JPH11137201A - 大豆粉末含有型フリーズドライ豆腐の製造方法 - Google Patents

大豆粉末含有型フリーズドライ豆腐の製造方法

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JPH11137201A
JPH11137201A JP9326958A JP32695897A JPH11137201A JP H11137201 A JPH11137201 A JP H11137201A JP 9326958 A JP9326958 A JP 9326958A JP 32695897 A JP32695897 A JP 32695897A JP H11137201 A JPH11137201 A JP H11137201A
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soybean
freeze
powder
soybean powder
soymilk
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Kiyohiro Nagai
清宏 長井
Toshizo Tsujikawa
壽三 辻川
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MARUOU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリーズドライ豆腐の製造に当たり、凍結乾
燥時間を短縮化し、凍結乾燥時と湯戻し時の保形性を向
上し、豆腐の加水復元速度や食感を向上する。 【解決手段】 生大豆を直接粉砕処理して得られた大豆
粉末を生呉汁又は豆乳に加えて大豆粉末含有豆乳を調製
し、大豆粉末含有豆乳にゲル化剤と豆乳凝固剤を加え、
加熱凝固し、凝固した豆腐を真空凍結乾燥して大豆粉末
含有型フリーズドライ豆腐を製造する。豆腐組織中に食
物繊維を含む粗目の大豆粒子が混入し、水分の蒸発が促
進されて凍結乾燥速度が速くなる。大豆粉末に含まれる
食物繊維の混入により、組織同士の結着性が良くなり凍
結乾燥時と加水復元時の保形性が向上する。また、加水
復元速度が速く、滑らかな食感を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大豆粉末を含有した
フリーズドライ豆腐の製造方法に関し、凍結乾燥速度が
速いうえ、凍結乾燥時並びに加水復元時の保形性、加水
復元速度及び食感などに優れたものを提供する。
【0002】
【発明の背景】一般に、豆腐は水分が多いうえ蛋白質や
脂肪に富む生食品で腐敗し易く、保存性を付与するのは
容易でない。豆腐を保存食に加工したものとしては、従
来、生豆腐を厳寒時に凍結させた後、乾燥して組織を海
綿状にした「凍り豆腐」があるが、蛋白質が凍結変性する
ためにこれを水戻ししても豆腐のテクスチャーは再現さ
れず、元の生豆腐とは全くの別ものである。
【0003】
【従来の技術】一方、真空中で低温に保って水分を昇華
除去して食品を乾燥させる凍結乾燥処理、即ち、フリー
ズドライ製法は、一般に食品の品質変化がきわめて少な
いことが知られているため、この製法を生豆腐に適用し
て組織の凍結変性を回避することが考えられる。そこ
で、凍結乾燥豆腐の従来技術を挙げると、次の通りであ
る。 (1)従来技術1 特開昭59―28448号公報に、豆乳100重量部に
対してデキストリン及び/又は澱粉を2.5〜7重量部
を混合し、常法により凝固させて真空凍結乾燥した豆腐
が開示されている。 (2)従来技術2 特公昭60―52792号公報に、豆乳に澱粉類、卵白
及びカゼインを混合して、常法で凝固した後に凍結乾燥
した豆腐が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術1〜2と
もに、凍結乾燥処理にワンバッチ当たり20時間以上を
要し、生産性を高くできないという実情がある。また、
凍結乾燥工程で豆腐組織にヒビ割れ(クラック)が発生し
易く、これを回避するためには、どうしても個々の豆腐
の大きさを最大でも5mm角程度のサイズに抑えなけれ
ばフリーズドライ化できず、市場のニーズへの対応に限
界があった。例えば、上記従来技術2において、豆乳液
100重量部換算でカゼイン及びコンスターチなどの充
填剤を合計略1.8重量部混合して1cm角の凍結乾燥
豆腐を得る実施例(同表―3の試料1参照)では、湯戻し
した豆腐の戻り時間は120秒を要し、その外観は淡黄
色に着色してヒビ割れがあったと記載されており(同表
―4の試料1参照)、豆腐の保形性に問題があることが
判る。
【0005】そのうえ、上記従来技術1〜2には、下記
の理由により豆腐の加水復元性や食感などに問題があ
る。即ち、上記従来技術1では、湯戻しした場合、保水
性や弾力性などは、例えば生の豆腐を単に凍結乾燥した
ものに比較して改善されると記載しているが、デキスト
リンなどの充填剤の配合量が多過ぎて、風味に鋭敏な日
本人には粉臭くボソついた食感を覚えるとともに、湯戻
り時間(加水復元速度)も遅いというのが実情である。一
方、上記従来技術2のうち、豆乳液100重量部換算で
卵白、カゼイン及びコンスターチなどの充填剤を合計で
略12重量部混合して凍結乾燥豆腐を得る実施例(同公
報の表―1の試料1参照)では、湯戻しした豆腐の食感
は滑らかにして良好であったと記載している(同表―2
の試料1参照)が、充填剤の混合割合は前記従来技術1
より多くて、粉っぽい食感は避けられない。また、上記
充填剤を合計略1.8重量部混合した実施例(同表―3の
試料1参照)でも、湯戻しした豆腐の食感はややボソつ
いたと記載している(同表―4の試料1参照)。
【0006】本発明はフリーズドライ豆腐を製造するに
当たり、凍結乾燥時間を短縮化すること、凍結乾燥時及
び湯戻し時のヒビ割れを抑制すること、豆腐の加水復元
速度、食感などを向上することを主な技術的課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、先に、特開
平5−184321号公報で、豆乳にゼラチンなどのゲ
ル化剤とデンプン類を所定割合で混合して、加水復元速
度や食感などに優れたフリーズドライ豆腐を製造する技
術(以下、フリーズドライ豆腐の先行技術という)を開示
した。一方、特開平4−29757号公報、或は特開平
4−110051号公報に、農産物などの原料を摩擦粉
砕して粉体を製造する技術が、また、特開平4−402
46号公報に、当該粉体を製造するための粉砕機が各々
開示されている。
【0008】本発明者は、これらの粉体製造技術(以下、
先行粉体公報という)を生大豆原料に応用し、得られた
大豆粉末の有効な用途を鋭意研究した結果、例えば、大
豆の磨砕で得られる生呉汁にこの大豆粉末を所定割合で
混合し、これに前記フリーズドライ豆腐の先行技術を組
み合わせることにより、フリーズドライ豆腐の凍結乾燥
時間や加水復元時間が短縮化するとともに、凍結乾燥時
及び湯戻し時のヒビ割れが抑制されて保形性が向上する
ことなどを見い出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明1は、生大豆を直接粉砕処理
して得られた大豆粉末を生呉汁に混合し、煮熟して大豆
粉末含有豆乳を調製する工程と、大豆粉末含有豆乳にゲ
ル化剤と豆乳凝固剤を加える工程と、大豆粉末含有豆乳
を加熱凝固する工程と、凝固した豆腐に真空凍結乾燥処
理を施す工程とから成ることを特徴とする大豆粉末含有
型フリーズドライ豆腐の製造方法である。
【0010】本発明2は、生大豆を直接粉砕処理して得
られた大豆粉末に水を加えて煮熟し、煮熟済みの大豆粉
末液を豆乳に混合して大豆粉末含有豆乳を調製する工程
と、大豆粉末含有豆乳にゲル化剤と豆乳凝固剤を加える
工程と、大豆粉末含有豆乳を加熱凝固する工程と、凝固
した豆腐に真空凍結乾燥処理を施す工程とから成ること
を特徴とする大豆粉末含有型フリーズドライ豆腐の製造
方法である。
【0011】本発明3は、上記本発明1又は2におい
て、大豆粉末を6倍程度の水又は温湯で希釈して大豆粉
末液を得て、大豆粉末液70重量部〜35重量部と生呉
汁又は豆乳30〜65重量部とを混合して大豆粉末含有
豆乳を調製することを特徴とするものである。
【0012】本発明4は、上記本発明1〜3のいずれか
において、大豆粉末が、生大豆を微細に粉砕して得られ
た平均粒径が100μmより小さい大豆微細粉末である
ことを特徴とものである。
【0013】本発明5は、上記本発明4において、大豆
微細粉末が、生大豆を原料として粉砕室内に旋回移動さ
せ、当該旋回移動に伴う移動速度差で大豆に相互の摩擦
を及ぼし合って得られた粉末であることを特徴とするも
のである。
【0014】本発明6は、上記本発明1〜3のいずれか
において、大豆粉末が、生大豆を粗く粉砕して得られた
平均粒径100μm以上の大豆粗砕粉末であることを特
徴とするものである。
【0015】本発明7は、上記本発明1〜6のいずれか
において、ゲル化剤がゼラチン、寒天、天然ガム、糖類
などの少なくとも一つであることを特徴とするものであ
る。
【0016】本発明8は、上記本発明1〜7のいずれか
において、大豆粉末含有豆乳に対するゲル化剤の混合率
が0.3重量%〜5重量%であることを特徴とするもの
である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のフリーズドライ豆腐の製
造方法は、原則として次の工程(1)〜(4)から成る。 (1)大豆粉末を含有する豆乳を調製する工程 (2)大豆粉末含有豆乳にゲル化剤、豆乳凝固剤を加える
工程 (3)大豆粉末含有豆乳を加熱して豆腐に凝固する工程 (4)豆腐を真空凍結乾燥する工程
【0018】上記工程(1)の大豆粉末は基本的に生大豆
を直接粉砕処理して得られた粉体であり、上記先行粉体
公報に記載された摩擦粉砕方法を生大豆に適用した大豆
粉末が好ましいが、ボールミル、振動ミル、ハンマーミ
ル、ビンミル、軸流ミルなどを用いた一般的な粉砕方式
で製造した粉体(微細粉末、或は粗砕粉末)であっても差
し支えない。尚、上記生大豆は、通常、乾燥処理を施し
たものを意味するが、未乾燥のものを排除するものでは
ない。上記先行公報の摩擦粉砕方式は、例えば、図2に
示すように、ケーシング内に独立駆動する第一回転体と
第二回転体を対向状に配置し、この両回転体間の粉砕室
内に丸大豆を供給するものであり、遠心力を受けて旋回
運動する大豆粒子間に速度差が生じ、この移動速度の差
により各粒子が相互に摩擦し合い、粉体となることを基
本原理としている。
【0019】上記大豆粉末は、生大豆を微粉砕して得ら
れる微細粉末と粗く粉砕した粗砕粉末の両方を含む概念
であり、大豆微細粉末はボールミル、振動ミル、ハンマ
ーミルなどの一般的な粉砕方式で製造しても良いが、上
記先行公報の摩擦粉砕方式で製造したものが好ましい。
大豆微細粉末の平均粒子径は一般的に100μmより小
さく、好ましくは1〜50μm、より好ましくは8〜1
5μmである。実際的に、1μmより微細な粉体は製造
に時間を要して、製造効率が低下するなどの問題があ
る。また、上記大豆粗砕粉末は、例えば、ハンマーミ
ル、軸流ミルなどで粗く粉砕した粉末であり、圧し潰し
たような形状、フレーク(薄片)状、粗塊状、ざら目状な
どの種々の形状を含む。その平均粒子径は一般的に10
0μm以上(その上限は1〜1.5mm前後程度)であ
り、本発明では豆乳と混合するため、粗砕粉末を使用し
てもザラついた食感は抑制できるが、平均粒子径が過剰
に大きくなると、豆乳との混合によっても食感や保形性
などが損なわれ、また、大豆粉末含有豆乳の調製工程で
大豆滓に移行する割合が増える虞れが出て来るので、こ
の点に注意を要する。
【0020】大豆粉末含有豆乳を調製する上記工程(1)
は、基本的に次の(イ)〜(ロ)の通りである。 (イ)本発明1に示すように、大豆粉末を生呉汁に混合
し、煮熟して大豆粉末含有豆乳を調製する。この方式の
具体的処理は、さらに下記の(a)〜(b)の2方式に分か
れる。 (a)大豆粉末を磨砕前の大豆と一緒に磨砕機にかけて共
に磨砕処理を施し、得られた生呉汁を煮熟して圧搾濾過
し、大豆粉末含有豆乳を得る。この圧搾濾過時には生呉
汁のうちの磨砕大豆の部分から大豆滓(オカラ)が排出さ
れるが、大豆粉末が大豆微細粉末の場合には、微細なた
めに濾過されてオカラ分には残らず、豆乳分にそのまま
移行する。但し、大豆粉末が粗砕粉末の場合、前述した
ように、粗砕粉末の粒子径が増大するのに伴い、濾過さ
れずにオカラ分に移行する割合が増え易い傾向にある。 (b)常法により大豆を磨砕して得られた生呉汁に、大豆
粉末を直接、或は水、温湯などに分散してから混合した
後に、煮熟して圧搾濾過し、大豆粉末含有豆乳を得る。 (ロ)本発明2に示すように、大豆粉末に水を加えて煮熟
し、煮熟済みの大豆粉末液を常法で得た豆乳に混合して
大豆粉末含有豆乳を調製する。 但し、当該豆乳は、常法により磨砕大豆を熱水抽出し
た豆乳、磨砕大豆の呉汁から予め大豆滓を分離した後
にこの呉汁を加熱した豆乳が基本であるが、豆乳粉末
から調製した豆乳などを排除するものではない。豆乳の
濃度は特に問わないが、一般には、固形分10〜13
%、好ましくは12〜13%である。尚、上記豆乳は豆
乳単独を始め、豆乳にゆず、山菜、グリンピース、ほう
れんそう等の粉末や各種の風味液を混入したものを排除
するものではない。大豆粉末含有豆乳の調製工程(1)
は、生産性の見地から上記(イ)の(a)又は(b)の方式が
好ましい。
【0021】上記大豆粉末含有豆乳の調製方法を、例え
ば、前記(イ)の(b)方式に基づいて具体的に述べると、
先ず、大豆粉末が「ままこ状態」になるのを防止するため
に、予め大豆粉末を水又は30℃程度の温湯に混合・分
散させて大豆粉末液を得る。混合比率(希釈率)としては
大豆粉末1kg当たり水(温湯)6L程度で希釈するのが
好ましく、この場合、液中の大豆粉末濃度は、通常の豆
乳の固形分濃度に類したものになる。次いで、上記大豆
粉末液を生呉汁に混合し、煮熟して圧搾濾過し、大豆粉
末含有豆乳を調製する。このとき、大豆粉末含有豆乳の
混合割合は、一般的に大豆粉末液:豆乳=70〜35重
量部:30〜65重量部、好ましくは大豆粉末液:豆乳
=55〜40重量部:45〜60重量部である。但し、
上記(1)の調製工程では、大豆粉末液は生呉汁と豆乳の
いずれにも混合可能であるが、混合比率を表す場合、便
宜上、大豆粉末の混合対象は豆乳とする。大豆粉末液が
35重量部より少ないと(即ち、豆乳が65重量部より
多いと)、食感の良好性は保全されるが、凍結乾燥時並
びに加水復元時にヒビ割れが発生し易くなって、加水復
元速度や凍結乾燥速度も低下するという問題がある。逆
に、大豆粉末液が70重量部より多くなると(即ち、豆乳
が30重量部より少なくなると)、加水復元速度、或は
凍結乾燥時及び加水復元時の保形性は保全されるが、食
感が低下して適正な滑らかさを保持できないという問題
が出て来る。上述のように、凍結乾燥時及び加水復元時
のヒビ割れの抑制、速い加水復元性、並びに良好な食感
などを共に具備させる観点からは、大豆粉末液:豆乳=
55〜45重量部:45〜55重量部の割合が好まし
い。
【0022】上記ゲル化剤は、冷却するとゲル化凝固性
を有して、豆腐組織をゲル化固定できるものであり、具
体的には下記のものを指し、これらを単用又は併用でき
る。 ゼラチン、カゼインなどのタンパク類 寒天、カラギーナン、ファーセルラン、アルギンなど
の海藻多糖類 キサンタンガム、タマリンドガム、アラビアガム、グ
アーガム、ローカストビーンガムなどの樹液多糖類や種
子多糖類(これらを総称して天然ガムという)
【0023】上記ゲル化剤の大豆粉末含有豆乳に対する
混合率は、一般的には0.3〜5.0重量%程度である
が、好ましくは0.5〜2.0重量%であり、より好まし
くは0.5〜1.0重量%である。ゲル化剤の混合率が
0.3重量%より低いと、保水能が低下して解凍時にド
リップが生じ易くなり、逆に、5.0重量%より多くな
ると、豆腐のテクスチャーが変質したり、豆乳液がかな
り増粘して撹拌操作に支障が出る虞れがあるので、注意
を要する。
【0024】但し、大豆粉末含有豆乳には上記ゲル化剤
の外に、マルトース、ラクトース、オリゴ糖、デンプ
ン、デキストリン、デキストリン誘導体、ペクチン質、
或はコンニャクマンナンなどを併用することもできる。
上記オリゴ糖は単位重合度が略10以下の低い糖類であ
り、マルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ
糖、ガラクトオリゴ糖、トレハロース、ラフィノースな
どが挙げられる。上記デキストリン誘導体は、シクロデ
キストリン、マルトデキストリン、還元デキストリンな
どをいう。上記オリゴ糖、マルトースなどの大豆粉末含
有豆乳に対する混合率は、一般的に1〜3重量%程度で
ある。
【0025】上記豆乳凝固剤は、塩化カルシウム、塩化
マグネシウムや硫酸カルシウム等の2価金属塩、或はグ
ルコノデルタラクトン、乳酸、リンゴ酸やクエン酸等の
酸類などのように、常法で使用可能な豆乳凝固用の処理
剤をいう。豆乳への混合率も常法の範囲でよい。
【0026】大豆粉末含有豆乳にゲル化剤と豆乳凝固剤
を加える前記(2)の混合工程は、ゲル化剤と豆乳凝固剤
の二種の処理剤を時間差を設けて混合しても良いし、同
時に混合しても差し支えない。時間差を設けて混合する
場合には、予めゲル化剤の溶解液又は分散液を調製し、
これを大豆粉末含有豆乳に混合・撹拌したのち、豆乳凝
固剤を混合する。例えば、ゲル化剤がゼラチンの場合、
ゼラチンの粉末をそのまま大豆粉末含有豆乳に添加して
も良いが、ゼラチン粉末を溶解した温水を豆乳に加えて
も良い。一方、二つの処理剤を同時に混合する場合に
は、予めゲル化剤と豆乳凝固剤の混合液を調製して大豆
粉末含有豆乳に加えても良いし、別々の処理液又は処理
粉を同時に加えるようにしても良い。
【0027】前記加熱工程(3)は、上記豆乳凝固剤の作
用で大豆粉末含有豆乳を豆腐に凝固する工程である。こ
のため、加熱温度は豆乳凝固剤が作用する温度以上に設
定するのが基本であり、豆乳凝固剤の種類により加熱温
度も異なる。例えば、高温凝固の場合には75〜85℃
程度、にがりなどを使用する場合には20〜30℃程度
の低温凝固を行う。
【0028】加熱凝固した豆腐は、基本的に放冷、冷水
浸漬、冷風吹き付け、或は冷蔵などの冷却処理を経由し
て凍結乾燥処理される。当該冷却処理では、加熱凝固し
た豆腐組織はゲル化剤の作用によりゲル化固定される
が、ゲル化を充分に促進するためには(即ち、食品の保水
性を高めるためには)、一旦冷蔵温度域の滞在状態を経
て、凍結乾燥した方が良い。従って、豆腐は、冷蔵温度
域(即ち、0℃〜10℃のチルド領域)まで冷却したまま
当該冷蔵雰囲気に所定時間保持した後に、凍結乾燥処理
することが好ましい。
【0029】前記真空凍結乾燥工程(4)は、凝固した豆
腐を自然開放系における水分の蒸発乾燥ではなく、真空
中で氷結点以下の低温に保って昇華により水分を除去乾
燥させるフリーズドライ処理をいう。凍結乾燥に先立
ち、別の冷凍装置で予備凍結するのが一般的であるが、
冷蔵状態にある豆腐を凍結乾燥装置(具体的には、真空
乾燥装置)に直接入れて自己凍結させても差し支えな
い。上記予備凍結は、空気凍結、エアブラスト凍結、接
触式凍結、浸漬式凍結、或は液化ガス吹付け式凍結など
の各方式で行うことができる。尚、凍結乾燥した豆腐の
加水復元は、湯や水に浸漬して復元する湯戻し、或は水
戻しにより行う。
【0030】
【作用】本発明では、丸大豆を直接粉砕処理した大豆粉
末を混合して凍結乾燥豆腐を製造するため、大豆粉末に
含まれる食物繊維が豆腐組織中に混入することに加え、
粗目の大豆粉末粒子自体の混入により、豆腐組織中に空
隙が適正に形成され、水分の蒸発が促進されると推定で
きる。また、大豆粉末の使用により、大豆粉末に含まれ
る食物繊維が豆腐組織中に混入するため、詳細な原理は
不明であるが、豆腐組織同士の結着性が向上すると推定
できる。即ち、本発明の凍結乾燥豆腐は、従来技術の豆
腐に比べて組織が粗い傾向を示す反面、組織同士は密に
結着しているという性状を兼備すると考えられる。
【0031】尚、大豆粉末含有豆乳を調製する場合、大
豆微細粉末からは大豆滓がでない反面、大豆粗砕粉末の
粗砕度が大きくなるほど濾過時に大豆滓として失われ易
く、大豆滓に含まれる食物繊維も流失するため、その分
だけ大豆粉末に残る食物繊維の割合もある程度減じる。
このため、大豆微細粉末の方が大豆粗砕粉末より食物繊
維が豊富であり、大豆微細粉末を使用して豆腐を製造す
る方が上記推定原理によると、水分の蒸発と結着性がよ
り良好に促進されると考えられる。
【0032】
【発明の効果】(1)上記作用で述べたように、本発明の
フリーズドライ豆腐は、凍結乾燥工程で水分の蒸発が促
進されるため、凍結乾燥速度が速く、従来では通常24
時間程度を要していたものが、ほぼ半分程度に短縮化で
き、豆腐の生産性を向上できる。また、原料大豆を丸ご
と利用することで大豆滓として捨て去る部分のない(或
は少ない)大豆粉末を豆乳の一部に置き換えて使用する
ため、大豆の利用効率が向上し、大豆資源を有効利用で
きる。また、製造に際して排出する大豆滓の量を低減で
きるので、環境への負荷を軽減できる。
【0033】(2)上記作用で述べたように、本発明のフ
リーズドライ豆腐は、組織同士の結着性が高まるため、
従来技術では特に難しかった凍結乾燥時のヒビ割れを良
好に防止できるとともに、加水復元時のヒビ割りも抑制
でき、保形性が向上する。また、湯戻しすると、20秒
〜80秒程度で豆腐本来の性状に復元し、加水復元速度
が速くなる。さらに、従来のフリーズドライ豆腐では、
軟らかさと、口中でバラバラにならない程度の固さ(弾
力性)を兼備した滑らかさを付与するのが至難であった
が、本発明の豆腐では、従来の問題点を解消して適正に
バランスがとれた滑らかな食感を付与できる。特に、大
豆粉末液(6倍希釈液):豆乳=55〜45重量部:45
〜55重量部の割合で混合すると、凍結乾燥速度及び加
水復元速度の向上、凍結乾燥時及び加水復元時のヒビ割
れの抑制、並びに良好な食感などを共に良好に並立させ
ることができ、とりわけ、加水復元性は20秒程度にき
わめて敏速化できる。
【0034】(3)上記(2)に示すように、本発明の凍結乾
燥豆腐は保形性に優れるため、従来技術の凍結乾燥豆腐
に比べて、その大きさを3cm角カット程度のサイズに
まで大型化でき、マーボウ豆腐、揚げ出し豆腐、通常の
みそ汁の具材など、料理に合わせた形状の豆腐形状に容
易に造り分けできる。特に、本発明の凍結乾燥豆腐は形
状を大型化しても、加水復元時の豆腐の食感などを良好
に保持できる点で優れている。
【0035】(4)大豆粉末として大豆微細粉末を使用す
ると、前記作用の項目で述べたように、当該粉末部分か
らは大豆滓が排出されず、食物繊維などを有効に保持す
るため、上記(1)〜(3)の効果をより良く発揮できる。但
し、大豆粗砕粉末の方が粉砕時間を短縮化でき、粉末の
生産性が高い。
【0036】(5)豆腐組織を凍結乾燥して含水率を略3
%以下(因みに、「凍り豆腐」では10%強)に低減するの
で、豆腐の水分活性が極端に低下し、微生物による豆腐
の腐敗を確実に防止して、保存性を向上できる。一般
に、凍結乾燥食品は多孔質になって表面積が増加し、水
分の収着や空気に触れる機会が多くなり吸湿性や酸化性
が高くなるので、凍結乾燥処理の後で、豆腐を塩化ビニ
リデン、ポリエチレン、ナイロン、又はラミネートフィ
ルムなどのガス透過性の少ない材質で包装することが必
要である。さらには、シリカゲルなどの乾燥剤を包装内
に入れたり(IPD法)、BHT、ビタミンCなどの酸化
防止剤や脱酸素剤を同封したり、窒素や炭酸ガスなどの
不活性ガスで包装内をガス置換することが行われる。し
かしながら、本発明の凍結乾燥豆腐は、予めゼラチンな
どで組織内の水分をゲル化固定してあるので、通常の凍
結乾燥品に比して開放状態でも吸湿抵抗・酸化抵抗機能
などの保存性が高まる。このため、従来の生の豆腐に比
してライフサイクルが大幅に長くなり、販売、流通、在
庫の管理がきわめて楽になる。
【0037】
【実施例】以下、大豆粉末の製造実施例、大豆粉末液と
豆乳の混合割合を変化させた場合のフリーズドライ豆腐
の製造実施例を述べるとともに、各混合割合のフリーズ
ドライ豆腐の凍結乾燥速度、加水復元性、保形性(ヒビ
割れの度合)、或は食感の良否などを調べた試験例を併
記する。尚、本発明は下記の実施例に拘束されるもので
はなく、本発明の技術的思想の範囲内で多くの変形をな
し得ることは勿論である。
【0038】大豆微細粉末は大豆滓を排出せず、食物繊
維などを豊富に含むため、下記の実施例では、先行公報
の摩擦粉砕方式で得られた大豆微細粉末を大豆粉末に使
用して、フリーズドライ豆腐を製造した場合を詳述す
る。 《大豆微細粉末の製造実施例》先ず、丸大豆を直接摩擦
粉砕する粉砕機の概要を図2により説明する。即ち、ケ
ーシング1内に独立駆動する第一回転体2と第二回転体
3を対向状に配置し、この両回転体2・3間に生の丸大
豆4を投入口5から供給すると、第一回転体2と第二回
転体3の間及びケーシング1の内壁で囲まれた粉砕室6
内の大豆粒子4は回転体2・3の回転で遠心力を受けて
旋回運動するため、各粒子間に速度差が生じ、旋回運動
に伴う径方向への移動速度の差により各粒子4が相互に
擦り合いながら摩擦粉砕される。この場合、第二回転体
2の中心部の排出口7には吸引装置(図示省略)が連動
されるため、粒子径の細かい微細粉末になるほど吸引力
が遠心力に打ち勝ち、粉砕室6の中心寄りに集まって当
該排出口7から回収され、均一な大豆微細粉末を得るこ
とができる。尚、吸引装置の吸引力を一定にさせ、第一
回転体2と第二回転体3の回転速度を増すと大豆粒子の
平均粒子径は小さくなり、吸引力を大きくするほど、平
均粒子径は増大し、粉砕粒径分布は揃うことになる。
【0039】本製造実施例では、この移動速度差を利用
した摩擦粉砕方式により、第一回転体と第二回転体の
径、両回転体間の距離、回転体の回転速度、第二回転体
の排出口の内径、生大豆の供給速度(具体的には、1分間
に供給するkg数)などを所定の条件に設定したうえ
で、脱皮し洗浄した生大豆を粉砕機に投入して平均粒子
径10μm程度の大豆微細粉末を製造した。
【0040】《フリーズドライ豆腐の製造実施例》上記
実施例で製造した大豆微細粉末1kgを30℃程度の温
湯6Lに混合・分散した。一方、常法に従い、丸大豆を
磨砕して生呉汁を製造し、この生呉汁と上記大豆微細粉
末の分散液を下記に示す様々な比率で混合した後、水を
加えて沸騰させ、煮熟の終わった呉汁を圧搾濾過して、
固形分濃度12%程度の大豆微細粉末含有豆乳を得た。
この場合、大豆微細粉末は10μm程度と微細なため、
濾過されて豆乳分にそのまま移行した。そして、85℃
程度の高温下で、上記大豆微細粉末含有豆乳10L当た
り粉末状のゼラチン60gとマルトース140gを直接
混合し、泡立ちに注意しながら緩やかに略5分間撹拌し
た。この場合、上記ゼラチンは予め略40℃の温湯に添
加してゼラチン液を調製し、液体の状態で高温下の豆乳
に混合しても良く、マルトースの場合も、同様に液で混
合しても差し支えない。尚、上記マルトースを等量のオ
リゴ糖で置き換えることもできる。
【0041】また、上記ゼラチンとしては、送気温度7
0℃、排気温度35℃の条件で流動状態にした80wt
%以上の微粉末ゼラチンの上方から、60℃に保持した
5wt/vol%ゼラチン溶液を250mlの噴霧量で
噴霧してゼラチンを造粒した後、送気温度70℃、排気
温度43℃、乾燥時間25分、冷却時間15分の条件で
乾燥して得られた水易溶性ゼラチンを使用するのが好ま
しい。
【0042】上記撹拌終了後、80℃強の高温を保持さ
れている大豆微細粉末含有豆乳に対して、さらに豆乳凝
固剤として硫酸カルシウムを50g加え、凝固バケット
内に移して速やかに凝固させ、次いで5分〜10分程度
熟成させた。但し、豆乳凝固剤には、硫酸カルシウム、
塩化マグネシウム及びグルコノデルタラクトンを主成分
とする混合製剤や、にがりなどを使用しても差し支えな
い。また、混合方式としては、予め温湯に溶解させたも
のを大豆微細粉末含有豆乳に加えても良い。
【0043】得られた豆腐を上記バケットに収容した状
態で10℃以下の冷水に浸漬して豆腐成分をゲル化固定
した後、3cm角の略立方体形状に裁断し、−30℃以
下の予備凍結を経て、真空凍結乾燥処理をした。当該真
空凍結乾燥処理の要領は、例えば、次の通りである。即
ち、3cm角に揃えた上記冷凍豆腐をトレイに均一に載
置して真空乾燥装置に収納し、1.0Torr以下、好
ましくは0.5Torr以下の真空度、最高棚(加熱板)
温度80℃以下、好ましくは略60℃の条件で含水率が
5.0%以下、好ましくは3.0%以下になるまで真空乾
燥する。
【0044】本製造実施例に当たっては、大豆微細粉末
含有豆乳における豆乳と大豆微細粉末液(6倍希釈液)の
混合比率を以下の通りに変化させた。また、大豆微細粉
末液:豆乳=100重量部:0重量部に設定したものを
比較例1、大豆微細粉末液:豆乳=0重量部:100重
量部のものを比較例2(冒述の先行フリーズドライ豆腐
に類する例)とした。但し、本製造実施例では生呉汁に
大豆微細粉末分散液を混合したため、この生呉汁に対す
る大豆微細粉末分散液の混合割合を、便宜上、豆乳と大
豆微細粉末液の混合比率とした。例えば、下記の実施例
7では、大豆微細粉末液40Lと生呉汁60Lを合わせ
て、凍結乾燥豆腐を製造した。
【0045】 大豆微細粉末液(重量部) 豆乳(重量部) (1)比較例1 100 0 (2)実施例1 80 20 (3)実施例2 70 30 (4)実施例3 60 40 (5)実施例4 55 45 (6)実施例5 50 50 (7)実施例6 45 55 (8)実施例7 40 60 (9)実施例8 35 65 (10)実施例9 30 70 (11)実施例10 20 80 (12)比較例2 0 100
【0046】《フリーズドライ豆腐の試験例》上記製造
実施例で混合比率を変えて得られた各フリーズドライ豆
腐に関し、真空凍結乾燥した場合の凍結乾燥速度、フリ
ーズドライ豆腐を60〜70℃の温湯で加水復元した場
合の復元性、凍結乾燥時及び復元時のヒビ割れの度合
(豆腐の保形性)、復元時の豆腐の食感などを各項目ごと
に試験し、評価した。
【0047】但し、各項目の評価は下記の基準で行っ
た。 (a)凍結乾燥速度 ○:12時間程度の短時間で乾燥が完了した。 △:18〜13時間程度で乾燥が完了した。 ×:24時間程度の従来の乾燥時間を要した。 (b)加水復元性 ◎:20秒前後の短時間で豆腐組織が復元した。 ○:60秒程度で復元した。 △:60〜80秒程度で復元した。 ×:従来のフリーズドライ豆腐と同様に、100秒以上
を要した。 (c)保形性(凍結乾燥時及び加水復元時) ◎:ヒビ割れなし。 ○:微細なヒビ割れが少し認められた。 ×:目立つヒビ割れが認められた。 (d)食感 ○:豆腐本来の軟らかさと弾力性を兼備した適度の滑ら
かさを再現。 △:若干ボソついて、滑らかさが少し不充分。 ×:ボソついて、口中でバラバラに解け崩れる感じがあ
る。 (e)総合評価 ◎:特に優れていた。 ○:充分な実用レベルを備えていた。 △:実用レベルには不充分。 ×:従来品と変わらないか、これに類する。
【0048】《試験例の各評価》図1はその結果を示
す。 (a)凍結乾燥速度の評価 実施例9〜10及び比較例2が13〜18時間程度で△
であったが、実施例1〜8並びに比較例1は全て12時
間程度と○の評価であり、大豆微細粉末液の混合率が3
5重量部以上に増すと、凍結乾燥速度を迅速化できるこ
とが判った。
【0049】(b)加水復元性の評価 実施例9〜10が比較例2と同様に80秒以上を要して
×、実施例6〜8が60〜80秒程度で△、実施例5が
60秒程度で○、実施例1〜4並びに比較例1は全て2
0秒前後ときわめて敏速で◎の評価であり、大豆微細粉
末液の混合率が増すほど、加水復元速度が速くなること
が判った。
【0050】(c)保形性の評価 従来のフリーズドライ豆腐では、凍結乾燥時に何らかの
ヒビ割れが認められたが、実施例1〜10及び比較例1
はヒビ割れが認められず、凍結乾燥時の保形性は全て◎
の評価であった。また、加水復元時の保形性では、実施
例1〜4及び比較例1はヒビ割れが認められず◎の評価
であったが、実施例5〜8は微細なヒビ割れが発生して
○の評価であり、実施例9〜10は比較例2と同様に目
立つヒビ割れが発生した。大豆微細粉末液の混合率が低
下するほど、加水復元時の保形性は後退したが、その反
面、大豆微細粉末液が20重量部以上に増すと凍結乾燥
時の保形性は良好に保全された。
【0051】(d)食感の評価 実施例3〜10は比較例2と同様に優れた滑らかさを呈
して○の評価である反面、実施例2は滑らかさが不充分
で△の評価、実施例1は比較例1と同様に口中でバラバ
ラに崩れる感じで×の評価であって、大豆微細粉末液の
混合率が増すほど、推量通り食感が後退した。
【0052】(e)総合評価 評価の重要度では、凍結乾燥速度、食感及び保形性を優
先させ(特に、市販品のレベルでは食感は重要な要素であ
る)、次いで、加水復元性を勘案して総合評価した。実
施例3〜6は凍結乾燥速度が速く、食感が良好で、保形
性や加水復元性も総じて優れており、総合評価としては
◎であった。実施例2では食感は一歩譲るが、加水復元
性は敏速で、凍結乾燥速度と保形性に優れており、○の
評価であった。実施例7〜8も加水復元時に微細なヒビ
割れがあり、加水復元速度も敏速性が充分でないが、食
感は満足できるものであり、○の評価であった。実施例
9〜10は比較例2に類した評価であり、実施例1は食
感の点で問題が残った。尚、大豆微細粉末のみで製造し
た比較例1の豆腐は、本来の豆腐とは異質な食感(特に
冷たい状態で食した場合)、食味などを具備し、この点
では、各人の嗜好により評価が分かれるところではあっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】大豆微細粉末液の混合率を変化させたフリーズ
ドライ豆腐の試験結果を示す図表である。
【図2】移動速度差を利用した摩擦粉砕機の概略断面図
である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…第一回転体、3…第二回転体、4
…生大豆粒子、5…投入口、6…粉砕室、7…排出口。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生大豆を直接粉砕処理して得られた大豆
    粉末を生呉汁に混合し、煮熟して大豆粉末含有豆乳を調
    製する工程と、大豆粉末含有豆乳にゲル化剤と豆乳凝固
    剤を加える工程と、大豆粉末含有豆乳を加熱凝固する工
    程と、凝固した豆腐に真空凍結乾燥処理を施す工程とか
    ら成ることを特徴とする大豆粉末含有型フリーズドライ
    豆腐の製造方法。
  2. 【請求項2】 生大豆を直接粉砕処理して得られた大豆
    粉末に水を加えて煮熟して、煮熟済みの大豆粉末液を豆
    乳に混合して大豆粉末含有豆乳を調製する工程と、大豆
    粉末含有豆乳にゲル化剤と豆乳凝固剤を加える工程と、
    大豆粉末含有豆乳を加熱凝固する工程と、凝固した豆腐
    に真空凍結乾燥処理を施す工程とから成ることを特徴と
    する大豆粉末含有型フリーズドライ豆腐の製造方法。
  3. 【請求項3】 大豆粉末を6倍程度の水又は温湯で希釈
    して大豆粉末液を得て、大豆粉末液70重量部〜35重
    量部と生呉汁又は豆乳30〜65重量部とを混合して大
    豆粉末含有豆乳を調製することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の大豆粉末含有型フリーズドライ豆腐の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 大豆粉末が、生大豆を微細に粉砕して得
    られた平均粒径が100μmより小さい大豆微細粉末で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の大豆粉末含有型フリーズドライ豆腐の製造方法。
  5. 【請求項5】 大豆微細粉末が、生大豆を原料として粉
    砕室内に旋回移動させ、当該旋回移動に伴う移動速度差
    で大豆に相互の摩擦を及ぼし合って得られた粉末である
    ことを特徴とする請求項4に記載の大豆粉末含有型フリ
    ーズドライ豆腐の製造方法。
  6. 【請求項6】 大豆粉末が、生大豆を粗く粉砕して得ら
    れた平均粒径100μm以上の大豆粗砕粉末であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の大豆
    粉末含有型フリーズドライ豆腐の製造方法。
  7. 【請求項7】 ゲル化剤がゼラチン、寒天、天然ガム、
    糖類などの少なくとも一つであることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか1項に記載の大豆粉末含有型フリー
    ズドライ豆腐の製造方法。
  8. 【請求項8】 大豆粉末含有豆乳に対するゲル化剤の混
    合率が0.3重量%〜5重量%であることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の大豆粉末含有型フ
    リーズドライ豆腐の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1595460A1 (en) * 2004-05-11 2005-11-16 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Freeze-dried food product
CN103141911A (zh) * 2011-07-05 2013-06-12 日本即席保存食品株式会社 冻干豆腐及其制造方法
JP5220852B2 (ja) * 2008-05-29 2013-06-26 株式会社間瀬 大豆加工食品およびその製造方法
US9445611B2 (en) 2009-12-10 2016-09-20 Asahi Food Processing Co., Ltd. Soy milk containing fibrous material and tofu-like food, processes for production of those products, and dehulled soybean powder material
CN111543495A (zh) * 2020-06-30 2020-08-18 成都中医药大学 一种黄精豆腐及其制备方法

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