ
ァイバカプラ66iとの間にはアイソレータを設けて当該
発光素子へのλ13,又はλ4の光信号入射を阻止して
いるが、これをファイバグレーティング62bに置き換え
てもよい。
【0058】以上、図11から図14に亘って説明した
本発明の波長分割多重型光通信システムにおいては、図
中のファイバグレーティング(ファイバフィルタ)62を
チャプトグレーティングファイバのシンボルで表した
が、上述の実施例2及び4で論じた擬似チャプトグレー
ティング型のファイバを用いてもシステム機能上何ら支
障がないものである。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、ファブリペローエタロ
ンのような等間隔の透過ピーク特性を有するファイバグ
レーティングを実現することができる、光ファイバ中の
インラインフィルタとして波長多重通信の波長安定化等
に用いることができる。
【0060】その実施の一例として、光伝送用のファイ
バの一部にグレーティング加工をすることにより、新た
な光学素子の結合を行うことなく伝送波長のフィルタリ
ングを行えるため、従来に比べて光の伝送損失の格段に
少ない光通信システムを実現することができる。
【0061】また、他の実施態様においてはグレーティ
ングパターンの調整により、波長分割多重型の光通信に
用いられる信号波長の中から特定の波長を狭い帯域で透
過させるフィルタを実現できるため、光通信システムに
おける送信側並びに受信側の構成を大幅に簡略化でき、
光分波器の低損失化をも達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のファイバグレーティングの
断面図を示す。
【図2】本発明の実施例2のファイバグレーティングの
断面図を示す。
【図3】本発明の実施例3のファイバグレーティングの
断面図を示す。
【図4】本発明の実施例4のファイバグレーティングの
断面図を示す。
【図5】本発明の実施例5のブロック図を示す。
【図6】本発明の原理説明図(ファイバグレーティング
の透過特性)を示す。
【図7】本発明のファイバグレーティング構造の基本的
な特徴の一例を示す。
【図8】本発明のファイバグレーティング構造の基本的
な特徴の他の例を示す。
【図9】本発明のファイバグレーティングの透過スペク
トルを示す。
【図10】本発明のファイバグレーティング構造の変形
例を示す。
【図11】本発明の実施例6に係り、波長分割多重型の
光通信ネットワークの概略図を示す。
【図12】本発明の実施例6に係り、(a)光信号送信
システム、及び(b)光信号受信システムの概略図を示
す。
【図13】本発明の実施例6に係り、波長分割多重型光
通信ネットワークのリモートノード構成の一例の概略図
を示す。
【図14】本発明の実施例6に係り、(a)波長分割多
重型光通信ネットワークのリモートノード構成の他の例
の概略図と、(b)これに用いるモニタユニット構成の
一例の概略図を示す。
【符号の説明】
1…ファイバコア、2…ファイバクラッド、3…チャプ
トグレーティング、31…疑似チャプトグレーティン
グ、61…送信光源、62…ファイバグレーティング、
63…受光装置、64…光ファイバ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】等間隔の周期的な透過ピーク特性を持つよ
    うに設計した回折格子を有するファイバグレーティン
    グ。
  2. 【請求項2】光の導波方向に、周期が徐々に変化した回
    折格子領域が2箇所直列に形成されていることを特徴と
    するファイバグレーティング。
  3. 【請求項3】光の導波方向に、周期が疑似的に徐々に変
    化した回折格子領域が2箇所直列に形成されていること
    を特徴とするファイバグレーティング。
  4. 【請求項4】光の導波方向に、位相シフト領域を複数個
    設けることにより、周期が疑似的に徐々に変化した回折
    格子領域が2個直列に形成されていることを特徴とする
    ファイバグレーティング。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載のファイ
    バグレーティングにおいて、2個の回折格子領域の間
    に、平坦な領域を有することを特徴とするファイバグレ
    ーティング。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載のファイ
    バーグレーティングをフィルタとして用いたことを特徴
    とする光通信システム。
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