JPH11138224A - 金属製フランジと金属製パイプとの接合方法 - Google Patents

金属製フランジと金属製パイプとの接合方法

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JPH11138224A
JPH11138224A JP30213497A JP30213497A JPH11138224A JP H11138224 A JPH11138224 A JP H11138224A JP 30213497 A JP30213497 A JP 30213497A JP 30213497 A JP30213497 A JP 30213497A JP H11138224 A JPH11138224 A JP H11138224A
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JP
Japan
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pipe
peripheral surface
cores
mounting hole
metal
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Application number
JP30213497A
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English (en)
Inventor
Koichi Mine
功一 峯
Hiromichi Nakada
博道 中田
Masahiko Takeuchi
雅彦 竹内
Koichi Morishita
弘一 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】量産時の低廉化を実現可能であるとともに、パ
イプの外周面と取付孔の内周面との間の間隙を確実に微
小化して溶接不良を生じにくくする。 【解決手段】パイプ91の外周面とフランジ90の取付
孔90aの内周面とが当接すべく、カム14で各第1コ
ア8a〜8dを径外方向に移動させた後、位相を変えて
カム14で各第2コア9a〜9fを径外方向に移動させ
ることにより、パイプ91の一端を拡管する。この後、
パイプ91の外周面と取付孔90aの内周面とを溶接す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製フランジと
金属製パイプとの接合方法に関する。この接合方法は自
動車の吸気系や排気系を得る場合に適用して好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平6−238440号公報に
金属製フランジと金属製パイプとの接合方法が開示され
ている。この接合方法では、図16(A)に示すよう
に、まず図示しない基台上にフランジ90を保持し、そ
のフランジ90の取付孔90a内にパイプ91の一端を
挿入する。このとき、パイプ91の一端内にはゴム工具
92が収納され、ゴム工具92は基台に移動可能に設け
られた拡管部材93により押し潰されるようになってい
る。このため、図16(B)に示すように、拡管部材9
3を移動させてゴム工具92を押し潰せば、パイプ91
がゴム工具92により押圧されて拡管されるため、パイ
プ91の外周面と取付孔90aの内周面とが当接するこ
ととなる。この後、パイプ91の外周面と取付孔90a
の内周面とを溶接することにより、フランジ90とパイ
プ91とが一体となった製品を得ることができる。
【0003】また、パイプの一端内に径方向に移動可能
な周方向で複数に分割されたコアを収納し、カムで各コ
アを径外方向に移動させる拡管方法も一般的に採用され
ている。この拡管方法をフランジとパイプとの接合方法
に適用するのであれば、各コアの外面でパイプを拡管し
てパイプの外周面と取付孔の内周面とを当接させること
ができ、この後でパイプの外周面と取付孔の内周面とを
溶接し、同様にフランジとパイプとが一体となった製品
を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報開示
の接合方法では、ゴム工具92を押し潰してパイプ91
を拡管するようにしているため、図16(B)に示すよ
うに、ゴム工具92が拡管部材93との隙間81、図示
しない基台との隙間82、パイプ91の端面83等で盛
り上がり、ゴム工具92のせん断や割れが発生しやす
い。したがって、この接合方法では、ゴム工具92が早
期に劣化しやすいことから、フランジ90とパイプ91
とを大量に接合せんとする場合の製造コストの高騰化を
生じることとなる。
【0005】また、上記一般的な拡管方法をフランジと
パイプとの接合方法に適用するとしても、各コアを一回
径外方向に移動させるだけでは、拡管時の各コア間にお
いてパイプが十分に拡管されず、パイプの外周面と取付
孔の内周面との間に間隙が残存することとなる。また、
この場合、パイプの拡管量は各コア同士の周方向の離れ
量によって決定される。つまり、パイプは、拡管時、各
コアの外面で拘束される一方、各コア間において大きな
引っ張り歪みを有することになる。このため、パイプは
拡管時の各コア間の位置で厚みが減少され、パイプの外
周面と取付孔の内周面との間にやはり間隙が残存しやす
い。そして、各コアを径外方向へより大きく移動させて
各コアの外面でパイプの材料を潰し、これにより厚みが
減少した部分にその材料を供給してパイプの外周面と取
付孔の内周面との間の間隙を微小化しようとしても、各
コアの移動が一回だけであれば、拡管時の各コア間の位
置において、座屈のように取付孔の内周面と離れて材料
が供給されることとなり、厚みは増すものの、パイプの
外周面と取付孔の内周面との間の間隙は一向に減少しな
いこととなる。したがって、これらの後に溶接工程を行
っても、溶接不良を生じることとなってしまう。
【0006】本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされ
たものであって、量産時の低廉化を実現可能であるとと
もに、パイプの外周面と取付孔の内周面との間の間隙を
確実に微小化して溶接不良を生じにくくすることを解決
すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の金属製フランジ
と金属製パイプとの接合方法は、取付孔をもつ金属製フ
ランジを保持するとともに、該取付孔内に金属製パイプ
の一端を挿入した状態で該パイプを保持する基台と、該
パイプの該一端内に収納され、該基台に案内されて径方
向に移動可能な周方向で複数に分割されたコアと、該基
台に移動可能に設けられ、各該コアを径外方向に移動さ
せるカムとを備えた組付け装置を用い、該パイプの外周
面と該取付孔の内周面とが当接すべく、該カムで各該コ
アを径外方向に移動させることにより、該パイプの該一
端を拡管する拡管工程と、該パイプの外周面と該取付孔
の内周面とを溶接する溶接工程とを順次行う金属製フラ
ンジと金属製パイプとの接合方法であって、前記拡管工
程は、前記パイプの内周面との位相が異なるように少な
くとも二回行うことを特徴とする。
【0008】この接合方法では、前回の拡管工程におけ
る拡管時の各コア間においてパイプが十分に拡管されな
くても、次回の拡管工程を前回の拡管工程とはパイプの
内周面との位相が異なるように行うため、パイプのその
部分はその次回の拡管工程により十分に拡管され、パイ
プの外周面と取付孔の内周面との間に間隙が残存しにく
い。
【0009】二回目以降の拡管工程は、前回の拡管工程
に比して、各コアの外面が大きく径外方向に移動するよ
うに行うことが好ましい。こうであれば、前回の拡管工
程において拡管時の各コア間の位置でパイプの厚みが減
少しても、次回の拡管工程において各コアを径外方向へ
より大きく移動させてパイプのその部分の外周面をより
径外方向に移動させるため、パイプの外周面と取付孔の
内周面との間の間隙を確実に微小化させることができ
る。また、この場合、前回の拡管工程の各コアの外面と
次回の拡管工程の各コアの外面とが周方向で重なってお
れば、次回の拡管工程においてパイプの材料を潰すこと
になり、これによる前回の拡管時の各コア間の位置にお
ける材料の供給は、次回の拡管時の各コアの外面が内側
を拘束した状態で行われるため、取付孔の内周面と当接
して材料が供給されることとなり、厚みが増すととも
に、パイプの外周面と取付孔の内周面との間の間隙が確
実に微小化される。
【0010】このため、これら拡管工程後に溶接工程を
行えば、溶接不良を極めて生じにくくすることができ
る。また、パイプが真円状のものであれば、二回目以降
の拡管工程と前回の拡管工程とで同一の各コアを採用
し、各コアとパイプとの位相だけを異ならせることがで
きる。他方、パイプが非真円状のもの等であれば、二回
目以降の拡管工程と前回の拡管工程とで異なる各コアを
採用することができる。また、この場合、二回目以降の
拡管工程で採用する各コアの外面には、前回の拡管工程
における拡管時の各コア間に位置して径外方向に突出す
る突起が形成されていることが好ましい。こうであれ
ば、前回の拡管工程と次回の拡管工程とで同一形状のカ
ムを同一条件で移動させればよいため、組付け装置の簡
素化から製造コストの低廉化を実現することができる。
【0011】さらに、各コアには、径外方向に移動する
際にパイプの一端を潰し得る凸部を有することが好まし
い。こうであれば、例えパイプが三次元的に誤差を有
し、取付孔内に誤差を有してパイプの一端が挿入される
としても、各コアが基台に案内されて径方向に移動する
際に凸部がパイプの一端を一定の周方向で潰すことがで
きる。このため、この場合には、パイプの誤差によりパ
イプの外周面と取付孔の内周面との位置がばらついて
も、一定の周方向で潰されたパイプの一端を一定の周方
向で溶接すればよいため、溶接工程が簡易化され、やは
り製造コストの低廉化を実現することができる。
【0012】また、この接合方法では、従来のような早
期に劣化しやすいゴム工具を採用せず、耐久性のある各
コアを採用しているため、フランジとパイプとを大量に
接合せんとする場合の製造コストの低廉化を実現でき
る。したがって、この接合方法によれば、量産時の低廉
化を実現可能であるとともに、パイプの外周面と取付孔
の内周面との間の間隙を確実に微小化して溶接不良を生
じにくくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、自動車の吸気系や排気系を
得るため、本発明を具体化した実施形態1〜3を図面を
参照しつつ説明する。 (実施形態1)まず、図1及び図2に示すように、第1
組付け装置と、楕円形状に貫設された取付孔90aをも
つアルミダイカストからなるフランジ90と、断面が楕
円形状に成形された薄肉アルミ系合金からなるパイプ9
1とを用意する。但し、パイプ91は図3及び図4に示
すように、フランジ90側となる一端側の端面形状が不
可避的に繭形状になっている。
【0014】第1組付け装置では、図1及び図2に示す
ように、固定された位置決めベース1に貫通孔1aが上
下に貫設されており、位置決めベース1の水平な上面に
は貫通孔1a回りで複数本の基準ピン2が垂直に立設さ
れている。フランジ90には下面に複数の凹部90b及
び凸部90cとが形成されており、フランジ90は、凹
部90bに基準ピン2が係合され、凸部90cが位置決
めベース1の上面に当接された状態でクランプ3により
上方から挟持される。こうして、フランジ90は、その
取付孔90aが位置決めベース1の貫通孔1aとほぼ同
軸に位置されて位置決めベース1に保持される。
【0015】また、位置決めベース1の下方には貫通孔
1aと同軸の貫通孔4aをもつベース4が固定されてお
り、ベース4の上面には貫通孔4a回りで複数本の取り
付けボルト5が垂直に立設されている。各取り付けボル
ト5にはスラスト軸受6を介してホルダ7が取り付けら
れている。かかるスラスト軸受6によりホルダ7は水平
面内でのみ移動可能になされており、これによりフラン
ジ90の水平面内の誤差を吸収するようになっている。
ホルダ7は、ベース4の貫通孔4a及び位置決めベース
1の貫通孔1a内に延在し、上部はフランジ90の取付
孔90a内に位置されている。ホルダ7の上面縁部には
支持壁7aが上方に突設されており、パイプ91は一端
がこの支持壁7aと当接して保持されるようになってい
る。なお、位置決めベース1、ベース4及びホルダ7が
本発明に係る基台を構成している。
【0016】ホルダ7の支持壁7aに囲まれた水平な上
面とホルダ7に形成された押さえ部7bとの間には、図
5に示すように、周方向で四つに分割された第1コア8
a〜8dが載置されている。図1及び図2に示すよう
に、各第1コア8a〜8dの内側には被案内面10が形
成され、全ての第1コア8a〜8dは外周下部に設けら
れたリング状のばね11により内方に付勢されている。
ホルダ7には上下に貫通孔7cが貫設されており、貫通
孔7cにはブッシュ12を介してロッド13が上下摺動
可能に収納されている。ロッド13の上端には、各第1
コア8a〜8dの被案内面10と整合し、ロッド13の
上方への移動により各第1コア8a〜8dを径外方向に
移動させる案内面14aをもつカム14が固定されてい
る。他方、ロッド13の下端には油圧シリンダ15のロ
ッドが固定されている。第1組付け装置は以上のように
構成されている。
【0017】また、この第1組付け装置に隣接して、第
2組付け装置を用意する。この第2組付け装置は、第1
組付け装置の各第1コア8a〜8dの代わりに、図5に
示すように、第1コア8a〜8d間にも位置し、第1コ
ア8a〜8dの外面と周方向で重なって周方向で六つに
分割された第2コア9a〜9fが載置されている。各第
2コア9a〜9fの外面には、図8(図8では周方向の
一部のみを示す。以下、図6、図7及び図14において
同じ。)に示すように、第1コア8a〜8d間に位置し
て径外方向に円弧状に突出する突起16が形成されてい
る。他の構成は第1組付け装置と同一である。 「第1拡管工程」そして、図1に示すように、第1組付
け装置を用い、フランジ90を位置決めベース1とクラ
ンプ3とにより保持する。また、パイプ91の一端をフ
ランジ90の取付孔90aに挿入し、ホルダ7の支持壁
7aと当接させてパイプ91を保持する。
【0018】次いで、図2に示すように、油圧シリンダ
15によりロッド13を上方に移動させる。これによ
り、カム14が上方に移動するため、各第1コア8a〜
8dが径外方向に移動し、図6に示すように、各第1コ
ア8a〜8dの外面がパイプ91を押圧する。さらに、
油圧シリンダ15によりロッド13を上方に移動させ、
図7に示すように、パイプ91の外周面と取付孔90a
の内周面とが当接すべく、各第1コア8a〜8dの外面
でパイプ91の一端を拡管する。
【0019】この状態では、拡管時の各第1コア8a〜
8d間においてパイプ91が十分に拡管されず、またパ
イプ91は拡管時の各第1コア8a〜8d間の位置で厚
みが減少されるため、パイプ91の外周面と取付孔90
aの内周面との間に間隙Cが残存することとなる。 「第2拡管工程」このため、第1拡管工程後のフランジ
90及びパイプ91を第2組付け装置に移し、フランジ
90を第2組付け装置の位置決めベース1とクランプ3
とにより保持する。そして、第2組付け装置において、
油圧シリンダ15によりロッド13を上方に移動させ
る。これにより、カム14が上方に移動するため、各第
2コア9a〜9fが径外方向に移動し、図8に示すよう
に、各第2コア9a〜9fの外面がパイプ91を押圧す
る。こうして、パイプ91の外周面と取付孔90aの内
周面とが当接すべく、各第2コア9a〜9fの外面でパ
イプ91の一端を拡管する。
【0020】このとき、第2組付け装置の各第2コア9
a〜9fが第1組付け装置の第1コア8a〜8d間にも
位置し、第2拡管工程を第1拡管工程とはパイプ91の
内周面との位相が異なるように行うため、パイプ91の
間隙Cのあった部分はこの第2拡管工程により十分に拡
管され、パイプ91の外周面と取付孔90aの内周面と
の間に間隙Cが残存しにくい。
【0021】また、第2拡管工程では、各第2コア9a
〜9fの外面に突起16が形成されているため、第1拡
管工程に比して、突起16が大きく径外方向に移動す
る。このため、第1拡管工程において拡管時の各第1コ
ア8a〜8d間の位置でパイプ91の厚みが減少して
も、第2拡管工程において各第2コア9a〜9fの突起
16がパイプ91の間隙Cのあった部分の外周面をより
径外方向に移動させるため、パイプ91の外周面と取付
孔90aの内周面との間の間隙Cを確実に微小化させる
ことができる。また、第1拡管工程の各第1コア8a〜
8dの外面と第2拡管工程の各第2コア9a〜9fの外
面とが周方向で重なっているため、第2拡管工程におい
てパイプ91の材料を潰すことができ、これによる間隙
Cのあった部分への材料の供給は、拡管時の各第2コア
9a〜9fの外面が内側を拘束した状態で行われるた
め、取付孔90aの内周面と当接して材料が供給される
こととなり、厚みが増すとともに、パイプ91の外周面
と取付孔90aの内周面との間の間隙Cが確実に微小化
される。なお、パイプ91が繭形状になっていたため、
第2コア9a、9dの突起16はその繭形状を矯正する
機能も発揮する。 「溶接工程」そして、第2拡管工程後のフランジ90及
びパイプ91を第2組付け装置から外し、パイプ91の
外周面と取付孔90aの内周面とを交流TIG、MIG
溶接法及び交流TIG、MIGフィラー溶接法により溶
接し、自動車の吸気系や排気系を得る。
【0022】したがって、この接合方法によれば、量産
時の低廉化を実現可能であるとともに、パイプ91の外
周面と取付孔90aの内周面との間の間隙Cを確実に微
小化して溶接不良を生じにくくすることができる。ま
た、この接合方法では、従来のような早期に劣化しやす
いゴム工具を採用せず、耐久性のある各第1、2コア8
a〜8d、9a〜9fを採用しているため、フランジ9
0とパイプ91とを大量に接合せんとする場合の製造コ
ストの低廉化を実現できる。
【0023】さらに、第1組付け装置と第2組付け装置
とは、各第1コア8a〜8dと各第2コア9a〜9fと
が異なるだけであるため、同一形状のカム14等を同一
条件で移動させればよいため、第1、2組付け装置の簡
素化から製造コストの低廉化を実現することができる。 (実施形態2)自動車の吸気系や排気系のマニホールド
となるパイプ91は、長手方向に湾曲しているため、不
可避的に三次元的な誤差を有する。このため、かかるパ
イプ91の一端をホルダ7の支持壁7aに当接させて保
持しようとしても、取付孔90a内において、パイプ9
1は支持壁7aに全周が当接しなかったり、支持壁7a
に傾斜して当接したりし、パイプ91の外周面と取付孔
90aの内周面とが局部的に軸方向でずれて挿入される
こととなる。この状態で各第1、2コア8a〜8d、9
a〜9fによりパイプ91を拡管したとしても、パイプ
91の端面は取付孔90aの内周面と局部的に軸方向で
ずれたままとなり、溶接工程でトーチのターゲットを区
々にしなければならない。この場合、溶接工程が複雑化
し、製造コストの高騰化を招来してしまうこととなる。
【0024】この点、実施形態2では、図9及び図10
に示すように、各第1、2コア8a〜8d、9a〜9f
の下部に径外方向に突出する凸部17を形成している。
他の構成及び条件は実施形態1と同一である。この実施
形態2では、例えパイプ91が三次元的に誤差を有し、
取付孔90a内に誤差を有してパイプ91の一端が挿入
されるとしても、第1、2拡管工程において、各第1、
2コア8a〜8d、9a〜9fがホルダ7の上面に案内
されて径外方向に移動する際、凸部17がパイプ91の
一端を一定の周方向で潰すこととなる。このため、パイ
プ91の誤差によりパイプ91の外周面と取付孔90a
の内周面との位置がばらついても、一定の周方向で潰さ
れたパイプ91の一端を一定の周方向で溶接すればよい
こととなる。このため、溶接工程でトーチのターゲット
を一定とすることができ、溶接工程が簡易化され、製造
コストの低廉化を実現することができる。
【0025】
【評価】図5に示すように、各第1コア8a〜8dに対
応して第1拡管工程後のパイプ91の測定位置1〜8を
設定する。そして、実施形態2の第1拡管工程後のパイ
プ91の外周面と取付孔90aの内周面との間の間隙C
のすきま量(mm)との関係を求めた。各第1コア8a
〜8dの凸部17の上面から0.1mm及び5mmの位
置における結果を図11に示す。
【0026】また、図5に示すように、第2コア9a〜
9fに対応して第2拡管工程後のパイプ91の測定位置
1〜12を設定する。そして、実施形態2の第2拡管工
程後のパイプ91の外周面と取付孔90aの内周面との
間の間隙Cのすきま量(mm)との関係を求めた。各第
2コア9a〜9fの凸部17の上面から0.1mm及び
5mmの位置における結果を図12に示す。
【0027】図11及び図12より、第1拡管工程だけ
ではパイプ91の外周面と取付孔90aの内周面との間
の間隙Cが大きいのに対し、第2拡管工程によりその間
隙Cを0.05mm以下に極めて微小化できることがわ
かる。 (実施形態3及び変形形態)実施形態1では、各第2コ
ア9a〜9fによる第2拡管工程時に図13に示す歪み
εと応力σとの挙動を示した。すなわち、必要な拡径量
による拡管設定応力の下、パイプ91の変形中期には大
きな歪みεを生じて応力σの増大を生じることはないも
のの(拡管変形領域)、パイプ91の変形後期には小さ
な歪みεでも応力σの増大を生じることとなる(フラン
ジ圧縮変形領域)。これでは各第2コア9a〜9f、カ
ム14等にストロークに応じて大きな加工荷重Fが作用
することとなるため、これらの耐久性が危惧される。
【0028】この点、実施形態3では、図14に示すよ
うに、各第2コア9a〜9fの突起16の横に台形状に
開く複数の凹部18を形成している。他の構成及び条件
は実施形態2と同一である。また、変形形態では、図示
はしないが、各第2コア9a〜9fの突起16の横に長
方形状に開く複数の凹部を形成している。他の構成及び
条件は実施形態2と同一である。
【0029】これら実施形態3及び変形形態では、各第
2コア9a〜9fによる第2拡管工程時に図15に示す
歪みεと応力σとの挙動を示した。すなわち、実施形態
3及び変形形態では、フランジ圧縮変形領域においても
応力σの増大が低減されている。これは、凹部18等を
形成した各第2コア9a〜9fがパイプ91を小さな接
触面積で押圧し、材料を凹部18等に充填しつつパイプ
91を厚さ方向で変形させるため、パイプ91の厚さ方
向の塑性変形を増大させることができるからである。
【0030】このため、実施形態3及び変形形態によれ
ば、各第2コア9a〜9f、カム14等に作用する加工
荷重Fを低減することができ、これらの耐久性を向上さ
せることができる。また、実施形態3及び変形形態によ
れば、凹部18等が材料を充填するため、パイプ91の
厚さ方向の誤差も吸収することができる。なお、実施形
態3の方が変形形態より好ましい。台形状に開く凹部1
8の方が各第2コア9a〜9fの必要なストロークを小
さくすることができるとともに、凹部18回りの強度を
確保しやすいからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係り、拡管工程前の組付け装置の
縦断面図である。
【図2】実施形態1に係り、拡管工程後の組付け装置の
縦断面図である。
【図3】実施形態1に係り、パイプの端面図である。
【図4】実施形態1に係り、パイプの端面図である。
【図5】実施形態1に係り、第1拡管工程で用いる各コ
ア及び第2拡管工程で用いる各コアの模式平面図であ
る。
【図6】実施形態1に係り、第1拡管工程直前のフラン
ジ、パイプ等を示す横断面図である。
【図7】実施形態1に係り、第1拡管工程後のフラン
ジ、パイプ等を示す横断面図である。
【図8】実施形態1に係り、第2拡管工程後のフラン
ジ、パイプ等を示す横断面図である。
【図9】実施形態2に係り、拡管工程前の組付け装置の
部分拡大縦断面図である。
【図10】実施形態2に係り、拡管工程後の組付け装置
の部分拡大縦断面図である。
【図11】実施形態2により得たフランジ及びパイプに
係り、第1拡管工程後の測定位置とすきま量との関係を
示すグラフである。
【図12】実施形態2により得たフランジ及びパイプに
係り、第2拡管工程後の測定位置とすきま量との関係を
示すグラフである。
【図13】実施形態1に係り、歪みと応力との関係を示
す模式グラフである。
【図14】実施形態3に係り、第2拡管工程で用いるコ
ア等の一部拡大横断面図である。
【図15】実施形態1、3及び変形形態に係り、歪みと
応力との関係を示す模式グラフである。
【図16】従来形態に係り、(A)は拡管工程前の組付
け装置の一部縦断面図、(B)は拡管工程後の組付け装
置の一部縦断面図である。
【符号の説明】
90…金属製フランジ 90a…取付孔 91…金属製パイプ 1、4、7…基台(1…位置決めベース、4…ベース、
7…ホルダ) 8a〜8d…第1コア 9a〜9f…第2コア 14…カム 16…突起 17…凸部 18…凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森下 弘一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】取付孔をもつ金属製フランジを保持すると
    ともに、該取付孔内に金属製パイプの一端を挿入した状
    態で該パイプを保持する基台と、該パイプの該一端内に
    収納され、該基台に案内されて径方向に移動可能な周方
    向で複数に分割されたコアと、該基台に移動可能に設け
    られ、各該コアを径外方向に移動させるカムとを備えた
    組付け装置を用い、該パイプの外周面と該取付孔の内周
    面とが当接すべく、該カムで各該コアを径外方向に移動
    させることにより、該パイプの該一端を拡管する拡管工
    程と、 該パイプの外周面と該取付孔の内周面とを溶接する溶接
    工程とを順次行う金属製フランジと金属製パイプとの接
    合方法であって、 前記拡管工程は、前記パイプの内周面との位相が異なる
    ように少なくとも二回行うことを特徴とする金属製フラ
    ンジと金属製パイプとの接合方法。
  2. 【請求項2】二回目以降の拡管工程は、前回の拡管工程
    に比して、各コアの外面が大きく径外方向に移動するよ
    うに行うことを特徴とする請求項1記載の金属製フラン
    ジと金属製パイプとの接合方法。
  3. 【請求項3】二回目以降の拡管工程と前回の拡管工程と
    で異なる各コアを採用し、該二回目以降の拡管工程で採
    用する各コアの外面には、該前回の拡管工程における拡
    管時の各コア間に位置して径外方向に突出する突起が形
    成されていることを特徴とする請求項2記載の金属製フ
    ランジと金属製パイプとの接合方法。
  4. 【請求項4】各コアには、径外方向に移動する際にパイ
    プの一端を潰し得る凸部を有することを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の金属製フランジと金属製パイプと
    の接合方法。
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