JPH1113990A - 動力伝達部材 - Google Patents

動力伝達部材

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JPH1113990A
JPH1113990A JP9165750A JP16575097A JPH1113990A JP H1113990 A JPH1113990 A JP H1113990A JP 9165750 A JP9165750 A JP 9165750A JP 16575097 A JP16575097 A JP 16575097A JP H1113990 A JPH1113990 A JP H1113990A
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JP
Japan
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central shaft
spline
snap ring
shaft opening
boss
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Application number
JP9165750A
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English (en)
Inventor
Koji Yabe
康志 矢部
Michihito Yajima
通人 矢島
Kuniyuki Ide
邦之 井出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Corp
Original Assignee
JATCO Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボス部に脆弱部を形成することなく、回転ト
ルク荷重を略均等に負担させて、疲労寿命を延長するこ
とが出来、また、スナップリングの外れを防止すること
ができる動力伝達部材を提供する。 【解決手段】ボス部14の略中央部に、アウトプットシ
ャフト4を挿通する中心軸開口15を形成すると共に、
中心軸開口内側には、ボス部14に対するアウトプット
シャフト4の回動を阻止するように、アウトプットシャ
フトにスプライン嵌合するスプライン部8bを形成し、
アウトプットシャフトから流出する潤滑油を挿通する潤
滑用切り欠き部20の底部21を、スプライン部8bの
凸部8cに対応させて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動変
速機の遊星歯車装置等に用いられるインターナルギヤ等
に適用される動力伝達部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の動力伝達部材の一つであ
るインターナルギヤとしては、図8〜11に示すような
自動変速機1の遊星歯車装置2に用いられているものが
知られている(特開平5−58178号公報等参照)。
【0003】このようなものでは、自動変速機ハウジン
グ内に回動自在に設けられた中心軸としてのアウトプッ
トシャフト4の周囲に、前記遊星歯車装置2のインター
ナルギヤ3が設けられている。
【0004】このインターナルギヤ3は、略円盤状を呈
するフランジ部5及び、環状に形成された内歯歯車とし
てのヘリカルギヤ部6が別体で成形された後、一体とな
るように嵌着されて設けられている。
【0005】このうち、フランジ部5の略中心に形成さ
れたボス部7には、前記アウトプットシャフト4を挿通
させる中心軸開口8が形成されている。
【0006】そして、この中心軸開口8内側8aには、
ボス部に対する該中心軸部材の回動を阻止するように、
前記アウトプットシャフト4の外周面4aに形成される
スプライン4bに対して、スプライン嵌合するスプライ
ン部8bが形成されている。
【0007】このスプライン部8bには、図9に示すよ
うに、前記スプライン4bの凹部に対して各々係合する
凸部8cと、前記スプライン4bの凸部に対して各々係
合する凹部8dとが、交互に所定ピッチで形成されてい
る。
【0008】このうち、前記各凹部8d略中央位置に
は、丸底形状を呈する底R部8eが各々一つづつ形成さ
れている。
【0009】そして、このボス部端面7aには、前記ス
プライン4bに嵌着されて設けられる環状のスナップリ
ング9が、当接されて、このインターナルギヤ3の軸方
向への移動が規制されている。
【0010】このスナップリング9は、周上に一カ所の
不連続部が設けられていて、この不連続部を拡開するこ
とにより、着脱を可能としている。
【0011】また、このアウトプットシャフト4には、
略中央に、軸方向にそって潤滑油を導通する油路4cが
形成されている。また、このアウトップットシャフト4
の周囲には、この油路4cに連通する複数の油孔4d〜
4fが形成されている。
【0012】そして、前記端面7aには、内外周面を連
通するように潤滑用切り欠き部10,10が、180度
置きに、2カ所設けられている。
【0013】このように構成された従来のものでは、前
記アウトプットシャフト4の油路4cから油孔4d介し
て潤滑油は、各潤滑用切り欠き部10…から、ボス部7
の外周面方向へ供給されて、他の変速要素等を潤滑す
る。
【0014】また、ボス部端面7aが、前記スプライン
4bに嵌着されて設けられる環状のスナップリング9に
当接されて、このインターナルギヤ3の軸方向への移動
が規制されると共に、前記スプライン部8bの各凹凸部
8c,8dは、アウトプットシャフト外周面4aのスプ
ライン4bにスプライン結合されることにより、アウト
プットシャフト4に対する回動が規制されて、略一体と
なって回動する。
【0015】このため、インターナルギヤ3側から、伝
達される回動トルクが、円滑にアウトプットシャフト4
側から出力される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものでは、前記スプライン部8bの各凹凸部
8c,8dが形成されている位置に対する潤滑用切り欠
き部10形成位置の位置関係が決められていないので、
例えば、図9及び図10に示すように、前記潤滑用切り
欠き部10のうち、最も低い略中央に位置する底部10
aが、前記スプライン部8bの凹部8dに形成される底
R部8eに一致してしまう虞があった。
【0017】このように、最も低い略中央に位置する底
部10aが、前記スプライン部8bの凹部8dに形成さ
れる底R部8eに一致すると、径方向の肉厚の薄い部分
が、軸方向の肉厚の薄い部分と重なり、脆弱部を形成し
て応力集中を招いてしまうといった問題があった。
【0018】また、前記各凹部8d略中央位置には、丸
底形状を呈する底R部8eが各々一つづつ形成されてい
る。このため、この底R部8eにコースト時及びリバー
ス時の応力が集中して疲労寿命を短くしていた。
【0019】更に、前記スナップリング9は、周上に設
けられた一カ所の不連続部を拡開することにより、着脱
するようにしているので、回転中に拡開して外れてしま
う虞があった。
【0020】そこで、この発明は、ボス部に脆弱部を形
成することなく、回転トルク荷重を略均等に負担させ
て、疲労寿命を延長することが出来、また、スナップリ
ングの外れを防止することができる動力伝達部材を提供
することを課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本願発明の請求項1に記載されたものでは、ボス部の略
中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口を形成する
と共に、該中心軸開口内側には、該ボス部に対する該中
心軸部材の回動を阻止するように、中心軸部材にスプラ
イン嵌合するスプライン部を形成し、該中心軸部材から
流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部を、
前記スプライン部の凸部に対応させて形成する動力伝達
部材を特徴としている。
【0022】このように構成された請求項1記載のもの
では、動力伝達部材に形成されたスプライン部の凸部
が、前記中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤滑
用切り欠き部の底部に、対応されて形成されるので、ス
プライン部の最も径方向の肉厚が薄い凹部が、該底部と
一致することがない。
【0023】このため、脆弱部は形成されないので応力
集中が発生する虞がなく、円滑な回動トルクの伝達を長
期間に渡って保持できる。
【0024】また、請求項2に記載されたものでは、前
記ボス部は、燒結金属で形成されている請求項1記載の
動力伝達部材を特徴としている。
【0025】このように構成された請求項2記載のもの
では、前記ボス部が、燒結金属で形成されているので、
粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン
部の凸部を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形
することにより、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の
底部に一致させることが出来る。
【0026】更に、請求項3記載のものでは、前記スプ
ライン部の凸部間に形成される凹部には、略平底状の底
部と、該底部の両側に形成される一対の隅R部とが形成
されている各請求項1又は2記載の動力伝達部材を特徴
としている。
【0027】このように構成された請求項3記載のもの
では、前記スプライン部の凸部間に形成される凹部で
は、一対の隅R部が、略平底状の底部の両側に形成され
ているので、該底部によって所定距離離間されて形成さ
れている。
【0028】このため、コースト時及びリバース時の応
力が、各々の隅R部に分担されるので、応力集中を減少
させて、更に、疲労寿命を延長することができる。
【0029】そして、請求項4に記載されたものでは、
ボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口
を形成すると共に、該中心軸開口外側には、中心軸開口
周端面に当設することにより該ボス部の軸方向への移動
を阻止するスナップリングを設けて、しかも、該中心軸
開口周端面には、前記スナップリングの拡開を阻止する
脱落防止突起部が形成されている動力伝達部材を特徴と
している。
【0030】このように構成された請求項4記載のもの
では、中心軸開口周端面に形成された脱落防止突起部
が、前記スナップリングの拡開を阻止する。
【0031】このため、前記スナップリングは、着脱可
能位置まで拡開出来ないので、外れる虞がない。
【0032】また、請求項5に記載されたものでは、燒
結金属で形成したボス部の略中央部に、中心軸部材を挿
通する中心軸開口を設けると共に、該中心軸開口内側に
は、該中心軸部材の該ボス部に対する回動を阻止するよ
うに該中心軸部材にスプライン勘合するスプライン部を
形成し、該中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤
滑用切り欠き部の底部を、前記スプライン部の凸部に対
応させて形成し、しかも、前記中心軸開口周端面に当設
することにより該ボス部の軸方向への移動を阻止するス
ナップリングを設けると共に、該中心軸開口周端面に
は、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起
部が形成されている動力伝達部材を特徴としている。
【0033】このように構成された請求項5記載のもの
では、前記ボス部が、燒結金属で形成されているので、
粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン
部の凸部を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形
することにより、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の
底部に一致させることが出来ると共に、前記中心軸開口
周端面に、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防
止突起部を容易に形成できる。
【0034】従って、製造コストの上昇を抑制しつつ、
応力集中による変形を阻止して、回動トルクを円滑に伝
達出来ると共に、スナップリングの脱落をも防止でき
る。
【0035】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施の形態1に
ついて、図面を参照しつつ説明する。なお、従来例と同
一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明す
る。
【0036】図1乃至図4は、この発明の実施の形態1
の動力伝達部材としての焼結インターナルギヤを示すも
のである。
【0037】まず、この実施の形態1の構成を説明する
と、この自動変速機100のハウジング内に回動自在に
設けられたアウトプットシャフト4の周囲には、遊星歯
車装置2の燒結インターナルギヤ11が設けられてい
る。
【0038】この燒結インターナルギヤ11は、主に、
略円盤状を呈するフランジ部12と、外側枠体内側に内
歯歯車13aを形成するヘリカルギヤ部13とによって
一体に構成されている。
【0039】このうち、前記フランジ部12には、周面
にサイジング位置決め用孔12aが形成されると共に、
略中央部にボス部14が設けられている。
【0040】このボス部14の略中央に形成される中心
軸開口15には、前記アウトプットシャフト4のスプラ
イン4bが挿通されて、このスプライン4bにスプライ
ン結合されるスプライン部8bが形成されている。
【0041】このスプライン部8bは、このボス部14
に対するアウトプットシャフト4の回動を阻止するよう
に、アウトプットシャフト4のスプライン4bのうち、
凹部に対して各々係合する凸部8cと、前記スプライン
4bの凸部に対して各々係合する凹部8dとが、交互に
所定ピッチで形成されている。
【0042】更に、前記スプライン部8bの凸部8c,
8c間には、凹部8dが形成されている。この凹部8d
には、略平底状の底部8fと、この底部8fの両側に形
成される一対の隅R部8g,8gとが形成されている。
【0043】そして、前記ボス部14の端面14aに
は、内外周面を連通するように潤滑用切り欠き部20…
が、120度置きに、3カ所設けられている。
【0044】この潤滑用切り欠き部20は、前記アウト
プットシャフト4から流出する潤滑油を挿通するように
径方向断面凹字状に形成されている。この潤滑用切り欠
き部20には、幅方向略中央位置に、切り欠き深さを最
も大きくする底部21が、形成されている。
【0045】そして、この底部21形成位置が、図3及
び図4に示すように、前記スプライン部8bの凸部8c
の一つと重なり合うように対応させて形成されている。
【0046】次に、この実施の形態1の作用について説
明する。
【0047】この実施の形態1のものでは、焼結インタ
ーナルギヤ11に形成されたスプライン部8bの凸部8
cが、前記アウトプットシャフト4から流出する潤滑油
を挿通する潤滑用切り欠き部20の底部21に、対応さ
れて重なり合うように形成されているので、スプライン
部8bのうち、最も径方向の肉厚が薄い凹部8dが、こ
の底部21形成位置と一致することがない。
【0048】このため、径方向及び軸方向に肉厚を薄く
する脆弱部が形成されないので、応力集中が発生する虞
がない。従って、ボス部14周上の荷重負担は、どの位
置でも略均等になり、変形が抑制されるので、円滑な回
動トルクの伝達を長期間に渡って保持できる。
【0049】更に、この実施の形態1では、前記ボス部
14が、前記フランジ部12,ヘリカルギヤ部13と共
に、燒結金属で形成されている。
【0050】このため、粉末金属を焼結形成する前の成
型時に、前記スプライン部8bの凸部8cを、潤滑用切
り欠き部20の底部21に対応させて成形することによ
り、例えば、ボス部14粗材に対して個別に、スプライ
ン部8bと、潤滑用切り欠き部20とを切削加工等を施
して形成する場合に比して、容易に、該凸部8cを潤滑
用切り欠き部20の底部21に一致させることが出来
る。
【0051】更に、前記スプライン部8bの凸部8c,
8c間に形成される凹部8dでは、一対の隅R部8g,
8gが、略平底状の底部8fの両側に形成されているの
で、この底部8fの有する幅によって所定距離離間され
て、前記両側に位置する凸部8c,8c基部に形成され
ている。
【0052】このため、コースト時及びリバース時の応
力が、前記各凸部8c,8cから各々隅R部8g,8b
に個別に伝達されて、分担されるので、応力集中を減少
させて、更に、疲労寿命を延長することができる。
【0053】
【実施の形態2】図5及び図6は、この発明の実施の形
態2の動力伝達部材を示すものである。なお、前記実施
の形態1と同一乃至均等な部分については、同一符号を
付して説明する。
【0054】この実施の形態2では、前記アウトプット
シャフト4に、略中央に、軸方向にそって潤滑油を導通
する油路4cが形成されている。また、このアウトプッ
トシャフト4の周囲には、この油路4cに連通する複数
の油孔4d〜4hが形成されている。
【0055】そして、このアウトプットシャフト4の外
周面4aには、所定ピッチで凹凸を形成するスプライン
4bが設けられている。
【0056】また、ボス部114の略中央部には、この
アウトプットシャフト4を挿通する中心軸開口115が
形成されている。
【0057】そして、この中心軸開口115外側位置に
は、中心軸開口周端面114aに当設することにより、
このボス部114の軸方向への移動を阻止するスナップ
リング9が、前記スプライン4bに嵌着されて設けられ
ている。
【0058】このスナップリング9には、環状に形成さ
れるリング本体9aと、このリング本体9aの不連続部
に設けられて、対向する両端部を前記端面114a内壁
部に係止させる係止部9bとから主に構成されている。
【0059】しかも、このボス部114の中心軸開口周
端面114aには、前記スナップリング9の拡開を阻止
する脱落防止突起部120が形成されている。
【0060】この脱落防止突起部120は、前記アウト
プットシャフト4に、この焼結インターナルギヤ114
が装着された状態で、図6に示すように、軸方向で、ス
ナップリング9のリング本体9a略中央位置まで、オー
バーラップするように突設されている。更に、この実施
の形態2では、この脱落防止突起部120が、この端面
114a略全周上に渡り、環状に形成されている。
【0061】次に、この実施の形態2の作用について説
明する。
【0062】この実施の形態2のものでは、スナップリ
ング9が、アウトプットシャフト4回転中に、係止部9
bの係止が解除されて、遠心力により拡開しようとして
も、前記脱落防止突起部120の内側面120aに、こ
のスナップリング9のリング本体9a外側面及びこの係
止部9bが当接する。
【0063】このように、中心軸開口周端面114に形
成された脱落防止突起部120によって、前記スナップ
リング9の拡開が阻止されると、前記スナップリング9
は、着脱可能位置まで拡開出来ないので、外れる虞がな
い。
【0064】
【実施の形態3】図7は、この発明の実施の形態3の動
力伝達部材を示すものである。なお、前記実施の形態1
及び2と同一乃至均等な部分については、同一符号を付
して説明する。
【0065】この実施の形態3では、前記実施の形態1
において説明した内外周面を連通するように潤滑用切り
欠き部20…を、120度置きに3カ所設けた燒結金属
で構成される前記ボス部114の端面114aに、前記
実施の形態2の前記スナップリング9の拡開を阻止する
脱落防止突起部120が形成されている。
【0066】次に、この実施の形態3の作用について説
明する。
【0067】この実施の形態3の前記ボス部114が、
燒結金属で形成されているので、粉末金属を焼結形成す
る前の成型時に、前記スプライン部8bの凸部8cを、
潤滑用切り欠き部20の底部21に対応させて成形する
ことにより、容易に、この凸部8cを潤滑用切り欠き部
20の底部21に一致させることが出来ると共に、前記
中心軸開口周端面114aに、前記スナップリング9の
拡開を阻止する脱落防止突起部120を容易に形成でき
る。
【0068】従って、製造コストの上昇を抑制しつつ、
応力集中による変形を阻止して、回動トルクを円滑に伝
達出来ると共に、スナップリングの脱落をも防止でき
る。
【0069】以上、この発明の実施の形態1乃至3を図
面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形
態1乃至3に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲
の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0070】例えば、前記実施の形態1乃至3では、前
記ボス部14が、燒結金属で形成されているが、特にこ
れに限らず、他の金属を切削加工等して形成するもので
あっても、スプライン部8bの凸部8cが、前記アウト
プットシャフト4から流出する潤滑油を挿通する潤滑用
切り欠き部10の底部10aに対応されて形成されるも
のであるならばよい。
【0071】また、前記実施の形態2では、ボス部11
4の中心軸開口周端面114aに、前記スナップリング
9の拡開を阻止する脱落防止突起部120が、この端面
114a略全周上に渡り、環状に形成されているが、特
にこれに限らず、例えば、周上に断片的に形成する等、
どのような形状,数量であっても、スナップリング9の
拡開を阻止するように、前記端面114aに形成される
ものであるならばよい。
【0072】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請
求項1記載のものによれば、動力伝達部材に形成された
スプライン部の凸部が、前記中心軸部材から流出する潤
滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部に、対応されて
形成されるので、スプライン部の最も径方向の肉厚が薄
い凹部が、該底部と一致することがない。
【0073】このため、脆弱部は形成されないので応力
集中が発生する虞がなく、円滑な回動トルクの伝達を長
期間に渡って保持できる。
【0074】また、請求項2に記載されたものでは、前
記ボス部が、燒結金属で形成されているので、粉末金属
を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部の凸部
を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形すること
により、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の底部に一
致させることが出来る。
【0075】更に、請求項3記載のものでは、前記スプ
ライン部の凸部間に形成される凹部では、一対の隅R部
が、略平底状の底部の両側に形成されているので、該底
部によって所定距離離間されて形成されている。
【0076】このため、コースト時及びリバース時の応
力が、各々の隅R部に分担されるので、応力集中を減少
させて、更に、疲労寿命を延長することができる。
【0077】そして、請求項4に記載されたものでは、
中心軸開口周端面に形成された脱落防止突起部が、前記
スナップリングの拡開を阻止する。
【0078】このため、前記スナップリングは、着脱可
能位置まで拡開出来ないので、外れる虞がない。
【0079】また、請求項5に記載されたものでは、前
記ボス部が、燒結金属で形成されているので、粉末金属
を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部の凸部
を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形すること
により、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の底部に一
致させることが出来ると共に、前記中心軸開口周端面
に、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起
部を容易に形成できる。
【0080】従って、製造コストの上昇を抑制しつつ、
応力集中による変形を阻止して、回動トルクを円滑に伝
達出来ると共に、スナップリングの脱落をも防止でき
る、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の焼結インターナルギヤ
の構成を説明する正面図である。
【図2】実施の形態1の焼結インターナルギヤの図1中
A−A線に沿った位置の断面図である。
【図3】実施の形態1の焼結インターナルギヤのボス部
を図2中矢視C方向から見た部分正面拡大図である。
【図4】実施の形態1の焼結インターナルギヤのボス部
を図1中矢視B方向から見た部分拡大側面図である。
【図5】実施の形態2の焼結インターナルギヤをアウト
プットシャフトに装着した様子を説明する部分断面側面
図である。
【図6】実施の形態2の焼結インターナルギヤをアウト
プットシャフトに装着した様子を説明する要部の拡大断
面図である。
【図7】実施の形態3の焼結インターナルギヤのボス部
を拡大した正面図である。
【図8】従来例の焼結インターナルギヤの構成を説明す
る正面図である。
【図9】従来例の焼結インターナルギヤのボス部の構成
を説明する拡大正面図である。
【図10】従来例の焼結インターナルギヤのボス部を図
8中矢視D方向から見た側面図である。
【図11】従来例のインターナルギヤをアウトプットシ
ャフトに装着した様子を説明する軸方向に沿った断面図
である。
【符号の説明】
3 インターナルギヤ 8 中心軸開口 8b スプライン部 8c 凸部 8d 凹部 8f 底部 8g,8g 隅R部 9 スナップリング 11 焼結インターナルギヤ(動力伝達部材) 14,114 ボス部 14a,114a 端面 15,115 中心軸開口 120 脱落防止突起部 20 潤滑用切り欠き部 21 底部 120 脱落防止突起部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通す
    る中心軸開口を形成すると共に、該中心軸開口内側に
    は、該ボス部に対する該中心軸部材の回動を阻止するよ
    うに、中心軸部材にスプライン嵌合するスプライン部を
    形成し、該中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤
    滑用切り欠き部の底部を、前記スプライン部の凸部に対
    応させて形成することを特徴とする動力伝達部材。
  2. 【請求項2】前記ボス部は、燒結金属で形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の動力伝達部材。
  3. 【請求項3】前記スプライン部の凸部間に形成される凹
    部には、略平底状の底部と、該底部の両側に形成される
    一対の隅R部とが形成されていることを特徴とする各請
    求項1又は2記載の動力伝達部材。
  4. 【請求項4】ボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通す
    る中心軸開口を形成すると共に、該中心軸開口外側に
    は、中心軸開口周端面に当設することにより該ボス部の
    軸方向への移動を阻止するスナップリングを設けて、し
    かも、該中心軸開口周端面には、前記スナップリングの
    拡開を阻止する脱落防止突起部が形成されていることを
    特徴とする動力伝達部材。
  5. 【請求項5】燒結金属で形成したボス部の略中央部に、
    中心軸部材を挿通する中心軸開口を設けると共に、該中
    心軸開口内側には、該中心軸部材の該ボス部に対する回
    動を阻止するように該中心軸部材にスプライン勘合する
    スプライン部を形成し、該中心軸部材から流出する潤滑
    油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部を、前記スプライ
    ン部の凸部に対応させて形成し、しかも、前記中心軸開
    口周端面に当設することにより該ボス部の軸方向への移
    動を阻止するスナップリングを設けると共に、該中心軸
    開口周端面には、前記スナップリングの拡開を阻止する
    脱落防止突起部が形成されていることを特徴とする動力
    伝達部材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000234565A (ja) * 1999-02-12 2000-08-29 Eaton Corp 排気ガス再循環システム
JP2005274721A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Yamaha Corp 音響効果装置及びプログラム
CN110382895A (zh) * 2017-03-08 2019-10-25 Smc株式会社 轴联接结构和流体压力设备

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