JPH11147363A - インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents
インクジェット記録用紙の製造方法Info
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- JPH11147363A JPH11147363A JP9317529A JP31752997A JPH11147363A JP H11147363 A JPH11147363 A JP H11147363A JP 9317529 A JP9317529 A JP 9317529A JP 31752997 A JP31752997 A JP 31752997A JP H11147363 A JPH11147363 A JP H11147363A
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- JP
- Japan
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- paint
- jet recording
- ink jet
- coating
- lower layer
- Prior art date
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- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い表面性を有するインクジェット記録用紙
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも2種の水性塗料を、ウエット
・オン・ウエット塗布法による同時重層塗布又は逐次重
層塗布によって被印字基材上に重層塗布し、最上層及び
該最上層に隣接する下層を具備するインクジェット記録
用紙を製造する方法であって、上記水性塗料が何れもニ
ュートン流体であると共に30℃での粘度が50〜50
0cpで且つ固形分が3〜20重量%であることを特徴
とするインクジェット記録用紙の製造方法。
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも2種の水性塗料を、ウエット
・オン・ウエット塗布法による同時重層塗布又は逐次重
層塗布によって被印字基材上に重層塗布し、最上層及び
該最上層に隣接する下層を具備するインクジェット記録
用紙を製造する方法であって、上記水性塗料が何れもニ
ュートン流体であると共に30℃での粘度が50〜50
0cpで且つ固形分が3〜20重量%であることを特徴
とするインクジェット記録用紙の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙の製造方法に関し、更に詳しくは、高い表面性を
有する多層構造のインクジェット記録用紙の製造方法に
関する。
録用紙の製造方法に関し、更に詳しくは、高い表面性を
有する多層構造のインクジェット記録用紙の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】インク
ジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液
滴を被印字部材に直接吐出・付着させて文字や画像を得
る印字方式である。インクジェット記録方式によれば、
使用する装置が低騒音で操作性が良いという利点を有す
るのみならず、カラー化が容易で且つ被印字部材として
普通紙が使用できるという利点も有するため、近年広く
用いられている。
ジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液
滴を被印字部材に直接吐出・付着させて文字や画像を得
る印字方式である。インクジェット記録方式によれば、
使用する装置が低騒音で操作性が良いという利点を有す
るのみならず、カラー化が容易で且つ被印字部材として
普通紙が使用できるという利点も有するため、近年広く
用いられている。
【0003】しかし、インクジェット記録方式では、被
印字部材に付着したインク液滴の吸収・乾燥速度が遅
く、この吸収・乾燥段階が印字の律速段階となり、印字
速度の向上を阻む原因となっていた。
印字部材に付着したインク液滴の吸収・乾燥速度が遅
く、この吸収・乾燥段階が印字の律速段階となり、印字
速度の向上を阻む原因となっていた。
【0004】インク液滴の吸収・乾燥速度を向上させる
ための手段として、インクの浸透性が高い層等を有する
被印字部材が提案されている。斯かる被印字部材におい
ては、グラビアコーティングやロールコーティングによ
り層を形成している。しかし、これらの塗布方法によれ
ば、特に、2層以上の層を形成する場合には、1層目の
層が乾燥した後に2層目の層を形成しなければならない
ため、層間の密着性が十分とはいえず、また、生産効率
も良いとはいえなかった。
ための手段として、インクの浸透性が高い層等を有する
被印字部材が提案されている。斯かる被印字部材におい
ては、グラビアコーティングやロールコーティングによ
り層を形成している。しかし、これらの塗布方法によれ
ば、特に、2層以上の層を形成する場合には、1層目の
層が乾燥した後に2層目の層を形成しなければならない
ため、層間の密着性が十分とはいえず、また、生産効率
も良いとはいえなかった。
【0005】上記目的を達成させる手段として、スライ
ドコータやエクストルージョン型コータによる塗布液の
同時多層塗布法が知られている。例えば、特開昭60−
255172号公報には、ニュートン流体の薄層塗布に
おいて粘度条件を規定したスライド塗布法が記載されて
いる。特開昭48−99233号公報および特開昭56
−108566号公報には、非ニュートン流体の塗布条
件を規定したスライド塗布法が記載されている。また、
特開平8−108615号公報にはカーテン塗布法を用
いたインクジェット記録シートの製造方法が記載されて
いる。更に、特開昭52−26202号公報および特開
平3−8471号公報には、エクストルージョン型コー
タを用いた塗布において、比較的高い粘度を有する非ニ
ュートン流体の粘度を規定した塗布方法が記載されてい
る。
ドコータやエクストルージョン型コータによる塗布液の
同時多層塗布法が知られている。例えば、特開昭60−
255172号公報には、ニュートン流体の薄層塗布に
おいて粘度条件を規定したスライド塗布法が記載されて
いる。特開昭48−99233号公報および特開昭56
−108566号公報には、非ニュートン流体の塗布条
件を規定したスライド塗布法が記載されている。また、
特開平8−108615号公報にはカーテン塗布法を用
いたインクジェット記録シートの製造方法が記載されて
いる。更に、特開昭52−26202号公報および特開
平3−8471号公報には、エクストルージョン型コー
タを用いた塗布において、比較的高い粘度を有する非ニ
ュートン流体の粘度を規定した塗布方法が記載されてい
る。
【0006】しかし、これらの公報には詳細な塗布条件
について考慮されていないため、該方法を用いて、塗布
後の表面性状に高い精度が要求されるインクジェット記
録用紙を得ることは困難であった。特に、昨今ではイン
クジェット記録に印画紙を用いた銀塩写真と同等以上の
品質が要求されているため、表面性状に一層高い精度が
要求されている。
について考慮されていないため、該方法を用いて、塗布
後の表面性状に高い精度が要求されるインクジェット記
録用紙を得ることは困難であった。特に、昨今ではイン
クジェット記録に印画紙を用いた銀塩写真と同等以上の
品質が要求されているため、表面性状に一層高い精度が
要求されている。
【0007】従って、本発明の目的は、高い表面性を有
するインクジェット記録用紙の製造方法を提供すること
にある。
するインクジェット記録用紙の製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、インクジェット記録用紙の各層を形成する塗料の
物性に着目したところ、特定の粘度および固形分を有す
るニュートン流体の塗料を用い且つ斯かる塗料を特定の
塗布方法と組み合わせて用いることにより、上記目的が
達成され得ることを知見した。
結果、インクジェット記録用紙の各層を形成する塗料の
物性に着目したところ、特定の粘度および固形分を有す
るニュートン流体の塗料を用い且つ斯かる塗料を特定の
塗布方法と組み合わせて用いることにより、上記目的が
達成され得ることを知見した。
【0009】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、少なくとも2種の水性塗料を、ウエット・オン・ウ
エット塗布法による同時重層塗布又は逐次重層塗布によ
って被印字基材上に重層塗布し、最上層及び該最上層に
隣接する下層を具備するインクジェット記録用紙を製造
する方法であって、上記水性塗料が何れもニュートン流
体であると共に30℃での粘度が50〜500cpで且
つ固形分が3〜20重量%であることを特徴とするイン
クジェット記録用紙の製造方法を提供することにより上
記目的を達成したものである。
で、少なくとも2種の水性塗料を、ウエット・オン・ウ
エット塗布法による同時重層塗布又は逐次重層塗布によ
って被印字基材上に重層塗布し、最上層及び該最上層に
隣接する下層を具備するインクジェット記録用紙を製造
する方法であって、上記水性塗料が何れもニュートン流
体であると共に30℃での粘度が50〜500cpで且
つ固形分が3〜20重量%であることを特徴とするイン
クジェット記録用紙の製造方法を提供することにより上
記目的を達成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録用紙の製造方法を、その好ましい実施形態に基づき図
面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のイン
クジェット記録用紙の製造方法の第1の実施形態に用い
られるエクストルージョン型コーターヘッドの模式図で
ある。
録用紙の製造方法を、その好ましい実施形態に基づき図
面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のイン
クジェット記録用紙の製造方法の第1の実施形態に用い
られるエクストルージョン型コーターヘッドの模式図で
ある。
【0011】図1に示すように、エクストルージョン型
コーターヘッド1は、ウエット・オン・ウエット塗布法
による同時重層塗布を行うために用いられ、第1及び第
2のスリット2,3が、連続走行する長尺状の被印字基
材4の走行方向に沿ってそれぞれ設けられている。第1
のスリット2は上記走行方向の上流側に配置されてお
り、第2のスリット3は下流側の配置されている。第1
のスリット2には供給源(図示せず)から下層形成用の
水性塗料(以下、「下層塗料」という)が連続的に押し
出されて供給され、また、第2のスリット3には別の供
給源(図示せず)から最上層形成用の水性塗料(以下、
「上層塗料」という)が連続的に押し出されて供給さ
れ、被印字基材4上にこれらの塗料が同時重層塗布され
て、下層塗料の塗膜6上に上層塗料の塗膜7が形成され
るようになされている。符号5で示されるバックアップ
ロールは、被印字基材4の安定走行および各塗料の安定
塗布を図る目的で設置されている。
コーターヘッド1は、ウエット・オン・ウエット塗布法
による同時重層塗布を行うために用いられ、第1及び第
2のスリット2,3が、連続走行する長尺状の被印字基
材4の走行方向に沿ってそれぞれ設けられている。第1
のスリット2は上記走行方向の上流側に配置されてお
り、第2のスリット3は下流側の配置されている。第1
のスリット2には供給源(図示せず)から下層形成用の
水性塗料(以下、「下層塗料」という)が連続的に押し
出されて供給され、また、第2のスリット3には別の供
給源(図示せず)から最上層形成用の水性塗料(以下、
「上層塗料」という)が連続的に押し出されて供給さ
れ、被印字基材4上にこれらの塗料が同時重層塗布され
て、下層塗料の塗膜6上に上層塗料の塗膜7が形成され
るようになされている。符号5で示されるバックアップ
ロールは、被印字基材4の安定走行および各塗料の安定
塗布を図る目的で設置されている。
【0012】隣り合って塗布される上層塗料および下層
塗料は何れもニュートン流体であり、30℃での粘度が
50〜500cpで、且つ固形分が3〜20重量%であ
る。斯かる塗料を用いることによって、表面性が極めて
高いインクジェット記録用紙を製造することができる。
塗料は何れもニュートン流体であり、30℃での粘度が
50〜500cpで、且つ固形分が3〜20重量%であ
る。斯かる塗料を用いることによって、表面性が極めて
高いインクジェット記録用紙を製造することができる。
【0013】両塗料の30℃での粘度は、上述の通り何
れも50〜500cpであるが、この粘度が50cpに
満たない場合は、塗料の固形分が非常に低くなり、乾燥
後の塗工表面が荒れてしまい、得られる記録用紙の機能
性の低下につながる。粘度が500cpを超えると、塗
工表面に塗工むらが生じ、また塗布性も悪くなってしま
う。この場合、該粘度は両塗料において同じでもよく或
いは異なっていてもよい。両塗料の30℃での粘度は1
00〜400cp、特に200〜300cpであること
が好ましい。上記粘度は、B型粘度計(二重円筒型粘度
計)によって測定されたものである。尚、両塗料は上述
の通りニュートン流体であるから、上記スリット2,3
内を流動する際の粘度は剪断速度に実質的に依存しない
ものである。
れも50〜500cpであるが、この粘度が50cpに
満たない場合は、塗料の固形分が非常に低くなり、乾燥
後の塗工表面が荒れてしまい、得られる記録用紙の機能
性の低下につながる。粘度が500cpを超えると、塗
工表面に塗工むらが生じ、また塗布性も悪くなってしま
う。この場合、該粘度は両塗料において同じでもよく或
いは異なっていてもよい。両塗料の30℃での粘度は1
00〜400cp、特に200〜300cpであること
が好ましい。上記粘度は、B型粘度計(二重円筒型粘度
計)によって測定されたものである。尚、両塗料は上述
の通りニュートン流体であるから、上記スリット2,3
内を流動する際の粘度は剪断速度に実質的に依存しない
ものである。
【0014】両塗料の固形分は、上述の通り何れも3〜
20重量%であるが、この固形分が3重量%に満たない
と、塗料が溶媒リッチとなり、乾燥による気泡抜けが生
じて塗工表面が荒れてしまう。固形分が20重量%を超
えると、塗膜厚の大きいベタ塗りは可能であるが、ある
程度薄く均一に塗ることが難しくなってくる。この場
合、該固形分は両塗料において同じでもよく或いは異な
っていてもよい。
20重量%であるが、この固形分が3重量%に満たない
と、塗料が溶媒リッチとなり、乾燥による気泡抜けが生
じて塗工表面が荒れてしまう。固形分が20重量%を超
えると、塗膜厚の大きいベタ塗りは可能であるが、ある
程度薄く均一に塗ることが難しくなってくる。この場
合、該固形分は両塗料において同じでもよく或いは異な
っていてもよい。
【0015】また、塗布状態に関係のある表面張力に関
しては、上述した30℃での粘度および固形分が上述の
範囲となるような配合から適宜選択される。この場合、
上層塗料の表面張力の値が下層塗料の表面張力の値以下
であることが好ましい。両塗料の表面張力の値は、これ
らの塗料に所定量の界面活性剤等を添加することによっ
て調整することができる。
しては、上述した30℃での粘度および固形分が上述の
範囲となるような配合から適宜選択される。この場合、
上層塗料の表面張力の値が下層塗料の表面張力の値以下
であることが好ましい。両塗料の表面張力の値は、これ
らの塗料に所定量の界面活性剤等を添加することによっ
て調整することができる。
【0016】図1に示すエクストルージョン型コーター
ヘッド1から被印字基材4へ供給される両塗料の供給量
は、何れも10〜300mg/m2 であることが好まし
い。該供給量が10mg/m2 に満たないとコート層と
しての機能が不十分となることがあり、300mg/m
2 を超えると鮮明な印字が得られないことがあるので、
上記範囲内とすることが好ましい。この場合、該供給量
は両塗料において同じでもよく或いは異なっていてもよ
いが、上層塗料の供給量が下層塗料の供給量よりも少な
いことが好ましい。この理由は、少なくとも2層の層を
形成する場合に、上層は色材の定着を目的としたコート
層として機能させ、下層は、インクの吸水性層やベース
層として機能させるという、機能分離を行うためであ
る。
ヘッド1から被印字基材4へ供給される両塗料の供給量
は、何れも10〜300mg/m2 であることが好まし
い。該供給量が10mg/m2 に満たないとコート層と
しての機能が不十分となることがあり、300mg/m
2 を超えると鮮明な印字が得られないことがあるので、
上記範囲内とすることが好ましい。この場合、該供給量
は両塗料において同じでもよく或いは異なっていてもよ
いが、上層塗料の供給量が下層塗料の供給量よりも少な
いことが好ましい。この理由は、少なくとも2層の層を
形成する場合に、上層は色材の定着を目的としたコート
層として機能させ、下層は、インクの吸水性層やベース
層として機能させるという、機能分離を行うためであ
る。
【0017】また、図1に示すエクストルージョン型コ
ーターヘッド1における第1及び第2スリット2,3の
スリット幅は、塗料の粘度、固形分、流量等にもよる
が、何れも10〜3000μmであることが好ましい。
この場合、スリット幅は両スリットにおいて同じでもよ
く或いは異なっていてもよいが、上下層の厚みの点から
は、上流側に位置する第1のスリット2の幅の方が下流
側に位置する第2のスリット3の幅よりも小さいことが
好ましい。
ーターヘッド1における第1及び第2スリット2,3の
スリット幅は、塗料の粘度、固形分、流量等にもよる
が、何れも10〜3000μmであることが好ましい。
この場合、スリット幅は両スリットにおいて同じでもよ
く或いは異なっていてもよいが、上下層の厚みの点から
は、上流側に位置する第1のスリット2の幅の方が下流
側に位置する第2のスリット3の幅よりも小さいことが
好ましい。
【0018】被印字基材4上に両塗料の塗膜が形成され
た後は、常法により、該塗膜の乾燥およびカレンダー処
理が行われ、所定の幅にスリットされると共に所定の長
さに毎葉に裁断される。
た後は、常法により、該塗膜の乾燥およびカレンダー処
理が行われ、所定の幅にスリットされると共に所定の長
さに毎葉に裁断される。
【0019】上記乾燥は、塗膜が形成された被印字基材
4を熱風乾燥炉内を通過させたり、或いは自然乾燥する
ことによって行うことができる。乾燥温度は、塗料の組
成等にもよるが一般に30〜150℃程度である。この
場合、乾燥温度を段階的に高めて乾燥効率等を高めても
よい。
4を熱風乾燥炉内を通過させたり、或いは自然乾燥する
ことによって行うことができる。乾燥温度は、塗料の組
成等にもよるが一般に30〜150℃程度である。この
場合、乾燥温度を段階的に高めて乾燥効率等を高めても
よい。
【0020】このようにして得られたインクジェット記
録用紙は、最上層と該最上層に隣接する下層とを具備し
ている。最上層および下層の坪量はそれぞれ10〜30
0mg/m2 、特に30〜200mg/m2 であること
が好ましい。この場合、最上層および下層の坪量は同一
でもよく或いは異なっていてもよいが、好ましくは下層
の坪量の方が大きい。
録用紙は、最上層と該最上層に隣接する下層とを具備し
ている。最上層および下層の坪量はそれぞれ10〜30
0mg/m2 、特に30〜200mg/m2 であること
が好ましい。この場合、最上層および下層の坪量は同一
でもよく或いは異なっていてもよいが、好ましくは下層
の坪量の方が大きい。
【0021】次に、両塗料の具体的な組成について説明
する。上述の通り、両塗料は、何れも水を媒体とした水
性塗料であり、その組成は同一でもよく或いは異なって
いてもよい。特に、両塗料の少なくとも何れか一方は、
バインダー、脂肪酸又は脂肪酸エステル及びフィラーを
含有することが好ましい。このような組成を有する塗料
を用いることにより、印字された場合に色材が均一に保
持され、また、溶媒が迅速に浸透していくので好まし
い。この場合、少なくとも上層塗料が上記成分を含有す
ることが好ましく、更に好ましくは両塗料の何れもが上
記成分を含有することが好ましい。
する。上述の通り、両塗料は、何れも水を媒体とした水
性塗料であり、その組成は同一でもよく或いは異なって
いてもよい。特に、両塗料の少なくとも何れか一方は、
バインダー、脂肪酸又は脂肪酸エステル及びフィラーを
含有することが好ましい。このような組成を有する塗料
を用いることにより、印字された場合に色材が均一に保
持され、また、溶媒が迅速に浸透していくので好まし
い。この場合、少なくとも上層塗料が上記成分を含有す
ることが好ましく、更に好ましくは両塗料の何れもが上
記成分を含有することが好ましい。
【0022】上記塗料において、上記脂肪酸又は脂肪酸
エステル及びフィラーは、上記バインダーに対してそれ
ぞれ10重量%以下及び0.05〜3重量%含まれてい
ることが好ましく、5重量%以下及び0.05〜1重量
%含まれていることが更に好ましい。上記脂肪酸又は脂
肪酸エステルの配合量が上記範囲内であれば、適切な分
散効果やにじみ防止効果が発現するので好ましく、また
上記フィラーの配合量が上記範囲内であれば、適切な骨
材効果が発現するので好ましい。尚、上記脂肪酸および
脂肪酸エステルは、何れか一方のみを用いてもよく或い
は両者を併用してもよい。両者を併用する場合には、そ
の合計量が上記範囲内となるようにすることが好まし
い。
エステル及びフィラーは、上記バインダーに対してそれ
ぞれ10重量%以下及び0.05〜3重量%含まれてい
ることが好ましく、5重量%以下及び0.05〜1重量
%含まれていることが更に好ましい。上記脂肪酸又は脂
肪酸エステルの配合量が上記範囲内であれば、適切な分
散効果やにじみ防止効果が発現するので好ましく、また
上記フィラーの配合量が上記範囲内であれば、適切な骨
材効果が発現するので好ましい。尚、上記脂肪酸および
脂肪酸エステルは、何れか一方のみを用いてもよく或い
は両者を併用してもよい。両者を併用する場合には、そ
の合計量が上記範囲内となるようにすることが好まし
い。
【0023】更に、媒体として用いられる水は、塗料の
全量に対して75〜95重量%配合されることが好まし
い。
全量に対して75〜95重量%配合されることが好まし
い。
【0024】上記脂肪酸や脂肪酸エステルは、インクジ
ェット記録における滲み防止剤として用いられるもので
ある。該脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が
用いられる。一方、該脂肪酸エステルとしては、上記脂
肪酸のアルキルエステル等を用いることが好ましい。
ェット記録における滲み防止剤として用いられるもので
ある。該脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が
用いられる。一方、該脂肪酸エステルとしては、上記脂
肪酸のアルキルエステル等を用いることが好ましい。
【0025】上記フィラーはインクジェット記録用紙の
耐ブロッキング剤や骨材として用いられるものであり、
その例としては、シリコーン樹脂の微粒子、炭酸カルシ
ウム、有機処理粘度、シリカ微粉末、鉄、銅、金、ニッ
ケル、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、酸
化チタン、バリウムフェライト、炭酸マグネシウムの粉
末等を用いることが好ましい。これらのフィラーの平均
粒径は500〜1μm、特に50〜1μmであることが
好ましい。特に、下層に骨材効果を付与するために、下
層塗料に上層塗料よりも多量のフィラーを配合すること
が好ましい。
耐ブロッキング剤や骨材として用いられるものであり、
その例としては、シリコーン樹脂の微粒子、炭酸カルシ
ウム、有機処理粘度、シリカ微粉末、鉄、銅、金、ニッ
ケル、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、酸
化チタン、バリウムフェライト、炭酸マグネシウムの粉
末等を用いることが好ましい。これらのフィラーの平均
粒径は500〜1μm、特に50〜1μmであることが
好ましい。特に、下層に骨材効果を付与するために、下
層塗料に上層塗料よりも多量のフィラーを配合すること
が好ましい。
【0026】上記バインダーは、インクジェット記録用
紙を構成する層におけるベース樹脂として用いられるも
のであり、その例としては、ポリ酢酸ビニル樹脂(PV
C)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン
樹脂等の合成樹脂が用いられ、これらのうち、ポリ酢酸
ビニル樹脂(PVC)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を用い
ることが好ましい。これらのバインダーの重量平均分子
量は50000〜1000であることが好ましい。
紙を構成する層におけるベース樹脂として用いられるも
のであり、その例としては、ポリ酢酸ビニル樹脂(PV
C)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン
樹脂等の合成樹脂が用いられ、これらのうち、ポリ酢酸
ビニル樹脂(PVC)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を用い
ることが好ましい。これらのバインダーの重量平均分子
量は50000〜1000であることが好ましい。
【0027】また、上述の成分を含む塗料は、更にカー
ル防止剤としてのグリセリン、表面張力調整剤としての
各種界面活性剤、帯電防止剤としてのカーボンブラック
等を含有することも好ましい。これらの成分の配合量は
上記バインダーに対してそれぞれ0.5〜20重量%で
あることが好ましい。
ル防止剤としてのグリセリン、表面張力調整剤としての
各種界面活性剤、帯電防止剤としてのカーボンブラック
等を含有することも好ましい。これらの成分の配合量は
上記バインダーに対してそれぞれ0.5〜20重量%で
あることが好ましい。
【0028】上述した成分から構成される塗料(上層塗
料および/又は下層塗料)の好ましい組成は下記の通り
である(バインダーの重量を基準として)。 ・脂肪酸または脂肪酸エステル:3〜10重量%、特に
3〜7重量% ・フィラー:0.05〜3重量%、特に0.05〜1重
量% ・グリセリン:0.5〜20重量%、特に1〜10重量
%
料および/又は下層塗料)の好ましい組成は下記の通り
である(バインダーの重量を基準として)。 ・脂肪酸または脂肪酸エステル:3〜10重量%、特に
3〜7重量% ・フィラー:0.05〜3重量%、特に0.05〜1重
量% ・グリセリン:0.5〜20重量%、特に1〜10重量
%
【0029】インクジェット記録用紙に要求される機能
を最上層と下層とで分担させるために、上層塗料に配合
される成分と下層塗料に配合される成分とを変えること
もできる。例えば、インク液滴の吸水性を高めるため
に、最上層および下層の何れかの層に、吸水性を有する
高分子を配合することが好ましい。特に、下層にそのよ
うな吸水性を有する高分子を配合する場合には、下層を
形成した際に十分な強度が発現するものを用いることが
好ましい。吸水性を有する高分子の種類に特に制限はな
いが、例えば含有水分率が1〜20%であるものを用い
ると、インクジェット記録用紙の製造時の乾燥工程にお
ける乾燥速度の向上と、インク液滴の吸水効果の向上と
が共に達成されるので好ましい。そのような吸水性を有
する高分子の例としては、各種吸水性ポリマーやカルボ
キシルメチルセルロースなどが挙げられる。
を最上層と下層とで分担させるために、上層塗料に配合
される成分と下層塗料に配合される成分とを変えること
もできる。例えば、インク液滴の吸水性を高めるため
に、最上層および下層の何れかの層に、吸水性を有する
高分子を配合することが好ましい。特に、下層にそのよ
うな吸水性を有する高分子を配合する場合には、下層を
形成した際に十分な強度が発現するものを用いることが
好ましい。吸水性を有する高分子の種類に特に制限はな
いが、例えば含有水分率が1〜20%であるものを用い
ると、インクジェット記録用紙の製造時の乾燥工程にお
ける乾燥速度の向上と、インク液滴の吸水効果の向上と
が共に達成されるので好ましい。そのような吸水性を有
する高分子の例としては、各種吸水性ポリマーやカルボ
キシルメチルセルロースなどが挙げられる。
【0030】次に、上記塗料が塗布される被印字基材に
ついて説明する。該被印字基材としては、通常の紙、合
成紙およびポリエチレンテレフタレートからなるOHP
シートのような透明プラスチックフィルム等を、インク
ジェット記録の目的・用途等に応じて適宜選択して用い
ることができる。これらの被印字基材の厚さは20〜2
000μm、特に50〜200μmであることが好まし
い。
ついて説明する。該被印字基材としては、通常の紙、合
成紙およびポリエチレンテレフタレートからなるOHP
シートのような透明プラスチックフィルム等を、インク
ジェット記録の目的・用途等に応じて適宜選択して用い
ることができる。これらの被印字基材の厚さは20〜2
000μm、特に50〜200μmであることが好まし
い。
【0031】次に、本発明の第2の実施形態について図
2を参照して説明する。ここで、図2は、本発明のイン
クジェット記録用紙の製造方法の第2の実施形態に用い
られる逐次重層塗布装置の模式図である。尚、第2の実
施形態に関しては第1の実施形態と異なる点についての
み説明し、同じ点については特に説明しないが、第1の
実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。ま
た、図2において図1と同じ部材には同じ符号を付し
た。
2を参照して説明する。ここで、図2は、本発明のイン
クジェット記録用紙の製造方法の第2の実施形態に用い
られる逐次重層塗布装置の模式図である。尚、第2の実
施形態に関しては第1の実施形態と異なる点についての
み説明し、同じ点については特に説明しないが、第1の
実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。ま
た、図2において図1と同じ部材には同じ符号を付し
た。
【0032】図2に示す逐次重層塗布装置10は、ウエ
ット・オン・ウエット塗布法による逐次重層塗布を行う
ために用いられ、第1のコーターヘッド11及び第2の
コーターヘッド12を具備している。これらのコーター
ヘッドは連続走行する長尺状の被印字基材4の走行方向
に沿ってそれぞれ設けられており、第1のコーターヘッ
ド11が上流側に、そして第2のコーターヘッド12が
下流側に設置されている。第1及び第2のコーターヘッ
ドの先端には第1及び第2のスリット2,3がそれぞれ
設けられており、第1のスリット2には供給源(図示せ
ず)から下層塗料が連続的に押し出されて供給され、ま
た第2のスリット3には別の供給源(図示せず)から上
層塗料が連続的に押し出されて供給され、該下層塗料の
塗膜6が湿潤状態のうちに、該塗膜6上に該上層塗料の
塗膜7が形成されるようになされている。第1のコータ
ーヘッド11及び第2のコーターヘッド12におけるそ
れぞれのスリット2,3は、図1に示すエクストルージ
ョン型コーターヘッドにおけるスリット2,3にそれぞ
れ対応しており、それぞれのスリット幅も図1に示すも
のと同様である。
ット・オン・ウエット塗布法による逐次重層塗布を行う
ために用いられ、第1のコーターヘッド11及び第2の
コーターヘッド12を具備している。これらのコーター
ヘッドは連続走行する長尺状の被印字基材4の走行方向
に沿ってそれぞれ設けられており、第1のコーターヘッ
ド11が上流側に、そして第2のコーターヘッド12が
下流側に設置されている。第1及び第2のコーターヘッ
ドの先端には第1及び第2のスリット2,3がそれぞれ
設けられており、第1のスリット2には供給源(図示せ
ず)から下層塗料が連続的に押し出されて供給され、ま
た第2のスリット3には別の供給源(図示せず)から上
層塗料が連続的に押し出されて供給され、該下層塗料の
塗膜6が湿潤状態のうちに、該塗膜6上に該上層塗料の
塗膜7が形成されるようになされている。第1のコータ
ーヘッド11及び第2のコーターヘッド12におけるそ
れぞれのスリット2,3は、図1に示すエクストルージ
ョン型コーターヘッドにおけるスリット2,3にそれぞ
れ対応しており、それぞれのスリット幅も図1に示すも
のと同様である。
【0033】この逐次重層塗布装置10を用い、第1の
実施形態において詳述した塗布条件を用いることで、第
1の実施形態と同様に表面性が極めて高いインクジェッ
ト記録用紙を製造することができる。
実施形態において詳述した塗布条件を用いることで、第
1の実施形態と同様に表面性が極めて高いインクジェッ
ト記録用紙を製造することができる。
【0034】以上、本発明のインクジェット記録用紙の
製造方法をその好ましい実施形態に基づき説明したが、
本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲において種々の変更が可能である。例え
ば、ウエット・オン・ウエット塗布法による同時又は逐
次重層塗布は、図1及び図2に示す装置以外の装置を用
いることもできる。例えば、同時重層塗布方法として、
図3に示すようなバックアップロールを用いないロール
間塗布による方法を用いてもよい。また、下層を形成す
るに先立ち、該下層と被印字基材との間にアンダーコー
ト層やその他の層を形成してもよい。また、被印字基材
の反対側の面にバックコート層を形成してもよい。更
に、被印字基材の両面に上下層をそれぞれ形成して両面
印刷用のインクジェット記録用紙となしてもよい。
製造方法をその好ましい実施形態に基づき説明したが、
本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲において種々の変更が可能である。例え
ば、ウエット・オン・ウエット塗布法による同時又は逐
次重層塗布は、図1及び図2に示す装置以外の装置を用
いることもできる。例えば、同時重層塗布方法として、
図3に示すようなバックアップロールを用いないロール
間塗布による方法を用いてもよい。また、下層を形成す
るに先立ち、該下層と被印字基材との間にアンダーコー
ト層やその他の層を形成してもよい。また、被印字基材
の反対側の面にバックコート層を形成してもよい。更
に、被印字基材の両面に上下層をそれぞれ形成して両面
印刷用のインクジェット記録用紙となしてもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
すると共に本発明の有効性を例証する。しかしながら、
本発明は斯かる実施例に制限されないことはいうまでも
ない。尚、特に断らない限り、「%」は「重量%」を意
味する。
すると共に本発明の有効性を例証する。しかしながら、
本発明は斯かる実施例に制限されないことはいうまでも
ない。尚、特に断らない限り、「%」は「重量%」を意
味する。
【0036】〔実施例1〕300リットルのデイスパを
使ってバインダー(ポリビニルアルコール樹脂)の15
%水溶液を調製した。この水溶液を小分けし、脂肪酸エ
ステル(デカグリセリンカプリル酸)、フィラー(粒径
12μmのシリコーン樹脂微粒子)及びグリセリンを添
加してハンドミキサーで十分に分散させ、下記組成の上
層塗料(バインダーの重量基準)を調整した。尚、予め
分散が必要な成分は超音波にて十分に分散させた後に、
上記水溶液に添加した。 ・脂肪酸エステル:5% ・フィラー:1% ・グリセリン:5% ・水:1400%
使ってバインダー(ポリビニルアルコール樹脂)の15
%水溶液を調製した。この水溶液を小分けし、脂肪酸エ
ステル(デカグリセリンカプリル酸)、フィラー(粒径
12μmのシリコーン樹脂微粒子)及びグリセリンを添
加してハンドミキサーで十分に分散させ、下記組成の上
層塗料(バインダーの重量基準)を調整した。尚、予め
分散が必要な成分は超音波にて十分に分散させた後に、
上記水溶液に添加した。 ・脂肪酸エステル:5% ・フィラー:1% ・グリセリン:5% ・水:1400%
【0037】下層塗料についても上層塗料とほぼ同様な
調製を行った。但し、下層形成の目的の一つに骨材効果
があるので、下層塗料には上層塗料よりもフィラーを多
めに添加した。また下層に吸水効果を付与する為に、下
層塗料に吸水性ポリマーを配合した。下層塗料の具体的
な配合を表1に示す。
調製を行った。但し、下層形成の目的の一つに骨材効果
があるので、下層塗料には上層塗料よりもフィラーを多
めに添加した。また下層に吸水効果を付与する為に、下
層塗料に吸水性ポリマーを配合した。下層塗料の具体的
な配合を表1に示す。
【0038】図1に示すエクストルージョン型コーター
ヘッドを用い、速度60m/minで連続走行する、厚
さ75μmで幅150mmのポリエチレンテレフタレー
ト製フィルム上に、上層塗料および下層塗料を表1に示
す塗布条件で塗布した。形成された塗膜を温度100℃
の熱風で乾燥させた。最後に所定長さに裁断してインク
ジェット記録用のOHPシートを得た。このOHPシー
トにおける最上層および下層の坪量はそれぞれ50g/
m2 及び100g/m2 であった。
ヘッドを用い、速度60m/minで連続走行する、厚
さ75μmで幅150mmのポリエチレンテレフタレー
ト製フィルム上に、上層塗料および下層塗料を表1に示
す塗布条件で塗布した。形成された塗膜を温度100℃
の熱風で乾燥させた。最後に所定長さに裁断してインク
ジェット記録用のOHPシートを得た。このOHPシー
トにおける最上層および下層の坪量はそれぞれ50g/
m2 及び100g/m2 であった。
【0039】〔実施例2及び比較例1〕表1に示す上層
塗料および下層塗料を用いる以外は実施例1と同様にし
てインクジェット記録用のOHPシートを得た。
塗料および下層塗料を用いる以外は実施例1と同様にし
てインクジェット記録用のOHPシートを得た。
【0040】尚、実施例および比較例で調製された塗料
はすべてニュートン流体であった。
はすべてニュートン流体であった。
【0041】〔性能評価〕実施例および比較例で得られ
たOHPシートについて記録面(即ち、上層表面)を低
倍率の光学顕微鏡(工具顕微鏡など)にて観察し、表面
性を評価すると共にインクジェットプリンターを用いて
ベタ印字を行い印字品質を評価した。その結果を表2に
示す。
たOHPシートについて記録面(即ち、上層表面)を低
倍率の光学顕微鏡(工具顕微鏡など)にて観察し、表面
性を評価すると共にインクジェットプリンターを用いて
ベタ印字を行い印字品質を評価した。その結果を表2に
示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の方法により製造された実施例1及び2のインクジェ
ット記録用のOHPシートは、比較例のインクジェット
記録用のOHPシートに比して、記録面の表面性が良好
であり、印字品質も高いことが判る。尚、表には示して
いないが、被印字基材として紙を用いた場合にも上記と
ほぼ同様の結果を得た。
明の方法により製造された実施例1及び2のインクジェ
ット記録用のOHPシートは、比較例のインクジェット
記録用のOHPシートに比して、記録面の表面性が良好
であり、印字品質も高いことが判る。尚、表には示して
いないが、被印字基材として紙を用いた場合にも上記と
ほぼ同様の結果を得た。
【0045】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明のインクジ
ェット記録用紙の製造方法によれば、高い表面性を有す
るインクジェット記録用紙が得られる。また、本発明の
製造方法によれば、印字品質の高い印字像を形成し得る
インクジェット記録用紙が得られる。
ェット記録用紙の製造方法によれば、高い表面性を有す
るインクジェット記録用紙が得られる。また、本発明の
製造方法によれば、印字品質の高い印字像を形成し得る
インクジェット記録用紙が得られる。
【図1】本発明のインクジェット記録用紙の製造方法の
第1の実施形態に用いられるエクストルージョン型コー
ターヘッドの模式図である。
第1の実施形態に用いられるエクストルージョン型コー
ターヘッドの模式図である。
【図2】本発明のインクジェット記録用紙の製造方法の
第2の実施形態に用いられる逐次重層塗布装置の模式図
である。
第2の実施形態に用いられる逐次重層塗布装置の模式図
である。
【図3】本発明のインクジェット記録用紙の製造方法に
用いられる別の塗布装置を示す模式図である。
用いられる別の塗布装置を示す模式図である。
1 エクストルージョン型コーターヘッド 2 第1のスロット 3 第2のスロット 4 被印字基材 5 バックアップロール 6 下層塗料の塗膜 7 上層塗料の塗膜
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも2種の水性塗料を、ウエット
・オン・ウエット塗布法による同時重層塗布又は逐次重
層塗布によって被印字基材上に重層塗布し、最上層及び
該最上層に隣接する下層を具備するインクジェット記録
用紙を製造する方法であって、上記水性塗料が何れもニ
ュートン流体であると共に30℃での粘度が50〜50
0cpで且つ固形分が3〜20重量%であることを特徴
とするインクジェット記録用紙の製造方法。 - 【請求項2】 上記同時重層塗布又は逐次重層塗布がエ
クストルージョン型塗布である請求項1記載のインクジ
ェット記録用紙の製造方法。 - 【請求項3】 上記被印字基材への上記水性塗料の供給
量が何れも10〜300mg/m2 である請求項1又は
2記載のインクジェット記録用紙の製造方法。 - 【請求項4】 上記水性塗料の少なくとも何れか一方
は、バインダー、脂肪酸又は脂肪酸エステル及びフィラ
ーを含有し、該脂肪酸又は脂肪酸エステル及びフィラー
が、該バインダーに対してそれぞれ10重量%以下及び
0.05〜3重量%含まれている請求項1〜3の何れか
に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。 - 【請求項5】 上記被印字基材が、紙、合成紙又は透明
プラスチックからなる請求項1〜4の何れかに記載のイ
ンクジェット記録用紙の製造方法。 - 【請求項6】 上記最上層形成用の水性塗料の供給量
が、上記下層形成用の水性塗料の供給量よりも少ない請
求項1〜5の何れかに記載のインクジェット記録用紙の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9317529A JPH11147363A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | インクジェット記録用紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9317529A JPH11147363A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | インクジェット記録用紙の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11147363A true JPH11147363A (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=18089273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9317529A Pending JPH11147363A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | インクジェット記録用紙の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11147363A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005138102A (ja) * | 2003-10-10 | 2005-06-02 | Rohm & Haas Co | 感熱基体のプライマーレスコーティング |
JP2008250267A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学フィルムの製造方法 |
-
1997
- 1997-11-18 JP JP9317529A patent/JPH11147363A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005138102A (ja) * | 2003-10-10 | 2005-06-02 | Rohm & Haas Co | 感熱基体のプライマーレスコーティング |
JP2008250267A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学フィルムの製造方法 |
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