JPH11141760A - 金属管と継手との接続構造 - Google Patents

金属管と継手との接続構造

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JPH11141760A
JPH11141760A JP30756397A JP30756397A JPH11141760A JP H11141760 A JPH11141760 A JP H11141760A JP 30756397 A JP30756397 A JP 30756397A JP 30756397 A JP30756397 A JP 30756397A JP H11141760 A JPH11141760 A JP H11141760A
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JP
Japan
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joint
cylindrical portion
caulking
annular groove
metal pipe
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JP30756397A
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English (en)
Inventor
Nagaharu Ikuta
長治 生田
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TOYO FITTING KK
Original Assignee
TOYO FITTING KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L19/00Joints in which sealing surfaces are pressed together by means of a member, e.g. a swivel nut, screwed on or into one of the joint parts
    • F16L19/04Joints in which sealing surfaces are pressed together by means of a member, e.g. a swivel nut, screwed on or into one of the joint parts using additional rigid rings, sealing directly on at least one pipe end, which is flared either before or during the making of the connection

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Joints With Pressure Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属管と継手とを接続するのにロウ付けを必
要とせず、両者をメカニカルに接続する構造であること
による所定のメリットを持ちながら、接続後に外部から
目視でその接続状態が適切であるかどうかを判断でき、
金属管の肉厚の違いにも対応でき、さらに上述したステ
ー部材のような別体の部材を必要としない接続構造を提
供する。 【解決手段】 継手10の円筒部11に、金属管として
の銅管5の拡径部7を、その先端が鍔部21に当接する
位置まで外嵌し、さらに円筒部11に設けた環状溝部1
3を覆っている銅管5の拡径部7を環状溝部13内へか
しめることによって継手10と銅管5とを固着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば銅管などの
金属管と継手との接続構造であって、特にロウ付けを必
要とせず、両者をメカニカルに接続した構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属管継手の一例としての銅管継
手では、いわゆるロウ付け継手が一般的であった。しか
し、このタイプの継手の場合には、銅管と継手とをロウ
付けで固着させる構成のため、作業時に火気を使用する
必要があったり、あるいは金属管内が完全に乾燥してい
なければ作業ができないなど、種々の不都合があった。
【0003】そこで、銅管と継手とを接続するのにロウ
付けを必要とせず、両者をメカニカルに接続する構造が
考えられている。その構造を図8を参照して説明する。
本構造に用いる継手は、図8(a)に示すように、継手
本体101の先端から所定長さだけが拡径されて円筒状
の接続部103が形成されており、その接続部103の
先端分はさらに拡径されると共に最先端が絞られること
で、内部にシールリング104を配設するための凹部1
05とされている。その凹部105内にはシールリング
104が配設される。また、接続部103内部にはやは
り円筒状のステー部材107が挿入されている。このス
テー部材107は、拡径された接続部103より奥には
移動できないようその端部109が少し拡径されている
と共に、接続部103との間に所定の間隔が生じるよう
な外径とされている。
【0004】このような継手に銅管121(図8
(b),(c)参照)を接続する場合には、次のような
作業手順で行なう。 まず、パイプカッターなどを用いて銅管121を所定
長さに切断する。 続いて、リーマーなどを用いて銅管121の切断外面
のバリ取りを行なう。
【0005】そして、ラインゲージなどを使って銅管
121の継手本体101への差込み長さの位置を決め、
その位置の銅管121外周部にマーク123を付ける。 継手本体101内にステー部材107が入っているこ
とを確認して、銅管121を、継手本体101の接続部
103とステー部材107との間に挿入する。
【0006】最後に、プレス工具を用いて接続部10
3の中央付近を締め付ける。継手本体101の接続部1
03、銅管121、そしてステー部材107がかしめら
れることによって、継手100と銅管121とが接続さ
れることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の接続構造においては、以下に説明するようないくつ
かの問題点がある。 (イ)銅管121の継手本体101への挿入が不十分で
あると、実際に施工した後で銅管121が継手本体10
1から抜けてしまう可能性がある。それを防止する目的
で上述した銅管121外周のマーク123を付けてお
き、適切に挿入されているかどうかを接続後でも判断で
きるようにしたのであるが、そのマーク123自体を付
け忘れた場合、あるいはマーク位置が不正確である場合
には、適切に挿入されているかどうかを実際の施工後に
チェックするのが非常に困難である。もちろん、超音波
などを用いて非破壊検査をすれば可能ではあるが、全て
配管し終えた後に全ての接続部においてこのような検査
をするのは現実的ではない。つまり、外部から目視によ
ってチェックすることができないのである。
【0008】(ロ)接続する際、銅管121を継手本体
101の接続部103とステー部材107との間に挿入
するようにしている。したがって、この接続部103と
ステー部材107との隙間は、銅管121の肉厚の違い
にも対応できるよう、挿入候補となる銅管121の最大
肉厚のものにも対応できるように設定することとなる。
したがって、それよりも肉厚の薄い銅管121を使用す
る場合には、挿入した際に接続部103やステー部材1
07との間に隙間が生じることとなる。この隙間の存在
によって、上記作業手順で接続部103、銅管12
1、そしてステー部材107をかしめる場合に、そのか
しめが不十分になり易い。
【0009】(ハ)継手100を構成する部品として、
継手本体101とステー部材107が最低限必要である
が、比較的狭い場所や暗い場所で作業することの多い状
況を考えると、部品点数は少ない方がよい。特にステー
部材107は継手本体101とは別体になっているため
無くし易い。
【0010】このように、銅管と継手とを接続するのに
ロウ付けを必要とせず、両者をメカニカルに接続する構
造であるため、所定のメリットはあるが、上述したよう
な問題点も存在する。また、上述の例は、金属管の一例
として銅管を例に挙げて説明したが、他の金属製の管を
継手と接続する際にも同様の問題点はやはり存在する。
【0011】そこで、本発明は上述の問題を解決し、金
属管と継手とを接続するのにロウ付けを必要とせず、両
者をメカニカルに接続する構造であることによる所定の
メリットを持ちながら、接続後に外部から目視でその接
続状態が適切であるかどうかを判断でき、金属管の肉厚
の違いにも対応でき、さらに上述したステー部材のよう
な別体の部材を必要としない接続構造を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】この目的
を達成するためになされた請求項1に記載の金属管と継
手との接続構造は、先端から軸方向に所定距離までの部
分が拡径された金属管を、継手に嵌めて接続する構造で
あって、前記継手は、前記金属管の拡径部に対応する外
径を有する円筒部と、前記円筒部先端から前記金属管の
拡径部に対応する所定距離の位置に設けられた鍔部と、
前記円筒部先端と前記鍔部の間の所定位置において前記
円筒部外周に形成された環状溝部と、前記環状溝部と前
記鍔部との間の所定位置において前記円筒部外周に形成
されたリング収納溝と、前記リング収納溝内に介装され
たシールリングとを備えており、前記継手の円筒部に、
前記金属管の拡径部を、その拡径部の先端が前記鍔部に
当接する位置まで外嵌させ、さらに前記環状溝部を覆っ
ている前記金属管の拡径部を当該環状溝部内へかしめる
ことによって前記継手と金属管とを固着させたことを特
徴とする。
【0013】また、請求項2に記載の金属管と継手との
接続構造は、先端から軸方向に所定距離までの部分が拡
径された金属管を、継手に嵌めて接続する構造であっ
て、前記継手は、前記金属管の拡径部に対応する外径を
有する円筒部と、前記円筒部先端から前記金属管の拡径
部に対応する所定距離の位置に設けられた鍔部と、前記
円筒部先端と前記鍔部の間の所定位置において前記円筒
部外周に形成された環状溝部と、前記円筒部先端と前記
環状溝部との間の所定位置において前記円筒部外周に形
成されたリング収納溝と、前記リング収納溝内に介装さ
れたシールリングとを備えており、前記継手の円筒部
に、前記金属管の拡径部を、その拡径部の先端が前記鍔
部に当接する位置まで外嵌させ、さらに前記環状溝部を
覆っている前記金属管の拡径部を当該環状溝部内へかし
めることによって前記継手と金属管とを固着させたこと
を特徴とする。
【0014】これら請求項1又は2に記載の金属管と継
手の接続構造は、先端から軸方向に所定距離までの部分
の内径が拡げられた金属管を継手の円筒部に嵌めて接続
するのであるが、その円筒部は金属管の拡径部に対応す
る外径を有している。また、継手の鍔部は円筒部先端か
ら金属管の拡径部に対応する所定距離の位置に設けられ
ている。したがって、金属管の拡径部を円筒部に外嵌さ
せ、拡径部の先端が鍔部に当接するまで嵌入させること
となる。継手には、円筒部先端と鍔部の間の所定位置に
おいて円筒部外周に環状溝部が形成されているため、継
手の円筒部に金属管の拡径部を外嵌させた状態で、環状
溝部を覆っている金属管の拡径部を環状溝部内へかしめ
ることによって継手と金属管とが固着され、本接続構造
が完成する。
【0015】そして、請求項1記載の構成の場合には環
状溝部と鍔部との間の所定位置において円筒部外周にリ
ング収納溝が形成されており、一方、請求項2記載の構
成の場合には円筒部先端と環状溝部との間の所定位置に
おいて円筒部外周にリング収納溝が形成されており、そ
れぞれ、そのリング収納溝内にはシールリングが介装さ
れている。そのため、この継手構造を流体用配管に用い
た場合でも、流体の漏れをシールできる。
【0016】このような金属管と継手の接続構造は、金
属管と継手とを接続するのにロウ付けを必要とせず、両
者をメカニカルに接続する構造であるため、ロウ付けに
よる場合のように作業時に火気を使用したり、また、金
属管内が完全に乾燥していなければ作業ができないなど
の種々の不都合は生じない。そして、そのようなメカニ
カルに接続する構造でありながら、上述した従来の接続
構造に比べて、次のような非常に有効な面がある。
【0017】(A)まず、上述した従来の接続構造で
は、図8(b)に示すように、銅管121の継手本体1
01への挿入が不十分となることを防止する目的で銅管
121外周のマーク123を付けておき、適切に挿入さ
れているかどうかを接続後でも判断できるようにしてい
たが。しかし、そのマーク123自体を付け忘れた場
合、あるいはマーク位置が不正確である場合には、適切
に挿入されているかどうかを実際の施工後にチェックす
るのが非常に困難である。もちろん、超音波などを用い
て非破壊検査をすれば可能ではあるが、全て配管し終え
た後に全ての接続部においてこのような検査をするのは
現実的ではない。つまり、外部から目視によってチェッ
クすることができなかった。
【0018】それに対して、本発明の接続構造によれ
ば、金属管を継手(の円筒部)に外嵌する構造であり、
金属管(の拡径部)の先端が継手の鍔部に当接する位置
が適切な接続状態であるため、その位置まで金属管が嵌
められていなければ、接続状態が適切でないことが目視
で容易に確認できる。そして、従来技術のように作業者
がマーキングする工程は本接続構造では不要であるた
め、マーキングに頼ったチェックのように信頼性が低く
なることがない。したがって、チェックする際に目視で
確認し、不適切なものがあれば即座に修正することがで
きるので、施工後に金属管が継手から抜けてしまうとい
う不都合を好適に防止することができるのである。
【0019】(B)また、従来の接続構造においては、
図8(b)に示すように、銅管121を継手本体101
の接続部103とステー部材107との間に挿入して接
続するようにしているため、接続部103とステー部材
107との隙間は、銅管121の肉厚の違いにも対応で
きるよう、挿入候補となる銅管121の最大肉厚のもの
にも対応できるように設定していた。したがって、それ
よりも肉厚の薄い銅管121を使用する場合には、挿入
した際に接続部103やステー部材107との間に隙間
が生じることとなる。この隙間の存在によって、図8
(c)に示すように、接続部103、銅管121、そし
てステー部材107をかしめる場合に、そのかしめが不
十分になり易かった。
【0020】それに対して、本発明の接続構造によれ
ば、金属管先端から軸方向に所定距離までの部分の内径
が拡径されている。そして継手の円筒部は金属管の拡径
部に対応する外径を有している。この対応する外径と
は、金属管の拡径部を外嵌させる場合に隙間なく嵌入で
きるような外径である。つまり、継手円筒部の外周部と
金属管拡径部の内周部との間に不要な隙間はないので、
かしめた場合にそれが不十分になることを防止できる。
【0021】具体的には、作業時に金属管を必要長さに
切断し、その切断部分を拡径工具を用いて、円筒部の外
径に対応するように拡径させればよい。このようにすれ
ば、たとえ金属管の肉厚が異なるものがあったとして
も、その内径は必ず円筒部の外径に対応したものとな
る。
【0022】さらに、金属管を拡径させる作業工程は、
単に円筒部の外径に対応した内径にするというだけでな
く、別の意味合いも持つ。つまり、作業時に金属管を必
要長さに切断した場合、特に金属管が軟らかい場合には
切断面が楕円状になったり、縮径させてしまうことが考
えられる。従来の接続構造においてそのような状況があ
った場合には、例えば楕円を真円に修正する工具や拡径
工具を用いて修正する必要がでてくる。したがって、本
接続構造において切断後に拡径作業を必要としたとして
も、それは従来に比べて常に作業工程を増やすというの
ではない。そして、逆に必ず拡径する作業が必要となれ
ば、そのような工程を順次こなしていかないと接続自体
ができないようになり、適切な接続状態を得る点で有効
である。
【0023】つまり、従来のような接続構造では、金属
管の切断面が多少変形していたとしても継手に対して無
理矢理こじ入れることも不可能ではないが、その場合に
は、図8に示すシールリング104を破損させてしまっ
たり、継手本体101やステー部材107を変形させて
しまい、結果として不十分なシール状態あるいは不十分
な接続状態が得られなくなる可能性もある。それに対し
て本接続構造では、金属管を切断して用いる場合には必
ずその後に拡径作業が必要であり、拡径しないと接続自
体ができないので、上述した不十分なシール状態あるい
は不十分な接続状態となることを防止できるのである。
また、上述した従来の金属管挿入位置を確認するための
マーキングは、それ自体を行わなくても金属管と継手と
の接続はできてしまうため、マーキング作業自体を忘れ
てしまう可能性もある。つまり、作業者の意識に頼って
いるため、作業を忘れないようにするには問題意識の向
上を図るといった不確実な方法しかないのである。した
がって、本発明のように、金属管を拡径しないと接続自
体ができないことは、逆に、適切な接続状態を確実に実
現する上で有効な手法となる。
【0024】(C)さらに、従来の場合には、図8
(a)に示すように、継手を構成する部品として、継手
本体101とステー部材107が最低限必要であるが、
比較的狭い場所や暗い場所で作業することの多い状況を
考えると、部品点数は少ない方がよい。特にステー部材
107は継手本体101とは別体になっているため無く
し易かった。
【0025】それに対して、本発明の接続構造における
継手は、円筒部に対して金属管の方を「外嵌」させる構
成であるため、従来のステー部材107のような別部材
は不要である。また、図8(b)に示すように、従来は
銅管121を継手本体101の接続部103とステー部
材107との間に挿入していたが、本接続構造では、単
に金属管を継手円筒部に外嵌させるだけである。比較的
狭い場所や暗い場所で作業することの多い状況を考える
と、その作業の単純さは有利である。
【0026】このように、(A)〜(C)にて述べたよ
うに、本発明の金属管と継手との接続構造は、金属管と
継手とを接続するのにロウ付けを必要とせず、両者をメ
カニカルに接続する構造であることによる所定のメリッ
トを持ちながら、接続後に外部から目視でその接続状態
が適切であるかどうかを判断でき、金属管の肉厚の違い
にも対応でき、さらに上述したステー部材のような別体
の部材を必要としない接続構造を実現できるという非常
に有益な効果を発揮する。
【0027】そして、上述したように、請求項1記載の
構成の場合には、環状溝部と鍔部との間に形成されたリ
ング収納溝内にシールリングが介装され、請求項2記載
の構成の場合には、円筒部先端と環状溝部との間に形成
されたリング収納溝内にシールリングが介装されてお
り、これらの継手構造を流体用配管に用いた場合でも、
流体の漏れをシールできる。そして、シール状態をより
確実に得るため例えばオーリング等を介装して二重のシ
ール構成とすること等は、管と継手との接続構造におけ
る慣用技術として適宜採用することができる。シールリ
ングの形状についても同様である。
【0028】ところで、シールリングそのものによるシ
ール性については特に言及する必要はないが、上述した
金属管と継手との接続構造を前提した場合には、「環状
溝部と鍔部との間」にシールリングがある場合と「円筒
部先端と環状溝部との間」にシールリングがある場合と
では、この継手構造を前提として発揮する効果にも少し
違いがあるので、それを説明する。
【0029】なお、図7(a)は請求項1に記載の構成
に対応するものであり、環状溝部と鍔部との間にシール
リングがある場合の接続構造を示す概略断面図、図7
(b)は請求項2に記載の構成に対応するものであり、
そのシールリングとかしめ部の拡大断面図である。一
方、図7(c)は、円筒部先端と環状溝部との間にシー
ルリングがある場合の接続構造を示す概略断面図、図7
(d)はそのシールリングとかしめ部の拡大断面図であ
る。 (1)図7(a),(b)に示す接続構造が有利な点 図7(b),(d)に示すように、かしめ作業によっ
て、単にかしめ部だけが環状溝部内にかしめられるよう
変形するだけでなく、そのかしめ作業に伴って、かしめ
部とシールリングとの間の金属管が外側に膨らむように
変形し、かしめ部とシールリングとの間において、金属
管と継手との間に空隙が生じることも想定される。その
場合、上述したかしめ部でのクラックなどは生じていな
いとすると、今度は逆に、図7(a),(b)に示すよ
うな環状溝部と鍔部との間にシールリングがある接続構
造の方が、図7(c),(d)に示すような円筒部先端
と環状溝部との間にシールリングがある場合の接続構造
よりも、シール性の点で有利である。
【0030】なぜなら、上流側から下流側へ移動しよう
とする流体によってシールリングは押圧され、やや下流
側に偏るように変形するが、図7(b)に示す構造で
は、シールリングの下流側の金属管は膨らんでおらず、
その部分に押圧されたシールリングは十分シール作用を
発揮できるのに対し、図7(d)に示す構造では、シー
ルリングの下流側の金属管が膨らんでおり、その部分に
シールリングが押圧されても十分シール作用が発揮でき
ない可能性があるからである。もちろん、かしめ作業に
伴う金属管の変形度合にもよるが、相対的に見ると、図
7(a),(b)に示す接続構造の方が、図7(c),
(d)に示す接続構造よりもシール性が優れているとは
言える。
【0031】また、金属管の拡径部について、例えば
作業時に金属管を必要長さに切断し、その切断部分を拡
径工具を用いて円筒部の外径に対応するように拡径させ
ればよいことは上述した。このように拡径工具を用いて
拡径部を形成する場合には、その拡径部の長さが自ずと
制限され、現実的には比較的短い(例えば1〜2cm程
度)ものとなる。その場合、金属管の先端、つまり拡径
部の先端からかしめ部までの距離が短い場合には、かし
め作業に伴って拡径部の先端が開くように変形してしま
う可能性がある。したがって、このような拡径部先端の
開きを防止する観点からすれば、図7(a),(b)に
示す接続構造の方が、図7(c),(d)に示す接続構
造よりも、拡径部の先端からかしめ部までの距離を長く
取ることができ、有利である。 (2)図7(c),(d)に示す接続構造が有利な点 図7(c),(d)に示すように円筒部先端と環状溝部
との間にシールリングがある場合の接続構造では、金属
管先端→かしめ部→シールリングの順番となっている。
それに対して、図7(a),(b)に示すように環状溝
部と鍔部との間にシールリングがある接続構造では、金
属管先端→シールリング→かしめ部の順番となってい
る。したがって、図7(c),(d)に示すように金属
管先端→かしめ部→シールリングの順番となっている方
が、シールリングの耐久性向上の点では有利である。つ
まり、金属管先端からシールリングの耐久性を低下させ
るガスや流体そのほかの異物が侵入しようとした場合、
リールリングの手前にかしめ部が存在するため、そのか
しめ部によって異物侵入をある程度防止できる。したが
って、金属管先端側から侵入した異物がかしめ部を経な
いでシールリングに至るような図7(a),(b)に示
す構造よりも、相対的にシールリングの耐久性が向上す
ると考えられる。
【0032】以上は、請求項1,2記載の接続構造が共
に発揮する効果、請求項1記載の接続構造と請求項2記
載の接続構造とを比較した場合のそれぞれ有利な点等に
ついて説明した。それ以外に、上記接続構造に関して採
り得る工夫について説明しておく。
【0033】例えば、請求項3に記載するように、継手
鍔部の付け根部分に、円筒部の先端から遠ざかる方向へ
断面テーパ状に形成されたテーパ溝部を備え、継手の円
筒部に金属管の拡径部を外嵌する際、金属管の先端が前
記鍔部付け根部分のテーパ溝部内に挿入される位置まで
嵌めて構成することも考えられる。この場合には、金属
管の拡径部の先端がテーパ溝部内に挿入されていること
により「仮り止め」の効果がある。つまり、円筒部に金
属管拡径部を外嵌することで両者の間の摩擦力にて一応
の仮り止めにはなるが、さらに金属管の拡径部の先端が
テーパ溝部内にて外周方向からも押圧されることとな
り、より仮り止めの作用が強化されることとなる。した
がって、例えば垂直配管を施工する場合に仮り止めで金
属管と継手との位置が不動となれば、その後のかしめ作
業などを一人で実施する場合に有効である。
【0034】また、金属管の拡径部の先端がテーパ溝部
内に挿入されていることは、かしめ作業をする場合にお
いて、金属管の先端が拡径してしまうことも防止でき
る。つまり、継手円筒部に外嵌させた拡径部の内、継手
の環状溝部を覆っている部分を環状溝部内へかしめるこ
ととなるが、この部分は結果的に縮径することとなるの
で、その影響で金属管の先端は拡径する方向へ変形させ
る力を受ける。したがって、金属管(の拡径部)の先端
がテーパ溝部内に挿入されていれば、この変形作用力に
よって変形、つまり先端が拡径してしまうことを防止で
きる。
【0035】ところで、これまでの説明では「金属管」
として説明したが、実際によく使用される銅管の場合に
は特に効果的である。つまり、銅管は比較的軟らかいた
め、上述したように作業時に銅管を必要長さに切断する
と切断面が楕円状になることも多く、そのままで図8に
示す従来方法での接続を行なうと種々の問題が生じ易
い。したがって、本接続構造を採用すれば、銅管と継手
とを接続する場合に非常に有効である。また、銅管の場
合には、銅管の切断から始まり、銅管を継手に嵌合した
り、かしめたりする一連の作業を作業者自身が工具を使
用して行なうことが多いため、上述したように、銅管を
拡径しないと継手との接続自体ができないことは、適切
な接続状態を確実に実現する点で特に有効である。もち
ろん、銅管に限定されず、他の金属製の管でも同様に適
用できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、
下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の
技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはい
うまでもない。 [第1実施例]図1は本発明の第1実施例である金属管
としての銅管5と継手10との接続構造1を示す断面図
であり、(a)はかしめ前を示し、(b)はかしめ後を
示す。図2は本第1実施例の接続構造を完成する作業工
程の一例を示す説明図である。
【0037】図1に示すように、本接続構造1は銅管5
と継手10との接続構造である。まず、継手10につい
て説明する。継手10は、例えば材料としてBC6Cが
用いられており、円筒部11と鍔部21を備えている。
鍔部21は、円筒部11の先端11aから所定距離(L
1)の位置に設けられている。そして、その鍔部21の
付け根部分には、円筒部11の先端11aから遠ざかる
方向へ断面テーパ状に形成されたテーパ溝部23が設け
られている。このテーパ溝部23の開口部分は銅管5の
厚みよりも大きくされており、底部分は銅管5の厚みと
同じあるいはそれよりも小さくされている。
【0038】また、円筒部先端11aと鍔部21の間の
所定位置(例えば円筒部先端11aから鍔部21までの
3分の1程度の位置)には、円筒部11の外周に環状溝
部13が形成されている。本実施例の環状溝部13は、
図1に示すように、断面が半円状の「U字溝」とされて
いる。
【0039】また、環状溝部13と鍔部21の間の所定
位置(例えば環状溝部13と鍔部21との中間位置)に
は、やはり円筒部11の外周にリング収納溝14が形成
されており、そこにシールリング15が介装されてい
る。本実施例では、このシールリング15は断面略円状
のOリングとされている。
【0040】一方、銅管5は、その先端5aから軸方向
に所定距離(L2)までの部分が、その内径の拡げられ
た拡径部7とされている。この拡径部7の長さに相当す
る所定距離(L2)は、上述した継手10の円筒部11
の長さに相当する所定距離(L1)よりも所定分(α)
だけ長く設定してある。この所定分(α)は、銅管5の
先端5aが鍔部21の付け根にあるテーパ溝部23内に
挿入される長さ及び後述する「かしめ」によって移動す
る長さだけが最低あればよい。
【0041】以上が、本実施例の接続構造1を構成する
銅管5と継手10の説明であったが、次に、これら銅管
5と継手10とを接続して本実施例の接続構造1を完成
するまでの作業手順を図2も参照しながら説明する。な
お、本実施例では、銅管5を切断するところから説明す
る。 [作業工程1]まず、図2(a)に示すように、銅管5
を必要な長さに切断する。この切断は適当な管切断工具
(チューブカッタ)を用いればよい。図2(a)に示す
切断工具30では、回転自在に支持されている切断刃3
1と、同じく回転自在に支持された管保持ローラ33と
の距離を調整可能にされている。したがって、切断刃3
1と管保持ローラ33との間に銅管5を挟持し、切断刃
31を銅管5の外周に食い込ませた状態で銅管5と切断
工具30とを相対的に回転させることで、銅管5を切断
することができる。 [作業工程2]切断した銅管5については、切断面のバ
リ取りを行った後、切断端から所定距離(L2)だけを
拡径させる。この拡径は適当な拡径工具(エキスパン
ダ)を用いればよい。図2(b)に示す拡径工具40
は、円柱を軸方向に6分割したような形状のヘッド部4
1を備えており、拡径させる場合には、この6分割され
たヘッド部41をそれぞれ径方向外側に移動させる。な
お、このヘッド部41の長さも調整可能とされている。
本実施例では、上述したように銅管5の拡径部7の長さ
を上述した所定距離(L2)に形成したいので、ヘッド
部41の長さをL2にセットする。そして、ヘッド部4
1を銅管5の内部に挿入し、拡径を行なう。本実施例で
は、銅管5の内径を継手10の円筒部11の外径に対応
するように拡径して、拡径部7を形成することとなる。 [作業工程3]続いて、継手10の円筒部11に銅管5
の拡径部7を外嵌させる。この場合、図1(a)に示す
ように、拡径部7の先端、つまり銅管5の先端5aを、
継手10の鍔部21の付け根にあるテーパ溝部23内に
挿入する。これによって「仮り止め」ができる。つま
り、円筒部11に拡径部7を外嵌させることで両者の間
の摩擦力にて一応の仮り止めにはなるが、さらに銅管5
の先端5aがテーパ溝部23内にて外周方向からも押圧
されれば、より仮り止めの作用が強化されることとな
る。したがって、例えば垂直配管を施工する場合に仮り
止めで銅管5と継手10との位置が不動となれば、次に
説明するかしめ作業などを一人で実施する場合に有効で
ある。 [作業工程4]最後に、銅管5と継手10とを「かしめ
る」作業を行なう。このかしめ作業に際しては適当な工
具を用いればよいが、本実施例では、図3に示すような
かしめ用工具50にて作業を行なう。
【0042】このかしめ用工具50は、図3(a)に示
すように、2本の操作柄61,62に連結軸63,64
を介してそれぞれ連結されたヘッド部51,52を備え
ており、このヘッド部51,52は、それぞれ揺動軸5
7,58を揺動中心として揺動可能に構成されている。
また、ヘッド部51,52は、揺動軸57,58を挟ん
で前記連結軸63,64とは反対側に、かしめ刃部5
5,53を有している。
【0043】また、これら揺動軸57,58の間の距離
はプレート53によって固定されていると共に、上述し
た2本の操作柄61,62は回動軸65によって連結さ
れている。そのため、操作柄61,62を開くように操
作すると、両連結軸63,64が互いに近づき、ヘッド
部51,52はそれぞれの揺動軸57,58を揺動中心
として揺動し、かしめ刃部55,56同士が離間する方
向に移動する。逆に、操作柄61,62を閉じるように
操作すると、両連結軸63,64が互いに離間し、ヘッ
ド部51,52はそれぞれの揺動軸57,58を揺動中
心として揺動し、かしめ刃部55,56同士が近づく方
向に移動する。
【0044】かしめ刃部55,56は、それぞれ2つの
円弧状の刃で構成されており、隣接する円弧の弦の部分
が直角になるよう配置されている。さらに、かしめ刃部
55,56同士が対向するように設けられている。その
ため、ヘッド部51,52が閉じた状態においては、4
つの円弧状の刃が90度おきに位置することとなり、か
しめ刃部55,56に囲まれた略正方形状の孔が形成さ
れることとなる。そして、このかしめ刃部55,56に
囲まれた略正方形状の孔の大きさは、その孔に対する内
接円の径が、前記銅管5の拡径部7の外径よりも小さく
なるように設定されている。さらに詳しく言えば、継手
10の円筒部11の外周に設けられた環状溝部13の外
径に銅管5の拡径部7の厚さの2倍を加えた径の内接円
となるような方形状の孔とされている。
【0045】したがって、かしめ作業時には、図3
(b)に示すように、2つのかしめ刃部55,56の間
に、円筒部11に外嵌させた銅管5の拡径部7を挟持す
る。この際、かしめ工具50のヘッド部51,52の、
かしめ刃部55,56周辺の部分を継手10の鍔部21
に当接させると、その状態でのかしめ刃部55,56の
位置は、丁度、円筒部11に設けた環状溝部13に対応
する位置となる。つまり、このような位置関係となるよ
うに設定しておいたのである。
【0046】そして、操作柄61,62を閉じるように
操作すると、両連結軸63,64が互いに離間し、ヘッ
ド部51,52はそれぞれの揺動軸57,58を揺動中
心として揺動し、かしめ刃部55,56同士が近づく方
向に移動するため、かしめ刃部55,56が銅管5の拡
径部7を環状溝部13内へ押圧する。したがって、ヘッ
ド部51,52が閉じるまで操作すると、図1(b)あ
るいは図3(c)に示すようなかしめ部9が形成される
こととなる。なお、図3(c)からも判るように、銅管
5の拡径部7の全周が環状溝部13内へかしめられるの
ではなく、かしめ刃部55,56に囲まれた略正方形状
の孔の4つの辺の中央付近に対応する部分のみが環状溝
部13内へかしめられる。
【0047】なお、かしめ作業では、銅管5の拡径部7
が環状溝部13内へ押しこまれて縮径するように変形さ
せられるため、拡径部7の軸方向の長さは多少短くな
る。また、このような変形の影響で銅管5の先端5aは
拡径する方向へ変形させる力を受ける。しかし、本実施
例では、上述したように、銅管5の先端5aがテーパ溝
部23内に挿入されているため、この変形作用力によっ
て変形、つまり先端が拡径してしまうことを防止でき
る。
【0048】また、図3(c)に示すように、ヘッド部
51,52が閉じる、つまりヘッド部51,52同士が
当接する状態となると、かしめ部9が形成されることと
なるため、かしめ作業は、ヘッド部51,52が閉じる
まで操作する必要があり。したがって、本実施例のかし
め工具50は、操作柄61,62を操作して、ヘッド部
51,52が開いた状態から閉じる方向に移動させた場
合、完全にヘッド部51,52が閉じた状態となるまで
は開く方向へ操作できないようにされている。この構成
は、2本の操作柄61,62を連結している回動軸65
(図3(a)参照)の内部に設けられている。したがっ
て、このかしめ工具50を用いてかしめ作業をする場合
には、確実にかしめ部9が形成された状態とならない
と、かしめ工具50自体を銅管5の拡径部7から外すこ
とができないため、結果的に、不十分なかしめ状態の発
生を防止することができる。もちろん、完全にヘッド部
51,52が閉じた状態となったことをセンサで検知し
て、ブザーなどで知らせる構成などを採用してもよい。
但し、この場合には、人為的な要因でかしめ不足という
自体が生じる可能性がある。これに対して、上述したよ
うに、確実にかしめ部9が形成された状態とならない
と、かしめ工具50自体を銅管5の拡径部7から外すこ
とができないようにすれば、人為的な要因での不都合を
排除できる。
【0049】以上説明した本第1実施例の銅管5と継手
10との接続構造1によれば、次のような効果を奏す
る。つまり、本接続構造1は、銅管5と継手10とを接
続するのにロウ付けを必要とせず、両者をメカニカルに
接続する構造であるため、ロウ付けによる場合のように
作業時に火気を使用したり、また、銅管内が完全に乾燥
していなければ作業ができないなどの種々の不都合は生
じない。そして、そのようなメカニカルに接続する構造
でありながら、上述した従来の接続構造に比べて、次の
ような非常に有効な面がある。
【0050】まず、銅管5を継手10の円筒部11に外
嵌する構造であり、銅管5の先端5aが継手10の鍔部
21に当接する位置(本実施例では環状溝部23内に挿
入されてそれ以上移動できない状態)が適切な接続状態
であるため、その位置まで銅管5が嵌められていなけれ
ば、接続状態が適切でないことが目視で容易に確認でき
る。そして、従来技術のように作業者がマーキングする
工程は本接続構造では不要であるため、マーキングに頼
ったチェックのように信頼性が低くなることがない。し
たがって、チェックする際に目視で確認し、不適切なも
のがあれば即座に修正することができるので、施工後に
銅管5が継手10から抜けてしまうという不都合を好適
に防止することができるのである。
【0051】また、銅管5の拡径部7の内径が拡径され
るが、この内径は継手10の円筒部11は外径と対応し
て拡径されたものである。つまり、拡径部7を円筒部1
1に外嵌させる場合に隙間なく嵌入できるよう設定され
ているため、円筒部11の外周部と拡径部7の内周部と
の間に不要な隙間はない。したがって、かしめた場合に
「かしめ状態」が不十分になることを防止できる。
【0052】なお、銅管5の拡径部7はその内径を円筒
部11の外径に合わせて拡径するため、たとえ銅管5の
肉厚が異なるものがあったとしても、その内径は必ず円
筒部11の外径に対応したものとなるという利点もあ
る。さらに、銅管5を拡径させる作業工程は、単に円筒
部11の外径に対応した内径にするというだけでなく、
別の意味合いも持つ。つまり、作業時に銅管5を必要長
さに切断した場合には、実際には銅管5が軟らかいため
切断面が楕円状になったり、縮径させてしまうことが考
えられる。従来の接続構造においてそのような状況があ
った場合には、例えば楕円を真円に修正する工具や拡径
工具を用いて修正する必要がでてくる。したがって、本
接続構造1において切断後に拡径作業を必要としたとし
ても、それは従来に比べて常に作業工程を増やすという
のではない。そして、逆に必ず拡径する作業が必要とな
れば、そのような工程を順次こなしていかないと接続自
体ができないようになり、適切な接続状態を得る点で有
効である。
【0053】一方、部品点数の面で見ても、従来の場合
には、図8(a)に示すように、継手100を構成する
部品として、継手本体101とステー部材107が最低
限必要であるが、比較的狭い場所や暗い場所で作業する
ことの多い状況を考えると、部品点数は少ない方がよ
い。特にステー部材107は継手本体101とは別体に
なっているため無くし易かった。それに対して、本接続
構造1における継手10は、円筒部11に銅管5を外嵌
させる構成であるため、従来のステー部材107のよう
な別部材は不要である。また、図8(b)に示すよう
に、従来は銅管121を継手本体101の接続部103
とステー部材107との間に挿入していたが、本接続構
造1では、単に銅管5を円筒部11に外嵌させるだけで
ある。比較的狭い場所や暗い場所で作業することの多い
状況を考えると、その作業の単純さは有利である。
【0054】このように、本第1実施例の銅管5と継手
10との接続構造1は、銅管5と継手10とを接続する
のにロウ付けを必要とせず、両者をメカニカルに接続す
る構造であることによる所定のメリットを持ちながら、
接続後に外部から目視でその接続状態が適切であるかど
うかを判断でき、銅管5の肉厚の違いにも対応でき、さ
らに従来構造でのステー部材のような別体の部材を必要
としない接続構造を実現できるという非常に有益な効果
を発揮する。また、本第1実施例の場合には、環状溝部
13と鍔部21との間に形成されたリング収納溝14内
にシールリング15が介装されているため、図7
(a),(b)を参照して上述したような効果もある。
つまり、かしめ作業に伴って、かしめ部9とシールリン
グ15との間の銅管5(の拡径部7)が外側に膨らむよ
うに変形し、かしめ部9とシールリング15との間にお
いて、銅管5と継手10との間に空隙が生じることも想
定されるが、その場合には、このような構成が有効であ
る。なぜなら、上流側から下流側へ移動しようとする流
体によってシールリング15は押圧され、やや下流側に
偏るように変形するが、図7(b)に示す構造では、シ
ールリング15の下流側の金属管は膨らんでおらず、そ
の部分に押圧されたシールリング15は十分シール作用
を発揮できるからである。
【0055】また、銅管5の拡径部7は拡径工具を用い
形成しているが、その場合、拡径部7の長さが自ずと制
限され、現実的には比較的短い(例えば1〜2cm程
度)ものとなる。そのため、銅管5の先端5a、つまり
拡径部7の先端5aからかしめ部9までの距離が短い場
合には、かしめ作業に伴って拡径部7の先端5aが開く
ように変形してしまう可能性がある。したがって、この
ような拡径部先端5aの開きを防止する観点からすれ
ば、シールリング15によってシールする位置よりもか
しめ部9の位置を拡径部先端5aから遠くにする構成が
有利である。 [第2実施例]図4は本発明の第2実施例である銅管5
と継手10との接続構造2を示す断面図であり、(a)
はかしめ前を示し、(b)はかしめ後を示す。なお、上
述した第1実施例と同じ構成部分については同じ符号を
付して詳しい説明は省略することとする。
【0056】図1に示す第1実施例の接続構造1の場合
には、環状溝部13と鍔部21の間の所定位置にリング
収納溝14が形成されていたが、図4に示す第2実施例
の接続構造2の場合、円筒部先端11aと鍔部21の間
の所定位置(例えば円筒部先端11aから鍔部21まで
の3分の2程度の位置)に環状溝部83が形成されてお
り、円筒部先端11aとその環状溝部83の間の所定位
置(例えば円筒部先端11aと環状溝部13との中間位
置)にリング収納溝84が形成されている。そして、そ
のリング収納溝84内にシールリング85が介装されて
いる。
【0057】このように、第2実施例の接続構造2にお
ける環状溝部83とリング収納溝84の位置関係は、第
1実施例の接続構造1における環状溝部13とリング収
納溝14の位置関係と丁度反対にされている。なお、そ
れ以外の構造は同じである。そして、この第2実施例の
接続構造2においても、図3に示すかしめ工具50を用
いて、かしめ部89(図4(b)参照)を形成すること
ができる。但し、この場合には、第1実施例の場合と環
状溝部83の位置が違うので、かしめ工具50のヘッド
部51,52の、かしめ刃部55,56周辺の部分を継
手10の鍔部21に当接させた状態でのかしめ刃部5
5,56の位置が、丁度、円筒部11に設けた環状溝部
83に対応する位置となるように設定しておくことが好
ましい。
【0058】以上説明した本第2実施例の接続構造2に
よれば、基本的には、上述した第1実施例の接続構造1
と同様の効果を発揮できる。但し、上述したように、第
2実施例の接続構造2では、環状溝部83とリング収納
溝84の位置関係が第1実施例の接続構造1における環
状溝部13とリング収納溝14の位置関係と丁度反対に
されていることによって、特有の効果があるので、それ
について説明する。
【0059】つまり、上述した第2実施例の接続構造1
の場合には、図1(b)に示すように銅管先端5a→シ
ールリング15→かしめ部9の順番となっているが、本
第2実施例の接続構造2の場合には、図4(b)に示す
ように銅管先端5a→かしめ部89→シールリング85
の順番となっている。このようにかしめ部89の方がシ
ールリング85よりも銅管先端5a側に配置されている
と、シールリング85の耐久性向上の点で有利である。
つまり、銅管先端5aからシールリング85の耐久性を
低下させるガスや流体そのほかの異物が侵入しようとし
た場合、リールリング85の手前にかしめ部89が存在
するため、そのかしめ部89によって異物侵入をある程
度防止できる。したがって、銅管先端5a側から侵入し
た異物がかしめ部9を経ないでシールリング15に至る
ような図1(b)に示す第1実施例の構造よりも、相対
的にシールリング85の耐久性が向上すると考えられ
る。 [その他]以上、本発明は上記各実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲におい
て種々なる形態で実施し得る。それらのいくつかを挙げ
ておく。
【0060】(1)上記各実施例では、円筒部11の環
状溝部13,83を、図1,4に示すように断面が半円
状の「U字溝」として形成したが、図5(a)に示すよ
うに、「V字溝」として形成した環状溝部113として
もよいし、あるいは図5(b)に示すように、断面台形
状の「台形溝」として形成した環状溝部213としても
よい。
【0061】(2)円筒部11の外周のリング収納溝1
4に収納するシールリング15についても、上記実施例
のOリングでなく、図5(a)に示すようなXリングそ
の他四角リングなど、シール機能を発揮する種々の形状
のものが採用可能である。また、シール状態をより確実
に得るため、例えば図5(b)に示すように、2つのシ
ールリング215a,215bを介装して二重のシール
構成とすること等、管と継手との接続構造における慣用
技術として適宜採用することができる。
【0062】(3)上記各実施例では、図1,4に示す
ように、継手10の内径は一定に形成されていた。つま
り、円筒部11と鍔部21、あるいは円筒部11におけ
る環状溝部13やリング収納溝14が形成されている部
分とそうでない部分との違いにかかわらず、内径が同じ
であったが、図5(c)に示すように、継手10の余分
な肉厚をカットしてもよい。つまり、円筒部11の先端
11aの部分や環状溝部13から鍔部21に移行する部
分などにおいて、肉厚をカットしている。
【0063】(4)上記実施例では、金属管の一例とし
ての銅管の場合で説明したが、銅管に限定されず、他の
金属製の管でも同様に適用できる。つまり、銅管をはじ
めとして比較的軟らかい金属製の管の場合には、上記実
施例の切断工具30やかしめ工具50を作業者が用いて
手作業で行なうことができるし、比較的硬い金属製の管
の場合には、例えば油圧駆動の切断装置やかしめ装置を
用いればよい。
【0064】(5)また、かしめ工具50について言え
ば、図3に示した構成では、かしめ刃部55,56が2
つの円弧状の刃で構成され、その円弧の弦の部分が直角
になるように配置されていたため、ヘッド部51,52
が閉じた状態においては、4つの円弧状の刃が90度お
きに位置することとなり、かしめ刃部55,56に囲ま
れた方形状の孔が形成されていた。しかし、それ以外に
も、例えば図6(a),(b)に示すような構成を採用
することができる。
【0065】まず、図6(a)に示すかしめ工具150
の構成は、図3に示したかしめ工具50ではかしめ刃部
55,56を円弧状の刃で構成していたが、その部分が
三日月状の刃に替わったものである。つまり、ヘッド部
51,52が閉じた状態において4つの三日月状の刃が
四方を囲むように位置し、かしめ刃部155,156に
囲まれた孔は、正方形の各辺の中央付近が外側に膨らん
だような形状とされている。
【0066】また、図3に示したかしめ工具50では、
かしめ刃部55,56をそれぞれ2つずつの円弧状刃で
構成したのに対して、図6(b)に示すかしめ工具25
0のかしめ刃部255,256は3つの円弧状の刃で構
成されており、その隣接する円弧の弦の部分が120度
になるように配置されている。したがって、かしめ刃部
255,256に囲まれた孔は、正6角形の孔の形状と
されている。
【0067】もちろん、これらには限定されず、例えば
8角形の孔の形状となるように設定してもよいし、それ
以外の形状でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の銅管と継手の接続構造を示し、
(a)はかしめ前、(b)はかしめ後を示す断面図であ
る。
【図2】 第1実施例の銅管と継手とを接続する際の作
業手順を示す説明図である。
【図3】 実施例のかしめ工具の説明図である。
【図4】 第2実施例の銅管と継手の接続構造を示し、
(a)はかしめ前、(b)はかしめ後を示す断面図であ
る。
【図5】 別実施例を説明するための断面図である。
【図6】 かしめ工具の別実施例を説明するための断面
図である。
【図7】 シールリングと環状溝部の位置関係による機
能の違いを説明する部分断面図である。
【図8】 従来の銅管と継手との接続構造を示す部分断
面図である。
【符号の説明】
1,2…接続構造 5…銅管 5a
…先端 7…拡径部 9,89…かしめ部 10…継
手 11…円筒部 11a…先端 13,83,113,213…環状溝部 14,8
4…リング収納溝 15,85,115,215a,215b…シールリン
グ 21…鍔部 23…テーパ溝部 30…
切断工具 31…切断刃 33…管保持ローラ 40…
拡径工具 41…ヘッド部 50,150,250…
かしめ工具 55,56,155,156,255,256…かしめ
刃部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端から軸方向に所定距離までの部分が
    拡径された金属管を、継手に嵌めて接続する構造であっ
    て、 前記継手は、 前記金属管の拡径部に対応する外径を有する円筒部と、 前記円筒部先端から前記金属管の拡径部に対応する所定
    距離の位置に設けられた鍔部と、 前記円筒部先端と前記鍔部の間の所定位置において前記
    円筒部外周に形成された環状溝部と、 前記環状溝部と前記鍔部との間の所定位置において前記
    円筒部外周に形成されたリング収納溝と、 前記リング収納溝内に介装されたシールリングとを備え
    ており、 前記継手の円筒部に、前記金属管の拡径部を、その拡径
    部の先端が前記鍔部に当接する位置まで外嵌させ、さら
    に前記環状溝部を覆っている前記金属管の拡径部を当該
    環状溝部内へかしめることによって前記継手と金属管と
    を固着させたことを特徴とする金属管と継手の接続構
    造。
  2. 【請求項2】 先端から軸方向に所定距離までの部分が
    拡径された金属管を、継手に嵌めて接続する構造であっ
    て、 前記継手は、 前記金属管の拡径部に対応する外径を有する円筒部と、 前記円筒部先端から前記金属管の拡径部に対応する所定
    距離の位置に設けられた鍔部と、 前記円筒部先端と前記鍔部の間の所定位置において前記
    円筒部外周に形成された環状溝部と、 前記円筒部先端と前記環状溝部との間の所定位置におい
    て前記円筒部外周に形成されたリング収納溝と、 前記リング収納溝内に介装されたシールリングとを備え
    ており、 前記継手の円筒部に、前記金属管の拡径部を、その拡径
    部の先端が前記鍔部に当接する位置まで外嵌させ、さら
    に前記環状溝部を覆っている前記金属管の拡径部を当該
    環状溝部内へかしめることによって前記継手と金属管と
    を固着させたことを特徴とする金属管と継手の接続構
    造。
  3. 【請求項3】 前記継手は、前記鍔部の付け根部分にお
    いて、前記円筒部の先端から遠ざかる方向へ断面テーパ
    状に形成されたテーパ溝部を備えており、 前記継手の円筒部に前記金属管の拡径部を外嵌する際、
    前記金属管の先端が前記鍔部付け根部分のテーパ溝部内
    に挿入される位置まで嵌めたことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の金属管と継手との接続構造。請求項1に
    記載の金属管と継手との接続構造。
  4. 【請求項4】 前記金属管は、所定長さに切断された
    後、その先端から軸方向に所定距離までの部分が拡径装
    置によって拡径されて構成されたものであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属管と継手と
    の接続構造。
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