JPH1113687A - ターボ機械 - Google Patents

ターボ機械

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JPH1113687A
JPH1113687A JP16379297A JP16379297A JPH1113687A JP H1113687 A JPH1113687 A JP H1113687A JP 16379297 A JP16379297 A JP 16379297A JP 16379297 A JP16379297 A JP 16379297A JP H1113687 A JPH1113687 A JP H1113687A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気体が多く漏れないようにシール性を向上さ
せる。 【解決手段】 回転軸(13)から外側方に張り出す回
転側スラスト軸受(41)と、モータ室(11)側であ
る動圧型ジャーナル気体軸受(37)の間における回転
軸(13)周りに羽根車(15)による昇圧気体のラビ
リンスシール部(45)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボ圧縮機等の
ターボ機械の改良に関し、特にシール対策に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えばターボ機械としてのター
ボ圧縮機では、気体を昇圧するための羽根車は、スラス
ト軸受及びジャーナル軸受に回転自在に支持された回転
軸に連結され、回転軸の回転力が伝達されることにより
高速回転するものであり、回転軸の大半はモータ室に配
置されている(特開平8−312582号公報参照)。
【0003】上述の如きターボ圧縮機等のターボ機械で
は、図2に示すように、回転軸(a)を回転自在に支持
するスラスト軸受(動圧型スラスト気体軸受)(b)
は、上記回転軸(a)に外側方に張り出すように嵌着さ
れたスラスト円板からなる回転側スラスト軸受(c)
と、該回転側スラスト軸受(c)よりも羽根車(m)寄
りに配置され、回転側スラスト軸受(c)と対峙する静
止側スラスト軸受(f)とからなり、該静止側スラスト
軸受(f)と回転軸(a)との間にラビリンスシール部
等のシール部(g)が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の場
合、回転側スラスト軸受(c)が、静止側スラスト軸受
(f)とジャーナル軸受(動圧型ジャーナル気体軸受)
(p)の静止側ジャーナル軸受(h)との間に形成され
たプレート室(i)に配置されているため、組付けの都
合上、静止側スラスト軸受(f)は回転側スラスト軸受
(c)を配置した後にに後付けしている。一方、回転軸
(a)は、回転側スラスト軸受(c)を組付け可能なよ
うに羽根車(m)側の先端側軸部(j)を軸本体(k)
と別体とし、回転側スラスト軸受(c)を回転軸(a)
の装着軸部(l)に配置した状態で上記先端側軸部
(j)を装着軸部(l)に嵌着するようにしている。
【0005】このように、回転軸(a)を先端側軸部
(j)と軸本体(k)との別部品で構成しているととも
に、静止側スラスト軸受(f)が静止側ジャーナル軸受
(h)と別体であるため、上述の如くシール部(g)を
静止側スラスト軸受(f)と回転軸(a)との間に設け
る場合には、両者の製作誤差や組付け誤差等を考慮して
クリアランスを大きく設定する必要があり、よってシー
ル部(g)における漏れ流量が多くなってシール機能が
低下するという問題がある。なお、図2中、(d)はデ
ィフューザ空間、(n)はスクロール空間、(o)はプ
レート室(i)とモータ室(e)とを連絡するバイパス
通路である。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、気体が多く漏れないよ
うにシール性を向上さそうとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、シール部を回転側スラスト軸受よりもモ
ータ室側に設けたことを特徴とする。
【0008】具体的には、本発明は、図1に示すよう
に、一端に羽根車(15)が設けられ、他端側がモータ
室(11)に配置された回転軸(13)を回転させ、上
記羽根車(15)の回転により吸入気体を昇圧して吐出
するターボ機械を対象とし、次のような解決手段を講じ
た。
【0009】すなわち、本発明の第1の解決手段は、上
記回転軸(13)をスラスト軸受(43)及びジャーナ
ル軸受(37)によって回転自在に支持する。さらに、
上記スラスト軸受(43)をジャーナル軸受(37)よ
りも羽根車(15)寄りに配置し、上記回転軸(13)
に外側方に張り出すように嵌着されたスラスト円板から
なる回転側スラスト軸受(41)と、該回転側スラスト
軸受(41)よりも羽根車(15)寄りに配置され、回
転側スラスト軸受(41)と対峙する静止側スラスト軸
受(7)とで構成する。また、上記回転側スラスト軸受
(41)とジャーナル軸受(37)との間における回転
軸(13)周りに上記羽根車(15)による昇圧気体の
シール部(45)を設けたことを特徴とする。
【0010】上記の構成により、本発明の第1の解決手
段では、シール部(45)とジャーナル軸受(37)と
が回転側及び静止側でそれぞれ1つの部品で構成可能で
あり、両者が別部品である場合の製作誤差や組付け誤差
等を考慮することによる大きなクリアランス設定が不要
になり、シール部(45)における漏れ流量が低減して
シール性が向上する。
【0011】本発明の第2の解決手段は、第1の解決手
段において、回転側スラスト軸受(41)を静止側スラ
スト軸受(7)とジャーナル軸受(37)の静止側ジャ
ーナル軸受(31)との間に形成されたプレート室(3
9)に配置する。さらに、上記ジャーナル軸受(37)
の静止側ジャーナル軸受(31)にバイパス通路(4
9)を設け、該バイパス通路(49)によりシール部
(45)のジャーナル軸受(37)側の端部とモータ室
(11)とを連絡したことを特徴とする。
【0012】上記の構成により、本発明の第2の解決手
段では、羽根車(15)外周(出口)からシール部(4
5)に入った高温高圧の気体が、バイパス通路(49)
からモータ室(11)に排出されてジャーナル軸受(3
7)に入らず、軸受機能が阻害されない。
【0013】本発明の第3の解決手段は、第2の解決手
段において、静止側スラスト軸受(7)に羽根車(1
5)外周とプレート室(39)とを連絡するバイパス通
路(47)を設けたことを特徴とする。
【0014】上記の構成により、本発明の第3の解決手
段では、羽根車(15)外周(出口)から出た高温高圧
の気体が、バイパス通路(47)からプレート室(3
9)に流入し、該プレート室(39)全体が均一な圧力
になって回転側スラスト軸受(41)の前後に差圧が作
用せず、軸受機能が阻害されない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。
【0016】図1は本発明の一実施形態に係るターボ機
械としてのターボ圧縮機を示す。同図において、(1)
はドーム形のケーシングであって、該ケーシング(1)
は一端(図で左端)が開口した有底筒状のケーシング本
体(3)と、該ケーシング本体(3)の開口を覆う閉塞
部材(5)とで密閉構造に形成されている。上記ケーシ
ング(1)の内部には静止側スラスト軸受(7)が上記
閉塞部材(5)に接近して配置され、この閉塞部材
(5)と静止側スラスト軸受(7)との間には、複数枚
の羽根(15a)を有する略円錐台形状の羽根車(イン
ペラ)(15)が配置されている。また、羽根車(1
5)外周(インペラ出口)にはディフューザ空間(9)
及びスクロール空間(17)が形成されている。
【0017】上記ケーシング(1)の央部には回転軸
(13)が回転自在に配置され、該回転軸(13)は、
大径の軸本体(13a)と該軸本体(13a)に続く小
径の先端側部分(13b)と、上記羽根車(15)のボ
ス部(15b)との別部品で構成されている。上記回転
軸(13)の一端(先端側部分(13b))には、上記
羽根車(15)のボス部(15b)が嵌着され、羽根車
(15)と閉塞部材(5)との間に僅かなクリアランス
が設けられている。また、上記閉塞部材(5)の央部に
は、気体を吸入するための吸入管(19)が上記羽根車
(15)に対応して接続されているとともに、ケーシン
グ本体(3)の開口側には、昇圧気体を吐出するための
吐出管(21)が上記スクロール空間(17)に連通す
るように接続されている。
【0018】上記回転軸(13)の他端側(軸本体(1
3a))は、低温低圧雰囲気の低圧ドーム構造のモータ
室(11)に配置されている。つまり、上記ケーシング
本体(3)の周壁中程には導入管(51)がモータ室
(11)に連通するように接続され、昇圧前の低温低圧
の気体を導入管(51)を経てモータ室(11)に導入
して内部を低温低圧雰囲気の低圧ドーム構造としてい
る。また、上記ケーシング本体(3)の底壁には導出管
(53)が接続されているとともに、後述する第2静止
側ジャーナル軸受(33)には導出孔(33a)が形成
され、上記導出管(53)が導出孔(33a)を介して
モータ室(11)に連通するようになっている。この導
出管(53)は上記吸入管(19)に配管(55)によ
って接続され、モータ室(11)から導出される低温低
圧の気体を羽根車(15)入口に導いて吸入使用するよ
うになっている。また、上記モータ室(11)には、ロ
ータ(23)とステータ(25)とからなるモータ(2
7)が配置され、該モータ(27)のロータ(23)は
上記回転軸(13)の中途部に固定され、一方、ステー
タ(25)は上記ケーシング本体(3)内周に装着され
た周壁部材(29)に上記ロータ(23)と向かい合う
ように固定されている。
【0019】上記静止側スラスト軸受(7)のモータ室
(11)側には、第1静止側ジャーナル軸受(31)
が、反対側には第2静止側ジャーナル軸受(33)がそ
れぞれ固定され、これら第1及び第2静止側ジャーナル
軸受(31),(33)と上記周壁部材(29)とによ
ってハウジングが構成され、このハウジング内部をモー
タ室(11)としている。一方、上記回転軸(13)の
第1及び第2静止側ジャーナル軸受(31),(33)
側の周面には、複数のヘリングボーングルーブ(35)
が上記第1及び第2静止側ジャーナル軸受(31),
(33)に向かい合うようにそれぞれ形成され、両者間
の僅かなクリアランスに生成された気体圧力による気体
膜により回転軸(13)を非接触状態で回転自在に支持
する動圧型ジャーナル気体軸受(37)を構成してい
る。
【0020】上記静止側スラスト軸受(7)と第1静止
側ジャーナル軸受(31)との間にはプレート室(3
9)が形成され、該プレート室(39)にはスラスト円
板からなる回転側スラスト軸受(41)が上記回転軸
(13)の先端側部分(13b)に外側方に張り出すよ
うに嵌着されて配置されている。静止側スラスト軸受
(7)は回転側スラスト軸受(41)よりも羽根車(1
5)寄りに配置され、回転側スラスト軸受(41)と対
峙している。また、該回転側スラスト軸受(41)の静
止側スラスト軸受(7)側の面にはスパイラルグルーブ
(図示せず)が形成され、静止側スラスト軸受(7)と
の間の僅かなクリアランスに生成された気体圧力による
気体膜により回転軸(13)のスラスト荷重を非接触状
態で回転自在にする動圧型スラスト気体軸受(43)を
構成し、この動圧型スラスト気体軸受(43)は、動圧
型ジャーナル気体軸受(37)よりも羽根車(15)寄
りに配置されている。そして、上記回転軸(13)を動
圧型スラスト気体軸受(43)及び動圧型ジャーナル気
体軸受(37)によって回転自在に支持している。
【0021】本発明の特徴として、上記回転側スラスト
軸受(41)と動圧型ジャーナル気体軸受(37)との
間における回転軸(13)周りには、上記羽根車(1
5)による昇圧気体のラビリンスシール部(45)が設
けられている。
【0022】このように、ラビリンスシール部(45)
と動圧型ジャーナル気体軸受(37)とを回転側である
軸本体(13a)及び静止側である静止側ジャーナル軸
受(31)というそれぞれ1つの部品で構成しているこ
とから、両者が別部品である場合の製作誤差や組付け誤
差等を考慮してクリアランスを大きく設定する必要がな
く、ラビリンスシール部(45)における漏れ流量を低
減してシール性を高めることができる。
【0023】また、上記静止側スラスト軸受(7)に
は、羽根車(15)外周とプレート室(39)とを連絡
する複数の第1バイパス通路(47)が形成されている
とともに、上記動圧型ジャーナル気体軸受(37)の第
1静止側ジャーナル軸受(31)には、ラビリンスシー
ル部(45)の動圧型ジャーナル気体軸受(37)側の
端部とモータ室(11)とを連絡する複数の第2バイパ
ス通路(49)が形成されている。
【0024】したがって、上記第1バイパス通路(4
7)により、羽根車(15)外周から出た高温高圧の気
体を第1バイパス通路(47)を経てプレート室(3
9)に流入させることができ、該プレート室(39)全
体を均一な圧力にして回転側スラスト軸受(41)の前
後の差圧をなくし、軸受機能を阻害しないようにするこ
とができる。
【0025】また、上記第2バイパス通路(49)によ
り、ラビリンスシール部(45)に入った気体、つまり
上記プレート室(39)の高温高圧の気体をモータ室
(11)に排出させることができ、これにより、動圧型
ジャーナル気体軸受(37)に入らないようにして軸受
機能を阻害しないようにすることができる。
【0026】このように構成されたターボ圧縮機は、例
えば空調機の冷媒回路等に使用される。つまり、冷媒ガ
ス等の気体を羽根車(15)の回転により吸入管(1
9)から吸入して昇圧し、昇圧気体をディフューザ空間
(9)及びスクロール空間(17)を経て吐出管(2
1)から吐出するようになっている。この間、昇圧前の
低温低圧の気体が導入管(51)からモータ室(11)
に導入され、導出管(53)及び配管(55)を経て吸
入管(19)に還流される。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転軸(13)から外側方に張り出す回転側スラスト軸
受(41)と、モータ室(11)側であるジャーナル軸
受(37)との間における回転軸(13)周りに羽根車
(15)による昇圧気体のシール部(45)を設けた。
したがって、シール部(45)とジャーナル軸受(3
7)とを回転側及び静止側でそれぞれ1つの部品で構成
することができ、両者が別部品であることによる製作誤
差や組付け誤差等に起因してシール部(45)において
クリアランスを大きくせずに済み、高精度のシールを行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るターボ圧縮機全体の
断面図である。
【図2】従来例のターボ圧縮機の要部断面図である。
【符号の説明】
(7) 静止側スラスト軸受 (11) モータ室 (13) 回転軸 (15) 羽根車 (31) 静止側ジャーナル軸受 (37) 動圧型ジャーナル気体軸受 (39) プレート室 (41) 回転側スラスト軸受 (43) 動圧型スラスト気体軸受 (45) ラビリンスシール部 (47) 第1バイパス通路 (49) 第2バイパス通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に羽根車(15)が設けられ、他端
    側がモータ室(11)に配置された回転軸(13)を回
    転させ、上記羽根車(15)の回転により吸入気体を昇
    圧して吐出するターボ機械であって、 上記回転軸(13)は、スラスト軸受(43)及びジャ
    ーナル軸受(37)によって回転自在に支持され、 上記スラスト軸受(43)は、ジャーナル軸受(37)
    よりも羽根車(15)寄りに配置され、上記回転軸(1
    3)に外側方に張り出すように嵌着されたスラスト円板
    からなる回転側スラスト軸受(41)と、該回転側スラ
    スト軸受(41)よりも羽根車(15)寄りに配置さ
    れ、回転側スラスト軸受(41)と対峙する静止側スラ
    スト軸受(7)とからなり、 上記回転側スラスト軸受(41)とジャーナル軸受(3
    7)との間における回転軸(13)周りには、上記羽根
    車(15)による昇圧気体のシール部(45)が設けら
    れていることを特徴とするターボ機械。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のターボ機械において、 回転側スラスト軸受(41)は、静止側スラスト軸受
    (7)とジャーナル軸受(37)の静止側ジャーナル軸
    受(31)との間に形成されたプレート室(39)に配
    置され、 上記ジャーナル軸受(37)の静止側ジャーナル軸受
    (31)には、シール部(45)のジャーナル軸受(3
    7)側の端部とモータ室(11)とを連絡するバイパス
    通路(49)が設けられていることを特徴とするターボ
    機械。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のターボ機械において、 静止側スラスト軸受(7)には、羽根車(15)外周と
    プレート室(39)とを連絡するバイパス通路(47)
    が設けられていることを特徴とするターボ機械。
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