JP2832777B2 - 一方向弁装置 - Google Patents
一方向弁装置Info
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- JP2832777B2 JP2832777B2 JP4206850A JP20685092A JP2832777B2 JP 2832777 B2 JP2832777 B2 JP 2832777B2 JP 4206850 A JP4206850 A JP 4206850A JP 20685092 A JP20685092 A JP 20685092A JP 2832777 B2 JP2832777 B2 JP 2832777B2
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- Japan
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- valve
- piston
- gap
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダとピストンと
を含んで構成される各種のポンプ,エンジン等のシリン
ダ内壁とピストン外壁間に介装されて、その両側に形成
される2つの空間相互間の流体の流れを一方向にのみ流
れやすくした一方向弁装置に関する。
を含んで構成される各種のポンプ,エンジン等のシリン
ダ内壁とピストン外壁間に介装されて、その両側に形成
される2つの空間相互間の流体の流れを一方向にのみ流
れやすくした一方向弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンプレッサーにおいては、吸入
弁、バキュームポンプにおいては、排気弁を備えること
が夫々必須である。また、スターリング機関において
は、系内に密封されたガスが圧縮・膨張を繰り返すた
め、サイクル毎に圧縮室から少しずつガス漏れを生じ、
このガス漏れ量が大きくなると圧縮室における圧力変化
幅が減少して仕事量を減少させ、引いては出力を低下さ
せることになるので、多段のピストンリングを装着して
ガス漏れ防止を図っている。
弁、バキュームポンプにおいては、排気弁を備えること
が夫々必須である。また、スターリング機関において
は、系内に密封されたガスが圧縮・膨張を繰り返すた
め、サイクル毎に圧縮室から少しずつガス漏れを生じ、
このガス漏れ量が大きくなると圧縮室における圧力変化
幅が減少して仕事量を減少させ、引いては出力を低下さ
せることになるので、多段のピストンリングを装着して
ガス漏れ防止を図っている。
【0003】また、往復動内燃機関等においても、燃焼
室からの燃焼ガス漏れは有害であるため、同様にピスト
ンリングを多段装着して燃焼室からガス漏れを可及的に
抑制することを図っている。
室からの燃焼ガス漏れは有害であるため、同様にピスト
ンリングを多段装着して燃焼室からガス漏れを可及的に
抑制することを図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記コ
ンプレッサーやバキュームポンプにおける吸入弁や排気
弁は、その駆動機構をも必要とし、構造の複雑,大型化
さらにはコストアップを招くこととなる。一方、スター
リング機関において、現状のピストンリングではガス漏
れが大きく、仕事率引いては出力低下が大きくなってい
た。特に、スターリング機関は密封サイクルであるため
作動ガスの汚れや熱交換器に対する問題から無潤滑運転
すことが望まれているが、その場合は更にガス漏れが増
大して出力を低下させていた。
ンプレッサーやバキュームポンプにおける吸入弁や排気
弁は、その駆動機構をも必要とし、構造の複雑,大型化
さらにはコストアップを招くこととなる。一方、スター
リング機関において、現状のピストンリングではガス漏
れが大きく、仕事率引いては出力低下が大きくなってい
た。特に、スターリング機関は密封サイクルであるため
作動ガスの汚れや熱交換器に対する問題から無潤滑運転
すことが望まれているが、その場合は更にガス漏れが増
大して出力を低下させていた。
【0005】また、内燃機関の場合も同様にピストンリ
ングのガス漏れ抑止機能には限界があり、有害なブロー
バイガスの増大による出力低下を大きくしていた。本発
明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、
ピストンとシリンダとの間に設けられるピストンリング
の構造等を改良して作動流体の一方向の漏れは可及的に
抑制しつつ、逆方向には積極的に作動流体を流入させる
という弁機能を持たせるという全く新規な着想に基づく
構成により前記各種の問題を解決できるのみならず、広
い範囲に渡って応用されうる画期的な機能を有した一方
向弁装置を提供することを目的とする。
ングのガス漏れ抑止機能には限界があり、有害なブロー
バイガスの増大による出力低下を大きくしていた。本発
明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、
ピストンとシリンダとの間に設けられるピストンリング
の構造等を改良して作動流体の一方向の漏れは可及的に
抑制しつつ、逆方向には積極的に作動流体を流入させる
という弁機能を持たせるという全く新規な着想に基づく
構成により前記各種の問題を解決できるのみならず、広
い範囲に渡って応用されうる画期的な機能を有した一方
向弁装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明に係る第
1の一方向弁装置は、シリンダ内を運動するピストンの
外壁と前記シリンダの内壁との一方に弾性力により圧接
して摺動する2つの環状の弁体を、他方に形成された周
溝内にピストン運動方向に並べて嵌挿し、これら2つの
両弁体の並び方向の両外側に隣接する2つの空間を仕切
り形成する一方、これら2つの両弁体と周溝とを、該2
つの両弁体と周溝との径方向と、該2つの両弁体の並び
方向と、にそれぞれ隙間を持つ大きさに形成し、かつ、
一方の弁体は、径方向に重ねて渦巻き状に巻回され、前
記摺動する側の周面は円周状に滑らかにつながるように
巻回端部が形成されると共に、該一方の弁体と周溝との
前記2つの両弁体の並び方向における対向面相互が、両
者の接触時に該一方の弁体に隣接する一方の空間と、該
一方の弁体と周溝との径方向の隙間と、を遮断する形状
に形成され、他方の弁体は、前記2つの両弁体の並び方
向における対向面相互が、両者の接触,非接触時共に該
他方の弁体に隣接する他方の空間と、該他方の弁体と周
溝との径方向の隙間と、を通じる隙間が保持される形状
に形成されていることを特徴とする。
1の一方向弁装置は、シリンダ内を運動するピストンの
外壁と前記シリンダの内壁との一方に弾性力により圧接
して摺動する2つの環状の弁体を、他方に形成された周
溝内にピストン運動方向に並べて嵌挿し、これら2つの
両弁体の並び方向の両外側に隣接する2つの空間を仕切
り形成する一方、これら2つの両弁体と周溝とを、該2
つの両弁体と周溝との径方向と、該2つの両弁体の並び
方向と、にそれぞれ隙間を持つ大きさに形成し、かつ、
一方の弁体は、径方向に重ねて渦巻き状に巻回され、前
記摺動する側の周面は円周状に滑らかにつながるように
巻回端部が形成されると共に、該一方の弁体と周溝との
前記2つの両弁体の並び方向における対向面相互が、両
者の接触時に該一方の弁体に隣接する一方の空間と、該
一方の弁体と周溝との径方向の隙間と、を遮断する形状
に形成され、他方の弁体は、前記2つの両弁体の並び方
向における対向面相互が、両者の接触,非接触時共に該
他方の弁体に隣接する他方の空間と、該他方の弁体と周
溝との径方向の隙間と、を通じる隙間が保持される形状
に形成されていることを特徴とする。
【0007】また、本発明に係る第2の一方向弁装置
は、シリンダ内を運動するピストンの外壁と前記シリン
ダの内壁との一方に弾性力により圧接して摺動する2つ
の環状の弁体を、他方に形成された周溝内にピストン運
動方向に並べて嵌挿し、これら2つの両弁体の並び方向
の両外側に隣接する2つの空間を仕切り形成する一方、
これら2つの両弁体と周溝とを、該2つの両弁体と周溝
との径方向と、該2つの両弁体の並び方向と、にそれぞ
れ隙間を持つ大きさに形成し、かつ、一方の弁体は、該
一方の弁体と周溝との前記2つの両弁体の並び方向にお
ける対向面相互が、両者の接触により該一方の弁体に隣
接する一方の空間と、前記2つの両弁体と周溝の径方向
の隙間と、を遮断する形状に形成し、他方の弁体は、該
他方の弁体と周溝との前記2つの両弁体の並び方向に重
ねて複数回らせん状に巻回され、かつ、該他方の弁体と
周溝との前記2つの両弁体の並び方向における対向面相
互の形状が、両者の接触,非接触時共に該他方の弁体に
隣接する他方の空間と、前記2つの両弁体と周溝との径
方向の隙間と、を通じる隙間が保持される形状に形成さ
れていることを特徴とする。
は、シリンダ内を運動するピストンの外壁と前記シリン
ダの内壁との一方に弾性力により圧接して摺動する2つ
の環状の弁体を、他方に形成された周溝内にピストン運
動方向に並べて嵌挿し、これら2つの両弁体の並び方向
の両外側に隣接する2つの空間を仕切り形成する一方、
これら2つの両弁体と周溝とを、該2つの両弁体と周溝
との径方向と、該2つの両弁体の並び方向と、にそれぞ
れ隙間を持つ大きさに形成し、かつ、一方の弁体は、該
一方の弁体と周溝との前記2つの両弁体の並び方向にお
ける対向面相互が、両者の接触により該一方の弁体に隣
接する一方の空間と、前記2つの両弁体と周溝の径方向
の隙間と、を遮断する形状に形成し、他方の弁体は、該
他方の弁体と周溝との前記2つの両弁体の並び方向に重
ねて複数回らせん状に巻回され、かつ、該他方の弁体と
周溝との前記2つの両弁体の並び方向における対向面相
互の形状が、両者の接触,非接触時共に該他方の弁体に
隣接する他方の空間と、前記2つの両弁体と周溝との径
方向の隙間と、を通じる隙間が保持される形状に形成さ
れていることを特徴とする。
【0008】また、本発明に係る第3の一方向弁装置
は、シリンダ内を運動するピストンの外壁と前記シリン
ダの内壁との一方に、弾性力により圧接して摺動する弁
体を、他方に形成された周溝内に嵌挿し、該弁体のピス
トン運動方向の両外側に隣接してピストンの運動によっ
て圧力の大小関係が逆転する2つの空間を形成する一
方、該弁体は径方向に重ねて渦巻き状に巻回され、前記
摺動する側の周面は円周状に滑らかにつながるように巻
回端部が形成されると共に各巻回部分の隣接する周面相
互が少しずつずれるように軸方向の弾性力が付与され、
弁体と周溝とのピストン運動方向の2対の対向面の中、
前記軸方向の弾性力により前記摺動する側から離れた部
分が常時周溝に圧接する一方の側は、対向面相互が両者
の接触時に当該一方の側に隣接する空間と、該弁体と周
溝との径方向の隙間と、を遮断する形状に形成され、他
方の側は、対向面相互が接触,非接触時共に当該他方の
側に隣接する空間と、弁体と周溝との径方向の隙間と、
を通じる隙間が保持される形状に形成したことを特徴と
する。
は、シリンダ内を運動するピストンの外壁と前記シリン
ダの内壁との一方に、弾性力により圧接して摺動する弁
体を、他方に形成された周溝内に嵌挿し、該弁体のピス
トン運動方向の両外側に隣接してピストンの運動によっ
て圧力の大小関係が逆転する2つの空間を形成する一
方、該弁体は径方向に重ねて渦巻き状に巻回され、前記
摺動する側の周面は円周状に滑らかにつながるように巻
回端部が形成されると共に各巻回部分の隣接する周面相
互が少しずつずれるように軸方向の弾性力が付与され、
弁体と周溝とのピストン運動方向の2対の対向面の中、
前記軸方向の弾性力により前記摺動する側から離れた部
分が常時周溝に圧接する一方の側は、対向面相互が両者
の接触時に当該一方の側に隣接する空間と、該弁体と周
溝との径方向の隙間と、を遮断する形状に形成され、他
方の側は、対向面相互が接触,非接触時共に当該他方の
側に隣接する空間と、弁体と周溝との径方向の隙間と、
を通じる隙間が保持される形状に形成したことを特徴と
する。
【0009】
【作用】前記請求項1の発明に係る第1の一方向弁装置
においては、渦巻き状に巻回された一方の弁体と周溝と
の前記対向面相互が接触するときは、他方の弁体の外側
に隣接する空間の流体の圧力により、該他方の弁体を介
して前記一方の弁体と周溝との接触する対向面のシール
性が強化される。
においては、渦巻き状に巻回された一方の弁体と周溝と
の前記対向面相互が接触するときは、他方の弁体の外側
に隣接する空間の流体の圧力により、該他方の弁体を介
して前記一方の弁体と周溝との接触する対向面のシール
性が強化される。
【0010】また、前記他方の弁体と周溝との前記対向
面相互は弁体と周溝との径方向の隙間に通じる隙間が確
保されているので、該径方向の隙間に進入した流体の圧
力により両弁体はそれぞれ摺動側方向へ押し付けられ、
弁体摺動面相互間のシール性が高められ、かつ、前記一
方の弁体の渦巻き状に重なる重合面相互も圧接してこの
間のシール性も高められる。
面相互は弁体と周溝との径方向の隙間に通じる隙間が確
保されているので、該径方向の隙間に進入した流体の圧
力により両弁体はそれぞれ摺動側方向へ押し付けられ、
弁体摺動面相互間のシール性が高められ、かつ、前記一
方の弁体の渦巻き状に重なる重合面相互も圧接してこの
間のシール性も高められる。
【0011】したがって、この場合には2つの両弁体の
並び方向に隣接する2つの空間相互間での流体の流動が
効果的に阻止される。一方、前記とは逆に弁体と周溝と
の隙間が常時確保されている側の対向面相互が接触して
いるときには、反対側の対向面相互に弁体と周溝との径
方向の隙間に通じる隙間が形成されるため、これらの隙
間を介して2つの空間の相互間で流体の流動が容易に行
われる。
並び方向に隣接する2つの空間相互間での流体の流動が
効果的に阻止される。一方、前記とは逆に弁体と周溝と
の隙間が常時確保されている側の対向面相互が接触して
いるときには、反対側の対向面相互に弁体と周溝との径
方向の隙間に通じる隙間が形成されるため、これらの隙
間を介して2つの空間の相互間で流体の流動が容易に行
われる。
【0012】また、前記一方の弁体は渦巻き状に巻回さ
れた形状であるため、径方向に拡開して容易に周溝に装
着できると共に、摺動面側の周面は円周状に滑らかにつ
ながるように巻回端部が形成されているため、該巻回端
部からのガス漏れを可及的に減少させることができる。
請求項2の発明に係る第2の一方向弁装置も、基本的な
作用は第1の一方向弁装置と同様であるが、前記他方の
弁体を2つの両弁体の並び方向に重ねてらせん状に巻回
した形状としてあるため、それによって前記2つの両弁
体の並び方向における対向面相互が接触,非接触時共に
当該他方の側の空間と弁体摺動面側とは反対側の隙間と
を通じる隙間が大きく保持されると共に、弁体を径方向
に拡開して容易に周溝に装着できる。
れた形状であるため、径方向に拡開して容易に周溝に装
着できると共に、摺動面側の周面は円周状に滑らかにつ
ながるように巻回端部が形成されているため、該巻回端
部からのガス漏れを可及的に減少させることができる。
請求項2の発明に係る第2の一方向弁装置も、基本的な
作用は第1の一方向弁装置と同様であるが、前記他方の
弁体を2つの両弁体の並び方向に重ねてらせん状に巻回
した形状としてあるため、それによって前記2つの両弁
体の並び方向における対向面相互が接触,非接触時共に
当該他方の側の空間と弁体摺動面側とは反対側の隙間と
を通じる隙間が大きく保持されると共に、弁体を径方向
に拡開して容易に周溝に装着できる。
【0013】請求項3の発明に係る第3の一方向弁装置
においては、径方向に重ねられて巻回された渦巻き状の
弁体の巻回部分の隣接する周面相互が軸方向にずれるよ
うに弾性力を付与した形状としてあるため、該弁体を周
溝に嵌挿した状態では、ピストン運動方向の弁体と溝と
の対向面のうち一方は弁体摺動側に近い部分が圧接し、
他方は弁体摺動側から離れた部分が圧接する。
においては、径方向に重ねられて巻回された渦巻き状の
弁体の巻回部分の隣接する周面相互が軸方向にずれるよ
うに弾性力を付与した形状としてあるため、該弁体を周
溝に嵌挿した状態では、ピストン運動方向の弁体と溝と
の対向面のうち一方は弁体摺動側に近い部分が圧接し、
他方は弁体摺動側から離れた部分が圧接する。
【0014】この状態で、ピストンを一方向へ移動し、
摺動摩擦により前記一方の空間と、弁体と周溝との径方
向の隙間と、を遮断する形状の対向面相互が接触すると
きには、他方の空間から周溝内に導かれた高圧流体によ
り、弁体摺動面相互間のシール性が高められ、かつ、弁
体の渦巻き状に重なる重合面相互も圧接してこの間のシ
ール性も高められる。
摺動摩擦により前記一方の空間と、弁体と周溝との径方
向の隙間と、を遮断する形状の対向面相互が接触すると
きには、他方の空間から周溝内に導かれた高圧流体によ
り、弁体摺動面相互間のシール性が高められ、かつ、弁
体の渦巻き状に重なる重合面相互も圧接してこの間のシ
ール性も高められる。
【0015】また、この状態からピストンを反対方向に
運動させると前記シール面の一部は圧接したままである
から2つの空間の圧力関係が逆転する前は高圧ガスが漏
れることがない。次いで、2つの空間の圧力関係が逆転
すると、逆転した高圧側空間の流体は渦巻き状の隣接す
る巻回部分の隙間を拡げつつ、反対側対向面の隙間を介
して容易に流動する。
運動させると前記シール面の一部は圧接したままである
から2つの空間の圧力関係が逆転する前は高圧ガスが漏
れることがない。次いで、2つの空間の圧力関係が逆転
すると、逆転した高圧側空間の流体は渦巻き状の隣接す
る巻回部分の隙間を拡げつつ、反対側対向面の隙間を介
して容易に流動する。
【0016】これにより、ピストンの運動方向切換直後
の流体漏れも防止することができる。
の流体漏れも防止することができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、第1の発明の実施例を示し、本発明に
係る一方向弁装置をコンプレッサーに適用したものであ
る。図において、吐出口1には、該吐出口1方向のみに
開くリード弁10が装着され、シリンダ2内に嵌挿される
ピストン3のシリンダ2との間に本発明に係る一方向弁
装置が装着される。即ち、ピストン3の周壁には周溝3
aが形成され、該周溝3aにはピストンリング4,5
と、これらピストンリング4,5の内周面側に装着さ
れ、ピストンリング4,5の外周面をシリンダ2内壁に
弾性力をもって圧接させるように拡開付勢するテンショ
ンリング6が嵌挿されている。なお、ピストンリング4
及びテンションリング6は合い口を有しており、この合
い口を拡げて周溝3a内に嵌挿できるようになってい
る。また、ピストンリング5は、径方向に複数回渦巻き
状に巻回し、かつ、外周面及び内周面が円周状に滑らか
につながるように巻回端部が形成されたスパイラルリン
グに形成されており、これにより合い口を有する場合と
同様に拡開して周溝3aに嵌挿できると共に、ピストン
リング4,5相互間の対向面及びピストンリング5と周
溝3aとの対向面は接触時のシール性が高い形状に形成
されている。
明する。図1は、第1の発明の実施例を示し、本発明に
係る一方向弁装置をコンプレッサーに適用したものであ
る。図において、吐出口1には、該吐出口1方向のみに
開くリード弁10が装着され、シリンダ2内に嵌挿される
ピストン3のシリンダ2との間に本発明に係る一方向弁
装置が装着される。即ち、ピストン3の周壁には周溝3
aが形成され、該周溝3aにはピストンリング4,5
と、これらピストンリング4,5の内周面側に装着さ
れ、ピストンリング4,5の外周面をシリンダ2内壁に
弾性力をもって圧接させるように拡開付勢するテンショ
ンリング6が嵌挿されている。なお、ピストンリング4
及びテンションリング6は合い口を有しており、この合
い口を拡げて周溝3a内に嵌挿できるようになってい
る。また、ピストンリング5は、径方向に複数回渦巻き
状に巻回し、かつ、外周面及び内周面が円周状に滑らか
につながるように巻回端部が形成されたスパイラルリン
グに形成されており、これにより合い口を有する場合と
同様に拡開して周溝3aに嵌挿できると共に、ピストン
リング4,5相互間の対向面及びピストンリング5と周
溝3aとの対向面は接触時のシール性が高い形状に形成
されている。
【0018】また、ピストンリング4,5を重ねた軸方
向の厚さと、テンションリング6の軸方向の厚さとは周
溝3aの軸方向の幅より狭く、かつ、テンションリング
6と周溝3aとの間には隙間C1 が形成されている。つ
まり、弁体と周溝とを弁体の摺動側及び前記2つの空間
が並ぶ方向に隙間を持つ大きさに各部材が形成されてい
る。
向の厚さと、テンションリング6の軸方向の厚さとは周
溝3aの軸方向の幅より狭く、かつ、テンションリング
6と周溝3aとの間には隙間C1 が形成されている。つ
まり、弁体と周溝とを弁体の摺動側及び前記2つの空間
が並ぶ方向に隙間を持つ大きさに各部材が形成されてい
る。
【0019】さらに、ピストンリング4とテンションリ
ング6には、吐出口1側に径方向に複数箇所の溝4a,
6aが形成され、この溝4a,6aにより該溝形成側の
ピストンリング4及びテンションリング6と周溝3aと
の対向面相互は、両者の接触,非接触時共に吐出室7側
の空間と、前記隙間C1 とを通じる隙間が大きく保持さ
れる形状となっている。
ング6には、吐出口1側に径方向に複数箇所の溝4a,
6aが形成され、この溝4a,6aにより該溝形成側の
ピストンリング4及びテンションリング6と周溝3aと
の対向面相互は、両者の接触,非接触時共に吐出室7側
の空間と、前記隙間C1 とを通じる隙間が大きく保持さ
れる形状となっている。
【0020】かかる一方向弁装置を備えたコンプレッサ
ーの作動を説明する。ピストン2が、吐出室7方向に動
く圧縮行程時には、図1(B)に示すように、ピストン
リング4,5外周面とシリンダ2内壁との摺動摩擦抵抗
により、ピストンリング5の吐出室7側と反対側の側面
が周溝3aの対向面に圧接しており、これにより、該圧
接部分のシール性が高められる。
ーの作動を説明する。ピストン2が、吐出室7方向に動
く圧縮行程時には、図1(B)に示すように、ピストン
リング4,5外周面とシリンダ2内壁との摺動摩擦抵抗
により、ピストンリング5の吐出室7側と反対側の側面
が周溝3aの対向面に圧接しており、これにより、該圧
接部分のシール性が高められる。
【0021】また、吐出室7側の圧力が高く、この圧力
が前記溝4a,6aを通って隙間C1 に導かれ、テンシ
ョンリング6を介してピストンリング4,5をシリンダ
2内壁側へ押しつける方向に作用するので、ピストンリ
ング4,5とシリンダ内壁との摺動面のシールが高めら
れ、かつ、渦巻き状に重なる重合面相互も圧接してこの
間のシール性も高められる。
が前記溝4a,6aを通って隙間C1 に導かれ、テンシ
ョンリング6を介してピストンリング4,5をシリンダ
2内壁側へ押しつける方向に作用するので、ピストンリ
ング4,5とシリンダ内壁との摺動面のシールが高めら
れ、かつ、渦巻き状に重なる重合面相互も圧接してこの
間のシール性も高められる。
【0022】したがって、かかる吐出行程時の吐出室7
から大気空間側への作動流体の漏れを効果的に防止で
き、リード弁10を押し開いて作動流体を効率良く吐出す
ることができる。一方、ピストン2が吐出室7と反対側
に移動する膨張行程時には、図1(C)に示すようにピ
ストンリング4,5外周面とシリンダ2内壁との摺動摩
擦抵抗により、ピストンリング4の吐出室7側の側面が
周溝3aの対向面に圧接し、ピストンリング5と周溝3
aとの吐出室7と反対側の対向面相互は切り離されて隙
間を生じる。
から大気空間側への作動流体の漏れを効果的に防止で
き、リード弁10を押し開いて作動流体を効率良く吐出す
ることができる。一方、ピストン2が吐出室7と反対側
に移動する膨張行程時には、図1(C)に示すようにピ
ストンリング4,5外周面とシリンダ2内壁との摺動摩
擦抵抗により、ピストンリング4の吐出室7側の側面が
周溝3aの対向面に圧接し、ピストンリング5と周溝3
aとの吐出室7と反対側の対向面相互は切り離されて隙
間を生じる。
【0023】したがって、ピストンリング2の移動によ
り、吐出室7容積が拡大して、反対側空間の作動流体が
前記ピストンリング5と周溝3aとの隙間から隙間
C1 ,さらにはテンションリング6の溝6a,ピストン
リング4の溝4aを通じて吐出室7側へ容易に流動す
る。これにより、膨張行程時に前記一方向弁装置を介し
て作動流体を吐出室7に吸入させることができ、別途吸
入弁を備える必要がなく一組の一方向弁装置を装着する
のみでよいから、安価で摩擦損失も減少でき消費電力も
低減することができる。
り、吐出室7容積が拡大して、反対側空間の作動流体が
前記ピストンリング5と周溝3aとの隙間から隙間
C1 ,さらにはテンションリング6の溝6a,ピストン
リング4の溝4aを通じて吐出室7側へ容易に流動す
る。これにより、膨張行程時に前記一方向弁装置を介し
て作動流体を吐出室7に吸入させることができ、別途吸
入弁を備える必要がなく一組の一方向弁装置を装着する
のみでよいから、安価で摩擦損失も減少でき消費電力も
低減することができる。
【0024】また、かかる一方向弁装置の逆特性を利用
してバキュームポンプに適用することもできる。図2
は、バキュームポンプに適用した実施例を示し、吸い込
み口11にはシリンダ12とピストン13とで画成されるバキ
ューム室14方向へのみ開くリード弁15が装着され、ピス
トン13の周壁に形成された周溝13aに、前記ピストンリ
ング4,5及びテンションリング6をコンプレッサーの
場合とは左右を入れ換えて装着してある。
してバキュームポンプに適用することもできる。図2
は、バキュームポンプに適用した実施例を示し、吸い込
み口11にはシリンダ12とピストン13とで画成されるバキ
ューム室14方向へのみ開くリード弁15が装着され、ピス
トン13の周壁に形成された周溝13aに、前記ピストンリ
ング4,5及びテンションリング6をコンプレッサーの
場合とは左右を入れ換えて装着してある。
【0025】この場合、ピストン2がバキューム室14と
反対側へ移動する吸い込み行程では、リード弁15を開い
て吸い込み口11を介して該吸い込み口11に接続されるバ
キュームタンク等からバキューム室14内にガス(空気)
を吸い込み、ピストン13がバキューム室14側に移動する
排気行程で、バキューム室14に吸い込んだガスを前記一
方向弁装置を介して大気圧空間に排出する。
反対側へ移動する吸い込み行程では、リード弁15を開い
て吸い込み口11を介して該吸い込み口11に接続されるバ
キュームタンク等からバキューム室14内にガス(空気)
を吸い込み、ピストン13がバキューム室14側に移動する
排気行程で、バキューム室14に吸い込んだガスを前記一
方向弁装置を介して大気圧空間に排出する。
【0026】かかるバキュームポンプの場合も、従来必
要であった排気弁が不要となり、同じく一方向弁装置を
一組装着するだけで十分な機能が得られるため安価で摩
擦損失が小さく消費電力を低減できる。また、第2の一
方向弁装置の実施例としてピストンリング4の代わりに
図3に示すように軸方向に重ねて複数開らせん状に巻回
したスパイラルリング4’を使用しても周溝3aの対向
面との接触時に隙間を確保できるので同様の効果を得ら
れる。このものにおいて、ピストンリング5を前記径方
向にらせん状のスパイラルリングの代わりに通常の合い
口を有したピストンリングを使用してもよい。
要であった排気弁が不要となり、同じく一方向弁装置を
一組装着するだけで十分な機能が得られるため安価で摩
擦損失が小さく消費電力を低減できる。また、第2の一
方向弁装置の実施例としてピストンリング4の代わりに
図3に示すように軸方向に重ねて複数開らせん状に巻回
したスパイラルリング4’を使用しても周溝3aの対向
面との接触時に隙間を確保できるので同様の効果を得ら
れる。このものにおいて、ピストンリング5を前記径方
向にらせん状のスパイラルリングの代わりに通常の合い
口を有したピストンリングを使用してもよい。
【0027】図4は単気筒圧縮試験機によって回転数6
00rpmで行った場合の実験結果を示し、図中は従
来型の流体流動方向性のないピストンリングを使用した
場合を示し、はピストンリング4,5及びテンション
リング6を周溝3aにコンプレッサー機能を持たせて嵌
挿した第1の実施例の場合を示す。図で明らかなよう
に、本実施例装置の場合は、圧縮行程で高い圧力が得ら
れ、一方、膨張行程では空気の流入を良好にして負圧を
低く抑えられる特性となっている。
00rpmで行った場合の実験結果を示し、図中は従
来型の流体流動方向性のないピストンリングを使用した
場合を示し、はピストンリング4,5及びテンション
リング6を周溝3aにコンプレッサー機能を持たせて嵌
挿した第1の実施例の場合を示す。図で明らかなよう
に、本実施例装置の場合は、圧縮行程で高い圧力が得ら
れ、一方、膨張行程では空気の流入を良好にして負圧を
低く抑えられる特性となっている。
【0028】これら実施例では、テンションリング6を
使用したが、ピストンリング4,5自体を拡開弾性力の
強い材料で形成することによりテンションリングを省略
することもできる。図5は、第3の一方向弁装置に係る
実施例を示す。図において、ピストン41の周壁に形成さ
れた周溝41aには、径方向多重に渦巻き状に巻回され、
かつ、外周面及び内周面が円周状に滑らかにつながるよ
うに巻回端部が形成されたスパイラルリング42の最も内
周側に装着されてスパイラルリング42をシリンダ43内壁
に圧接させる弾性力を付与するテンションリング44が嵌
挿されている。
使用したが、ピストンリング4,5自体を拡開弾性力の
強い材料で形成することによりテンションリングを省略
することもできる。図5は、第3の一方向弁装置に係る
実施例を示す。図において、ピストン41の周壁に形成さ
れた周溝41aには、径方向多重に渦巻き状に巻回され、
かつ、外周面及び内周面が円周状に滑らかにつながるよ
うに巻回端部が形成されたスパイラルリング42の最も内
周側に装着されてスパイラルリング42をシリンダ43内壁
に圧接させる弾性力を付与するテンションリング44が嵌
挿されている。
【0029】前記スパイラルリング42は、各巻回部分の
隣接する周面相互が軸方向に少しずつずれる弾性力が付
与されて形成され、該スパイラルリング42の軸方向の弾
性力により、自然状態では、スパイラルリング42の外周
側の圧縮室側の側面42aが周溝41aの対向面に圧接する
と共に、内周側の圧縮室と反対側の側面42bが周溝41a
の対向面に圧接して装着されている。また、スパイラル
リング42の圧縮室側の側面42aには径方向に複数の溝42
cが形成されている。
隣接する周面相互が軸方向に少しずつずれる弾性力が付
与されて形成され、該スパイラルリング42の軸方向の弾
性力により、自然状態では、スパイラルリング42の外周
側の圧縮室側の側面42aが周溝41aの対向面に圧接する
と共に、内周側の圧縮室と反対側の側面42bが周溝41a
の対向面に圧接して装着されている。また、スパイラル
リング42の圧縮室側の側面42aには径方向に複数の溝42
cが形成されている。
【0030】この状態で、ピストン41が圧縮室方向に移
動するときにはスパイラルリング42の外周面とシリンダ
43内壁との摺動面の摩擦抵抗とピストン41の慣性力と
が、スパイラルリング42の持つ弾性力に打ち勝ち、スパ
イラルリング42の圧縮室と反対側の側面42bの全面が周
溝41aの対向面に圧接する。この場合、圧縮室側の高圧
流体がテンションリング44の内周面と周溝41aとの隙間
に流入する。これにより、スパイラルリング42の側面42
bと周溝41aの対向面とのシール性が確保されると共
に、スパイラルリング42の外周面がシリンダ43内壁に押
しつけられて摺動のシール性を強化されることにより、
圧縮室45側の高圧流体の低圧側空間への漏れを確実に防
止できる。
動するときにはスパイラルリング42の外周面とシリンダ
43内壁との摺動面の摩擦抵抗とピストン41の慣性力と
が、スパイラルリング42の持つ弾性力に打ち勝ち、スパ
イラルリング42の圧縮室と反対側の側面42bの全面が周
溝41aの対向面に圧接する。この場合、圧縮室側の高圧
流体がテンションリング44の内周面と周溝41aとの隙間
に流入する。これにより、スパイラルリング42の側面42
bと周溝41aの対向面とのシール性が確保されると共
に、スパイラルリング42の外周面がシリンダ43内壁に押
しつけられて摺動のシール性を強化されることにより、
圧縮室45側の高圧流体の低圧側空間への漏れを確実に防
止できる。
【0031】一方、ピストン41が圧縮室とは反対側に移
動する膨張行程時には、例えば内燃機関の燃焼行程時の
ように膨張行程ではあっても、圧縮室側の方が圧倒的に
高圧である場合は、前記圧縮室側への移動時と同様の状
態が保持され、高圧流体の漏れを確実に防止できる。ま
た、同じく内燃機関の排気行程終了食後の吸入行程時の
ような場合は、圧縮室側圧力の方が少し高い状況がある
が、この場合は、スパイラルリング42の軸方向の弾性力
により自然状態の時と同様スパイラルリング42の圧縮室
側の側面42aの外周側と周溝41aとの対向面が圧接する
と共に、側面42bの内周側と周溝41aの対向面とが圧接
する。
動する膨張行程時には、例えば内燃機関の燃焼行程時の
ように膨張行程ではあっても、圧縮室側の方が圧倒的に
高圧である場合は、前記圧縮室側への移動時と同様の状
態が保持され、高圧流体の漏れを確実に防止できる。ま
た、同じく内燃機関の排気行程終了食後の吸入行程時の
ような場合は、圧縮室側圧力の方が少し高い状況がある
が、この場合は、スパイラルリング42の軸方向の弾性力
により自然状態の時と同様スパイラルリング42の圧縮室
側の側面42aの外周側と周溝41aとの対向面が圧接する
と共に、側面42bの内周側と周溝41aの対向面とが圧接
する。
【0032】これにより、圧縮室側の圧力が高い間はス
パイラルリング42の各接触面相互及びシリンダ43内壁と
の摺動面相互が圧接して高いシール性を確保できるので
低圧側への漏れを防止できる。一方、前記膨張行程が進
行して圧縮室45側と反対側の圧力の方が高くなったとき
は該圧力がスパイラルリング42の軸方向にずれた各面に
作用して前記弾性による側面42aの圧接部分をシリンダ
43内壁との摺動側と反対側に移動させつつ、各巻回部分
の接触面相互に隙間を開けつつ圧縮室側に流体が流動す
る。
パイラルリング42の各接触面相互及びシリンダ43内壁と
の摺動面相互が圧接して高いシール性を確保できるので
低圧側への漏れを防止できる。一方、前記膨張行程が進
行して圧縮室45側と反対側の圧力の方が高くなったとき
は該圧力がスパイラルリング42の軸方向にずれた各面に
作用して前記弾性による側面42aの圧接部分をシリンダ
43内壁との摺動側と反対側に移動させつつ、各巻回部分
の接触面相互に隙間を開けつつ圧縮室側に流体が流動す
る。
【0033】このように、本実施例では、ピストンの運
動方向の切換により圧力関係が逆転するものにおいて、
運動方向切換直後の流体漏れをも確実に防止して流体漏
れを可及的に防止できるのである。
動方向の切換により圧力関係が逆転するものにおいて、
運動方向切換直後の流体漏れをも確実に防止して流体漏
れを可及的に防止できるのである。
【0034】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、ピストンの一方向の運動時は、一方の弁体と溝との
シール性の高い形状の対向面相互が接触し、他方の弁体
と溝との隙間に進入した圧力により該弁体を摺動側方向
へ押し付けてシール性が強化され弁体両側空間相互の流
体の流動が効果的に阻止され、また、ピストンの逆方向
の運動時は弁体と溝との常時確保されている隙間を通じ
て弁体両側空間相互の流体の流動が容易に行われ、良好
な一方向弁機能が得られる。
ば、ピストンの一方向の運動時は、一方の弁体と溝との
シール性の高い形状の対向面相互が接触し、他方の弁体
と溝との隙間に進入した圧力により該弁体を摺動側方向
へ押し付けてシール性が強化され弁体両側空間相互の流
体の流動が効果的に阻止され、また、ピストンの逆方向
の運動時は弁体と溝との常時確保されている隙間を通じ
て弁体両側空間相互の流体の流動が容易に行われ、良好
な一方向弁機能が得られる。
【0035】また、第1の一方向弁装置では、一方の弁
体が径方向に渦巻き状に巻回された形状であり、他方の
弁体は合い口が形成されているため、夫々径方向に拡開
して容易に周溝に装着でき、また、摺動面側の周面は円
周状に滑らかにつながるように巻回端部が形成すること
により、ガス漏れを可及的に減少させることができる。
体が径方向に渦巻き状に巻回された形状であり、他方の
弁体は合い口が形成されているため、夫々径方向に拡開
して容易に周溝に装着でき、また、摺動面側の周面は円
周状に滑らかにつながるように巻回端部が形成すること
により、ガス漏れを可及的に減少させることができる。
【0036】また、第2の一方向弁装置では、2つの空
間の並び方向に重ねてらせん状に巻回した弁体によって
常時隙間が確保される。更に、第3の一方向弁装置で
は、ピストンの運動方向切換直後のガス漏れも効果的に
防止することができる。
間の並び方向に重ねてらせん状に巻回した弁体によって
常時隙間が確保される。更に、第3の一方向弁装置で
は、ピストンの運動方向切換直後のガス漏れも効果的に
防止することができる。
【図1】本発明に係る第1の一方向弁装置の実施例の全
体構成及び各部の運動時の状態及び弁体の形状を示す
図。
体構成及び各部の運動時の状態及び弁体の形状を示す
図。
【図2】前記第1の一方向弁装置の第2の実施例の構成
を示す図。
を示す図。
【図3】本発明に係る第2の一方向弁装置に使用される
弁体の形状を示す斜視図。
弁体の形状を示す斜視図。
【図4】前記各実施例における作動特性を従来例と比較
して示す線図。
して示す線図。
【図5】本発明に係る第3の一方向弁装置の実施例の要
部の運動時の状態及び弁体の形状を示す図。
部の運動時の状態及び弁体の形状を示す図。
2,43 シリンダ 3,41 ピストン 3a,41a 周溝 4,5 ピストンリング 4’,44 スパイラルリング 6,44 テンションリング 7 吐出室 14 バキューム室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−55446(JP,A) 実開 昭53−62560(JP,U) 実開 昭61−179349(JP,U) 実開 昭56−94838(JP,U) 実公 昭61−41970(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 1/00 - 10/04 F16J 15/16 - 15/30 F16J 15/46 - 15/52
Claims (3)
- 【請求項1】シリンダ内を運動するピストンの外壁と前
記シリンダの内壁との一方に弾性力により圧接して摺動
する2つの環状の弁体を、他方に形成された周溝内にピ
ストン運動方向に並べて嵌挿し、これら2つの両弁体の
並び方向の両外側に隣接する2つの空間を仕切り形成す
る一方、 これら2つの両弁体と周溝とを、該2つの両弁体と周溝
との径方向と、該2つの両弁体の並び方向と、にそれぞ
れ隙間を持つ大きさに形成し、 かつ、一方の弁体は、径方向に重ねて渦巻き状に巻回さ
れ、前記摺動する側の周面は円周状に滑らかにつながる
ように巻回端部が形成されると共に、該一方の弁体と周
溝との前記2つの両弁体の並び方向における対向面相互
が、両者の接触時に該一方の弁体に隣接する一方の空間
と、該一方の弁体と周溝との径方向の隙間と、を遮断す
る形状に形成され、 他方の弁体は、前記2つの両弁体の並び方向における対
向面相互が、両者の接触,非接触時共に該他方の弁体に
隣接する他方の空間と、該他方の弁体と周溝との径方向
の隙間と、を通じる隙間が保持される形状に形成されて
いることを特徴とする一方向弁装置。 - 【請求項2】シリンダ内を運動するピストンの外壁と前
記シリンダの内壁との一方に弾性力により圧接して摺動
する2つの環状の弁体を、他方に形成された周溝内にピ
ストン運動方向に並べて嵌挿し、これら2つの両弁体の
並び方向の両外側に隣接する2つの空間を仕切り形成す
る一方、 これら2つの両弁体と周溝とを、該2つの両弁体と周溝
との径方向と、該2つの両弁体の並び方向と、にそれぞ
れ隙間を持つ大きさに形成し、 かつ、一方の弁体は、該一方の弁体と周溝との前記2つ
の両弁体の並び方向における対向面相互が、両者の接触
により該一方の弁体に隣接する一方の空間と、前記2つの両 弁体と周溝の径方向の隙間と、を遮断する
形状に形成し、 他方の弁体は、該他方の弁体と周溝との前記2つの両弁
体の並び方向に重ねて複数回らせん状に巻回され、か
つ、該他方の弁体と周溝との前記2つの両弁体の並び方
向における対向面相互の形状が、両者の接触,非接触時
共に該他方の弁体に隣接する他方の空間と、前記2つの
両弁体と周溝との径方向の隙間と、を通じる隙間が保持
される形状に形成されていることを特徴とする一方向弁
装置。 - 【請求項3】シリンダ内を運動するピストンの外壁と前
記シリンダの内壁との一方に、弾性力により圧接して摺
動する弁体を、他方に形成された周溝内に嵌挿し、該弁
体のピストン運動方向の両外側に隣接してピストンの運
動によって圧力の大小関係が逆転する2つの空間を形成
する一方、 該弁体は径方向に重ねて渦巻き状に巻回され、前記摺動
する側の周面は円周状に滑らかにつながるように巻回端
部が形成されると共に各巻回部分の隣接する周面相互が
少しずつずれるように軸方向の弾性力が付与され、 弁体と周溝とのピストン運動方向の2対の対向面の中、
前記軸方向の弾性力により前記摺動する側から離れた部
分が常時周溝に圧接する一方の側は、対向面相互が両者
の接触時に当該一方の側に隣接する空間と、該弁体と周
溝との径方向の隙間と、を遮断する形状に形成され、 他方の側は、対向面相互が接触,非接触時共に当該他方
の側に隣接する空間と、弁体と周溝との径方向の隙間
と、を通じる隙間が保持される形状に形成したことを特
徴とする一方向弁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4206850A JP2832777B2 (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 一方向弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4206850A JP2832777B2 (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 一方向弁装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33544588A Division JPH02180382A (ja) | 1988-12-29 | 1988-12-29 | 一方向弁装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05263933A JPH05263933A (ja) | 1993-10-12 |
JP2832777B2 true JP2832777B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=16530089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4206850A Expired - Lifetime JP2832777B2 (ja) | 1992-08-03 | 1992-08-03 | 一方向弁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2832777B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5353873B2 (ja) * | 2010-12-25 | 2013-11-27 | マックス株式会社 | 圧縮機の制御装置 |
JP6463647B2 (ja) * | 2015-02-26 | 2019-02-06 | 川崎重工業株式会社 | 弁装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51144184A (en) * | 1975-06-05 | 1976-12-10 | Mitsubishi Electric Corp | Production method of semiconductor unit |
JPS6063388A (ja) * | 1983-09-14 | 1985-04-11 | Toshiba Corp | ドライエツチング装置 |
-
1992
- 1992-08-03 JP JP4206850A patent/JP2832777B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05263933A (ja) | 1993-10-12 |
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