JPH11141516A - ワンウェイファスナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的弱い打撃力でファスナの固定を行える
こと、本体を差込んだ状態で、二つの物品同士が本体を
基点に回動することなく固定され、その状態で、ピンの
打込み作業を行えることなど。 【解決手段】 フランジ２の先端に一体に設けられ、複
数のスリット５を介して拡径可能な筒状のファスナ本体
１と、フランジ２の端面に開けられた開口より本体１内
部に圧入されることで、本体１の先端を拡開させるピン
３とからなり、ピン３の圧入状態で、本体１が挿通され
た二つの部材９，１０同士を、フランジ２と本体１との
拡開部分とにより挟持固定するもので、本体１のフラン
ジ２との接合基部外周に、ローレット６を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、薄板などの部材同
士をピン接合により連結するためのワンウェイファスナ
（以下ファスナと略称する）の改良に関する。

【０００２】

【背景技術】先に本出願人は、薄板同士のピン接合に好
適なファスナを開発した。このファスナは、フランジの
先端に一体に設けられ、三つのスリットを介して拡径可
能な筒状のファスナ本体と、フランジ端面に開けられた
開口より前記ファスナ本体の内部に圧入されることで、
前記ファスナ本体の先端を拡開させるピンとからなり、
ピンの圧入状態で、ファスナ本体外周に挿通された二つ
の部材同士を、前記フランジとファスナ本体との拡開部
分とにより挟持固定するものであり、ファスナ本体を二
つの部材に挿通し、ピンを本体に差込み、ハンマーで打
撃することにより本体が裏側の部材の周縁を基点として
拡開し、この拡開端とフランジとの間で強固に物品を固
定する。従って、このファスナにあっては、裏面側が確
認できない薄板同士の接合に好適である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ファスナにあっては次に述べる実用上の各種課題があっ
た。まず、前記本体及びフランジは、金属を鍛造などプ
レス成形などによって一体に形成されるものであるた
め、スリットが三つでは、ファスナが塑性変形しにく
く、ピンの打込みに際しては、打撃力を相当多く必要と
し、高所でハンマーを振りながら固定を行う作業などの
場合には危険であった。

【０００４】次に、例えば互いに交叉している二つの物
品をファスナで固定する場合、互いに回転しないように
する必要があるが、従来のファスナでは、完全に先端が
開ききらないと回転止ができず、固定作業中に位置ずれ
を生ずる場合があるため、作業が面倒となっていた。次
に、作業位置によっては、上側にファスナを差込んで固
定する必要があるが、ピンをたたき込むまで、ファスナ
を保持しながらピン打ち作業を行わなければならず、同
じく作業が繁雑となる原因となっていた。

【０００５】次に、接合しようとする部材の下穴径が各
種ある場合には、本体を大きく変形しなければならない
が、この変形しろは、ピンの径などで固定されているた
め、下穴径に制限を受け、その下穴にあった径のファス
ナを複数用意しなければならなかった。次に、本体に打
込まれたピンは、摩擦嵌合により本体に保持され、この
状態で本体の変形状態を保持するが、摩擦力が弱い場合
には、抜出る場合も懸念され、また一旦ピンが抜出され
ると、本体による二つの物品間の固定力は低下する。

【０００６】本発明の目的は、比較的弱い打撃力でファ
スナの固定を行えること、本体を差込んだ状態で、二つ
の物品同士が本体を基点に回動することなく固定され、
その状態で、ピンの打込み作業を行えること、下穴径の
異なる物品同士に十分に適合して固定を行えること、及
びピンの打込み完了状態では構造的に抜け止されること
によって、ピンの脱落を防止できるようにしたワンウェ
イファスナを提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のワンウェイファ
スナは、フランジの先端に一体に設けられ、複数のスリ
ットを介して拡径可能な筒状のファスナ本体と、フラン
ジ端面に開けられた開口より前記ファスナ本体の内部に
圧入されることで、前記ファスナ本体の先端を拡開させ
るピンとからなり、ピンの圧入状態で、ファスナ本体が
挿通された二つの部材同士を、前記フランジとファスナ
本体との拡開部分とにより挟持固定するようにしたワン
ウェイファスナにおいて、前記ファスナ本体のフランジ
との接合基部外周に、ローレットを形成したことを特徴
とする。

【０００８】従って、本発明によれば、本体の差込み時
に、外周ローレットに部材の下穴が噛み込み、固定され
る。また本発明において、スリットが四本であることに
より、従来の三本よりもピンを打込むときに塑性変形し
易くなり、作業性が向上する。さらに本発明において、
前記ローレットの軸方向長さが、接合しようとする二つ
の物品の合計厚みより長いことにより、本体の差込み時
に、外周ローレットに二つの物品の下穴が噛み込み、回
り止めされる。

【０００９】さらに、本発明では、スリットのうち少な
くとも一対のスリットには、その一端をスリットの基部
に開口された穴に挿通固定される略Ω形の線細工バネを
配置し、かつ線細工バネの両側膨出部分が、前記ファス
ナ本体の外周径より大きいことにより、部材の下穴に本
体を差込んだ後は、バネの膨出端によって本体は物品に
仮固定される。またさらに、本発明では、ファスナ本体
及びフランジは、ともに前記スリットにより複数分割さ
れ、かつファスナ本体の外周に嵌合された弾性リングに
より一体に結合されていることにより、ピンの太さを選
択することで、各種下穴径に適合した固定作業を行うこ
とができる。

【００１０】さらにまた、本発明では、フランジ端面に
は、ピンの頭部が嵌合される嵌合溝及びその周囲に放射
状に複数の拡開用スリットが形成され、かつ嵌合溝の内
周部はく字型をして内側に拡開されているとともに、前
記ピン頭部の外形を前記嵌合溝の内周形状に応じたく字
型断面としたことにより、ピン頭部を一旦溝内に嵌合し
た状態では、構造的に抜け止めされ、ピンの脱落、及び
これに伴う本体の締結力低下を未然に防止できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図１〜
図３は、本発明の第一の実施形態を示す。まず図１，２
において、ファスナは軟鉄などを鍛造などのプレス成形
によって形成したもので、筒状のファスナ本体１と、本
体１の後端に一体に形成されたフランジ２と、フランジ
２側より、ハンマーなどの打撃により圧入されるピン３
とからなっている。本体１には、その内筒部に先端が縮
径したピン打込み孔４が形成され、その後端をフランジ
２側に開口させている。

【００１２】また、ファスナ本体１にはピン打込み孔４
に連通する四つのスリット５が９０度間隔で放射状に形
成され、その拡開支点となる基部は、フランジ２との接
合基部近傍まで延長されている。さらに、本体１とフラ
ンジ２との接合基部外周には多数のローレット６が突出
形成されている。このローレット６の長さは、少なくと
も互いに接合する二つの物品の合計板厚より大きく形成
される。なお、各スリット５の基部はローレット６の先
端よりややフランジ２よりの位置となっている。

【００１３】ピン３は、本体１の長さ及びフランジ２の
厚みの合計値とほぼ等しい長さであって、ピン打込み孔
４の内径と同等かこれよりも若干大きな内径の中実な筒
部７と、筒部７の後端に一体化された頭部８とから構成
されており、筒部７の先端をピン打込み孔４の先端径に
応じてテーパ状としてある。

【００１４】次に以上の構成のファスナを用いた部材同
士の接合手順を図３を用いて説明する。まず、図３
（ａ）に示すように、以上のファスナの本体１を部材９
に挿通固定する。この部材９の下穴径は、本体１の外径
より大きく、ローレット６の外径より小さく設定されて
おり、ハンマーなどで打撃を加えてたたき込むことで、
部材９の下穴周縁はローレット６の凹凸に応じて塑性変
形しつつ本体１を挿入し、フランジ２により差込み位置
が規制される。なお、この作業は、実際の施工現場で行
っても良いし、工場出荷時にアッセンブリしてもよく、
打込み後は、ローレット６による塑性変形に応じたかし
めつけ効果により取付状態のまま現場に搬送することが
できる。

【００１５】次いで図３（ｂ）に示すように、固定対象
となる相手側の部材１０に本体１を挿入する。この部材
１０の下穴も前記と同様に、本体１の外径とローレット
６の外径の中間であり、同じくハンマーにより打撃を加
えることによって図示のごとく部材９，１０同士は重ね
合される。また、部材９，１０の合計厚みｔ１＋ｔ２は
ローレット６の長さｌよりも小さく設定されている。従
って以上の作業後は、部材９，１０同士は、ローレット
６の凹凸により回り止めされ、その後は一定の交叉角度
を保った状態で取扱うことができる。

【００１６】次いで、（ｃ）に示すように、ハンマー１
１によりピン３を打撃しつつ圧入することにより、ピン
３の先端は各スリット５を基点にピン打込み孔４の先端
縮径部を拡開させつつ圧入され、圧入完了状態で頭部８
がフランジ２の後端に当接し、連結作業を完了する。な
お、拡開支点となるスリット５の基部が前述のごとくロ
ーレット６の間に入り込んでいることにより、ローレッ
ト６の先端側も拡開方向に曲り、相手側部材１０に対す
る食いつき効果を増した状態で部材９，１０同士を一体
的に接合する。

【００１７】本実施形態では、スリット５が四つ形成さ
れていることにより、塑性変形し易くなり、従来に比べ
てピン３の打撃時における力が半減され、作業が簡単に
なるほか、製造時において、直交してスリットを形成す
ればよいため、割出し作業が従来の１２０°間隔に比べ
て簡単であり、製造も簡素化される。

【００１８】図４〜図７は、本発明の第二実施形態を示
すものである。なお、本実施形態では、基本的に第一実
施形態と同様であるので、本実施形態以降は、同一部分
に同一符号を付し、異なる部分、あるいは新たに付加さ
れた部分にのみ異なる符号を用いて説明する。同図４，
５に示すファスナは、仮止手段を設けたもので、その基
本構成は、前記と同様、筒状のファスナ本体１と、本体
の後端に一体に形成されたフランジ２と、フランジ２側
より、ハンマーなどの打撃により圧入されるピン３とか
らなっており、四つのスリット５、外周ローレット６も
備えている。

【００１９】以上に加え、一対のスリット５には、線細
工バネ２０を配置してある。このバネ２０は、略Ω形に
形成されたバネ部２１と、バネ部２１の両端に延長され
た一対の脚部２２，２３とを備えたもので、一方の脚部
２２は他方２３よりも長く、その先端を一方のスリット
５の底部に形成された取付穴２４に圧入嵌合し、他方２
３を自由端としている。そして、本体１に対する取付状
態で、バネ部２１の両側膨出部分は、前記本体１の外周
に所定の幅Ｗで拡縮可能に突出している。

【００２０】従って、本体１を部材の下穴に嵌合すれ
ば、バネ部２１を縮径しつつ挿入できる。また嵌合状態
ではバネ部２１が元の状態に弾性復帰し、下穴径より大
きく膨出し、これによって本体１を部材に仮固定でき
る。この構造を備えたファスナは、特に上向き、あるい
は固定までの姿勢が不安定な状態下における固定作業に
適している。図６、７は、部材として例えば軒天吊り金
具２５を相手側部材であるＣチャンネル材からなる屋根
母屋材２６に取付固定する場合の事例を示している。

【００２１】まず、図６に示すように、軒天吊り金具２
５に対してはハンマーなどによりローレット６を食込ま
せて、その下穴２５ａに嵌合するか、あるいは図７
（ａ）に示すように、バネ部２１によって遊嵌状態に固
定しておくこともできる。この状態で、図７（ｂ）に示
すように、母屋材２６の下穴２６ａに本体１を嵌合し、
貫通させれば、これ以後はバネ部２１の保持力により吊
り金具２５及び本体１とも吊下状態に仮固定され、その
後は放置しても脱落することはない。従って、この状態
でピン３を打込めば、前記第一の実施形態と同様に、本
固定がなされ、吊り金具２５を母屋材２６に強固に接合
できる。それ故、本実施の形態では、特に上向きの作業
や、不安定な場所での部材同士の締結作業に好適であ
る。

【００２２】図８〜図１０は、本発明の第三の実施形態
を示す。本実施の形態では、下穴径の異なる部材の取付
に適用した汎用タイプのファスナであって、まず、図
８，９に示すように、本体３０及びフランジ３１はスリ
ット３２によって独立して四分割された部材の集合であ
る。本体３０の外周部には溝３３が形成され、この溝３
３内にはプラスチック弾性リング、あるいはゴム製のＯ
−リングなどの弾性リング３４がはめつけられ、本体３
０及びフランジ３１を一体に結束している。

【００２３】以上の本体３０の内筒部には、図示しない
が、前記実施形態と同形状のピン打込み孔が形成されて
いる。また、本体３０に打込まれるピン３５は前記実施
形態と同じ長さであって径の異なる複数の筒部３６ａ，
３６ｂ・・・（図では二種類のみ開示されている）と、
筒部の後端に一体化された頭部３７とからなっており、
各ピン３５の筒部径は固定しようとする部材３８の下穴
形状に応じた径のものを自由に選択できるようになって
いる。次に以上の構成のファスナの取付手順を図１０を
用いて説明する。まず、図１０（ａ）に示すように、弾
性リング３４によって本体１は縮径状態で部材３８の下
穴３８ａに挿通される。

【００２４】次いで、図１０（ｂ）に示すように、ピン
３５を圧入すると、スリット３２はピン３５の径に応じ
て開く。次いで、相手側部材３９の下穴３９ａに本体３
０挿通し、図１０（ｂ）に示すように、ハンマー１１で
打撃すれば、前記実施形態と同様に、ピン打込み孔が開
き、本体３０は拡開して両部材３８，３９を締結するこ
とになる。

【００２５】本実施形態では、下穴径が異なる場合に
は、同一の本体であっても打込むピンの径を下穴に応じ
て交換することにより、各種下穴径の部材の締結に適用
でき、汎用性が向上する。なお、本実施形態では外周ロ
ーレットを省略したが、付加することもできることは勿
論である。

【００２６】図１１〜図１３は、本発明の第四の実施形
態を示す。本実施形態はピンの抜け防止を図ったもの
で、図１１，１２に示すように、本体４０の内筒部に
は、前記各実施形態と同様、ピン打込み孔４１が形成さ
れ、その周囲に四つのスリット４２を設けている。これ
に対し、本体４０の後端に一体化されたフランジ４３に
は、前記ピン打込み孔４１の後部開口端と同心状であっ
て、断面がく字型をして内側が拡径したピン頭部嵌合溝
４４を形成するとともに、この嵌合溝４４の周囲には放
射状をなして外周部に連通する四つの拡開用スリット４
５を形成している。

【００２７】さらに、ピン４６の頭部４７は、前記嵌合
溝４４の内径に対応して、外周が扁平な算盤玉断面に形
成されている。前記スリット４５は、頭部４７が嵌合溝
４４に圧入される際に、溝周縁を拡径させるために設け
たものであって、図１３（ａ）に示すように、本体４０
を部材４８，４９に挿通し、ピン４６を打込み孔４１に
挿通し、しかる後、図１３（ｂ）に示すように、ハンマ
ー１１で部４７を打撃すれば、嵌合溝４４はスリット４
５を開きつつ頭部４７をその内部に嵌合する。

【００２８】なお、この状態のままでは嵌合溝４４の縁
が開いたままなので、図１３（ｃ）に示すように今度
は、縁の周縁をハンマー１１で打撃することで、縁は平
坦化され、ボルト頭部４７を完全に嵌合溝４４内に埋設
した状態となり、ピン４６の抜け止めがなされる。従っ
て、本実施形態では、ピンを打込んだ状態では構造的な
抜け止めがなされるため、摩擦のみによる場合に比べ、
ピンの抜け及びこれに伴う締結力低下を未然に防止でき
る。なお、以上の実施形態では、外周ローレットを省略
したが、付加することもできることは勿論である。

【００２９】

【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明によるワンウェイファスナによれば、以下に述べる各
種効果がある。 ローレットによる部材に対するかしめつけ効果によ
り、部材に固定できる。 スリットを四つとすることで、ピン打込み持に塑性変
形し易く、従来よりさらに作業が簡単となるほか、スリ
ットの割出しが簡単で生産が簡単である。 ローレットが相手部材に噛み込むことで回り止め効果
が生じ、相対回転などによる取扱性難を改善できる。

【００３０】仮固定用のバネを設けることで、不安定
な作業現場での取扱性を改善できる。 本体を四分割し、弾性リングで緊結することで、各種
下穴形状に対応でき、汎用性が増す。 ピン頭部の抜け止め手段を設けることで、ピン抜けに
よる締結力低下を未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施形態によるファスナの正面及
び側面図である。

【図２】同斜視図である。

【図３】（ａ）〜（ｃ）は同ファスナの取付手順を示す
説明図である。

【図４】本発明の第二実施形態によるファスナの斜視図
である。

【図５】同正面及び側面図である。

【図６】同ファスナの取付形態を示す斜視図である。

【図７】（ａ），（ｂ）は同取付手順を示す説明図であ
る。

【図８】本発明の第三実施形態によるファスナの分解斜
視図である。

【図９】同組立状態を示す斜視図である。

【図１０】（ａ）〜（ｃ）は同ファスナの取付手順を示
す説明図である。

【図１１】本発明の第四実施形態によるファスナの断面
図である。

【図１２】同ファスナの斜視図である。

【図１３】（ａ）〜（ｃ）は同ファスナの取付手順を示
す説明図である。

【符号の説明】

１，３０，４０ ファスナ本体 ２，３１，４３ フランジ ３，３５，４６ ピン ４，４１ ピン打込み孔 ５ スリット ６ ローレット ７ 筒部 ８ 頭部 ９，１０，２５，２６ 部材 ２０ 線細工バネ ２１ バネ部 ３４ 弾性リング ４４ 頭部嵌合溝 ４５ 拡開用スリット ４７ 頭部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フランジの先端に一体に設けられ、複数
   のスリットを介して拡径可能な筒状のファスナ本体と、
   フランジ端面に開けられた開口より前記ファスナ本体の
   内部に圧入されることで、前記ファスナ本体の先端を拡
   開させるピンとからなり、ピンの圧入状態で、ファスナ
   本体が挿通された二つの部材同士を、前記フランジとフ
   ァスナ本体との拡開部分とにより挟持固定するようにし
   たワンウェイファスナにおいて、 前記ファスナ本体のフランジとの接合基部外周に、ロー
   レットを形成したことを特徴とするワンウェイファス
   ナ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のワンウェイファスナに
   おいて、前記スリットは、四本であることを特徴とする
   ワンウェイファスナ。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載のワンウェイフ
   ァスナにおいて、前記ローレットの軸方向長さが、接合
   しようとする二つの部材の合計厚みより長いことを特徴
   とするワンウェイファスナ。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載のワンウ
   ェイファスナにおいて、前記スリットのうち少なくとも
   一対のスリットには、その一端をスリットの基部に開口
   された穴に挿通固定される略Ω形の線細工バネを配置
   し、かつ線細工バネの両側膨出部分が、前記ファスナ本
   体の外周径より大きいことを特徴とするワンウェイファ
   スナ。
5. 【請求項５】 フランジの先端に一体に設けられ、複数
   のスリットを介して拡径可能な筒状のファスナ本体と、
   フランジ端面に開けられた開口より前記ファスナ本体の
   内部に圧入されることで、前記ファスナ本体の先端を拡
   開させるピンとからなり、ピンの圧入状態で、ファスナ
   本体が挿通された二つの部材同士を、前記フランジとフ
   ァスナ本体との拡開部分とにより挟持固定するようにし
   たワンウェイファスナにおいて、 前記ファスナ本体及びフランジは、ともに前記スリット
   により複数分割され、かつファスナ本体の外周に嵌合さ
   れた弾性リングにより一体に結合されていることを特徴
   とするワンウェイファスナ。
6. 【請求項６】 フランジの先端に一体に設けられ、複数
   のスリットを介して拡径可能な筒状のファスナ本体と、
   フランジ端面に開けられた開口より前記ファスナ本体の
   内部に圧入されることで、前記ファスナ本体の先端を拡
   開させるピンとからなり、ピンの圧入状態で、ファスナ
   本体が挿通された二つの部材同士を、前記フランジとフ
   ァスナ本体との拡開部分とにより挟持固定するようにし
   たワンウェイファスナにおいて、 前記フランジ端面には、ピンの頭部が嵌合される嵌合溝
   及びその周囲に放射状に複数の溝拡開用スリットが形成
   され、かつ嵌合溝の内周部はく字型をして内側に拡開さ
   れているとともに、前記ピン頭部の外形を前記溝の内周
   形状に応じたく字型断面としたことを特徴とするワンウ
   ェイファスナ。