JPH11148384A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

車両の動力伝達装置

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JPH11148384A
JPH11148384A JP31377397A JP31377397A JPH11148384A JP H11148384 A JPH11148384 A JP H11148384A JP 31377397 A JP31377397 A JP 31377397A JP 31377397 A JP31377397 A JP 31377397A JP H11148384 A JPH11148384 A JP H11148384A
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JP
Japan
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oil
torque converter
power transmission
engine
clutch
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JP31377397A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Iwao
信幸 岩男
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルコン内のオイル不足によって生じるトル
コンの負担を低減し、トルコンを含めた動力伝達手段の
長寿命化を図った車両の動力伝達装置を提供する。 【解決手段】 エンジン1とトランスミッション2との
間に配置されたトルクコンバータ6を有する動力伝達手
段7と、動力伝達手段7の作動オイルを貯蔵するオイル
タンク8と、オイルタンク8内のオイルレベルを検出す
るオイルレベルセンサ9と、オイルレベルが所定値以上
のときにはエンジン1の回転の上昇を制限するコントロ
ーラMとを備えたもの。オイルタンク8内のオイルレベ
ルの高低に基いて、トルクコンバータ6を有する動力伝
達手段7に十分オイルが充満しているか否かを判断し、
オイル不足であればエンジン1の回転の上昇を制限して
トルクコンバータ6の負担を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の動力伝達装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンとトランスミッションとの間に
配置される動力伝達装置として、トルクコンバータ(以
下トルコンという)が知られている。トルコンは、エン
ジンの出力軸側に取り付けられた略半球ケース状のポン
プ部と、ポンプ部に対向させてトランスミッションの入
力軸側に取り付けられた略半球ケース状のタービン部と
を有し、ポンプ部の回転をポンプ部とタービン部との間
の空間内に充満されたオイルを介してタービン部に伝
え、エンジンの回転をトランスミッションに伝達するも
のである。
【0003】ところで、かかるトルコンにおいては、ポ
ンプ部とタービン部との間の空間内に充満されたオイル
は、エンジン停止後一定時間放置すると重力によって全
て抜けてしまい、下方のオイルタンクに移動する。オイ
ルタンク内のオイルは、エンジン始動時には、エンジン
の出力軸を介して駆動されるオイルポンプによって、上
記ポンプ部とタービン部との間の空間内に汲み上げられ
て充満されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記オイルポ
ンプによってオイルタンク内のオイルを汲み上げて上記
空間内に充満させるためにはある程度の時間が必要であ
る。よって、エンジンの始動直後、オイルが上記空間内
に十分充満する前にトルコンを作動させてしまうと、オ
イル不足のトルコン内部に負担が掛り、オイルの早期劣
化、トルコンの寿命低下、最悪の場合には破損の可能性
もあるという問題がある。ここでトルコンを作動させる
とは、エンジンの回転をトルコンを介してトランスミッ
ションに伝達して車輪を駆動することをいう。
【0005】また、近年、エンジンとトランスミッショ
ンとの間に上記トルコンの他に湿式多板クラッチを設
け、これらを併用するようにした動力伝達装置が開発さ
れている。かかる併用タイプにおいて正常な断続を確保
するためには、トルコン側のみならず湿式多板クラッチ
側にもオイルを供給する必要があり、上記オイルポンプ
によるオイル圧送量が前述のトルコンのみのものよりも
多くなる。このため、併用タイプでは、エンジンの始動
直後からトルコンおよび湿式多板クラッチに必要量のオ
イルが充満されるまでの時間が前述のトルコンのみのも
のよりも長くなり、上記問題はより深刻となっていた。
【0006】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、トルコン内のオイル不足によって生じるトルコ
ンの負担を低減し、トルコンを含めた動力伝達手段の長
寿命化を図った車両の動力伝達装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、エンジンとトランスミッションとの間に配置さ
れたトルクコンバータを有する動力伝達手段と、該動力
伝達手段の作動オイルを貯蔵するオイルタンクと、該オ
イルタンク内のオイルレベルを検出するオイルレベルセ
ンサと、オイルレベルが所定値以上のときにはエンジン
回転の上昇を制限するコントローラとを備えて構成され
ている。
【0008】本発明によれば、オイルタンク内のオイル
レベルが所定値以上のときには、トルクコンバータを有
する動力伝達手段に十分オイルが供給されておらずオイ
ル不足状態と判断できるので、エンジンの回転の上昇を
抑制する。これにより、トルコン内のオイル不足による
トルコンの負担が低減され、トルコンを含めた動力伝達
手段の寿命が延びる。
【0009】また、上記動力伝達手段が、トルクコンバ
ータの他に湿式多板クラッチを有していてもよい。この
構成においても、トルクコンバータおよび湿式多板クラ
ッチがオイル不足か否かをオイルタンク内のオイルレベ
ルに基いて判断し、オイル不足であればエンジンの回転
の上昇を抑えることにより、オイル不足によるトルクコ
ンバータおよび湿式多板クラッチの作動不良を回避でき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0011】図4に示すように、ディーゼルエンジン1
とそのトランスミッション2との間には、本実施形態に
係る動力伝達装置3が介設されている。この動力伝達装
置3は、図1に示すように、エンジン1の出力軸4とト
ランスミッション2の入力軸5との間に配置されたトル
クコンバータ6を有する動力伝達手段7と、動力伝達手
段7の作動オイルを貯蔵するオイルタンク8と、オイル
タンク8内のオイルレベルを検出するオイルレベルセン
サ9とを有しており、エンジン1の出力軸4の回転をト
ランスミッション2の入力軸5に断接するものである。
【0012】動力伝達手段7は、外部ケーシング10内
に収容されたトルクコンバータ6(以下トルコンとい
う)を有している。トルコン6は、エンジン1の出力軸
4に取り付けられ軸受11によって外部ケーシング10
内に軸支されたトルコンハウジング12と、トルコンハ
ウジング12内に設けられたポンプ部13と、ポンプ部
13に対向して配置され従動ブロック14に設けられた
タービン部15と、ポンプ部13とタービン部15との
間に配置され外部ケーシング10にワンウェイクラッチ
16を介して設けられたステータ部17とからなってい
る。トルコンハウジング12が回転すると、ポンプ部1
3とタービン部15とステータ部17とで区画された空
間18内に充満されたオイルを介して、従動ブロック1
4が連れ回ることになる。
【0013】トランスミッション2の入力軸5には、伝
達ブロック19がスプライン等の回り止め20を介して
取り付けられている。伝達ブロック19と上記従動ブロ
ック14との間には、第1の湿式多板クラッチとしてメ
インクラッチ21が設けられている。メインクラッチ2
1は、従動ブロック14に軸方向に移動自在に取り付け
られた複数のドライブプレート22と、各ドライブプレ
ート22間に配置され伝達ブロック19の外周面に軸方
向に移動自在に取り付けられた複数のドリブンプレート
23とを有している。ドライブプレート22とドリブン
プレート23とは、従動ブロック14に設けられたメイ
ンピストン24を油圧によって移動させることで接続さ
れ、メインピストン24を元の位置に引き戻す図示しな
いリターンバネによって断絶される。
【0014】メインクラッチ21が接続されるとエンジ
ン1の出力軸4の回転がトルコン6を介してトランスミ
ッション2の入力軸5に伝達され、メインクラッチ21
が断絶されるとエンジン1の出力軸4の回転は従動ブロ
ック14をアイドル回転させるのみでありトランスミッ
ション2の入力軸5に伝達されない。なお、このときト
ルコンハウジング12内には、オイルが十分充満されて
いることが前提となっている。また、伝達ブロック19
とトルコンハウジング12との間には軸受25が設けら
れ、伝達ブロック19と従動ブロック14との間には軸
受26が設けられている。これら軸受25、26は、そ
れぞれトルコンハウジング12と従動ブロック14とを
軸支している。
【0015】従動ブロック14とトルコンハウジング1
2との間には、第2の湿式多板クラッチとしてロックア
ップクラッチ27が設けられている。ロックアップクラ
ッチ27は、トルコンハウジング12の内周面に軸方向
に移動自在に取り付けられた複数のドライブプレート2
8と、各ドライブプレート28間に配置され従動ブロッ
ク14の外周面に軸方向に移動自在に取り付けられた複
数のドリブンプレート29とを有している。ドライブプ
レート28とドリブンプレート29とは、トルコンハウ
ジング12に設けられたロックアップピストン30を油
圧によって移動させることで接続され、その油圧を抜く
ことでロックアップピストン30がトルコンハウジング
12内に充満されたオイルの油圧で押されて元位置に戻
ることにより断絶される。
【0016】上記メインクラッチ21が接続された状態
において、ロックアップクラッチ27が接続されると、
エンジン1の出力軸4の回転が直接トランスミッション
2の入力軸5に伝達され、ロックアップクラッチ27が
断絶されると、エンジン1の出力軸4の回転はトルコン
6を介してトランスミッション2の出力軸5に伝達され
ることになる。車両の発進時や高負荷時にはメインクラ
ッチ21をオンすると共にロックアップクラッチ27を
オフしてエンジン1の出力軸4の回転をトルコン6を介
してトランスミッション2の入力軸5に伝達するように
し、変速時にはメインクラッチ21をオンオフすること
により接ショックをトルコン6で吸収するようにする。
【0017】上記メインクラッチ21やロックアップク
ラッチ27を作動するオイル、およびトルコンハウジン
グ12内に充満されてトルコン6のポンプ部13とター
ビン部15とステータ部17との間の空間18内に充満
されるオイルは、共通であり共に外部ケーシング10に
設けられたオイルポンプ31によって圧送される。オイ
ルポンプ31は、その駆動ギヤ32がトルコンハウジン
グ12に設けられたギヤ33に噛合されており、エンジ
ン1の出力軸4の回転によって駆動される。オイルポン
プ31は、メインクラッチ21やロックアップクラッチ
27の断接に拘らず回転されるトルコンハウジング12
によって、エンジン1の運転中は常に油圧を発生する。
【0018】オイルポンプ31は、外部ケーシング10
の底部に形成されたオイルタンク8内のオイルをオイル
通路34を介して汲み上げ、別のオイル通路35を介し
てトルコンハウジング12内に圧送する。オイルタンク
8は、トルコンハウジンング12の下方に位置させて、
外部ケーシング10と一体的に形成されている。オイル
通路34、35は、外部ケーシング10の肉厚内に形成
されている。ポンプ31から通路35を介して圧送され
たオイルは、トルコン6のポンプ部13とタービン部1
5とステータ部17とで区画された空間18内に充満さ
れてトルコン6の作動オイルとなると共に、トランスミ
ッション2の入力軸5およびトルコンハウジング10の
肉厚内に形成された図示しないオイル通路を通ってメイ
ンピストン24とロックアップピストン30とに供給さ
れ、メインクラッチ21とロックアップクラッチ27と
を作動するようになっている。
【0019】メインクラッチ21のオンオフは、図4に
示す電磁弁36によってなされる。すなわち、電磁弁3
6は、メインピストン24へのオイルの供給をオンオフ
してメインクラッチ21を断接するものである。ロック
アップクラッチ27のオンオフは、図4に示す電磁弁3
7によってなされる。すなわち、電磁弁37は、ロック
アップピストン30へのオイルの供給をオンオフしてロ
ックアップクラッチ27を断接するものである。また、
オイルタンク8内のオイルは、オイル配管38を介して
オイルクーラ39に供給され、冷却されるようになって
いる。オイル配管38には、温度センサ40および圧力
センサ41が設けられている。圧力センサ41は、上記
クラッチ21、27の断接を判定するセンサとしても用
いられる。なお、上記クラッチ21、27の断接の判定
は、上記各電磁弁36、37に設けたセンサによって行
ってもよい。
【0020】図1において、外部ケーシング10には、
オイルタンク8内のオイルレベルを検出するオイルセン
サとしてオイルレベルスイッチ9が設けられている。オ
イルレベルスイッチ9は、オイルタンク8内のオイルレ
ベルが所定レベル以上になったか否かを検出するもので
あり、図4に示すようにメインコントロールユニットM
に結線されている。図3(b) に示すように、オイルタン
ク8内のオイルレベルがレベルスイッチ9以下のときに
は、トルコンハウジング12内のトルコン6やメインク
ラッチ21やロックアップクラッチ27に十分オイルが
供給されてそれらの適正な作動が確保されていると考え
られ、図3(a) に示すように、オイルタンク8内のオイ
ルレベルがレベルスイッチ9以上のときには、トルコン
ハウジング12内のトルコン6やメインクラッチ21や
ロックアップクラッチ27がオイル不足でありそれらの
適正な作動が保証できない状態であると考えられる。オ
イルレベルスイッチ9は、図3(a) のときオンとなり、
図3(b) のときオフとなる。
【0021】次に、トランスミッション2について説明
する。図2に示すように、このトランスミッション2
は、通常の二軸式のマニュアルトランスミッションが用
いられており、上記入力軸5と、入力軸5に軸受42を
介して同軸に配置された出力軸43と、それらに平行に
配置された副軸44とを有している。入力軸5にはギヤ
45が固設され、出力軸43にはギヤ46〜50が回転
自在に取り付けられると共にギヤ51、52が固設さ
れ、副軸44にはギヤ53〜58が固設されると共にギ
ヤ59、60が回転自在に取り付けられている。ギヤ4
9、50の間には1速−バック用のシンクロナイザリン
グ61が設けられ、ギヤ47、48の間には2速−3速
用のシンクロナイザリング62が設けられ、ギヤ45、
46の間には4速−5速用のシンクロナイザリング63
が設けられ、ギヤ59、60の間には6速−7速用のシ
ンクロナイザリング64が設けられている。図2中、6
5はバック用のカウンタギヤである。
【0022】各シンクロナイザリング61〜64は、そ
れぞれ図示しないシフトフォークによって軸方向に移動
される。各シフトフォークは、図4に示すギヤシフトユ
ニット(GSU)66によって作動され、変速がなされ
るようになっている。ギヤシフトユニット66は、エア
供給手段67からの圧気を電磁弁68によって適宜切り
換えて各シフトフォークを作動する。ギヤシフトユニッ
ト66および電磁弁68は、メインコントロールユニッ
トMによって適宜制御され、トランスミッション2を自
動的にあるいは手動的に変速する。エア供給手段67
は、コンプレッサ69に接続されたエアタンク70と、
リリーフ弁71が設けられたエアパイプ72とからな
り、エアパイプ72の先端が上記電磁弁68に接続され
ている。エアタンク70には、メインコントロールユニ
ットMに結線された圧力スイッチ73が設けられてい
る。
【0023】ギヤシフトユニット66には、トランスミ
ッション2が現在どのギヤに入っているかを検出するギ
ヤポジションセンサ(図示せず)が設けられている。ま
た、トランスミッション2には、その出力軸43に車速
センサ74が設けられていると共に、入力軸4に回転セ
ンサ75が設けられており、それぞれメインコントロー
ルユニットMに結線されている。上記メインコントロー
ルユニットMの入力側には、アクセル開度センサー7
6、チェンジレバー77、全段シフトが可能な非常用コ
ントロールスイッチ78が結線され、メインコントロー
ルユニットMの出力側には、ギヤ表示灯79や警報ブザ
ー(又はランプ)80が結線されている。また、メイン
コントロールユニットMには電子ガバナコントロールユ
ニットDが結線されている。電子ガバナコントロールユ
ニットDは、エンジン回転センサ81等の検出値に基い
て燃料噴射ポンプ82のラックを適宜制御するものであ
る。
【0024】上記動力伝達装置3は、図4に示すよう
に、通常のマニュアルトランスミッションのクラッチ部
の代わりとして、エンジン1とトランスミッションとの
間に搭載される。ここで、トルコン部6の慣性があるた
め、フライホイールは基本的に不要となる。また、この
構造の動力伝達装置3は、以下の利点がある。発進時
にトルコン6が使用できるため、メインクラッチ21の
複雑な半クラッチ制御が不要になる。変速時の接ショ
ックをトルコン6で吸収できる。マニュアルトランス
ミッション2を使用するため、遊星歯車機構を使用する
通常のトルコン式自動変速システムに比べてギヤ比の選
択幅が広がる。半クラッチ操作が不要となるので、ク
ラッチ21、27の長寿命化が可能となる。自動変速
機構を備えトランスミッションと組み合わせれば自動変
速トランスミッションとして使用でき、通常のマニュア
ルトランスミッションと組み合わせればオートクラッチ
としての使用が可能である。エンジン1との結合部に
トルコン6を設けているので、駆動系の騒音や振動を低
減できる。
【0025】本実施形態の作用を説明する。
【0026】エンジン1の停止後所定時間経過すると、
図1においてトルコンハウジング12内のオイルは重力
によって下方に抜け、オイルタンク8内に貯留される
(図3(a) 参照)。その後、エンジン1を始動させる
と、図1においてエンジン1の出力軸4が回転し、トル
コンハウジング12が回転し、オイルポンプ31が駆動
され、オイルタンク8内のオイルがトルコンハウジング
12内に汲み上げられるが、ここで、図4に示すメイン
コントロールユニットMは図5に示す制御を行う。
【0027】まず、第1ステップST1にて、オイルレ
ベルスイッチ9がオフか否かを判断する。オフであれ
ば、図3(b) に示すように相対的にトルコンハウジン1
2内に十分オイルが充満していると推定でき、トルコン
6および各クラッチ21、27が適正に作動可能である
ので、以下通常の運転を行いエンジン1の回転の上昇を
自由にする。オンであれば、図3(a) に示すように相対
的にトルコンハウジン12内がオイル不足であると推定
でき、トルコン6および各クラッチ21、27が適正に
作動せず走行不能状態であるので、第2ステップST2
にて警報ブザー(又はランプ)80を作動させることに
よって運転者に車両が走行不能である旨の注意を促す。
【0028】そして、次に第3ステップST3にて、メ
インクラッチ21がオフか否かを判断する。この判断
は、前述したように図4に示す圧力センサ41から得ら
れる油圧の変動や、電磁弁36,37に設けたセンサの
出力等に基いてなされる。メインクラッチ21がオフな
らば、図1においてエンジン1の出力軸4の回転はトル
コン6のタービン部15および従動ブロック14を空回
りさせるのみであり、トルコン6に負荷がかからないの
で、以下通常の運転を行いエンジンの回転の上昇を自由
にする。メインクラッチ21がオンならば、エンジン1
の出力軸4の回転がトルコン6を介してトランスミッシ
ョン2の入力軸5に伝達されるので、第4ステップST
4に向かう。なお、メインクラッチ21がオンのときと
は、暖機中や発進状態が考えられる。
【0029】第4ステップST4では、図2に示すトラ
ンスミッション2がニュートラルか否かを判断する。こ
の判断は、図4に示すギヤシフトユニット66に設けた
ギヤポジションセンサの出力に基いてなされ、各シンク
ロナイザリング61〜64が全て中立位置のときのみニ
ュートラルと判断される。トランスミッション2がニュ
ートラルの場合、トランスミッション2の入力軸5に伝
達された回転は、トランスミッション2の副軸44を回
転させるのみであり、トランスミッション2の出力軸4
3に伝達されない。よって、この場合、トルコン6に負
荷がかかることはなく、以下通常の運転を行いエンジン
1の回転の上昇を自由にする。
【0030】トランスミッション2がニュートラルでは
ない場合、即ちいずれかのシンクロナイザリング61〜
64が隣接するギヤと噛合している場合には、トランス
ミッション2の入力軸5に伝達された回転がトランスミ
ッション2の出力軸43に伝達されて車輪に伝達される
ので、トルコン6に負荷がかかることになる。よって、
この場合、第5ステップST5にて、アクセル開度セン
サ76の信号をカットし、アイドル値に固定する。これ
により、図3(a) に示すようにトルコンハウジング12
内がオイル不足のときにトルコン6が作動されることが
回避され、オイルの早期劣化が防止されると共にトルコ
ン6の寿命が伸びる。なお、必ずしもアイドル状態にす
る必要はなく、エンジン1の回転の急上昇を抑えるよう
な制御を行ってもよい。
【0031】その後、所定時間が経過し、オイルタンク
8内のオイルがオイルポンプ31によってトルコンハウ
ジング12内に汲み上げられ、図3(b) に示すようにオ
イルが所定のレベル以下に達したならば、第2ステップ
ST2の警報ブザー(又はランプ)80の作動を停止
し、第5ステップST5のアクセルカット等の制御を停
止し、通常の運転を行いエンジン1の回転の上昇を自由
にする。図3(b) の状態ならば、トルコンハウジング1
2内に十分なオイルが充満されており、トルコン6およ
び各クラッチ21、27の適正な作動が確保できるから
である。
【0032】また、本実施形態に係る動力伝達手段7
は、図1に示すように、トルコン6の他に湿式多板クラ
ッチであるメインクラッチ21およびロックアップクラ
ッチ27を有しているので、トルコン6の内部(ポンプ
部13とタービン部15とステータ部17とで区画され
た空間18)のみならず上記クラッチ21、27の作動
ピストン24、30の部分にもオイルを充満させる必要
上、図3(a) に示す状態からエンジン1を始動して図3
(b) に示す状態になるまでの時間が、一般的なトルコン
付オートマチックトランスミッションよりも長くなる。
よって、図5に示す制御が重要となるのである。
【0033】また、本実施形態にあっては、上記各クラ
ッチ21、27の断絶を確保するためにオイルが下がり
易い構造を採っている。そのため、本実施形態に係る動
力伝達手段7は、エンジン1の停止後に一般的なトルコ
ン付オートマチックトランスミッションよりも早く図3
(a) に示す状態になりやすい。よって、トルコン6の内
部のオイルが不足し易く、図5に示す制御が重要となる
のである。
【0034】また、本実施形態にあっては、上記各クラ
ッチ21、27の作動ピストン24、30の部分にオイ
ルが充填されて図3(b) の状態にならなければ、メイン
クラッチ21およびロックアップクラッチ27を作動
(オン)させることができず、発進すらが不可能とな
る。よって、この意味においても図5に示す制御が重要
となるのである。
【0035】なお、本実施形態においては、動力伝達手
段7をトルコン6の他に湿式多板クラッチであるメイン
クラッチ21およびロックアップクラッチ27によって
構成するようにしたが、湿式多板クラッチ21、27を
省略してトルコン6のみの構成としてもよい。また、図
2に示す2軸式のマニュアルトランスミッション2の代
わりに、遊星歯車機構からなる通常のオートマチックト
ランスミッションを用いてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る車両の
動力伝達装置によれば、トルコン内のオイル不足時に動
力を伝達することによって生じるトルコンの負荷を回避
でき、トルコンを含めた動力伝達手段の長寿命化を推進
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両の動力伝達装置
の側断面図である。
【図2】上記動力伝達装置が接続されるトランスミッシ
ョンの概略図である。
【図3】上記動力伝達装置のオイルの移動を表す説明図
である。
【図4】上記動力伝達装置を備えたエンジンの全体図で
ある。
【図5】上記動力伝達装置の制御を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トランスミッション 3 動力伝達装置 6 トルクコンバータ 7 動力伝達手段 8 オイルタンク 9 オイルレベルセンサとしてのオイルレベルスイッチ 21 湿式多板クラッチとしてのメインクラッチ 27 湿式多板クラッチとしてのロックアップクラッチ M コントローラとしてのメインコントロールユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンとトランスミッションとの間に
    配置されたトルクコンバータを有する動力伝達手段と、
    該動力伝達手段の作動オイルを貯蔵するオイルタンク
    と、該オイルタンク内のオイルレベルを検出するオイル
    レベルセンサと、オイルレベルが所定値以上のときには
    エンジン回転の上昇を制限するコントローラとを備えた
    ことを特徴とする車両の動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記動力伝達手段が、トルクコンバータ
    の他に湿式多板クラッチを有する請求項1記載の車両の
    動力伝達装置。
JP31377397A 1997-11-14 1997-11-14 車両の動力伝達装置 Pending JPH11148384A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006177450A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Toyota Motor Corp オイルポンプの制御装置
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KR20190055403A (ko) * 2017-11-15 2019-05-23 주식회사 기원솔루텍 크러셔용 유체 클러치 비상제동장치

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