JPH11142657A - ポリマー光伝送体 - Google Patents

ポリマー光伝送体

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JPH11142657A
JPH11142657A JP9305788A JP30578897A JPH11142657A JP H11142657 A JPH11142657 A JP H11142657A JP 9305788 A JP9305788 A JP 9305788A JP 30578897 A JP30578897 A JP 30578897A JP H11142657 A JPH11142657 A JP H11142657A
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JP
Japan
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polymer
dopant
refractive index
light transmission
transmission body
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JP9305788A
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English (en)
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Yasuhiro Koike
康博 小池
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 GI型光伝送体の性能の改善を図る。具
体的には、ドーパントタイプのGI型光伝送体における
耐熱性の改善を目的とする。 【解決手段】 マトリックス用のポリマーに、当該ポリ
マーに対し反応性を有しない低分子物質を添加し、この
低分子物質に濃度勾配を形成させることにより連続的な
屈折率分布を形成してなるポリマー光伝送体において、
前記低分子物質として、ベンゼン環とスルホキシド基を
有する物質、例えばジフェニルスルホキシドを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信に用いる光フ
ァイバやロッドレンズその他の光伝送体に関し、特に連
続的な屈折率分布を有するタイプの光伝送体における性
能の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】連続的な屈折率分布を有する光伝送体の
一例として、GI型と呼ばれるポリマー光ファイバが知
られている。そしてこのGI型ポリマー光ファイバに
は、その屈折率分布の形成方法に関して二つのタイプが
ある。一つは、例えばWO93/08488号に開示さ
れるようなドーパントタイプで、マトリックス用のポリ
マーに、当該ポリマーに対し反応性を有しない低分子物
質(一般に分子量が2000以下)を添加し、この低分
子物質つまりドーパントに拡散により濃度勾配を形成さ
せることで屈折率分布を得る。他は、例えば特開平5−
173025号や特開平5−173026号に開示され
る共重合タイプで、二種類のモノマーを共重合させる際
に両モノマーの反応性比の相違を利用して一方のモノマ
ーに濃度勾配を形成させることで屈折率分布を得る。
【0003】これらのGI型ファイバは、その屈折率分
布構造によりモード分散を抑えることができるため、既
に2.5 Gbps程度までの伝送速度を可能としており、
伝送速度に関しては十分な実用性をもっている。すなわ
ちこれらのGI型ファイバの主要な用途として、石英系
の単一モードファイバを用いた幹線路から各オフィスや
家庭へ引き込むための経路、あるいはビル内で構築する
LAN用の経路などがあるが、これらの用途で要求され
る伝送速度は、150Mbps〜1Gbps程度あり、
これを十分に満足させることができる。
【0004】しかし、共重合タイプの場合には、共重合
体組成の違いによるミクロな不均一構造の発生を避けが
たく、これに起因する透明性の問題が生じやすい。その
ため現状で可能な伝送距離が50m程度に留まり、上記
のような用途で要求される伝送距離を十分に満足させる
ことができない。一方、ドーパントタイプの場合は、コ
ア及びクラッドドーパントの大きさが数オングストロー
ムオーダーであり、波長に対して極めて小さいため透明
性は高いものの、ドーパントによる可塑効果に起因して
耐熱性の低下を招き、例えば上記のような用途で要求さ
れる耐熱性つまり75℃の温度雰囲気での使用に耐える
こと、という耐熱性を満足させることに困難がある。
【0005】以上のことから、共重合タイプのGI型フ
ァイバには透明性の改善が、またドーパントタイプのG
I型ファイバには耐熱性の改善がそれぞれ課題となって
いることを理解できる。尚、この課題は、ロッドレンズ
その他の光伝送体においても共通のものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような事情を背景
になされたのが本発明で、GI型光伝送体の性能の改善
を目的としており、特にドーパントタイプのGI型光伝
送体における耐熱性の改善を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、光伝送体を代表し
て光ファイバーの場合について説明を行う。ドーパント
方式によるGI型ファイバにおける耐熱性は上記のよう
にドーパントによる可塑効果に由来する問題である。し
たがってドーパントによる可塑効果をできるだけ小さく
することで、耐熱性の問題を実用的に解消することが可
能である。ただ、それには必要な屈折率分布を確保でき
るようにすることを考慮しなければならない。特に曲げ
損失に大きく影響するパラメータであり、屈折率の最も
大きい部分と最も小さい部分の差であるΔnを十分なレ
ベルで確保できるようにすることを考慮しなければなら
ない。
【0008】このような観点からドーパント拡散方式に
よるGI型ファイバの性能を改善するための具体的な方
策としては、可塑効果の小さいドーパントを用いる、
屈折率の大きいドーパントを用いることでドーパント
使用量を少なくする、可塑効果が小さく、屈折率が大
きいドーパントを用いる、ということが考えられる。こ
のような方策のについては、例えばリン酸トリフェニ
ル(Triphenyl phosphate)やリン酸トリクレシル(Tric
resyl phosphate)などのドーパントが見出されている。
しかし、これらのドーパントは、Δnを十分なレベルま
で確保するのが難しい。またの方策については、硫化
ジフェニル(Diphenyl sulfide) やジフェニル(Diphen
yl) などのドーパントが見出されている。しかし、これ
らのドーパントの場合にもΔnを十分なレベルまで確保
するのが難しい。
【0009】そこで本発明では、未だ見出されていない
上記の要件を可能とするドーパントを見出し、これを
用いることで耐熱性の改善を図り、しかも大きなΔnを
確保することを可能としている。具体的には、可塑効果
が小さく、しかも屈折率が大きい低分子物質としてベン
ゼン環とスルホキシド基を有する物質を見出した。
【0010】そしてこれをドーパントに用いることによ
り、例えばプラスチック系光ファイバ用として最も適し
ているPMMA(ポリメチルメタクリレート)や重水素
化PMMAをマトリックスのポリマーに用いる場合であ
れば、上記した75℃の温度雰囲気下での使用に耐える
という条件を満足させる範囲の添加量でも、実質的に曲
げ損失を生じることのないΔn、すなわち0.020 〜0.02
5 を確保することが可能となる。
【0011】ベンゼン環とスルホキシド基を有する物質
の代表的な一つとしてジフェニルスルホキシド(Diphen
yl sulfoxide) がある。その分子構造は図3に示す通り
である。このような構造の分子は、そのスルホキシド基
(S=O基)が強い極性を持ち、このためにマトリック
ス用のポリマー、例えばPMMAの分子と強い二次結合
を生じ、可塑効果を小さくする。またこのような構造の
分子は、そのベンゼン環が屈折率を高めるのに機能し、
高い屈折率を持つ。そのため適当な添加量の範囲で十分
なΔnを確保することを可能とする。
【0012】
【実施の形態】本発明によるポリマー光ファイバを得る
には一般的に二通りの方法が可能である。一つはプリフ
ォームからファイバを熱延伸する方法であり、他はプリ
フォームを介在させずに連続的にファイバを成形する方
法である。以下ではプリフォーム法を例にとって説明す
る。
【0013】プリフォーム法の場合には、先ずクラッド
用の重合管を作成し、次いでこの重合管内でコア用のモ
ノマーを重合させることでプリフォームを製造する。そ
れからこのプリフォームを熱延伸してファイバを得る。
以下これらの工程について説明する。
【0014】重合管の作成(図1):予定するプリフォ
ームの外径に対応する内径を持つ十分に剛性の高い中空
容器Tを用いる。この中空容器Tにクラッド用のモノマ
ー溶液を所定量注入し、先ずプレ重合を行なう。それに
は震盪させながら70℃で2時間加熱する。次いで中空
容器を回転装置Sにセットし、2000〜3000rp
mの速度で回転させながら、70℃で24時間加熱する
ことで重合を行なう。クラッド用のモノマー溶液は、モ
ノマー、重合開始剤、及び連鎖移動剤を混合して調整す
る。モノマーとしてはMMA(メチルメタクリレート)
を用いる。開始剤としてはBPO(ベンゾイルパーオキ
サイド)をMMAに対し0.5 wt%用い、連鎖移動剤と
してはn−BM(ノルマルメチルメルカプタン)をMM
Aに対し0.3 wt%用いる。
【0015】プリフォームの製造(図2):上記で得ら
れた重合管Dにコア用のモノマー溶液Lを充填し、密封
した後、オイルバスなどにより90℃で加熱しながら2
4時間重合させる。モノマー溶液は、モノマー、低分子
化合物(ドーパント)、重合開始剤、及び連鎖移動剤を
混合して調整する。モノマーとしてはMMA(屈折率1.
492)を用い、低分子化合物としてはベンゼン環とスルホ
キシド基を有する物質、具体的には図3の構造式で表さ
れるジフェニルスルホキシド(DPSO)を用いる。D
PSOの添加量はMMAに対し12.5wt%とする。開始
剤としてはDBPO(ジ−t−ブチルパーオキサイド)
をモノマーに対し0.23wt%用い、連鎖移動剤としては
n−BMをモノマーに対し0.27wt%用いる。
【0016】ファイバの製造:上記のようにして得られ
たプリフォームを一般的に用いられている熱延伸装置に
より熱延伸させてファイバを製造する。このようにして
得られた光ファイバにおける屈折率分布は図4のようで
あった。この場合は、Δn=0.02である。尚、上記プリ
フォームはレンズ特性を有すため、ロッドレンズとして
の機能をも備える。従って、これを画像伝送用の光伝送
体として使用することも可能である。
【0017】
【比較実験例】上記した実施の形態と同様な方法によ
り、4種類のドーパントについて、それぞれ同じΔnの
屈折率分布を得られる条件で光ファイバを作成し、それ
ぞれに関してデータを得た。用いたドーパントは、DP
SO(ジフェニルスルホキシド)の他に、上記したリン
酸トリフェニル(TPP;Triphenyl phosphate)、硫化
ジフェニル(DPS;Diphenyl sulfide) 及びジフェニ
ル(DP;Diphenyl) である。
【0018】図5はドーパント濃度とガラス転移温度の
関係を示す。これから分かるように、DPSOはTPP
と同じ程度に可塑効果が小さく、DPSやDPに比べ有
意に優れた耐熱性を与える。図6はドーパント濃度と屈
折率の関係を示す。これから分かるように、屈折率上昇
効果に関してDPSOはDPSやDPと同じ程度であ
り、TPPに比べ屈折率上昇効果に関して有意な差があ
る。
【0019】以上のような各ドーパントの特性に基づい
て、75℃の温度雰囲気下での使用に耐えるという条件
を満足させる範囲の最大量でドーパントを添加するとし
て、DPSOの場合にはΔn=0.025 まで可能である。
一方、TPPやDPSの場合は最大でもΔn=0.015 程
度に留まる。
【0020】ここで、Δnにより定まる曲げ半径NAと
曲げ損失について説明する。図7は曲げ角度90°にお
ける曲げ半径と曲げ損失の関係を示すデータ例である。
これから分かるように、NA=0.29( Δn=0.025 程
度) であれば、曲げ角度90°の条件において何れの曲
率半径でも実質的に曲げ損失を生じないと言える。一
方、NA=0.21( Δn=0.015 程度) の場合には曲率半
径が20mm以下になると曲げ損失が急激に増大する。
このことから、上記のようにDPSOの場合はΔn=0.
025 程度まで可能であることと、TPPやDPSの場合
は最大でもΔn=0.015 程度に留まることとには有意な
相違のあること、つまり本発明におけるベンゼン環とス
ルホキシド基を有する物質、例えばジフェニルスルホキ
シドにはドーパントとして優れた特性のあることが理解
できる。
【0021】
【発明の効果】以上説明してきた如く、本発明による
と、透明性に優れるドーパントタイプのGIファイバに
おける耐熱性を有意に高めることができ、ポリマー光フ
ァイバの利用範囲の拡大に大きく寄与できる。また、上
記ドーパントは、ロッドレンズを初めとする他の光伝送
体にも応用可能であり、それらの性能をも大いに向上さ
せるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリフォーム用の重合管の製造過程の説明図。
【図2】プリフォーム製造過程の説明図。
【図3】ジフェニルスルホキシドの分子構造図。
【図4】一実施形態による光ファイバの屈折率分布図。
【図5】各種ドーパントにおけるドーパント濃度とガラ
ス転移温度の関係を示すグラフ図。
【図6】各種ドーパントにおけるドーパント濃度と屈折
率の関係を示すグラフ図。
【図7】GI型ファイバにおける開口数と曲げ損失の関
係を示すグラフ図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス用のポリマーに、当該ポリ
    マーに対し反応性を有しない低分子物質を添加し、この
    低分子物質に濃度勾配を形成させることにより連続的な
    屈折率分布を形成してなるポリマー光伝送体において、
    前記低分子物質として、ベンゼン環とスルホキシド基を
    有する物質を用いたことを特徴とするポリマー光伝送
    体。
  2. 【請求項2】 ベンゼン環とスルホキシド基を有する物
    質がジフェニルスルホキシドである請求項1に記載のポ
    リマー光伝送体。
JP9305788A 1997-11-07 1997-11-07 ポリマー光伝送体 Pending JPH11142657A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009210706A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Japan Science & Technology Agency 光伝送体及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009210706A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Japan Science & Technology Agency 光伝送体及びその製造方法
JP4639386B2 (ja) * 2008-03-03 2011-02-23 独立行政法人科学技術振興機構 光伝送体及びその製造方法

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