JPH11143083A - 感光性印刷版及びその製造方法と製造装置 - Google Patents

感光性印刷版及びその製造方法と製造装置

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JPH11143083A
JPH11143083A JP31052997A JP31052997A JPH11143083A JP H11143083 A JPH11143083 A JP H11143083A JP 31052997 A JP31052997 A JP 31052997A JP 31052997 A JP31052997 A JP 31052997A JP H11143083 A JPH11143083 A JP H11143083A
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photosensitive
photosensitive printing
mat
matting
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JP31052997A
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Takeshi Tanaka
武志 田中
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空密着性のためのマットの取り扱いでの
脱落が改良された感光性印刷版。樹脂溶液を静電スプ
レーで感光層表面に噴霧するマット加工において、スプ
レーブースの内壁に付着した噴霧が感光性印刷版へ落下
付着する問題を改良する。静電スプレーによるマット
加工の際の感電事故防止。静電スプレーによる感光性
印刷版のマット加工における搬送速度と搬送幅の変化に
よるマット粒子密度の不均一と付着効率低下の改良。 【解決手段】 溶剤に可溶な樹脂の溶液を感光性印刷
版の感光層表面へスプレーし、乾燥して該樹脂によるマ
ットが形成されたとき、該樹脂が水に難溶〜不溶性、か
つアルカリ可溶性である。樹脂溶液を静電スプレーガ
ンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥す
るマット加工において、噴霧方向を水平か水平より上向
とし、かつ感光性印刷版を噴霧方向に垂直とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空密着法による
密着焼付における密着性のために感光層表面に微細な凹
凸(以下「マット」という)を設けた感光性印刷版及び
その製造方法に関し、更に詳しくは、マットを形成する
材料を含有する液体をスプレーで感光層の表面に噴霧し
てマットを形成した感光性印刷版並びにその製造方法及
び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感光性印刷版を用いて印刷版を作
成する製版工程において、フィルム原板を感光性印刷版
に密着焼付するには、一般に真空焼枠を用い焼枠のガラ
ス板とゴムシートの間にフィルム原板と感光性印刷版と
を重ねあわせ、ガラス板とゴムシートとの間を真空にし
て密着させる方法(「真空密着法」という)が用いられ
ている。そして、真空密着法による密着性を向上させる
ために感光層の表面に微細な凹凸(以下「マット」とい
う)を設けた感光性印刷版が公知である。
【0003】感光性印刷版の感光層の表面にマットを形
成する技術として、マットを形成する材料を溶解又は分
散させた液体をスプレーで感光層の表面に噴霧してマッ
トを形成させる技術が知られている。
【0004】特開昭57−34558号公報には、感光
性印刷版の表面に、樹脂を溶解又は分散させた水性液を
スプレーし乾燥することによりマットを形成する技術が
開示されており、このような水性液はスプレーによるマ
ット加工の製造時の安全性において有利である。
【0005】また、マットを形成する材料として水溶性
樹脂を用いた場合に、高湿時にマット層がフィルム原板
をよごしたり、マット層の感光層との接着強度が弱くて
擦りや圧力に対して抵抗力がなく、現像後の画線部にマ
ット層の一部が残存してインキに対する親和力が阻害さ
れる問題の改善を目的として、マット層を形成する物質
として、一部又はすべてがアンモニウム塩となっている
アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸又はイタコン
酸を含む共重合体及びスルホニル基を有するモノマー単
位を含む共重合体を用い、スプレーでマットを形成させ
る技術が開示されている(特開昭57−58152号公
報及び特開昭58−182636号公報)。
【0006】しかし、上記水溶性の共重合体を用いて感
光層の表面にマットを形成させた感光性印刷版には、通
常の湿度下の作業において、感光性印刷版を素手で取り
扱うと、素手で触れた部分のマットがとれてしまう問題
があることを本発明者は見いだした。製版時の作業で素
手で版を取り扱うのは一般的であり、感光性印刷版を箱
から取り出したり、感光性印刷版を露光機に載せたり、
フィルムを重ねる前に感光性印刷版上のゴミやほこりを
取り除いたり、フィルム原板をのせ位置を合わせる等多
くの作業があり、これらの作業においてマットがとれて
しまうことがあった。マットがとれると、真空密着に要
する時間が長くなるほかに、スポット状にとれてしまっ
た場合、正常なマットが残っている部分とフィルムの密
着状態が異なるため網点の大きさが異なるような不都合
を生じることを見いだした。
【0007】一方、感光性印刷版の感光層の表面にマッ
トを形成する手段として、感光層にマット剤を混入す
る方法、感光層表面に粉体を付着させて熱融着する方
法、感光層表面に樹脂を含有する水性液をスプレーす
る方法等が知られている。そして、上記の方法におけ
るスプレー手段として静電スプレーガンを用いてスプレ
ーする方法は、マット性能を安定して加工でき、制御す
る上でも優れており、また噴霧した液滴を帯電させるこ
とにより粒子同士が電気的反発によりくっつきあうこと
なく感光性印刷版の感光層の表面に付着し、付着効率が
非常に高いという利点がある。
【0008】しかしながら、静電スプレーガンはその周
囲を覆うスプレーブース内で被加工物にスプレーする
が、感光性印刷版に付着しない噴霧粒子がスプレーブー
スの内壁に付着し、付着がひどい場合には付着した粒子
が感光性印刷版上に落下し付着する問題がある。このよ
うにして落下し付着した粒子が凝集等によって大粒子で
あった場合、感光性印刷版にフィルム原板を密着焼付す
る際に、両者の密着状態が悪くなり、焼きぼけを生じて
良好な印刷物が得られなくなる問題がある。
【0009】粉体を噴霧して感光層表面に付着させる際
にも上記と同様の事態が発生するが、粉体は固体状態で
噴霧されるため、スプレーブースの内壁に付着したとし
てもその清掃は比較的容易である。しかし、マット形成
用溶液を噴霧し感光層表面に付着させ乾燥する方法で
は、液体状での噴霧となるため、スプレーブースの内壁
に付着すると容易に取り除くことができず、更に、付着
量が増加してくると水飴状で落下するため形状も大き
く、また工程をよごすこともあり、問題がより大きい。
【0010】また、静電スプレーガンによるマット加工
において、噴霧した液滴を効率的に付着させるため帯電
用の電極へかかる電圧は数十〜90kVという高電圧が
使用されている。そして、マット加工時の周囲への噴霧
液滴の飛散及び溶剤を使用する際の溶剤の拡散を防止す
るため、塗布ボックスにより囲われた中で上記マット加
工を行うことが行われている。
【0011】このような静電スプレーガンによるマット
加工においては、静電印加することにより、液滴の付着
効率は100%近いが、しかし付着効率を100%にで
きない問題がある。すなわち、感光性印刷版の支持体の
アルミ板が高価なことから感光性印刷版は多種のサイズ
を供給する必要があり、多種のサイズの感光性印刷版を
同じマット加工装置で加工すると、狭い幅の感光性印刷
版のマット加工では、感光性印刷版に付着しない液滴が
発生するため、塗布ボックスの内壁に未付着粒子が付着
する。このため、塗布ボックス内を定期的に清掃する必
要があるため、塗布ボックスは人が出入できる扉を有し
ている。そして、塗布ボックス内を作業者が清掃した
り、スプレーガンの調整、清掃の際に作業者がスプレー
ガンに触れたりすることがある。このような場合、スプ
レーガンに電圧が印加されている場合や帯電が止まって
いても、配管中の液等に残留電圧が存在しているような
場合、感電したり、噴霧する液に有機溶剤が使用されて
いる場合、スパークしボックス内の有機溶剤蒸気に引火
する問題がある。
【0012】ところで、静電スプレーガンでは、液滴の
微粒化は、回転している回転ベル(回転カップともい
う)の中央部に液を供給し、遠心力によって薄膜となっ
た液が回転ベルの内面を外側に移動し、回転ベルの縁部
で糸状に引き延ばされながら静電的に分裂するものであ
る。
【0013】感光性印刷版の搬送速度(ライン速度)や
搬送幅(板幅)が変化したときに噴霧条件がそのままで
は、ライン速度が変化するとマット粒子の密度(一定面
積内のマット粒子の個数)が変化し、また板幅が変化す
ると、広い板幅では感光性印刷版の端部にマット付着せ
ず、狭い板幅では噴霧幅が広すぎて未付着粒子が増え付
着効率が低下し、さらに塗布ボックス内を汚す不具合を
生じる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、感光性印刷版を素手で取り扱い、指が感光層に触れ
る場合のマットの脱落が改良された感光性印刷版を提供
することである。
【0015】本発明の第2の目的は、溶液状のマット加
工用液を静電スプレーによって感光性印刷版に噴霧乾燥
する際、スプレーブースの内壁への付着を防止し、該内
壁からマット粒子が感光性印刷版の表面へ落下して付着
する問題を防止し、この付着による焼きぼけの発生を防
止できる感光性印刷版の製造方法を提供することであ
る。
【0016】本発明の第3の目的は、帯電による事故や
放電に伴う事故を防止できる静電スプレーによる感光性
印刷版のマット加工方法を提供することである。
【0017】本発明の第4の目的は、感光性印刷版の搬
送速度や搬送幅が変化したときでも前記不具合(マット
粒子密度の変化及び広い板幅の感光性印刷版の場合に端
部にマット粒子が付着せず、狭い板幅では噴霧幅が広す
ぎて付着効率が低下し、また塗布ボックス内を汚す)を
起こさず、条件変化に対し、付着効率を維持しつつ均一
なマット形成を可能とする感光性印刷版のマット加工方
法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は下記
(1)〜(4)、上記第2の目的は下記(5)〜(1
1)、上記第3の目的は下記(12)〜(17)、上記
第4の目的は下記(18)又は(19)によって達成さ
れる。
【0019】(1)支持体上に感光層を有し、かつ該感
光層の表面がマット加工された感光性印刷版において、
該マット加工が、有機溶剤に可溶な樹脂を有機溶剤に溶
解した溶液を該感光層の表面へスプレーし、乾燥して該
樹脂によるマットが形成されたとき、該マットを形成す
る該樹脂が水に難溶性又は不溶性、かつアルカリ可溶性
であることを特徴とする感光性印刷版。
【0020】(2)マットを形成する該樹脂が加熱する
ことにより硬化する性質を有することを特徴とする上記
(1)に記載の感光性印刷版。
【0021】(3)支持体上に感光層を有し、かつ該感
光層の表面がマット加工された感光性印刷版において、
該マット加工が、水に可溶な樹脂を水に溶解した液を該
感光層の表面へスプレーし、乾燥して該樹脂によるマッ
トが形成されたとき、該マットを形成する該樹脂が水に
難溶性又は不溶性、かつアルカリ可溶性であることを特
徴とする感光性印刷版。
【0022】(4)マットを形成する該樹脂が加熱する
ことにより硬化する性質を有することを特徴とする上記
(3)に記載の感光性印刷版。
【0023】(5)マット加工用液を静電スプレーガン
で噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥する
ことによって表面をマット化することを特徴とする感光
性印刷版の製造方法において、上記噴霧・帯電における
噴霧方向を水平又は水平より上向とし、かつ感光性印刷
版の表面を該噴霧方向に対して垂直とすることを特徴と
する感光性印刷版の製造方法。
【0024】(6)マット加工用液をスプレーブース内
に設けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版
の表面に付着させ乾燥することによって表面をマット化
する感光性印刷版の製造装置であって、該スプレーブー
スの内面壁の少なくとも一部が絶縁性の材料で形成され
ていることを特徴とする感光性印刷版の製造装置。
【0025】(7)マット加工用液をスプレーブース内
に設けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版
の表面に付着させ乾燥することによって表面をマット化
する感光性印刷版の製造装置であって、該静電スプレー
ガンのスプレーブースの内面壁に該内面壁に沿って空気
を吹き出す機構を有することを特徴とする感光性印刷版
の製造装置。
【0026】(8)マット加工用液をスプレーブース内
に設けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版
の表面に付着させ乾燥することによって表面をマット化
する感光性印刷版の製造装置であって、該静電スプレー
ガンのスプレーブースの感光性印刷版の入口及び出口に
エアーカーテンを有することを特徴とする感光性印刷版
の製造装置。
【0027】(9)マット加工用液をスプレーブース内
に設けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版
の表面に付着させ乾燥することによって表面をマット化
する感光性印刷版の製造装置であって、該静電スプレー
ガンのスプレーブースの内壁面に交換可能なフィルム状
又はパネル状の構造を有することを特徴とする感光性印
刷版の製造装置。
【0028】(10)交換可能なフィルム状の構造が、
長尺フィルムを巻き取ることによって交換する構造であ
ることを特徴とする上記(9)に記載の製造装置。
【0029】(11)マット加工用液をスプレーブース
内に設けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷
版の表面に付着させ乾燥することによって表面をマット
化する感光性印刷版の製造装置であって、該スプレーブ
ースの感光性印刷版の入口及び出口にエアーカーテンを
有することを特徴とする感光性印刷版の製造装置。
【0030】(12)マット加工用液を静電スプレーガ
ンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥す
ることによって該表面をマット化する感光性平版印刷版
の製造方法において、上記噴霧・帯電における帯電装置
のオン/オフが該マット化する装置の主操作盤からの運
転信号を受けて行われ、該マット化する装置の塗布ボッ
クスの扉の鍵が自動的にかかるようにすることを特徴と
する感光性印刷版の製造方法。
【0031】(13)マット加工用液を静電スプレーガ
ンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥す
ることによって該表面をマット化する感光性平版印刷版
の製造方法において、該マット化する装置の塗布ボック
スの扉の開閉状態を報せる信号を判断し、閉じられた状
態において、帯電装置がオンし、該帯電装置の電極部分
に予め設定された電圧が印加されるようにすることを特
徴とする感光性印刷版の製造方法。
【0032】(14)マット加工用液を静電スプレーガ
ンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥す
ることによって該表面をマット化する感光性平版印刷版
の製造方法において、上記マット化する装置の主操作盤
から運転停止信号を受けると、噴霧・帯電の帯電装置を
オフし、更に、該帯電装置による電圧が印加されている
部分の帯電を自動的にアースするようにすることを特徴
とする感光性印刷版の製造方法。
【0033】(15)マット加工用液を静電スプレーガ
ンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥す
ることによって該表面をマット化する感光性平版印刷版
の製造方法において、該噴霧・帯電による印加部の帯電
が0Vである信号を受けた後、上記マット化する装置の
塗布ボックスの扉の鍵を解放することを特徴とする感光
性印刷版の製造方法。
【0034】(16)マット加工用液を静電スプレーガ
ンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥す
ることによって該表面をマット化する感光性平版印刷版
の製造方法において、該噴霧・帯電の帯電装置がオン状
態で、上記マット化する装置の塗布ボックスの扉が解放
された場合、該帯電装置をオフし、また、該帯電装置に
よる電圧印加部の帯電をアースし、帯電を0Vにするこ
とを特徴とする感光性印刷版の製造方法。
【0035】(17)マット加工用液を静電スプレーガ
ンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥す
ることによって該表面をマット化する感光性平版印刷版
の製造方法において、該噴霧・帯電の帯電装置の電流を
検知しており、一定以上の電流が流れ、かつ上記マット
化する装置の塗布ボックスの扉が解放されている場合、
該帯電装置をオフし、また、該帯電装置による電圧印加
部の帯電をアースし、帯電を0Vにすることを特徴とす
る感光性印刷版の製造方法。
【0036】(18)マット加工用液を静電スプレーガ
ンで噴霧し・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥
することによって表面をマット化する感光性印刷版の製
造方法であって、該噴霧・帯電の広がりパターンを該感
光性印刷版の搬送幅より広く制御し、かつ該感光性印刷
版の搬送速度の変化に応じてシェイピングエアー量、回
転ベルの回転数及び/又はマット加工用液の供給量を変
化させ、搬送幅全体に均一なマットを形成させるように
したことを特徴とする感光性印刷版の製造方法。 (19)搬送幅の変化に応じてシェイピングエアー量、
回転ベルの回転数及び/又はマット加工用液の供給量を
変化させることを特徴とする上記(18)に記載の製造
方法。
【0037】以下、本発明について詳述する。
【0038】請求項1〜19に係る発明において、感光
性印刷版は、基本的には支持体上に露光により現像液に
対する溶解性が変化する感光層が設けられているもので
あり、平版印刷版等の印刷版の作成に使用されるもので
ある。
【0039】上記支持体には、平版印刷版の版材として
使用される寸法安定性がよい板状物が包含される。この
ような支持体として、表面を粗面化したアルミニウム支
持体が挙げられる。粗面化方法としては、機械的に表面
を粗面化する方法、電気化学的に粗面化する方法、アル
カリ若しくは酸又はそれらの混合物からなるエッチング
剤で表面を粗面化する化学的粗面化方法、及びこれらを
組み合わせた方法を用いることができる。好ましい支持
体として、アルミニウム板をブラシ及び/又は電解によ
りエッチングして粗面化し、陽極酸化処理し、親水化処
理した支持体が挙げられる。粗面化処理されたアルミニ
ウム支持体は必要により陽極酸化処理及び封孔処理が施
される。アルミニウム支持体には親水性層を設けること
ができる。更に、感光性印刷版を重ねたときの感光層へ
の擦れ傷を防ぐため、及び現像時、現像液中へのアルミ
ニウム成分の溶出を防ぐために、支持体裏面に保護層を
設けることができる。支持体の詳細は英国特許公開第
2,030,309A号明細書等を参照することができ
る。
【0040】感光層は感光性印刷版の感光層として用い
られるものであればよく、例えば、o−キノンジアジド
化合物を感光成分とするポジ型感光層、感光性ジアゾニ
ウム塩や感光性アジド化合物を感光成分とするネガ型感
光層、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有す
る化合物を感光性成分とする光重合性組成物、桂皮酸や
ジメチルマレイミド基を含む光架橋性化合物などを感光
性成分とするネガ型感光層が含まれる。これらの感光層
は感光性成分とバインダー樹脂を主成分として含有す
る。
【0041】上記ポジ型感光層の感光性成分としては、
フェノール、クレゾール及び/又はピロガロール等の多
価フェノールをホルマリン、アセトン等の活性カルボニ
ル化合物で重縮合させた樹脂にo−キノンジアジドスル
ホン酸でエステル化したもの、あるいは、ポリヒドロキ
シベンゾフェノン類又はビスフェノール等のポリヒドロ
キシ多核化合物にo−ナフトキノンジアジドスルホン酸
でエステル化したもの、バインダー樹脂としてはクレゾ
ール及び/又はフェノールをホルマリンで重縮合させた
樹脂(一般にノボラック樹脂といわれる)が好ましい例
として挙げられる。
【0042】これらの感光層は公知であり、その詳細は
英国特許公開第2,030,309A号明細書等を参照
することができる。
【0043】請求項1に係る発明において、感光層の表
面にマットを形成させる樹脂は、有機溶剤に可溶な樹脂
を有機溶剤に溶解した溶液を該感光層の表面へスプレー
し、乾燥して該樹脂によるマットが形成されたとき、該
マットを形成する該樹脂が水に難溶性又は不溶性、かつ
アルカリ可溶性である樹脂である。
【0044】このような樹脂として、例えば下記
(a)、(b)及び(c)に記載した各単量体から形成
される単量体単位を含む共重合体が挙げられる。
【0045】(a)そのアルキル残基の炭素原子数が1
〜10であるアルキルアクリレート類及びそのアルキル
残基の炭素原子数が4〜10であるアルキルメタクリレ
ート類からなる群から選ばれる少なくとも1つの単量
体。
【0046】具体的には、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルア
クリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−
デシルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタク
リレート、n−デシルメタクリレート等が挙げられる。
【0047】(b)スチレン類、アクリロニトリル類、
アクリルアミド類、メチルメタクリレート及びエチルメ
タクリレートからなる群から選ばれた少なくとも1つの
単量体。
【0048】具体的には、スチレン、o−/m−/p−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−
ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5
−ジメチルスチレン、2,4,5−トリメチルスチレ
ン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−エチルスチ
レン、3,5−ジエチルスチレン、2,4,5−トリエ
チルスチレン、p−n−ブチルスチレン、m−sec−
ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−
ヘキシルスチレン、p−n−ヘプチルスチレン、p−2
−エチルヘキシルスチレン、p−フルオロスチレン、o
−/m−/p−クロロスチレン、2,3−ジクロロスチ
レン、2,4−ジクロロスチレン、2,5−ジクロロス
チレン、2,6−ジクロロスチレン、3,4−ジクロロ
スチレン、2,5−ジフルオロスチレン、p−ブロモス
チレン、p−シアノスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、m−/p−ニトロスチレン、o−ジメチルアミノス
チレン、アクリロニトリル、α−クロロアクリルニトリ
ル、α−ブロモアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ア
クリルアミド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N
−tert−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチル
アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド
等が挙げられる。
【0049】(c)アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、これらのアルカリ金属塩及びアンモ
ニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1つの単量
体。具体的には、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、
アクリル酸カリウム、アクリル酸アンモニウム、メタク
リル酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウ
ム、メタクリル酸アンモニウム、マレイン酸、マレイン
酸ナトリウム、マレイン酸アカリウム、マレイン酸アン
モニウム、イタコン酸、イタコン酸ナトリウム、イタコ
ン酸カリウム、イタコン酸アンモニウム等が挙げられ
る。
【0050】上記共重合体における共重合比は、(a)
10〜70重量%、(b)20〜80重量%及び(c)
6〜50重量%が好ましく、特に好ましくは(a)15
〜50重量%、(b)40〜70重量%、(c)10〜
25重量%である。
【0051】また、マットを形成する樹脂を、前記
(a)〜(c)の他に、N−メチロールアクリルアミド
等の加熱により架橋させることのできる単量体を共重合
させた共重合体とすると、該共重合体は加熱により硬化
する性質を有し、本発明の第1の目的をより高度に達成
することができる。この単量体の導入量は10〜80重
量%が好ましく、特に好ましくは20〜60重量%であ
る。
【0052】請求項1又は2に係る発明において、感光
層の表面に接着させる樹脂は該樹脂以外の添加剤等を含
有していてもよい。添加剤としては、例えば二酸化ケイ
素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ガラス
粒子、アルミナ、重合体粒子(例えばポリメチルメタク
リレート、ポリスチレン、フェノール樹脂等の粒子)等
の充填剤が挙げられる。
【0053】上記樹脂を溶解する有機溶剤としては、沸
点が75〜250℃の有機溶剤、例えば、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢
酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン等
を挙げることができる。
【0054】有機溶剤として、その他に、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デ
カン等の炭化水素類、ジアセトンアルコール、3−メト
キシ−1−ブタノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エ
チレングリコールアルキルエーテル類及びそのアセテー
ト(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、メチル
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテー
ト)、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類及
びそのアセテート(ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート)、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類
(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエ
ーテル)、トリエチレングリコールアルキルエーテル類
(モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテ
ル)、プロピレングリコールアルキルエーテル類及びそ
のアセテート(モノメチルエーテル、モノエチルエーテ
ル、n−プロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、モノメチルエーテル
アセテート、モノエチルエーテルアセテート)、ジプロ
ピレングリコールアルキルエーテル類(モノメチルエー
テル、モノエチルエーテル、n−プロピルエーテル、モ
ノブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル)、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸ア
ミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸
メチル、酪酸エチル等のカルボン酸エステル類、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、安息香
酸メチル、安息香酸エチル、炭酸プロピレン等も用いる
ことができる。
【0055】これらの有機溶剤は、1種で又は2種以上
を混合して使用できる。樹脂の濃度は好ましくは5〜4
0重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0056】請求項3に係る発明において、マットを形
成する樹脂は、pH=7〜10程度の弱アルカリ性のア
ルカリ水溶液に溶解するものを包含する。一般的に感光
性印刷版の現像液はアルカリ性であり、該感光層もアル
カリ性可溶性であるが、上記の弱アルカリのアルカリ水
溶液にはほとんど溶解しない(感光層が分解しない)た
め、問題ない。また、静電スプレーガンで噴霧された液
滴は感光層の表面に付着する時は既にかなり濃縮された
状態となっており、その後すぐ乾燥されるため感光層に
影響することはない。
【0057】乾燥後のマットは、水に難溶性又は不溶性
のため、前述したような製版作業において手で触れても
マットが脱落することはなく、またアルカリ可溶性であ
ることから、アルカリ性現像液に溶解するため、現像後
の画線部の表面にはマットが残らないため、画線部のイ
ンキ付着性を阻害することなく良好な印刷物が得られ
る。
【0058】請求項3に係る発明のマット形成用の樹脂
として下記が挙げられる。
【0059】セラック(普通セラック);カゼイン;ア
ルギン酸及びアルギン酸のアンモニウムや低級アミン等
の塩;マレイン酸レジン;水溶性フェノール樹脂;アル
カリ可溶性アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセ
ルロース;ポリビニルアルコール(ケン化度70mol
%以上のもの);水溶性アルキド樹脂(アルキド樹脂を
アンモニア又は揮発性アミンで水溶化したもの等);水
溶性アクリル樹脂(アクリル樹脂を揮発性アミンで水溶
化したもの等);ゼラチン、ポリビニルアルコール、水
溶性セルロース系樹脂などのヒドロキシル基を有する水
溶性樹脂とジアルデヒド、エチレンイミン等の硬化剤を
組み合わせたもの;N−メチロールアクリルアミド重合
体やN−メチロールアクリルアミドと他のモノマーとの
共重合体等の水溶性熱架橋性樹脂。
【0060】また、マットを形成する樹脂を、前記N−
メチロールアクリルアミド等の加熱により架橋させるこ
とのできる単量体をヒドロキシル基を有する単量体と共
重合させた共重合体とすると、該共重合体は加熱により
硬化する性質を有し、本発明の第1の目的をより高度に
達成することができる。この単量体の導入量は10〜8
0重量%が好ましく、特に好ましくは20〜60重量%
である。
【0061】請求項3又は4に係る発明のマット形成用
樹脂は、該樹脂以外の添加剤等を含有していてもよい。
添加剤としては例えば前記請求項1又は2に係る発明に
おけるものを挙げることができる。
【0062】請求項1〜19に係る発明において、樹脂
溶液は静電スプレーガンで感光層の表面へスプレー(噴
霧)する。静電スプレーガンによるスプレーは、噴霧さ
れた液滴を帯電させ感光性印刷版をアースすることによ
り、ガンの電極部分と感光性印刷版との間に形成される
電気力線により効率的に微粒化された液滴を効率的に対
象物に付着させるものである。
【0063】静電スプレー方式としてはベルを回転させ
る静電回転スプレー方式が好ましく、スプレーの粒子径
は5〜200μm、粒子数は30〜500個/m2、マ
ットの高さは1〜20μmが好ましい。
【0064】静電スプレーガンと感光層の表面との距離
は、静電スプレーガンのノズルの先端から感光層の表面
までの距離は30〜150cm程度が好ましい。上記距
離が30cmより小さいと、噴霧された液が感光層上で
濡れ広がってしまい、マットとして機能しなくなり、一
方、150cmより大きいと、マット加工の効率が悪く
なり、また、感光層の表面に接着した樹脂の該表面との
接着性が低下する。
【0065】感光層の表面に付着した液滴を乾燥する方
法としては、熱風による乾燥及び/又は赤外線による乾
燥が好ましい。熱風による乾燥は、乾燥温度30〜20
0℃(更に好ましくは50〜130℃)が好ましく、乾
燥時間は乾燥温度により適宜選択する。赤外線による乾
燥は、感光層の表面の温度が30〜130℃になるよう
にすることが好ましく、乾燥時間は赤外線ヒーターの能
力により適宜選択すればよい。
【0066】請求項5〜11に係る発明について、実施
の形態を示す図面に基づいて説明する。
【0067】請求項5に係る発明を実施するための装置
の一例を図1の概略断面図に示す。図1において、スプ
レーブース1の内部に設けられた静電スプレーガン2か
ら噴霧された液滴(図示せず)は、感光層を静電スプレ
ーガン2の側にして搬送ローラ4a、4b、4cに案内
されて搬送される感光性印刷版5の感光層の表面に付着
し、乾燥されて感光層の表面にマットを形成する。
【0068】スプレーブース1は静電スプレー2の後方
及び側方を覆い感光性印刷版側が開口した箱状物で、後
部ブース8と共に塗布ボックス9を形成する。感光性印
刷版5は、ロール状に巻かれた図示しない元巻から搬送
ローラ4a、4b、4c等に案内されて入口11から塗
布ボックス9内に入り静電スプレーガン2により噴霧・
帯電した液滴が感光層の表面に付着し、出口12から塗
布ボックス9から出て図示しない乾燥装置で乾燥され感
光層の表面にマットが形成されるようになっている。
【0069】スプレーブース1の下方には、噴霧の一部
が入口11から漏れてその下方の感光性印刷版に付着し
ないように遮蔽板13が設けられている。
【0070】請求項5に係る発明は、図1に示すよう
に、静電スプレーガン2の噴霧方向6を水平方向7と平
行ないし上向きとしたものである。請求項5に係る発明
において、噴霧方向6と水平方向7の角度θは0°≦θ
≦45°の範囲が好ましい。
【0071】噴霧方向を水平方向に対して上記のように
することにより、スプレーブースの内壁に付着した粒子
が落下しても感光性印刷版の感光層が垂直ないし下向き
なので落下してきた粒子が感光層の表面に付着すること
が防止される。
【0072】請求項7に係る発明の製造装置の一例とし
て、図1に示す装置のスプレーブース1の図上左上部分
を図2のAに示す構造としたものが挙げられる。図2の
Aに示すように、スプレーブース1の上壁の下に、多数
の空気流通孔14を設けた空気吹出板15を該上壁との
間に適度の間隙を設けて該上壁と平行に設け、該上壁と
空気吹出板15との間に図示しない空調機構から空気を
送り込み、空気流通孔14からスプレーブース1の内部
へ空気を吹き出すようになっている。空気流通孔14は
静電スプレーガン2の噴霧方向6の方向に空気が流れる
ように設けられている。図2のBは空気吹出板15に設
けた空気流通孔14の配置を示す図である。このように
してスプレーブースの内壁の表面に空気の流れを作るこ
とによりスプレーブースの内壁に噴霧粒子が付着するの
を軽減することができる。
【0073】請求項8に係る発明を実施するための装置
の一例として、図1に示す装置の塗布ボックス9の出口
12付近を図3に示す構造にしたものが挙げられる。同
図に示すように、感光性印刷版5の塗布ボックス9から
の出口12に沿って出口12の幅に、感光性印刷版5を
挟んで2つのエアーカーテン装置20、21が設けられ
ている。エアーカーテン装置20は空気吹出口20aか
ら吹き出した空気を空気吸引口20b、20cから吸引
し、エアーカーテン装置21は空気吹出口21aから吹
き出した空気を空気吸引口21b、21cから吸引して
それぞれエアーカーテンの気流を形成するようになって
いる。
【0074】感光性印刷版の搬送により、感光性印刷版
の表面近傍の空気は感光性印刷版と共に移動し、この空
気の動きと共に噴霧粒子はスプレーブース外へ出ていく
ことがある。また、マット加工用液に有機溶剤を使用す
る場合があり、スプレーブース内の有機溶剤濃度を減少
するためスプレーブース内から局所排気により排気を行
うことがある。このような場合、排気に相当する量の新
鮮な空気を取り入れるがうまくバランスさせることが難
しく、感光層表面に付着しない粒子がスプレーブース外
へ出たり、外気を吸い込むこととなる。そうすると、周
囲を汚染したり、外部の塵埃を吸い込むこととなる。塗
布ボックスの感光性印刷版の出入り口にエアーカーテン
を設けることにより、これらの空気の流れを遮断するこ
とができる。
【0075】請求項9に係る発明を実施するための装置
は、例えば図1に示す装置のスプレーブース1の内壁に
フィルム又はパネルを交換可能に取り付けた構造のもの
が挙げられる。また、フィルム状又はパネル状の構造と
して、フィルムを複数枚堆積したものをスプレーブース
内壁に張り付け、噴霧の付着がひどくなると表面のフィ
ルムを剥がして新しいフィルムを表面に出す方法が挙げ
られる。また、スプレーブースの壁を取り外し可能な構
造とし、例えば壁を2セット用意し、噴霧の堆積がひど
くなったときに交換し、取り外した壁は洗浄して再使用
する方法でもよい。
【0076】上記フィルムの材質としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン、軟質塩化ビニル等、
上記パネルの材質としては、硬質塩化ビニル、アクリル
樹脂、テフロン、木、ベークライト等を用いることがで
きる。
【0077】請求項10に係る発明を実施するための装
置の一例を図4に示す。図4は図1に示す装置のスプレ
ーブース1の上壁の内面を交換可能なフィルムで覆う構
造としたものである。軸30にロール状に巻かれた交換
可能な長尺のフィルム31はスプレーブース32の上壁
の内面を覆うようにロール32で張架されており、噴霧
で汚れたら、巻取軸33で巻き取って新しいフィルムで
該内面を覆うようになっている。
【0078】静電スプレーガンの噴霧がスプレーブース
の内壁に付着した場合、液状のものが徐々に堆積するた
め、スプレーブース内の清掃は頻繁に行う必要があり、
また、ふき取り作業が必要となり、非常に効率が悪い。
請求項9に係る発明は、スプレーブースの内壁を簡便に
交換又は更新できる構造とし、噴霧の付着がひどくなる
とフィルム又はパネルをはがして新しいものに交換でき
るようにしたものである。これにより、スプレーブース
内壁に付着した液滴の落下の防止も改善され、スプレー
ブース内の清掃を簡便なものとすることができる。
【0079】請求項11に係る発明を実施するための装
置の一例を図5に示す。図5は、図1に示すスプレーブ
ース40は、図1に示すスプレーブース1の側壁の一部
をエアーカーテンに置き換えた構造のものである。図5
において、スプレーブース40は後壁41を除いて側壁
をエアーカーテンに置き換えた構造で、図1のスプレー
ブース1の上壁に相当する部分は、エアーノズル44、
吸気ダクト45及び図示しない送風機構から構成され、
エアーノズル44と吸気ダクト45の間に形成される気
流であるエアーカーテン46を形成するようになってお
り、同様に、図1のスプレーブース1の下壁に相当する
エアーカーテン47をエアーノズル48、吸気ダクト4
9及び図示しない送風機構で形成する。スプレーブース
40の両側壁も同様のエアーカーテンを形成する構造と
なっている。
【0080】固体壁で形成されたスプレーブースは、該
固体壁に液滴が付着するが、上記のようにエアーカーテ
ンでスプレーブースを構成することにより、液滴の付着
を完全に防止することができる。しかし、エアーカーテ
ンの風速は非常に速く、感光性印刷版の支持体に直接当
たると塗布ボックス内全体に風が吹き回るため、マット
形成が不可能となる。このため、エアーカーテンは感光
性印刷版の支持体側にエアー吸い込み口を設け、塗布ボ
ックス内の空気の乱れをなくすようにすることが好まし
い。また、スプレーブースが大きくなるときは、エアー
カーテンを噴霧方向に2分割して設けることにより空気
の乱れを軽減することができる。
【0081】請求項6に係る発明は、スプレーブースの
内面壁の少なくとも1部を絶縁性の材料で形成し、噴霧
・帯電した液滴がスプレーブースの内面壁の付着しにく
いようにしたものである。したがって、スプレーブース
の内面壁の全てを絶縁性の材料で形成することが好まし
い。絶縁性の材料としては、硬質塩化ビニル、アクリル
樹脂、テフロン、ベークライト等の絶縁性のプラスチッ
ク材料、木等を用いることができる。
【0082】請求項12に係る発明は、マット加工用液
を静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面
に付着させ乾燥することによって該表面をマット化する
感光性平版印刷版の製造方法において、上記噴霧・帯電
における帯電装置のオン/オフが該マット化する装置の
主操作盤からの運転信号を受けて行われ、かつ該マット
化する装置の塗布ボックスの扉の鍵が該主操作盤からの
運転信号を受けた時に自動的にかかるようにすることに
よって、帯電装置がオンの時に塗布ボックス内に作業者
が入り、感電等の事故を防止するものである。
【0083】請求項13に係る発明は、マット加工用液
を静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面
に付着させ乾燥することによって該表面をマット化する
感光性平版印刷版の製造方法において、該マット化する
装置の塗布ボックスの扉の開閉状態を報せる信号を判断
し、閉じられた状態において、帯電装置がオンし、該帯
電装置の電極部分に予め設定された電圧が印加されるよ
うにすることによって、塗布ボックス内での作業者の感
電等の事故を防止するものである。
【0084】請求項14に係る発明は、マット加工用液
を静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面
に付着させ乾燥することによって該表面をマット化する
感光性平版印刷版の製造方法において、上記マット化す
る装置の主操作盤から運転停止信号を受けると、噴霧・
帯電の帯電装置をオフし、更に、該帯電装置による電圧
が印加されている部分の帯電を自動的にアースするよう
にすることによって、塗布ボックス内での作業者の感電
等の事故を防止するものである。
【0085】請求項15に係る発明は、マット加工用液
を静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面
に付着させ乾燥することによって該表面をマット化する
感光性平版印刷版の製造方法において、該噴霧・帯電に
よる印加部の帯電が0Vである信号を受けた後、上記マ
ット化する装置の塗布ボックスの扉の鍵を解放すること
によって、塗布ボックス内での作業者の感電等の事故を
防止するものである。
【0086】請求項16に係る発明は、マット加工用液
を静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面
に付着させ乾燥することによって該表面をマット化する
感光性平版印刷版の製造方法において、該噴霧・帯電の
帯電装置がオン状態で、上記マット化する装置の塗布ボ
ックスの扉が解放された場合、該帯電装置をオフし、ま
た、該帯電装置による電圧印加部の帯電をアースし、帯
電を0Vにすることによって、塗布ボックス内での作業
者の感電等の事故を防止するものである。
【0087】請求項17に係る発明は、マット加工用液
を静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表面
に付着させ乾燥することによって該表面をマット化する
感光性平版印刷版の製造方法において、該噴霧・帯電の
帯電装置の電流を検知しており、一定以上の電流が流
れ、かつ上記マット化する装置の塗布ボックスの扉が解
放されている場合、該帯電装置をオフし、また、該帯電
装置による電圧印加部の帯電をアースし、帯電を0Vに
することによって、塗布ボックス内での作業者の感電等
の事故を防止するものである。
【0088】上記請求項に係る発明の製造方法の動作
は、マイクロプロセッサ等を用いる制御手段により自動
化できる。
【0089】請求項18又は19に係る発明は、マット
加工用液を静電スプレーガンで噴霧し・帯電し感光性印
刷版の表面に付着させ乾燥することによって表面をマッ
ト化する感光性印刷版の製造方法における該噴霧・帯電
の広がりパターンを該感光性印刷版の搬送幅より広く制
御し、かつ該感光性印刷版の搬送速度の変化に応じてシ
ェイピングエアー量、回転ベルの回転数及び/又はマッ
ト加工用液の供給量を変化させ、搬送幅全体に均一なマ
ットを形成させるものであって、静電スプレーガンから
噴霧された微粒化された粒子の広がりを板幅より若干広
めに制御し、均一にマット層を形成するもので、感光性
印刷版の搬送速度や板幅の変更に対して常に安定したマ
ット性能を得られるようにする発明である。
【0090】例えば、版幅が狭まったとき、板幅に応じ
てマット加工用液の供給量を減少させるが、供給液量が
少なくなると粒子径が小さくなり、マット効果が少なく
なるため、露光用の焼き枠でフィルム原板と密着させる
のに時間がかかり作業性が悪くなる。このため、回転
カップの回転速度を遅くし粒子径を大きくする、回転
が遅くなった分、遠心力による広がりが小さくなるので
シェイピングエアー量を減らし、適切な幅に広げる、と
いうような操作を行うものである。
【0091】このようなことから、請求項18〜19に
係る発明は、製造条件の変更(感光性印刷版の板幅、搬
送速度等)に適合させてマット加工条件を変えることに
より、噴霧の粒子径、粒子密度、噴霧幅等を均一に保
ち、感光性印刷版に付着しない粒子を増加させない製造
方法を提供するものである。
【0092】製造条件(感光性印刷版の板幅及び搬送測
度)に対するマット加工条件(シェイピングエアー量、
回転ベルの回転数及びマット加工用液の供給量)は、予
め実験によって求めておいて、それによってマット加工
条件の設定を行う。
【0093】製造条件の変化に対応してマット加工条件
を変更する方法は、人為的に行ってもよく、また、自動
的に変更が行われるようにしてもよい。この場合、考え
られる組み合わせをコンピュータにインプットしてお
き、条件変更により、それに対応する条件を自動的に選
定し実施することが可能である。また、板幅はmm単位
で行われることもあるが、それらの全てに対応する必要
はなく、例えば、板幅が50mm単位で条件を設定する
ようにすれば変更作業を簡便にすることが可能である。
一つの条件がカバーする板幅の範囲は実験により予め決
定すればよい。
【0094】また、回転ベルの回転は、通常、圧縮エア
ーにより行われるため、エアーの圧力で調整することに
なる。しかしながら、エアー圧力だけでの調整では完全
でないので、カップの回転数をモニターし、エアー圧に
フィードバックすることにより、より正確な回転数が得
られる。このフィードバックは、回転検出器の表示を見
ながら人為的に行ってもよいし、回転検出器の信号を確
認し、自動的に設定回転数に調整するようにしてもよ
い。また、静電スプレーガンは固定しておいてもよい
が、状況に応じて感光性印刷版の搬送方向に垂直かつ該
感光性印刷版と平行な方向に揺動させてもよい。
【0095】請求項18又は19に係る発明において、
静電スプレーガンは、搬送される感光性印刷版の幅方向
に揺動させること、及び静電スプレーガンの回転ベルの
回転数をモニターし、回転数を制御することが、感光性
印刷版の感光層の表面に形成されるマットの密度を均一
にするために好ましい。
【0096】
【実施例】次に、実施例で本発明をより具体的に説明す
る。
【0097】支持体の作成 厚さ0.24mmのアルミニウム板を、5%水酸化ナト
リウム水溶液中で脱脂処理を行った後、0.5モル塩酸
水溶液中において電解研磨により粗面化した。次いで、
5%水酸化ナトリウム水溶液でデスマット処理を施した
後、硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行った。陽極酸化皮
膜量は20mg/dm2であった。次に、90℃の熱水
に浸漬し、封孔処理を行った。
【0098】続いて、上記アルミニウム支持体に下記組
成の感光液を塗布、乾燥し、感光層を設けた。
【0099】 感光液組成 ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール/のモル比が 10/54/36、重量平均分子量4000) 7.5重量部 ピロガロールアセトン樹脂(重量平均分子量3000)と o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドの縮合物 (エステル化率30%) 2.5重量部 ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製)0.08重量部 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル) −s−トリアジン 0.10重量部 メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテル (40/60容量%) 100重量部 感光層の乾燥膜厚は2g/m2であった。この感光層の
表面に、下記表1に湿す組成の樹脂溶液を回転霧化型静
電スプレーガンを用いて下記条件で噴霧した後、60℃
で5秒間乾燥して感光性平版印刷版を得た。
【0100】
【表1】
【0101】噴霧条件 回転ベルの直径:30mm 回転ベルの回転数:20000rpm シェーピングエアー圧:80kPa 帯電量:−30kV マット加工用液の送液量(ガンへの供給量):3ml/
分 スプレーガン先端と感光層面との距離:600mm 感光性平版印刷版の幅:15m/分 感光性平版印刷版の搬送速度:10m/min 上記の条件を基本とし、感光層表面に形成されたマット
剤の数が50〜100個/mm2、高さが2〜6μm、
径が20〜150μmとなるように各条件を調節した。
【0102】こうして得られた感光性平版印刷版につい
て、マット剤の感光層への接着性を下記の方法で評価し
た。結果を下記表2に示す。
【0103】接着性評価方法 感光層表面に垂直に立てた幅3mm、厚さ0.5mmの
金属性ブレードを、上から荷重をかけながら感光層表面
を滑らせ、マット剤が剥がれたときの荷重で評価した。
【0104】
【表2】
【0105】また、前記各感光性平版印刷版を画像様に
露光し、現像液SDR−1(コニカ(株)製、アルカリ
性現像液)を用いて現像後、印刷テストを行いマット剤
の残存に起因する画像部のインキ着肉性の低下が生じる
かを確認したところ、全ての版でインキ着肉性の低下は
認められなかった。
【0106】実施例7、比較例3、4 厚さ0.24mmのアルミニウム板を、20%リン酸ナ
トリウム水溶液中で脱脂処理を行った後、電解研磨によ
り粗面化した。次いで、硫酸水溶液中で陽極酸化処理を
行い、続いてケイ酸ナトリウム水溶液中に浸漬して封孔
処理を行った。
【0107】次に、上記アルミニウム支持体に下記組成
の感光液を塗布、乾燥し、感光層を設けた。
【0108】 感光液組成 共重合体A 5.0重量部 ジアゾ樹脂B 0.5重量部 ジュリマーAC−10L(日本純薬(株)製、アクリル酸ポリマー) 0.1重量部 ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製)0.08重量部 エチレングリコールモノメチルエーテル 100重量部 共重合体A:p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド
/アクリロニトリル/エチルアクリレート/メタクリル
酸=8/24/59.5/8.5(モル比)、重量平均
分子量=58000 ジアゾ樹脂B:p−ジアゾジフェニルアミンとパラホル
ムアルデヒドの縮合物のヘキサフルオロリン酸塩 この感光層の表面に、下記表3に示す組成の樹脂液を回
転霧化静電スプレーガンを用いて実施例1と同様の条件
で噴霧し乾燥して感光性平版印刷版を得た。
【0109】
【表3】
【0110】こうして得られた感光性平版印刷版につい
て、マット剤の感光層への接着性を実施例1と同様の方
法で評価した。結果を下記表4に示す。
【0111】
【表4】
【0112】また、前記各感光性平版印刷版を画像様に
露光し、現像液SDR−21(コニカ(株)製、アルカ
リ性現像液)を用いて現像後、印刷テストを行いマット
剤の残存に起因する画像部のインキ着肉性の低下が生じ
るかを確認したところ、全ての版でインキ着肉性の低下
は認められなかった。
【0113】実施例8(請求項18に係る発明の実施
例) 実験8−1 図1に示す構造の装置を用い、前記実施例2のマット加
工用液を下記の条件Aで感光性平版印刷版の感光層の表
面に噴霧し乾燥して感光層表面にマットが形成された感
光性平版印刷版を製造した。この感光性平版印刷版を使
用して真空密着法による密着に要する時間を測定したと
ころ60秒であった。
【0114】条件A 回転ベルの直径:30mm 回転ベルの回転数:20000rpm シェーピングエアー:0.3kg/cm 帯電量:−60kV マット加工用液の送液量:10ml/cm スプレー距離:600mm 感光性平版印刷版の幅:800mm 感光性平版印刷版の搬送速度:10m/min 実験8−2(比較例) 感光性平版印刷版の搬送速度を15m/minとした他
は実験1と同様の実験を行った。得られた感光性平版印
刷版の真空密着に要する時間は80秒であった。
【0115】実験8−3 感光性平版印刷版の搬送速度を15m/min、シェー
ピングエアーを0.35kg/cm2、ベルの回転数を
25000rpm、マット加工用液の送液量を15ml
/minとした他は実験1と同様の実験を行った。得ら
れた感光性平版印刷版の真空密着に要する時間は65秒
であった。
【0116】実施例9(請求項19に係る発明の実施
例) 実験9−1(比較例) 図1に示す構造の装置を用い、前記実施例2のマット加
工用液を下記の条件Bで感光性平版印刷版の感光層の表
面に噴霧し乾燥して感光層表面にマットが形成された感
光性平版印刷版を製造した。
【0117】条件B 感光性平版印刷版の幅:1000mm マット加工用液の送液量:10ml/cm2 シェーピングエアー:0.3kg/cm2 この感光性平版印刷版を使用して真空密着法による密着
に要する時間を測定したところ75秒であった。また、
顕微鏡で観察したところ、感光性平版印刷版のサイド5
cmほどのマット粒子数が少なく均一なマットが得られ
ていなかった。
【0118】実験9−2 感光性平版印刷版の幅を1000mmのままとし、マッ
ト加工用液の送液量を12.5ml/cm2、回転ベル
の回転数を22000rpm、シェーピングエアーを
0.28kg/cm2に変えて感光性平版印刷版のマッ
ト加工を行った。得られた感光性平版印刷版の真空密着
に要する時間は68秒であった。また、顕微鏡観察した
ところ、感光性平版印刷版のサイドもほとんどマット粒
子数の変化はなく均一なマットが得られた。
【0119】
【発明の効果】請求項1〜4に係る発明によれば、感光
性印刷版を素手で取り扱い、指が感光層に触れる場合の
マットの脱落が改良された感光性印刷版が提供される。
【0120】請求項5〜11に係る発明によれば、溶液
状のマット加工用液を静電スプレーによって感光性印刷
版に噴霧乾燥する際、スプレーブースの内壁への付着が
防止され、該内壁からマット粒子が感光性印刷版の表面
へ落下して付着する問題が防止され、この付着による焼
きぼけの発生が防止される感光性印刷版の製造方法及び
製造装置が提供される。
【0121】請求項12〜17に係る発明によれば、帯
電による事故や放電に伴う事項を防止できる静電スプレ
ーによる感光性印刷版の製造方法が提供される。
【0122】請求項18又は19に係る発明によれば、
感光性印刷版の搬送速度や搬送幅が変化したときでも前
記不具合(マット粒子密度の変化及び広い板幅の感光性
印刷版の場合に端部にマット粒子が付着せず、狭い板幅
では噴霧幅が広すぎて付着効率が低下し、また塗布ボッ
クス内を汚す)を起こさず、条件変化に対し、付着効率
を維持しつつ均一なマット形成を可能とする感光性印刷
版の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項5に係る発明を実施するための装置の一
例を示し、かつ請求項6〜11に係る発明の製造装置の
一例を説明するための概略断面図である。
【図2】請求項7に係る発明の製造装置の一例を示す縦
断面図である。
【図3】請求項8に係る発明の製造装置の一例を示す縦
断面図である。
【図4】請求項10に係る発明の製造装置の一例を示す
概略断面図である。
【図5】請求項11に係る発明の製造装置の一例を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
1、32、40 スプレーブース 2 静電スプレーガン 5 感光性印刷版 9 塗布ボックス 14 空気流通孔 15 空気吹出板 20、21 エアーカーテン装置 44、48 エアーノズル 45、49 吸気ダクト 46、47 エアーカーテン

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層を有し、かつ該感光層
    の表面がマット加工された感光性印刷版において、該マ
    ット加工が、有機溶剤に可溶な樹脂を有機溶剤に溶解し
    た溶液を該感光層の表面へスプレーし、乾燥して該樹脂
    によるマットが形成されたとき、該マットを形成する該
    樹脂が水に難溶性又は不溶性、かつアルカリ可溶性であ
    ることを特徴とする感光性印刷版。
  2. 【請求項2】 マットを形成する該樹脂が加熱すること
    により硬化する性質を有することを特徴とする請求項1
    記載の感光性印刷版。
  3. 【請求項3】 支持体上に感光層を有し、かつ該感光層
    の表面がマット加工された感光性印刷版において、該マ
    ット加工が、樹脂を水に溶解又は分散した液を該感光層
    の表面へスプレーし、乾燥して該樹脂によるマットが形
    成されたとき、該マットを形成する該樹脂が水に難溶性
    又は不溶性、かつアルカリ可溶性であることを特徴とす
    る感光性印刷版。
  4. 【請求項4】 マットを形成する該樹脂が加熱すること
    により硬化する性質を有することを特徴とする請求項3
    記載の感光性印刷版。
  5. 【請求項5】 マット加工用液を静電スプレーガンで噴
    霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥すること
    によって表面をマット化することを特徴とする感光性印
    刷版の製造方法において、上記噴霧・帯電における噴霧
    方向を水平又は水平より上向とし、かつ感光性印刷版の
    表面を該噴霧方向に対して垂直とすることを特徴とする
    感光性印刷版の製造方法。
  6. 【請求項6】 マット加工用液をスプレーブース内に設
    けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表
    面に付着させ乾燥することによって表面をマット化する
    感光性印刷版の製造装置であって、該スプレーブースの
    内面壁の少なくとも一部が絶縁性の材料で形成されてい
    ることを特徴とする感光性印刷版の製造装置。
  7. 【請求項7】 マット加工用液をスプレーブース内に設
    けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表
    面に付着させ乾燥することによって表面をマット化する
    感光性印刷版の製造装置であって、該スプレーブースの
    内面壁に該内面壁に沿って空気を吹き出す機構を有する
    ことを特徴とする感光性印刷版の製造装置。
  8. 【請求項8】 マット加工用液をスプレーブース内に設
    けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表
    面に付着させ乾燥することによって表面をマット化する
    感光性印刷版の製造装置であって、該スプレーブースの
    感光性印刷版の入口及び出口にエアーカーテンを有する
    ことを特徴とする感光性印刷版の製造装置。
  9. 【請求項9】 マット加工用液をスプレーブース内に設
    けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の表
    面に付着させ乾燥することによって表面をマット化する
    感光性印刷版の製造装置であって、該スプレーブースの
    内壁面に交換可能なフィルム状又はパネル状の構造を有
    することを特徴とする感光性印刷版の製造装置。
  10. 【請求項10】 交換可能なフィルム状の構造が、長尺
    フィルムを巻き取ることによって交換する構造であるこ
    とを特徴とする請求項9記載の製造装置。
  11. 【請求項11】 マット加工用液をスプレーブース内に
    設けた静電スプレーガンで噴霧・帯電し感光性印刷版の
    表面に付着させ乾燥することによって表面をマット化す
    る感光性印刷版の製造装置であって、該スプレーブース
    の感光性印刷版の入口及び出口にエアーカーテンを有す
    ることを特徴とする感光性印刷版の製造装置。
  12. 【請求項12】 マット加工用液を静電スプレーガンで
    噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥するこ
    とによって該表面をマット化する感光性平版印刷版の製
    造方法において、上記噴霧・帯電における帯電装置のオ
    ン/オフが該マット化する装置の主操作盤からの運転信
    号を受けて行われ、該マット化する装置の塗布ボックス
    の扉の鍵が自動的にかかるようにすることを特徴とする
    感光性印刷版の製造方法。
  13. 【請求項13】 マット加工用液を静電スプレーガンで
    噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥するこ
    とによって該表面をマット化する感光性平版印刷版の製
    造方法において、該マット化する装置の塗布ボックスの
    扉の開閉状態を報せる信号を判断し、閉じられた状態に
    おいて、帯電装置がオンし、該帯電装置の電極部分に予
    め設定された電圧が印加されるようにすることを特徴と
    する感光性印刷版の製造方法。
  14. 【請求項14】 マット加工用液を静電スプレーガンで
    噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥するこ
    とによって該表面をマット化する感光性平版印刷版の製
    造方法において、上記マット化する装置の主操作盤から
    運転停止信号を受けると、噴霧・帯電の帯電装置をオフ
    し、更に、該帯電装置による電圧が印加されている部分
    の帯電を自動的にアースするようにすることを特徴とす
    る感光性印刷版の製造方法。
  15. 【請求項15】 マット加工用液を静電スプレーガンで
    噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥するこ
    とによって該表面をマット化する感光性平版印刷版の製
    造方法において、該噴霧・帯電による印加部の帯電が0
    Vである信号を受けた後、上記マット化する装置の塗布
    ボックスの扉の鍵を解放することを特徴とする感光性印
    刷版の製造方法。
  16. 【請求項16】 マット加工用液を静電スプレーガンで
    噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥するこ
    とによって該表面をマット化する感光性平版印刷版の製
    造方法において、該噴霧・帯電の帯電装置がオン状態
    で、上記マット化する装置の塗布ボックスの扉が解放さ
    れた場合、該帯電装置をオフし、また、該帯電装置によ
    る電圧印加部の帯電をアースし、帯電を0Vにすること
    を特徴とする感光性印刷版の製造方法。
  17. 【請求項17】 マット加工用液を静電スプレーガンで
    噴霧・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥するこ
    とによって該表面をマット化する感光性平版印刷版の製
    造方法において、該噴霧・帯電の帯電装置の電流を検知
    しており、一定以上の電流が流れ、かつ上記マット化す
    る装置の塗布ボックスの扉が解放されている場合、該帯
    電装置をオフし、また、該帯電装置による電圧印加部の
    帯電をアースし、帯電を0Vにすることを特徴とする感
    光性印刷版の製造方法。
  18. 【請求項18】 マット加工用液を静電スプレーガンで
    噴霧し・帯電し感光性印刷版の表面に付着させ乾燥する
    ことによって表面をマット化する感光性印刷版の製造方
    法であって、該噴霧・帯電の広がりパターンを該感光性
    印刷版の搬送幅より広く制御し、かつ該感光性印刷版の
    搬送速度の変化に応じてシェイピングエアー量、回転ベ
    ルの回転数及び/又はマット加工用液の供給量を変化さ
    せ、搬送幅全体に均一なマットを形成させるようにした
    ことを特徴とする感光性印刷版の製造方法。
  19. 【請求項19】 搬送幅の変化に応じてシェイピングエ
    アー量、回転ベルの回転数及び/又はマット加工用液の
    供給量を変化させることを特徴とする請求項18記載の
    製造方法。
JP31052997A 1997-11-12 1997-11-12 感光性印刷版及びその製造方法と製造装置 Pending JPH11143083A (ja)

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