JPH11148554A - 一方向性シール装置 - Google Patents
一方向性シール装置Info
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- JPH11148554A JPH11148554A JP9313962A JP31396297A JPH11148554A JP H11148554 A JPH11148554 A JP H11148554A JP 9313962 A JP9313962 A JP 9313962A JP 31396297 A JP31396297 A JP 31396297A JP H11148554 A JPH11148554 A JP H11148554A
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- JP
- Japan
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- peripheral
- ring
- groove
- elastic ring
- sealing device
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ピストンリング等に高い一方向性シール機能を
持たせる。 【解決手段】ピストン3の周溝3aに、シリンダ3壁面
と摺接するシールリング4,5を係合する係合溝6aを
形成した外周部6Aと該外周部6Aの片側から周溝3a
の片側側面に沿って延びる連結部6Bと該連結部6Bか
ら周溝3aの底面に沿って延びる内周部6Cとを備えた
弾性リング6と、該弾性リング6の外周部6Aを介して
シールリング4,5をシリンダ3壁方向に付勢するテン
ションリング7と、を嵌挿保持させる。
持たせる。 【解決手段】ピストン3の周溝3aに、シリンダ3壁面
と摺接するシールリング4,5を係合する係合溝6aを
形成した外周部6Aと該外周部6Aの片側から周溝3a
の片側側面に沿って延びる連結部6Bと該連結部6Bか
ら周溝3aの底面に沿って延びる内周部6Cとを備えた
弾性リング6と、該弾性リング6の外周部6Aを介して
シールリング4,5をシリンダ3壁方向に付勢するテン
ションリング7と、を嵌挿保持させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のポンプ,ス
ターリング機関等のシリンダ内壁とピストン外壁間など
軸と該軸が嵌挿されたケーシングとの間に介装されて、
その両側に形成される2つの空間相互間の流体の流れを
一方向にのみ流れやすくした一方向性シール装置に関す
る。
ターリング機関等のシリンダ内壁とピストン外壁間など
軸と該軸が嵌挿されたケーシングとの間に介装されて、
その両側に形成される2つの空間相互間の流体の流れを
一方向にのみ流れやすくした一方向性シール装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンプレッサーにおいては、吸入
弁、バキュームポンプにおいては、排気弁を備えること
が夫々必須である。また、スターリング機関において
は、系内に密封されたガスが圧縮・膨張を繰り返すた
め、サイクル毎に圧縮室から少しずつガス漏れを生じ、
このガス漏れ量が大きくなると圧縮室における圧力変化
幅が減少して仕事量を減少させ、引いては出力を低下さ
せることになるので、多段のピストンリングを装着して
ガス漏れ防止を図っている。
弁、バキュームポンプにおいては、排気弁を備えること
が夫々必須である。また、スターリング機関において
は、系内に密封されたガスが圧縮・膨張を繰り返すた
め、サイクル毎に圧縮室から少しずつガス漏れを生じ、
このガス漏れ量が大きくなると圧縮室における圧力変化
幅が減少して仕事量を減少させ、引いては出力を低下さ
せることになるので、多段のピストンリングを装着して
ガス漏れ防止を図っている。
【0003】また、往復動内燃機関等においても、燃焼
室からの燃焼ガス漏れは有害であるため、同様にピスト
ンリングを多段装着して燃焼室からガス漏れを可及的に
抑制することを図っている。
室からの燃焼ガス漏れは有害であるため、同様にピスト
ンリングを多段装着して燃焼室からガス漏れを可及的に
抑制することを図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記コ
ンプレッサーやバキュームポンプにおける吸入弁や排気
弁は、その駆動機構をも必要とし、構造の複雑,大型化
さらにはコストアップを招くこととなる。一方、スター
リング機関において、現状のピストンリングではガス漏
れが大きく、仕事率引いては出力低下が大きくなってい
た。特に、スターリング機関は密封サイクルであるため
作動ガスの汚れや熱交換器に対する問題から無潤滑運転
すことが望まれているが、その場合は更にガス漏れが増
大して出力を低下させていた。
ンプレッサーやバキュームポンプにおける吸入弁や排気
弁は、その駆動機構をも必要とし、構造の複雑,大型化
さらにはコストアップを招くこととなる。一方、スター
リング機関において、現状のピストンリングではガス漏
れが大きく、仕事率引いては出力低下が大きくなってい
た。特に、スターリング機関は密封サイクルであるため
作動ガスの汚れや熱交換器に対する問題から無潤滑運転
すことが望まれているが、その場合は更にガス漏れが増
大して出力を低下させていた。
【0005】また、内燃機関の場合も同様にピストンリ
ングのガス漏れ抑止機能には限界があり、有害なブロー
バイガスの増大による出力低下を大きくしていた。この
点に鑑み、本願出願人等は、特願平1−210015号
(特開平3−74683号公報) で、ピストンリングの
構造等を改良して作動流体の一方向の漏れは可及的に抑
制しつつ、逆方向には積極的に作動流体を流入させると
いう弁機能を持たせた一方向シール装置を提案した。
ングのガス漏れ抑止機能には限界があり、有害なブロー
バイガスの増大による出力低下を大きくしていた。この
点に鑑み、本願出願人等は、特願平1−210015号
(特開平3−74683号公報) で、ピストンリングの
構造等を改良して作動流体の一方向の漏れは可及的に抑
制しつつ、逆方向には積極的に作動流体を流入させると
いう弁機能を持たせた一方向シール装置を提案した。
【0006】しかし、ここで、使用したシール用の弾性
リングはリングの端縁部のみでシールを行う構成であっ
たため、高圧が加わると該弾性リングに密着しているシ
ールリングの合い口部分で弾性リングの端縁部がまくれ
上がり該合い口を介して作動流体が漏れることがあり、
なお、シール機能に改善の余地があった。本発明は、こ
のような従来の課題に着目してなされたもので、シール
機能をより高めた一方向性シール装置を提供することを
目的とする。
リングはリングの端縁部のみでシールを行う構成であっ
たため、高圧が加わると該弾性リングに密着しているシ
ールリングの合い口部分で弾性リングの端縁部がまくれ
上がり該合い口を介して作動流体が漏れることがあり、
なお、シール機能に改善の余地があった。本発明は、こ
のような従来の課題に着目してなされたもので、シール
機能をより高めた一方向性シール装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、ケー
シングの内周面と、該ケーシング内に嵌挿された軸の外
周面との間に介装される一方向性シール装置であって、
前記ケーシング及び軸からなる2部材のうち、一方の部
材の周面に形成された周溝に嵌挿されると共に他方の部
材の周面に当接するシールリングと、該シールリングと
前記周溝の底部との間に装着され、前記シールリングの
前記周溝の底部側の端縁部を嵌挿保持する係合溝を形成
した内周側又は外周側のいずれかの第1周端部と、該第
1周端部から前記周溝の一方の周側面に沿って延びる連
結部と、該連結部から前記周溝の底部に沿って延びる第
2周端部とを備え、かつ、軸方向の幅を前記周溝の軸方
向の幅より小さく形成した弾性リングと、前記弾性リン
グの第1周端部の第2周端部に対向する周壁面に圧接し
て装着され、該弾性リングを介して前記シールリングを
前記他方の部材の周面に押しつけるバネ性を有したテン
ションリングと、を含んで構成したことを特徴とする。
シングの内周面と、該ケーシング内に嵌挿された軸の外
周面との間に介装される一方向性シール装置であって、
前記ケーシング及び軸からなる2部材のうち、一方の部
材の周面に形成された周溝に嵌挿されると共に他方の部
材の周面に当接するシールリングと、該シールリングと
前記周溝の底部との間に装着され、前記シールリングの
前記周溝の底部側の端縁部を嵌挿保持する係合溝を形成
した内周側又は外周側のいずれかの第1周端部と、該第
1周端部から前記周溝の一方の周側面に沿って延びる連
結部と、該連結部から前記周溝の底部に沿って延びる第
2周端部とを備え、かつ、軸方向の幅を前記周溝の軸方
向の幅より小さく形成した弾性リングと、前記弾性リン
グの第1周端部の第2周端部に対向する周壁面に圧接し
て装着され、該弾性リングを介して前記シールリングを
前記他方の部材の周面に押しつけるバネ性を有したテン
ションリングと、を含んで構成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】本装置を挟んで両側に画成される空間の中、前
記弾性リングの連結部が形成されている側から離れた側
の空間の圧力が反対側空間の圧力より高いときは、該高
圧が弾性リングの連結部形成側とは反対側の周溝との隙
間から侵入して弾性リングの連結部及び第1周端部を周
溝の片側の側面及び底面に押しつける力が作用してこの
部分を完全にシールすると共に、テンションリングを介
してシールリングを周溝が形成されていない方の部材の
周面へ押しつける方向に作用するので、該シールリング
と周面との間のシール性も高められる。
記弾性リングの連結部が形成されている側から離れた側
の空間の圧力が反対側空間の圧力より高いときは、該高
圧が弾性リングの連結部形成側とは反対側の周溝との隙
間から侵入して弾性リングの連結部及び第1周端部を周
溝の片側の側面及び底面に押しつける力が作用してこの
部分を完全にシールすると共に、テンションリングを介
してシールリングを周溝が形成されていない方の部材の
周面へ押しつける方向に作用するので、該シールリング
と周面との間のシール性も高められる。
【0009】したがって、前記高圧側の作動流体の低圧
側への漏れを効果的に防止できる。一方、前記弾性リン
グの連結部に近い側の空間の圧力が反対側空間の圧力よ
り高いときは、該圧力によって弾性リングを変形させつ
つシールリングと周溝が形成されていない方の部材の周
面との間に隙間を発生させて該隙間を通じて作動流体が
反対側の低圧側空間へへ容易に流動する。
側への漏れを効果的に防止できる。一方、前記弾性リン
グの連結部に近い側の空間の圧力が反対側空間の圧力よ
り高いときは、該圧力によって弾性リングを変形させつ
つシールリングと周溝が形成されていない方の部材の周
面との間に隙間を発生させて該隙間を通じて作動流体が
反対側の低圧側空間へへ容易に流動する。
【0010】したがって作動流体の一方向の流れに対し
ては、最大限にシール性を高めることができると共に、
他方向の流れに対しては該流れを許容して高い一方向性
シール機能が得られる。
ては、最大限にシール性を高めることができると共に、
他方向の流れに対しては該流れを許容して高い一方向性
シール機能が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態を示
し、本発明に係る一方向性シール装置をコンプレッサー
に適用したものである。図2は、該装置を構成する各リ
ング部材の外観を示す。
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態を示
し、本発明に係る一方向性シール装置をコンプレッサー
に適用したものである。図2は、該装置を構成する各リ
ング部材の外観を示す。
【0012】図において、吐出口1には、該吐出口1方
向のみに開くリード弁10が装着され、シリンダ2内に嵌
挿されるピストン(軸) 3とシリンダ(ケーシング) 2
との間に本発明に係る一方向弁装置が装着される。即
ち、ピストン3の周壁には周溝3aが形成され、該周溝
3aにはシールリング4,5と、これらシールリング
4,5の内周面側と周溝3aとの間に弾性リング6が介
装される。
向のみに開くリード弁10が装着され、シリンダ2内に嵌
挿されるピストン(軸) 3とシリンダ(ケーシング) 2
との間に本発明に係る一方向弁装置が装着される。即
ち、ピストン3の周壁には周溝3aが形成され、該周溝
3aにはシールリング4,5と、これらシールリング
4,5の内周面側と周溝3aとの間に弾性リング6が介
装される。
【0013】該弾性リング6は、前記シールリング4,
5の内周側部分を密着して嵌挿する係合溝6aを形成し
た外周部(第1周端部) 6Aと、該外周部6Aの前記吐
出口1と反対側部分から前記ピストン3の周溝3aの同
一側側面に沿って内周側に延びる連結部6Bと、該連結
部6Bの内周側端部から軸方向に屈曲して周溝3aの底
部に密着する内周部(第2周端部) 6Cとを備えてい
る。該弾性リング6の軸方向の幅は、周溝3aの軸方向
の幅より小さく形成されている。弾性リングの形成材料
としては、天然ゴム、スチレンブタジェンゴム、ブチル
ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニ
トリルゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドレンゴム、
アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、4フッ化エ
チレン樹脂等があり、運転条件に応じて適切なものを選
択すればよい。例えば耐熱性を考慮する場合はシリコン
ゴム等、考慮しない場合は天然ゴム等でよい。
5の内周側部分を密着して嵌挿する係合溝6aを形成し
た外周部(第1周端部) 6Aと、該外周部6Aの前記吐
出口1と反対側部分から前記ピストン3の周溝3aの同
一側側面に沿って内周側に延びる連結部6Bと、該連結
部6Bの内周側端部から軸方向に屈曲して周溝3aの底
部に密着する内周部(第2周端部) 6Cとを備えてい
る。該弾性リング6の軸方向の幅は、周溝3aの軸方向
の幅より小さく形成されている。弾性リングの形成材料
としては、天然ゴム、スチレンブタジェンゴム、ブチル
ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニ
トリルゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドレンゴム、
アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、4フッ化エ
チレン樹脂等があり、運転条件に応じて適切なものを選
択すればよい。例えば耐熱性を考慮する場合はシリコン
ゴム等、考慮しない場合は天然ゴム等でよい。
【0014】前記弾性リング6の外周部6Aの内周部6
Cと対向する内周面には、前記ピストンリング4,5の
外周面をシリンダ2内壁にバネ力をもって圧接させるよ
うに拡開付勢する金属製のテンションリング7が嵌挿さ
れている。なお、シールリング4,5及びテンションリ
ング7は合い口を有しており、この合い口を拡げて周溝
3a内に嵌挿できるようになっており、弾性リング6は
弾性変形によって容易に周溝3aに密着して嵌挿させる
ことができるようになっている。
Cと対向する内周面には、前記ピストンリング4,5の
外周面をシリンダ2内壁にバネ力をもって圧接させるよ
うに拡開付勢する金属製のテンションリング7が嵌挿さ
れている。なお、シールリング4,5及びテンションリ
ング7は合い口を有しており、この合い口を拡げて周溝
3a内に嵌挿できるようになっており、弾性リング6は
弾性変形によって容易に周溝3aに密着して嵌挿させる
ことができるようになっている。
【0015】かかる一方向性シール装置を備えたコンプ
レッサーの作動を説明する。ピストン3が、図で実線矢
印で示すように吐出口1のある吐出室方向に動く圧縮行
程時には、吐出室側の圧力が高く、この圧力が周溝3a
と弾性リング6との隙間を通って外周部6Aと内周部6
Cとの間に形成される空間に導かれる。これにより、弾
性リング6の連結部6B及び内周部6Cを周溝3aの吐
出口1と反対側の側面及び底面に押しつける力が作用し
てこの部分を完全にシールすると共に、テンションリン
グ7を介してシールリング4,5をシリンダ2内壁側へ
押しつける方向に作用するので、シールリング4,5と
シリンダ2内壁との摺動面のシール性も高められる。
レッサーの作動を説明する。ピストン3が、図で実線矢
印で示すように吐出口1のある吐出室方向に動く圧縮行
程時には、吐出室側の圧力が高く、この圧力が周溝3a
と弾性リング6との隙間を通って外周部6Aと内周部6
Cとの間に形成される空間に導かれる。これにより、弾
性リング6の連結部6B及び内周部6Cを周溝3aの吐
出口1と反対側の側面及び底面に押しつける力が作用し
てこの部分を完全にシールすると共に、テンションリン
グ7を介してシールリング4,5をシリンダ2内壁側へ
押しつける方向に作用するので、シールリング4,5と
シリンダ2内壁との摺動面のシール性も高められる。
【0016】したがって、かかる吐出行程時の吐出室か
らピストン3を挟んで反対側の大気空間側への作動流体
の漏れを効果的に防止でき、リード弁10を押し開いて作
動流体を効率良く吐出することができる。一方、ピスト
ン2が図示点線矢印方向に示すように吐出室と反対側の
大気空間側に移動する膨張行程時には、図で鎖線に示す
ように大気空間側の作動流体(空気) 圧によって弾性リ
ング6を図示鎖線のように変形させつつシールリング
4,5とシリンダ2内壁との間に隙間を発生させて該隙
間を通じて作動流体が吐出室側へ容易に流動する。
らピストン3を挟んで反対側の大気空間側への作動流体
の漏れを効果的に防止でき、リード弁10を押し開いて作
動流体を効率良く吐出することができる。一方、ピスト
ン2が図示点線矢印方向に示すように吐出室と反対側の
大気空間側に移動する膨張行程時には、図で鎖線に示す
ように大気空間側の作動流体(空気) 圧によって弾性リ
ング6を図示鎖線のように変形させつつシールリング
4,5とシリンダ2内壁との間に隙間を発生させて該隙
間を通じて作動流体が吐出室側へ容易に流動する。
【0017】これにより、膨張行程時に前記一方向弁装
置を介して作動流体を吐出室に吸入させることができ、
別途吸入弁を備える必要がなく一組の一方向性シール装
置を装着するのみでよいから、安価で摩擦損失も減少で
き消費電力も低減することができる。特に、本発明で
は、弾性リング6によるシールが万全なものとなるた
め、圧縮行程時の作動流体の漏れ量を最小限とすること
ができるため、作動効率を可及的に高めることができ
る。
置を介して作動流体を吐出室に吸入させることができ、
別途吸入弁を備える必要がなく一組の一方向性シール装
置を装着するのみでよいから、安価で摩擦損失も減少で
き消費電力も低減することができる。特に、本発明で
は、弾性リング6によるシールが万全なものとなるた
め、圧縮行程時の作動流体の漏れ量を最小限とすること
ができるため、作動効率を可及的に高めることができ
る。
【0018】因みに、本願出願人等が前記特願平1−2
10015号(特開平3−74683号公報) で提案し
た従来装置と前記本発明に係る装置との圧縮行程時にお
ける漏れ量を、ノズル孔からの漏れ量としてノズル孔の
等価直径で比較したものを図3に示す。この図からも本
発明に係る装置の方が従来装置に比較して、等価直径が
大きく減少しており、漏れ量を大きく減少できることが
明らかである。
10015号(特開平3−74683号公報) で提案し
た従来装置と前記本発明に係る装置との圧縮行程時にお
ける漏れ量を、ノズル孔からの漏れ量としてノズル孔の
等価直径で比較したものを図3に示す。この図からも本
発明に係る装置の方が従来装置に比較して、等価直径が
大きく減少しており、漏れ量を大きく減少できることが
明らかである。
【0019】また、かかる一方向性シール装置の逆特性
を利用してバキュームポンプに適用することもできる。
即ち、吐出口の代わりに吸入口に装着されるリード弁と
して吸入室方向にのみ開く弁を使用し、ピストンに形成
された周溝に、前記弾性リングを左右入れ換えて装着す
ることにより、バキュームポンプとして機能させること
ができ、その吸入行程における作動流体の漏れ量を最小
限に抑えることができる。
を利用してバキュームポンプに適用することもできる。
即ち、吐出口の代わりに吸入口に装着されるリード弁と
して吸入室方向にのみ開く弁を使用し、ピストンに形成
された周溝に、前記弾性リングを左右入れ換えて装着す
ることにより、バキュームポンプとして機能させること
ができ、その吸入行程における作動流体の漏れ量を最小
限に抑えることができる。
【0020】図4は、本発明の別の実施の形態を示す。
本実施の形態では、軸11が嵌挿されたケーシング12の端
部に形成された周溝13と、軸11の外周面との間に介装さ
れた一方向性シール装置を示し、該装置を挟んで図示左
側の高圧側から図示右側の低圧側への作動流体の漏れを
シールするためのものである。
本実施の形態では、軸11が嵌挿されたケーシング12の端
部に形成された周溝13と、軸11の外周面との間に介装さ
れた一方向性シール装置を示し、該装置を挟んで図示左
側の高圧側から図示右側の低圧側への作動流体の漏れを
シールするためのものである。
【0021】図において、合い口を有した一対のシール
リング14,15が軸11の外周面に合い口が重ならないよう
に軸方向に重合して装着される。前記周溝13aにはシー
ルリング14,15と、これらシールリング14,15の外周面
側と周溝13aとの間に弾性リング16が介装される。該弾
性リング16は、前記シールリング14,15の外周側部分を
密着して嵌挿する係合溝16aを形成した内周部(第1周
端部) 16Aと、該内周部16Aの低圧側部分から前記周溝
13aの同一側側面に沿って外周側に延びる連結部16B
と、該連結部16Bの外周側端部から軸方向に屈曲して周
溝13aの周端面に密着する外周部(第2周端部) 16Cと
を備えている。該弾性リング16の軸方向の幅は、周溝13
aの軸方向の幅より小さく形成されている。
リング14,15が軸11の外周面に合い口が重ならないよう
に軸方向に重合して装着される。前記周溝13aにはシー
ルリング14,15と、これらシールリング14,15の外周面
側と周溝13aとの間に弾性リング16が介装される。該弾
性リング16は、前記シールリング14,15の外周側部分を
密着して嵌挿する係合溝16aを形成した内周部(第1周
端部) 16Aと、該内周部16Aの低圧側部分から前記周溝
13aの同一側側面に沿って外周側に延びる連結部16B
と、該連結部16Bの外周側端部から軸方向に屈曲して周
溝13aの周端面に密着する外周部(第2周端部) 16Cと
を備えている。該弾性リング16の軸方向の幅は、周溝13
aの軸方向の幅より小さく形成されている。
【0022】前記弾性リング16の内周部16Aの外周部16
Cと対向する外周面には、前記シールリング14,15の内
周面を軸11の外壁に弾性力をもって圧接させるように拡
開付勢する金属製のテンションリング17が嵌挿されてい
る。なお、テンションリング17は合い口を有しており、
シールリング14,15と共にこの合い口を拡げて所定の位
置に嵌挿できるようになっており、弾性リング16は弾性
変形によって容易に嵌挿させることができるようになっ
ている。
Cと対向する外周面には、前記シールリング14,15の内
周面を軸11の外壁に弾性力をもって圧接させるように拡
開付勢する金属製のテンションリング17が嵌挿されてい
る。なお、テンションリング17は合い口を有しており、
シールリング14,15と共にこの合い口を拡げて所定の位
置に嵌挿できるようになっており、弾性リング16は弾性
変形によって容易に嵌挿させることができるようになっ
ている。
【0023】かかる一方向性シール装置をの作動を説明
する。高圧側空間から高圧の圧力が周溝13aと弾性リン
グ16との隙間を通って内周部16Aと外周部16Cとの間に
形成される空間に導かれる。これにより、弾性リング16
の連結部16B及び外周部16Cを周溝13aの低圧側の側面
及び周端面に押しつける力が作用してこの部分を完全に
シールすると共に、テンションリング16を介してシール
リング14,15を軸11外壁側へ押しつける方向に作用する
ので、シールリング14,15と軸11外壁との間のシール性
も高められる。
する。高圧側空間から高圧の圧力が周溝13aと弾性リン
グ16との隙間を通って内周部16Aと外周部16Cとの間に
形成される空間に導かれる。これにより、弾性リング16
の連結部16B及び外周部16Cを周溝13aの低圧側の側面
及び周端面に押しつける力が作用してこの部分を完全に
シールすると共に、テンションリング16を介してシール
リング14,15を軸11外壁側へ押しつける方向に作用する
ので、シールリング14,15と軸11外壁との間のシール性
も高められる。
【0024】したがって、高圧側から低圧側への作動流
体の漏れを効果的に防止できる。また、本実施の形態の
装置において、軸11が軸方向に往復動するアクチュエー
タの軸の場合にも適用でき、例えば軸11が図4で左側に
動いて仕事をしているときに図示右側空間が高圧側とな
って前記したように作動流体の漏れを防止し、アクチュ
エータによる仕事が終了し流体の排出分以上の容積が拡
大して、図示右側の圧力が図示左側の圧力より高くなっ
た場合は、図で鎖線で示すように弾性リング16が弾性変
形してシールリング14,15と軸11との隙間を生じさせ、
該隙間から高圧となった左側空間から作動流体が右側空
間に流入する。
体の漏れを効果的に防止できる。また、本実施の形態の
装置において、軸11が軸方向に往復動するアクチュエー
タの軸の場合にも適用でき、例えば軸11が図4で左側に
動いて仕事をしているときに図示右側空間が高圧側とな
って前記したように作動流体の漏れを防止し、アクチュ
エータによる仕事が終了し流体の排出分以上の容積が拡
大して、図示右側の圧力が図示左側の圧力より高くなっ
た場合は、図で鎖線で示すように弾性リング16が弾性変
形してシールリング14,15と軸11との隙間を生じさせ、
該隙間から高圧となった左側空間から作動流体が右側空
間に流入する。
【0025】このようにして、アクチュエータにより仕
事を行う際に漏れた作動流体を補うように、仕事を行っ
ていない行程時に作動流体が流入し、これにより、次回
の仕事を行う際の効率が高められ、また、仕事を行う行
程における作動流体の漏れもなく圧力を高められるの
で、アクチュエータの全体的な効率を向上させることが
できる。
事を行う際に漏れた作動流体を補うように、仕事を行っ
ていない行程時に作動流体が流入し、これにより、次回
の仕事を行う際の効率が高められ、また、仕事を行う行
程における作動流体の漏れもなく圧力を高められるの
で、アクチュエータの全体的な効率を向上させることが
できる。
【0026】この他、軸11が回転軸である場合にも本実
施の形態を同様に適用できる。
施の形態を同様に適用できる。
【図1】本発明に係る一方向性シール装置の第1の実施
の形態の構成を示す断面図。
の形態の構成を示す断面図。
【図2】同上実施の形態に使用される各リングの外観を
示す斜視図。
示す斜視図。
【図3】同上装置のシール機能を従来例と比較して示し
た線図。
た線図。
【図4】本発明に係る一方向性シール装置の第2の実施
の形態の構成を示す断面図。
の形態の構成を示す断面図。
2 シリンダ 3 ピストン 3a 周溝 4,5 シールリング 6 弾性リング 6a 係合溝 6A 外周部 6B 連結部 6C 内周部 7 テンションリング 11 軸 12 ケーシング 13 周溝 14,15 シールリング 16 弾性リング 16A 内周部 16B 連結部 16C 外周部 16a 係合溝 17 テンションリング
Claims (1)
- 【請求項1】ケーシングの内周面と、該ケーシング内に
嵌挿された軸の外周面との間に介装される一方向性シー
ル装置であって、 前記ケーシング及び軸からなる2部材のうち、一方の部
材の周面に形成された周溝に嵌挿されると共に他方の部
材の周面に当接するシールリングと、 該シールリングと前記周溝の底部との間に装着され、前
記シールリングの前記周溝の底部側の端縁部を嵌挿保持
する係合溝を形成した内周側又は外周側のいずれかの第
1周端部と、該第1周端部から前記周溝の一方の周側面
に沿って延びる連結部と、該連結部から前記周溝の底部
に沿って延びる第2周端部とを備え、かつ、軸方向の幅
を前記周溝の軸方向の幅より小さく形成した弾性リング
と、 前記弾性リングの第1周端部の第2周端部に対向する周
壁面に圧接して装着され、該弾性リングを介して前記シ
ールリングを前記他方の部材の周面に押しつけるバネ性
を有したテンションリングと、 を含んで構成したことを特徴とする一方向性シール装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9313962A JPH11148554A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 一方向性シール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9313962A JPH11148554A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 一方向性シール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11148554A true JPH11148554A (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=18047588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9313962A Pending JPH11148554A (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 一方向性シール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11148554A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009121337A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Toyota Motor Corp | ピストン機関及びスターリングエンジン |
JP2010172928A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Yamaha Motor Co Ltd | はんだ供給装置および印刷装置 |
CN109737204A (zh) * | 2019-03-07 | 2019-05-10 | 兰州理工大学 | 一种组合活塞密封件 |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP9313962A patent/JPH11148554A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009121337A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Toyota Motor Corp | ピストン機関及びスターリングエンジン |
JP2010172928A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Yamaha Motor Co Ltd | はんだ供給装置および印刷装置 |
CN109737204A (zh) * | 2019-03-07 | 2019-05-10 | 兰州理工大学 | 一种组合活塞密封件 |
CN109737204B (zh) * | 2019-03-07 | 2020-10-02 | 兰州理工大学 | 一种组合活塞密封件 |
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