JPH11141273A - 地山固結用樹脂材料の吐出装置およびそれを用いた地山固結方法 - Google Patents

地山固結用樹脂材料の吐出装置およびそれを用いた地山固結方法

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JPH11141273A
JPH11141273A JP30384197A JP30384197A JPH11141273A JP H11141273 A JPH11141273 A JP H11141273A JP 30384197 A JP30384197 A JP 30384197A JP 30384197 A JP30384197 A JP 30384197A JP H11141273 A JPH11141273 A JP H11141273A
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Hirotoshi Oshikawa
広利 押川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置コストおよび重量の低減と併せて、装置
の組立て作業工数をもまた低減させる。 【解決手段】 複数の貫通孔4を有する筒体3内に、複
数本の吐出パイプ5,6,7を配設したものであり、吐
出パイプ5,6,7の相互を、先端を順次ステップ状に
位置させて固定し、各吐出パイプ5,6,7に、液体の
移送通路および、液体を混合するミキサ10,11,1
2のそれぞれを設け、吐出パイプ5,6,7のミキサ間
部分および、最も後方側に位置するミキサ12より後方
部分のそれぞれに、吐出パイプ5,6,7が貫通するそ
れぞれの袋状部材13,14,15を配設し、各袋状部
材内へ前記液体の少なくとも一方を供給する充填口1
8,19,20を、袋状部材13,14,15に貫通し
て、その袋状部材に最も近接して位置するミキサ10,
11,12を具える吐出パイプ5,6,7に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえばトンネ
ルの掘削等に当たって崩落のおそれのある軟弱な地山
を、そこへの二液反応型の樹脂材料の浸透硬化によって
堅牢な地山に改質するに用いて好適な、地山固結用樹脂
材料の吐出装置およびそれを用いた地山固結方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、実公平7−2778号公報、
特開平7−997号公報、特開平7−48997号公報
等に開示されているように、軟弱地山、破砕地山等の地
層帯でのトンネル掘削に当たり、トンネルの切羽先端
で、天盤に複数個の孔を穿設し、各孔内へ注入した樹脂
材料を地山に浸透させて硬化させることで天盤を固結強
化することは従来から広く一般に行われている。
【0003】しかるに、この技術では、天盤に斜め前方
に向けて穿設されて、トンネルの正面視でほぼ放射状に
延びる比較的浅い深さのそれぞれの孔内へ各一本の吐出
パイプを装入して樹脂液を注入していることから、一回
の固結作業工程によって固結される、トンネル掘削方向
の範囲が狭いという不都合があった。
【0004】そこで、一回の固結作業工程にて固結され
る、トンネル掘削方向の範囲を十分大ならしめるべく、
特開平7−987号公報、特開平7−988号公報に開
示されているように、地山のトンネル掘削予定面の外周
に沿って、たとえば、30m程度の長さの周壁穿孔長尺
管の複数本を地山の奥部に向かってほぼ水平に埋設した
状態の下で、その長尺管内へ、長手方向に所定間隔で設
けた隔壁により内部が複数の空間に区切られ、上記内部
を長手方向に延びる複数の吐出管のそれぞれの先端が、
複数の空間のそれぞれに開口している周壁孔あき中管を
挿嵌固定し、この状態で、中管内の吐出管の先端開口か
ら固結用薬液を吐出して上記各空間内に充満させたの
ち、その固結用薬液を、中管の周壁孔を経由して長尺管
周壁の孔から長尺管外周の地山内に浸透硬化させて、長
尺管、中管内および長尺管外周の地山に固結領域を形成
すること、および、前記長尺管内へ、長手方向に所定間
隔で袋体が設けられ、かつ周壁に穿設された孔部によっ
て上記袋体と内部とが連結している隔壁形成管を挿入す
るとともに、上記隔壁形成管の隣合った2個の袋体の間
にそれぞれ先端開口を位置決めするようにして複数の吐
出管を挿入し、上記隔壁形成管内に膨張硬化性薬液を圧
入し、これを上記袋体内に吐出し硬化させることにより
上記長尺管内に膨張した上記袋体からなる複数の隔壁を
形成し、その状態で、上記複数の吐出管の先端開口から
固結用薬液を吐出して上記複数の隔壁で区切られる各空
間内に充満させたのち、その固結用薬液を長尺管の周壁
孔から長尺管外周の地山内に浸透硬化させ、上記長尺管
内および長尺管外周の地山に固結領域を形成することが
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの提案技術によ
れば、トンネルの掘削方向の広い範囲にわたって地山に
固結領域を形成することが可能となるも、中管を用いる
前者の技術にあっては、中管の存在それ自体が地山の固
結のための装置の、コストの増加をもたらすことになる
他、隔壁および吐出管を予め組み込んだその中管を長尺
管に挿嵌固定することが作業工数の増加をもたらすこと
になる問題があり、しかも、中管内での、固結用薬液の
固結領域が、各個の隔壁によって前後に分離されること
になって、その固結領域の、中管内での均一性が損なわ
れるため、中管の長さ方向での固着強度のばらつきが不
可避となるという問題もあった。
【0006】また、隔壁形成管および複数の袋体を用い
る後者の技術にあっては、その隔壁形成管が、装置コス
トおよび作業工数の増加をもたらし、加えて、前記袋体
に充填した膨張硬化性薬液がそれの硬化によって、長尺
管内に上記隔壁と同様の隔壁を形成することになるた
め、その隔壁が、先に述べたとほぼ同様の問題をもたら
していた。
【0007】この発明は、地山を、トンネル等の掘削方
向に広い範囲にわたって固結させる場合のこのような問
題点を解決することを課題として検討した結果なされた
ものであり、それの目的とするところは、長尺管の他
に、中管、隔壁形成管等を用いることに起因する、装置
コストおよび作業工数の増加をもたらすことがなく、ま
た、長尺管内への吐出樹脂材料をその長尺管の全長にわ
たってほぼ一様に硬化させることで、長尺管内等に、前
述したような独立した隔壁を形成する場合における、固
結領域の不均一性が地山内の応力集中をまねき、そこか
らトンネルの部分的崩壊が生じるというような問題の発
生のおそれを十分に除去することができる、地山固結用
樹脂材料の吐出装置およびそれを用いた地山固結方法を
提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の、地山固結用
樹脂材料の吐出装置は、周壁に複数の貫通孔を有する長
尺管としての筒体内に、複数本の吐出パイプを配設した
ものであり、複数本の吐出パイプの相互を、それらのそ
れぞれの先端を順次ステップ状に位置させて固定すると
ともに、各吐出パイプに、二液反応型の樹脂材料とする
ことができる二種類の液体を移送する通路および、パイ
プ先端部分でそれらの両液体を混合するミキサのそれぞ
れを設け、吐出パイプ相互のミキサ間部分および、最も
後方側に位置するミキサより後方部分のそれぞれに、吐
出パイプが貫通するそれぞれの袋状部材を配設し、それ
らの各袋状部材を、それの膨満姿勢で、前記筒体の内周
面にその全周にわたって接触する寸法とし、また、各袋
状部材内へ前記液体の少なくとも一方を供給する充填口
を、袋状部材に貫通して、その袋状部材に最も近接して
位置するミキサを具える吐出パイプに形成したものであ
る。
【0009】また、この発明の地山固結方法は、周壁に
複数の貫通孔を有する筒体内に、複数本の吐出パイプ
を、それらの先端を順次ステップ状に位置させて配設
し、各吐出パイプの先端部分に設けたミキサを経て吐出
した二液反応型の樹脂材料を、筒体の貫通孔を経て地山
内へ浸透させて地山を固結させるに当って、前方側に位
置するミキサから樹脂材料を吐出するに先立ち、そのミ
キサを具える吐出パイプの中間部から少なくとも一方の
液体をを流出させて、その吐出パイプに取り付けた袋状
部材を、筒体の内周面にその全周にわたって接触するま
で膨満させ、次いで、前記ミキサから吐出された樹脂材
料を、袋状部材より前方側に封じ込めて地山内へ浸透さ
せ、その後、後方側に位置するミキサから同様の工程を
経て吐出した樹脂材料の同様の封じ込めにより、その樹
脂材料の地山内への浸透と併せて、前記袋状部材の圧潰
変形をもたらすのである。
【0010】ここで、袋状部材のこの圧潰変形は、樹脂
材料の吐出を既に終了している吐出パイプ内へ、袋状部
材に充填されている液体を押し戻すこと、袋状部材と、
それを取付けているパイプとの間の隙間から、袋内液体
を筒体内に押し出すこと等によって極めて円滑に行わ
れ、その圧潰変形により、袋状部材は吐出パイプの近傍
部分に片寄せられることになる。
【0011】そしてこのことは、袋状部材内へ、たとえ
ば二液反応型の両液体を流入させた場合であってもほぼ
同様であり、この場合には、それらの両液体は十分に攪
拌混合されずに袋状部材へ流入し、そこでの両液体の反
応(発泡)時間は、ミキサを経て吐出された樹脂材料の
それに比べてはるかに長くなるので、袋状部材内の液体
は、その袋状部材より後方側に位置するミキサから吐出
された樹脂材料の発泡圧力に基づき、それの十分な発泡
に先立って、前述したと同様に吐出パイプへ押し戻され
たり、筒体内へ押し出されたりすることになり、その結
果、袋状部材の円滑なる圧潰変形が実現されることにな
る。
【0012】このようにここでは、長尺管としての筒体
内に、地山固結用樹脂材料の固結に直接的に寄与する二
液反応型樹脂材料のための吐出パイプだけを配設するこ
とで吐出装置を構成することができ、先の提案技術でい
うような中管および隔壁形成管の配設が不要となるの
で、装置コストを有効に低減できることに加え、装置の
構成のための作業工数をもまた有効に低減させることが
でき、さらには、装置全体を軽量化できて作業性を向上
させることもできる。
【0013】またここでは、液体の充填によって膨満さ
せた袋状部材を、それが所要の機能を果たした後に圧潰
変形させて、筒体内でのそれの占有体積を十分小ならし
めることにより、最終的には、筒体内を二液反応型樹脂
材料、たとえば発泡ウレタン樹脂で、それの長さ方向の
全体にわたってほぼ均一に埋め込むことで、筒体の長さ
方向での樹脂強度を十分均等ならしめることができ、こ
の結果として、筒体に外力が加わった場合の強度の不均
等部分への応力集中を防ぎ、そこからのトンネル崩壊等
を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1は、この発明
の吐出装置の実施形態を示す要部断面図である。図中1
は地山を、2は、削岩機等を用いて地山1に形成した長
穴をそれぞれ示し、長穴2は、たとえば、トンネル掘削
予定面の外周に沿って、複数本形成され、30m程度の
長さにわたってほぼ水平に延在する。
【0015】また3は、長穴2内へ打ち込んだ、たとえ
ば鋼製の、長尺管として筒体を示し、多くは14mm程
度の内径を有するこの筒体2は、その周壁に複数個の貫
通孔4を有する。ここで貫通孔4は、筒体3の軸線方向
に間隔をおいた各位置で、周方向にも所定の間隔をおい
て複数存在する。
【0016】このような筒体1の内側に、複数本、図に
示すところでは三本の吐出パイプ5,6,7の相互を、
それらのそれぞれの先端を順次ステップ状に位置させた
姿勢で、金属バンドその他の拘束部材8,9をもって固
定した状態で配設する。ここで各パイプ5,6,7は、
二種類の液体、たとえば二液反応型樹脂の原材料を、た
とえば相互の分離下で、または分離させることなしに移
送する図示しない通路を有するとともに、パイプの先端
部分に、それらの原材料を接触混合させるミキサ、好ま
しくは、可動部を有しないスタティックミキサ10,1
1,12を有する。なおここにおいて、樹脂原材料の分
離移送通路の形成は、たとえば各パイプ5,6,7を内
外二重管構造とすること、一般的な中空パイプの内部を
中央隔壁をもって二分割すること等によって行うことが
できる。
【0017】またここでは、相互の拘束下にあるそれぞ
れの吐出パイプ5,6,7の、それぞれのスタティック
ミキサの間および、最も後方側に位置するミキサ12よ
り後方側のそれぞれの部分に、吐出パイプが貫通するそ
れぞれの袋状部材13,14,15を配設する。この袋
状部材13,14,15は、たとえば図2に示すよう
に、六角形状の平坦な縫製体16の中央部分に、吐出パ
イプ挿通用の非縫着貫通孔17を設けたものにて構成す
ることができ、かかる袋状部材13,14,15の所定
の位置への配設は、それの非縫着貫通孔17に貫通す
る、一本、二本もしくは三本の吐出パイプ5,6,7の
周面に、袋状部材13,14,15を、パイプ上の長さ
方向位置が変化しないように接着、締着、縫合等するこ
とによって行なうことができる。なお、このような各袋
状部材13,14,15は、それを、図1に示すような
配設状態の下にて膨満させた場合に、筒体1の内周面に
それの全周にわたって、好ましくは緊密に接触し得る寸
法を有する。ここで、各袋状部材13,14,15の取
付けに当たり、それと、それに貫通するパイプとの間に
若干の隙間が生じても、性能上の問題が生じることはな
い。
【0018】そしてさらには、各袋状部材13,14,
15の、上述のような膨満を所要に応じて実現すべく、
各袋状部材13,14,15に貫通して、その袋状部材
に最も近接して位置するスタティックミキサ10,1
1,12を具える吐出パイプ5,6,7の各一本に、袋
状部材の内側に開口して、樹脂材料をそこへ供給する
充填口18,19,20を設ける。
【0019】ここで、それぞれの吐出パイプ5,6,7
およびそれぞれの袋状部材13,14,15のこのよう
な配設姿勢の下では、筒体3に、それの軸線方向に間隔
をおいて形成したそれぞれの貫通孔4は、それぞれの袋
状部材13,14,15の前方側部分に位置することに
なる。
【0020】以上のように構成してなる吐出装置を用い
て地山1を長穴2の近傍部分で固結させるに当たって
は、はじめに、筒体内へ最も深く進入させた吐出パイプ
5に、たとえば、ウレタン樹脂原材料の二種類を加圧下
にて同時に供給し、それらの両原材料を、スタティック
ミキサ10の手前側位置に設けた充填口18から袋状部
材内へ流出させることによって、その袋状部材13を十
分に膨満させて、それを筒体3の内周面に、その全周に
わたって、好ましくは緊密に接触させ、これにより、袋
状部材13より前方側で筒体内に閉空間を画成する。
【0021】なおここで、袋状部材13のかかる膨満
は、ウレタン樹脂原材料のいずれか一方だけを袋状部材
内へ同様に供給することによって行うたともでき、ま
た、吐出パイプ5内へ二種類の樹脂原材料を、相互の分
離下にて同時に供給しつつ、一方の原材料だけを充填口
18から袋状部材13内へ流入させることによっても行
うことができ、この場合には、一方の原材料は、その大
部分もしくは全部が袋状部材13の膨満に寄与すること
になる。従って、他方の原材料がスタティックミキサ1
0を経て筒体内へ吐出されても、それに混合される一方
の原材料はほとんどもしくは全くなく、ウレタン樹脂原
材料の反応が実質的に進行しないので、ウレタン樹脂の
発泡硬化が、袋状部材13の膨満に先だって、その袋状
部材13の後方側部分まで進行するおそれはない。
【0022】このようにして袋状部分13が十分に膨満
することで、そこへの樹脂原材料のそれ以上の流入が不
能となった後は、吐出パイプ5に供給した二種類の樹脂
原材料の相互を、スタティックミキサ10にて十分に接
触混合させて吐出し、膨満させた袋状材料13より前方
側の閉空間内でのウレタン樹脂原材料の反応を進行させ
る。ここで、継続的な混合原材料の吐出および反応の進
行によって閉空間内圧が増加すると、その混合原材料
は、長穴2の端面の他、筒体3に設けた貫通孔4を経
て、地山1内へ、それの隙間、割れ目等を介して十分に
浸透し、そして硬化して地山1の固結強化をもたらす。
【0023】ところで、ここにおける混合原材料の吐出
は、たとえば、その混合原材料の反応速度等との関連に
おいて、吐出パイプ5内の、樹脂原材料の圧送圧力が所
定値に達してなお、その樹脂原材料の送給が進行しなく
なった時点を目処に停止することができる。
【0024】以上のようにして、筒体3の最先端の閉空
間を介した地山1の固結を終了した後は、次の吐出パイ
プ6に樹脂原材料を加圧供給して、そのパイプ6の充填
口19から流出する原材料をもって袋状部材14を十分
に膨満させ、続いて、その吐出パイプ6のスタティック
ミキサ11を経て混合原材料を吐出する。
【0025】これにより、混合原材料は、袋状部材14
と、先に膨満された袋状部材13との間の閉空間内で反
応を進行され、その閉空間内圧の増加に伴って、筒体3
の貫通孔4を経て地山1内へ十分に浸透されるととも
に、そこで硬化されて、地山1の所要の固結を実現す
る。
【0026】ところで、両袋状部材13,14間の閉空
間の圧力は当然に、先に膨満された袋状部材13にも伝
達されることになるも、その袋状部材13内に一種類の
原材料だけを充填したときには、そこでは原材料相互の
反応が進行せず、また、二種類の原材料を供給した場合
であっても、それらは十分に攪拌混合されておらず、反
応時間が極めて遅いことに加え、吐出パイプ5には最早
樹脂原材料の供給圧力が作用していないことから、袋状
部材13は、それの膨満状態のままにては閉空間圧力を
支持することができず、この結果として、その袋状部材
13内の原材料は、閉空間圧力の作用下で、吐出パイプ
5内へ押し戻されたり袋状部材13と吐出パイプ5との
間の隙間から筒体3内へ押し出されたりして、袋状部材
13それ自体は小さく圧潰変形されるので、その閉空間
内で反応し硬化した、たとえば発泡ウレタン樹脂は、筒
体1の最先端の閉空間内で反応硬化した発泡ウレタン樹
脂と一体的に連続することになる。
【0027】なお、袋状部材13のこのような圧潰変形
に当たり、それを、吐出パイプ5の側へ常に確実に圧潰
させるためには、袋状部材13の形状を、少なくとも圧
潰圧力が発生する閉空間側で、その圧力の作用に基づい
て半径方向内向きの分力が発生する傾斜面形状、テーパ
面形状等とすることが好ましい。
【0028】そして、その後における、さらなる吐出パ
イプ7からの混合原材料の吐出もまた上述したとほぼ同
様にして行うことができ、これによってもまた、地山1
の所期した通りの固結をもたらし、また、筒体1内に画
成されるそれぞれの閉空間の相互を一体的に連続させる
ことができる。
【0029】かくして、ここにおける吐出装置によれ
ば、装置の構造を簡単にして、装置コストおよび、装置
の組立工数をともに有利に低減させることができ、また
上述のような固結方法によれば、筒体1内に発泡ウレタ
ン樹脂をその全長にわたってほぼ均一に充満させて、樹
脂強度を十分均等ならしめることで、地山内の応力集中
を防ぎ、そこからのトンネル崩壊等を有効に防止するこ
とができる。
【0030】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明によれば、地山を、トンネルの掘削方向の
前方側に向けて十分長い範囲で固結強化するに当たり、
筒体以外の、中管、隔壁形成管等の特別の部材の使用が
全く不要となるので、吐出装置のコスト、重量等を低減
できるとともに、装置を組立てるに要する作業工数をも
また有効に低減させることができ、また、地山の固結に
際して、筒体内に吐出した樹脂をその全長にわたってほ
ぼ均一に反応硬化させて、樹脂強度を十分均等ならしめ
ることで、地山内の応力集中を防ぎ、そこからのトンネ
ル崩壊等を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明装置の実施形態を示す要部断面図である。
【図2】袋状部材の一形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 地山 2 長穴 3 筒体 4 貫通孔 5,6,7 吐出パイプ 8,9 拘束部材 10,11,12 スタティックミキサ 13,14,15 袋状部材 16 縫製体 17 非縫着貫通孔 18,19,20 充填口
フロントページの続き (72)発明者 押川 広利 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町797−47 (72)発明者 佐野 加寿恵 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町73 BSアパ ート1−105

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁に複数の貫通孔を有する筒体内に、
    複数本の吐出パイプを配設してなる吐出装置であって、 複数本の吐出パイプの相互を、それらのそれぞれの先端
    を順次ステップ状に位置させて固定するとともに、各吐
    出パイプに、二種類の液体を移送する通路および、パイ
    プ先端部分でそれらの両液体を混合するミキサのそれぞ
    れを設け、吐出パイプ相互のミキサ間部分および、最も
    後方側に位置するミキサより後方部分のそれぞれに、吐
    出パイプが貫通するそれぞれの袋状部材を配設するとと
    もに、各袋状部材を、それの膨満姿勢で、前記筒体の内
    周面にその全周にわたって接触する寸法とし、各袋状部
    材内へ前記液体の少なくとも一方を供給する充填口を、
    袋状部材に貫通して、その袋状部材に最も近接して位置
    するミキサを具える吐出パイプに形成してなる地山固結
    用樹脂材料の吐出装置。
  2. 【請求項2】 周壁に複数の貫通孔を有する筒体内に、
    複数本の吐出パイプを、それらの先端を順次ステップ状
    に位置させて配設し、各吐出パイプの先端部分に設けた
    ミキサを経て吐出した二液反応型の樹脂材料を、筒体の
    前記貫通孔を経て地山内へ浸透させて地山を固結させる
    に当たり、 前方側に位置するミキサから樹脂材料を吐出するに先立
    ち、そのミキサを具える吐出パイプの中間部から、少な
    くとも一方の液体を流出させて、その吐出パイプに取り
    付けた袋状部材を、前記筒体の内周面にその全周にわた
    って接触するまで膨満させ、次いで、前記ミキサから吐
    出された樹脂材料を、前記袋状部材より前方側に封じ込
    めて地山内へ浸透させ、その後、後方側に位置するミキ
    サから同様の工程を経て吐出した樹脂材料の同様の封じ
    込めにより、その樹脂材料の地山内への浸透と併せて、
    前記袋状部材の圧潰変形をもたらすことを特徴とする地
    山固結方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101906976A (zh) * 2010-07-12 2010-12-08 中铁四局集团第五工程有限公司 一种暗挖施工砂质围岩注浆加固方法
CN114561943A (zh) * 2022-03-13 2022-05-31 深圳市工勘岩土集团有限公司 对自由段后注浆的预应力锚杆杆体锚固施工方法
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