JPH11147961A - ポリオレフィン系熱収縮フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系熱収縮フィルム

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JPH11147961A
JPH11147961A JP31705697A JP31705697A JPH11147961A JP H11147961 A JPH11147961 A JP H11147961A JP 31705697 A JP31705697 A JP 31705697A JP 31705697 A JP31705697 A JP 31705697A JP H11147961 A JPH11147961 A JP H11147961A
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heat
film
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silicone rubber
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Kazuho Uchida
かずほ 内田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱収縮包装直後のフィルムが温かい状態でも
滑り性に優れ、更に透明性、耐ブロッキング性にも優れ
たポリオレフィン系熱収縮フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部にシ
リコーンゴム粒子0.01〜2重量部が配合されてなる
ポリオレフィン系熱収縮フィルムであって、上記シリコ
ーンゴム粒子の平均粒径が0.5〜8μmであり、粒子
のゴム硬度が81〜98度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮直後の滑り
性に優れ、更に透明性、耐ブロッキング性にも優れたポ
リオレフィン系熱収縮フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は良好なヒートシ
ール性及び透明性を有しており、食品、化粧品、雑貨等
の包装用フィルムとして広く使用されている。特に商品
を個別に収縮包装することにより、店頭陳列中に商品に
汚れがついて商品価値が低下するのを防止したり、カッ
プ麺等の食料品の包装においては異物の混入を防ぐため
に広く使用されている。
【0003】上記収縮包装は商品を熱収縮性フィルムで
ラフに包装した後、収縮トンネルを通過させて該フィル
ムを加熱し収縮させることにより行う。収縮包装した
後、フィルムが未だ温かいうちは滑り性が悪く、これを
箱詰めしたり揃えるためにずらすと、フィルム同士の摩
擦により破袋するというトラブルが生じていた。
【0004】上記問題点を解決するために、表面にシリ
コーンオイルが塗布された熱収縮性フィルムを用いて収
縮包装することが開示されている(特開平2−4536
6号公報)。しかし、シリコーンオイルを塗布するとヒ
ートシール性が低下するという問題がある。
【0005】また、特開平4−220436号公報に
は、平均粒子径が0.5〜3μm、ゴム硬度が30〜8
0度であるシリコーンゴム粒子が0.05〜1重量%含
有されたポリオレフィンフィルムが記載されている。こ
のポリオレフィンフィルムは主として自動包装機に用い
た場合の滑り性を改良したものであるが、上記範囲のゴ
ム硬度を有するシリコーンゴム粒子では、収縮包装後の
フィルムが未だ温かい状態における滑り性を改良するに
は至らなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解消し、熱収縮包装直後のフィルムが温かい状態
でも滑り性に優れ、更に透明性、耐ブロッキング性にも
優れたポリオレフィン系熱収縮フィルムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究の結果、ポリオレフィン系樹脂に
特定のゴム硬度を有するシリコーンゴム粒子を配合する
ことにより、収縮包装直後のフィルムが未だ温かい状態
における滑り性を改良し、しかも延伸成膜時に粒子の回
りにボイドが発生せず透明性の高いフィルムが得られる
ことを見いだし、本発明に至った。
【0008】即ち、本発明のポリオレフィン系熱収縮フ
ィルムは、ポリオレフィン系樹脂100重量部にシリコ
ーンゴム粒子0.01〜2重量部が配合されてなるポリ
オレフィン系熱収縮フィルムであって、上記シリコーン
ゴム粒子の平均粒径が0.5〜8μmであり、粒子のゴ
ム硬度が81〜98度であることを特徴とする。
【0009】本発明で使用するシリコーンゴム粒子は、
常温でゴム弾性を有するものであれば用いることができ
る。シリコーンゴム粒子は一般に分子内に2官能性シロ
キサン単位を多く含むポリオルガノシロキサンであり、
溶剤に不溶性、不融性の粒子であって、分子内に3官能
性あるいは4官能性シロキサンを多く含み、高度に三次
元架橋した網目構造を有するシリコーン樹脂とは異なる
ものである。シリコーンゴム粒子の形状は特に限定され
ないが、球状であることが収縮包装直後の滑り性改良の
効果が著しいので好ましい。
【0010】上記シリコーンゴム粒子の平均粒径は0.
5〜8μmの範囲とする。好ましくは1〜5μmであ
る。平均粒径が0.5μm未満では収縮包装直後の滑り
性が不充分であり、8μmを超えると透明性が低下す
る。従って、平均粒径は上記の範囲に限定される。
【0011】また、シリコーンゴム粒子はJIS K
6301に規定されるゴム硬度(ショアA)が81〜9
8度のものである。好ましくは85〜95度である。上
記ゴム硬度が81度未満では収縮包装直後のフィルムが
未だ温かい状態での滑り性に劣り、98度を超えると延
伸成膜時に粒子の回りにボイドが発生し、フィルムの透
明性を低下させる。
【0012】シリコーンゴム粒子の配合量は、ポリオレ
フィン系樹脂100重量部に対し0.01〜2重量部で
あり、好ましくは0.05〜1重量部である。0.01
重量部未満であると収縮包装直後のフィルムが未だ温か
い状態での滑り性に劣り、2重量部を超えると透明性が
低下する。
【0013】次に、本発明におけるポリオレフィン系樹
脂は特に限定はされず、公知のポリオレフィン系樹脂を
用いることができる。例えば、エチレン、プロピレン、
ブテン、ペンテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、オクテン等の単独重合体、あるいはこれら2種以上
の共重合体が挙げられる。上記のうち、エチレンの単独
重合体、エチレンにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、オクテン等の中か
ら1種類以上を共重合したポリエチレン系共重合体;プ
ロピレンの単独重合体、プロピレンにエチレン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
オクテン等の中から1種類以上を共重合したポリプロピ
レン系共重合体が好適に用いられる。
【0014】上記ポリオレフィン系樹脂には、本発明の
効果を損なわない範囲でスリップ剤の他、ポリオレフィ
ン用として通常用いられている安定剤、酸化防止剤、帯
電防止剤等を添加することができる。
【0015】上記スリップ剤としては、融点が80〜1
50℃の範囲であるものを併用すると、収縮包装直後の
フィルムが未だ温かい状態での滑り性を改良する効果が
高いので好ましい。このようなスリップ剤の具体的なも
のとしては、エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、ステ
アリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステア
リン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等を挙
げることができる。150℃を超える融点を有するスリ
ップ剤を用いると、フィルム表面へブリードし難くなり
滑り性の改良効果が少ない。
【0016】本発明の熱収縮フィルムは単層であっても
よく、同一のポリオレフィン系樹脂または他のポリオレ
フィン系樹脂との積層体であってもよい。積層体とする
場合は少なくとも一方の表面層にシリコーンゴム粒子が
配合されればよい。また、熱収縮フィルムの厚みは特に
限定されないが、5〜30μmの範囲の厚さのものが収
縮の仕上がりがよいので好ましい。
【0017】本発明のポリオレフィン系熱収縮フィルム
の成形方法は、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等
の公知の方法で混合し、一軸押出機、二軸押出機等によ
りペレット化した原料をTダイ法またはインフレーショ
ン法により未延伸シートを作製し、更に該シートを延伸
可能な温度まで再加熱して縦方向、横方向にそれぞれ3
倍以上延伸することにより得られる。
【0018】延伸方法はテンター法、インフレーション
法ともに使用可能であるが、縦横同時に二軸延伸可能な
インフレーション法を用いたものの方が熱収縮包装の仕
上がりが優れている。インフレーション法で二軸延伸す
る場合は、未延伸シートを多層サーキュラーダイにより
チューブ状とする必要がある。
【0019】本発明の熱収縮フィルムは自然収縮を抑制
するための熱処理を適宜行うことができる。熱処理方法
としてはインラインで行うアニーリング法、フィルムを
ロール状に巻き取った後に行うエージング法などが一般
的である。
【0020】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 (実施例1)エチレンとプロピレンとを共重合してなる
ポリプロピレン樹脂(融点144℃,エチレン含量3.
5重量%,MFR=2g/10分(230℃,2.16
kg))100重量部に、シリコーンゴム粒子(平均粒
径2μm,ゴム硬度(ショアA)90度)を0.2重量
部、スリップ剤としてエルカ酸アミドを0.5重量部配
合した。この配合物を押出機により溶融混練し、サーキ
ュラーダイにより厚み300μmの単層未延伸チューブ
状シートを成膜した。該チューブ状シートを一旦急冷し
た後、110℃に再加熱しインフレーション法により二
軸延伸することにより厚さ15μmの熱収縮フィルムを
得た。
【0021】(実施例2)シリコーンゴム粒子の配合量
を0.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして熱
収縮フィルムを得た。
【0022】(実施例3)シリコーンゴム粒子の配合量
を0.08重量部とした以外は、実施例1と同様にして
熱収縮フィルムを得た。
【0023】(実施例4)シリコーンゴム粒子の平均粒
径が6μmのものを使用した以外は、実施例1と同様に
して熱収縮フィルムを得た。
【0024】(実施例5)ポリオレフィン系樹脂として
エチレンとオクテン−1を共重合してなる直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂(融点125℃,オクテン−1含量
9.8重量%,MFR=1.1g/10分(190℃,
2.16kg))を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして熱収縮フィルムを得た。
【0025】(比較例1)ゴム硬度が70度、平均粒径
が2μmであるシリコーンゴム粒子を用いたこと以外は
実施例1と同様にして熱収縮フィルムを得た。
【0026】(比較例2)シリコーンゴム粒子に替えて
平均粒径2μmの非溶融型シリコーン樹脂粒子を用いた
こと以外は、実施例1と同様にして熱収縮フィルムを得
た。
【0027】(比較例3)シリコーンゴム粒子に替えて
平均粒径2μmの合成シリカを用いたこと以外は、実施
例1と同様にして熱収縮フィルムを得た。
【0028】(比較例4)シリコーンゴム粒子の配合量
を2.5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にし
て熱収縮フィルムを得た。
【0029】(比較例5)平均粒径が10μmであるシ
リコーンゴム粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様
にして熱収縮フィルムを得た。
【0030】性能評価 以上実施例1〜5及び比較例1〜4で得た熱収縮フィル
ムを、40℃に調整した恒温室に24時間入れてエージ
ングを行った後、以下の項目で評価し、その結果を表1
に示した。 (1)収縮直後の滑り性 表面性測定機(新東科学社製)にホットプレートを取り
付け、ASTM D−1894に準じて50℃における
静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。 (2)フィルムの外観 光学顕微鏡を用いて粒子の回りのボイド発生状態を観察
し、目視により以下の基準で評価した。 1:粒子の回りにボイドは全く発生せず 2:ボイドは僅かに発生しているものの、透明性の低下
は少ない 3:ボイドの発生が多く、透明性が低下した 4:ボイドの発生が非常に多く、フィルムが不透明であ
る (3)透明性 ヘイズ測定機(TOKYO DENSHOKU社製,商品名「TC−HIII
DPK 」)を用いて、JIS K 6714に準じてヘイ
ズ値を測定した。 (4)展開性 成形後にロール状に巻いたフィルムの展開性を評価し
た。 1:自然剥離または無抵抗で展開できる 2:少し抵抗はあるが容易に展開できる 3:指で数回はじかなければ展開は困難である 4:完全にブロッキングしており展開できない
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、実施例1〜5の
熱収縮フィルムは収縮直後の滑り性に優れ、粒子の回り
にボイドも認められず透明性、展開性にも優れたもので
あった。しかし、比較例1と比較例3のフィルムは収縮
直後の滑り性に劣り、比較例2、4、5のフィルムは透
明性が劣るものであった。
【0033】尚、収縮直後の滑り性については、50℃
における静摩擦係数が1.4以下であれば包装したフィ
ルム同士が引っ掛かって破れることはない。また、50
℃における動摩擦係数が0.6以下であれば被包装物の
箱詰め作業をよりスムーズに行える。透明性はヘイズ値
が3.0%以下であれば被包装物の透視性が良好であ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系熱収縮フィル
ムの構成は上述の通りであり、透明性及び耐ブロッキン
グ性が優れていると共に、収縮包装直後の滑り性に優れ
ているので、高速化された自動収縮包装機で商品を包装
しても包装体の滑りが悪いために滞留するようなトラブ
ルは起こらず美麗に包装することができる。また、包装
した商品を手作業で箱詰めする際にも、包装体の滑りが
よいので商品を容易に挿入したり並べ変えたりすること
ができ、作業の能率化が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 23:00 83:00 105:02 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部にシ
    リコーンゴム粒子0.01〜2重量部が配合されてなる
    ポリオレフィン系熱収縮フィルムであって、上記シリコ
    ーンゴム粒子の平均粒径が0.5〜8μmであり、粒子
    のゴム硬度が81〜98度であることを特徴とするポリ
    オレフィン系熱収縮フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241581A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
WO2013080546A1 (en) * 2011-11-30 2013-06-06 Kureha Corporation Heat-shrinkable multilayer film and process for producing the heat-shrinkable multilayer film

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WO2013080546A1 (en) * 2011-11-30 2013-06-06 Kureha Corporation Heat-shrinkable multilayer film and process for producing the heat-shrinkable multilayer film

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