JPH11140387A - 半導体用接着剤成形体 - Google Patents

半導体用接着剤成形体

Info

Publication number
JPH11140387A
JPH11140387A JP32520497A JP32520497A JPH11140387A JP H11140387 A JPH11140387 A JP H11140387A JP 32520497 A JP32520497 A JP 32520497A JP 32520497 A JP32520497 A JP 32520497A JP H11140387 A JPH11140387 A JP H11140387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
semiconductor
weight
reactive functional
molded article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32520497A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Koshibe
茂 越部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP32520497A priority Critical patent/JPH11140387A/ja
Publication of JPH11140387A publication Critical patent/JPH11140387A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い寸法精度で接着可能であり、室温におい
ての長期保存性に優れており、かつ、例えば半導体デバ
イスの回路基板とチップ間等のような異種素材同志の衝
撃緩衝に優れ、更には応力緩和及び表面実装時の耐吸湿
半田熱衝撃性の改良に優れた半導体用接着剤成形体及び
半導体接着用媒体を提供する。 【解決手段】 (A)反応性官能基を有する熱可塑性エ
ラストマー、(B)熱可塑性エラストマー(A)の反応
性官能基と反応し得る官能基を持ち、かつ反応生成物に
柔軟性を付与し得る高分子物質、(C)熱可塑性エラス
トマー(A)の反応性官能基及び/又は高分子物質
(B)の反応性官能基と反応し得る官能基を有し、かつ
被接着体と化学的又は物理的に結合し得る分子構造を有
する物質、及び(D)50〜200℃の温度で反応を開
始せしめる開始剤を含む組成物から成る半導体用接着剤
成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な半導体用接
着剤成形体及び半導体接着用媒体に関し、更に詳しく
は、高密度表面実装タイプの半導体装置、とりわけチッ
プサイズパッケージ(CSP)に代表される複合構造軽
薄短小パッケージに使用される半導体用接着剤成形体及
び半導体接着用媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス産業は著しい発
展を遂げ、様々な電子機器が工場、オフィスあるいは家
庭で使用されるに至っている。これらの電子機器は、小
型で高性能で、しかも低価格であることが必要とされ
る。
【0003】かかる要求に対応するため、半導体素子の
高集積化及びパッケージの小型化が進行している。一
方、基板搭載方法は表面実装へと移行しつつあるが、表
面実装においては、半導体全面が半田溶融温度まで上昇
するため、半田付け時に半導体素子に加わる応力は非常
に大きなものとなる。更に、半導体を封止する樹脂組成
物等に水分が含まれていると、半田による高温のために
水分が気化して高い圧力を発生し、それが半導体装置の
機能を不十分なものとするばかりでなく、半導体装置を
破壊する原因にもなっている。こうした背景から、半導
体装置の信頼性を飛躍的に高める技術が強く要求されて
いる。
【0004】半導体に対する、小型で高性能でしかも低
価格の要求に応ずるべく、半導体ベアチップを基板に直
接取り付ける、いわゆるフリップチップ・ボンディング
といわれる加工法がある。従来の半導体装置の加工法の
主流であったワイヤーボンディングに比較して、フリッ
プチップ・ボンディングは製品即ち半導体装置を小型に
し得るという特徴を有している。高密度の実装を行うた
めには、基板上の配線密度を高密度にする必要がある。
この点、電極を面上に配置したチップサイズパッケージ
は、通常の配線密度により、ほぼ実装面積をチップ単体
とほぼ同等にできるメリットがある。
【0005】一方、半導体装置を組み立てるに際し、加
工時の応力を吸収するためと半導体を外部から保護する
ため、一般的には樹脂封止が行われる。半導体チップと
基板との加工時における熱膨脹の差によって生じる応力
を、樹脂で緩和させるのが目的である。現在、半導体装
置の封止用樹脂として、エポキシ樹脂組成物が主として
使用されている。そして、樹脂組成物に関し色々な工夫
がなされ、数多くの特許が出願されている。
【0006】しかし、半導体装置の小型化に当って、も
はや樹脂組成物の改良だけでは十分に対応できない所ま
で来ている。即ち、樹脂組成物には互いに相反する要求
を満足させることが必要になってきている。例えば、応
力を緩和させるためには、シリコーンゴムが単品では効
果があるが、エポキシ樹脂と組合せて使用する場合に
は、シリコーンゴムとエポキシ樹脂の接着性が悪くな
り、結果的には接合欠陥が生じ、これが原因となって半
導体装置の性能不足や破壊を起こす。また、エラストマ
ーにシリカ等の無機微粒子を混合する方法もあるが、こ
の様な無機微粒子をエラストマーに混合すると、エラス
トマーの特性である弾性が失われ、結果的には半導体加
工時の応力を十分緩和することができない。更に、使用
する樹脂に弾性、即ち柔軟性が要求されると共に気密
性、導電性、放熱性あるいは脱気性をも要求されるに至
っている。
【0007】以上述べたように、小型で高性能でしかも
低価格の半導体装置を製造しようとすれば、互いに矛盾
する要求を満たさなければならない。これらの問題解決
のため種々検討されているが、未だに有効な手段は見つ
かっていないのが現状である。
【0008】また、半導体パッケージ構造の進化に伴い
使用する封止材料も変化してきており、従来のDIP、
QFPに代表されるLSIチップを丸ごと保護するタイ
プからCSPと呼ばれるLSIチップの接続部のみを保
護するタイプに変りつつある。従って、従来使用してき
た封止剤に代わって、接続部の保護を兼ね備えた接着剤
が必要になりつつある。しかし、このような接着剤はな
く、従来の封止剤及び電子部品用接着剤の使用で対応せ
ざるを得ないのが現状である。更に、これらの従来の接
着剤は室温での保存性が悪く低温保管が必要であるこ
と、かつ室温で液体状(又はペースト状)であることか
ら塗布後直ちに硬化する必要があり取扱い性及び加工性
に大きな問題を有していた。更に、接着後のチップと基
板間等の寸法精度が悪いという欠点をも有していた。
【0009】本出願人は既に特願平9‐33231号に
おいて、(A)反応性官能基を有する熱可塑性樹脂、及
び(B)熱可塑性樹脂(A)の反応性官能基と反応し得
る官能基を持ち、かつ(A)との反応生成物に柔軟性を
付与し得る高分子物質を含む半導体デバイス用接着剤を
出願した。該接着剤は、従来品と比べると著しく上記欠
陥を改善するものであるが、液体(ペースト)状であり
接着後の寸法精度及び取扱い性については改良の余地が
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い寸法精
度で接着可能であり、室温における長期保存性に優れて
おり、かつ、例えば半導体デバイスの回路基板とチップ
間等のような異種素材同志の衝撃緩衝に優れ、更には応
力緩和及び表面実装時の耐吸湿半田熱衝撃性の改良に優
れた半導体用接着剤成形体及び半導体接着用媒体を提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、半導体装
置に求められている上記要求を満すには、従来から行わ
れているような封止剤の改良のみでは困難であると判断
して、種々の検討を行った。その結果、接着剤を改良す
ることが有利であるとの知見を得て研究を進めた結果、
下記本発明の接着剤成形体が上記全ての課題を良好に解
決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、(1)(A)反応性官能
基を有する熱可塑性エラストマー、(B)熱可塑性エラ
ストマー(A)の反応性官能基と反応し得る官能基を持
ち、かつ上記(A)、(B)及び下記(C)の反応生成
物に柔軟性を付与し得る高分子物質、(C)熱可塑性エ
ラストマー(A)の反応性官能基及び/又は高分子物質
(B)の反応性官能基と反応し得る官能基を有し、かつ
被接着体と化学的又は物理的に結合し得る分子構造を有
する物質、及び(D)50〜200℃の温度で(A)、
(B)及び(C)の反応を開始せしめる開始剤を含む組
成物から成る半導体用接着剤成形体である。
【0013】上記本発明の半導体用接着剤成形体は、被
接着体、例えば半導体デバイスの回路基板及びチップ等
の被接着面の夫々の形状に対応する表面形状、例えばシ
ート状、穴開きシート状、凹状又は凸状等に予め成形さ
れて使用することが可能であるため、接着後の寸法精度
を驚くべきほど改良することができると共に、取扱いも
非常に簡便である。また、該接着剤成形体は室温では反
応しない。従って、長期間の保存安定性に優れており、
所望の時期に接着を実施し得るという利点をも有してい
る。更には、熱可塑性エラストマー(A)、高分子物質
(B)及び物質(C)を、開始剤(D)の作用により高
温で同時に反応せしめて接着するため、各成分が持つ夫
々の特徴を最大限に発揮することができ、本発明の種々
の効果を達成し得るのである。
【0014】好ましい態様として、(2)被接着体の被
接着面の形状に対応する表面形状を有する上記(1)記
載の半導体用接着剤成形体、(3)シート状、穴開きシ
ート状、凹状又は凸状の形状を有する上記(1)又は
(2)記載の半導体用接着剤成形体、(4)厚みが5〜
300μmであるところの上記(1)〜(3)のいずれ
か一つに記載の半導体用接着剤成形体、(5)成分
(C)が、成分(A)及び成分(B)より低分子量であ
るところの上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の
半導体用接着剤成形体、(6)(A)95〜20重量部
及び(B)5〜80重量部を含み、かつ(A)及び
(B)の合計100重量部に対して、夫々(C)0.1
〜20重量部及び(D)0.01〜10重量部を含む上
記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の半導体用接着
剤成形体、(7)(A)80〜50重量部及び(B)2
0〜50重量部を含み、かつ(A)及び(B)の合計1
00重量部に対して、夫々(C)0.5〜10重量部及
び(D)0.05〜5重量部を含む上記(1)〜(5)
のいずれか一つに記載の半導体用接着剤成形体、(8)
(A)又は(B)の有する反応性官能基が、エポキシ
基、>C=C<、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メ
ルカプト基及びSiH基より成る群から選ばれる少なく
とも一つの基である上記(1)〜(7)のいずれか一つ
に記載の半導体用接着剤成形体、(9)(A)及び
(B)の有する反応性官能基の組合せが、エポキシ基と
エポキシ基、水酸基、アルコキシ基又はアミノ基の組合
せ、若しくは>C=C<と>C=C<、メルカプト基又
はSiH基の組合せである上記(1)〜(8)のいずれ
か一つに記載の半導体用接着剤成形体、(10)(A)
及び/又は(B)の有する反応性官能基と反応し得る
(C)の官能基が、エポキシ基、>C=C<、水酸基、
アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基及びSiH基よ
り成る群から選ばれる少なくとも一つの基である上記
(1)〜(9)のいずれか一つに記載の半導体用接着剤
成形体、(11)(A)又は(B)と(C)の有する反
応性官能基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸
基、アルコキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは>C
=C<と>C=C<、メルカプト基又はSiH基の組合
せである上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載の
半導体用接着剤成形体、(12)(C)が有する、被接
着体と化学的又は物理的に結合し得る分子構造が、アル
コキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキ
シ基、ウレイド基、スルフィニル基及びSiH基より成
る群から選ばれる少なくとも一つの分子構造である上記
(1)〜(11)のいずれか一つに記載の半導体用接着
剤成形体、(13)被接着体が、ポリシリコン、シリ
カ、ガラス、窒化ケイ素、ポリイミド、エポキシ樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルイミド、銅、ステンレス、アルミニウ
ム、ニッケルより成る群から選ばれる少なくとも一つの
物質である上記(1)〜(12)のいずれか一つに記載
の半導体用接着剤成形体を挙げることができる。
【0015】また、本発明は、(14)接着剤の二つの
層から成る半導体用接着剤成形体において、該二つの層
が夫々 (A)反応性官能基を有する熱可塑性エラストマー、
(B)熱可塑性エラストマー(A)の反応性官能基と反
応し得る官能基を持ち、かつ上記(A)、(B)及び下
記(C)の反応生成物に柔軟性を付与し得る高分子物
質、(C)熱可塑性エラストマー(A)の反応性官能基
及び/又は高分子物質(B)の反応性官能基と反応し得
る官能基を有し、かつ被接着体と化学的又は物理的に結
合し得る分子構造を有する物質、及び(D)50〜20
0℃の温度で(A)、(B)及び(C)の反応を開始せ
しめる開始剤を含み、かつ該二つの層が上記(A)、
(B)、(C)又は(D)の種類又は量において相互に
異なる半導体用接着剤成形体である。
【0016】このように接着剤成形体の両表面層を互い
に異なる組成物により形成せしめることにより、被接着
体の夫々の材質に対応した適切な接着性を与えることが
できる。これにより、例えば半導体チップ及びフレキシ
ブル回路基板との適切な接着を得ることが可能となるの
である。
【0017】好ましい態様として、(15)被接着体の
被接着面の形状に対応する表面形状を有する上記(1
4)記載の半導体用接着剤成形体、(16)シート状、
穴開きシート状、凹状又は凸状の形状を有する上記(1
4)又は(15)記載の半導体用接着剤成形体、(1
7)厚みが5〜300μmであるところの上記(14)
〜(16)のいずれか一つに記載の半導体用接着剤成形
体、(18)成分(C)が、成分(A)及び成分(B)
より低分子量であるところの上記(14)〜(17)の
いずれか一つに記載の半導体用接着剤成形体、(19)
(A)95〜20重量部及び(B)5〜80重量部を含
み、かつ(A)及び(B)の合計100重量部に対し
て、夫々(C)0.1〜20重量部及び(D)0.01
〜10重量部を含む上記(14)〜(18)のいずれか
一つに記載の半導体用接着剤成形体、(20)(A)8
0〜50重量部及び(B)20〜50重量部を含み、か
つ(A)及び(B)の合計100重量部に対して、夫々
(C)0.5〜10重量部及び(D)0.05〜5重量
部を含む上記(14)〜(19)のいずれか一つに記載
の半導体用接着剤成形体、(21)(A)又は(B)の
有する反応性官能基が、エポキシ基、>C=C<、水酸
基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基及びSiH
基より成る群から選ばれる少なくとも一つの基である上
記(14)〜(20)のいずれか一つに記載の半導体用
接着剤成形体、(22)(A)及び(B)の有する反応
性官能基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸
基、アルコキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは>C
=C<と>C=C<、メルカプト基又はSiH基の組合
せである上記(14)〜(21)のいずれか一つに記載
の半導体用接着剤成形体、(23)(A)及び/又は
(B)の有する反応性官能基と反応し得る(C)の官能
基が、エポキシ基、>C=C<、水酸基、アルコキシ
基、アミノ基、メルカプト基及びSiH基より成る群か
ら選ばれる少なくとも一つの基である上記(14)〜
(22)のいずれか一つに記載の半導体用接着剤成形
体、(24)(A)又は(B)と(C)の有する反応性
官能基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、
アルコキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは>C=C
<と>C=C<、メルカプト基又はSiH基の組合せで
ある上記(14)〜(23)のいずれか一つに記載の半
導体用接着剤成形体、(25)(C)が有する、被接着
体と化学的又は物理的に結合し得る分子構造が、アルコ
キシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ
基、ウレイド基、スルフィニル基及びSiH基より成る
群から選ばれる少なくとも一つの分子構造である上記
(14)〜(24)のいずれか一つに記載の半導体用接
着剤成形体、(26)被接着体が、ポリシリコン、シリ
カ、ガラス、窒化ケイ素、ポリイミド、エポキシ樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルイミド、銅、ステンレス、アルミニウ
ム、ニッケルより成る群から選ばれる少なくとも一つの
物質である上記(14)〜(25)のいずれか一つに記
載の半導体用接着剤成形体を挙げることができる。
【0018】更に、本発明は、(27)接着剤から成る
二つの表面層、及び該表面層の間にサンドイッチされる
第三の層を有する多層構造の半導体接着用媒体であっ
て、両表面層が、(A)反応性官能基を有する熱可塑性
エラストマー、(B)熱可塑性エラストマー(A)の反
応性官能基と反応し得る官能基を持ち、かつ上記
(A)、(B)及び下記(C)の反応生成物に柔軟性を
付与し得る高分子物質、(C)熱可塑性エラストマー
(A)の反応性官能基及び/又は高分子物質(B)の反
応性官能基と反応し得る官能基を有し、かつ被接着体と
化学的又は物理的に結合し得る分子構造を有する物質、
及び(D)50〜200℃の温度で(A)、(B)及び
(C)の反応を開始せしめる開始剤を含む組成物から成
る半導体接着用媒体である。
【0019】中間層として、(A)、(B)、(C)及
び(D)を含む組成物から成る層以外の第三の層を使用
することにより、該第三の層が有する種々の特性を利用
して応力緩和、耐吸湿半田熱衝撃性等を更に向上するこ
とができる。また、中間層としての第三の層の使用によ
り、コスト低減をも図ることができる。
【0020】好ましい態様として、(28)両表面層
が、(A)、(B)、(C)又は(D)の種類又は量に
おいて相互に異なるところの上記(27)記載の半導体
接着用媒体、(29)被接着体の被接着面の形状に対応
する表面形状を有する上記(27)又は(28)記載の
半導体接着用媒体、(30)シート状、穴開きシート
状、凹状又は凸状の形状を有する上記(27)〜(2
9)のいずれか一つに記載の半導体接着用媒体、(3
1)厚みが5〜300μmであるところの上記(27)
〜(30)のいずれか一つに記載の半導体接着用媒体、
(32)成分(C)が、成分(A)及び成分(B)より
低分子量であるところの上記(27)〜(31)のいず
れか一つに記載の半導体接着用媒体、(33)(A)9
5〜20重量部及び(B)5〜80重量部を含み、かつ
(A)及び(B)の合計100重量部に対して、夫々
(C)0.1〜20重量部及び(D)0.01〜10重
量部を含む上記(27)〜(32)のいずれか一つに記
載の半導体接着用媒体、(34)(A)80〜50重量
部及び(B)20〜50重量部を含み、かつ(A)及び
(B)の合計100重量部に対して、夫々(C)0.5
〜10重量部及び(D)0.05〜5重量部を含む上記
(27)〜(33)のいずれか一つに記載の半導体接着
用媒体、(35)(A)又は(B)の有する反応性官能
基が、エポキシ基、>C=C<、水酸基、アルコキシ
基、アミノ基、メルカプト基及びSiH基より成る群か
ら選ばれる少なくとも一つの基である上記(27)〜
(34)のいずれか一つに記載の半導体接着用媒体、
(36)(A)及び(B)の有する反応性官能基の組合
せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アルコキシ基
又はアミノ基の組合せ、若しくは>C=C<と>C=C
<、メルカプト基又はSiH基の組合せである上記(2
7)〜(35)のいずれか一つに記載の半導体接着用媒
体、(37)(A)及び/又は(B)の有する反応性官
能基と反応し得る(C)の官能基が、エポキシ基、>C
=C<、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト
基及びSiH基より成る群から選ばれる少なくとも一つ
の基である上記(27)〜(36)のいずれか一つに記
載の半導体接着用媒体、(38)(A)又は(B)と
(C)の有する反応性官能基の組合せが、エポキシ基と
エポキシ基、水酸基、アルコキシ基又はアミノ基の組合
せ、若しくは>C=C<と>C=C<、メルカプト基又
はSiH基の組合せである上記(27)〜(37)のい
ずれか一つに記載の半導体接着用媒体、(39)(C)
が有する、被接着体と化学的又は物理的に結合し得る分
子構造が、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基、エポキシ基、ウレイド基、スルフィニル基及び
SiH基より成る群から選ばれる少なくとも一つの分子
構造である上記(27)〜(38)のいずれか一つに記
載の半導体接着用媒体、(40)被接着体が、ポリシリ
コン、シリカ、ガラス、窒化ケイ素、ポリイミド、エポ
キシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリエーテルイミド、銅、ステンレス、
アルミニウム、ニッケルより成る群から選ばれる少なく
とも一つの物質である上記(27)〜(39)のいずれ
か一つに記載の半導体接着用媒体を挙げることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明において使用する熱可塑性
エラストマー(A)が有する反応性官能基は、好ましく
はエポキシ基、>C=C<[CH2 =CR‐(Rは水素
又は低級アルキル基)を含む]、水酸基、アルコキシ
基、アミノ基、メルカプト基及びSiH基より成る群か
ら選ばれる少なくとも一つの基である。該基は、成分
(A)中に少なくとも一種類存在していれば、下記にお
いて述べる成分(B)又は成分(C)と反応することが
できる。成分(B)又は成分(C)の有する、成分
(A)と反応し得る官能基が夫々異なる場合、あるいは
成分(B)又は成分(C)が二種以上の官能基を持つ場
合には、それらと反応し得る官能基を複数種有すること
が好ましい。成分(C)の反応性官能基と反応し得る官
能基が成分(B)に存在する場合には、成分(A)は
(C)の反応性官能基と反応し得る官能基を有していな
くてもよい。反応性官能基を有する熱可塑性エラストマ
ー(A)のみでは接着性がなく、かつ接着後の強度及び
柔軟性が不足しているため本発明の効果は達成できない
が、成分(B)及び成分(C)と一緒になって本発明の
効果を達成し得るのである。
【0022】熱可塑性エラストマーとしては、例えば、
スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル
系、ポリアミド系、1,2‐ポリブタジエン系、塩化ビ
ニル系、フッ素系等の各熱可塑性エラストマー及びこれ
らの中間体又は誘導体を使用することができる。本発明
で用いる官能基を有する熱可塑性エラストマー(A)
は、上記の各エラストマーに上記官能基を付与したもの
である。反応性官能基を有する熱可塑性エラストマーと
しては市販品を使用することができ、例えば、SIS系
エラストマー[Dシリーズ(商標)、シェル・ジャパン
株式会社製]、SEBS系エラストマー[Gシリーズ
(商標)、シェル・ジャパン株式会社製]、1,2‐ポ
リブタジエン系エラストマー[JSR RBシリーズ
(商標)、日本合成ゴム株式会社製]、スチレンイソプ
レン系エラストマー[JSR SISシリーズ(商
標)、日本合成ゴム株式会社製]、スチレンブタジエン
系エラストマー[JSR TRシリーズ(商標)、日本
合成ゴム株式会社製]、スチレン系エラストマー[M1
943(商標)、旭化成工業株式会社製]等が挙げられ
る。
【0023】本発明において使用する熱可塑性エラスト
マー(A)の反応性官能基と反応し得る官能基を持ち、
かつ上記(A)、(B)及び下記(C)の反応生成物に
柔軟性を付与し得る高分子物質(B)における反応性官
能基は、好ましくはエポキシ基、>C=C<[CH2
CR‐(Rは水素又は低級アルキル基)を含む]、水酸
基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基及びSiH
基より成る群から選ばれる少なくとも一つの基である。
上記の基は、成分(B)中に少なくとも一種類存在して
いれば、反応性官能基を有する熱可塑性エラストマー
(A)と反応することができる。これにより、成分
(A)及び成分(B)の二つの物質の特性を良好に発現
することができる。ここで、成分(B)は複数の反応性
官能基を持つことが好ましく、かつ二種以上の反応性官
能基を持つことがより好ましい。これにより、成分
(A)との反応性を更に高めることができる。また、成
分(B)は、下記において述べる成分(C)の反応性官
能基と反応し得る官能基を有することが好ましい。該
(C)の反応性官能基と反応し得る官能基が上記の成分
(A)に存在する場合には、成分(B)は該官能基を有
していなくてもよい。成分(C)との結合を強化し接着
性を高めるためには、成分(A)及び(B)の両者が、
該反応性官能基を有することが好ましい。成分(C)が
二種以上の反応性官能基を持つ場合には、成分(B)は
それらと反応し得る二種以上の官能基を持つことがより
好ましい。これにより接着性を更に高めることができ
る。
【0024】該高分子物質(B)は、成分(A)及び任
意的に成分(C)と反応し得る官能基を持ち、かつ
(A)、(B)及び(C)の反応生成物に柔軟性を付与
し得るものであれば特に制限はない。例えば、ブタジエ
ンホモポリマー[Bシリーズ、Gシリーズ、TEシリー
ズ、TEAシリーズ、TEAIシリーズ、BNシリー
ズ、BFシリーズ、EPBシリーズ(商標)、日本曹達
株式会社製;Eシリーズ、Bシリーズ、Mシリーズ、M
Mシリーズ(商標)、日本石油株式会社製]、芳香族性
テルペン樹脂[YSレジンTOシリーズ(商標)、ヤス
ハラケミカル株式会社製]等が挙げられる。
【0025】特に好ましくは熱可塑性エラストマー
(A)の反応性官能基と反応し得る上記の官能基を持つ
液状ゴム及び/又はシリコーンである。液状ゴム及びシ
リコーンの両者を用いる場合には、相互に反応する反応
性官能基が液状ゴム及びシリコーンの夫々に付与されて
いることが好ましい。
【0026】液状ゴムとしては、例えば、ポリスルフィ
ドゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレン
ゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム、スチレン‐
ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、ブチルゴム及びこ
れらの中間体又は誘導体を使用することができる。本発
明において使用する官能基を持つ液状ゴムは、上記の種
々の液状ゴムに上記官能基を付与したものである。官能
基を持つ液状ゴムとしては市販品を使用することがで
き、例えば、液状ポリスルフィド[チオコールLPシリ
ーズ(商標)、東レチオコール株式会社製]、二液型R
TVゴム[KEシリーズ(商標)、信越化学工業株式会
社製]、液状ポリブタジエン[日石ポリブタジエン(商
標)、日本石油株式会社製]、液状イソプレン[クラプ
レンLIRシリーズ(商標)、クラレ株式会社製]、液
状NBR[Poly‐bd CNシリーズ(商標)、出
光石油株式会社製]、液状SBR[Poly‐bd C
Sシリーズ(商標)、出光石油株式会社製]、液状ポリ
イソブチレン[ビスタネックスLMシリーズ(商標)、
日本ブチル株式会社製]、液状ブチルゴム[ブチルLM
シリーズ(商標)、日本ブチル株式会社製]等が挙げら
れる。
【0027】反応性官能基を有するシリコーンとしては
公知のものを使用することができる。例えば、市販品と
して、エポキシ変性シリコーンオイル[X‐22、KF
シリーズ(いずれも商標)、信越化学工業株式会社製;
SFシリーズ(商標)、東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン株式会社製]、カルビノール変性シリコーンオイル
[X‐22、KFシリーズ(いずれも商標)、信越化学
工業株式会社製]、アルコール変性シリコーンオイル
[SFシリーズ(商標)、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン株式会社製]、水酸基含有変性用シリコーンワニ
ス[KRシリーズ(商標)、信越化学工業株式会社
製]、フェノール変性シリコーンオイル[X‐22(商
標)、信越化学工業株式会社製]、ビニル変性シリコー
ン[FM‐2231(商標)、チッソ株式会社製]、メ
ルカプト変性シリコーンオイル[X‐22(商標)、信
越化学工業株式会社製]、SiH型シリコーン[KFシ
リーズ、KRシリーズ(商標)、信越化学工業株式会社
製]等が挙げられる。
【0028】成分(A)と成分(B)の反応性官能基の
組合せは、本発明の半導体用接着剤成形体及び接着用媒
体において重要である。該官能基の組合せは、反応後に
安定した結合を形成するものが好ましく、付加型、重合
型の反応形式を採る官能基の組合せが好ましい。例え
ば、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アルコキシ基又
はアミノ基との組合せ、若しくは>C=C<と>C=C
<、メルカプト基又はSiH基との組合せである。この
うち、エポキシ基と水酸基、アルコキシ基との組合せ、
>C=C<と>C=C<、SiH基との組合せが特に好
ましい。上記の組合せを採用することにより、熱可塑性
エラストマー(A)と高分子物質(B)の割合の調節あ
るいは架橋密度の調節がより容易となるため好ましい。
従来のような縮合型の反応形式を採る組合せでは、体積
収縮による寸法精度の低下、応力の発生又は縮合物によ
る不純物発生等の問題が生ずるため好ましくない。
【0029】熱可塑性エラストマー(A)及び/又は高
分子物質(B)の反応性官能基と反応し得る官能基を有
し、かつ被接着体と化学的又は物理的に結合し得る分子
構造を有する物質(C)において、成分(A)及び/又
は(B)の反応性官能基と反応し得る官能基は、好まし
くはエポキシ基、>C=C<[CH2 =CR‐(Rは水
素又は低級アルキル基)を含む]、水酸基、アルコキシ
基、アミノ基、メルカプト基及びSiH基より成る群か
ら選ばれる少なくとも一つの基である。成分(C)は更
に、被接着体と化学的又は物理的に結合し得る分子構造
を有する。該分子構造は、好ましくはアルコキシ基、水
酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ウレイ
ド基、スルフィニル基及びSiH基より成る群から選ば
れる少なくとも一つの分子構造である。該分子構造を有
することにより強固な接着が被接着体との間に生ずるの
である。ここで、被接着体とは、例えば半導体チップ、
フレキシブル基板、支持板、放熱板等であり、成分
(C)の上記分子構造は、好ましくは上記被接着体の構
成成分であるところのポリシリコン、シリカ、ガラス、
窒化ケイ素、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエー
テルイミド、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル
より成る群から選ばれる少なくとも一つの物質と結合す
るのである。上記の成分(A)及び/又は(B)の反応
性官能基と反応し得る官能基及び被接着体と化学的又は
物理的に結合し得る分子構造は、成分(C)中に夫々少
なくとも一種類存在していれば、成分(A)及び/又は
(B)と反応することができ、かつ被接着体と結合する
ことができる。これにより、本発明の接着剤成形体及び
接着用媒体の接着性を良好に発現することができるので
ある。
【0030】該成分(C)は、上記の官能基及び分子構
造を有するものであれば特に制限はないが、成分(A)
又は(B)に比べてより低分子量の物質であることが好
ましく、これにより被接着体との接着力をより高めるこ
とができるので好ましい。例えば、ビニル基含有トリメ
トキシシラン[A‐171、A‐172、A‐174
(いずれも商標)、日本ユニカー株式会社製;S210
(商標)、チッソ株式会社製]、ビニル基含有トリエト
キシシラン[A‐151(商標)、日本ユニカー株式会
社製;S220(商標)、チッソ株式会社製]、エポキ
シ基含有トリメトキシシラン[A‐186、A‐187
(いずれも商標)、日本ユニカー株式会社製;S51
0、S520、S530(いずれも商標)、チッソ株式
会社製]、メルカプト基含有トリメトキシシラン[A‐
189(商標)、日本ユニカー株式会社製;S810
(商標)、チッソ株式会社製]、アミノ基含有トリメト
キシシラン[A‐1120(商標)、日本ユニカー株式
会社製;S310、S311、S320、S321、S
360(いずれも商標)、チッソ株式会社製]、アミノ
基含有トリエトキシシラン[A‐1100、A‐116
0(いずれも商標)、日本ユニカー株式会社製;S33
0(商標)、チッソ株式会社製]、メタクリロキシ系ト
リメトキシシラン[S710(商標)、チッソ株式会社
製]等が挙げられる。
【0031】成分(A)又は(B)と成分(C)の有す
る反応性官能基の組合せは、好ましくはエポキシ基とエ
ポキシ基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基の組合せ、
若しくは>C=C<と>C=C<、メルカプト基、Si
H基の組合せである。このうち、エポキシ基と水酸基、
アルコキシ基との組合せ、>C=C<と>C=C<、S
iH基との組合せが特に好ましい。上記の組合せを採用
することにより、非常に良好な接着性を発揮することが
できる。
【0032】本発明において使用する成分(D)は、5
0〜200℃、好ましくは80〜180℃、特に好まし
くは100〜150℃の温度で反応を開始せしめる開始
剤である。上記温度未満、とりわけ室温で反応を開始せ
しめる開始剤では保存安定性が悪く、本発明の半導体用
接着剤成形体又は接着用媒体の成形時から反応を開始し
てしまうため、本発明の接着剤成形体及び接着用媒体に
は使用できない。本発明の開始剤を使用することによ
り、接着剤成形体又は接着用媒体、例えばシート状、穴
開きシート状、凹状、凸状等として長期間に亘って保存
が可能であり、半導体の接着を適宜所望の時に実施する
ことができる。
【0033】成分(D)開始剤としては、例えば、過酸
化物系:ベンゾイルパーオキシド、2,4‐ジクロロベ
ンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ‐タ
ーシャリーブチルパーオキシド、2,5‐ジメチル‐
2,5‐ジ‐ターシャリーブチルパーオキシヘキサン、
ターシャリーブチルクミルパーオキシド、パラクロロベ
ンゾイルパーオキシド、ターシャリーブチルパーベンゾ
エート、リン系:φ4 PB錯体(φはフェニル基を示
す)、φ3 PB錯体、アルミニウム系:ACAC・Al
錯体、その他樹脂コート系の開始剤等が挙げられる。該
成分(D)としては、一般に潜在性硬化剤等として市販
されているものを使用し得る。例えば、東芝シリコーン
株式会社製、TCシリーズ(商標);東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン株式会社製、RCシリーズ(商標);
味の素株式会社製、アミキュア DHシリーズ(商
標);川研ファインケミカル株式会社製、アルミキレー
トシリーズ;旭化成工業株式会社製、ノバキュア HX
シリーズ(商標);北興化学工業株式会社製、TPP‐
Kシリーズ(商標)等を挙げることができる。
【0034】本発明の接着剤成形体又は接着用媒体にお
いて、成分(A)と成分(B)の配合量は、好ましくは
(A)95〜20重量部に対して(B)5〜80重量
部、特に好ましくは(A)80〜50重量部に対して
(B)20〜50重量部である。成分(B)が上記下限
未満で、かつ成分(A)が上記上限を超えては、衝撃緩
衝性及び柔軟性が得られず、成分(B)が上記上限を超
え、かつ成分(A)が上記下限未満では、吸湿性が高く
なる過ぎて耐吸湿半田熱衝撃が劣るため好ましくない。
【0035】本発明の接着剤成形体又は接着用媒体にお
いて、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対
して、(C)を好ましくは0.1〜20重量部、より好
ましくは0.5〜10重量部含む。上記範囲内で(C)
を配合することにより、非常に良好な接着性機能を発揮
することができる。成分(C)が、上記下限未満では接
着性を付与することができず、上記上限を超えては柔軟
性を損なう。
【0036】更に本発明の接着剤成形体又は接着用媒体
において、成分(A)と成分(B)の合計100重量部
に対して、(D)開始剤を好ましくは0.01〜10重
量部、より好ましくは0.05〜5重量部含む。上記範
囲内で(D)開始剤を配合することにより、良好な反応
を開始せしめることができる。成分(D)が、上記下限
未満では良好に反応を開始せしめることができず、上記
上限を超えては保存性が悪くなる。
【0037】本発明の半導体用接着剤成形体又は接着用
媒体において、本発明の効果を損なわない範囲内で、上
記成分の他に、公知の添加剤及び充填剤を配合すること
ができる。添加剤としては、例えば、フェノール系、硫
黄系、リン系の酸化防止剤、染顔料、難燃剤、液晶ポリ
マー等が挙げられる。充填剤としては、微粒子状、例え
ば、微粒子球状シリカを用いることができる。また、接
着剤成形体又は接着用媒体として所望の形状に成形する
に際して、組成物の粘度を調節するために、任意の溶
媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルメチ
ルケトン、イソプロピルアルコール等を添加することも
可能である。
【0038】本発明においては、上記の接着剤成形体の
単一層を使用して被接着体を接着せしめることができ
る。また、上記の接着剤成形体を好ましくは複数枚、よ
り好ましくは2〜5枚、特に好ましくは2枚積層した多
層構造の接着剤成形体として使用してもよい。とりわけ
両表面層が成分(A)、(B)、(C)又は(D)の種
類又は量において相互に異なるものであることが好まし
い。これにより被接着体、例えば半導体チップ及びフレ
キシブル回路基板との適切な接着を与えることが可能と
なる。
【0039】本発明においては、上記の多層構造におい
て、成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含む接着
剤から成る両表面層の間にサンドイッチされる第三の層
を有する多層構造の半導体接着用媒体とすることもでき
る。例えば、上下両表面層に本発明の接着剤成形体を使
用し、中間層を他の材質、例えばより柔軟性を有する物
質の層とすることにより、より良好に応力を緩和し得る
構造の接着用媒体とすることができる。また、該中間層
として基布等を用いることもできる。このように中間層
として第三の層を使用することによりコストの低減をも
図ることができる。
【0040】本発明の半導体用接着剤成形体及び接着用
媒体の形状は特に制限はなく、半導体デバイスの接着箇
所(被接着体の被接着面)の形状に応じた適切な形状と
することができる。例えば半導体デバイスの回路基板及
びチップ等の被接着面の夫々の形状に対応する表面形
状、例えばシート状、穴開きシート状、凹状、凸状等の
いずれでもよく、半導体の接着が可能であればその形状
は問わない。好ましくはシート形状のものが使用され
る。実際の使用においては、比較的大きなシート形状に
予め成形した後、フレキシブル回路基板等の寸法に合せ
て該シートを打ち抜くことにより使用される。接着剤成
形体及び接着用媒体の厚みは、好ましくは5〜300μ
m、特に好ましくは10〜200μmである。上記下限
未満では応力緩和性が劣り、上記上限を超えては接着強
度に劣るため好ましくない。また、接着剤成形体及び接
着用媒体は、その硬度が、JIS Aに準拠して好まし
くは70度未満、特に好ましくは5〜60度である。上
記上限以上では、応力緩和が不十分である。
【0041】本発明の半導体用接着剤成形体及び接着用
媒体は下記のようにして成形することができる。
【0042】成分(A)、(B)、(C)、(D)及び
任意的に添加剤及び充填剤をヘンシェルミキサー等によ
り均一に混合した後、例えば、ニーダー、ロール、押出
機等により混練する。次いで、カレンダーロール法、プ
レス法、Tダイ押出成形法、インフレーション成形法等
の公知の成形法を用いて、シート(いわゆるフィルムを
含む)形状に成形することができる。多層構造の接着剤
成形体又は接着用媒体を製造する場合には、得られたシ
ートを、例えばプレスロール等を使用して加圧すること
により積層して製造することができる。穴開きシート
状、凹状又は凸状等にするには、一旦シート状あるいは
多層構造のシート状等に成形した後、型押し等により各
形状に成形することができる。
【0043】このようにして製造された本発明の半導体
用接着剤成形体又は接着用媒体(2)は、例えば、図1
に示すようにチップ(1)とフレキシブル回路基板
(3)との間に装着されて、使用した開始剤(D)の反
応開始温度より高温で好ましくは約5〜30分間加熱す
ることにより、回路基板とチップとの間を接着せしめる
ことができる。
【0044】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0045】
【実施例】各実施例及び比較例において作成した半導体
装置の各特性値の評価方法を以下に示す。 <接着層の厚み精度>非接触膜厚計(キーエンス)を用
いて測定した。実測した接着剤成形体又は接着用媒体の
厚みと規格(150μm)との差により厚み精度を評価
した。 <腐食性>各実施例及び比較例において接着した模擬素
子(長さ3mm×幅3mm×厚み0.4mm、回路幅/
間隔=10/10μm)を125℃、湿度100%条件
下に20時間置いた後、240℃の半田浴に10分間浸
漬させる。その後、125℃、湿度100%条件下で1
000時間放置した後の結果をアルミニウムのテスト配
線の切れた数/テスト総数(20個)で評価した。 <界面接着>超音波探傷機にて、各実施例及び比較例に
おいて作製した半導体装置について、模擬素子及び基板
と接着後の接着剤成形体又は接着用媒体との界面隙間を
測定した。
【0046】
【実施例1】成分(A)としてのSIS系エラストマー
(スチレンイソプレンブロックコポリマー)[SIS‐
5000(商標)、日本合成ゴム株式会社製、官能基:
>C=C<]100重量部、成分(B)としての芳香族
変性テルペン樹脂[YS‐125(商標)、ヤスハラケ
ミカル株式会社製、官能基:>C=C<]8重量部、成
分(C)としてのシランカップリング剤[A‐174
(商標)、日本ユニカー株式会社製、官能基:>C=C
<及びメトキシ基]2重量部、及び成分(D)としての
ベンゾイルパーオキシド[TC‐1(商標)、東芝シリ
コーン株式会社製]0.5重量部をヘンシェルミキサー
を用いて混合し均一にした。次に、該組成物を2本ロー
ルを使用して室温で十分に混練した後、肉厚150μm
のシート状に成形した。次いで、プレスロールにより該
シートの上下面を剥離紙で覆い、続いて該シートを更に
一辺25mmの正方形のシートに打ち抜いた。
【0047】フレキシブル回路基板に模擬半導体チップ
をワイヤボンディング(WB)方式で搭載したデバイス
において、フレキシブル回路基板(3)とチップ(1)
との間に該正方形のシートから剥離紙を剥がして装着し
150℃で10分間加熱して接着した(図1)。
【0048】接着後の該シートの厚み精度は±10μm
以下であり、かつ界面隙間の密着度も良好であり、基板
との実装に全く問題はなかった。また、吸湿半田試験の
結果、腐食による不良は発生しなかった(0個/20
個)。
【0049】また、上記シートをフレキシブル回路基板
(3)に装着し室温で1週間放置した後、チップ(1)
を上記と同一の条件で接着したものについても、上記と
同じく全く問題は生じなかった。
【0050】
【実施例2】成分(A)としてのSIS系エラストマー
[D‐1117(商標)、シェルジャパン株式会社製、
官能基:>C=C<]100重量部、成分(B)として
のポリブタジエン[B‐1000(商標)、日本曹達株
式会社製、官能基:>C=C<]10重量部、成分
(C)としてのシランカップリング剤[S‐710(商
標)、チッソ株式会社製、官能基:>C=C<及びメト
キシ基]2重量部、及び成分(D)としての2,5‐ジ
メチル‐2,5‐ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)
ヘキサン[RC‐4(商標)、東レ・ダウコーニング・
シリコーン株式会社製]0.5重量部を用いて、実施例
1と同一にして肉厚50μmのシートを作成した。
【0051】次いで、上記のSIS系エラストマーのみ
を使用して同様に2本ロールを使用して練った後、肉厚
50μmのシートを作成した。
【0052】次に、上記の成分(A)〜(D)より成る
シートを上下層とし、上記のSIS系エラストマーのみ
から成るシートを中間層として3層構造とし、かつ上下
表面を剥離紙で覆って150μmの厚みに積層した後、
該積層されたシートを更に一辺25mmの正方形のシー
トに打ち抜いた。
【0053】このシートを使用して実施例1と同一に接
着したところ、接着後の該シートの厚み精度は±10μ
m以下であり、かつ界面隙間の密着度も良好であり、基
板との実装に全く問題はなかった。また、吸湿半田試験
の結果、腐食による不良は発生しなかった(0個/20
個)。
【0054】実施例1同じ条件で放置した後のものにつ
いても、全く問題はなかった。
【0055】
【実施例3】成分(A)としてのスチレン系エラストマ
ー[M1943(商標)、旭化成工業株式会社製、官能
基:>C=C<]100重量部、成分(B)としてのポ
リブタジエン[E‐700‐6.5(商標)、日本石油
株式会社製、官能基:>C=C<及びエポキシ基]7重
量部及びエポキシ変性シリコーンオイル[X‐22‐1
63B(商標)、信越化学工業株式会社製、官能基:S
iH基及びエポキシ基]3重量部、成分(C)としての
エポキシ基含有トリメトキシシラン[KBM‐403
(商標)、信越化学工業株式会社製]3重量部、及び成
分(D)としてのマイクロカプセル化触媒[HX‐37
21(商標)、旭化成工業株式会社製]5重量部を用い
て、実施例1と同一にして肉厚75μmのシート(I)
を作成した。
【0056】次に、成分(B)として上記のエポキシ変
性シリコーンオイルに代えて、アミノ基、アルコキシ基
変性シリコーンオイル[KF‐862(商標)、信越化
学工業株式会社製、官能基:SiH基、アミノ基及びア
ルコキシ基]を使用し、かつ成分(C)としてのエポキ
シ基含有トリメトキシシラン[KBM‐403(商
標)、信越化学工業株式会社製]に代えて、アミノ基含
有トリエトキシシラン[KBM‐903(商標)、信越
化学工業株式会社製]を使用して肉厚75μmのシート
(II)を作成した。
【0057】次いで、シート(I)及びシート(II)を
上下層として、かつ上下表面を剥離紙で覆って150μ
mの厚みに積層した後、該積層されたシートを更に一辺
25mmの正方形のシートに打ち抜いた。
【0058】このシートを、シート(I)がチップと接
着し、かつシート(II)がフレキシブル回路基板と接着
するように剥離紙を剥がして装着した後、実施例1と同
一にして150℃で10分間加熱して接着した。
【0059】接着後の該シートの厚み精度は±10μm
以下であり、かつ界面隙間の密着度も良好であり、基板
との実装に全く問題はなかった。また、吸湿半田試験の
結果、腐食による不良は発生しなかった(0個/20
個)。
【0060】実施例1同じ条件で放置した後のものにつ
いても、全く問題はなかった。
【0061】
【比較例1】実施例1において成分(A)として使用し
たSIS‐5000のみを使用して実施例1と同様にし
て肉厚150μmのシートを作成した。
【0062】次に、実施例1と同じくして接着したとこ
ろ、フレキシブル回路基板と模擬半導体チップとの間の
接着不良により界面隙間に剥離を生じ、位置ずれ等の問
題が発生した。また、吸湿半田試験の結果、全てにいわ
ゆるポップコーンが生じた(20個/20個)。
【0063】
【比較例2】実施例1と同一の組成を用いて2本ロール
を使用して室温で十分に混練した後、該組成物100重
量部に対してキシレン20重量部を溶媒として加えてペ
ーストを作成した。
【0064】該ペーストを、実施例1と同一の半導体デ
バイスのフレキシブル回路基板上に190±30μmの
厚みで塗布し、乾燥後の膜厚を測定したところ塗膜の厚
み精度は150±50μmでバラツキが多く、約2割に
寸法不良が発生した。次いで良品について150℃で1
0分間加熱して回路基板とチップを接着した後、吸湿半
田試験を行った結果、約2割が腐食不良を起した(4個
/20個)。界面隙間に剥離が見られたことから、部分
的な接着不良が原因であると考えられる。
【0065】
【比較例3】上記の実施例1において成分(A)として
使用したSIS‐5000のみを使用して実施例1と同
様にして肉厚100μmのシートを作成した。これに厚
み25μmの両面接着テープを上下両面に張り付け、肉
厚150μmのシートを作成し、続いて該シートを更に
一辺25mmの正方形のシートに打ち抜いた。
【0066】次に、実施例1と同一の半導体デバイスを
該シートを用いて接着したところ、フレキシブル回路基
板と模擬半導体チップとの間の接着不良により界面隙間
に剥離を生じ、位置ずれ、チップクラック等の問題が発
生した。また、吸湿半田試験の結果、全てにいわゆるポ
ップコーンが発生し(20個/20個)、該接着剤成形
体は使用し得るものではなかった。
【0067】
【比較例4】両面接着テープに代えて、市販の接着剤
(アラルダイト、商標、長瀬チバ株式会社製)を塗布し
たことを除き、比較例3と同一にして実施した。
【0068】上記と同じく位置ずれ、チップクラック等
の問題が発生した。また、吸湿半田試験の結果、半数以
上にいわゆるポップコーンが発生し(15個/20
個)、該接着剤成形体は使用し得るものではなかった。
【0069】
【比較例5】接着剤として市販のシリコーン接着剤[C
Y52‐238(商標)、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン株式会社製]を使用して、実施例1と同一の半導
体デバイスのフレキシブル回路基板上に150±30μ
mの厚みで印刷した。塗膜の厚み精度は150±50μ
mでバラツキが多く、約1割に寸法不良が発生した。次
に、良品の回路基板とチップを150℃、15分間加熱
して接着した。こられについて吸湿半田試験を行った結
果、約1割が腐食不良を起した(2個/20個)。界面
隙間に剥離が見られたことから、部分的な接着不良が原
因であると考えられる。
【0070】該接着剤は保存性が悪く室温で4時間放置
するとゲル化し印刷できなかった。従って、フレキシブ
ル回路基板上に塗布した後は直ちにチップとの接着を行
わなければならないという不都合があり、本願発明のよ
うに装着後の任意の時期に接着を行うことはできない。
【0071】
【比較例6】接着剤として市販のエポキシ樹脂組成物
[チップコート1320(商標)、北陸塗料株式会社
製]を使用したことを除き、比較例5と同一にして実施
した。
【0072】接着後の塗膜の厚み精度は150±50μ
mでバラツキが多く、約2割に寸法不良が発生した。良
品について吸湿半田試験を行った結果、約7割がチップ
クラックを起した(14個/20個)。界面隙間に剥離
が見られたことから、部分的な接着不良が原因であると
考えられる。
【0073】該接着剤は保存性が悪く室温で4時間放置
した後に、回路基板とチップとを接着すると著しい接着
不良が生じた。従って、上記と同様にフレキシブル回路
基板上に塗布した後は直ちにチップとの接着を行わなけ
ればならないという不都合があり、本願発明のように装
着後の任意の時期に接着を行うことはできない。
【0074】
【比較例7】成分(C)を使用しなかった以外は、実施
例2と同様にして150μmの厚みの積層シートを作成
して試験を行った。
【0075】フレキシブル回路基板と模擬半導体チップ
との間の接着不良により界面隙間に剥離を生じ、約4割
に位置ずれ等の問題が発生した。また、吸湿半田試験の
結果、全てにいわゆるポップコーンが生じた(20個/
20個)。
【0076】
【比較例8】成分(D)を使用しなかった以外は、実施
例1と同様にして150μmの厚みのシートを作成して
試験を行った。
【0077】フレキシブル回路基板と模擬半導体チップ
との間の接着強度が著しく不足し、吸湿半田試験の結
果、全てに凝集破壊が発生した(20個/20個)。
【0078】
【比較例9】成分(D)としてのマイクロカプセル化触
媒を、2‐メチルイミダゾール[2MZ(商標)、四国
化成工業株式会社製]に代えたことを除き、実施例3と
同様にして実施した。
【0079】ここで使用した反応開始剤は室温でも反応
が進行するものであり、従って、保存性が悪く室温で4
時間放置した後に、回路基板とチップとを接着すると著
しい接着不良が生じた。従って、フレキシブル回路基板
上に装着した後は直ちにチップとの接着を行わなければ
ならないという不都合があり、本願発明のように装着後
の任意の時期に接着を行うことはできない。また、シー
トへ成形する間に、既に反応が開始しており、シート成
形後、直ちに接着を行っても接着不良が激しかった。
【0080】
【比較例10】成分(B)としての芳香族変性テルペン
樹脂を使用しなかった以外は、実施例1と同一にして実
施した。
【0081】樹脂組成物に粘性がなくシート状に成形す
ることが不可能であった。加熱可塑化して成形すると反
応が進行してシートの接着性が著しく悪くなった。ま
た、このようにして成形したシート状接着剤成形体には
柔軟性が殆どなく、チップクラック等の問題が発生し
た。
【0082】上記の成分(B)を含まない樹脂組成物の
粘度を下げるべく溶媒を加えてペースト状としたもの
は、乾燥後の塗膜の厚み精度が著しく低下し、かつ上記
と同様にチップクラックが発生した。また、低粘度化し
た樹脂組成物をシート状に成形したものは、柔軟性が殆
どなく、チップクラック等の問題が発生した。
【0083】
【発明の効果】本発明は、高い寸法精度で接着可能であ
り、室温においての長期保存性に優れており、かつ、例
えば半導体デバイスの回路基板とチップ間等のような異
種素材同志の衝撃緩衝に優れ、更には応力緩和及び表面
実装時の耐吸湿半田熱衝撃性の改良に優れた半導体用接
着剤成形体及び半導体接着用媒体を提供するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレキシブル回路基板に模擬半導体チップをワ
イヤボンディング(WB)方式で搭載したデバイスの概
略図である。
【符号の説明】
1:チップ 2:接着剤成形体(接着用媒体) 3:フレキシブル回路基板(FCP) 4:はんだ 5:封止材 6:基板

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)反応性官能基を有する熱可塑性エラ
    ストマー、(B)熱可塑性エラストマー(A)の反応性
    官能基と反応し得る官能基を持ち、かつ上記(A)、
    (B)及び下記(C)の反応生成物に柔軟性を付与し得
    る高分子物質、(C)熱可塑性エラストマー(A)の反
    応性官能基及び/又は高分子物質(B)の反応性官能基
    と反応し得る官能基を有し、かつ被接着体と化学的又は
    物理的に結合し得る分子構造を有する物質、及び(D)
    50〜200℃の温度で(A)、(B)及び(C)の反
    応を開始せしめる開始剤を含む組成物から成る半導体用
    接着剤成形体。
  2. 【請求項2】 被接着体の被接着面の形状に対応する表
    面形状を有する請求項1記載の半導体用接着剤成形体。
  3. 【請求項3】 シート状、穴開きシート状、凹状又は凸
    状の形状を有する請求項1又は2記載の半導体用接着剤
    成形体。
  4. 【請求項4】 厚みが5〜300μmであるところの請
    求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体用接着剤成形
    体。
  5. 【請求項5】 成分(C)が、成分(A)及び成分
    (B)より低分子量であるところの請求項1〜4のいず
    れか一つに記載の半導体用接着剤成形体。
  6. 【請求項6】 (A)95〜20重量部及び(B)5〜
    80重量部を含み、かつ(A)及び(B)の合計100
    重量部に対して、夫々(C)0.1〜20重量部及び
    (D)0.01〜10重量部を含む請求項1〜5のいず
    れか一つに記載の半導体用接着剤成形体。
  7. 【請求項7】 (A)及び(B)の有する反応性官能基
    の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アルコ
    キシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは>C=C<と>
    C=C<、メルカプト基又はSiH基の組合せである請
    求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体用接着剤成形
    体。
  8. 【請求項8】 成分(A)又は(B)と(C)の有する
    反応性官能基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水
    酸基、アルコキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは>
    C=C<と>C=C<、メルカプト基又はSiH基の組
    合せである請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体
    用接着剤成形体。
  9. 【請求項9】 成分(C)が有する、被接着体と化学的
    又は物理的に結合し得る分子構造が、アルコキシ基、水
    酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ウレイ
    ド基、スルフィニル基及びSiH基より成る群から選ば
    れる少なくとも一つの分子構造である請求項1〜8のい
    ずれか一つに記載の半導体用接着剤成形体。
  10. 【請求項10】 接着剤の二つの層から成る半導体用接
    着剤成形体において、該二つの層が夫々 (A)反応性官能基を有する熱可塑性エラストマー、
    (B)熱可塑性エラストマー(A)の反応性官能基と反
    応し得る官能基を持ち、かつ上記(A)、(B)及び下
    記(C)の反応生成物に柔軟性を付与し得る高分子物
    質、(C)熱可塑性エラストマー(A)の反応性官能基
    及び/又は高分子物質(B)の反応性官能基と反応し得
    る官能基を有し、かつ被接着体と化学的又は物理的に結
    合し得る分子構造を有する物質、及び(D)50〜20
    0℃の温度で(A)、(B)及び(C)の反応を開始せ
    しめる開始剤を含み、かつ該二つの層が上記(A)、
    (B)、(C)又は(D)の種類又は量において相互に
    異なる半導体用接着剤成形体。
  11. 【請求項11】 被接着体の被接着面の形状に対応する
    表面形状を有する請求項10記載の半導体用接着剤成形
    体。
  12. 【請求項12】 シート状、穴開きシート状、凹状又は
    凸状の形状を有する請求項10又は11記載の半導体用
    接着剤成形体。
  13. 【請求項13】 厚みが5〜300μmであるところの
    請求項10〜12のいずれか一つに記載の半導体用接着
    剤成形体。
  14. 【請求項14】 成分(C)が、成分(A)及び成分
    (B)より低分子量であるところの請求項10〜13の
    いずれか一つに記載の半導体用接着剤成形体。
  15. 【請求項15】 (A)95〜20重量部及び(B)5
    〜80重量部を含み、かつ(A)及び(B)の合計10
    0重量部に対して、夫々(C)0.1〜20重量部及び
    (D)0.01〜10重量部を含む請求項10〜14の
    いずれか一つに記載の半導体用接着剤成形体。
  16. 【請求項16】 (A)及び(B)の有する反応性官能
    基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アル
    コキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは>C=C<と
    >C=C<、メルカプト基又はSiH基の組合せである
    請求項10〜15のいずれか一つに記載の半導体用接着
    剤成形体。
  17. 【請求項17】 成分(A)又は(B)と(C)の有す
    る反応性官能基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、
    水酸基、アルコキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは
    >C=C<と>C=C<、メルカプト基又はSiH基の
    組合せである請求項10〜16のいずれか一つに記載の
    半導体用接着剤成形体。
  18. 【請求項18】 成分(C)が有する、被接着体と化学
    的又は物理的に結合し得る分子構造が、アルコキシ基、
    水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ウレ
    イド基、スルフィニル基及びSiH基より成る群から選
    ばれる少なくとも一つの分子構造である請求項10〜1
    7のいずれか一つに記載の半導体用接着剤成形体。
  19. 【請求項19】 接着剤から成る二つの表面層、及び該
    表面層の間にサンドイッチされる第三の層を有する多層
    構造の半導体接着用媒体であって、両表面層が、(A)
    反応性官能基を有する熱可塑性エラストマー、(B)熱
    可塑性エラストマー(A)の反応性官能基と反応し得る
    官能基を持ち、かつ上記(A)、(B)及び下記(C)
    の反応生成物に柔軟性を付与し得る高分子物質、(C)
    熱可塑性エラストマー(A)の反応性官能基及び/又は
    高分子物質(B)の反応性官能基と反応し得る官能基を
    有し、かつ被接着体と化学的又は物理的に結合し得る分
    子構造を有する物質、及び(D)50〜200℃の温度
    で(A)、(B)及び(C)の反応を開始せしめる開始
    剤を含む組成物から成る半導体接着用媒体。
  20. 【請求項20】 被接着体の被接着面の形状に対応する
    表面形状を有する請求項19記載の半導体接着用媒体。
  21. 【請求項21】 シート状、穴開きシート状、凹状又は
    凸状の形状を有する請求項19又は20記載の半導体接
    着用媒体。
  22. 【請求項22】 厚みが5〜300μmであるところの
    請求項19〜21のいずれか一つに記載の半導体接着用
    媒体。
  23. 【請求項23】 成分(C)が、成分(A)及び成分
    (B)より低分子量であるところの請求項19〜22の
    いずれか一つに記載の半導体接着用媒体。
  24. 【請求項24】 (A)95〜20重量部及び(B)5
    〜80重量部を含み、かつ(A)及び(B)の合計10
    0重量部に対して、夫々(C)0.1〜20重量部及び
    (D)0.01〜10重量部を含む請求項19〜23の
    いずれか一つに記載の半導体接着用媒体。
  25. 【請求項25】 (A)及び(B)の有する反応性官能
    基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、水酸基、アル
    コキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは>C=C<と
    >C=C<、メルカプト基又はSiH基の組合せである
    請求項19〜24のいずれか一つに記載の半導体接着用
    媒体。
  26. 【請求項26】 成分(A)又は(B)と(C)の有す
    る反応性官能基の組合せが、エポキシ基とエポキシ基、
    水酸基、アルコキシ基又はアミノ基の組合せ、若しくは
    >C=C<と>C=C<、メルカプト基又はSiH基の
    組合せである請求項19〜25のいずれか一つに記載の
    半導体接着用媒体。
  27. 【請求項27】 成分(C)が有する、被接着体と化学
    的又は物理的に結合し得る分子構造が、アルコキシ基、
    水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ウレ
    イド基、スルフィニル基及びSiH基より成る群から選
    ばれる少なくとも一つの分子構造である請求項19〜2
    6のいずれか一つに記載の半導体接着用媒体。
JP32520497A 1997-11-11 1997-11-11 半導体用接着剤成形体 Pending JPH11140387A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32520497A JPH11140387A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 半導体用接着剤成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32520497A JPH11140387A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 半導体用接着剤成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11140387A true JPH11140387A (ja) 1999-05-25

Family

ID=18174193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32520497A Pending JPH11140387A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 半導体用接着剤成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11140387A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001014484A1 (fr) * 1999-08-25 2001-03-01 Hitachi Chemical Company, Ltd. Agent adhesif, technique de raccordement pour bornes de fil et structure de fils
WO2004050779A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Hitachi Chemical Co., Ltd. 接着剤組成物、回路接続用接着剤組成物、接続体及び半導体装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001014484A1 (fr) * 1999-08-25 2001-03-01 Hitachi Chemical Company, Ltd. Agent adhesif, technique de raccordement pour bornes de fil et structure de fils
US6939913B1 (en) 1999-08-25 2005-09-06 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive agent, method of connecting wiring terminals and wiring structure
US7241644B2 (en) 1999-08-25 2007-07-10 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive, method of connecting wiring terminals and wiring structure
US7777335B2 (en) 1999-08-25 2010-08-17 Hitachi Chemical Company, Ltd. Wiring structure having a wiring-terminal-connecting adhesive comprising silicone particles
US8115322B2 (en) 1999-08-25 2012-02-14 Hitachi Chemical Company, Ltd. Adhesive, method of connecting wiring terminals and wiring structure
WO2004050779A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Hitachi Chemical Co., Ltd. 接着剤組成物、回路接続用接着剤組成物、接続体及び半導体装置
US7576141B2 (en) 2002-11-29 2009-08-18 Hitachi Chemical Co., Ltd. Adhesive composition, adhesive composition for circuit connection, connected body semiconductor device
US7795325B2 (en) 2002-11-29 2010-09-14 Hitachi Chemical Co., Ltd. Adhesive composition, adhesive composition for circuit connection, connected body semiconductor device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW422874B (en) Semiconductor device, semiconductor chip mounting substrate, methods of manufacturing the device and substrate, adhesive, and adhesive double coated film
EP1777278B1 (en) Adhesive composition and sheet having an adhesive layer of the composition
KR100880091B1 (ko) 반도체 장치용 다이 부착 접착제, 이러한 장치의 제조방법 및 이 방법으로 제조된 장치
JPH0224383B2 (ja)
JP4847767B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用接着剤組成物およびそれを用いてなるフレキシブルプリント配線板用接着フィルム
JP4258984B2 (ja) 半導体装置の製造方法
EP3671827A1 (en) Composite member
JPH09298369A (ja) 多層配線板及びその製造方法
JP2006117919A (ja) 半導体封止用3次元シート状接着体
JPH10338839A (ja) 絶縁層用接着フィルム
JPH10289969A (ja) 半導体装置およびそれに用いる封止用樹脂シート
JP4593187B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2007284670A (ja) 接着フィルム及びこれを用いた半導体装置
KR100334475B1 (ko) 전자부품용접착테이프
JP5183076B2 (ja) 半導体装置の製造方法
KR20110008412A (ko) 핫멜트형 접착제 조성물, 접착 필름, 반도체칩 탑재용 기판, 반도체 장치 및 그 제조 방법
JPH11140387A (ja) 半導体用接着剤成形体
JPH1117075A (ja) 半導体装置
US6445076B1 (en) Insulating adhesive for electronic parts, and lead frame and semiconductor device using the same
JP2000017240A (ja) 接着シートおよびそれを用いた半導体装置
JP3410642B2 (ja) 電子部品用耐熱性接着剤組成物
JP3347651B2 (ja) 電子部品用接着テープ
JP3620156B2 (ja) 低温接着性のフィルム状接着剤、それを用いたリードフレーム及び半導体装置
KR100482672B1 (ko) 반도체 소자용 접착제 조성물, 그를 이용한 접착 쉬트 및 접착 테이프
JP2008177432A (ja) 封止用熱硬化型樹脂シート、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法