JPH11145594A - ソルダーレジスト硬化膜の剥離液及びソルダーレジスト硬化膜の剥離方法 - Google Patents

ソルダーレジスト硬化膜の剥離液及びソルダーレジスト硬化膜の剥離方法

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JPH11145594A
JPH11145594A JP30615897A JP30615897A JPH11145594A JP H11145594 A JPH11145594 A JP H11145594A JP 30615897 A JP30615897 A JP 30615897A JP 30615897 A JP30615897 A JP 30615897A JP H11145594 A JPH11145594 A JP H11145594A
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JP
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solder resist
cured
substrate
cured film
weight
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JP30615897A
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Inventor
Masanori Tanaka
真紀 田中
Soichi Hashimoto
壯一 橋本
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Goo Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Goo Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線及び熱で硬化した後のソルダーレジス
ト硬化膜であっても基板から剥離して基板を再利用する
ことができるソルダーレジスト硬化膜の剥離液を提供す
る。 【解決手段】 アルカリ金属水酸化物と非プロトン性極
性溶剤を含有する。非プロトン性極性溶剤によってソル
ダーレジスト硬化膜へのアルカリ金属水酸化物の浸透性
を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板な
どの基板の表面に形成されたソルダーレジスト硬化膜を
基板から剥離するのに用いられる剥離液、及びこの剥離
液を用いたソルダーレジスト硬化膜の剥離方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、導体回路の保護や半田付け不
要部分への半田の付着の防止などの目的で、プリント配
線板などの基板の表面にソルダーレジスト硬化膜を形成
して回路板を製造することが行われている。ソルダーレ
ジスト硬化膜を形成するためのソルダーレジストインク
としては、スクリーン印刷型のものと液状のものとに分
類することができるが、スクリーン印刷型のソルダーレ
ジストインクで硬化膜を形成するにあたっては、スクリ
ーン印刷版を用いて基板の表面にソルダーレジストイン
クを所望のパターンに印刷して塗布し、この後、基板の
表面のソルダーレジストインクに紫外線と熱を供給して
ソルダーレジストインクを硬化させるようにして行わ
れ、また、液状のソルダーレジストインクで硬化膜を形
成するにあたっては、基板の表面にソルダーレジストイ
ンクを略全面に亘って塗布し、これを仮乾燥させた後、
露光・現像することによって、基板の表面に所望のパタ
ーンのソルダーレジストインクに形成し、この後、基板
の表面のソルダーレジストインクに紫外線と熱を供給し
てソルダーレジストインクを硬化させるようにして行わ
れる。
【0003】ところで、上記のようなソルダーレジスト
硬化膜の形成工程において、ソルダーレジストインクの
印刷不良、露光時の位置ずれ、色わかれ(色むら)、ピ
ンホール、異物の混入、マーキングインキの印刷不良な
ど不良が発生することがあるが、このようなソルダーレ
ジスト硬化膜の不良だけが原因で回路板を破棄すると、
正常な基板までが破棄されることになって基板が無駄に
なってしまい、回路板の生産性(歩留り)が低下すると
いう問題があった。そこで特開平7−115048号公
報には、紫外線のみで硬化したソルダーレジスト硬化膜
を基板から剥離する剥離方法が提案されている。
【0004】この公報の剥離方法は、水酸化ナトリウム
または水酸化カリウムと、鎖長が3〜6のグリコールエ
ーテルと、水とを混合して剥離液を調製し、この剥離液
に紫外線のみで硬化したソルダーレジスト硬化膜を有す
る回路板を浸漬して基板から紫外線のみで硬化したソル
ダーレジスト硬化膜を剥離するものであり、紫外線で硬
化した後、熱で硬化させる前にソルダーレジスト硬化膜
に不良が発見された場合に、ソルダーレジスト硬化膜を
基板から剥離して基板を再利用することができるように
したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記公報の剥離
方法では、紫外線で硬化した後、さらに熱で硬化させた
ソルダーレジスト硬化膜を基板から剥離することができ
ず、紫外線及び熱で硬化した後に、ソルダーレジスト硬
化膜に不良が発見された場合には基板を再利用すること
ができないという問題があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、紫外線及び熱で硬化した後のソルダーレジスト硬
化膜であっても基板から剥離して基板を再利用すること
ができるソルダーレジスト硬化膜の剥離液を提供するこ
とを目的とするものであり、また、この剥離液を用いた
ソルダーレジスト硬化膜の剥離方法を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のソルダーレジスト硬化膜の剥離液は、アルカリ金属水
酸化物と非プロトン性極性溶剤を含有して成ることを特
徴とするものである。また本発明の請求項2に記載のソ
ルダーレジスト硬化膜の剥離液は、請求項1の構成に加
えて、非プロトン性極性溶剤として、N−メチル−2−
ピロリドンを用いて成ることを特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項3に記載のソルダーレ
ジスト硬化膜の剥離液は、請求項1又は2の構成に加え
て、少なくともアルカリ金属水酸化物を1〜30重量
%、非プロトン性極性溶剤を1〜30重量%を含んで成
ることを特徴とするものである。また本発明の請求項4
に記載のソルダーレジスト硬化膜の剥離方法は、基板の
表面に形成されたソルダーレジスト硬化膜を基板から剥
離する方法であって、請求項1乃至3のいずれかに記載
された剥離液を20〜85℃に調整すると共にソルダー
レジスト硬化膜を形成した基板を浸漬することを特徴と
するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の剥離液は、水とアルカリ金属水酸化物と
非プロトン性極性溶剤を混合し、さらにこれに必要に応
じて酸化防止剤や界面活性剤などを配合して調製する。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム(苛
性ソーダ)や水酸化カリウム(苛性カリ)などを用いる
ことができる。非プロトン性極性溶剤は系中(剥離液
中)でプロトンを放出せず、且つ極性を有する溶剤であ
って、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリ
ンなどを挙げることができる。これらの中でも、N−メ
チル−2−ピロリドンは、他の非プロトン性極性溶剤に
比べて、ソルダーレジスト硬化膜と基材との界面にアル
カリ金属水酸化物水溶液を浸透させ易くするので、特に
好適に用いることができる。また酸化防止剤としては、
例えばトリアゾール系化合物を、界面活性剤としては、
例えば非イオン系界面活性剤をそれぞれ用いることがで
きる。尚、本発明の剥離液においては非プロトン性極性
溶剤の他に、アルコール等の親水性溶剤をさらに加えて
もよい。
【0010】上記剥離液のアルカリ金属水酸化物の含有
量は、剥離液の全量に対して1〜30重量%に設定する
のが好ましい。アルカリ金属水酸化物の含有量が1重量
%未満であれば、ソルダーレジスト硬化膜の剥離に直接
係わるアルカリ金属水酸化物の量が少な過ぎて、剥離液
のソルダーレジスト硬化膜の剥離性能が低下してソルダ
ーレジスト硬化膜の剥離を行うことができなかったりソ
ルダーレジスト硬化膜の剥離に長時間を要したりする恐
れがあり、アルカリ金属水酸化物の含有量が30重量%
を超えると、基板に対するアルカリ金属水酸化物の作用
が強過ぎて基板が腐食する恐れがある。
【0011】また、上記剥離液の非プロトン性極性溶剤
の含有量は、剥離液の全量に対して1〜30重量%に設
定するのが好ましい。非プロトン性極性溶剤の含有量が
1重量%未満であれば、ソルダーレジスト硬化膜へのア
ルカリ金属水酸化物(アルカリ金属水酸化物水溶液)の
浸透性が低下し、ソルダーレジスト硬化膜の剥離を行う
ことができなかったりソルダーレジスト硬化膜の剥離に
長時間を要したりする恐れがあり、非プロトン性極性溶
剤の含有量が30重量%を超えると、アルカリ金属水酸
化物水溶液と非プロトン性極性溶媒とが相分離を起こし
てアルカリ金属水酸化物と非プロトン性極性溶媒を一緒
に(同時に)ソルダーレジスト硬化膜に作用させること
ができなくなり、剥離液のソルダーレジスト硬化膜の剥
離性能が低下してソルダーレジスト硬化膜の剥離を行う
ことができなかったりソルダーレジスト硬化膜の剥離に
長時間を要したりする恐れがある。尚、このような問題
点を確実に防止するためには、非プロトン性極性溶剤の
含有量を剥離液の全量に対して5〜20重量%に設定す
るのが好ましい。
【0012】そして上記のように調製される剥離液を用
いてソルダーレジスト硬化膜を剥離するにあたっては、
基板の表面にソルダーレジスト硬化膜が形成された回路
板を剥離液中に浸漬するようにして行う。回路板の浸漬
時の剥離液の温度は20〜85℃に設定するのが好まし
い。剥離液の温度が20℃未満であれば、ソルダーレジ
スト硬化膜へのアルカリ金属水酸化物(アルカリ金属水
酸化物水溶液)の浸透性が低下し、ソルダーレジスト硬
化膜の剥離を行うことができなかったりソルダーレジス
ト硬化膜の剥離に長時間を要したりする恐れがあり、剥
離液の温度が85℃を超えると、基板に対するアルカリ
金属水酸化物の作用が強過ぎて基板が腐食する恐れがあ
る。ソルダーレジスト硬化膜の剥離を短時間で効率よく
行うためには、現像後の紫外線のみで硬化したソルダー
レジスト硬化膜を剥離する場合は、剥離液の温度を50
℃以上に設定するのが好ましく、紫外線及び熱で硬化し
た最終硬化(ポストキュア後)のソルダーレジスト硬化
膜を剥離する場合は、剥離液の温度を80℃以上に設定
するのが好ましい。
【0013】このように本発明では、水とアルカリ金属
水酸化物と非プロトン性極性溶剤を混合して剥離液を調
製し、この剥離液に基板の表面にソルダーレジスト硬化
膜が形成された回路板を浸漬するので、アルカリ金属水
酸化物(アルカリ金属水酸化物水溶液)のソルダーレジ
スト硬化膜への浸透性を非プロトン性極性溶剤で高める
ことができ、紫外線のみで硬化したソルダーレジスト硬
化膜の剥離はもちろんのこと、紫外線及び熱で硬化した
最終硬化のソルダーレジスト硬化膜の剥離も行うことが
できる。従って、紫外線及び熱で硬化した後に、ソルダ
ーレジスト硬化膜に不良が発見された場合であっても、
最終硬化のソルダーレジスト硬化膜を基板から剥離して
基板を再利用することができる。
【0014】尚、本発明の剥離液は、紫外線及び熱で硬
化したソルダーレジスト硬化膜であれば何れのものも剥
離することができるが、このような紫外線及び熱で硬化
するソルダーレジスト硬化膜を形成するソルダーレジス
トインクとしては、例えば、現像型ソルダーレジスト、
フォトソルダーレジスト、液状ソルダーレジスト等の名
称で市販されているものが挙げられる。これらの中で
も、特にアルカリ現像型のもの、熱硬化成分を含んでな
るもの、アルカリ現像型かつ熱硬化成分を含んでなるも
のに対して、本発明の剥離液は好適に適用できる。
【0015】これらのソルダーレジストは、必ずしも具
体的に限定されるものではないが、例えば感光性樹脂、
希釈剤、光重合開始剤を必須成分としたものであり、必
要に応じてさらに多官能エポキシ樹脂、顔料等を含んで
成るものである。さらに詳しく説明すると、上記感光性
樹脂としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート
のラジカル重合体や共重合体、並びにビスフェノールA
型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型
若くは脂環式のエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を常
法により付加したもの等があり、更に、これらに無水マ
レイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の飽和若しくは不飽和
多塩基酸無水物を付加したものが挙げられる。
【0016】上記希釈剤としては、有機溶剤、感光性モ
ノマー等を用いることができる。有機溶剤としては、例
えばアルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素類、石油
系芳香族系混合溶剤類、セロソルブ類、カルビトール
類、プロピレングリコールアルキルエーテル類、プロピ
レングリコールアルキルエーテル類、酢酸エステル類及
びジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。ま
た、感光性モノマーとしては、例えば、アルキル(メ
タ)アクリレート類、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類、アルキルオキシエチル(メタ)(メタ)ア
クリレート類、或いは感光性オリゴマーとして市販され
ているもの、例えばトリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、等が挙げられる。
【0017】上記光重合開始剤としては、例えば、ベン
ゾイン類、ベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェ
ノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケター
ル類、ベンゾフェノン類又はキサントン類、及び2−メ
チル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
フォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンゾイル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタノン−1、4,4’−ビス−ジエチルアミノベンゾ
フェノン等の窒素原子を含むもの、及び2,4,6−ト
リメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が
挙げられ、これらは必要に応じ安息香酸系又はp−ジメ
チルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミ
ノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエ
チルベンゾエート等の第三級アミン系等の公知の光重合
促進剤及び増感剤等と併用される。
【0018】上記多官能エポキシ樹脂としては、溶剤難
溶性エポキシ化合物、汎用の溶剤可溶性エポキシ化合物
等が挙げられ、例えば、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−ノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシアヌレート、YX4000
(油化シェルエポキシ社製)、ソルビトールポリグリシ
ジルエーテル、N−グリシジル型エポキシ樹脂、脂環式
エポキシ樹脂(例えばダイセル化学工業社製「EHPE
−3150」)、ポリオールポリグリシジルエーテル化
合物、グリシジルエステル化合物、N−グリシジル型エ
ポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタンベー
スの多官能エポキシ樹脂(日本化薬社製EPPN−50
2H、並びにダウケミカル社製タクテックス−742及
びXD−9053等)、水添ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ
樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂及びエポキシ基を有
するビニル重合ポリマー等が挙げられる。
【0019】上記顔料としては、硫酸バリウム、酸化珪
素、タルク、クレー、炭酸カルシウム等の充填剤及び着
色剤等が挙げられる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 〈サンプルAの作成〉まず、ガラスエポキシ基材を用い
た銅張積層板の銅箔にエッチングなどを施して、表面に
導体回路を有する基板を形成し、次に、この基板の表面
の全面にスクリーン印刷により液状のソルダーレジスト
インク(互応化学工業(株)製、品番「EKIRESI
N PSR・550A」)を塗布し、80℃の熱風乾燥
炉内で20分間の仮乾燥を行って、厚み20μmのソル
ダーレジストインクの乾燥塗膜を基板の表面に形成し
た。次に、所望のレジストパターンを有するネガフィル
ムを乾燥塗膜の表面に密着させて配置し、この状態で乾
燥塗膜にメタルハライドランプ(オーク製、品番「OR
C HMW・680GW)を用いて紫外線を200mJ
/cm2 の露光量で照射し、ネガフィルムで覆われてい
ない部分の乾燥塗膜を露光して硬化させた。次に、1重
量%濃度の炭酸ナトリウムを現像液として温度30℃、
圧力2.0kg/cm2 の条件で現像を行って、未硬化
部分の乾燥塗膜を除去した。このようにして基板の表面
に紫外線のみで硬化したソルダーレジスト硬化膜を有す
る回路板を形成し、これをサンプルAとした。
【0021】〈サンプルBの作成〉サンプルBは上記サ
ンプルAと同様にして、基板の表面に紫外線のみで硬化
したソルダーレジスト硬化膜を形成し、これを150℃
の熱風乾燥炉内に入れて60分間加熱してソルダーレジ
スト硬化膜を熱で硬化させることによって形成した。つ
まり、基板の表面に紫外線及び熱で硬化したソルダーレ
ジスト硬化膜を有する回路板をサンプルBとした。
【0022】そして、サンプルA、Bを後述の実施例1
乃至12及び比較例1乃至8の剥離液へ浸漬し、浸漬直
後からソルダーレジスト硬化膜が基板から完全に剥離さ
れる(ソルダーレジスト硬化膜を基板から指で容易に剥
離することができる程度)までの時間を測定して剥離性
を評価した。また、ソルダーレジスト硬化膜が剥離した
後のサンプルA、Bの基板の状態を目視により評価して
基板腐食性とした。結果を表1に示す。
【0023】尚、上記ソルダーレジストインク(互応化
学工業(株)製、品番「EKIRESIN PSR・5
50A」)は、感光性樹脂、希釈剤、光重合開始剤、多
官能エポキシ樹脂及び顔料から成る、紫外線及び熱で硬
化可能なアルカリ現像型の液状ソルダーレジストインク
である。 (実施例1)80重量部の水と、10重量部の水酸化ナ
トリウムと、10重量部のN−メチル−2−ピロリドン
とを混合して剥離液を調製した。この剥離液にサンプル
Aを浸漬してソルダーレジスト硬化膜の基板からの剥離
を試みた。尚、浸漬時の剥離液の温度は50℃に設定し
た。
【0024】(実施例2)N−メチル−2−ピロリドン
の代わりに、N,N−ジメチルホルムアミドを用いて剥
離液を調製した以外は、実施例1と同様にして剥離性と
基板腐食性を評価した。 (実施例3)N−メチル−2−ピロリドンの代わりに、
N,N−ジメチルアセトアミドを用いて剥離液を調製し
た以外は、実施例1と同様にして剥離性と基板腐食性を
評価した。
【0025】(実施例4)サンプルAの代わりにサンプ
ルBを用い、剥離液の温度を80℃とした以外は、実施
例1と同様にして剥離性と基板腐食性を評価した。 (実施例5)89重量部の水と、1重量部の水酸化ナト
リウムと、10重量部のN−メチル−2−ピロリドンと
を混合して剥離液を調製した以外は、実施例1と同様に
して剥離性と基板腐食性を評価した。
【0026】(実施例6)70重量部の水と、20重量
部の水酸化ナトリウムと、10重量部のN−メチル−2
−ピロリドンとを混合して剥離液を調製した以外は、実
施例1と同様にして剥離性と基板腐食性を評価した。 (実施例7)89重量部の水と、1重量部の水酸化ナト
リウムと、10重量部のN−メチル−2−ピロリドンと
を混合して剥離液を調製した以外は、実施例4と同様に
して剥離性と基板腐食性を評価した。
【0027】(実施例8)70重量部の水と、20重量
部の水酸化ナトリウムと、10重量部のN−メチル−2
−ピロリドンとを混合して剥離液を調製した以外は、実
施例4と同様にして剥離性と基板腐食性を評価した。 (実施例9)89重量部の水と、10重量部の水酸化ナ
トリウムと、1重量部のN−メチル−2−ピロリドンと
を混合して剥離液を調製した以外は、実施例1と同様に
して剥離性と基板腐食性を評価した。
【0028】(実施例10)70重量部の水と、10重
量部の水酸化ナトリウムと、20重量部のN−メチル−
2−ピロリドンとを混合して剥離液を調製した以外は、
実施例1と同様にして剥離性と基板腐食性を評価した。 (実施例11)89重量部の水と、10重量部の水酸化
ナトリウムと、1重量部のN−メチル−2−ピロリドン
とを混合して剥離液を調製した以外は、実施例4と同様
にして剥離性と基板腐食性を評価した。
【0029】(実施例12)70重量部の水と、10重
量部の水酸化ナトリウムと、20重量部のN−メチル−
2−ピロリドンとを混合して剥離液を調製した以外は、
実施例4と同様にして剥離性と基板腐食性を評価した。 (比較例1)90重量部の水と、10重量部の水酸化ナ
トリウムとを混合して剥離液を調製した以外は、実施例
1と同様にして剥離性と基板腐食性を評価した。
【0030】(比較例2)90重量部の水と、10重量
部の水酸化ナトリウムとを混合して剥離液を調製した以
外は、実施例4と同様にして剥離性と基板腐食性を評価
した。 (比較例3)90重量部の水と、10重量部のN−メチ
ル−2−ピロリドンとを混合して剥離液を調製した以外
は、実施例1と同様にして剥離性と基板腐食性を評価し
た。
【0031】(比較例4)90重量部の水と、10重量
部のN−メチル−2−ピロリドンとを混合して剥離液を
調製した以外は、実施例4と同様にして剥離性と基板腐
食性を評価した。 (比較例5)浸漬時の剥離液の温度を15℃にした以外
は、実施例1と同様にして剥離性と基板腐食性を評価し
た。
【0032】(比較例6)浸漬時の剥離液の温度を15
℃にした以外は、実施例4と同様にして剥離性と基板腐
食性を評価した。 (比較例7)浸漬時の剥離液の温度を90℃にした以外
は、実施例1と同様にして剥離性と基板腐食性を評価し
た。
【0033】(比較例8)浸漬時の剥離液の温度を90
℃にした以外は、実施例4と同様にして剥離性と基板腐
食性を評価した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1乃至12と比較例1乃至4を対比
すると判るように、水とアルカリ金属水酸化物と非プロ
トン性極性溶媒を含有する剥離液を用いた実施例1乃至
12は、紫外線でのみで硬化したソルダーレジスト硬化
膜及び紫外線と熱で最終硬化したソルダーレジスト硬化
膜の両方を基板から剥離することができ、しかも基板に
腐食などの損傷を生じさせようにすることができたが、
水とアルカリ金属水酸化物のみの剥離液を用いた比較例
1、2では、紫外線と熱で最終硬化したソルダーレジス
ト硬化膜を基板から剥離するのに長時間を要し、また、
水と非プロトン性極性溶剤のみの剥離液を用いた比較例
3、4では、紫外線のみで硬化したソルダーレジスト硬
化膜及び紫外線と熱で最終硬化したソルダーレジスト硬
化膜の両方を基板から剥離することができなかった。
【0036】実施例1乃至12と比較例5乃至8を対比
すると判るように、剥離液の温度が50℃、80℃の実
施例1乃至12では、紫外線でのみで硬化したソルダー
レジスト硬化膜及び紫外線と熱で最終硬化したソルダー
レジスト硬化膜の両方を基板から短時間で剥離すること
ができ、しかも基板に腐食などの損傷を生じさせないよ
うにすることができたが、剥離液の温度が15℃の比較
例5、6では、ソルダーレジスト硬化膜が基板から剥離
せず、また、剥離液の温度が90℃の比較例7、8では
基板に腐食が生じた。
【0037】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、アルカリ金属水酸化物と非プロトン性極性溶剤
を含有するので、非プロトン性極性溶剤によってソルダ
ーレジスト硬化膜へのアルカリ金属水酸化物の浸透性を
高めることができ、紫外線及び熱で硬化した後のソルダ
ーレジスト硬化膜であっても基板から剥離して基板を再
利用することができるものである。
【0038】また本発明の請求項2に記載の発明は、非
プロトン性極性溶剤として、N−メチル−2−ピロリド
ンを用いるので、ソルダーレジスト硬化膜と基材との界
面にアルカリ金属水酸化物水溶液を浸透させ易くするこ
とができ、基板からのソルダーレジスト硬化膜の剥離性
を高めることができるものである。また本発明の請求項
3に記載の発明は、少なくともアルカリ金属水酸化物を
1〜30重量%、非プロトン性極性溶剤を1〜30重量
%を含んでいるので、紫外線及び熱で硬化した後のソル
ダーレジスト硬化膜を、基板に腐食などの損傷を与える
ことなく、短時間で剥離することができるものである。
【0039】また本発明の請求項4に記載の発明は、基
板の表面に形成されたソルダーレジスト硬化膜を基板か
ら剥離する方法であって、請求項1乃至3のいずれかに
記載された剥離液を20〜85℃に調整すると共にソル
ダーレジスト硬化膜を形成した基板を浸漬するので、非
プロトン性極性溶剤によってソルダーレジスト硬化膜へ
のアルカリ金属水酸化物の浸透性を高めることができ、
紫外線及び熱で硬化した後のソルダーレジスト硬化膜で
あっても基板から剥離して基板を再利用することができ
るものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属水酸化物と非プロトン性極
    性溶剤を含有して成ることを特徴とするソルダーレジス
    ト硬化膜の剥離液。
  2. 【請求項2】 非プロトン性極性溶剤として、N−メチ
    ル−2−ピロリドンを用いて成ることを特徴とする請求
    項1に記載のソルダーレジスト硬化膜の剥離液。
  3. 【請求項3】 少なくともアルカリ金属水酸化物を1〜
    30重量%、非プロトン性極性溶剤を1〜30重量%を
    含んで成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のソ
    ルダーレジスト硬化膜の剥離液。
  4. 【請求項4】 基板の表面に形成されたソルダーレジス
    ト硬化膜を基板から剥離する方法であって、請求項1乃
    至3のいずれかに記載された剥離液を20〜85℃に調
    整すると共にソルダーレジスト硬化膜を形成した基板を
    浸漬することを特徴とするソルダーレジスト硬化膜の剥
    離方法。
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