JPH11145293A - 半導体集積回路のレイアウト方法 - Google Patents

半導体集積回路のレイアウト方法

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JPH11145293A
JPH11145293A JP9302901A JP30290197A JPH11145293A JP H11145293 A JPH11145293 A JP H11145293A JP 9302901 A JP9302901 A JP 9302901A JP 30290197 A JP30290197 A JP 30290197A JP H11145293 A JPH11145293 A JP H11145293A
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英樹 三島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で未配線部分の少ない半導体集積回路
を得ることが可能である、半導体集積回路のレイアウト
方法を得る。 【解決手段】 半導体集積回路を構成する各ユニット内
に設けられている複数の素子端子の配線を行う半導体集
積回路のレイアウト方法において、ユニット内の配線領
域中における障害のない直線領域に幹線を形成する幹線
形成工程101,102と、配線領域中における障害の
ない領域に幹線を延長させる幹線延長工程103と、幹
線と素子端子とを電気的に接続する配線工程104と、
配線工程に寄与しない幹線の不要な部分を削除する不要
幹線削除工程105とを備えた半導体集積回路のレイア
ウト方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の
レイアウト方法に関し、詳しくは、コンピュータを利用
して設計を行う半導体集積回路のレイアウト方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の分野では多品種
少量生産化が顕著であり、開発製造期間の短縮が求めら
れている。そこで、半導体集積回路のレイアウト設計に
おいては、コンピュータを利用したレイアウト設計の自
動化が進んでいる。以下、従来技術に係る半導体集積回
路のレイアウト方法について説明する。
【0003】図14は、従来技術に係る半導体集積回路
のレイアウト方法における配線工程のフローチャートを
示したものである。従来技術によれば、まず、ステップ
1401において、配線の終了していないネットを一つ
選択する。次に、ステップ1402において、選択され
たネットに接続する端子間の配線を行う。次に、ステッ
プ1403において、全てのネットの配線が終了してい
るか否かの判断を行う。ここで、全てのネットの配線が
終了していなければ(ステップ1403において「N
o」と判断されれば)、再びステップ1401に戻って
配線工程が行われ、全てのネットの配線が終了していれ
ば(ステップ1403において「Yes」と判断されれ
ば)、配線工程が終了する。
【0004】なお、以上の従来技術に係る半導体集積回
路のレイアウト方法における配線工程においては、迷路
法等を用いて、各ネットに接続する素子の端子間におけ
る最短経路を一度に配線するという方法が、主に行われ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術に係るレイアウト方法においては、マスタース
ライス方式のように配線領域が固定された半導体集積回
路に配線を行う場合、配線領域を広げることができない
ために、各ネットを順番に最短経路で配線を行うと、素
子の混雑した部分に配線が集中してしまい、後から行う
配線が通れなくなり、配線不能領域が発生し、未配線の
数が増加するという問題がある。
【0006】また、迷路法を用いて配線を行う場合に
は、迷路法は最短経路を配線する手法のため、配線の折
れ曲がりが起こりやすい。配線の折れ曲がりが多いと、
他の配線に対して障害になる可能性が高くなり、配線不
能領域が発生し、その結果として未配線の数が増加して
しまうという問題がある。さらに、迷路法は大量の計算
時間を必要とする手法のため、半導体集積回路の全体に
対して迷路法を適用すると、非常に長い計算時間が必要
となる。
【0007】そこで、本発明は、このような課題を解決
するためになされたものであり、マスタースライス方式
のように配線領域が固定化された半導体集積回路上に配
線を行う場合においては、配線の折れ曲りを減少させて
配線不能領域の発生を防止することができ、未配線の数
を減少させることが可能であり、一方、迷路法を用いて
配線を行う場合においては、その適用範囲を限定するこ
とによって配線の迂回を減少させて、配線不能領域の発
生を防止することができ、未配線の数を減少させること
が可能であり、同時に、計算時間の短縮を可能とする半
導体集積回路のレイアウト方法を提供することを目的と
する。換言すれば、本発明は、短時間で未配線部分の少
ない半導体集積回路を得ることが可能である、半導体集
積回路のレイアウト方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、半導体集積回路を構成する各ユニット内に
設けられている複数の素子端子の配線を行う半導体集積
回路のレイアウト方法において、前記ユニット内の配線
領域中における障害のない無障害直線領域に幹線を形成
する幹線形成工程と、前記配線領域中における障害のな
い領域に前記幹線を延長させる幹線延長工程と、前記幹
線と前記素子端子とを電気的に接続する配線工程と、前
記配線工程に寄与しない前記幹線の不要な部分を削除す
る不要幹線削除工程とを備えたことを特徴とする。本発
明に係る半導体集積回路のレイアウト方法によれば、前
記ユニット内の前記無障害直線領域に前記幹線を設け、
延長させた前記幹線と前記素子端子とを配線している。
すなわち、本発明によれば、先に前記幹線を形成した後
に、前記素子端子との配線を行っているので、離れた位
置の素子端子との接続を行う場合であっても、配線が前
記配線領域を直線に近い形状で通過することとなり、そ
の後に配線される他の配線に対して障害となる場合が少
なくなる。したがって、配線領域を効率よく利用して
(配線領域にできるだけ直線状の配線を行うことによっ
て)、配線の集中を防ぎ、未配線の数を減少させること
が可能となる。
【0009】また、本発明に係る半導体集積回路のレイ
アウト方法においては、前記幹線形成工程が、前記幹線
を形成する領域を限定する工程と、前記限定領域中に存
在する接続すべき前記素子端子の重心位置を求める工程
と、前記限定領域中で無障害直線領域を検索する工程
と、前記直線領域中で最も長い無障害直線領域を選択す
る工程と、前記最も長い無障害直線領域が複数ある場合
には、その中で前記重心位置に最も近い位置にある無障
害直線領域を選択する工程と、前記選択された無障害直
線領域に幹線を形成する工程とを備えたことが好まし
い。
【0010】また、本発明に係る半導体集積回路のレイ
アウト方法においては、前記幹線延長工程が、前記幹線
の先端から前記幹線と垂直な方向に第一の無障害直線領
域を検索する第一の工程と、前記第一の無障害直線領域
から前記幹線と平行な方向に無障害直線領域を検索する
第二の工程と、前記幹線と平行な方法にある前記無障害
直線領域の中から最も長い領域を第二の無障害直線領域
として選択する第三の工程と、前記第一の無障害直線領
域と前記第二の無障害領域直線とに前記幹線を延長させ
る第四の工程とを備え、前記延長された幹線が前記限定
領域外に達するまで、前記幹線の両端に対して、前記第
一の工程から前記第四の工程を繰り返し行うことが好ま
しい。
【0011】また、本発明に係る半導体集積回路のレイ
アウト方法においては、前記配線工程が、迷路法を用い
て行われることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】図4は、アナログマスタースライ
ス方式におけるチップの構造図を示したものである。こ
のチップはユニット構造になっており、基板中の周辺
(周縁)部分には、複数のI/Oパッド401が設けら
れ、複数のI/Oパッド401で囲まれた(基板中の内
側)部分には、複数のユニット402が設けられてい
る。本実施形態においては、ユニット402内には、各
種の素子が規則的に配置され、ユニット402中の所定
の周辺(周縁)部分には、ユニット間配線用の配線領域
が形成されている場合について考える。
【0013】図5は、図4に示されたチップを構成して
いるユニットの構造図の一例を示したものである。この
ユニットは、複数の抵抗素子501と、複数のトランジ
スタ素子502とを用いて構成されており、ユニットの
右縁部分に配線用の配線領域503が形成されている。
【0014】以下、本発明の実施形態に係る半導体集積
回路のレイアウト方法を、以上の図4および図5に示さ
れたチップ構造を対象として、図面を用いて説明する。
なお、図5で示された本実施形態に係る半導体集積回路
を構成するユニット中においては、配線用の配線領域5
03以外の領域であっても、抵抗素子501およびトラ
ンジスタ素子502が設けられていない領域について
は、配線領域として利用する。したがって、本実施形態
において、「配線領域」という場合は、配線用の配線領
域503のみならず、ユニット内における抵抗素子50
1およびトランジスタ素子502が設けられていない領
域をも含むこととなる。
【0015】図1は、本発明の実施形態に係る半導体集
積回路のレイアウト方法における配線工程のフローチャ
ートを示したものである。まず、ステップ101におい
て、全てのネットのうち配線の終了していないものを1
つ選択する。次に、ステップ102において、ステップ
101で選択されたネットにおけるチップ上の配線領域
内から障害のない直線の領域を探し出し、その中で、も
っとも長い直線領域から幹線を作成する。次に、ステッ
プ103において、ステップ102で得られた直線の幹
線の先端から折れ曲がりを許すことによって幹線の先端
を延長し、より長い幹線を求める。次に、ステップ10
4において、端子と幹線の間の配線を行うことにより、
ネットに接続する端子間の配線を行う。次に、ステップ
105において、ステップ104までで形成された幹線
のうちで、端子間の配線に不要な部分を探し出し、この
部分を削除する。次に、ステップ106において、全て
のネットの配線が終了いているか否かの判断を行う。こ
こで、全てのネットの配線が終了していなければ(ステ
ップ106において「No」と判断されれば)、再びス
テップ101に戻って配線工程が行われ、全てのネット
の配線が終了していれば(ステップ106において「Y
es」と判断されれば)、配線工程が終了する。
【0016】(幹線の検索・作成工程)次に、図1のス
テップ102における幹線の検索工程および作成工程に
ついて、具体的に説明する。図2は、図1に示されたス
テップ102における幹線の検索・作成工程のフローチ
ャートを示したものである。
【0017】まず、ステップ201において、幹線の検
索範囲を設定する。このステップ201では、幹線の検
索範囲を、同一ネットに接続される端子を囲む最小矩形
内とする。このように幹線の検索範囲を限定したのは、
従来技術のように、幹線の検索範囲を配線領域全体に対
して行うと、多くの計算時間を必要とするためである。
本実施形態においては、このように検索範囲を限定した
ので、幹線の決定を短時間で効率よく行うことが可能と
なる。図6は、ステップ201において幹線の検索範囲
(幹線検索領域)を設定した状態を示す図の一例であ
る。この図6においては、第一の端子601、第二の端
子602、第三の端子603、第四の端子604、第五
の端子605および第六の端子606が、同一ネットに
接続される端子である。そして、第一の端子601から
第六の端子606の全ての端子を囲む最小矩形範囲は、
幹線検索領域607のように形成される。
【0018】次に、ステップ202において、同一ネッ
トに接続される端子の重心位置を求める。図7は、図6
に示された第一の端子601から第六の端子606につ
いての重心位置701を求めた状態を示す図である。こ
のように重心位置701を求めるのは、幹線の位置を最
適な場所に設定するためである。幹線の位置をできるだ
け重心位置701に近いところに設けるようにすれば、
その後に行われる幹線と端子との配線が行いやすくな
る。
【0019】次に、ステップ203において、幹線検索
領域の中から障害のない直線状の配線領域を検索する。
ここでは、例として縦方向に幹線を取るものとする。ま
た、以下の説明において、特に符号を付さない「×」印
は、何らかの障害がその位置に存在することを示してい
る。図8は、幹線検索領域の中から障害のない直線状の
配線領域を検索している状態を示す図である。図8
(a)は、ある座標X1における障害のない直線領域
(第一の直線領域801、第二の直線領域802、第三
の直線領域803)を示したものである。この座標X1
における障害のない直線領域の中では、第二の直線領域
802が最も長いため、座標X1においては第二の直線
領域802が選択される。この操作を幹線検索領域の全
てのX座標について行い、幹線検索領域内における障害
のない直線領域を検索する。図8(b)は、幹線検索領
域の全てのX座標について、障害のない直線領域(第四
の直線領域804、第五の直線領域805、第六の直線
領域806、第七の直線領域807、第八の直線領域8
08)を検索した結果を示したものである。
【0020】次に、ステップ204において、幹線検索
領域内における障害のない直線領域で最も長いものを求
めて幹線とする。障害のない直線領域が多数ある場合
は、領域の長さが最も長いものを選択する。また、障害
のない直線領域の長さが同じ場合には、重心に近いほう
を選択して、幹線とする。図8(b)においては、第二
の直線領域802が最も長く、また重心701に近い。
したがって、本実施形態においては、第二の直線領域8
02が幹線として選択される。
【0021】以上説明したように、本実施形態において
は、図2に示されたフローチャートに従い、ステップ2
01からステップ204の工程を行うことによって、幹
線が検索・作成される。
【0022】(幹線の延長工程)次に、図1のステップ
103における幹線の延長工程について、具体的に説明
する。図3は、図1に示されたステップ103における
幹線の延長工程のフローチャートを示したものである。
ここでは、ステップ102で求められた幹線に対して、
先端の折れ曲がりを許すことにより、幹線の延長を行
う。
【0023】まず、ステップ301において、ステップ
102で求められた幹線と垂直の方向に対して、幹線の
先端から障害のない範囲を求める。次に、ステップ30
2において、ステップ301で求められる「障害のない
範囲」の有無を判断する。ここで、「障害のない範囲」
がない場合(ステップ302において「Yes」と判断
される場合)、すなわち幹線の先端が障害で囲まれてい
る場合には、これ以上幹線を延長することができないの
で、ステップ302において幹線の延長は終了する。ま
た、「障害のない範囲」がある場合(ステップ302に
おいて「No」と判断される場合)には、幹線を延長さ
せるために次のステップ(ステップ303)へ進む。
【0024】次に、ステップ303において、ステップ
302で求められた障害のない範囲内の一点を始点とし
て、そこから幹線の延長方向と平行な方向に障害のない
領域を求める。ここでは、ステップ302で求められた
障害のない範囲内のすべての始点において、幹線の延長
方向と平行な方向に障害のない領域の検索が行われる。
【0025】次に、ステップ304において、ステップ
303で求められる「障害のない範囲」の有無を判断す
る。ここで、ステップ302で求められた障害のない範
囲内のすべての始点において、「障害のない範囲」がな
い場合(ステップ304において「Yes」と判断され
る場合)には、これ以上幹線を延長することができない
ので、ステップ304において幹線の延長は終了する。
また、「障害のない範囲」がある場合(ステップ304
において「No」と判断される場合)には、幹線を延長
させるために次のステップ(ステップ305)へ進む。
【0026】次に、ステップ305において、ステップ
303で得られた障害のない領域から、長さの最も長い
ものを選択し、幹線を延長する。次に、ステップ306
において、延長された幹線が幹線検索領域内にあるか否
かを判断する。ここで、延長された幹線が幹線検索領域
内にあれば(ステップ306において「Yes」と判断
されれば)、再びステップ301に戻り、延長された幹
線の先端について、さらに幹線の延長を行う。また、延
長された幹線が幹線検索領域外にまで達していれば(ス
テップ306において「No」と判断されれば)、その
段階で幹線の延長を終了する。
【0027】本実施形態においては、以上の工程(ステ
ップ301からステップ306)を幹線の両端に対して
行うことにより、幹線を延長させる。図9は、図3のフ
ローチャートを用いて説明された幹線の延長工程によっ
て、実際に幹線を延長した場合の一例を示したものであ
る。この図9において、幹線901は、ステップ102
で求められた幹線である。
【0028】まず、図9(a)は、幹線901の先端か
ら、この幹線901と垂直な方向に、障害のない範囲9
02を求める工程を示している(ステップ301,30
2)。次に、図9(b)は、障害のない範囲902のす
べての始点(各座標)で、幹線の延長方向と平行な方向
に向かって、障害のない範囲を検索する工程を示してい
る(ステップ303,304)。この図9(b)には、
第一の無障害領域903、第二の無障害領域904、第
三の無障害領域905および第四の無障害領域906が
示されている。次に、図9(c)は、図9(b)で検索
れた無障害領域の中から、最も長さの長いものを選択し
て、幹線を延長させる工程を示している(ステップ30
5)。したがって、ここでは、最も長さの長い第二の無
障害領域904が選択され、幹線に追加される(幹線が
延長される)。
【0029】以上の図9に示された工程を、幹線の両端
に対して行うことにより、幹線の延長が行われる。図1
0は、このようにして形成された幹線の一例である。こ
の図10においては、幹線1001が、図9の工程で形
成された延長された幹線である。
【0030】(端子と幹線との配線工程)次に、図1の
ステップ104における端子と幹線との配線工程につい
て、具体的に説明する。このステップ104において
は、端子と幹線との配線を行うことにより、同一ネット
に接続される端子間の配線を行う。ここでは、従来から
用いられているパターン配線手法や迷路法を利用して配
線を行う。迷路法とは、始点から波紋が広がるような順
序で配線格子にラベル付けを行うことによって、全方向
の配線経路を探索する方法であり、配線経路があれば、
最短のものを必ず見つけることができるという特長を有
している。
【0031】具体的には、各端子を始点とし、幹線をタ
ーゲットとして配線を行い、端子と幹線との間の配線を
行う。図11は、端子と幹線との配線状態を示す図の一
例である。この図11においては、第三の端子603か
ら幹線1001に対して、配線を行っている。換言すれ
ば、第三の端子603と幹線1001とを配線1101
によって接続している。
【0032】本実施形態におけるすべての端子(第一の
端子601〜第六の端子606)について、パターン配
線手法や迷路法を用いて幹線1001への配線を行う
と、図12に示されるような配線が求められる。
【0033】(不要部分の削除工程)次に、図1のステ
ップ105における幹線の不要部分の削除工程につい
て、具体的に説明する。このステップ105において
は、各端子と幹線との接続点を調べ、幹線のうち不要な
部分を削除する。幹線は、端子との接続部分を考慮せず
にできるだけ長くなるように決定しているため、ステッ
プ104の配線結果により接続部分が決定すると、幹線
の端には端子間の接続に使用されない部分が発生する。
この部分は残しておくと、後から行われる配線の障害に
なる可能性があるため、削除しなければならない。そこ
で、このステップ105では、幹線と端子との接続点を
調べて幹線の不要部分を削除する。
【0034】図12に示された幹線と端子との配線図を
見ると、本実施形態においても、上述したような不要部
分(不要領域1201,1202)が存在する。この不
要領域1201,1202は、幹線と各端子との接続に
何ら関与していないため、削除しても配線状態には何の
影響もない。また、このような不要部分を残しておく
と、上述したように、後から行われる配線の障害となる
可能性がある。したがって、本実施形態においては、こ
れらの不要領域1201,1202は削除する。このよ
うにして、不要領域1201,1202を削除した結果
を示しているのが、図13である。すなわち、図13で
示された幹線と各端子との配線が、本実施形態に係る半
導体集積回路のレイアウト方法を用いて形成された配線
図の一例である。
【0035】本実施形態においては、以上の図1から図
13を用いて説明した半導体集積回路のレイアウト方法
によって配線を行うことにより、配線領域を効率よく利
用して(配線領域にできるだけ直線状の配線を行うこと
によって)、配線の集中を防ぎ、未配線の数を減少させ
ることが可能となる。具体的には、本実施形態において
は、チップ内の配線領域において障害のない直線領域を
検索し、この領域に幹線を設ける。このとき、幹線はネ
ットに接続する端子の重心位置にできるだけ近いところ
に配線する。その後、幹線の先端から折れ曲がりを許し
ながら、障害がなくなるまで幹線を延長する。そして、
このように決定した幹線と各端子との間を配線する。す
なわち、本実施形態によれば、幹線を先に配線すること
によって、離れた距離を接続する場合であっても、配線
が配線領域を直線に近い形状で通過するので、その後に
配線される他の配線に対して障害となる場合が少なくな
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マスタースライス方式のように配線領域が固定化された
半導体集積回路上に配線を行う場合においては、配線の
折れ曲りを減少させて配線不能領域の発生を防止するこ
とができ、未配線の数を減少させることが可能であり、
一方、迷路法を用いて配線を行う場合においては、その
適用範囲を限定することによって配線の迂回を減少させ
て、配線不能領域の発生を防止することができ、未配線
の数を減少させることが可能であり、同時に、計算時間
の短縮を可能とする半導体集積回路のレイアウト方法を
得ることができる。すなわち、本発明によれば、幹線と
して配線領域方向の配線を先に配線することにより、配
線領域を有効に利用することができ、素子周辺の混雑を
解消することによって、未配線の数を削減することので
きる優れた半導体集積回路のレイアウト方法を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体集積回路のレイ
アウト方法における配線工程のフローチャート
【図2】図1に示されたステップ102における幹線の
検索・作成工程のフローチャート
【図3】図1に示されたステップ103における幹線の
延長工程のフローチャート
【図4】アナログマスタースライス方式におけるチップ
の構造図
【図5】図4に示されたチップを構成しているユニット
の構造図
【図6】図2に示されたステップ201において幹線の
検索範囲(幹線検索領域)を設定した状態を示す図
【図7】図2に示されたステップ202において図6の
幹線検索領域中の端子の重心位置を求めた状態を示す図
【図8】図2に示されたステップ203において幹線検
索領域中から障害のない直線状の配線領域を検索してい
る状態を示す図
【図9】図3に示されたフローチャートに基づいて幹線
の延長工程を行っている状態を示す図
【図10】図9によって形成された幹線の完成図
【図11】図10に示された幹線と第三の端子との配線
状態を示す図
【図面12】図10に示された幹線と各端子との配線状
態および幹線の不要領域を示す図
【図13】本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウ
ト方法を用いて形成された配線結果を示す図
【図14】従来技術に係る半導体集積回路のレイアウト
方法における配線工程のフローチャート
【符号の説明】
401 I/Oパッド 402 ユニット 501 抵抗素子 502 トランジスタ素子 503 配線専用の配線領域 601 第一の端子 602 第二の端子 603 第三の端子 604 第四の端子 605 第五の端子 606 第六の端子 607 幹線検索領域 701 重心位置 801 第一の直線領域 802 第二の直線領域 803 第三の直線領域 804 第四の直線領域 805 第五の直線領域 806 第六の直線領域 807 第七の直線領域 808 第八の直線領域 901 幹線(ステップ102で求められたもの) 902 幹線901と垂直な方向における障害のない
範囲 903 第一の無障害領域 904 第二の無障害領域 905 第三の無障害領域 906 第四の無障害領域 1001 延長された幹線 1101 幹線1001と第三の端子603とを接続
する配線 1201,1202 不要領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体集積回路を構成する各ユニット内
    に設けられている複数の素子端子の配線を行う半導体集
    積回路のレイアウト方法において、 前記ユニット内の配線領域中における障害のない無障害
    直線領域に幹線を形成する幹線形成工程と、前記配線領
    域中における障害のない領域に前記幹線を延長させる幹
    線延長工程と、前記幹線と前記素子端子とを電気的に接
    続する配線工程と、前記配線工程に寄与しない前記幹線
    の不要な部分を削除する不要幹線削除工程とを備えたこ
    とを特徴とする半導体集積回路のレイアウト方法。
  2. 【請求項2】 前記幹線形成工程が、前記幹線を形成す
    る領域を限定する工程と、前記限定領域中に存在する接
    続すべき前記素子端子の重心位置を求める工程と、前記
    限定領域中で無障害直線領域を検索する工程と、前記直
    線領域中で最も長い無障害直線領域を選択する工程と、
    前記最も長い無障害直線領域が複数ある場合には、その
    中で前記重心位置に最も近い位置にある無障害直線領域
    を選択する工程と、前記選択された無障害直線領域に幹
    線を形成する工程とを備えた請求項1に記載の半導体集
    積回路のレイアウト方法。
  3. 【請求項3】 前記幹線延長工程が、前記幹線の先端か
    ら前記幹線と垂直な方向に第一の無障害直線領域を検索
    する第一の工程と、前記第一の無障害直線領域から前記
    幹線と平行な方向に無障害直線領域を検索する第二の工
    程と、前記幹線と平行な方法にある前記無障害直線領域
    の中から最も長い領域を第二の無障害直線領域として選
    択する第三の工程と、前記第一の無障害直線領域と前記
    第二の無障害領域直線とに前記幹線を延長させる第四の
    工程とを備え、前記延長された幹線が前記限定領域外に
    達するまで、前記幹線の両端に対して、前記第一の工程
    から前記第四の工程を繰り返し行う請求項2に記載の半
    導体集積回路のレイアウト方法。
  4. 【請求項4】 前記配線工程が、迷路法を用いて行われ
    る請求項1、2または3に記載の半導体集積回路のレイ
    アウト方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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