JP2004003558A - ロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具 - Google Patents

ロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2004003558A
JP2004003558A JP2002160533A JP2002160533A JP2004003558A JP 2004003558 A JP2004003558 A JP 2004003558A JP 2002160533 A JP2002160533 A JP 2002160533A JP 2002160533 A JP2002160533 A JP 2002160533A JP 2004003558 A JP2004003558 A JP 2004003558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rod
stopper
flange portion
rough
peripheral edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002160533A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Murakami
村上 裕
Makoto Nishimura
西村 誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP2002160533A priority Critical patent/JP2004003558A/ja
Publication of JP2004003558A publication Critical patent/JP2004003558A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Actuator (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】ロッドに対するストッパ部材の固定構造および固定方法に改良を加えることにより、リバウンドクッションの内周側および外周側の損傷を未然に防止する。
【解決手段】筒状部21の一端にフランジ部22を有するストッパ部材23をロッド24に形成された環状溝25内にかしめ固定する際、前記ストッパ部材(粗形材)23のフランジ部22の材料を受ダイの凹座部内にフィルアップさせて、前記フランジ部22のおもて面22a側の外周縁部にアール部28を形成し、かつ該フランジ部22のおもて面22a側の内周縁部をロッド24の外周面に密着させ、前記おもて面22aに接合されるリバウンドクッションが、フランジ部22の外周エッジに引掛り、あるいはフランジ部22とロッド24との隙間に入るのを防止する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧緩衝器、シリンダ装置等のロッドの移動を規制するロッドストッパ装置およびロッドにストッパ部材をかしめ固定するロッドストッパ固定方法並びにこの方法の実施に用いるかしめ工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ガス封入式油圧緩衝器は、図11に示すように、ベースシェル1内にシリンダ2を収納した二重筒構造となっており、シリンダ2内にはピストン3が摺動可能に配設されており、このピストン3には、ベースシェル1およびシリンダ2の上端開口部内に共通に配置したロッドガイド4を摺動可能に挿通して延ばされたピストンロッド(ロッド)5の一端部が連結されている。シリンダ2内およびシリンダ2とベースシェル1との間の環状室(リザーバ室)6は、ベースシェル1の上端開口部内に配置したシール部材7により密閉室として区画されており、この密閉のシリンダ2内には油液が、リザーバ室6にはガスと油液とがそれぞれ封入されている。一方、ピストン3には伸長行程時に減衰力を発生するピストンバルブ8が、シリンダ2の底部には短縮行程時に減衰力を発生するベースバルブ9がそれぞれ配設されている。
【0003】
このような油圧緩衝器は、ロッド5の伸長行程時には、シリンダ2内のピストン上室a内の油液がピストンバルブ8を開いてピストン下室bに流れ込み、この間に減衰力が発生し、この時、ロッド5のシリンダ2内からの退出分の油液がリザーバ室6からベースバルブ9を通してピストン下室bに補給される。一方、ロッド5の短縮行程時には、ピストン下室bの油液の一部がピストンバルブ8を通してピストン上室aに流動すると同時に、シリンダ2内へのロッド5の進入分の油液がベースバルブ9を開いてリザーバ室6へ流れ込み、この間に減衰力が発生する。
【0004】
この種の油圧緩衝器において上記ロッド5の伸長端は、その途中に設けたロッドストッパ装置10をロッドガイド4に当接させることにより規制されるようになっている。このロッドストッパ装置10は、図12に示すように、筒状部11の一端にフランジ部12を有するストッパ部材13と、このストッパ部材13のフランジ部12のおもて面に接合されたリバウンドクッション14とを備えており、そのリバウンドクッション14が、前記ロッドガイド4に対する衝突時の衝撃を緩和する役割をなしている。
【0005】
ところで従来、上記ロッドストッパ装置10としては、ストッパ部材13を溶接(プロジェクション溶接等)によりロッド5に固定した構造、あるいは該ストッパ部材13をロッド5に形成された環状溝に装着した止め輪(Cリング)により固定した構造が一般に採用されていた。しかし、前者の構造では、溶接により生じたチリ、バリ、スパッタ等がロッド5を傷付けることが多いため、使用中に油漏れあるいは減衰特性の悪化を招くという問題があり、また、後者の構造では、ストッパ部材の他にCリングが必要なため、部品点数が多くなり、組立工数も増えるという問題があった。
そこで、最近は、前記図12にも示したようにストッパ部材10の筒状部12をロッド5に形成された環状溝15にかしめ固定した構造が多く採用されるようになってきている(例えば、特開2002−13577号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のかしめ固定を利用したロッドストッパ装置10によれば、図12によく示されるように、ストッパ部材13のフランジ部12の外周縁16がエッジ状に切立っており、また、フランジ部12のおもて面(リバウンドクッション14の支持面)側の内周縁部とロッド5との間にかなり大きな間隙17が存在するため、ロッドストッパ装置10がロッドガイド4に衝突した際、圧縮変形して横に広がるリバウンドクッション14の外周縁部が前記フランジ部12の外周縁(エッジ)16に引掛かると共に、その内周縁部が前記間隙17に入り込み、リバウンドクッション14の外周側および内周側が早期に損傷を受ける、という問題があった。
なお、上記ストッパ部材13のフランジ部12のおもて面側外周縁部を事前にまたはロッド5に対する固定後に面取りすることにより、リバウンドクッション14の外周縁部の損傷を防止することができるが、この場合は、別途面取り加工が必要となって製造コストが上昇することに加え、リバウンドクッション14の内周縁部の損傷には何らの対策とならず、根本的な解決には至らない。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、ロッドに対するストッパ部材の固定構造および固定方法に改良を加えることによりリバウンドクッションの損傷を未然に防止できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係るロットストッパ装置は、筒状部の一端にフランジ部を有するストッパ部材をロッドに形成された溝内にかしめ固定し、前記ストッパ部材のフランジ部のおもて面にクッション部材を支承したロッドストッパ装置において、前記ストッパ部材は、そのフランジ部のおもて面側外周縁部に前記かしめ固定により形成された面取部を備え、かつ該フランジ部のおもて面側内周縁部を前記かしめ固定と共に前記ロッドに密着させていることを特徴とする。
このように構成したロッドストッパ装置においては、ロッドに対するストッパ部材のかしめ固定に際して、ストッパ部材のフランジ部のおもて面側外周縁部に面取部が形成され、かつ該フランジ部のおもて面側内周縁部がロッドに密着するので、リバウンドクッションの損傷原因が解消される。
【0008】
また、上記課題を解決するための本発明に係るロッドストッパ固定方法は、筒状部の一端にフランジ部を有するストッパ粗形材と周面に溝を有するロッドとを用意し、前記ロッドに前記ストッパ粗形材を遊嵌して、フランジ部のおもて面を、該ロッドを囲む受ダイの凹座部の底面に当接させ、しかる後、前記ロッドを囲む押ダイを該ロッドに沿って移動させて、前記ストッパ粗形材の筒状部を前記溝内に押込むと同時に、フランジ部を前記受ダイの凹座部内にフィルアップさせ、前記フランジ部のおもて面側外周縁部に面取部を形成しかつ該フランジ部のおもて面側内周縁部を前記ロッドに密着させることを特徴とする。
このように行うロッドストッパ固定方法においては、ストッパ粗形材のフランジ部を受ダイの凹座部内にフィルアップさせるので、該凹座部の内面形状を適当にすることで、固定後のフランジ部のおもて面側外周縁部には面取部が確実に形成され、しかも、該フランジ部のおもて面側の内周縁部は前記ロッドに密着される。
本ロッドストッパ固定方法においては、上記ストッパ粗形材のフランジ部の背面側の外周縁部を押ダイにより拘束しながら、該フランジ部を受ダイの凹座部内にフィルアップさせるようにしてもよく、この場合は、該フランジ部の外周縁部の形状出しがより確実になると共に、その外径寸法も正確に仕上る。
【0009】
さらに、上記課題を解決するための本発明に係るロッドストッパかしめ工具は、ロッドに遊嵌されたストッパ粗形材を受ける受ダイと、該受ダイに対して前記ストッパ粗形材を押圧すると共に、前記ストッパ粗形材の筒状部を前記ロッドの溝に押込む押ダイとを備え、前記受ダイは、前記ストッパ粗形材のフランジ部を受ける受面を底面に設定すると共に、前記フランジ部の周囲を確定する内周面と前記底面とを、前記フランジ部のおもて面側外周縁部の面取部を画定する面取面で連接しており、前記押ダイは、前記ストッパ粗形材の筒状部を絞るかしめ部の先端側に所定の角度をなして突出する押込突起を設けていることを特徴とする。この場合、押ダイが、押込突起の周りに配置されストッパ粗形材のフランジ部の背面側外周縁部を拘束する押圧凸部を備えている構成とすることができる。
このように構成したロッドストッパかしめ工具によれば、上記したロッドストッパ固定方法を容易かつ確実に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明の第1の実施の形態としてのロッドストッパ装置とロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具を示したものである。本ロッドストッパ装置20は、ストラット用油圧緩衝器に適用されるもので、図1、2に示されるように、筒状部21の一端にフランジ部22を有するストッパ部材23を、ロッド24に形成された環状溝25にかしめ固定した構造となっており、ストッパ部材23のフランジ部22のおもて面22aに前記リバウンドクッション14(図11、12)が接合されて完成する。
【0011】
本第1の実施の形態において、前記ロッド24の環状溝25は、図2によく示されるように、ロッド24の軸線に対して傾斜するテーパ部25aと、該軸線に平行なストレート部25bと所定の曲率のアール部25cとを連接した底面形状を有しており、ストッパ部材23は、その筒状部21を前記環状溝25の底面に密着させた状態でかしめ固定されている。ストッパ部材23は、そのフランジ部22の外周面の一部を、おもて面22a側へ向けて次第に縮径する円錐面27とすると共に、この円錐面27とおもて面22aとを小半径のアール部(面取部)28で連接している。ストッパ部材23はまた、そのフランジ部22のおもて面22a側内周縁部をロッド24の外周面に密着させている。これら円錐面27とアール部28とを含むフランジ部22の外周部形状およびロッド24に密着するフランジ部22の内周部形状は、かしめ加工により形成されたもので、このかしめ加工については、後に詳述する。なお、ロッド24の環状溝25内のテーパ部25aのテーパ角θ1は、概ね15〜25°に設定されている。また、この環状溝25は、機械加工により形成してもよいが、溝の曲げ疲労強度、さらには量産性およびコストを考慮すれば、転造加工により形成するのが望ましい。
【0012】
上記のように構成したロッドストッパ装置20においては、そのストッパ部材23が、フランジ部22のおもて面22a側の外周縁部にアール部28を、フランジ部22の外周面に前記アール部28に続く円錐面27をそれぞれ設けているので、使用中、前記ロッドガイド4(図11)に衝突してリバウンドクッション14が圧縮変形しても、リバウンドストッパ14の外周縁部がフランジ部22の外周縁に引掛かることはない。また、このフランジ部22のおもて面22a側内周縁部はロッド24の外周面に密着しているので、ストッパ部材23とロッド24との間にリバウンドストッパ14の内周縁部が入り込むことはない。したがって、リバウンドストッパ14が早期に損傷することはなくなる。
ここで、面取部としては、アール部28のようなアール形状に限らず、外周縁にいくにしたがってゆるやかに傾斜する傾斜面を連接して面取部を形成してもよい。
本実施の形態においては特に、ロッド24に形成した環状溝25の底面にストレート部25bを配すると共に、このストレート部25bの両側にテーパ部25aおよびアール部25cを配したので、ストッパ部材23のフランジ22に大きな荷重が加わるような場合は、そのストレート部25bに曲げモーメントによる縮径方向の応力が発生し、これによりストッパ部材23が環状溝25底に押えられ、その抜け強度は可及的に増大する。
【0013】
本ロッドストッパ固定方法の実施に際しては、上記環状溝25を予め形成したロッド24を用意すると共に、図3に示すように、筒状部21´の一端にフランジ部22´を有するストッパ粗形材23´を用意する。ストッパ粗形材23´は、ロッド24の外径よりもわずか大きな内径d1を有し、かつ前記ストッパ部材23として必要なフランジ部22の最大外径よりもわずか小さな外径D1を有するようにその大きさが設定されている。このストッパ粗形材23´を得る方法は任意であるが、量産性に富みかつコスト面で有利なプレス加工を用いるのが望ましい。
【0014】
本ロッドストッパ固定方法の実施に用いるかしめ工具30は、図1、図4および図5に示すように、ストッパ粗形材23´をそのフランジ部22´を介して受ける環状受ダイ31と、この受ダイ31に対してストッパ粗形材23´を押圧すると共に、その筒状部21´を前記ロッド24の環状溝25に押込む環状押ダイ32とからなっている。
なお、ここで、受ダイ31は、ロッド24のロッドガイド4側(摺動側)に位置するため、傷をつけないよう分割構造とするのが望ましい。
【0015】
上記受ダイ31は、図4によく示されるように、その上面にストッパ粗形材23´のフランジ部22´を部分的に受け入れる凹座部33を有し、この凹座部33の底面33aを前記フランジ部22´の受面として提供するようになっている。凹座部33の周囲を確定する内周面は、受ダイ31の上面に向けて次第に拡径する円錐面34となっており、この円錐面34と前記底面33aとの間は小半径の湾曲面(面取面)35により連接されている。この凹座部33の最大内径d2は、前記ストッパ部材23として必要な最大外径と同じ大きさに設定されており、したがって、前記ストッパ粗形材23´のフランジ部22´は、受ダイ31の凹座部33内に、その外周面(円錐面)34との間にわずかのクリアランス(0.15〜0.4mm)有して納まるようになっている。
【0016】
一方、かしめ工具30を構成する押ダイ32は、図5によく示されるように、その一端部に軸線に対して所定の角度θ2で開くかしめ部36を備えると共に、このかしめ部36の先端側に所定の角度θ3をなして突出する環状の押込突起37を備えている。かしめ部36の角度θ2は、前記ロッド24の環状溝25内のテーパ部25aの角度θ1(図2)に対し、一例としてθ2=θ1+5〜15°の関係となるようにその大きさが設定され、また、前記押込突起37の角度θ3は、80〜100°の大きさに設定されている。
【0017】
上記かしめ工具30を構成する受ダイ31は、図1に示すようにかしめ装置内に位置固定的に配置され、一方、押ダイ32は、図示を略す駆動手段に支持されて、受ダイ31に対して接近離間するようになっている。また、かしめ装置内には、ロッド24の下端をフローティング可能に支持するクッション手段(図示略)が配置されている。
本ロッドストッパ固定方法の実施に際しては、受ダイ31を挿通させたロッド24の下端を前記クッション手段に支持させた後、受ダイ31の位置を調整してその凹座部33をロッド24の環状溝25のわずか下方位置に位置決めし、その後、ロッド24に嵌合されたストッパ粗形材23´のフランジ部22´を受ダイ31の凹座部33の内底面33aに着座させる。
次に、図示を略す駆動手段により押ダイ32を下降させる。すると、ストッパ粗形材23´の筒状部21´が押ダイ32のテーパ状かしめ部36によって次第に絞られてロッド24の環状溝25内に押込まれ、さらに、押ダイ32の先端の押込突起37がフランジ部22´の背面側の、筒状部21´に対する接続部付近に押込まれる。そして、前記フランジ部22´の背面に対する押込突起37の押込みにより、ストッパ粗形材23´のフランジ部22´の材料が受ダイ31の凹座部33内で塑性流動を起こし、該材料が凹座部33内にフィルアップし、これにてストッパ部材23のロッド24に対するかしめ固定は終了する。
【0018】
しかして、上記かしめ固定に際しては、上記したように最終段階で、ストッパ粗形材23´のフランジ部22´の材料が受ダイ31の凹座部33内にフィルアップするので、固定後のストッパ部材23のフランジ部22のおもて面22a側外周縁部には、受ダイ31の凹座部33の外周縁部に設定されていた湾曲面35と円錐面34とが転写されたアール部28と円錐面27とが形成される。また、これと同時に、ストッパ粗形材23´のフランジ部22´の内周縁部がロッド24の外周面に沿って流動し、固定後のストッパ部材23は、そのフランジ部22のおもて面22a側内周縁部をロッド24に密着させた状態となる。
【0019】
図6〜図10は、本発明の第2の実施の形態としてのロッドストッパ装置とロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具を示したものである。本ロッドストッパ装置40は、非ストラッド用油圧緩衝器に適用されるもので、図6、7に示されるように、筒状部41の一端にフランジ部42を有するストッパ部材43を、ロッド44に形成された環状溝45にかしめ固定した構造となっており、ストッパ部材43のフランジ部42のおもて面42aに前記リバウンドクッション14(図11、12)が接合されて完成する。なお、このストッパ部材43は、上記第1の実施の形態におけるストッパ部材23に比べて、そのフランジ部42が大径になっている。
【0020】
本第2の実施の形態において、前記ロッド44の環状溝45は、図7によく示されるように、ロッド44の軸線に対して傾斜するテーパ部45aと所定の曲率のアール部45bとを連接した底面形状を有しており、ストッパ部材43は、その筒状部41を前記環状溝45の底面に密着させた状態でかしめ固定されている。ストッパ部材43は、そのフランジ部42の外周面を円筒面47とすると共に、この円筒面47とおもて面42aとを比較的大きな半径のアール部48で連接している。ストッパ部材43はまた、そのフランジ部42のおもて面42a側内周縁部をロッド44の外周面に密着させている。これら円筒面47、アール部48を含むフランジ部42の外周部形状およびロッド44に密着するフランジ部42の内周部形状はかしめ加工により形成されたもので、これについては、後に詳述する。なお、ロッド44の環状溝45内のテーパ部45aのテーパ角θ11は、概ね15〜25°に設定されている。また、この環状溝45は、機械加工により形成してもよいが、量産性およびコストを考慮すれば、転造加工により成形するのが望ましい。
【0021】
上記のように構成したロッドストッパ装置40においては、そのストッパ部材43が、フランジ部42のおもて面42a側の外周縁部にアール部48を設けているので、使用中、前記ロッドガイド4(図11)に衝突してリバウンドクッション14が圧縮変形しても、リバウンドストッパ14の外周縁部がフランジ部42の外周縁に引掛かることはない。また、このフランジ部42のおもて面42a側の内周縁部はロッド44の外周面に密着しているので、ストッパ部材43とロッド44との間にリバウンドストッパ14の内周縁部が入り込むことはない。したがって、バウンドストッパ14が早期に損傷を受けることがなくなる。
本第2の実施の形態においては、ロッド44の環状溝45内に、上記第1の実施の形態におけるストレート部25b(図2)が存在しないので、ストッパ部材43の抜け荷重は第1の実施の形態における場合よりも小さくなるが、非ストラッド用油圧緩衝器の場合は、ストッパ部材43のフランジ42にそれほど大きな荷重が加わらないので、強度上の問題は生じない。
【0022】
本ロッドストッパ固定方法の実施に際しては、上記環状溝45を予め形成したロッド44を用意すると共に、図8に示すように、筒状部41´の一端にフランジ部42´を有するストッパ粗形材43´を用意する。ストッパ粗形材43´は、ロッド44の外径よりもわずか大きな内径d11を有し、かつ前記ストッパ部材43として必要なフランジ部42の最大外径よりもわずか小さな外径D11を有するようにその大きさが設定されている。このストッパ粗形材43´を得る方法は任意であるが、量産性に富みかつコスト面で有利な冷間鍛造を用いるのが望ましい。
【0023】
本ロッドストッパ固定方法の実施に用いるかしめ工具50は、図6、図9および図10に示すように、ストッパ粗形材43´をそのフランジ部42´を介して受ける環状受ダイ51と、この受ダイ51に対してストッパ粗形材43´を押圧すると共に、その筒状部41´を前記ロッド44の環状溝45に押込む環状押ダイ52とからなっている。
なお、ここで、受ダイ51は、ロッド44のロッドガイド4側(摺動側)に位置するため、傷をつけないよう分割構造とするのが望ましい。
【0024】
上記受ダイ51は、図9によく示されるように、その上面に前記ストッパ粗形材43´のフランジ部42´を部分的に受け入れる凹座部53を有し、この凹座部53の底面53aを前記フランジ部42´の受面として提供するようになっている。凹座部53の周囲を確定する内周面は円筒面54となっており、この円筒面54と前記底面53aとの間は比較的大きな半径の湾曲面55により連接されている。この凹座部53の最大内径d21は、前記ストッパ部材43として必要な最大外径と同じ大きさに設定されており、したがって、前記ストッパ粗形材43´のフランジ部42´は、受ダイ51の凹座部53内に、その円筒面(内周面)54との間にわずかのクリアランス(0.15〜0.4mm)有して納まるようになっている。
【0025】
一方、かしめ工具50を構成する押ダイ52は、図10によく示されるように、その一端部に軸線に対して所定の角度θ21で開くかしめ部56を備えると共に、このかしめ部56の先端側に所定の角度θ31をなして突出する環状の押込突起57を備え、さらにこの押込突起57の周りに、粗形材53´のフランジ部52´の背面側外周縁部を押える環状の押圧凸部58を備えている。かしめ部56の角度θ21は、前記ロッド44の環状溝45内のテーパ部45aの角度θ11(図7)に対し、一例としてθ21=θ11+5〜15°の関係となるようにその大きさが設定され、また、前記押込突起57の角度θ31は、80〜100°の大きさに設定されている。
【0026】
上記かしめ工具50を構成する受ダイ51は、第1の実施の形態と同様にかしめ装置内に位置固定的に配置され、一方、押ダイ52は、図示を略す駆動手段に支持されて、受ダイ51に対して接近離間するようになっている。また、かしめ装置内には、ロッド54の下端をフローティング可能に支持するクッション手段(図示略)が配置されている。
本ロッドストッパ固定方法の実施に際しては、受ダイ51を挿通させたロッド44の下端を前記クッション手段に支持させた後、受ダイ51の位置を調整してその凹座部53をロッド44の環状溝45のわずか下方位置に位置決めし、その後、ロッド44に嵌合されたストッパ粗形材43´のフランジ部42´を受ダイ51の凹座部53の内底面53aに着座させる。
次に、図示を略す駆動手段により押ダイ52を下降させる。すると、ストッパ粗形材43´の筒状部41´が押ダイ52のテーパ状かしめ部56によって次第に絞られてロッド44の環状溝45内に押込まれる。そして、押ダイ52がさらに下降すると、押ダイ52の先端の押込突起57がフランジ部42´の背面側の、筒状部41´に対する接続部付近に押込まれると同時に、押込突起57の周りの押圧凸部58が、フランジ部42´の裏面側の外周縁部を押える。前記フランジ部42´の背面に対する押込突起57の押込みにより、粗形材43´のフランジ部42´の材料が受ダイ51の凹座部53内で塑性流動を起こし、該材料が凹座部53内にフィルアップし、これにてストッパ部材43のロッド44に対するかしめ固定は終了する。
【0027】
しかして、上記かしめ固定に際しては、上記したように最終段階で、粗形材43´のフランジ部42´の材料が受ダイ51の凹座部53内にフィルアップすると共に、押圧凸部58が、フランジ部42´の裏面側の外周縁部を押えるので、固定後のストッパ部材43のフランジ部42のおもて面42a側外周縁部には、受ダイ51の凹座部53の外周縁部に設定されていた比較的大きな半径の湾曲面55が正確に転写されたアール部48が形成され、しかも、固定後のストッパ部材43のフランジ部42の外径寸法も正確に出る。また、これと同時に、粗形材43´のフランジ部42´の内周縁部がロッド44の外周面に沿って流動し、固定後のストッパ部材43は、そのフランジ部42のおもて面42a側内周縁部をロッド44に密着させた状態となる。
【0028】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明に係るロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法によれば、ロッドに対するストッパ部材のかしめ固定に際して、ストッパ部材のフランジ部のおもて面側外周縁部に面取部が形成され、かつ該フランジ部のおもて面側内周縁部がロッドに密着するので、従来、圧縮変形に伴って生じていたリバウンドクッションの損傷は未然に防止される。
また、本発明に係るかしめ工具によれば、受ダイに凹座部に設けると共に、押ダイに押込突起を設け、さらに所望により押込突起の周りに押圧凸部を設けるという簡単な構成で、上記したロッドストッパ固定方法を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのロッドストッパ装置とこのロッドストッパ装置を得るためのロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具を示す断面図である。
【図2】本第1の実施の形態としてのロッドストッパ装置の構造を示す断面図である。
【図3】本第1の実施の形態としてのロッドストッパ固定方法で用いるストッパ粗形材の形状を示す断面図である。
【図4】本第1の実施の形態としてのロッドストッパ固定方法の実施に際して用いる受ダイの構造を示す断面図である。
【図5】本第1の実施の形態としてのロッドストッパ固定方法の実施に際して用いる押ダイの構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態としてのロッドストッパ装置とこのロッドストッパ装置を得るためのロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具を示す断面図である。
【図7】本第2の実施の形態としてのロッドストッパ装置の構造を示す断面図である。
【図8】本第2の実施の形態としてのロッドストッパ固定方法で用いるストッパ粗形材の形状を示す断面図である。
【図9】本第2の実施の形態としてのロッドストッパ固定方法で用いる受ダイの構造を示す断面図である。
【図10】本第2の実施の形態としてのロッドストッパ固定方法で用いる押ダイの構造を示す断面図である。
【図11】本発明の対象の1つである油圧緩衝器の全体構造を示す断面図である。
【図12】従来のロッドストッパ装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
20、40  ロッドストッパ装置
21、41  ストッパ部材の筒状部
21´、41´  ストッパ粗形材の筒状部
22、42  ストッパ部材のフランジ部
22´、42´  ストッパ粗形材のフランジ部
23、43  ストッパ部材
23´、43´  ストッパ粗形材
24、44  ロッド
25、45  環状溝
28     ストッパ部材のアール部(面取部)
30、50  かしめ工具
31、51  受ダイ
32、52  押ダイ
33、53  受ダイの凹座部
35、55  凹座部の湾曲面(面取面)
36、56  押ダイのかしめ部
37、57  押込突起
58     押圧凸部

Claims (5)

  1. 筒状部の一端にフランジ部を有するストッパ部材をロッドに形成された溝内にかしめ固定し、前記ストッパ部材のフランジ部のおもて面にクッション部材を支承したロッドストッパ装置において、前記ストッパ部材は、そのフランジ部のおもて面側外周縁部に前記かしめ固定により形成された面取部を備え、かつ該フランジ部のおもて面側内周縁部を前記かしめ固定と共に前記ロッドに密着させていることを特徴とするロッドストッパ装置。
  2. 筒状部の一端にフランジ部を有するストッパ粗形材と周面に溝を有するロッドとを用意し、前記ロッドに前記ストッパ粗形材を遊嵌して、フランジ部のおもて面を、該ロッドを囲む受ダイの凹座部の底面に当接させ、しかる後、前記ロッドを囲む押ダイを該ロッドに沿って移動させて、前記ストッパ粗形材の筒状部を前記溝内に押込むと同時に、フランジ部を前記受ダイの凹座部内にフィルアップさせ、前記フランジ部のおもて面側外周縁部に面取部を形成しかつ該フランジ部のおもて面側内周縁部を前記ロッドに密着させることを特徴とするロッドストッパ固定方法。
  3. ストッパ粗形材のフランジ部の背面側の外周縁部を押ダイにより拘束しながら、該フランジ部を受ダイの凹座部内にフィルアップさせることを特徴とする請求項2に記載のロッドストッパ固定方法。
  4. ロッドに遊嵌されたストッパ粗形材を受ける受ダイと、該受ダイに対して前記ストッパ粗形材を押圧すると共に、前記ストッパ粗形材の筒状部を前記ロッドの溝に押込む押ダイとを備え、前記受ダイは、前記ストッパ粗形材のフランジ部を受ける受面を底面に設定すると共に、前記フランジ部の周囲を確定する内周面と前記底面とを、前記フランジ部のおもて面側外周縁部の面取部を確定する面取面で連接しており、前記押ダイは、前記ストッパ粗形材の筒状部を絞るかしめ部の先端側に所定の角度をなして突出する押込突起を設けていることを特徴とするかしめ工具。
  5. 押ダイが、押込突起の周りに配置されストッパ粗形材のフランジ部の背面側外周縁部を拘束する押圧凸部を備えていることを特徴とする請求項4に記載のかしめ工具。
JP2002160533A 2002-05-31 2002-05-31 ロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具 Pending JP2004003558A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160533A JP2004003558A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 ロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160533A JP2004003558A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 ロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004003558A true JP2004003558A (ja) 2004-01-08

Family

ID=30429909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002160533A Pending JP2004003558A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 ロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004003558A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101419732B1 (ko) 2012-02-23 2014-07-15 주식회사 만도 범퍼 러버
DE102014116109A1 (de) * 2014-11-05 2016-05-12 Thyssenkrupp Ag Stoßdämpfer mit einem daran befestigten Federteller und Verfahren zum Befestigen eines Federtellers an einem Stoßdämpfer
JP2017009111A (ja) * 2015-06-18 2017-01-12 株式会社ニチリン 継手と支持部材との接合構造およびその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101419732B1 (ko) 2012-02-23 2014-07-15 주식회사 만도 범퍼 러버
DE102014116109A1 (de) * 2014-11-05 2016-05-12 Thyssenkrupp Ag Stoßdämpfer mit einem daran befestigten Federteller und Verfahren zum Befestigen eines Federtellers an einem Stoßdämpfer
US10780758B2 (en) 2014-11-05 2020-09-22 Thyssenkrupp Bilstein Gmbh Shock-absorbing damper with a spring plate fastened thereto, and method for the fastening of a spring plate to a shock-absorbing damper
JP2017009111A (ja) * 2015-06-18 2017-01-12 株式会社ニチリン 継手と支持部材との接合構造およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8230834B2 (en) Hollow poppet valve and method of manufacturing the same
CA2667269C (en) Piercing method and piercing apparatus using hydroforming and hydroformed part and structure
JP5046085B2 (ja) 接合ロッドおよびシリンダ装置の製造方法
EP1219474A1 (en) Strut mount
US20110097172A1 (en) Clinch Pin Fastener
US7318452B2 (en) Accumulator
US7810620B2 (en) Bracket mounting structure and bracket mounting method
US20030024780A1 (en) Shaft seat part structure of hydraulic shock absorber and assembling method thereof
US20120324978A1 (en) Clinch Pin Fastener
US20050218574A1 (en) Hydraulic shock absorber
JPS62167947A (ja) 自動車用緩衝装置
JP5339031B2 (ja) 2部材の結合方法および2部材の結合体
JP2004003558A (ja) ロッドストッパ装置およびロッドストッパ固定方法並びにかしめ工具
CN112211942B (zh) 支架、液压阻尼器组件及其之间的连接方法
KR101872982B1 (ko) 실린더 장치
CA2501080A1 (en) Method and device for the production of a tubular workpiece, particularly a shock absorber piston rod, and such a workpiece
JPH08233009A (ja) インシュレーターの取付構造
JP3887729B2 (ja) ロッドカラーの接合方法および接合型
JP3058574B2 (ja) 緩衝器用バンプラバー受の製造方法
JP2002013577A (ja) ロッドストッパ装置およびその加工方法
JP6546871B2 (ja) 筒体の製造方法
JPH0957380A (ja) 円筒部品の製造方法
JPH10141420A (ja) バンプストッパ
JPH11138224A (ja) 金属製フランジと金属製パイプとの接合方法
JP7078515B2 (ja) 異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040930

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040930

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20041129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060823