JP3030446B2 - 防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フィルム - Google Patents

防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フィルム

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JP3030446B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇性に優れた二軸延
伸ポリプロピレン系フィルムに関する。
【0002】
【従来技術】防曇性を有する合成樹脂フィルムは、一般
に、合成樹脂原料に防曇剤を練り込み、その原料を使用
して製膜する方法がとられている。特に、低密度ポリエ
チレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体、或は、ポリ塩
化ビニル等からは良好なる防曇性を有するフィルムが得
られる。しかし、このような方法では、ポリプロピレン
を原料とするフィルムにおいては、良好なる防曇性を発
揮させることが出来ない。特に、二軸延伸させたポリプ
ロピレンフィルムにおいてはこの傾向が顕著である。
【0003】その改善策として、防曇剤を練り込んだポ
リプロピレン原料から製膜されたフィルムの表面に、コ
ロナ放電処理等を施すことにより防曇剤のブリードアウ
トを促進させ、防曇性を向上させようとする方法がとら
れている。例えば、特開昭62−44447号公報に記
載されている方法等である。所が、この方法によっても
二軸延伸されたポリプロピレンフィルムにおいては、余
り良好なる防曇性が得られない。
【0004】そこで、防曇効果の生じ易い低密度ポリエ
チレン樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体等に防曇剤
を添加させたフィルムを、二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムの表面に積層させる方法等がとられている。例え
ば、特開昭57−63251号公報等に記載されている
方法である。しかし、この方法によって得られたフィル
ムは二軸延伸ポリァロピレンフィルムが本来有している
透明性や表面光沢性等の特性が失われ、好ましい方法で
はない。
【0005】以上のことから、透明性や表面光沢性等、
ポリプロピレンの本来の特性を損なわず、防曇性に優れ
たポリプロピレン系二軸延伸フィルムは得られていな
い。
【0006】又、ポリプロピレン系二軸延伸フィルムを
少なくとも片方の表面層とする防曇性ラミネートフィル
ムや、上記二軸延伸フィルムやラミネートフィルムから
なる防曇性熱収縮フィルムも、上記理由によって、いま
だ十分な防曇性を有するものはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムが有している特性を損うことな
く、しかも、特別な後処理加工を施すことなく、優れた
防曇性を有する単層、ラミネート、熱収縮性等の二軸延
伸ポリプロピレン系フィルムを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エチレ
ン−プロピレン共重合体、又は、エチレン−ブテン−プ
ロピレン三元共重合体から選ばれたプロピレン共重合
体、或はこれらのブレンド物100重量部と、下記条件
を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体10〜3
0重量部との混合物に、該混合物100重量部に対し防
曇剤を0.01〜4.00重量部配合した樹脂組成物を
二軸延伸してなることを特徴とする防曇性二軸延伸ポリ
プロピレン系フィルム、又、少なくとも片方の表面層が
前記防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フィルムからなる
ラミネートフィルム、更にはこれらフィルムが熱収縮性
を有する防曇性熱収縮フィルム、 α−オレフィンの炭素数が3〜8 密度が0.905g/cm3以下 メルトインデックスが0.2〜5.0g/10mi
n が提供される。
【0009】本発明者等は、二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムが本来有している特性を備え、しかも、優れた防
曇性を発揮しうる二軸延伸ポリプロピレンフィルムにつ
いて、鋭意検討を行なった結果、前記特定の樹脂成分を
前記特定の配合割合で配合したポリプロピレン共重合体
を主体とする樹脂組成物を原料として使用した場合、本
発明の所期の目的を達成しうることを見出し、又、該樹
脂組成物を使用した防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フ
ィルムを少なくとも片方の表面層としてラミネートすれ
ば、優れた防曇性ラミネートフィルムが、更に、該樹脂
組成物を使用した防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フィ
ルムの前記単層フィルム、前記ラミネートフィルムに熱
収縮性を付与させれば、優れた熱収縮性を有する防曇性
フィルムが得られることを見い出した。
【0010】以下、本発明の内容を詳細に説明する。ま
ず、本発明に用いられるプロピレン共重合体としては、
エチレン−プロピレン共重合体かエチレン−ブテン−プ
ロピレン三元共重合体、あるいはこれらのブレンド物で
あることが必要である。ポリプロピレンホモポリマーを
用いると、混入するエチレン−α−オレフィン共重合体
との相溶性が劣り、得られるフィルムの透明性や表面光
沢性が悪くなる。
【0011】エチレン−プロピレン共重合体としては、
エチレン含有率が3〜5モル%であることが好ましい。
エチレン−ブテン−プロピレン三元共重合体としては、
エチレンとブテンとの合計含有率が3〜8モル%である
ことが好ましい。又、本発明に用いられるこれらプロピ
レン共重合体やブレンド物のMIとしては、1〜5g/
10minの範囲内であることが二軸延伸加工性の面か
ら好ましい。
【0012】エチレン含有率やエチレンとブテンとの合
計含有率が上記の範囲未満では、エチレン−α−オレフ
ィンとの相溶性が劣るようになるばかりか、本発明の目
的である防曇剤のブリードアウトを促進させることが出
来ず、その結果、防曇性が劣ってしまい好ましくない。
逆に、エチレン含有率やエチレンとブテンとの合計含有
率がこれらの範囲を超えるときは、ポリプロピレンとし
ての本来の特性であるフィルムの腰等が失なわれてしま
い、しかも、二軸延伸後の自然収縮性をなくすることが
困難になる。
【0013】前記プロピレン共重合体或いはブレンド物
に混合するエチレン−α−オレフィン共重合体は、プロ
ピレン共重合体或いはブレンド物100重量部に対し1
0〜30重量部であることが必要である。エチレン−α
−オレフィン共重合体の混合量が10重量部に満たない
場合には、防曇剤のブリードアウトが促進されず、十分
な防曇効果が発揮されない。又、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体の混合量が30重量部を越えると、ポリプ
ロピレンの透明性等の特性が損ねられ、しかも、フィル
ムの腰が劣り、手に触れたときの感触が変化してしま
う。
【0014】本発明に用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体としては、エチレン部が大多数を占める共
重合体で、例えば、エチレンが90〜80重量%で、し
かも、オレフィンの炭素数が3〜8であることが必要で
ある。α−オレフィンの炭素数が8を越えると溶融温度
が低下し、しかも、粘着性が増すため製膜性が劣る等の
欠点が生じる。
【0015】又、エチレン−α−オレフィン共重合体の
密度としては、0.905g/cm3以下であることが
必要である。密度0.905g/cm3を越えると防曇
剤のブリートアウトが促進されず、良好なる防曇効果が
得られない。
【0016】更に、エチレン−α−オレフィン共重合体
のMIとしては、0.2〜5.0g/10minである
ことが必要である。MIがこの範囲以外であるとポリプ
ロピレンとの相溶性が劣り、得られるフィルムの表面が
鮫肌状になるばかりか、二軸延伸加工が不可能になる。
【0017】尚、このようなエチレン−α−オレフィン
共重合体としては、三井石油化学工業(株)から市販さ
れている商品名“タフマー”や住友化学工業(株)から
市販されている商品名“エクセレン”、或は、日本ユニ
カー(株)やダウ・ケミカルから市販されている商品名
“ナックフレックス”や“ATTANE”等が挙げられ
る。
【0018】本発明に用いられる防曇剤としては、一般
に防曇剤、帯電防止剤と呼ばれるものが使用される。例
えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、高級脂肪族ア
ミンのエチレンオキサイト付加物、高級脂肪酸アルカノ
ールアミド等の中から選択出来る。
【0019】前記プロピレン共重合体或いはブレンド物
とエチレン−α−オレフィン共重合体の混合物に配合す
る防曇剤の量は、該混合物100重量部に対し0.01
〜4.00重量部であることが必要である。防曇剤の配
合量が0.01重量部未満では良好なる防曇効果が生じ
ない。又、防曇剤の練り込み量が2.00重量部を越え
ると物理的強度が低下するばかりか、フィルム表面に多
量の防曇剤がブリードアウトして被包装物を汚してしま
い、包装用フィルムとして好ましくない。
【0020】尚、上記樹脂組成物には必要に応じてアン
チブロッキング剤や酸化防止剤、或は、充填剤や着色剤
等を混入させることが出来る。
【0021】本発明の防曇性二軸延伸ポリプロピレン系
フィルムを製膜する方法としては、まず、上記したそれ
ぞれの樹脂と防曇剤とを所定量押出機に投入し、シート
状に押出した後、従来一般に行なわれているテンター方
式か、又は、インフレーション方式によって二軸延伸を
行う。尚、インフレーション方式により二軸延伸する際
には、押出されるシートはチューブ状でなければならな
いことは当然である。得られた二軸延伸フィルムは一般
に熱収縮性をなくするために熱処理が行なわれる。
【0022】又、本発明の防曇性ラミネートフィルムの
製造方法としては、上記防曇性二軸延伸ポリプロピレン
系フィルムを他のフィルムにドライラミネートさせる方
法、或は、前記した防曇剤を含む樹脂組成物と他の樹脂
とを共押出し、得られた積層シートを二軸延伸させる方
法等がある。
【0023】更に、本発明の防曇性熱収縮フィルムの製
造方法としては、まず、単層フィルムの場合、防曇性二
軸延伸ポリプロピレン系フィルムを製膜する際に、二軸
延伸加工後に熱処理を行なわないか、或は、熱処理を行
うとしても、低温で弛緩率を少なくして行なう方法等が
ある。又、ラミネートフィルムの場合、上記単層の防曇
性熱収縮フィルムを他の熱収縮フィルムにドライラミネ
ートさせる方法もあるが、好ましくは、前記した防曇剤
を含む樹脂組成物と他の樹脂とを共押出二軸延伸する方
法において、二軸延伸加工後に熱処理を行なわないか、
或は、熱処理を行うとしても、低温で弛緩率を少なくし
て行う方法がある。
【0024】本発明の防曇性二軸延伸ポリプロピレン系
フィルムは、防曇性を必要とする包装用フィルム分野に
利用されるものである。特に、生鮮野菜や生花等の包装
に好適に使用されるものである。そして、上記防曇性二
軸延伸ポリプロピレン系フィルムを、少なくとも片方の
表面層とする防曇性ラミネートフィルムは、防曇性を必
要とする包装用袋等に利用されるものである。特に、加
工食品や冷蔵、冷凍食品等の包装に好適に使用されるも
のである。又、前記防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フ
ィルムや防曇性ラミネートフィルムに熱収縮性を付与さ
せた防曇性熱収縮性フィルムは、防曇性を必要とする熱
収縮包装等に利用されるものである。特に、果物や乳酸
菌飲料等の集積包装に好適に使用されるものである。
【0025】本発明において、防曇効果の評価は次のよ
うにして行った。まず始めに、500ccのビーカーに
80℃の温水を200cc入れたものと、同じく500
ccのビーカーに23℃の水を200cc入れたものと
を用意する。そして、それぞれのビーカーの口を、フィ
ルムの測定面が内側になるように、サンプルフィルムで
覆い、輪ゴムによって密封する。サンプルフィルムによ
って口が覆われたビーカーを、80℃のお湯を入れたも
のは23℃の恒温室(以下、このような測定条件を「室
温状態」と称する。)に、23℃の水を入れたものは5
℃の冷蔵庫の中(以下、このような測定条件を「低温状
態」と称する。)に入れる。そして、5分後、15分
後、30分後、更には、60分後にフィルムの測定面に
付着している露の状態を観察する。尚、観察結果は、フ
ィルム表面が小さな水適で覆われ銀色に見える状態を
「×」、水滴はやや大きいが中は見えない状態を
「△」、水滴が大きくなり中がやや見えるような状態を
「□」、水滴がさらに大きくなり中が見えるような状態
を「○」、更には、水滴の付着が認められず透明で中が
鮮明に見える状態を「◎」と表現した。
【0026】
【実施例及び比較例】以下、実施例及び比較例を示し、
本発明の内容をより具体的に説明する。尚、本発明は、
実施例に記載された事項によって、限定されるものでな
いことは当然である。
【0027】〔実施例1〜3及び比較例1〜2〕表1に
示されている如く、エチレン−ブテン−プロピレン三元
共重合体単独、及び、該樹脂に各種のエチレン−α−オ
レフィン共重合体や高圧法による低密度ポリエチレンを
混合させた樹脂混合物に、防曇剤として丸菱油化工業
(株)の商品名“デノンPA−6138”(多価アルコ
ールの脂肪酸エステルを主成分とする混合物)を2.5
重量部添加し、インフレーション二軸延伸方法による二
軸延伸し、弛緩率20%で90℃に加熱する熱固定方法
によって、厚み15μの熱固定二軸延伸フィルムを得
た。得られた防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フィルム
の防曇性は表1に示された如くであった。
【0028】表1から明らかな如く、エチレン−ブテン
−プロピレン三元共重合体とエチレン−α−オレフィン
共重合体との混合物に防曇剤を添加させた樹脂組成物か
ら得られたフィルム(実施例1〜3)は、室温状態にお
いても、或は、低温状態においても共に良好なる防曇性
を呈していた。しかも、透明性や光沢性等、ポリプロピ
レン本来の特性を損ねるものではなかった。しかし、エ
チレン−ブテン−プロピレン三元共重合体のみに防曇剤
を添加したものから得られたフィルム(比較例1)や、
エチレン−ブテン−プロピレン三元共重合体と高圧法に
よる低密度ポリエチレンの混合物に防曇剤を添加させた
樹脂組成物から得られたフィルム(比較例2)は室温状
態においても低温状態においても共に防曇性に劣るもの
であった。しかも、比較例2においては透明性や光沢性
に劣るものであった。
【0029】尚、上記実施例や比較例において、エチレ
ン−ブテン−プロピレン三元共重合体やエチレン−α−
オレフィン共重合体、或は、高圧法による低密度ポリエ
チレンは、つぎのような樹脂を使用した。まず、エチレ
ン−ブテン−プロピレン三元共重合体としては、住友化
学工業(株)製の商品名“ノーブレンWF−789”
(MI,3.0g/10min 密度、0.90g/c
3)使用した。又、エチレン−α−オレフィン共重合
体としては、住友化学工業(株)製の商品名“エクセレ
ンEUL−430”(MI,4.0g/10min密度
0.890g/cm3 α−オレフィンの炭素数4)
と住友化学工業(株)製の商品名“エクセレンVL−2
00”(MI,2.0g/10min 密度 0.90
0g/cm3 α−オレフィンの炭素数4)、及び、同
じく住友化学工業(株)製の商品名“エクセレンVL−
103”(MI,0.5g/10min 密度 0.9
05g/cm3 α−オレフィンの炭素数4)を使用し
た。更に、高圧法による低密度ポリエチレン樹脂として
は、住友化学工業(株)製の商品名“スミカセン F4
11−1”(MI,5.0g/10min 密度 0.
923g/cm3)を使用した。
【0030】
【表1】 注)WF−789 エチレン−ブテン−プロピレン三
元共重合体 EUL−430 エチレン−α−オレフィン共重合体 VL−200 エチレン−α−オレフィン共重合体 VL−103 エチレン−α−オレフィン共重合体 F411−1 高圧法による低密度ポリエチレン
【0031】〔比較例3〕実施例1等に用いたエチレン
−ブテン−プロピレン三元共重合体100重量部に、密
度が0.910g/cm3のエチレン−α−オレフィン
共重合体(三井石油化学工業(株)製、商品名“ウルト
ゼックス 2020L”MI,2.10g/10mi
n、α−オレフィンの炭素数4)を20重量部混合し、
実施例1と同様、同じ防曇剤を同じ量だけ添加し、厚さ
15μの単層フィルムを得た。しかし、得られたフィル
ムの防曇性を評価すると、室温状態で5分後、15分
後、30分後、及び、60分後、それぞれ「×」、
「△」、「△」及び「□」であり、又、低温状態での各
時間経過後、それぞれ「×」、「×」、「×」及び
「△」であり、共に不良であった。
【0032】〔比較例4〜5〕エチレ−α−オレフィン
共重合体としてメルトインデックスが0.15g/mi
n(比較例4)とメルトインデックスが7.5g/mi
n(比較例5)を用いる以外は、実施例1と同様な方法
によって製膜を試みた。しかし、比較例4においては、
相溶性が悪く表面が鮫肌状に荒れてしまった。又、比較
例5においては、ダイから押し出された際にフィルムの
形状保持性が悪く、得られるフィルムの偏肉精度が劣っ
ていた。
【0033】〔比較例6〜7〕エチレン−α−オレフィ
ン共重合体として実施例1に用いたと同じ“エクセレン
EUL−430”をエチレン−ブテン−プロピレン三元
共重合体“ノーブレンWF−789”に5重量部(比較
例6)と、40重量部(比較例7)を混合させる以外は
実施例1と同様の方法によって防曇性二軸延伸ポリプロ
ピレン系フィルムを得た。しかし、比較例6のフィルム
は、防曇性が室温状態で5分後、15分後、30分後、
及び、60分後、それぞれ「△」、「△」、「□」及び
「○」であり、低温状態での各時間経過後、それぞれ
「×」、「×」、「△」及び「□」であり、共に不良であ
った。又、比較例7のフィルムは、引張強度が1000
kg/cm2、ヤング率が約3000kg/cm2で、実施
例1のそれぞれ1600kg/cm2、約6000kg/
cm2よりは遥かに劣るものであった。又、ヘイズ、グ
ロスについても比較例7のフィルムはそれぞれ4.5%
と110%であり、実施例1のそれぞれ1.8%と13
8%より遥かに劣るものであった。
【0034】〔比較例8〜9〕防曇性として実施例1に
用いたと同じ“デノン PA−6138”を0.007
重量部(対原料樹脂混合物100重量部換算)(比較例
8)と4.5重量部(対原料樹脂混合物100重量部換
算)(比較例9)添加させる以外は実施例1と同様な方
法によって防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フィルムを
得た。しかし、比較例8のフィルムは、防曇性が室温状
態で5分後、15分後、30分後、及び、60分後、そ
れぞれ「△」、「△」、「△」及び「□」であり、低温
状態での各時間経過後、それぞれ「×」、「×」、
「×」及び「△」であり、共に不良であった。又、比較
のフィルムは、強度面において低下しているばかり
か、ヘイズ、グロスがそれぞれ5.0%と100%で、
実施例1それぞれ1.8%と138%より遥かに劣るも
のであった。
【0035】(実施例4)実施例2と同様にして得られ
た二軸延伸フィルムを、室温での自然収縮性を無くする
ため弛緩率10%、過熱温度65℃の熱固定を行い防曇
性熱収縮フィルムを得た。得られたフィルムの防曇性
を評価すると、室温状態で5分後、15分後、30分
後、及び、60分後、それぞれ「◎」、「◎」、「◎」
及び「◎」であり、又、低温状態での各時間経過後、そ
れぞれ「◎」、「◎」、「◎」及び「◎」であり、共に
良好であった。しかも、透明性や光沢性等、ポリプロピ
レン本来の特性を損ねるものではなかった。
【0036】〔実施例5〕実施例1に用いた樹脂組成物
と、実施例3に用いたエチレン−α−オレフィン共重合
体を2台の押出機と2種3層のサーキュラーダイを用い
て芯層がエチレン−α−オレフィン共重合体、両表面層
が実施例1に用いた樹脂組成物からなるチューブ状多層
シートを得た。得られた該シートをインフレーション二
軸延伸方法によって、厚みが5μ/10μ/5μの熱収
縮性を有する防曇性ラミネートフィルムを得た。得られ
たフィルムの防曇性を評価すると、室温状態で5分後、
15分後、30分後、及び、60分後、それぞれ
「◎」、「◎」、「◎」及び「◎」であり、又、低温状
態での各時間経過後、それぞれ「◎」、「◎」、「◎」
及び「◎」であり、共に良好であった。しかも、透明性
や光沢性等、ポリプロピレン本来の特性を損ねるもので
はなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の防曇性二軸延伸ポリプロピレン
系フィルム、及び、防曇性ラミネートフィルムや防曇性
熱収縮フィルムは、良好なる防曇性を発揮するのは勿
論、ポリプロピレンが有している本来の特性、例えば、
透明性や光沢性、或は、フィルムの腰等の優れた特性を
損ねない。しかもプロピレン共重合体或いはブレンド物
とエチレン−α−オレフィン共重合体との相溶性が良好
であるので、光学的特性や、フィルムの風合い等も優れ
ており、二軸延伸加工性をも損なわない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23/16 C08L 23/16 // B29K 105:02 105:32 B29L 7:00 C08L 23:10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−プロピレン共重合体、又は、
    エチレン−ブテン−プロピレン三元共重合体から選ばれ
    たプロピレン共重合体、或はこれらのブレンド物100
    重量部と、下記条件を満足するエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体10〜30重量部との混合物に、該混合物1
    00重量部に対し防曇剤を0.01〜4.00重量部配
    合した樹脂組成物を二軸延伸してなることを特徴とする
    防曇性二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。 α−オレフィンの炭素数が3〜8 密度が0.905g/cm3以下 メルトインデックスが0.2〜5.0g/10mi
  2. 【請求項2】 請求項1記載の防曇性二軸延伸ポリプロ
    ピレン系フィルムで少なくとも片方の表面層を形成した
    ことを特徴とする防曇性ラミネートフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の防曇性二軸延伸ポリプロ
    ピレン系フィルム、又は、請求項2記載の防曇性ラミネ
    ートフィルムが熱収縮性を有していることを特徴とする
    防曇性熱収縮フィルム。
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